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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
[8] -25 -50 

1: :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


2: :2012/9/14(金) 23:05:44 ID:4.MWSg5KoU
魔王「人間界と和平結んでからどれくらい経ったっけ?」

側近「一年くらいですね」

魔王「早いよねー。ついこないだたまごっちが発売されたかと思ったら、リアルじゃもう2012年だよ?」

側近「遡りすぎです。たまごっちが発売されたの、1996年ですよ?」

魔王「その間に人間と魔物もだいぶ仲良くなってさ」

側近「その間って、一年ですけどね。両者間のわだかまりもだいぶなくなりましたよね」

魔王「いいことだよねー」

側近「いいことですよね」

魔王「ただ、一つ物申したいことがある」

側近「ほう、それは何ですか?」

魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」

側近「……はい?」
3: :2012/9/14(金) 23:06:15 ID:4.MWSg5KoU
側近「いや、できてますよ。俺はハーピーとラブラブしてますよ」

魔王「お前の話じゃないんだよ!俺の話だよ!」

側近「いや、魔王様だって女勇者とラブラブしてるじゃないですか」

魔王「いやいや、違うでしょ!あれは優しい女勇者ちゃんが俺なんかにでも仲良くしてくれてるだけじゃない!」

側近「……魔王様、どんだけ鈍いんですか?いい加減にしないと俺も怒りますよ?」

魔王「側近いっつも俺には怒ってるじゃん」

側近「いまだかつてないレベルで怒ります」

魔王「マジで!?具体的にはどういう!?」

側近「魔王様の歯ブラシをチェーンソーに代えておきます」

魔王「歯垢どころか俺まで削れるよ!?そんなに怒っちゃうの!?」

側近「それが嫌なら反省することですね」

魔王「今でも何が悪いかわかんないけど……ごめんなさい」
4: :2012/9/14(金) 23:06:50 ID:4.MWSg5KoU
魔王「じゃあさ、せめて俺が女勇者ちゃんと付き合えるように手伝ってくんない?」

側近「既に付き合ってると思うんですけどね。具体的にどういう関係になりたいんですか?」

魔王「んーっとね、手を握って一緒に散歩したりしてね」

側近(童貞っぽい理想だなあ……)

魔王「家では俺を椅子にしたりしてね」

側近(……おおーっと?)

魔王「両手足縛って鞭打ちしてくれるような、そんな感じかなー」

側近「……魔王様、俺の認識が甘かったです。確かにそういう関係ではないですよね」

魔王「ほらー、だから言ったじゃんかー。俺と女勇者ちゃんは付き合えてなんかいないの」

側近「俺もそうですけど、魔王様の認識も一回叩き直した方がいいかもしれませんね」
5: :2012/9/14(金) 23:07:16 ID:4.MWSg5KoU
魔王「とにかく!俺はさっきみたいな感じで女勇者ちゃんとラブラブになりたいの!」

側近「じゃあもう素直に伝えればいいんじゃないですか?好きです、いじめてくださいって」

魔王「それができないから相談してんじゃんよー!」

側近「何故できないんですか?」

魔王「振られるのが怖い。好感度が足りない」

側近「……ギャルゲーとかやってるんじゃないんですか?」

魔王「やってるよ」

側近「それなのに、ご自身の立場がわからない?」

魔王「いや、わかってるよ。だから好感度上げたいって言ってんの!」

側近「……はー。もう他の誰かに相談した方がいいんじゃないですか?」

魔王「そうするよ。ふんだ!モテる側近にはモテない奴の気持ちなんてわからないんだ!」ダッ

側近「あーあ、女勇者もかわいそうだなあ……」ヤレヤレ
6: :2012/9/14(金) 23:07:45 ID:4.MWSg5KoU
魔王「あ、皆ー!」

ドラゴン「魔王様。どうされましたか?」

魔王「相談があるんだけどさー、聞いてよー」

ゾンビ「はぐれメタルが倒せないんですか?」

魔王「違う違う、ドラクエじゃなくて」

スライム「FF9のカードの奴で勝てないとか?」

魔王「違う違う、一旦ゲームから離れてくれないかなあ?」

ドラゴン「魔王様からゲーム取ったら何が残るんですか?」

魔王「辛口だね!?俺だって意外といろいろ残してるよ!……いやね、ちょっと恋愛相談したくてね」

ドラゴン「はあ……」
7: :2012/9/14(金) 23:08:34 ID:4.MWSg5KoU
魔王「女勇者ちゃんと付き合いたくってさあ」

魔王「最初側近に相談してたんだけど、もう告白しちゃえよって感じで真面目に取り合ってくれないんだよ」

魔王「あいつは好感度低い状態で俺が悲惨に散る場面が見たいんだ。そうはいくかよ!って感じだよ、こっちは」

魔王「だから女勇者ちゃんの好感度上げたいって思ってるんだけど、どうしたらいいかなあ?」

ドラゴン「もう死ねばいんじゃね?」

魔王「タメ口!?……死ねばいい!?」

ドラゴン「そう言いたくもなりますよ!何なんですか、あなた!?」

ゾンビ「前作であんなこと(※)しといてよくそんなこと言えますね!」

※あんなこと→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/715-732

魔王「いや、だから、あれは優しい女勇者ちゃんが……」

スライム「謝れ!全国の負け犬達に謝れ!!」

魔王「ええー……」
8: 名無しさん@読者の声:2012/9/14(金) 23:09:07 ID:A9eWW/3vLw
魔王「何で女の子が〜の作者さんか!
前作大好きです支援。
9: :2012/9/14(金) 23:09:26 ID:4.MWSg5KoU
龍人「うっせーなぁ、ぼんくら共。何騒いでんだよ?」

魔王「ああ、龍人!敵襲だよ、敵襲!」

龍人「はあ?この平和なご時世にか?」

魔王「こいつらが俺のことを悪く言うんだよ!!」

龍人「ああ、そういうことか。どうしたんだ?壁に落書きしたんか?」

魔王「してないよ!子どもじゃないんだから!」

龍人「お前なぁ、壁の落書きは福くんですら許されないんだぞ?」

魔王「だから落書きじゃないって!サンゲツのCMでそんなんあったけどさ!」

龍人「で?実際のとこ、何があったんだよ?」

ドラゴン「これを見てくれ>>7

魔王「酷いでしょ!?もうさ、俺と龍人で城の連中の目を覚ましてやろうよ!」

龍人「……お前が目を覚ませよ」

魔王「ええー……」
10: :2012/9/14(金) 23:10:25 ID:4.MWSg5KoU
龍人「お前よ、あんまり調子乗ってんじゃねぇぞ、こら」

ドラゴン「本当にモテない方の気持ちを考えたことあるんですか!?」

ゾンビ「そんなかっこいい顔して!」

スライム「男の風上にも置けない御方ですよ!」

魔王「……」

魔王「……なんだよ」グスッ

魔王「何なん!?皆して俺ばっか悪く言ってさ!」ウルウル

魔王「そんなに女勇者ちゃんに想いを告げようと頑張ることが悪いことなの!?」ブワッ

魔王「もういいよ!城の皆には頼まないよ!」ポロポロ

魔王「自力で……えっと、ときメモの伝説の木みたいなの探してやるんだから!」ダッ

ドラゴン「あ……城を出ちゃった」

龍人「ほっとこーぜ、どうせ晩飯時には帰るだろ」

ゾンビ「龍人もだいぶ魔王様の扱いを覚えたね」

龍人「一年も一緒にいりゃさすがになぁ」
11: :2012/9/14(金) 23:11:09 ID:4.MWSg5KoU
ゾンビ「晩御飯の時間になりましたけど」

ドラゴン「魔王様、帰ってきませんね」

側近「何やってんだよ、あのアホは……」

スライム「心配なんですか?」

側近「馬鹿野郎、誰があんなアホ童貞の心配なんかするかよ」

側近「だいたい魔王様はだな、人と魔物が手を取り合える世界を目指して」

側近「和平を結んだ時点では少数派でしかなかった共存派をたった一年で多数派にしてしまうほどの御方だぞ」

側近「そんな世界を作り上げたから、今じゃ魔物に危害を加える人間なんて極少数だ」

側近「加えて魔王様ご自身の強さがある。この状況下で何を心配する必要があるんだよ?」

龍人「さすが魔王の名パートナーは理解度からして違うな」

側近「……フォーク刺すぞ、この野郎」

龍人「照れ隠しで凶行に走るなよ!ブッチャーか、お前は!?」
12: :2012/9/14(金) 23:11:42 ID:4.MWSg5KoU
龍人「……迎えに行ってやれよ。精神おこちゃまな魔王のことだから、今頃いじけて泣いてるぞ」

側近「はー、面倒くせえな。なんであいつは俺らを振り回すんだろうな?」

ドラゴン「魔王様は信頼してる方しか振り回しませんよ」

ゾンビ「俺らを信じてくれてるから自由にしてるんでしょ」

スライム「一番振り回されるのは側近様ですから、つまりはそういうことですよ」

側近「はた迷惑な信頼だよな……ちょっと探してくる」スタスタ

ドラゴン「……なんだかんだ言って探しに行くんだもんな」

ゾンビ「側近様ってツンデレだよな」

スライム「そんでもってイケメンだからね。女性はたまんないんだろうね」

龍人「……魔王も側近もマジで爆発しねぇかな」
13: :2012/9/14(金) 23:12:23 ID:4.MWSg5KoU
側近「……やっぱりここにいましたね」

魔王「よくわかったね」

側近「魔王様は、俺から逃げる時とかは城の屋上に移動魔法して身を隠しますからね」

魔王「ここから見る空は昼でも夜でも綺麗で気に入ってるんだ」

側近「全く……皆でいじめたことは謝りますから、はやく食事をとりましょう。ピーマンとかは抜いてますから……」

魔王「側近。俺、決めたよ」

側近「はい?」

魔王「この空の下にある世界は広いんだ」

魔王「広大なこの世界には、きっと俺達の知らない不思議がたくさんある」

魔王「俺はそれらを見つけたい!」

魔王「この世界を回って、たとえば……良く効く惚れ薬とか、そういうのを探したいんだ!」

魔王「だから俺は旅に出ようと思う!側近、留守を頼んでいいかな?」

側近「えっと、かっこよさ気に言ってますけど、ようするにモテる方法を探しに行きたいと?」

魔王「うん!」
14: 今回はここまで:2012/9/14(金) 23:13:15 ID:4.MWSg5KoU
側近「魔王様、今すぐご自身の舌を噛み千切っていただけますか?」

魔王「遠回しに死ねって言ってる!なんでそんな酷いこと言うの!?」

側近「言いますよ!何なんですか、魔王がモテる方法探しに行くSSって!?そんなの見たことないですよ!」

魔王「だからいいんじゃない!斬新だよ、斬新!」

側近「そういう変化球は、女性との出会いを求め続けた前作で足りてるでしょう!今作くらいまともに進めましょうよ!」

魔王「やだやだ!俺は好感度上げて女勇者ちゃんと良い関係になるんだ!」

側近「あーもう、どの勇者でもいいから、誰かこの魔王殺せよ……」

魔王「女勇者ちゃんになら半殺しにされてもいいなー」

側近「ちょっと魔王様は黙っててください」
15: 名無しさん@読者の声:2012/9/14(金) 23:15:21 ID:jbHTLonL9o
続編ッスか!?これは楽しみが増えましたCCC
16: 名無しさん@読者の声:2012/9/15(土) 05:34:02 ID:LyahHI45dA
うわー!!お帰りー!!
続編嬉しい!!

龍人好きだよwwだから僻まないでww
っC
17: :2012/9/15(土) 21:55:44 ID:4.MWSg5KoU
>>8>>15
そうです、その人です。続編なんです。支援ありがとうございます。
>>1にも書いた通り、書きたいことが出来たので立ててしまいました。
前作と違うのはノープラン更新じゃなくなった点です。書き溜めも現時点で200KBytes分くらいあります。
そんなわけで言っておきたいことが二点あります。

皆さんの好まれる展開じゃないかもよ気をつけてね、という過剰な防衛線。
支援返レス嫌いな人いても>>1で本編とわけてまとめるから普段は好き勝手返レスするよ、という傷つかないための予防線。

こんな感じです。そんな感じで今後も頑張りますので、それでよければお付き合いください。

>>16
龍人好きなんですか。前作は典型的な悪役で、そんなだからかそういう意見もなかったように思います。
そういうわけで、好きって言ってもらえると本人もきっと嬉しいと思いますよ。
俺も支援もらえて嬉しいですしね。
18: :2012/9/15(土) 21:56:36 ID:4.MWSg5KoU
龍人「……夜中に緊急会議を開いた理由はそれか?」

魔王「うん!」

龍人「魔王、お前今日は自室で練炭炊きながら寝ろや」

魔王「永久に寝てしまうよ!なんで皆俺を殺したがるの!?」

龍人「アホか!?魔王が魔王城にいないでどうすんだよ!?」

龍人「しかも旅立ちの理由がモテる方法を探すだぁ!?お前は馬鹿だろ!?」

魔王「大丈夫だって!今や世界は平和なもんだしさ!」

魔王「だから後は、俺がいない魔王城をどうやって機能させてくかっていう問題だけだよ!」

ドラゴン「いや、それは問題ないでしょう」

魔王「えっ」

ゾンビ「魔王様は普段から仕事しないですからね。むしろいない方が魔王城は機能するんじゃないでしょうか」

魔王「おおう……そんなに必要ないん、俺?」
19: :2012/9/15(土) 21:57:11 ID:4.MWSg5KoU
スライム「魔王城に魔王様がいないっていうのは軽く問題かもしれませんが」

ドラゴン「まあでも我々だけでどうにかなるでしょう」

側近「よかったですね、魔王様。これで何の問題もなく旅立てますよ」

魔王「お前ら少しは止めろよ!こんな簡単に送り出されたら、なんか寂しいだろ!」

龍人「本当にめんどくせぇな、こいつ……」

魔王「あーもうすごい寂しくなってきたよ!どうすればいいの、俺!?」

魔王「……ああ、そうだ。側近も一緒に旅立とうよ!そうすりゃ寂しさも吹っ飛ぶよね」

スライム「いけません、魔王様!側近様は我々の中で一番仕事ができる方ですよ!」

ドラゴン「魔王様はいいとして、側近様がいなくなったら魔王城はおしまいです!」

魔王「……俺もそんぐらい引き止めてほしかったよ」

側近「ていうかお前ら少しは自分でどうにかする姿勢を見せろよ……」
20: :2012/9/15(土) 21:58:02 ID:4.MWSg5KoU
側近「仕方ないですね。少しだけ魔王様にお付き合いしますよ」

魔王「マジで!?やったー!やっぱ側近はなんだかんだ優しいねー!」

ドラゴン「側近様!」

側近「大丈夫だって。どうせ魔王様のことだから、長続きはしねえよ」

魔王「あ!言ってくれたね?こち亀くらい長い大冒険にしてやるからな!」

側近「チャゲチャくらい早く終わらせてみせますよ」

魔王「10週持たなかった奴じゃん!?そんなに早く終わらせるの!?」

側近「つまり10レス未満で終わらせてやるってことですよ」

魔王「短っ!旅立ち前のやり取りのが長いじゃん!」

ゾンビ「……お二方の会話だけでも長編になりそうだよなあ」ヒソヒソ

スライム「魔王城、大丈夫かなあ……」ヒソヒソ
21: :2012/9/15(土) 21:58:35 ID:4.MWSg5KoU
魔王「とにかく、そういうこと!魔王様、決死の大冒険スタートってわけだよ!」

側近「モテたいとかいう理由で決死の覚悟になられても……」

魔王「ああー!お前今、全国の非リア充の想いを踏みにじったな!」

魔王「わかるまい!非リア充を馬鹿にしているイケメンには、この俺の身体を通してでる力が!」

龍人「一番馬鹿にして踏みにじってるのはお前だろうに……」

ドラゴン「無自覚な分、この方は本当に残酷だよね」

スライム「救えないなー、このカミーユは」

魔王「とにかく俺は冒険に出るんだ!鋼の冒険心なんだよ、俺は!」

側近「はあー……ハーピーとはしばらく会えそうにねえな、こりゃ……」
22: :2012/9/15(土) 21:59:28 ID:4.MWSg5KoU
魔王「そういうことだから。ドラゴン、明日の朝までに馬車用意しといて」

側近「は?」

魔王「え?」

側近「いや、魔王様は移動魔法で世界を一瞬で巡れるんですから、馬車など必要ではないでしょう?」

魔王「いやいや、旅だよ?移動の醍醐味がないじゃん、それだと」

側近「はあ?いや、さっさと移動してさっさと帰りましょうよ」

魔王「旅の風景を楽しむ気持ちがないのか、お前は!?PS版の桃伝で、はやあしの術覚えたらさっさと移動するタイプだろ!」

側近「当たり前でしょう!速く移動できるのに活用しない手はないでしょう!」

魔王「何で風景を楽しもうとかいう気持ちがお前には存在しないんだ!」

スライム「冒険の前からもうグダってるよ……」ヒソヒソ

ゾンビ「冒険そのものも絶対グダるよ、これ……」ヒソヒソ
23: 今回はここまで:2012/9/15(土) 22:00:51 ID:4.MWSg5KoU
魔王「だって俺馬車なんか運転したことないしさ。頼んだよ、側近!」

側近「いや、俺だって操縦したことないんですけど……」

魔王「大丈夫!側近ならきっとやれるよ!」

側近「ええ〜……何ですか、その無責任な信頼は……」

魔王「とにかく、行ってくるから!お土産とかもちゃんと買うからね!」

ドラゴン「行ってらっしゃいませ、魔王様。側近様」

龍人「お前らもう帰ってこなくていいからなー」ケラケラ

側近「魔王様、龍人が魔王職乗っ取る気満々ですよ」

魔王「それを阻止するためにも必ず帰るんだ!さあ行こう!」



魔王「こうして魔王達の新たな冒険は始まったのだ!」

側近「自分でナレーションいれないでください。チェスターですか、あなたは?」
24: :2012/9/15(土) 22:05:26 ID:4.MWSg5KoU
貼り付けミスしましたwwwすみませんwww
>>23は正しくは次の通りです。

口論は止むまま朝になりました。

側近「結局馬車旅ですか……」

魔王「いいよねー。こう、揺られながら風景を楽しむっていうね!」

龍人「馬車の操縦は誰がするんだよ?」

魔王「側近!」

側近「え?」

魔王「だって俺馬車なんか運転したことないしさ。頼んだよ、側近!」

側近「いや、俺だって操縦したことないんですけど……」

魔王「大丈夫!側近ならきっとやれるよ!」

側近「ええ〜……何ですか、その無責任な信頼は……」

魔王「とにかく、行ってくるから!お土産とかもちゃんと買うからね!」

ドラゴン「行ってらっしゃいませ、魔王様。側近様」

龍人「お前らもう帰ってこなくていいからなー」ケラケラ

側近「魔王様、龍人が魔王職乗っ取る気満々ですよ」

魔王「それを阻止するためにも必ず帰るんだ!さあ行こう!」



魔王「こうして魔王達の新たな冒険は始まったのだ!」

側近「自分でナレーションいれないでください。チェスターですか、あなたは?」
25: 狩魔豪「このスレはこれより10レスで終わるだろう!」:2012/9/16(日) 13:14:04 ID:4.MWSg5KoU
魔王「馬車なうっと」

側近「魔王様、ツイッターしてるんですか?」

魔王「いや、してないけど」

側近「じゃあ何をなうとか呟いてるんですか?」

魔王「何だよー、ツイッターじゃないと呟いちゃいけないのかよー」

側近「いや、誰もそうは言ってませんけど」

魔王「それにしても側近、馬車の運転うまいねー」

側近「やってみれば案外できるもんですね」

魔王「側近はいっそ馬車の運転手になればいいんじゃない?」

側近「馬車を操縦する者は御者って言うんですよ」

魔王「へえ。82へえくらいかな」

側近「80越えましたね。何か粗品くださいよ」

魔王「俺のサインあげよっか?」

側近「ゴミはいりませんよ。そろそろ森を抜けますよ」

魔王「ゴミ!?あ、うん、抜けちゃって!」
26: :2012/9/16(日) 13:15:04 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……おおー!」

側近「おおー、森を抜けるとこんな景色になるんですね」

魔王「魔王城近辺のこの森は移動魔法で飛ばして行くからね、よくよく考えると風景とか見たことないよね」

側近「へー、こうして見るとこの辺の風景もいいですねー」

魔王「旅もいいもんでしょ?」

側近「悔しいですけど、認めざるを得ませんね」

魔王「気分も良くなったし、このまま旅を続けていこう!」

側近「そうですね。ところで、俺達はこれからどこに向かえばいいんですか?」

魔王「知らんよ」

側近「は?」

魔王「行くあてもなく流れるように各地を流離う!これもまた旅の醍醐味なり!」

魔王「……あれ?どうしたの側近?急に馬車止めて」

魔王「ちょっと、何でこっちに来るの……痛あっ!な、何で殴るの!?」

側近「何で目的地もないままに馬車走らせてるんですか!?」
27: :2012/9/16(日) 13:15:52 ID:4.MWSg5KoU
魔王「だってモテる方法探す旅に目的地もクソもないじゃない」

側近「いや、ある程度情報がありそうな場所とかに目星をつけとくべきじゃないんですか!?」

魔王「うるさい!今の俺は陽気な旅がらすなんだい!」

側近「……>>1が既に貼り付けミスしてグダグダになってるんですから、せめて俺達は計画的に行きましょうよ」

側近「とりあえず……まずは魔王城から近い集落で情報収集することにしましょう」

魔王「魔王城から近い集落って?」

側近「たとえば……魔力の森ですかね」

魔王「えー、また森に入るの?道ゴツゴツしててきついんだけど」

側近「魔力の森って、魔女達が住み着く森ですよ?」

魔王「ああ、そうだった!行こう!音速で向かおう!!」

側近「……女勇者に嫌われますよ?」

魔王「え!?な、なんで!?」

側近「少しは女心というやつを学ぶべきですね。行きますよ」

魔王「ちょっと!何で嫌われるの!?ねえ!」
28: :2012/9/16(日) 13:17:26 ID:4.MWSg5KoU
側近「馬車を走らせて幾分か時間が経ちまして」

側近「とうとう魔力の森に到着しました」

魔王「着いたねー!お馬さん、ご苦労様ー!」

側近「俺にも労いの言葉くださいよ」

魔王「走ったのはお馬さんだからね。しかしさすがは魔女の住む森!俺の可愛い娘センサーもすごい反応してるよ!」

側近「それって魔王様の勘なんですよね?」

魔王「でも当たる確率は高いのだ!その証拠に……ほら!」

魔女っ娘1「……あれ?魔王様と側近様ですか?」

魔女っ娘2「どうしたのですか?このような場所に来るなんて」

魔王「ほらー、可愛い女の子だ!わーい!」

側近「綺麗な女性に関する勘の鋭さは一級品ですよね……」

魔女っ娘1「私達、もう戦争派とかいう立場ではないですけど」

魔女っ娘2「死霊鉱山の騒動のようなことはもう企ててませんけど」

魔王「あ、いや、違うの!別に調査とかに来たわけじゃなくてね!」

魔王「えっと……側近、説明してあげて!」

側近「ええ〜……あの理由を俺から説明するんですか?」
29: :2012/9/16(日) 13:18:17 ID:4.MWSg5KoU
魔女っ娘1「……あはははは!モテる方法を探す旅ですか!」

魔女っ娘2「それでここに偶然立ち寄ったわけですね」

側近「魔王様、笑われたんですけど」

魔女っ娘1「あっ!す、すみません!魔王様の旅の理由を笑ってしまって……」

魔王「ううん、いいんだよ!笑顔もとっても可愛いね!」

魔女っ娘1「か、可愛いだなんて、そんな……///」

魔女っ娘2「魔王様は今のままで十分モテると思いますけどね」

魔王「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」

側近「さっさと終わらせて帰りたいからね。この魔力の森で多く情報を持ってる奴とか知らないか?」

魔女っ娘1「……モテる方法を知ってるかどうかはわかりませんけど」

魔女っ娘2「いろいろな知識を持ってる仲間はいますよ」
30: :2012/9/16(日) 13:19:16 ID:4.MWSg5KoU
魔王「心当たりあるんだね?よかったら教えてくれないかなあ?」

魔女っ娘1「はい。えっと、あそこに大きな木がありますよね」

魔王「うん」

魔女っ娘2「あの木の中に部屋を作成して住み着いてる魔女がいるんです」

魔女っ娘1「彼女は一年前の死霊鉱山の件で、連合軍の戦闘部隊の指示を担当した者なんです」

魔女っ娘2「そのため、魔界各地を回った経験がありまして、当時はいろんな情報を耳にしたそうです」

側近「なるほど、それなら情報を多く持ってる可能性はあるな」

魔王「モテる方法を知ってる可能性もあるよね!」

側近「いやあ、そもそもモテる方法の具体的な定義がよくわかりませんし……」

魔王「行ってみようよ!その女の子にも会ってみたいし!」

側近「そうですね、行きましょう。その女性が魔王様の納得のいく情報持ってたら旅も終わりますし」

魔王「あ……そっか」

側近「チャゲチャの打ち切り記録を越える可能性も出てきましたね」

魔王「やばいなあ……10レスくらいは持ちたいよなあ」
31: :2012/9/16(日) 13:20:20 ID:4.MWSg5KoU
魔王「彼女達の言ってた大木まで辿り着いたけど」

側近「本当に大きな木ですね。樹齢何年ぐらいなんでしょう?」

魔王「この木の中に部屋あるんだよね?どっから入るの、これ?」

側近「あ、ドア発見しました」

魔王「それだ!よし、ノックをトントンして……ごめんくださーい!!」

ウィッチ「はーい。どなたです……か……」

魔王「ああ!!ウィッチちゃん!」

ウィッチ「ひいいい!!ま、魔王!!……さま!」

側近「え?顔見知りですか?」

魔王「馬鹿野郎!一年前に出会ったウィッチちゃんだろ!覚えてないのか!?」

側近「え?俺も会ったことあるんですか?」

魔王「失望したよ……とりあえずこれの龍人の小話読みなさい。http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/888

側近「はあ、今から読みます」
32: :2012/9/16(日) 13:21:34 ID:4.MWSg5KoU
魔王「それにしても久し振りだね!元気にしてた?」

ウィッチ「ひいい!あの、私、反省したので!だからお仕置きは勘弁してください!」

魔王「いやいや!しないから安心して!むしろウィッチちゃんが俺にお仕置きしてほしいよ!」

ウィッチ「ほ、本当ですか?私、罰せられないんですか?」

魔王「罰したりなんかしないよ。ほら、怯えないで。綺麗な顔が台無しだよ?」

ウィッチ「わ、私の処罰が目的ではないのですか?では何故魔王様がここに?」

魔王「側近!説明してあげて!」

側近「今ちょっと読んでるとこなのでパスします」

魔王「おおう、俺から言い出したことだし怒れないや。仕方ない、俺から説明するね!」
33: :2012/9/16(日) 13:22:26 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……ってわけなんだ」

ウィッチ「も、モテる方法……ですか?」

魔王「うん!」

ウィッチ「モテる方法って言ったって……それは個人的なテクニックとかでもいいんですか?」

魔王「うーん……できれば絶対的な方法がいいなー」

魔王「こう……これさえすれば女性の心を完全ゲット!みたいなね」

ウィッチ「それは女性の感性にもよりますから、絶対的な方法はないかと……」

魔王「そっかー。知らないんだね」

ウィッチ「いや、知らないというか、たぶんない……」

魔王「ごめんね、急に押しかけてきて。俺達は新たにモテる方法を探すとするよ」

ウィッチ「……はい。もうそれでいいです」
34: 狩魔豪「うおおおおお!」:2012/9/16(日) 13:23:52 ID:4.MWSg5KoU
魔王「側近、読んだー?」

側近「今読んでるとこです」

魔王「遅いよー、もうちょっと速読してよー」

側近「いやーやっぱりハーピーは可愛いですね」

魔王「何で側近とハーピーちゃんの出会いの話読んでるの!?違う違うそっちじゃなくて!」

側近「冗談ですよ。この魔女はあの時の魔女だったんですね」

ウィッチ「魔王様、よく覚えてましたね……」

魔王「可愛い女の子を忘れるわけないじゃない!」

側近「で、魔王様の納得のいくモテる方法は知らなかったと」

魔王「側近、ウィッチちゃんを責めるような言い方はしないでくれ!」

側近「俺が批判したいのは魔王様の方なんですけどね」

ウィッチ「うーん……たぶん望みは薄いと思いますけど、一応ゴブリンやオークにも訊いてみましょうか?」

魔王「え?誰それ?」

ウィッチ「え……誰って、一年前の時の私の仲間ですよ」

魔王「え〜?覚えてないなー」

側近「魔王様、これ読みます?http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/888

魔王「ちょっと読もうかな……」
35: 狩魔豪「10レス過ぎてしまった……」:2012/9/16(日) 13:25:14 ID:4.MWSg5KoU
側近「まったく、ウィッチ以外のことは忘れてるじゃねえかよ……」

ウィッチ「側近様は覚えてるのですか?」

側近「忘れてたけど、今さっき読んだからね。オーク達の住処ってどの辺なの?」

ウィッチ「この森から南東に進むと複数種の魔物の集落があります」

ウィッチ「そこにゴブリンもオークも住んでいます。一度訪ねてみては如何でしょう?」

側近「こっから南東っていうと……魔道湿原?」

ウィッチ「あ、はい!そこです。魔道湿原のことです」

側近「魔王様、次の目的地が決まりましたよ。行きましょう」

魔王「待って、今読んでるところだから……」

側近「あーもう、馬車に戻りますよ!どうせこれから会うんですから、その時に思い出すでしょう!」
36: :2012/9/16(日) 13:26:12 ID:4.MWSg5KoU
ウィッチ「え?馬車で旅してるのですか?」

側近「そうだよ。この馬鹿が馬車で旅したいとか言い出したから」

魔王「俺は陽気な旅がらすなんだよ!」

側近「陽気な馬鹿ですよ。女馬鹿、ゲーム馬鹿、純粋に馬鹿です」

魔王「流れるように悪口を言わないで!案外へこむんだから!」

ウィッチ「あの……馬車での移動なら、ここからだとだいぶ時間がかかります」

ウィッチ「今からだと到着は深夜になってしまいます」

ウィッチ「今日はもう移動せず、明日の早朝に出発した方がいいのでは?」

側近「ふーん……魔王様、どうします?」

魔王「明日の早朝に出発しよう」

側近「深夜の移動となると、さすがにきついですか」

魔王「いや、お馬さんがかわいそうじゃんか」

側近「あー、そっちですか。本当に甘いくらい優しい方ですよね」
37: 今回はここまで:2012/9/16(日) 13:27:16 ID:4.MWSg5KoU
魔王「まあそういうことだから、ウィッチちゃん、宿の場所教えて!」

ウィッチ「魔女の集落に宿屋はありませんよ」

魔王「え?」

ウィッチ「元々自給自足の生活をしてる種族ですし、観光客がくるような場所でもないので」

魔王「うわあ……どうしよっか、側近?」

側近「野宿でしょう」

魔王「うそお……側近、何か、えっと……熊とか出たら助けてね?」

側近「いや、熊よりあなたの方が強いでしょうに」

ウィッチ「あの、よければうちに泊まりませんか?」

魔王「いやいやいや!嬉しい申し出ですけどちょっとちょっと!」

側近「俺ら一応男だからな。女性だらけのこの集落で、誰かの家に泊まるわけにはいかんよ」

ウィッチ「そ、そうですか……」
38: 名無しさん@読者の声:2012/9/16(日) 19:35:25 ID:9vMueoL5s2
なにフラグ逃してんだよ…だから魔王はいつまでたってもどうて…ゲフンゲフン
魔王ガンバ

CCC
39: 名無しさん@読者の声:2012/9/16(日) 20:25:04 ID:g47LUYbxvo
魔王様みたいな友達いるわWWWイケメンなのにベクトル明後日の方角向いてるのWWW

頑張れ側近様C
40: :2012/9/17(月) 10:15:02 ID:4.MWSg5KoU
>>38
思えば魔王様は女勇者と出会った辺りから、とあるラノベの主人公のようになってしまったように感じます。
フラグは十二分にありながら、活用しないどころか気付かないでモテないと言い出す始末ですよ。
同じ童貞なのに何でここまで差があるんだ、と俺は人知れずそう思って泣いてます。
とりあえず支援もらえたので泣き止みます。ありがとうございました。

>>39
御友人がイケメンなんですか。それは妬ましいですね。
この手の話題になると、爆発しろ!と、爆弾魔みたいな発言しかできなくなる自分がいます。
イケメンに嫉妬する日々、毎日が彼女いない歴の長さ記録更新日、ついでに自分の言動のワンパターンさに悲しくなってきます。
そんな心を癒してくれるのが支援です。本当ありがとうございます。
41: :2012/9/17(月) 10:15:48 ID:4.MWSg5KoU
魔王「というわけで野宿です!」

魔王「うっわ!怖いねー!めっちゃ暗いよ!ゲームしたいな!なんかワクワクドキドキ……」

側近「うるさいですよ!普通に寝れないんですか、あなたは!?」

魔王「だってさー、森ん中でテント張って野宿とか、超興奮しない!?ねえねえ、好きな女子をお互いに明かそうぜ!」

側近「中学の修学旅行ですか!?ていうか、お互いに好きな女性が誰か知ってるでしょ!」

魔王「じゃあ何で好きになったか理由言ってこうよ!」

側近「何故そんなことしなきゃならないんですか?明日も早いんですから俺は寝ますよ」

魔王「俺はねー、こんな駄目な俺でも慕ってくれる女勇者ちゃんの優しさが好きだねー」

側近「……俺はどんな時も支えてくれるハーピーの優しさが好きです」

魔王「んふふーwwwなんだかんだ付き合ってくれるんだねwww」

側近「はぶてられても後が面倒臭いだけですからね」
42: :2012/9/17(月) 10:16:35 ID:4.MWSg5KoU
修学旅行的トーク中

側近「……魔王様、本当に好きな女性がいるのなら、誰にでも盛るのはやめた方がいいですって」

魔王「ええ〜?可愛い子、美しい女性を純粋に褒めて何がいけないの?」

側近「……ニブチンですよね、本当に」

魔王「何でそこまで言われないといけないんだよ……」

側近「ニブチン。ニブチン。ニブチン」

魔王「連呼しないで!なんか……ゲシュタルト崩壊するから!」

側近「ニブチン○ニブチン○」

魔王「。をでっかくしないで!なんか見た目すっごい卑猥な感じになるから!」

側近「誰にでも盛る魔王様にはお似合いのニックネームでしょう」

魔王「……!」

側近「……!」

魔女っ娘3「魔王、覚悟おぉ!!」ファイヤーグワー
43: :2012/9/17(月) 10:17:44 ID:4.MWSg5KoU
側近「ふんっ!」バリヤー

魔女っ娘3「!」

魔王「ちょ、せっかくのご褒美が!」

側近「はあっ!」クビスジチョップ

魔女っ娘3「ぐぁっ!」

魔王「ちょっとぉ!!側近、お前何してんだよぉ!?」

側近「童貞王者ニブチン○が襲われたので守っただけです」

魔王「ムシキングの亜種みたいに呼ばないで!かわいこちゃん、大丈夫!?」

魔女っ娘3「ぐっ、魔王……殺してやる!!」

魔王「おおう、殺気が溢れ出てる……君になら半殺しにされたいな」

側近「深夜に強襲とは、なかなか汚い真似してくれたな」
44: :2012/9/17(月) 10:18:52 ID:4.MWSg5KoU
魔王「えっと、何この展開?魔力の森の可愛い魔女ちゃん達は、実はまだ戦争派、みたいな?」

側近「それはないでしょう。魔女達全員が戦争派なら、今頃総力あげての大攻撃が始まってますよ」

側近「つまり今回のこれはこいつの単独犯ですよ。そうだな、娘?」

魔女っ娘3「……」

側近「答えろ!!」シャキンッ

魔王「ちょっと!!剣は危ないって!!何してんの!?」

側近「魔王様……こいつは魔王様を殺そうとしたんですよ?」

魔王「それがその子を殺していい理由にはならない!」

側近「……理由になると思うんですけどねえ。まあわかりましたよ」スチャッ

側近「娘、本来魔王様に逆らうことは死刑を処す大罪だ。お許しくださる魔王様に感謝するんだな」

魔王「それ、前魔王の時のしきたりだから無視していいよ」

側近「本当にあなたって方は……」

魔女っ娘3「……」
45: :2012/9/17(月) 10:20:02 ID:4.MWSg5KoU
側近「とりあえず殺しはしないと決めましたが、この女の行動が悪意に満ちてることに変わりはありません」

側近「然るべき対処を取らないのはさすがにまずいでしょう」

魔王「ええ〜、何する気?」

側近「俺は魔王様から手出しを禁じられた身ですからね。彼女を罰するのは同族に任せますよ」

魔王「ああ、森の魔女ちゃん達に任せるんだね。今日もう夜遅いけど、どうすんの?」

側近「とりあえずこいつは縛っておきましょう。で、朝にでも突き出すとしましょう」

魔王「待って。側近、待って」

側近「何ですか?」

魔王「それって……縛った女の子と、狭いテントの中で一夜を共にするってこと?」

側近「なんか語弊を招きそうな言い方ですけど……まあそうですね」

魔王「駄目だって!縛るのかわいそうだし!そ、それに、こんな可愛い女の子と一緒の空間で寝るとか!!」

側近「行動を制限しておかないとまた襲われますよ?戦闘力に差があるので、彼女の攻撃で死にはしないと思いますが、ゆっくりと休みたいでしょう?」

魔王「……マジですか」ドキドキ

魔女っ娘3「……」
46: :2012/9/17(月) 10:21:26 ID:4.MWSg5KoU
側近「いやあ、清々しい朝ですね」

側近「……魔王様、目の下にくまができてますけど?」

魔王「……寝れなかったんだよ」

側近「何故ですか?」

魔王「リア充にはわかんないよ、ちくしょう!」

側近「……?まあいいでしょう。とりあえずこいつを突き出すとしましょう」



側近「……ということがあったんだが」

魔女っ娘1「す、すみません、魔王様!私達の仲間が大変なご迷惑を!」

魔王「いやあ、全っ然気にしてないから大丈夫だよ!」

魔女っ娘2「勝手に私達魔女が誤解されかねない行動をしたんだから……わかってるよね?」

魔女っ娘3「……わかってる」

魔王「あ、その!俺、あんまり気にしてないから!だからあんまり酷いことは……」

ウィッチ「魔王様、私達には私達の決まりごとがあります。魔王様の優しさを無下に扱うのは心苦しいですが、ここは私達に任せてください」

魔王「ウィッチちゃん……」
47: :2012/9/17(月) 10:22:46 ID:4.MWSg5KoU
側近「……彼女、連れてかれちゃいましたね」

魔王「ウィッチちゃん。俺、あの子から著しく嫌われてたけど、何でだろう?」

ウィッチ「……あの子は幼いころ、まだ魔物と人間が手を取り合ってない世界の時に、家族全員を人間に殺されました」

魔王「あっ……」

ウィッチ「あの子は魔物と人間の共存に進む現在も、そんな現在を作った魔王様も未だ許せない心境にあるのです」

側近「戦争の傷跡……土地や肉体の損傷は長い時間をかけて治ることもあるだろうが」

側近「失った命は二度と戻らない。そして、それが記憶から消えることもない」

魔王「……」

ウィッチ「魔王様を殺害しようとしたことを許容する理由にはなりえませんが、それでも彼女が戦争の被害者だということは忘れないでください」

魔王「……あの子がその過去を心に宿して、それでも笑顔でいられるような優しい今を目指して頑張るよ」

ウィッチ「私からもお願いします。魔王様の作られた優しい世界で、あの子の憎しみは悲しすぎますから……」
48: :2012/9/17(月) 10:25:33 ID:4.MWSg5KoU
側近「……魔王様、そろそろ出発しますよ」

魔王「あっ……う、うん。わかったよ」

魔王「ウィッチちゃん、情報くれたり泊まらせてくれたりしてありがとう!」

ウィッチ「いえ、大した情報も提供できませんでしたし、何より魔王様方は野宿されたじゃないですか」

魔王「ううん!すっごい助かったし、何よりウィッチちゃんや森のかわいこちゃん達に会えて嬉しかったよ!」

ウィッチ「……魔王様って本当に女性が好きなんですね」

側近「……何?それって有名になってんの?」

ウィッチ「けっこう噂になってますね。こんな森にも情報が来るくらいですから」

側近「だそうですよ、魔王様」

魔王「いや〜それほどでも〜」

側近「あの、俺は反省を促したつもりなんですけど」
49: :2012/9/17(月) 10:26:44 ID:4.MWSg5KoU
魔王「馬車なう!」

側近「なうなう言われてむかつくんですけど」

魔王「そんなに言ってなくない!?」

側近「量じゃなくて質の問題です」

魔王「質って何!?なうって呟くのに質の良し悪しがあるの!?」

側近「ていうか、魔王様の口から発せられると、あらゆる単語がうざくなります」

魔王「発言すること自体を否定しないでよ!そんなのもう黙るしかなくなるじゃん!」

側近「そうですよ、黙れっつってんですよ。ようやく理解しましたか」

魔王「ああ、ひっでー!こうなったら絶対黙ってやんねえもんね!」

側近「ガキですか……まあいいです。黙らないんなら一つお訊ねします」

魔王「いいよー。何ー?」

側近「攻撃してきた魔女、そして彼女の過去……どう思いましたか?」
50: :2012/9/17(月) 10:28:12 ID:4.MWSg5KoU
魔王「ああ……誰かの命を奪おうとして現状を変えようとするのはあんまり認めたくないけど、でも彼女の気持ちも無視できないよね」

側近「俺も魔王様も、争いの悪意に家族を奪われてますからね」

魔王「気持ちはわかるよね。気持ちは」

魔王「……今や共存派は多数派と呼べるほどに増えたよ」

魔王「世界中で意見を交わす時、戦争派は少数派になるよね」

魔王「そして少数派だからか、その意見は間違ってるって言われるようになったけど……」

魔王「確かに戦争派のしようとしてることを俺は認めたくない。争わないで済むなら、それを目指していきたいよ」

魔王「でも、戦争派の気持ちは蔑ろにはしたくないな」

魔王「嫌いな物があるのは自然なことだよ。それが悪いこととは言いたくない」

魔王「そしてそれを嫌うのも自然なことだよ。それが間違いだとも言いたくない」

魔王「そいつらが間違ってると決めつけてこの世界を強制するんじゃなくて、この世界でもそいつらの納得できる部分を一緒に探していきたい」

魔王「少数派だからとか、自分と考えが違うからって、見放したくはないなあ」

魔王「それに、それが実現したらあの子の笑顔も見れるかもしれないしね!」
51: 今回はここまで:2012/9/17(月) 10:29:45 ID:4.MWSg5KoU
側近「魔王様らしいお答えですね」

側近「自分を憎む相手にでも優しくできるのはさすがとしか言いようがありません」

側近「俺も魔王様の作られたこの世界が好きですからね」

側近「それが骨の折れる作業だとわかってても、最後まで従うとしますよ」

側近「……魔王様?」

魔王「すぅ……すぅ……」

側近「寝てんのかよ!せっかく珍しく褒めてやったのに……」

側近「……そういや一睡もしてなかったんだっけか。仕方ない、寝かしといてやるか……」

側近「ったく、俺に馬車走らせといて、良い御身分だな」

側近「さっさと魔道湿原を目指すとするか……」
52: :2012/9/18(火) 21:32:11 ID:4.MWSg5KoU
魔王「むにゃむにゃ……女勇者ちゃ〜ん……///」

側近「魔王様、起きてください。着きましたよ」

魔王「……んんぅ?あれ?女勇者ちゃんの膝枕は?」

側近「どんな夢を見てたんですか?魔道湿原に着いたんですよ」

魔王「ああ、そういう展開だったね。お馬さん、ご苦労様」

側近「……見事なまでに湿原ですね」

魔王「ねー。よくこんな大変そうな場所で生活するよねー」

側近「器用に家も建ててますよ、立派ですよね。さて、ウィッチの仲間を探すとしましょうか」

魔王「ここにはかわいこちゃんいないの?」

側近「知りませんけど、たぶんいないと思いますよ」

魔王「そっかー……萎えるわー」
53: :2012/9/18(火) 21:32:48 ID:4.MWSg5KoU
魔王「家のドアをノックするよ!」

側近「確認しなくていいからさっさとやってください」

魔王「冷たいなあ、側近は……ドンドンっと!」ドンドン

ゴブリン「はいはーい。どちら……さま……」

側近「おっ、いきなり当たりだ」

魔王「え?こいつウィッチちゃんの仲間なの?」

側近「男に対して興味なさすぎでしょう……」

ゴブリン「おわああ!?ま、魔王!?……さま!」

魔王「そだよー。魔王だよー」

ゴブリン「な、何で魔王様がここに!?」

魔王「あー、落ち着いて落ち着いて。悪いことは絶対にしないから。側近、説明」

側近「本当に俺を酷使しますね」

魔王「そうかなー?」
54: :2012/9/18(火) 21:33:54 ID:4.MWSg5KoU
側近「……というわけだ」

ゴブリン「……モテる方法?」

魔王「うん!オークは何か知らない?」

ゴブリン「そんなもの知ってたら俺が実行してますよ!」

魔王「うわっ!?」

ゴブリン「そんな方法があるんだったら俺が教えてほしいですよ!この顔ですよ!?どう希望を抱けっつーんですか!」

ゴブリン「何ですか!?魔王様はイケメンだというのに、そんなこと俺に聞いて!喧嘩売ってんですか?いいですよ、買います!五秒後には俺が死んでるでしょう!」

ゴブリン「大体オークって何ですか!?俺ゴブリンですよ!名前間違えるとか舐めてるんですか!?いや、舐めても問題ないくらい身分差ありますけども!」

ゴブリン「……あ。す、すいません!ついカッとなって失礼な言葉を……」

魔王「……ご、ごめ……悪気はなくって……」ポロポロ

側近「あーあ、泣いちゃったよ。本当メンタル弱いなー」

ゴブリン「わあああ!すいません!すいません!!」
55: :2012/9/18(火) 21:35:38 ID:4.MWSg5KoU
側近「……落ち着きました?」

魔王「うん。ごめんね、プリンもらっちゃって」

ゴブリン「さきほどの失礼をプリンで許してもらえるなら安い物ですよ」

魔王「ゴプリンもモテる方法は知らないんだねー」

ゴブリン「はい。……あの、俺の名前がプリンに侵略されそうになってるんですけど」

側近「プリン、方法が見つかりそうな場所や人物に心当たりはないか?」

ゴブリン「完全に侵略されたよ!?……あ、えっと人間界に行ってみては如何でしょう!?」

魔王「人間界?」
56: :2012/9/18(火) 21:36:38 ID:4.MWSg5KoU
プリン「そういう知識は魔物より人間の方が詳しいですからね。って、表記までプリンになっとる!?」

魔王「なるほどー。考えたねー焼きプリン」

側近「それでは次なる目的地は人間界の街としましょう。情報提供ありがとう、ミルクプリン」

プリン「豊富な種類を誇っとる!?……あ、いえ、お役に立ててよかったです!」

プリン「……これからすぐに向かわれるんですか?」

魔王「いやー、今日はもう暗くなっちゃってるしねー。出発するなら明日の朝かなー」

側近「俺達はこのアホ魔王の馬鹿げた思いつきのせいで馬車で旅をしているんだ。目的地が人間界なら、今からここを出発するのは厳しいだろう」

マンゴープリン「あー、馬車なら確かに今からは厳しいですね。……最終的にマンゴープリンになるのか」
57: 今回はここまで:2012/9/18(火) 21:38:08 ID:4.MWSg5KoU
魔王「というわけで、今日泊まらせてよー!むさ苦しいこの集落なら問題ないから!」

マンゴー「ええ、まあ女性もいないこの集落ですからね。って、マンゴーの方が生き残るのかよ!?」

魔王「なんかどっかでかい家でさー!皆で泊まってさー!まくら投げとかしたいんだよ俺!」

マンゴ「あーじゃあオークの家でいいでしょう。あいつん家、無駄にでかいんですよ。……嫌な予感がする」つ○

魔王「ごめんね、マン○⊂「そおい!」我儘に付き合わせて」

マン○「はあはあ……いえ、構いませんよ。いやあ、悪い予感が当たってしまいましたよ」

側近「本当に悪いな。とりあえずオークの家に案内してくれ」

マン○「わかりました。それではついてきてください」



マン○「……え?俺の名前、これで固定?」
58: 名無しさん@読者の声:2012/9/18(火) 22:14:19 ID:9vMueoL5s2
マンまるってことだよなww
つまり太ってるってことだよなwww

頑張れマン◯

C
59: :2012/9/19(水) 22:25:33 ID:4.MWSg5KoU
>>58
他サイトでまとめられてたSSの話なんですけど。
○ックス←この丸の中に何が入るか、みたいなSSを読んだんですよ、俺が。
それで、俺の場合はどうあがいても、さ行のえ段が入ってしまう始末でした。
もちろん他にも成り立つ文字はあるんですが、真っ先に浮かんだのはさ行のえ段でした。
大きくなって知識が増えたと同時に、ここまで汚れてしまったんだなあって、みつを風に呟いてしまいました。
マン○をマン丸と読めるような、そんな純真さを取り戻したいと願う今日この頃です。

あと、支援ありがとうございます。
60: :2012/9/19(水) 22:26:37 ID:4.MWSg5KoU
マン○「うわあ、マジでこれで固定かよ……ここです」

魔王「おー。けっこうでかいねー」

側近「魔王様、魔王城ではないんですから迷惑とかかけちゃ駄目ですよ」

魔王「わかってるよー。それじゃドアをノックして……こんばんはっ!」

オーク「はーい、どなたですかー……うわーお!?ま、ままま、まままま、魔王様!?」

魔王「……皆似たようなリアクションだね」

側近「過去に反逆の意を示してるわけですからね。そりゃ気まずいでしょう」

オーク「ど、どうして魔王様がここに!?」

マン○「それは俺から説明するよ」

オーク「……どちら様ですか?」

マン○「ゴブリンだよ!いや、名前表記は劇的に変わったけど、顔見てわかってよ!」
61: :2012/9/19(水) 22:27:25 ID:4.MWSg5KoU
マン○「……ってわけだ」

オーク「なるほど……魔王様と側近様、あとマン○の三人くらいなら別に泊まっても問題ないですけど」

魔王「本当?ありがとう!」

オーク「しかし魔王様と一緒に泊まる日が来るとは……あ、飯用意しますね。マン○、料理手伝って」

マン○「いいよ。魔王様方はお休みください」

魔王「いやー二人にだけ作らせるのも悪いから俺も手伝うよ。皆で作った方が楽しそうじゃん!」

側近「……それは俺にも作るの手伝えと言ってるんですか?」

魔王「当たり前じゃん!野郎の野郎による野郎のための料理といこうよ!」

オーク「鍋でいいですか?」

魔王「いいよいいよー!皆で具材ザクザクしようよ!」

側近「男四人も集まらなくたってできるでしょうに……」
62: :2012/9/19(水) 22:28:15 ID:4.MWSg5KoU
魔王「鍋が出来たよー!」

側近「シンプルな水炊きですねえ……」

オーク「男の料理なんてシンプルが一番ですよ」

マン○「たれはポン酢でいいですよね?」

魔王「でも僕はオリーブオイル!」

側近「もこみち気取ってんじゃないですよ。普通に食いましょうよ」

魔王「あ、Wiiあるじゃん!スマブラやろうよ、スマブラ!」

側近「食事中に遊ぶんじゃありません!」

オーク「……完全に親と子だ、これ」

マン○「本当に中世ファンタジーなのかどうか、よくわからん世界観だよな……」
63: :2012/9/19(水) 22:29:51 ID:4.MWSg5KoU
魔王「スマブラで負けた側近が鍋の片づけ係ね!」

側近「いや、三対一とかされたらそりゃ負けるでしょう!?何なんですか、この理不尽!?」

魔王「オーク!マン○!いえーい!!」ハイタッチ

オーク「い、いえーい」ハイタッチ

側近「ちっ!腐れゲーオタ租チンが……じゃあ鍋洗ってきますよ」

魔王「今凄い悪口言われたと思うんだけど!?……まあいいや、頑張って」

魔王「いやー遊びつつ鍋つついてたらすっかり遅くなっちゃったね!」

マン○「魔王様方は旅の途中の身です。明日も早いことでしょうし、今日はもう休み……」

マン○「……ゴッグ!」マクラボフッ

魔王「へいへーいwwwまくら投げの時間だぜーww」

オーク「そっちがその気なら、こっちもいきますよ!そい!」マクラポーン

魔王「ズゴック!……ふっふっふ、やったなーこのー!」マクラポーン
64: :2012/9/19(水) 22:30:55 ID:4.MWSg5KoU
マン○「純粋に戦いを楽しむ者こそ!」マクラポーン

魔王「自分を捨てて戦える者には!」マクラポーン

オーク「その股ぐらにロケットパーンチ!」マクラポーン

マン○「アッー!」マクラボフッ

側近「うっせーんだよ、お前ら!いい加減にしろ!」ドタドタ

魔王「先生来たぞ!電気消せ!寝たふりしろ!」

側近「修学旅行か!魔王様、ちょっとこっち来てもらいますよ!」

魔王「ちょ、先生!遊んでたの俺だけじゃないですよ!」

側近「誰が先生ですか!罰として魔王様も食器とか洗うの手伝ってください!」

魔王「おーい、お前ら!お前らもこっち来いよ!」

オーク「……んん……ん〜」zzz

マン○「う〜ん……んぐぅ〜……」zzz

魔王「うわあ、狸寝入りだよ!地味にうまいし!」

側近「どうせ首謀者は魔王様でしょう。とにかく魔王様が手伝ってください!」

魔王「あ〜……はーい」
65: :2012/9/19(水) 22:32:06 ID:4.MWSg5KoU
オーク「なんだかんだで朝を迎えました」

魔王「ぶっちゃけ昨日めっちゃ楽しかったwww」

側近「よかったですね、魔王様」

マン○「なんか旧友を迎えたくらいのノリで楽しんでしまいましたが……失礼ではなかったでしょうか?」

魔王「全然いいよー。俺も楽しかったし、本当によかったよ」

側近「失礼とか気にしなくていいよ。魔王様なんてyoutubeの広告動画くらい鬱陶しい存在でしかないんだから」

魔王「最初に流れるあれだよね!?そんなに俺鬱陶しい!?」

側近「一応あれは消せますからね。魔王様も消せればいいんですけどね」

魔王「削除希望レベルなの!?ごめんね、そんなのが泊まっちゃって!」

オーク「いやいや、俺らはそんな風に思ってませんから!」
66: :2012/9/19(水) 22:33:06 ID:4.MWSg5KoU
マン○「魔王様方はこれから人間界を目指して馬車旅をなさるのですよね?」

魔王「うん!」

マン○「馬車での移動となると……今日だけで人間界に辿り着くのは厳しそうですね」

オーク「そうですね。途中で野宿する必要があるでしょうね」

魔王「そっかー。やっぱり旅は過酷だね、側近!」

側近「移動魔法使えば一瞬なんですけどね……」

魔王「近くに何かの集落とかないのかなあ?」

側近「魔道湿原から人間界に向かうとなると……あっ」

魔王「あっ?」

側近「……何でもありません」

魔王「いや、今のは何でもあるでしょ!ねえ皆!?」

マン○「……まあ意味ありげなリアクションではありましたよね」

側近「ちっ……」
67: 今回はここまで:2012/9/19(水) 22:34:14 ID:4.MWSg5KoU
魔王「ほらあ!隠し事せず正直に言いなさい!」

側近「……そのコースだと近くにハーピー族の集落があります」

魔王「ハーピー族の集落!え、じゃあ可愛い女の子たくさんいるじゃん!ハーピーちゃんいるじゃん!」

側近「だから言いたくなかったのに……」

魔王「行こう行こう!ハーピーちゃんに会いに行こうよ!ハーピーちゃんや他の子の美しさに酔いしれたいよ!」

側近「言うんじゃなかったー……こいつにあの村入らせたくねえ……」

魔王「次なる目的地が決まったところで俺達はドンドン進むとしよう!オーク、マン○、いろいろありがとね!」

オーク「いえいえ、モテる方法見つかったら教えてくださいねー」

マン○「割と真剣に欲してますからねー」

魔王「わかったー!皆でリア充になろうね!」

側近「出発しますよー」

魔王「はーい」
68: :2012/9/20(木) 22:50:51 ID:4.MWSg5KoU
───ワタシの名前は勇者。王家の血を引く青年。自信過剰で虚弱体質の愛され勇者♪
ワタシが倒すべき敵は世界を永遠の闇にするワーロック、ワーロックにナイショで向こう岸に運んでくれるフェリーマン。
訳あって眠りから覚めたベエマス。
敵がいるからやっぱりシャドウゲートは危険。今日も炎の竜にちょっとしたことで殺された。
敵の城だとこんなこともあるから命が足りないよね☆そんな時ワタシは死神と出会うことになっている。
終わってしまった冒険ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
「ギャーッ!!」そんなことを叫びながら自ら谷底へと飛び込む。
「おれをあまくみるなよ!!」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
橋の鬼はたくましいけどなんか金貨を求めてきてキライだ。もっと虚弱なワタシを見逃して欲しい。
梯子を登ると何かいた。誰だ、と勇敢なワタシは思った。シカトするつもりだったけど、チラっと捕まってる女の顔を見た。
「おっ!!いいおんな…」
…チガウ…今までの女とはなにかが決定的に違う。ヒューッ!!という感覚がワタシのカラダを駆け巡った…。
「(ウツクシイ…!!…このうえなくみわくてきだ……)」
女は狼だった。いなずまを取ろうとしてエサにされた。「ぎゃあーっ!」キバがひかった。
「POW!POW!」ワタシは死んだ。かーるいす(笑)
69: :2012/9/20(木) 22:51:20 ID:4.MWSg5KoU
側近「……魔王様、今のこれ>>68何ですか?」

魔王「ん?スイーツ(笑)のコピペをシャドウゲイトっていうゲーム風にしてみたんだ。どう?」

側近「いや、どうって……」
70: :2012/9/20(木) 22:52:01 ID:4.MWSg5KoU
側近「人に馬車の操縦させといて、何やってるんですか?」

魔王「暇でさー。側近に何を話しかけても「そうですか。死んでください」としか返ってこないしさー」

側近「思いの外うざいんですよね。話題も声質も魔王様も」

魔王「全否定だよね!?側近がそんなだからさ、俺は一人でこれを作り上げたんだよ!どうよ、感想は?」

側近「感想も何も、俺はそのゲームもそのコピペも知りませんからね。何も言えませんよ」

魔王「何だよ、無知野郎め!あーもう暇だよー!何か面白いことやってよー!」

側近「何ですか、その無茶振りは……ああ、そうだ」

魔王「おっ、何々?」

側近「魔王様が馬やればいいんじゃないですか?」

魔王「……は?」
71: :2012/9/20(木) 22:53:04 ID:4.MWSg5KoU
側近「本当は移動魔法使えるのに、わざわざ馬車使って旅してるんです」

側近「そのせいで、この馬は重い馬車を牽く羽目になってるんです」

側近「……かわいそうだと思いません?魔王様の我儘に付き合わされて」

側近「だったら暇つぶしも兼ねて魔王様が馬車を牽けばいいんですよ。どうですか?」

魔王「……でも、確かにお馬さんがかわいそうではあるなあ。やってみる?」



魔王「というわけで、今から俺が引っぱるよ!」

側近「お似合いですよ、魔王様」

魔王「似合ってるから何なんだって話だけど……まあお馬さんが軽やかに走れてるからいいか」
72: :2012/9/20(木) 22:54:35 ID:4.MWSg5KoU
魔王「よーし!マオウブライアン、G1目指して走るよ!」

側近「おっ、乗り気ですね」

魔王「春の天皇賞はこのマオウブライアンの物だー!」

側近「長距離走る気満々ですね」

魔王「見てろよ騎手さん!最後の方めっちゃ差すから!」

側近「じゃあ俺は騎手としてマオウブライアンに鞭を入れます」

魔王「女性騎手ならウェルカムだけど、側近はやんないで!マオウブライアンは自分でペース作れるから!」

側近「……馬もついてきてますね。それじゃ行きますか」

魔王「魔王、行きまーす!」
73: :2012/9/20(木) 22:55:13 ID:4.MWSg5KoU
側近「ハーピー族の村に着きましたねー」

魔王「ゼー……ハー……ゼー……ハー……」ポロポロ

側近「何泣いてるんですか?」

魔王「め……めっちゃ……くる……苦しい……」ポロポロ

側近「なるほどー。我々が如何に馬を酷使してたかってことですね」

魔王「ご……ごめんね……お馬さん……」ポロポロ

モブハピ「あれ……魔王様?」

魔王「あーかわいこちゃん!」フッカツ!

側近「復活するの早いですね……」
74: :2012/9/20(木) 22:56:08 ID:4.MWSg5KoU
モブハピ「どうされたんですか?わざわざこんな片田舎に……」

魔王「それはね、君に会いに……痛い!」バキッ

側近「馬車で人間界に行く途中なんだ。今日はもう遅くなってしまったし、ここで休もうかと」

魔王「いったー……殴ることはないじゃん!」

モブハピ「あ、側近さん。そうなんですか。じゃあハーピーの家に泊まれば大丈夫ですね」

側近「うーん、俺はそれでいいんだけど……」ジー

魔王「……」

側近「……魔王様はどうすべきかなーって」
75: :2012/9/20(木) 22:57:13 ID:4.MWSg5KoU
モブハピ「……一緒に泊まればいいのでは?」

側近「魔王様は変態紳士だからね。ハーピーの家に泊まらせるのは俺が嫌だ」

魔王「俺も、彼氏でもない俺がハーピーちゃんの家にっていうのは大丈夫なのかなって思うけど……」

魔王「その一方で、側近とのイチャイチャを阻止したいという願望もあるんだよねえ」

モブハピ「ハーピーは純粋な子ですし、そんな気にする必要もないと思いますけど」

モブハピ「とりあえずハーピーの家に行ってみては如何でしょう?本人の気持ちを聞いてから、どうするかを決めても遅くはないですよ」

側近「それだと優しいあいつは受け入れるに決まってるじゃん……」

魔王「ハーピーちゃんは優しいからね!」
76: 今回はここまで:2012/9/20(木) 22:59:01 ID:4.MWSg5KoU
モブハピ「……側近さん、一つお訊ねしてもよろしいですか?」

側近「ん、何?」

モブハピ「ハーピーとはいつになったら結婚するんですか?」

側近「ぶふぉっ!?ごほっごほっ……急に何言ってんだよ!?」

モブハピ「この魔界が以前のような争いの世界だった時は彼女の優しさは異端でした。ハーピー族をも危険に晒しかねないほどの……」

モブハピ「でも、今の魔界では話は違います。ハーピー族にも、他種族にも優しく出来る彼女は慕われるべき存在となりました」

モブハピ「そんな彼女の幸せですから、望まない方が難しいですよ。側近さん、彼女を幸せにしてあげてくださいね」

側近「……善処する」

魔王「照れてんじゃないよ、リア充め!ハーピーちゃんの幸せはお前にかかってんだからな!」

側近「魔王様はうるさいですよ」

魔王「何で俺には冷たくするんよ……」

側近「お約束って奴でしょう」
77: 名無しさん@読者の声:2012/9/21(金) 13:50:37 ID:jbKFvVm7Os
作者さんが書きたくなったテーマ?っていうのが魔王と側近のやり取りで理解できたような気がする
勝手な想像ですが

更新楽しみにしてますCCC
78: :2012/9/21(金) 22:52:32 ID:4.MWSg5KoU
>>77
ふっふっふ本当にわかったのかねえ?と、意味深なリアクションを取っておきます。
と言うのもですね、今後の展開を思わせるようなやり取りは確かにあったかなって思うんですけど、それ自体が書きたいことではないんですよね。
書きたいことがあって、それに向かう際の途中経過についていろいろやってる段階だと思ってます。
そしてその途中経過の内容によって批判中傷が起こるのではないかと思ってまして、今から「ひぃ〜!」ってなってます。
まあでも書きたいんだから書いたっていいじゃない、作者だもの。肺痛

そんな感じです。支援ありがとうございます。頑張ります。
79: :2012/9/21(金) 22:54:05 ID:4.MWSg5KoU
魔王「ハーピーちゃん家につきましたー!」

側近「さっそく入りましょう」

魔王「待ちなさい。待ちなさいって」

側近「もー、何ですか?魔王様」

魔王「何勝手に女の子の家上がろうとしてんの!?不法侵入は認めないよ!」

側近「不法侵入って……俺、彼氏ですよ?合鍵だって持ってるんですよ?」

魔王「……」ジー

側近「何ですか?何でそんな顔で睨んでるんですか?」

魔王「リア充死ねよ……」

側近「死にません。ほら、今開けますよ。入らないんですか?」

魔王「ハーピーちゃんに迷惑じゃない?」

側近「荒したりしなければ」

魔王「……じゃあ入る」
80: :2012/9/21(金) 22:55:06 ID:4.MWSg5KoU
側近「……ハーピーいないみたいですね」

魔王「うわーここがハーピーちゃん家かー!部屋の感じも可愛いねー!」

側近「とりあえずハーピー帰るまで待ちましょうか」

魔王「うん!」



ハーピー「あれ?戸開いてる……あ、側近!来てたんだー」

側近「うん。入っててよかったよね?」

ハーピー「うん!わざわざ来てくれてありがとう!今ミルクティーでも出すよ」

ハーピー「ところで、お城のお仕事は大丈夫なの?」

側近「うん……むしろそのお城のお仕事でここにいるんだよね」

ハーピー「え?どういうこと?」

魔王「……お邪魔してます」
81: :2012/9/21(金) 22:55:51 ID:4.MWSg5KoU
ハーピー「ま、魔王様!?……あ、魔王様がいらっしゃるとは存じず、失礼な言葉遣いを……すみません!」

魔王「別にタメ口風でいいのにー。ハーピーちゃんは相変わらず可愛いね!」

ハーピー「そ、そんな……私には勿体無い御言葉です……///」

ハーピー「ところで、何故魔王様が私の家に?」

魔王「あー、説明すると長いからSSのお約束やるね」



魔王「……ってことなんだ」

ハーピー「……モテる方法を探しに人間界に?」

魔王「その旅の途中でね。今日はちょっと泊まらせてほしいかなー、なんて」
82: :2012/9/21(金) 22:57:15 ID:4.MWSg5KoU
側近「ハーピー、嫌なら嫌って言っていいんだからな。魔王様なんてその辺で野宿させてればいいんだから」

魔王「そうだよ!そりゃ俺はハーピーちゃんと一緒にいれたら嬉しすぎて死にそうになるけど、何より大事なのはハーピーちゃんの気持ちだから!」

ハーピー「野宿だなんて、そんな!私は問題ないので、今日は三人で泊まるとしましょう!」

魔王「ハーピーちゃん……何て優しい……」ポロポロ

側近「魔王様、いちいち泣かないでください」

ハーピー「むしろ魔王様にこのような狭い家に泊まっていただいて大変恐縮ですよ」

魔王「何言ってんのー!凄い良い家じゃない!更にはハーピーちゃんがいて、え?何ですか?天国ですかここ?」

側近「ハーピーがいるから勘違いも仕方ないでしょうけど、天国ではありません。ただ、この地上で最高の幸せが集う場所には違いありませんね」

ハーピー「側近も魔王様も大げさですよ!あまり私をからかわないでください///」
83: :2012/9/21(金) 22:58:33 ID:4.MWSg5KoU
魔王「泊めてくれてありがとう!家事の手伝いとかするから、何でも命令してね!」

ハーピー「いえ、私がやりますから魔王様はゆっくり休んでください!」

側近「いいよ、ハーピー。こき使ってやれ。魔王様もそれをお望みだから」

魔王「正直、強い口調でSMチックなことを命令されたいです」ハアハア

ハーピー「そんなことは……」

側近「ハーピー……」ゴニョゴニョ

ハーピー「え?……っ!駄目だよ、そんなこと!」

側近「いいからいいから。魔王様を喜ばせると思って」

ハーピー「わかったよ……こほんっ。ひ、跪いて私の足を舐めなさい!」

魔王「ありがとうございますっ!!」ガバッ

ハーピー「ちょっ!?駄目ですよ、魔王様!私の足なんて汚いですから!」

側近「www」
84: :2012/9/21(金) 23:00:17 ID:4.MWSg5KoU
魔王「結局舐めることは叶わずに今は夜です」

魔王「正直ハーピーちゃんと同じ家で一晩過ごすという事実だけで興奮がやばいです」

魔王「でもね、わかってます。わかってますよ。側近の彼女さんですから」

魔王「間違っても襲ったりとか、そんなことはやっちゃいけません。その事実が、俺に理性を残してくれます」

魔王「……ただね、寝顔を見るだけなら許されるんじゃないかなって思うんですよ。減る物でもありませんし」

魔王「というわけでね、今ハーピーちゃんの部屋の前にいます。寝顔を拝見しようかと思いましてね」

魔王「大丈夫です、寝顔を見るだけですから。悪いことではないはずです。というわけで、お邪魔しまーす」ガチャッ

側近「……」ゴゴゴゴ

魔王「」

側近「おい、屑。ちょっと表出ろ」ゴゴゴゴ
85: :2012/9/21(金) 23:01:25 ID:4.MWSg5KoU
魔王「違うんです」ボロッ

側近「何が違うんだよコラ!言っとくけど、今回俺マジだぞ!?」

魔王「決してね、あの、18歳未満だったら我慢しなくちゃいけないような、そういうことはやるつもりなくて」

魔王「寝顔が見たかっただけなんです。それで侵入しようとしただけなんです」

側近「……寝顔が見たいだけなら言えばよかったでしょう。無断で侵入しようとするからいけないんですよ」

魔王「信じてくれるの?」

側近「魔王様がこういう局面で嘘つけないのは知ってますから」

魔王「ありがとう側近!」ウルウル

魔王「……言ったら寝顔見てもよかったの?」

側近「駄目に決まってるでしょう」

魔王「……そう」



魔王「……ところで、何で側近はハーピーちゃんの部屋に居たの?」

側近「何でって、彼氏だからですよ」

魔王「……この野郎」
86: 今回はここまで:2012/9/21(金) 23:02:46 ID:4.MWSg5KoU
朝になりました。

ハーピー「おはようございます……って、魔王様どうされましたか!?傷だらけですけども!」

魔王「あー大丈夫だよ。側近がハーピーちゃんを大切にしてる証拠だよ」

ハーピー「……?」

側近「それじゃ俺達は人間界を目指して出発するよ」

ハーピー「確か今は馬車で旅をされてるんですよね?」

魔王「うん!」

ハーピー「この集落からなら馬車でも人間界にはつきますね」

ハーピー「人間界に入ってから一番近い街は……魔法学の街があるので、そこを目指してみては如何でしょう?」

魔王「ありがとう、ハーピーちゃん!よーし、それじゃそうしよう!」

側近「ハーピー、いつも一人で待たせちゃって、ごめんな」

ハーピー「大丈夫だよ。それよりも旅、気を付けてね。私は側近の安全を祈っとくよ」

側近「いざとなったら魔王様っていう盾もあるんだし、怪我することはないさ。安心して」

魔王「俺にとって安心できない言葉が聞こえた……」

側近「魔王様、出発しましょう」

魔王「ああ……うん、わかった」
87: 名無しさん@読者の声:2012/9/21(金) 23:37:42 ID:9vMueoL5s2
側近タヒねタヒねタヒね
イケメンの魔王もタヒね
ハーピーは俺の嫁


CCC
88: Cありがとう:2012/9/22(土) 23:03:21 ID:4.MWSg5KoU
>>87
あれ?ハーピーって俺の嫁のはずなんですけど。何故あなたの嫁になってるんでしょう?
もしかしてあなたで遊んだんでしょうか。おかしいなあ、男遊びするような子じゃないはずなんですけどね。
まあでも悲しいかな、それが事実なんでしょうね。申し訳ないですね、うちの嫁が遊びであなたを弄んじゃって。

アナウンサー「……等と意味不明な供述を繰り返しており、警察では精神鑑定も含め動機の解明にあたる方針です」
89: :2012/9/22(土) 23:04:45 ID:4.MWSg5KoU
芸能界に入ってなかなか芽が出ず悩んだ
一時は引退すら脳裏に浮かぶ日々が続いた
そんな俺もとうとう陽の当たる場所へやってきた
ベストジーニストを受賞しました

正直そんなにジーンズ穿いたことなんてないけど
ベストジーニストを受賞しました

旬な芸能人に囲まれて浮いている壇上の俺
ベストジーニストを受賞しました

急いで買ったジーンズサイズ間違えて惨劇
ベストジーニストを受賞しました

名誉ある賞を頂いて時間は流れた
似合わぬジーンズ穿いて頑張ってるけど仕事増えない
受賞逃した芸能人やネットからの中傷だけが増えた
ベストジーニストを受賞しました
90: :2012/9/22(土) 23:05:31 ID:4.MWSg5KoU
街を歩けば道行く人から暴言を吐かれてしまう
ベストジーニストを受賞しました

人と触れ合うのが怖くなって気付けば引き籠り
ベストジーニストを受賞しました

洗うタイミングがわからなくて神経をすり減らす日々
ベストジーニストを受賞しました

ジーンズ一つで狂った俺の芸能生活
今となっては青色を見るだけで恐怖に駆られる
人の目と青色がトラウマ白人なんて以ての外
ベストジーニストを受賞しました

青く美しい地球大切な星
何故人はそんな地球を汚し生きるのだろう oh
ベストジーニストを受賞しました

ベストジーニストベストジーニスト
ベストジーニストを受賞しました
91: :2012/9/22(土) 23:06:40 ID:4.MWSg5KoU
側近「……何ですか>>89-90これは?2レスも使って」

魔王「馬車移動が暇だかんね。AMEMIYAのネタ考えてみた。どう?」

側近「いや、だから……どうって言われても……」
92: :2012/9/22(土) 23:07:39 ID:4.MWSg5KoU
側近「あれって日常生活から目にする言葉で歌にするじゃないですか」

側近「ベストジーニストを受賞しましたって言葉、日常の中で見かけますか?」

魔王「別にいいじゃない!根性出して探せば街の片隅にはあるよ!たぶん!」

側近「それに……個人的にはAMEMIYAのネタは予想だにしないところから悲劇が展開されるところに笑いのポイントがあると思うんです」

側近「魔王様の考えたネタは、題材から予想できる範疇で悲劇が起こってるので、意外性がなく笑いとして弱いように感じます」

側近「あと、これリズム考えてますか?歌う感じで言ってみても、うまく言えないフレーズがちらほらあります」

側近「リズムも重要と言える歌ネタにおいて、リズムに合わない歌詞が出てくると、笑いとして弱くなるように思います」

魔王「……ガチの批判じゃん」

側近「駄目でした?」

魔王「俺は、よく出来ましたねーって感じで褒めてほしかっただけなのに……」

側近「悪く言われたくないなら、誰かに向けて公表しない方がいいですよ」

魔王「厳しいって……」
93: :2012/9/22(土) 23:08:27 ID:4.MWSg5KoU
側近「あっ、人間界が見えてきましたよ」

魔王「あー本当だ!綺麗な緑が見えてきた!」

側近「正直見た目の美しさは魔界完敗状態ですからね。この綺麗な自然を見るとちょっと嬉しくなりますよね」

魔王「馬車で旅したら人間界行くのもこんな大変なんだねー」

側近「移動魔法使えば一瞬なんですけどね……」

魔王「よーし、それじゃ魔法学の街を目指してレッツゴー!」

側近「とりあえずそこに目的の情報があることを祈ります。そろそろ帰りたいですしね」
94: :2012/9/22(土) 23:09:17 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……側近、この馬車ひいてくれてるお馬さんってオス?メス?」

側近「急に何ですか?……牝馬ですよ、この子は」

魔王「ひんば?」

側近「……メスの馬を指す言葉です」

魔王「そっかー!女の子かー!ねー、この子擬人化してくんないかなー?」

側近「しないでしょう。ていうか、魔王様は馬に発情するつもりですか?」

魔王「人の姿になったら超絶美少女かもしれないだろ!希望を持って生きようよ!」

側近「魔王様のそれは希望じゃなくて妄想です。ただでさえ変態なんですから、あんまり気持ち悪いこと言わない方がいいですよ」

側近「あと、街が見えてきましたよ」

魔王「えっ……あー、本当じゃん!すげー!都会じゃんよー!」

側近「田舎者の魔王様には不釣り合いな場所ですね」

魔王「案外自分でもそう思ってるから、言い返す気になれないよ……」
95: 今回はここまで:2012/9/22(土) 23:11:30 ID:4.MWSg5KoU
側近「とりあえず馬車預かり所でこの子を預けてきましょう」

魔王「おー、なんか中世ファンタジーっぽい施設だね!」

側近「世界観がわけわかんないSSですからね。たまにはこういうのが出てきてもいいでしょう」

側近「とりあえず今日はもう夕暮時ですし、本格的な捜索は明日にして、今日は宿を取って休むとしましょう」

魔王「そだねー。明日からここでモテる方法を探そうね!」

側近「改めて断言されると、本当にくだらない旅の理由ですよね……」

魔王「大丈夫だよー。そろそろ新展開あると思うし」

側近「ネタバレっぽいメタ発言はお控えください」
96: :2012/9/23(日) 22:53:14 ID:4.MWSg5KoU
魔王「新しい朝が来た!」

側近「朝を告げる役目は鶏で間に合ってるので魔王様は黙ってていいですよ」

魔王「清々しい朝に元気を爆発させたっていいじゃん!」

側近「その鬱陶しさのせいで元気を失う犠牲者がいることを忘れないでください」

魔王「ええ〜……そんなに傍迷惑かなあ?」

側近「魔王様の半分は迷惑で出来てますから」

魔王「駄目なバファリンだね……」

側近「ちなみにもう半分は劣化ウランです」

魔王「何なの俺は!?どういう存在なのよ、それは!?」

側近「さあ旅の目的を果たすとしましょうか」

魔王「ねえ、無視しないでよー!気になるから教えてよー!」
97: :2012/9/23(日) 22:55:05 ID:4.MWSg5KoU
魔王「しかし……見れば見るほど都会だねー」

側近「魔物と人間が戦争をしてた時は、攻撃魔法の開発を担った重要拠点だったそうですね」

側近「また、魔界に近い位置ということで、敵襲に備えて街そのものも頑丈にし、更には防御魔法で守られています」

側近「都会として立派な集落を築いているのには、そういう背景があるみたいですね」

側近「戦争の終わった今では防御魔法開発と日常生活を補助する魔法開発で、変わらず人々に貢献してるみたいです」

魔王「立派な街なんだねー。それに、そういう知的な街ならモテる方法の情報も期待できそうだね!」

側近「そんな情報を期待してもいいんでしょうかね……」
98: :2012/9/23(日) 22:56:09 ID:4.MWSg5KoU
街人「あれ……あれって魔王様じゃないか?」

側近「おー、さすが魔王様。知名度だけはありますね」

魔王「おはよう!ねーねー、ちょっと訊いてもいい?」

街人「は、はい!な、何でしょう?」

魔王「えっとねー、俺達今モテる方法を探して旅してるんだ!」

街人「……はい?」

側近「悪いな、馬鹿の馬鹿げた馬鹿行動に付き合わせて。でも、文字通りなんだ」

魔王「冥ちゃんみたいに悪口言わないで!それは冥ちゃんが言うからご褒美なの!」

街人「えっと……モテる方法も、モテる魔法にも心当たりがありません。すみません」

魔王「そっかー……いやあ、この街でも駄目ならどこ行けばいいんだろうね?」

側近「魔王様には諦めるという選択肢もあるんですよ?」

魔王「嫌だよ!女勇者ちゃんとラブラブになるんだ、俺は!」

側近「はーっ……うっぜー……」
99: :2012/9/23(日) 22:58:33 ID:4.MWSg5KoU
街人「あ、そうだ。この街に……」

子供「魔王、覚悟ー!」イシポーイ

魔王「あいた!……え?何?」イシガツーン

側近「……何だ、あの子供は?いいぞ、もっとやれ」

街人「す、すみません、魔王様!こらっ、どこの子だ!?」

魔王「あーいいよいいよ石くらい。どうってことはないから」

側近「え?じゃあ……」イシヒロイ

魔王「いや、お前はだめだよ!?」

街人「君、魔王様に謝りなさい!」

子供「嫌だよ!こいつのせいでお父さんとお母さんは死んだんだ!」

魔王「……!」
100: :2012/9/23(日) 22:59:44 ID:4.MWSg5KoU
子供「魔物が攻めてきたせいでお父さんもお母さんも!」

子供「返せよ!お父さんとお母さんを返してよ!」

魔王「……ごめんね」

街人「ま、魔王様が謝ることはないですよ!君、この方は人と魔物の平和に尽力された方で……」

子供「関係ない!こいつは魔物だ!僕の敵だ!」

街人「ほ、ほら……向こう行こう!いいから向こう行こうな!」グイッ

子供「放せよ!放せー!!」
101: :2012/9/23(日) 23:01:24 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……」

側近「……戦争はあんな小さな子の幸せすらも奪うんですね」

魔王「よくよく考えたら俺達もそうだもんね」

側近「ええ。地獄のような幼少期を過ごしましたよね」

魔王「俺のせいで……あの子の幸せを壊しちゃったんだね」

側近「そんなことはないですよ!悪いのは、先代の魔王達であって……」

魔王「俺は魔王だよ。魔物と……今では人の上にも立つ存在だよ。自分のやったことじゃないからって、責任逃れはしたくない」

側近「……」

魔王「だからこそ、あの子のこれからが幸せに満ちるよう、世界を導いていかなきゃね」

側近「魔王様なら可能ですよ。俺だって、魔王様のおかげで幸せになった一人ですから」

魔王「側近……ありがとう!そのためにもまずはモテる方法探さなきゃね!」

側近「正直それは今すぐ放棄すべきですよね……」
102: :2012/9/23(日) 23:03:52 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……あっ、あの人戻ってきた」

街人「すみませんでした!この街の住民が迷惑をおかけしてしまって!」

魔王「いいんだよ。やったことはともかく、あの気持ちは蔑ろにはしないであげてね」

側近「ところで……お前なんか言おうとしてなかったか?」

街人「え?……ああ、そうです。この街に特殊な魔法を多く操る凄腕の魔法使いがいるんです!」

側近「凄腕の魔法使い……」

魔王「その人は男!?可愛い女の子!?」

街人「男性です。老人の方ですね」

魔王「くっ!可愛い女の子じゃないのか……!」

側近「何を残念がってるんですか……」

街人「解析不能な独自の魔法も多く身につけていて、知識量も半端ないんです。あの人を頼ってみては如何でしょう?」

魔王「おー、そうなんだ。それは期待できそうだねー!」

街人「住所を教えしますので、是非行ってみてください」
103: :2012/9/23(日) 23:04:57 ID:4.MWSg5KoU
魔王「そしてやってきたのがこの家です」

側近「家は案外普通ですね」

魔王「何かこう……カラスが一斉にカーッみたいな、そういうの想像してたよね」

側近「要領は得ませんが、何となくわかるのでよしとしましょう」

側近「それじゃ呼び鈴押してみますよ?」

魔王「どうぞどうぞー」

側近「それでは」ピンポーン

魔道師「……これはこれは、魔王様と側近様ではありませんか」

魔王「あなたが……えっと、凄い魔法使いさん?」

魔道師「凄いかは保証しかねますが、独自の魔法は多く編み出しておりますよ」

魔王「ああ、この人で間違いなさそうだね!」

側近「そうですね」

魔道師「わざわざこんな老いぼれを訪ねるなんて、どうかしましたか?」

魔王「いやー、実はですね、おじいさん」
104: :2012/9/23(日) 23:05:58 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……ってわけなんですよー」

魔道師「モテる方法ですか。これはまた面白いことをやろうとしてますな」

側近「正直に馬鹿げたことって言っていいんですよ」

魔王「馬鹿げたって何だよ!こっちは真剣だよ!」

魔道師「ううむ……豊富な魔法を会得した私でも、それを叶えることはできませんな」

魔王「そうですか。じゃあそういう方法に心当たりないですか?」

魔道師「申し訳ないですな。心当たりはありませぬ」

魔王「そうですか……お答えいただきありがとうございます」

魔道師「……魔王様方の目的とは違うのですが、私も少々面白いことをやろうとしてましてな」

魔王「面白いことですか?」
105: :2012/9/23(日) 23:08:34 ID:4.MWSg5KoU
魔道師「宣伝させていただきたいのですが……こちらをどうぞ」つチラシ

魔王「えー?何々?」

側近「……人と魔物が共に暮らす街?」

魔道師「和平が結ばれてから1年が経過しようとしております」

魔道師「この1年で人と魔物の互いの認識も改善され、まさに平和の世が築けたと言っていいでしょう」

魔道師「私はそんな平和を形として表したいと思っているのです」

魔道師「そこで私は、人間界と魔界の境目に、共存の街を新たに造ろうと考えているのです」

魔道師「私のオリジナル魔法を用いて、街そのものは既に出来あがろうとしております」

魔道師「あとは住民さえ来れば、魔法を解除して街を現し、計画は完成というわけです」

魔道師「このチラシはこの考えに賛同してもらえる方に移住を求める物です」

魔道師「実は既に人間界ではばら撒いておりまして、近々魔界にでもと思っていたところなんですよ」

魔道師「まずは魔王様方にもご確認をと思いましてな」
106: :2012/9/23(日) 23:09:46 ID:4.MWSg5KoU
側近「……我が領土を用いて街を造るだと?そのような勝手が通るなどと……」

魔王「いいよー!」

側近「魔王様!?何即決してるんですか!?」

魔王「えー、でもいい考えじゃない。それを実現しようとするなら、拒否る理由なんてどこにもないよ」

魔道師「ありがとうございます。この計画は近々完成する予定です」

魔道師「その暁には、是非魔王様方も遊びに来て下さいませ」

魔王「わかりました。そうしますねー」

側近「……」
107: 今回はここまで:2012/9/23(日) 23:10:57 ID:4.MWSg5KoU
家を出ました。

側近「……よかったのですか?」

魔王「あのおじいちゃんの言うことを許可したこと?」

魔王「良い考えじゃない。それに関して協力できることがあるのなら、俺は協力していきたいよ」

側近「ですが、魔王様もお気づきになられていたでしょう!?」

側近「あのチラシには、何かの魔法がかけられていました!」

側近「移住を求めるだけで、何故正体不明の魔法をかける必要があるんですか!あの者は怪しいと思います!」

魔王「怪しいかもだけど……あの考えは否定したくないよ」

魔王「それに、何かの悪だくみだった時は、俺達で食い止めよう!それでいいじゃない」

側近「……とにかく、調査の必要はあると思いますよ」

魔王「そうだね。とりあえずモテる方法は後回しにして、街が出来たら調べに行ってみよっか!」

側近「そうですね。モテる方法は完全に捨てて、そうするとしましょう」

魔王「それを捨てるなんてとんでもない!」
108: :2012/9/24(月) 23:16:12 ID:4.MWSg5KoU
魔王達が魔道師に会った頃、王都では……

女勇者「最近勇者としての仕事が多すぎて自由がないよ……」

女戦士「仕方ないだろ、仕事なんだし。大体、和平結ばれた直後が自由に遊び過ぎだったんだよ」

女僧侶「温厚な王様が直々に怒りましたからね……」

女勇者「最近魔王と会えないどころか、ファンクラブの活動すら参加できてないよ……」

女戦士「我慢しろよ。大丈夫だって、あいつフラグ有効活用出来ないっぽいし、当分はフリーだよ、安心しろ」

女勇者「大丈夫かなあ?会長に取られたりしないかなあ?」

女僧侶「大丈夫だと信じましょう。それでも不安なら、仕事を早く終わらせて、魔王さんへのアタックが出来る時間を作りましょう」

女勇者「……そうだよね。私頑張るよ!」

女魔法使い「新しい仕事……王様から……」トテトテ

女戦士「www」

女勇者「あうぅ……」
109: :2012/9/24(月) 23:17:06 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「もー!これじゃ時間なんて作れないじゃない!」

女戦士「女勇者〜wwもう諦めて駄目な女四人組として仲良くしようぜ〜www」

女勇者「嫌よ!魔王にとっての特別な存在になりたいんだもん!」

女僧侶「女魔法使いさん、王様直々の仕事というのは?」

女魔法使い「……」スッ

女勇者「チラシ?えーっと……」

女戦士「人と魔物の共存の街……賛同者は移住求む……」

女勇者「あーはいはい。最近人間界でばら撒かれてるっていうお知らせね」

女戦士「これがどうかしたのかよ?」
110: :2012/9/24(月) 23:18:30 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「……あんたって本当に魔法は駄目なのね」

女戦士「何だよ、馬鹿にしてんじゃねーぞ」

女僧侶「このチラシの一枚一枚に何かしらの魔法がかけられているんです」

女戦士「何かしらって何だよ?」

女勇者「それがわからないから何かしらのって言ってんでしょ」

女僧侶「普通にこれを各地に配るだけなら当然魔法をかける必要はありません」

女僧侶「しかしこれには一枚一枚に魔法がかけられています」

女僧侶「そしてその効能が謎なんです。警戒しておいた方が賢明かと思われます」

女僧侶「王様の依頼というのも、この謎の魔法を解明してほしいというものではないでしょうか?」

女魔法使い「……」コクコク

女勇者「当たりみたいね」
111: :2012/9/24(月) 23:20:34 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「このチラシに書かれてる内容は素晴らしいと思うわ。これを否定はしたくないよね」

女勇者「でも、謎の魔法がかかってて、怪しいのも事実よね」

女勇者「だから私達がその謎を解明して、それを以て王様が信じるかどうかを決めるっていうわけね!」

女僧侶「女魔法使いさん、この魔法、解明出来そうですか?」

女魔法使い「……」フルフル

女勇者「駄目みたいね」

女戦士「女魔法使いが駄目なら、私達じゃ解明は無理じゃないか?」

女勇者「そうね。だからやることはシンプルよ」

女勇者「この共存の街に行ってみて、調べるのよ!」

女戦士「おー!虎穴に何とかして何とかって奴だな!」

女勇者「……虎穴に入らずんば虎子を得ず」

女戦士「それそれ!それって奴だな!」
112: :2012/9/24(月) 23:22:36 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「その街には当然この魔法をかけた人物もいるだろうし」

女勇者「街に直接行ってしまえば、怪しいのかどうかも見て判断できるし」

女勇者「これはもう行ってみるしかないよね!」

女戦士「そうだな。それじゃ……私達の冒険も再スタートってわけだな!」

女僧侶「一年前に魔王さんの城を目指して旅した時以来ですよね。徒歩でいいですか?それとも馬車でも手配しましょうか?」

女勇者「そうね……どうしましょうか」

女魔法使い「……」クイクイ

女勇者「ん?どうしたの?服引っ張って」

女魔法使い「移動魔法……覚えた……」ピース

女勇者「えっ!?移動魔法覚えたの!?」

女戦士「いつの間に……」

女魔法使い「……」つジョウキュウマドウショ

女僧侶「今なお勉強していたんですね。さすが女魔法使いさんは勤勉ですね」
113: :2012/9/24(月) 23:23:50 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「じゃあこの共存の街まで連れてってくれる?」

女魔法使い「……」コクコク

女戦士「……冒険、再スタートしなかったな」

女僧侶「いいじゃないですか。冒険をしなくても、私達の絆は揺らぎませんよ」

女勇者「あっ……でも、私達この共存の街の場所を知らないね」

女僧侶「チラシによると、人間界と魔界の境目に造るみたいですから、魔界に近い魔法学の街でいいんじゃないですか?」

女勇者「そうしよっか。それじゃ女魔法使い、お願いね!」

女魔法使い「……皆、私に掴まって」

女勇者「わかった」ピトッ

女戦士「了解っと」ピトッ

女僧侶「これでいいですか?」ピトッ

女魔法使い「……行きます」シュンッ
114: 今回はここまで:2012/9/24(月) 23:25:15 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「……おおっ!魔法学の街だ!」

女戦士「すげー!本当に一瞬で着いたなー!」

女僧侶「ありがとうございます……って、女魔法使いさん?」

女魔法使い「……」ハァハァ

女戦士「なんかめっちゃ疲れてんな」

女勇者「どうしたの?具合悪いの?」

女魔法使い「長距離で使ったの……初めてで……」フラフラ

女戦士「はー。やっぱたくさんの人数運んだり長い距離移動したりは大変なんだな」

女勇者「それを軽々やってのけるあたり、やっぱり魔王って凄いんだね!」

女戦士「はいはい、夫自慢はまた今度聞いてやるから」

女勇者「お、夫自慢って!///まだ付き合えてすらないって!///」

女僧侶「それで、女魔法使いさんは大丈夫なんですか?」

女魔法使い「……きつい……」フラフラ

女僧侶「そうですか。では、少し早いですけど宿を取って休みましょう」
115: 名無しさん@読者の声:2012/9/25(火) 02:09:44 ID:9vMueoL5s2
女勇者たんキターw

今回出番少ないなって思ってたところに…(;_;)


俺と結婚してくれ

CCC
116: 名無しさん@読者の声:2012/9/25(火) 14:10:39 ID:16VF4k/XE2
仕方ない、女魔法使いちゃんは俺がもらってあげよう

C
117: 名無しさん@読者の声:2012/9/25(火) 16:52:34 ID:ICnMn/4Gnc
なら私は女戦士で

C
118: 女僧侶「解せません……」:2012/9/25(火) 22:47:10 ID:4.MWSg5KoU
>>115-117
この手の話題になった時、四人の中で不人気だなあって思うキャラが一人いるんですよね。
そう、女僧侶ですよ女僧侶。女僧侶さんを嫁にしたがる人が少ないんですよ。
前作で四人が初登場した時に「女僧侶を嫁に選ぶ」発言した俺はどうなるんですか。
不人気キャラなんか好いちゃって見る目ないっすね!っていう、そういうことなんですか?
いいじゃないですか!黒髪ロングが映える清楚な大和撫子!何で人気ないんや!何でや!
そんな感じの悔しい想いでいっぱいですよ、ええ。

まあ、書き進めてる間にも心変わりを果たしましたし、絵スレの1さんに描いてもらった四人を見てからは女勇者と女魔法使いが好きになってんですけどね。げへへへ。
119: 完全に本編と関係ない私事ですがPSP買いました:2012/9/25(火) 22:48:44 ID:4.MWSg5KoU
女戦士「宿取ったら酒飲みに行ってもいい?」

女勇者「……明日に影響出ない程度に飲みなさいよ」

女戦士「よーし!じゃあ早く宿を見っけようぜー!」

女勇者「この女は本当に我が道を行くわね……」

女僧侶「ははは……とりあえず宿を探すとしましょう」



女勇者「あった!」

女僧侶「ありましたね」

女戦士「早速部屋を確保しようぜ!ごめんくださーい!」
120: 現行SSにちなんで勇者30・ゆうなまを買おうと思いましたが:2012/9/25(火) 22:50:33 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「……もう部屋ないんですか?」

受付「申し訳ございません。ほら、共存の街が近くにできるって話題になってるじゃないですか」

受付「それで、そこに一番近いこの街に来てるという方が多くてですね……」

女勇者「そうですか、わかりました……」

女戦士「どうするよ?これじゃ女魔法使い休ませてあげられねえけど」

女僧侶「そうですね……どうしましょうか」

魔王「探し物は何ですか〜♪見つけにくい物ですか〜♪」

側近「魔王様を♪魔王様を♪殺してみたいと思いませんか〜♪」

魔王「思わないよ!うふっふーって続くと思ったの、それで!?」

側近「替え歌にしてでも魔王様から被るストレスを発散したかったんです。それよりも、あれを」

魔王「ん〜?……おおおおお!?女勇者ちゃん!?」
121: なかったのでダンガンロンパ買いました:2012/9/25(火) 22:52:17 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「え?……うわあっ!?ま、魔王!?」

女勇者(……あ、魔法石のペンダント、つけてくれてる///)

魔王「久し振りー!相変わらず可愛いね!どうしたの?魔法学の街まで来て」

女勇者「可愛いとか、お世辞はいいから!///」

女僧侶「私達は王様からの依頼で、共存の街を調べに来たんです」

魔王「あ、共存の街。俺達もさっき聞いたよね。ね、側近!」

側近「そうですね。計画の発案者から話を聞きましたよね」

女戦士「マジか!どうだった?そいつ、怪しい感じだった?」

魔王「いや……話を聞く分には温厚なおじいちゃんって感じだったよ」

側近「王からの依頼か……すると、やはりそっちもこいつが怪しいと?」ピラッ

女勇者「あ、そのチラシ!そうそう、正体不明の魔法がかかってるからね、効能やその意図を調べてほしいって」

女僧侶「魔王さん方もこの件を調べに来たんですか?」

側近「あー、いや、こいつが魔界に配られるのはこれからみたいで……俺らは知らなかったんだ」

女僧侶「え?じゃあどうして魔法学の街に来たんですか?」
122: もうこれでもかってくらい絶望に染まりましたが面白かったです:2012/9/25(火) 22:54:43 ID:4.MWSg5KoU
側近「俺達は元々は別件でこの街に来たんだ」

女勇者「別件?別件って何?」

魔王「やめてえええ!言わないでえええ!」

側近「……この馬鹿魔王がモテる方法を探したいって言ってな。そういう情報を探しに来たんだ」

魔王「は、恥ずかしいいぃ!」

女僧侶「あらあら……」

女戦士「……魔王、ちょっとこっち来い」

魔王「え?なーに、女戦士ちゃん?」テクテク

女戦士「そおい!」ゲンコツ!

魔王「ありがとうございます!……え?何で俺殴られたの?いや、嬉しいけど」

女戦士「馬鹿かお前!?今の状態で十分モテてるだろ!んな暇あったら好いてくれてる女子一人一人に応えてやれよ!」

魔王「いやあ、モテないんだよー。側近みたいにモテてみたいんだけどねー、あっはっは」

側近「女勇者、なんかごめんな。うちの魔王が鈍感で」

女勇者「……ううん。わかってたことだもん。その上で魔王が好きなんだもん///」

側近「女子にここまで想ってもらって気付かないとか……本当に魔王様は爆ぜるべきだな」
123: 2もたぶん買うので楽しみっていう、ただそれだけの話です:2012/9/25(火) 22:56:05 ID:4.MWSg5KoU
魔王「ところで、女勇者ちゃん達もこの宿に泊まるの?」

女勇者「あっ……いや、部屋がいっぱいみたいでさ。野宿でもしようかと思って」

魔王「そんな!女勇者ちゃん達が野宿する必要はないよ!」

魔王「あ、じゃあこうしよう!俺達二人でツインの部屋を二つ取ってるんだけど」

女戦士「無駄に贅沢してやがんなー」

魔王「……空いてる部屋がその二つだけで、側近が俺とは相部屋になりたくないからって……」

魔王「とにかくそんな感じなんだけど、そのツイン部屋二つを女勇者ちゃん達に譲るよ!お金も俺達が出すから!」

女勇者「そ、そんな!それは魔王達に悪いよ!」

側近「そうですよ。何で俺まで巻き込もうとしてるんですか」

魔王「こんな野郎二人の心配までしてくれるなんて……本当に女勇者ちゃんは女神だね!」

魔王「でも、やっぱり女勇者ちゃん達が宿に泊まるべきだよ。見たところ、女魔法使いちゃんの疲れが酷いみたいだし」

側近「大方身の丈に合わない魔法でも使ったんだろう。魔力の酷使による疲労感のように感じる」

女僧侶「凄い観察力ですね……その通りです」

魔王「だから女勇者ちゃん達が泊まるべきだよ!」

女勇者「でもそれじゃ魔王達に悪いよ!」

女戦士「……皆で泊まるって選択肢はないのか?」
124: 今回はここまで:2012/9/25(火) 22:58:43 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「……え?」

女戦士「三人で一部屋って配分になるけどさ、多少狭くても問題ないだろ?」

女戦士「どっちかが野宿になっても、お互い何か申し訳ない気持ち生まれるだろ」

女戦士「だったら皆で宿に泊まればいいじゃねえか。駄目なん?」

女勇者「ま、魔王と一緒に!?いや、その、あの、私なんかが一緒だと魔王が嫌がるんじゃないかなーって……」

魔王「俺が嫌なわけないじゃない!むしろ女勇者ちゃん達が俺なんかと泊まるの嫌でしょ?」

女戦士「……あーもう、こいつらマジでじれったいよな。なあ!」

側近「何でキレてるのかは知らんけど、確かにそうだよな」

女戦士「とにかくそれで決まりな!もう私決めたからな!宿の人に話つけてくる!」

女僧侶「こういう時は女戦士さんの力強さに助けられますね……」
125: 名無しさん@読者の声:2012/9/25(火) 23:08:08 ID:fKdwo/cnFI
>>118
ライバルが少なくていいじゃない!!

って事で私は今のうちに龍人とお城でいちゃらぶ(バイオハザードごっことか)してくるわ

っC
126: ここのコメントが好きだ(名無し):2012/9/25(火) 23:26:00 ID:9vMueoL5s2
部屋割りは…

ワクワク


C
127: 支援ありがとうございます:2012/9/26(水) 22:59:12 ID:4.MWSg5KoU
>>125
女僧侶を好きだと言ったここの1も、長い時を経て女勇者派になってしまいました。
しかもその次は女魔法使いですよ。最初に抱いたお前の想いはどこになくしたって状態ですよ。
本当にもう……最低だ、俺って……。

それはそうと、龍人といちゃらぶしたいんですか。
前作の小話を見る分にはイカ好きみたいですから、イカの煮付けとか作ってあげたらポイント高いんじゃないでしょうか。
あとバイオハザードごっこするならゾンビ貸しますよ。腕とかもげますけど、意外と臭くないんで安心してください。
邪魔されたくないなら、適当に返却しといてくれれば大丈夫です。頑張ってください。

>>126
名前のところで遊ぶのって楽しいんですよね。
今作は今のところ……狩魔豪検事、悲しみの女僧侶、PSP購入報告くらいですね、やってるのは。
逆転裁判が好きなんで、狩魔検事のネタは地味に気に入ってます。

部屋割りの件ですが、何かの手違いで俺と女勇者と女魔法使いが一緒になったりしませんかね?
しませんね。すみません、ちゃんと現実見ることにします。
……しないかなあ。
128: :2012/9/26(水) 23:01:59 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……側近」

側近「どうされました?馬鹿みたいな顔して」

魔王「……」

側近「失礼。魔王様は元々馬鹿みたいな顔でしたね」

魔王「……」

側近「え、マジでどうしました?今、魔王様から話しかけましたよね?」

魔王「……二部屋を三人ずつ分けるって話になったじゃん」

側近「そうですね」

魔王「で、野郎二人に美女四人じゃない」

側近「そうですね」

魔王「……女勇者ちゃん達の中の誰かと、一緒の部屋で過ごせるってことだよね?」ドキドキ

側近「そうですね」

魔王「あああああ!!緊張するうううう!!胸の高鳴りがやばあああい!!」ドキドキ

側近「馬鹿みたいに騒がないでください。鬱陶しいですから」
129: :2012/9/26(水) 23:02:57 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「いやいやいや!やばいって!駄目だって!私が魔王の部屋に行くとか!」

女戦士「恥ずかしがんなって。超絶美女の女勇者だぜ?女好きの魔王も嬉しいに決まってんだろ」

女勇者「私なんかが行ったって魔王は喜んでくれないよ!」

女勇者「魔王のためを思うなら、セクシーな女戦士とか、清楚で綺麗な女僧侶とか、守ってあげたくなる女魔法使いの方がいいって!私なんかじゃ駄目だって!」

女戦士「……過度の謙遜って、される方からすればうざってーよな」

女僧侶「そうですね。女勇者さんの美貌でそう言われても複雑な心境になりますよね……」

女魔法使い(謙遜が酷いのは皆に言えることなんじゃないかなあ……)
130: :2012/9/26(水) 23:03:58 ID:4.MWSg5KoU
女戦士「とにかく!魔王にとってはお前が一番なんだよ!私が保証してやるって!」

女勇者「いや、でも……」

女戦士「一年前みたいに闘魂注入するか?」

女勇者「勘弁してよ!あれマジで痛いんだから!」

女戦士「なら素直になれよ!魔王の気持ちは置いといて、お前は魔王と一緒にいたいんだろ!?」

女勇者「それは……その……うん、そうです……///」

女戦士「じゃあ行け!すぐ行け!ついでに子ども作れ!」

女勇者「こ、こここ子ど、子どもって!?//////」

女僧侶「できちゃった婚ですか……鈍いお二人ですからね。勢いで乗りきるのも一つの手かもしれませんね」

女勇者「女僧侶まで悪乗りしないでよー!///」
131: :2012/9/26(水) 23:06:15 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「結局魔王達の部屋に行くの私に決定しちゃった……」

女勇者「部屋自体は隣なのにね……一緒の空間で過ごすってなったら緊張感が違うなあ」

女勇者「まあ側近もいるから、少しは緊張も和らぐかなあ」

女勇者「……」

女勇者「覚悟決めよう。失礼しまーす……」コンコンッガチャッ

魔王「おおおお!女勇者ちゃん!」

側近「こっちの部屋に来るのは女勇者に決まったのか?」

女勇者「は、はいぃ!あの、よろしくお願いします!」

側近「何で今更敬語なんだよ……」

魔王「あっ!そのっ!こちらこそよろしくお願いします!」

側近「魔王様もですか……」
132: :2012/9/26(水) 23:07:40 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……」ドキドキドキドキ

女勇者「……」ドキドキドキドキ

側近「……」

魔王「……つ!月が綺麗ですね!」ドキドキドキドキ

側近「まだ月は出てないです。仮に夜でも窓際じゃないと見れません」

女勇者「魔王の方が綺麗ですよ!」ドキドキドキドキ

側近「それは男性が女性に言う常套句だ。逆だよ」

魔王「好きな食べ物は何ですか!?」ドキドキドキドキ

側近「何でさっきの流れからその質問なんですか?」

女勇者「私は仲間の三人が大好きです!」ドキドキドキドキ

側近「食うんか?お前あの三人食ったことあんのか?」

側近「……ああもう落ち着けよ、お前ら!何だよこの会話!?」
133: :2012/9/26(水) 23:08:45 ID:4.MWSg5KoU
側近「はあ……」スッ

魔王「側近?立ちあがっちゃって、どこ行くの?」

側近「せっかく魔法学の街にいるんですからね。まだ明るいですし、いろいろ回ってみようかと」

魔王「あ、え、じゃあ俺も……」

側近「魔王様は休んでてください。それでは」ガチャッバタンッ

魔王「あ……」

女勇者「……ふ、二人きりに……なっちゃったね……」

魔王「そうだね……」

女勇者「……」ドキドキドキドキ

魔王「……」ドキドキドキドキ
134: 今回はここまで:2012/9/26(水) 23:10:43 ID:4.MWSg5KoU
側近「よう」コンコンッガチャッ

女戦士「おう、側近」

側近「魔王様と女勇者二人っきりにしてきた。正解だろ?」

女戦士「ナイス!ファインプレー!」

女僧侶「いい加減あの二人にはくっついてもらわないと、こっちがもやもやしちゃいますもんね」

女戦士「側近、お前今日はもうこっちに泊まれよ。ヤらせようぜ、あの二人に」

側近「お前も女なんだし、もうちょっと言葉選べよ……」

女戦士「いいから壁際来いよ。寄れば隣の声聞こえっぞ」

側近「レオパレスかよ……」

女戦士「ところで、側近は変な気起こすなよwwwこっちは美女がたくさんいるからなwww」

側近「バーカ、俺にはハーピーがいるんだ。お前らなんぞに浮気するかよ」

女僧侶「そう言えば、側近さんはいつハーピーさんと結婚なさるんですか?」

側近「……お前らまでその話かよ。俺らは俺らのペースがあるからいいんだよ」

側近「それより魔王様だよ。あの二人の声でも聞こうぜ」
135: 名無しさん@読者の声:2012/9/27(木) 00:44:04 ID:n6f/FCuowU
…そうですか、誰もいないなら安心して女僧侶さんを頂いていく事にします
…はいっC…おつりは、いりませんから女僧侶さんの活躍を増やしてくださいね?
 
…どうして古風な清楚女性の良さを皆、理解できないのか…
 

136: :2012/9/27(木) 21:28:10 ID:4.MWSg5KoU
>>135
「裏切ったお前が言うな」というような批判が四方八方から乱れ飛びそうな気もしますが言いましょう。古風で清楚な女性っていいですよね。
上品で落ち着いた優しいお姉さんってすごいグッとくるものがあるんですよね。そういう女性に甘えるような妄想をして現実に戻って泣きます。
そんな上品で落ち着いた優しいお姉さんに可愛い趣味があったりと、そういうギャップがあると良いね!ってなります。お姉さんのそのギャップをからかって反応を楽しむ妄想をして現実に戻って泣きます。

最終的になんか泣きっぱなしになりましたけど、Cをもらったので泣き止みます。
機会があれば書き溜めに文字加えて女僧侶を活躍させたいですし、無事完結した暁にはなんか小話書くことにします。


連絡しときますけど今日は更新無しにします。また明日くらいに更新しますので、その感じでよろしくお願いします。
137: :2012/9/28(金) 22:18:24 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「……」

魔王「……」

女戦士「……二人とも黙ってるっぽいな。つまんねえや」

女僧侶「これから一緒の部屋で寝泊まりするのですから、極度の緊張が襲っているのでしょう」

側近「だからっていつまでも黙っているわけにはいかないだろ。さて、どっちが仕掛けるのか?」

女勇者「……あ、あの!」

女戦士「おっ、いった!」

魔王「な、何?女勇者ちゃん」

女勇者「あ、いや、その……」

女勇者「な……なんでもない」

女戦士「なんでもないわけないだろ!いけよ!○ックスしようって言えよ!」

側近「お前も落ちつけよ。酔いどれオヤジか、お前は?」

女戦士「失礼だな!まだ酔っちゃいねえぞ!」

側近「なら、なおさら質が悪いだろ。普通でそれなのかよ」

女僧侶「あの……お隣に聞こえるかもしれないので静かにしましょう……」

女戦士「壁際に寄らなきゃ聞こえないって!」

女僧侶「いえ、それだけ大きな声だと壁際じゃなくても聞こえるかと……」
138: :2012/9/28(金) 22:19:40 ID:4.MWSg5KoU
側近「大体魔王様は何やってんだよ。こういう時は男がリードしてやるべきだろ」

女戦士「おー、さすがモテるイケメンリア充は言うことが違うね」

側近「うるせえよ、黙ってろ」

魔王「あの、女勇者ちゃん!」

女僧侶「あら、魔王さんが仕掛けましたよ」

側近「そうだ、それでいいんだよ。さあ、何か話題を示してやるんだ」

魔王「えーっと……ト、トランプやろっか……」

側近「トランプかよ!」

女戦士「暇つぶしを先頭バッターに置きやがった!」

側近「やることない時に足掻いて辿り着く遊びだろ、それは!もっと他に話したりとかあるだろ!」

女勇者「あ、うん!やろう!トランプやろう!」

女戦士「やるのかよ!そんなんやりに行ったんじゃねえだろ!お前はヤりに行ったんだろ!」

女僧侶「側近さんも女戦士さんもすごい楽しそうですね……」
139: :2012/9/28(金) 22:20:36 ID:4.MWSg5KoU
女戦士「結局トランプやってるっぽいな……」

側近「二人とも黙ってるからな。たぶんトランプで何かやってんだろうな」

女戦士「音声だけじゃよくわからんよな。なー女僧侶、隠しカメラって仕掛けたら駄目なん?」

女僧侶「宿屋の人に許可とってください……」

女戦士「あーもう本当に喋らんな。黙々とトランプしすぎだろ」

女戦士「私らもトランプやっか?大富豪やろうぜ」

側近「やるか?大富豪として貧民共を可愛がってやるよ」

女戦士「お、言ったな?よーし、じゃあやるとしようぜ。ほら、女魔法使いもやろうぜ」

女魔法使い「……」コクコク

女僧侶「決まりですね。それでは皆で楽しむとしましょう」
140: :2012/9/28(金) 22:22:13 ID:4.MWSg5KoU
側近「ちょっと待て。何をカード渡そうとしてんだよ?」

女戦士「何をって……7渡しだよ。いいから取れよ」

側近「いや、何だよそのルール?何でお前のカード貰わなきゃいけないんだよ?」

女戦士「は?いやいや、待て待て。7渡しだよ。あるだろ、10捨てとか7渡しとかイレブンバックとか」

側近「いやいや、初耳だよ、初耳。何だそれ?勝手にルール作んなよ」

女戦士「いやいやいや!元からあるルールだろ!何で逆に知らねえんだ!?」

女戦士「なー女魔法使い!このルールとか普通にあるよな!」

女魔法使い「……」コクコク

女戦士「ほれ見ろ!間違ってんのは側近の方なんだよ!」

女僧侶「……大富豪はローカルルールの多いゲームですからね。地方で認識の差が出るのでしょう」

女戦士「え?じゃあ10捨てとか無しでやってる連中もいるってことか?」

女僧侶「そういうことです」

女戦士「ええええ!?何だそれ!?マジかよ、ビビるって!」

側近「ビビるのはこっちだよ!急にカード渡してきて何事か思ったわ!」

女僧侶「……これはルールの統一から始めた方がいいですね」
141: :2012/9/28(金) 22:24:15 ID:4.MWSg5KoU
女僧侶「それで、皆でルールを確認し合って再開しましたが」

女戦士「何で私が常に大貧民なんだよ!?」

側近「弱いんだよ、お前。最初に強いのばっか出すから後で困るんだよ。ほら、強いカードを献上せい」

女僧侶「大富豪の座は側近さんが支配してますね。とてもお強いですね」

女僧侶「もはや残る富豪の座を私と女魔法使いさんで争ってるだけのような……」

女魔法使い「……」

女戦士「ちくしょう……革命さえ、革命さえ起こせれば……」

側近「無駄だ。お前は大貧民の星の下に生まれたんだ」

女戦士「大貧民笑ってんじゃねえよ!美味しいパスタ作るぞコラ!」

側近「だからって、俺はお前に一目惚れはしねえよ」

女戦士「ああもう嫌だー!これ以上負け戦重ねたくねえよー!」

女僧侶「じゃあそろそろ終わりにしますか?」

側近「そうだな。いい暇つぶしにはなったよ」

女戦士「くそー、次こそは革命戦士になってやるからな!」

側近「長州力かよ、お前は……」

側近「……つーか長州力とか言ってる場合じゃねえよ!魔王様達どうなった!?」

女戦士「あー、忘れてた!ていうか、あの二人、何か喋ったか?」

女僧侶「いえ、喋ってはないはずですけど……」

側近「じゃあまだ黙々とトランプやってんのか?」
142: :2012/9/28(金) 22:25:01 ID:4.MWSg5KoU
魔王「えっと……た、楽しかったね!」

女勇者「う、うん!また一緒にやろうね!」

女僧侶「……お二人も今終わったみたいですよ」

側近「みたいだな」

魔王「またババ抜きやろうね!」

側近「ババ抜き!?こいつら、今まで黙々と二人でババ抜きしてたのか!?」

女戦士「二人でババ抜きとか、それ何て拷問だよ?www」

女僧侶「想い人と一緒に何かが出来るだけで幸せなんですよ、きっと」

側近「それにしたって二人でババ抜きって……ないわぁ……」

魔王「……」

女勇者「……」

女戦士「そして振り出しに戻るwww」

側近「また黙り合い始めたのか、こいつらは……」
143: 本当に伝わってるのだろうか:2012/9/28(金) 22:27:49 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……あの、女勇者ちゃん!今度はこれやろう!」

女勇者「……ああ、うん、やろう!」

側近「……これ?」

女戦士「これって何だよ?」

女僧侶「魔王さんのことですからゲーム等ではないでしょうか?」

側近「……あっ」

女戦士「あ?」

側近「もしかして、これじゃないか?」スッ

女戦士「あー、これかあ!懐かしいな、これ」スッ

女僧侶「ああ、指で戦う遊びですね。正式名称のよくわからない」

女僧侶「先攻後攻を決めた後、両手の人差し指を立てた構えでスタートし」

女僧侶「それで相手の手か自分の手にタッチし、タッチされた手はタッチした手の指の本数だけ足されるんですよね」

女僧侶「そうして数を増やしていって、六以上になったら駄目なんですよね」

女戦士「片手が死んだら分身してさあ!」

女僧侶「残った片手の数が二本以上だった時に、本数をわけることで復活できるんですよね」

側近「……大丈夫か、これ?読者に何を指してんのかちゃんと伝わってんのか?」

女戦士「大丈夫だって!皆今頃懐かしんでるよ!」

側近「いや、仮に伝わってるとして、最近これ皆やってんのか?」
144: :2012/9/28(金) 22:29:32 ID:4.MWSg5KoU
女僧侶「とにかく、お二人はこれをやろうとしてるみたいですね」

女戦士「くっそー、これまた音声だけじゃよくわからんことやりやがって」

側近「まあ様子を窺うしかねえよなあ、こっちとしては」

魔王「えーっと……じゃあいくよー」

女勇者「うん」

魔王「……あっ!ご、ごめ!」

女勇者「あ、え!ごめん!ごめん!」

女戦士「何だ!?何があった!?」

側近「……ああ、なるほど。あれやる時さあ、相手の手に触れるだろ」

側近「それで二人の手が触れ合って、テンパってんだよ、たぶん」

女僧侶「……うぶですねえ、お二人とも」

魔王「こ、これはやめとこっか!」

女勇者「う、うん!」

魔王「……」

女勇者「……」

女戦士「そして振り出しに戻るwww」

側近「このすごろくはいつゴールするんだよ……」
145: :2012/9/28(金) 22:30:31 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「……側近、戻ってこないね」

魔王「そ、そうだね……」

女戦士「側近、お前の話になってるぞ」

側近「そりゃ街を見てくるって言って夜遅くまで戻らなかったら気にはなるだろ」

女僧侶「でも今日はこっちの部屋に泊まるんですよね?」

側近「そこの酔いどれオヤジが泊まれって言ってるからな」

女戦士「当たり前だろ。あの二人には今夜ヤってもらうんだから」

女僧侶「お二人ともうぶですから、そのような展開にはならないと思いますけど……」

女勇者「先に寝てても側近怒らないかな?」

魔王「女勇者ちゃんは大丈夫だよ!あいつが嫌がらせするの、俺だけだもん!」

側近「……もう寝るみたいだな」

女僧侶「もう夜遅いですからね。私達もそろそろ休んだ方がいいですよ」

女戦士「何だよ!結局今日トランプやって暇を潰しただけじゃねえか!」

女僧侶「楽しくありませんでしたか?」

女戦士「いや、めっちゃ楽しかったw」

側近「じゃあいいじゃねえか……」
146: :2012/9/28(金) 22:31:31 ID:4.MWSg5KoU
魔王「お休み、女勇者ちゃん」

女勇者「うん、お休み」

女僧侶「私達も休みましょう」

女戦士「ベッド二つだけどどうする?」

側近「俺は床で寝る。後はお前らで自由にしろ」

女戦士「じゃあ女魔法使い、一緒に寝ようぜ!抱き枕になってくれよww」

女魔法使い「……」

側近「……露骨に嫌な顔してるな」

女僧侶「女魔法使いさんは女戦士さんの悪戯の被害によく遭いますからね……」

女戦士「何だよ、つれねえな。まあいいや、じゃあ私も床で寝るわ」

女戦士「あーでも寝る前にビール飲みてえなあ。ちょっとビール買ってこようかなあ」

側近「いいから寝ろよ、もう!」



魔王「……」

女勇者「……」

魔・女勇((やばい、全然寝れない……))ドキドキ
147: :2012/9/28(金) 22:32:45 ID:4.MWSg5KoU
よくあさ!

側近「……二人とも一睡もしてないんですか?」

魔王「右の瞼が開かない……」

女勇者「何かフラフラする……」

側近(……まあ軽く想像出来てたことだけどな)

女戦士「だらしねえなあ。女魔法使いだってけっこう回復したのによ」

女魔法使い「……」ピース

魔王「魔力がだいぶ安定してる……よかったね、女魔法使いちゃん」

側近「で、逆に魔王様と女勇者が眠たくてやばいと」

女勇者「ごめん……」

女戦士「……まあお前らは今日は休んでろよ。共存の街について調べるのは私らでやっとくから」

女勇者「その提案に甘えようかな……」

魔王「ごめんね皆……ありがとう……」
148: :2012/9/28(金) 22:33:35 ID:4.MWSg5KoU
魔王(部屋に戻ったのはいいけど……)

女勇者(魔王と同じ空間だから緊張して休めない……)

魔王(緊張が……でも、眠気もやばい……)

魔王(いけない……左の瞼も開かなくなってきた……)

魔王(眠た……い……)

魔王「……」zzz

女勇者「……魔王?……あ、寝ちゃってる……」

女勇者「……」

女勇者「二人っきり……魔王は寝てる……」

女勇者「今ならこっそり手とか握れるんじゃないかなあ?」ドキドキ
149: :2012/9/28(金) 22:35:32 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「……」ドキドキ

魔王「……」zzz

女勇者「……」ドキドキドキ

魔王「……」zzz

女勇者「……」ドキドキドキドキ

魔王「……」zzz

女勇者「……やめとこう。魔王の気持ちも確認しないで、一方的にとか卑怯だよね」

女勇者「あと3cmだけ手を伸ばせば届くけど……起きてる時に、ちゃんとお願いしなきゃ駄目だよね」

魔王「んん……」ゴロン

女勇者「わああああ!!ごめん、事故だから!!今触れたの事故だからああ!!」

魔王「うわあっ!?え、何!?何があったの、女勇者ちゃん!」

女勇者「手と手が触れ合っちゃったけど、事故なの!!わざとじゃないから嫌わないでえええ!!」

魔王「え!?俺の手と女勇者ちゃんの手が触れたの!?やったああああ!!」

朝から騒いだ二人は、宿屋の人に怒られたそうです。
150: 安価あってるか不安:2012/9/28(金) 22:39:59 ID:4.MWSg5KoU
今日はここまでにします。
突然ですけど、今後はこんな感じで出しゃばろうと思ってます。
ついでにもうひと出しゃばりして、今後は更新分の安価も貼ったろうと思ってます。
俺、普段パソコンなんで大丈夫なんですけど、自分の携帯だと前20表示で下まで見れなくなったりするんですよ。
その問題を解決すべく、この処置ですよ。これには携帯ユーザーも満足顔なんじゃないでしょうか。「よくやった、褒めてつかわす」って。
それじゃ今日はとりあえず今まで分をやっときます。

モテる方法を探せ!魔王と側近馬車旅編
>>1-14>>18-24>>25-37>>41-51>>52-57
>>60-67>>68-76>>79-86>>89-95>>96-107

皆で調べろ!共存の街編
>>108-114>>119-124>>128-134>>137-149←NEW!

こんな感じですねー。では、今後はこんな感じでよろしくお願いします。
151: 名無しさん@読者の声:2012/9/28(金) 22:54:39 ID:NvgtZfY3tY
イレブンバックは小革命のことだろうけど、10捨てとか7渡しって…、何?

女僧侶お姉様は百合の私が責任をもってぺろぺろしますのでお気遣いなく。
代わりにこれをお収め下さいつC
152: 名無しさん@読者の声:2012/9/28(金) 23:51:39 ID:9vMueoL5s2
>>151
10捨ては出した枚数だけ自分の手札を捨て
7渡しは出した枚数だけ次の人に手札を渡せるらしい

おいらもよく知らないけどね


スレチすまそ

これで許しておくれC
153: Cありがとうございます:2012/9/29(土) 13:50:39 ID:4.MWSg5KoU
>>151-152
大富豪に関してですが、細かなルールは俺も最初知りませんでした。
高校に進学した際、県内のいろんなとこから入学生が集まってまして、県内各地の同級生ここに集う、みたいな状態でした。
そんな中、とある市の同級生達と大富豪やる機会がありまして、いざやってみたらいろんなルールが乱れ飛びました。
7渡しに10捨て、イレブンバックに砂嵐、あとはクーデターですね。
8切りくらいしか知らなかった俺はポカンとしてました。「こいつら何の競技やってんだ?」状態でした。
世界は広いんだなあとしみじみ思った十五の昼でしたね。

あと>>151さんは女僧侶とぺろぺろ百合った場合、その様子を詳しく話してもらってもよろしいでしょうか?
何て言いますか、転職する際の土産話にとでもいいますか。その、賢者とかにですね。うん。
154: :2012/9/29(土) 13:51:59 ID:4.MWSg5KoU
ドラゴン「それからなんだかんだ一週間が流れました」

ゾンビ「共存の街について調べていた魔王様達でしたが、謎はわからないままでした」

スライム「果たして魔王様達はチラシの魔法の謎を解けるのでしょうか?」

龍人「……お前ら何言ってんだ?」



側近「すっかり魔法学の街に住み着いちゃいましたね」

魔王「共存の街はまだ完成してないって言うしねー」

側近「発案者の老人が言うには魔法で完成間近らしいですけど……」

魔王「予定地は普通に平地状態だよね。本当に街って出来てるのかなあ?」

側近「魔界にも例のチラシが配られて、今や魔法学の街は人と魔物で溢れかえってますからね」

魔王「これ以上待たせたら収集つかないよね。おじいちゃん、どうするつもりだろ?」

「共存の街の件で魔道師さんが広場で説明するってよ!」

魔王「……おっ?何か始まったみたいよ?」

側近「広場の方ですね。行ってみましょう」
155: :2012/9/29(土) 13:53:23 ID:4.MWSg5KoU
女勇者「魔王と過ごし始めて一週間も経っちゃったよ……」

女戦士「で?進展はあったのかよ?」

女勇者「ん〜……進展はないなあ。魔王の気持ちも尊重しなきゃいけない問題だからね。なかなか進まないよ」

女戦士「……お前らどんだけ鈍くて奥手なんだよ」

女勇者「……?」

女僧侶「女魔法使いさんはすっかり回復したのでいいんですけど」

女僧侶「共存の街の調査に関しては未だ何もわかっていませんね」

女魔法使い「……」

女戦士「調査の任務が手付かずだもんな。そろそろ王様も雷落とす頃かな」

女勇者「そうは言っても、情報がないんだもん……発案者のおじいさんもチラシの魔法の効能教えてくれないし」

女戦士「やべえな……どうすんよ?」

「共存の街の件で魔道師さんが広場で説明するってよ!」

女僧侶「……聞こえました?」

女勇者「聞こえた聞こえた!広場の方だね!何か進展があるかも……行ってみよう!」
156: :2012/9/29(土) 13:54:36 ID:4.MWSg5KoU
魔王「うわあ、すっごい人だかりだね!」

側近「これではちょっと広場まで辿り着けませんね。浮遊魔法使います?」

魔王「そうしよっかー」フワリ

側近「それじゃ空中から様子を窺うとしますか……んっ?」フワリ

女勇者「うわあ、人がいっぱいだよ!これじゃ広場の方にいけない……」

魔王「女勇者ちゃん達も確認しに行くのー?」フワフワ

女勇者「え?あ、うん……う、浮いてるー!?」

側近「……その台詞から察すると、お前達は浮遊魔法覚えてないのか」フワフワ

女勇者「覚えてないよ!鶴仙流でもないんだから舞空術の類なんて!」

魔王「それだと女勇者ちゃん達が広場に行けないね……どうしよう?」フワフワ

女戦士「……魔王達が連れてってくれよ」

魔王「え?」フワフワ

女戦士「魔王と側近が前と後ろで二人抱えれば全員で広場いけるじゃん」

魔王「!?」フワフワ

女勇者「!?」
157: 1「いくら払えばこいつら爆発してくれるんだろう……」:2012/9/29(土) 13:56:32 ID:4.MWSg5KoU
女戦士「私と女勇者は魔王な!魔王、私重たいけど大丈夫か?」

魔王「お、俺は大丈夫だけど!女戦士ちゃんや女勇者ちゃんは嫌じゃないの?」フワフワ

女戦士「嫌なわけないだろww一応イケメンに抱えてもらえるんだしwwwあと……」

女勇者「あわ、あわわわ……」プシュー

女戦士「あんな感じで故障し始めてるけど、嫌じゃないのは私が保証してやっからwww」

女戦士「とにかく広場に連れてけって!魔王の背中もーらい!」ムニュッ

魔王「はわあああ!!せ、背中に柔らかな感触がああああ!!」フワフワドキドキ

女戦士「女勇者は前面でお姫様抱っこでもしてもらえよwww」

女勇者「おおおお姫様抱っこおおおぉぉ!!!?」プシュー

魔王「くぁwせdrftgyふじこlp!?」フワフワドキドキ

女戦士「あっはっはwwwおもしれぇわ、お前らwww」

側近「……何かもう決定っぽいな。お前らはそれでいいか?」フワフワ

女僧侶「構いませんが……素敵な殿方に抱えていただけるのは緊張しますね///」

女魔法使い「……///」
158: :2012/9/29(土) 13:57:39 ID:4.MWSg5KoU
側近「浮遊魔法で広場の上空まで来ましたね」フワフワ

魔王「あああああ!!気持ち良死するううう!!」フワフワドキドキ

女戦士「どんな死に方だよ、それwww」

女勇者「あああああ!!気持ち良死するううう!!」ドキドキ

女戦士「夫婦で同じボケしてんじゃねえよwww」

側近「……あ、駄目だ。あの馬鹿共は一旦無視しよう」フワフワ

側近「うん、ここからあの老人の姿が確認できるな」フワフワ

女僧侶「声も届きますね。発表をしっかりと聞きましょう。共存の街について何かわかるかもしれません」ガクガク

側近「……女僧侶、お前何で震えてるんだよ?」フワフワ

女僧侶「た、高いところが苦手なんです!」ガクガク

側近「どいつもこいつも……ったくよぉ」フワフワ
159: :2012/9/29(土) 13:59:33 ID:4.MWSg5KoU
魔道師「皆様、お集まりいただきありがとうございます」

魔道師「ここにいる方々の多くは共存の街に興味があって集まられたものと思います」

魔道師「実際に移住を考えている方、街を見てみたいという方」

魔道師「各々に様々な思惑があって、今日この瞬間を迎えているものと思います」

魔道師「私にとっては、その何れもが大変喜ばしいことです。誠にありがとうございます」

魔道師「さて、各地で宣伝をさせていただいたことで、今や共存の街は多くの方の知るところとなっております」

魔道師「その目的は、この度配らせていただいたチラシに書いてある通りです」

魔道師「私は、この一年間で理想の世界を目指して努力を続けました」

魔道師「そして、ついにそれを形にする時が来たのです」

魔道師「その形こそ共存の街です!」

魔道師「街は既に完成しております。後は私の魔法を用いて、魔界と人間界の境目にそれを現すだけです」

魔道師「これほどの方々が集まっている今日こそ、新たな歴史を作る記念日に相応しいと考えております」

魔道師「……私はこれより共存の街を誕生させると、ここに宣言致します!」
160: :2012/9/29(土) 14:00:43 ID:4.MWSg5KoU
側近「……とうとう共存の街を現す気か」フワフワ

側近「女僧侶、奴のスピーチで気になるとこはあったか?」フワフワ

女僧侶「いえ、特に怪しいようには感じませんでした」ガクガク

側近「それが逆に怪しくもあるな。未だにチラシの魔法に関しては説明無しだしな」フワフワ

側近「やっぱり手放しで喜ぶわけにはいかないな。何か裏があると仮定して向き合った方がいい」フワフワ

女僧侶「とりあえず行ってみるのが一番でしょうね」ガクガク

側近「そうだなあ。でもその前に……」フワフワ

魔王「ふわあああ!前後に幸せの感触があああ!///」フワフワドキドキ

女勇者「魔王にお姫様抱っこ……ああああああああ!///」ドキドキ

女戦士「うっせーよ!奇声発してんじゃねえよ!さすがにもう飽きてきたよ!」

側近「あいつらをちょっと黙らせるとしようか」フワフワ

女僧侶「……絶対聞いてないですよね。説明しなきゃいけないのかなあ……」ガクガク
161: :2012/9/29(土) 14:01:53 ID:4.MWSg5KoU
スピーチが終わったので地面に降り立ちました。

側近「……正直にお答えください。魔王様方、話聞いてましたか?」

魔王「ごめんなさい……正直それどころじゃなかったです」

女勇者「魔王と同じです……」

女戦士「右に同じく」

側近「……ふん!」シュッ!

魔王「あいたっ!な、何もローキックしなくてもいいじゃん!」

女戦士「なー女僧侶ー。あのジジイ何て?」

女僧侶「ご自身で読み返してきてください!」

女勇者「女僧侶まで怒ってる……」

女僧侶「こっちは高くて怖いのを我慢してまで話を聞いてたんですよ!?」

女魔法使い「……」ヨシヨシ

女僧侶「女魔法使いさん……ありがとうございます」

魔王「えーっと、じゃあ読み返してくるからちょっと待ってね」
162: :2012/9/29(土) 14:02:53 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……なるほどー。共存の街を出現させるよ!ってことねー」

側近「一言でまとめるとそういうことです」

女戦士「え、じゃあ魔法学の街でゆっくりしてる場合じゃないじゃん。早く行こうぜ!」

女僧侶「誰のために留まって説明したんだと思ってるんですか?」ゴゴゴゴ

女戦士「ご、ごめん……ごめんなさい……」

女勇者「女僧侶、怖いよ……」

魔王「美人だから怒ると迫力でるね……本当に女僧侶ちゃんは美しいや」

女僧侶「……お、おだてたって無駄ですからね!///」

側近(案外こいつもちょろいな)

女魔法使い「……共存の街……行こう……」

女勇者「あ、うん。そうだね。私達も向かうとしよう!」
163: :2012/9/29(土) 14:05:40 ID:4.MWSg5KoU
今日はここまでにします。
最近はすっかり魔王達と女勇者達がリア充やってますね。
>>150にて共存の街編と書きましたけど、そんなの関係なくイチャついとるだけやないか、と虚しく叫んだりしてます。
俺のこの嫉妬心が晴れることはあるのでしょうか。共存の街の件は進むのでしょうか。
そんな感じでまとめつつ、今回はこの辺で失礼いたします。

今回の更新のまとめです。
>>154-162
164: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 03:41:54 ID:A9eWW/3vLw
ランキング3位おめでとうございます!
ぐぬっリア充爆発した後仲良くしろ…!複雑な気持ちですコレが恋?
つC
165: :2012/9/30(日) 12:53:14 ID:4.MWSg5KoU
ランキング3位ありがとうございます。いい感じにお腹痛くなってきました。
全ての投票者に感謝したいです。3位なんてそうそう取れる物じゃないですからね。
こういう妄想落書きに価値を与えてくれるのは他ならぬ読者の皆さんで、自分の活動を有意義な物にしてくれる皆さんに心から感謝したいです。
今後も更新を続けていきますので、今回3位にしてくれた皆さんに「投票してよかった」と思っていただけるよう頑張りたいと思います。
……途中ちょっと不安な個所がありますけれども。

そろそろふざけたいので真面目モードを終えます。
>>164
奇遇ですね、俺も似た心境ですよ。大爆発した後に仲睦まじく過ごしてほしいと思います。
恋ってやっぱり理屈じゃねえんだなあって思います。ネットの片隅でこんなこと言ってるから未だに童貞なんだろうなあとも思います。
いつか自身に訪れるかもしれない恋物語に備えて、今はCをエネルギーに完結目指して走ります。

更新はたぶん夜中にやります。
166: :2012/9/30(日) 21:04:54 ID:4.MWSg5KoU
魔界と人間界の境目。

魔王「あーもう人だかり出来ちゃってるね」

側近「魔道師は……いました。何かやってますね」

女勇者「何かの呪文を唱えてるわね。女魔法使い、何の魔法かわかる?」

女魔法使い「……」フルフル

女僧侶「女魔法使いさんでもわからない魔法ですか。ではあれも独自の魔法なんでしょうか?」

女戦士「あー、オリジナルな魔法をたくさん覚えてるって話だったよな」

魔王「とりあえず見守ろうよ。本当に街がポンッ!って出るんなら、俺それ超見たいもん!」

側近「気楽なもんですねえ……」

魔道師「はああああ……」ゴゴゴゴ

魔道師「……はあっ!」ポンッ!

魔王「おおおおお!本当に街が出てきたあああ!」

側近「あれは……時空移動系の魔法か?それとも物体の視覚情報を操るような魔法か……」

魔王「今はもうそんなんどうでもいいでしょ!凄いよね、大がかりな手品みたい!」

女僧侶「本当にどのような魔法なんでしょうね。あんな大規模な物を瞬時に出現させるなんて……」

女戦士「おっ、爺さんを筆頭にぞろぞろ入ってくぜ。私達も街に入ろうぜ!」
167: :2012/9/30(日) 21:06:04 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……普通に街だね」

側近「普通に街ですね……」

女勇者「でも建物は少ないね」

女僧侶「移住の手続き等を済ました住民にあわせて、これからまた造っていくんじゃないでしょうか?」

女戦士「あの爺さんの魔法があったら、ちょちょいのちょいっぽいしな」

側近「それよりも気になるのは……石畳に刻まれてる模様だな」

女戦士「何だよ?洒落た模様か何かじゃないのか?」

女勇者「なんか癖になりそうな模様だよね。あのお爺さんのお洒落心なのかな?」

側近「だといいんだけどな……」

女勇者「……?」

魔王「こんなん作り上げるってすごいねー!魔物も人も多く集まってるし!」

魔王「ちょっとあのおじいちゃんに話聞いてみたいよね!」

魔道師「おや、魔王様方に勇者様一行ではありませんか。さっそく来ていただけましたか」

側近「噂をすればってか……」
168: :2012/9/30(日) 21:07:40 ID:4.MWSg5KoU
魔王「あっ、おじいちゃん!凄いですねー!マジで立派な街じゃないですか!」

魔道師「魔王様から直々にお褒め頂けるとは、長生きしてみるものですな」

側近「魔物も人も多く集まって……共存の街という名に恥じない光景ですね」

魔道師「我が理想その物の光景ですよ。この光景をいつも夢見て生きていました」

女勇者「魔王のおかげで平和になりましたからね。魔王のおかげで!」

魔道師「そうですな。この理想が築けたのも魔王様のおかげです。感謝せねばなりませんな」

側近「……ところで魔道師殿。こうして共存の街も無事完成したわけですし」

側近「そろそろあのチラシにかかった魔法について、詳しく教えていただきたいと考えているのですが」

魔道師「ははは、今更そのようなことはどうでもいいではありませんか」

魔道師「大切なのはこうして共存の街が完成したという結果です」

魔道師「今更説明するのも馬鹿馬鹿しいような、どうでもいいものですから、もう気になさらないで結構ですよ」

女僧侶「そこをどうにか……!」

魔道師「……街が完成したばかりで、まだまだやることがたくさんあります。ここらで失礼させていただきます」

女僧侶「あっ……行っちゃいましたね」
169: :2012/9/30(日) 21:08:43 ID:4.MWSg5KoU
魔王「結局チラシの魔法に関しては秘密のままだったね」

側近「怪しいのには変わりないって感じですね」

女勇者「やろうとしてることは立派なんだし……はやく疑わず素直に受け入れられる状態になりたいね」

女戦士「女魔法使いでも解読できないような魔法なんだよな?」

女魔法使い「……」オテアゲ

女戦士「じゃああのジジイに吐かせるしかないな。あーあ、この任務いつまで続くんだろ……」

女僧侶「はやく魔道師さんの真意を明らかにしたいですね……」
170: :2012/9/30(日) 21:10:29 ID:4.MWSg5KoU
魔王「街誕生でざわざわしたまま夜になったよ!」

側近「あの街はまだ宿などが機能してないので、魔法学の街に戻ってきました」

魔王「ものすごい説明口調だね」

側近「……魔王様、少しお時間よろしいでしょうか?」

魔王「えー、俺、女勇者ちゃん達と一緒にいたいんだけどー」

側近「大切なことなんです」

魔王「……マジの感じじゃないですか。わかったよ、少し付き合うよ」

側近「ありがとうございます。それではついてきてもらえますか?」

魔王「うん、わかったよー」



女勇者「魔王がいない……」

女戦士「まあまあ、どこ行ったか知らんけど、寝る頃には部屋に戻ってくるって」
171: まさかの新要素:2012/9/30(日) 21:12:44 ID:4.MWSg5KoU
魔王「……共存の街に来て、浮遊魔法使ってるけど、どゆこと?」フワフワ

側近「魔王様、暗いですけど街の様子は見えますね?」フワフワ

魔王「一応魔物だかんね。しっかりばっちり見えておりますよー」フワフワ

側近「では、この上空から共存の街全域を見ていただけるでしょうか?」フワフワ

魔王「いいよー。……えっ?これって……」フワフワ

側近「昼間に話題に上がりましたよね。街中に敷かれた石畳の模様について」フワフワ

側近「これがその正体です」フワフワ

魔王「街全体を覆い尽くすほどの魔法陣……!」フワフワ

側近「これも奴のオリジナル魔法なのかどうか知りませんけど」フワフワ

側近「とりあえず大規模な何かを仕出かそうというのだけはわかりますね」フワフワ

側近「これすらもだんまりを決め込むというのであれば、いよいよ彼は怪しいということになります」フワフワ

魔王「……俺は共存の街を否定したくないよ。魔物と人が共に在る形を否定したくない!」フワフワ

側近「そうですね。だから……彼の隠し事が悪い事でないのを祈りましょう」フワフワ
172: :2012/9/30(日) 21:14:11 ID:4.MWSg5KoU
側近「よっと」スタッ

魔王「……」スタッ

側近「これは本当に調査が必要ですね」

魔王「……何であのおじいちゃんは頑なに秘密にするんだろう?」

側近「さあ。それは本人のみぞ知るところでしょう」

魔王「……」

側近「心から信じられる日が来るように、今は調査に勤しむとしましょう。さあ、魔法学の街に戻りましょう」

魔王「うん……」
173: :2012/9/30(日) 21:16:17 ID:4.MWSg5KoU
今日はここまでにします。
どうでもいいことなんですが、前作を読み返してて思うことが一つほど。
龍人いるじゃないですか。敵から味方になったという、ジャンプ漫画システムの体現者ですよ。
そんな龍人の台詞を見てると、たまに「〜〜ぜぇ」とかいう口調になってるんですよ。
それを今見るとですね、何か頭の中でスギちゃんが再生されてしまって、思わず笑いそうになるんですよ。
忘れた頃にそれを繰り出して、シリアスな場面なのに笑わせようとする龍人はとんでもない奴だなと、そう思ったわけですよ。
それだけです。

今回の更新のまとめです。
>>166-172
174: 名無しさん@読者の声:2012/10/1(月) 02:01:55 ID:MNHaMYDmvw

支援支援!
175: :2012/10/1(月) 23:17:07 ID:6xWpg1Pyas
>>174
支援ありがとうございます。
一応書き溜めしている身でありまして。
こんだけ書き溜めあったら余裕だぜヒャッハー!と、ゆとりを持った生活をしていたわけですが。
とりあえず100KBytesくらい消化しましたが、その間新たに書き加えられたのは25KBytes程度でした。
あ、このペースやばいぞ、下手したら追いつかれるぞと、最近になって慌ててます。
そんなわけで、支援をエネルギーにして、ちゃんと書き溜めようと思います。
176: :2012/10/1(月) 23:19:04 ID:6xWpg1Pyas
側近「……この宿屋にも慣れてきましたね」

魔王「自分でびっくりしてるんだけど、俺は女勇者ちゃんと同じ部屋だということに慣れてきたよ」

側近「最初の頃なんて、魔王様も女勇者も寝不足でやばかったですもんね」

魔王「俺は一緒の部屋に女勇者ちゃんがいるってだけで緊張がやばくてね」

魔王「女勇者ちゃんは……たぶん俺に信用が置けなかったんだろうね。警戒心から寝れなかったんだと思うよ」

側近「わざとですか?わざと言ってるんですか?」

魔王「え?な、何が?」

側近「もういいです。たったいま魔王様が屑童貞だと再認識しただけです」

魔王「今のやり取りの中で何があったの!?今俺そんな悪口言われなきゃいけないこと言った!?」

側近「女勇者、戻ったぞ」ガチャッ

魔王「無視しないでよー!あ、女勇者ちゃん、ただいまー!」

女勇者「あ、おかえりー。遅かったね。どうしたの?」

側近「んー、別に大したことじゃねえよ。ね、魔王様」

魔王「う、うん」
177: :2012/10/1(月) 23:19:58 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……今更だけど、本当に宿代全部出してもらって大丈夫なの?」

魔王「大丈夫だよ!何の心配もなく過ごしていいからね!」

女勇者「いや、でも一週間くらいずっと泊まらせてもらってるし……」

側近「こっちはお金に困ってないから気にすることはないよ。魔王様は魔王城の金を私欲的に使うのを気にした方がいいですけど」

魔王「いいじゃない。女勇者ちゃんのために使えるなら、これ以上の有意義な使い方はないよ!」

女勇者「魔道師さんが魔法の効能を隠し続けるなら、それに伴って滞在期間も伸びるけど……それでも本当にいいの?」

側近「くどいぞ。魔王様がいいって言ってんだからお前はそれに甘えとけよ」

魔王「側近!女勇者ちゃんは善意で言ってくれてんだよ!そんな言い方ないじゃない!」

側近「魔王様は相変わらず女性に甘いですね。それとも女勇者だからですか?」

魔王「そ、側近!」

女勇者「え?どういうこと?」

魔王「何でもないよ!うん!何でもないから!」
178: :2012/10/1(月) 23:21:00 ID:6xWpg1Pyas
側近「さて、明日も早いですから俺はもう寝ますよ」ゴロンッ

魔王「側近は今日もベッドを使わないんだね」

側近「ツイン部屋ですから二人分しかないですしね。女勇者はまず優先として、一応魔王様のが身分上らしいですから、俺が床ってことになるでしょう」

魔王「側近。一応とか、らしいとかいらない。間違いなく俺のが身分上だから」

女勇者「なんかごめんね、側近。何なら私床で寝ても大丈夫だよ?」

側近「気にすんなよ。本気でベッドで寝たいんなら魔王様を追い出してるって」

魔王「追い出す必要なくない!?俺を床に寝かすだけでいいじゃん!」

側近「我慢しなくていいんなら、ベッドだけじゃ済みません。とりあえずこの世から追い出さないと」

魔王「部屋の話じゃなかったんだ!?ごめん、せめて宿から追い出すくらいで満足してよ!」

女勇者「相変わらず二人は愉快なやり取りをするよね」

魔王「女勇者ちゃんが喜んでくれるなら、側近の暴言も受け入れるよ!」

側近「……」

魔王「いや、今は言ってこいよ!何で急に黙っちゃった!?」

女勇者「あはははっ、本当に面白いよね」

女勇者「……私もそれくらい自然に楽しめる仲になりたいな」ボソッ

魔王「ん?何か言った?」

女勇者「ううん、何でもない」
179: :2012/10/1(月) 23:22:13 ID:6xWpg1Pyas
側近「電気消しますよー」

女勇者「はーい」

魔王「はーい」

側近「ポチッとな……」ショウトウ

女勇者「……側近ってたまにくだらないことを言ったりやったりするよね」

魔王「知恵の輪でムキになったりねwww」

側近「うるさいですよー。魔王様殴りますよー」

魔王「ごめんなさーい。黙って寝ることにしまーす」

女勇者「おやすみなさーい」

魔王「おやすみー、女勇者ちゃん」
180: :2012/10/1(月) 23:23:13 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……」

女勇者「……」

側近「……」

魔王「……側近、起きてる?」

女勇者「……」

側近「……」タヌキネイリ

魔王「……寝てるか」

女勇者「……」

側近「……」ネテネーヨバカ

魔王「……ねえ女勇者ちゃん」

女勇者「ん、何?」

側近「……」オ?ナンダ?

魔王「俺らが初めて会った日のこと、覚えてる?」

女勇者「もちろん覚えてるよ。あの時はまだ敵同士って立場だったね」
181: :2012/10/1(月) 23:24:41 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王城のさ、魔王の間みたいなとこに入った瞬間に爆発が起こったのびっくりしたなー」

魔王「あったねー。あの時はごめんね。魔力の球でマー君ごっこしてたからさあ」

女勇者「出会う前から魔王はやっぱり魔王だったんだね……」

魔王「その後四人と戦闘になったよね。いやあ女勇者ちゃん達は強かったなあ」

女勇者「よく言うよ。私達の合体技受けても平気だったくせに」

魔王「皆の可愛さ、美しさにはKOされてたよ。だからこそ俺やられたふりしてついてったんだもん」

女勇者「あったねー、そんなことも。真相を知った時はびっくりしちゃったよ」

魔王「あの時はごめんね。演技してたからさ、かなり嫌な奴だったでしょ?」

女勇者「私の中で描いていた魔王という存在そのものだったね」

魔王「ごめんねー。嫌な奴になりきって、攻撃されてもおかしくない状態を作りたかったんだ。どうしてもいじめてほしくて」

女勇者「女の子からいじめられるのってそんなにいいの?」

魔王「もう最高ですよ。女勇者ちゃんも是非この卑しい男をいじめてやってください」

女勇者「私はいいよ。いじめられて嬉しい、か……私にはわからないなあ」
182: :2012/10/1(月) 23:25:52 ID:6xWpg1Pyas
魔王「そうこうしてるうちに龍人が暴れちゃってさ」

女勇者「龍人、強かったなあ。私、一方的にボコボコにされちゃったもん」

魔王「……その事実を思い出したらムカついてきた。帰ったらあいつ一発殴っとこう」

女勇者「許してあげなよ。私、もう全然気にしてないから。ね?」

魔王「女勇者ちゃんがそう言うなら、許してあげよう」

女勇者「よくよく考えたら龍人のあの行動のおかげで和平結べたところもあるよね」

魔王「そうだね。あの攻防がきっかけではあるもんね」

女勇者「そして人間界と魔界が仲良くなっていったんだよね」

魔王「あの時は想像も出来なかったなあ。女勇者ちゃんとこうして一緒に居られるなんて」

女勇者「本当だよね。私、魔王と一緒に居られて楽しいし、嬉しいよ」

魔王「え?」

女勇者「……あ、いや!ごめん、何でもないよ///」

魔王「……俺も」

女勇者「え?」

魔王「俺も女勇者ちゃんと一緒に居られて嬉しいよ」

女勇者「魔王……」
183: :2012/10/1(月) 23:27:46 ID:6xWpg1Pyas
側近「……」イケ!イケ!!

魔王「女勇者ちゃん……ちょっと言いたいことがあるんだけど」

魔王「俺ね、女勇者ちゃんのことが……」

魔王「すっ……すっ……すっ……!」

魔王「……スターフォックスってゲーム知ってる?」

側近「……」ドウシテソコデヤメルンダソコデ!

女勇者「う、ううん、知らない」

魔王「面白いゲームなんだよ。それに、面白いゲームは他にもいろいろあるしさ」

魔王「えっと……今度、機会があったら一緒にやろうね」

女勇者「……うん。共存の街の件が落ち着いたら、その時にでもね」

魔王「約束だよ」

女勇者「うん!約束!」

側近「……」マワリノコトヲオモエヨ、オウエンシテルヒトタチノコトヲオモッテミロッテ!

側近「……」ドウデモイイケドホントニヨミニクイヨネ、コレ
184: :2012/10/1(月) 23:28:59 ID:6xWpg1Pyas
朝になりました。

魔王「おはよう、側近!」

側近「ファッキュー、魔王様」

魔王「え〜……衝撃的な朝の挨拶来たぁ……」

側近「幾度となく魔王様には失望してきましたけど、今回はかなりの失望ですよ」

魔王「何?俺、側近の夢の中で何かやらかした?」

側近「現実ですよ。やらかしたってレベルじゃないですよ。この意気地無し野郎」

魔王「現実の話っすか!?えー、俺何かしたっけー?」

女勇者「まあまあ側近、あんまり魔王をからかわないであげてよ」

側近「……俺はお前のために言ってやってんだけどな」

女勇者「私のため?何が?」

側近「いや、もういい」

女勇者「よし!それじゃ今日も調査頑張りましょう!」
185: :2012/10/1(月) 23:30:23 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
前作から既に行われていたスレタイ詐欺は今作でも健在のようで、なんか普通にイチャついてますよね。
カップルみたいだろ。嘘みたいだろ。付き合ってないんだぜ、それ。
流石の松岡もこれには苦笑い。
そんな感じの回でしたね、今回は。
いい加減本編進めなくていいのかなと不安になったところで、また次回とさせていただきます。

今回の更新のまとめです。
>>176-184
186: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 09:24:28 ID:YaTth/9hro
おもしろい!CCC
187: :2012/10/2(火) 22:30:43 ID:6xWpg1Pyas
>>186
支援ありがとうございます。
面白いと言ってもらえて大変嬉しく思います。
パワプロのサクセスで天才選手が出た時くらいの嬉しさです。
そんな天才選手ですが、最後まで無事に育てないと意味がありません。
というわけで、こちらも支援を無駄にしないよう最後まで頑張ります。
188: :2012/10/2(火) 22:33:07 ID:6xWpg1Pyas
魔王「よーし、じゃあ共存の街に行って、おじいちゃんからいろいろ話聞こう!」

側近「あ、魔王様。俺は調べ物あるので魔法学の街に残ります」

魔王「え?」

側近「昨日の魔法陣に関して調べてみます。たぶん奴のオリジナルでしょうから望みは薄いですけど、一応」

側近「魔法学の街の図書館でも行けば、あの魔法陣について何かわかるかもしれませんしね」

側近「俺は俺でそう活動しますので、魔王様は魔道師から直接聞きだすのを試みてください」

魔王「待ってよ。それって……今日俺一人で共存の街行けって?」

側近「そうですよ。どうかしました?」

魔王「えええ……怖いじゃんかー。よく知らない街で一人でさー。迷ったらどうすんの?」

側近「……じゃあ女勇者達と一緒に行けばいいんじゃないですか?」

魔王「女勇者ちゃん達に迷惑じゃない?」

側近「おらあ!」アッパー

魔王「おぐぅ!な、何で殴るの!?」

側近「いいから行きなさい!女勇者達の迷惑にはならないから、仲間に入れてもらいなさい!」

側近「ああもう、本当にいい加減にしてくださいよ!鈍感すぎるでしょう!マジ致命傷与えるレベルでボコりますよ!?」

魔王「わ、わかった。わかったから怒らないで。あの、行ってきます」タッタッタッ

側近「……どうなってんだよ、あいつの頭は?」
189: :2012/10/2(火) 22:34:19 ID:6xWpg1Pyas
魔王「というわけで、女勇者ちゃん達と共存の街に来てまーす!」

女戦士「よー魔王、ハーレム築けてよかったのうwww」

魔王「ホントだよ。口うるさい側近もいないし、幸せってこういう状況のためにある言葉だと思うよ」

女僧侶「本当に魔王さんは大げさですよね」

魔王「嘘偽りなく本心を言ってるだけなんだけどねー」

女勇者「とりあえず今日も魔道師さんに話を聞きに行ってみよう。……たぶん今日も魔法について教えてくれないと思うけど」

魔王「そうだね。ただ、今日はこっちも武器を持ってるからね」

女勇者「武器?」

魔王「逆転裁判だったら状況がひっくり返るほどの強烈なのだよ。それについて聞いてみよう!」
190: :2012/10/2(火) 22:35:24 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「……今日も私に話をしにきてくれましたか」

女勇者「そうですね。やっぱりチラシにかけてた魔法のことを教えていただきたいので」

魔道師「若い女性が毎日のように会いに来て下さるのは大変喜ばしいですが、何度聞かれようとそれを答えるつもりはありませんよ」

魔王「……じゃあ他のことだったら答えてくれます?」

魔道師「他のことですか?何でしょう?」

魔王「この街全域に描かれてる魔法陣について、説明してもらえます?」

魔道師「っ!お気づきでしたか……」

女勇者「魔法陣?それって……街の地面に書いてある模様のこと?」

魔王「これをね、空から見るとね、街サイズの巨大な魔法陣であることがわかるんだよ」

魔王「これ俺が気付いたからね。これ俺が気付いたからね!」

女勇者「やっぱり魔王は凄いね!」

魔王「えへへ〜///」
191: :2012/10/2(火) 22:37:31 ID:6xWpg1Pyas
魔王「それはともかくとして……おじいちゃん!これはどういうことか説明してもらえます!?」

魔道師「……防御魔法の魔法陣ですよ」

魔道師「共存派が多数派となったとはいえ、世界にはまだ戦争派も存在します」

魔道師「そんな連中にはこの街は目の敵になるでしょう。襲撃も考えられます」

魔道師「そんな狂気から住民を守るための魔法陣です。わかっていただけましたか?」

女魔法使い「違う……」

魔道師「っ!」

女戦士「お、急にどうした?」
192: :2012/10/2(火) 22:38:33 ID:6xWpg1Pyas
女魔法使い「こんな模様の防御魔法陣は……存在しない……」

女魔法使い「これはきっとオリジナルの……他の効果のある魔法陣……」

女僧侶「確かに普通の魔法陣なら、その模様を見ただけで女魔法使いさんならわかりますよね」

女魔法使い「勉強……ちゃんとしてるから……」ピース

女戦士「うちの魔法っ娘がこう言ってんだけど、何か言い訳あるか?」

魔道師「……言い訳も何も、これは防御魔法に関する魔法陣ですよ」

女勇者「えい!」ボンッ!

魔王「うわ!……女勇者ちゃん?」

女勇者「……魔道師さん。私、今簡単な攻撃魔法を空に向かって放ちましたけど、何の障害もなく発動できました」

女勇者「この街に防御魔法が魔法陣で常にかかってるとしたら、それはおかしいです。本当のことを教えてください!」
193: :2012/10/2(火) 22:39:35 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「……最初から本当のことしか言ってませんよ」

女勇者「魔道師さん!」

魔道師「失礼します。この街でやらねばならんことはまだまだありますゆえ……」スタスタ

女僧侶「……行ってしまいましたね」

女戦士「怪しさマックスじゃねーかよ。疑えっつってるようなもんだろ」

女勇者「……」

魔王「……」

女僧侶「ここまで来てしまうと、さすがに裏があると断定せざるを得ませんね。それも、あまりよくない方で……」

女勇者「共存の街……その考えは凄く立派だと思うけど、本当は何かの企みの隠れ蓑でしかないのかなあ……」

魔王「もしそうだったら、凄く残念だよね……」

女勇者「うん……」
194: :2012/10/2(火) 22:42:57 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「これ以上魔道師さんから話を聞けそうにないし、今日はもう魔法学の街に戻ろうか?」

女僧侶「そうですね。それでは戻り……きゃあ!」ドンッ

魔女っ娘3「きゃあ!……失礼しました」

女僧侶「いえいえ、こちらこそ不注意でした。申し訳ありません」

魔女っ娘3「すみません、急いでいるので私は……」

魔王「……っ!待って!」

魔女っ娘3「何ですか?……っ!」

女戦士「どした?好みの子なんか?」

女勇者「え……」

魔王「凄まじく可愛いのは認めるけど、そうじゃないよ!君、魔力の森で俺を殺そうとした魔女ちゃんだよね?」

女僧侶「殺そうとした?」

魔王「戦争派で、和平派の俺を憎んでる魔女さんだよ。そうでしょ!?」

魔女っ娘3「……どなたかと勘違いしてらっしゃいますよ。私じゃありません」

魔王「嘘だよ!俺が君みたいな可愛い女の子を忘れるもんか!間違えるもんか!」
195: :2012/10/2(火) 22:44:46 ID:6xWpg1Pyas
魔王「戦争派の君がどうしてここに?君にとっては最も忌み嫌うべき街じゃない」

魔女っ娘3「……魔王様。魔物も人も変わるんですよ。私はあの日、魔王様を攻撃して、仲間から罰せられました」

魔王「側近が空気読まずに邪魔したあの日のことだね」

魔女っ娘3「私はそれまでの愚かな行動を悔い、生まれ変わったのです」

魔女っ娘3「そんな中、魔界に共存の街に関するチラシが配られました」

魔女っ娘3「これは運命だと感じ、移住を決意してここにやってきたのです」

魔王「疑って悪いけど、世界が和平に傾いていったこの一年でも変わらなかった君の憎悪が、そんな簡単に消えるとは思えないよ」

魔王「教えてよ!あのチラシやこの街には何か秘密があるんじゃないの!?」

魔王「情報を悪いようにはしないよ!君も、俺も、世界の誰しもが笑える世界のために頑張るから!だから本当のことを教えて!」

魔女っ娘3「……失礼します。先ほども言ったように、急いでるので」

魔王「待って!」

女僧侶「駄目です、行ってしまわれました」

女戦士「なんかもう怪しすぎるな、この街」

女勇者「……」
196: :2012/10/2(火) 22:47:34 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
関係ないですけど、皆さんはジャンプ読んでますか?俺は読んでます。
そのジャンプでニセコイあるじゃないですか。ニセコイは可愛い女の子がいっぱいで幸せになれますよね。
その中で俺が特に好きなのはつぐみちゃんです。自身の恋心にあたふたする様子とかもう可愛すぎるんじゃないでしょうか、ええ。
「つぐみとかwwライトウイングのリヒトですやん、あれwww」
屋上へ行こうぜ……久しぶりに……キレちまったよ……
とまあ、茶番劇を挟みつつ、また次回ということで。

今回の更新のまとめです。
>>188-195
197: 名無しさん@読者の声:2012/10/3(水) 00:23:47 ID:vldVhXOK4A
女僧侶たんは可愛いよね!CCCCCCC円!!

198: 名無しさん@読者の声:2012/10/3(水) 01:07:05 ID:jE2dpqTSVc
つぐみちゃんかわいいよつぐみちゃん!
しかし女魔法使いもかわいい!
もうみんなかわいい!
これは1のせいだなつC
199: Cありがとうございます:2012/10/3(水) 23:21:02 ID:6xWpg1Pyas
>>197
何と言いますか、>>118をきっかけに「女僧侶好っきゃねん!」的なレスを見かけるようになった気がします。
前作ではマジで女僧侶さん支持のレスがないように感じてました。
各女性キャラの小話書いたら、その後に読者の皆さんが関連キャラについてレスしてくれてたように感じてますけど。
女僧侶さんの小話の後だと、読者の方が繰り出した話題はくしざしツインズでしたよ。
女勇者派になった俺が言うのもあれですけど、女僧侶は未だに好きです。ていうか、俺の初めてのSSのキャラ達なので、皆に愛着があります。
だから割と真面目に女僧侶さんがちやほやされ始めたのは嬉しいです。本当にありがとうございます。

>>198
つぐみちゃん可愛いよね!
ルイズのコピペをやらかしそうな勢いでつぐみちゃんが好きだったりします。
ニセコイに俺が出てきて、つぐみちゃんと結ばれるっていう、そういう展開があるといいですね。え、ない?

あと、女魔法使いもいいですよねえ。絵スレの女魔法使いを見てたらキュンキュンします。
前作のランクイン記念に描いていただいた女勇者パーティの四人絵は今でも見て「んふふふww」ってなってます。
いやあ、ほんと全部俺のおかげですよね。え、違う?
200: :2012/10/3(水) 23:22:33 ID:6xWpg1Pyas
魔王「ただいまー……」

側近「お帰りなさい。早かったですね」

魔王「そう言う側近こそ宿に戻ってんじゃん。もう魔法陣について調べたの?」

側近「そうですね。そちらは……まあ魔王様方の表情的に察することができますけど、一応聞きます。どうでした?」

魔王「真相に関しては聞き出せなかった……」

女勇者「ただ怪しさだけが増しちゃった感じかな……」

側近「そうですか。とりあえず情報整えるために話し合いでもしますか」

魔王「そだねー。女戦士ちゃん達呼んでこよっか」

女勇者「待ってて、皆呼んでくるから」
201: :2012/10/3(水) 23:24:12 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「それで急に呼んだわけですか」

女戦士「よーよー、一部屋に六人集まるのはさすがに狭いからさっさと済ませようぜー」

側近「そうだな。では俺からまず報告させてもらうが……魔法陣のことだ」

女勇者「魔王が気付いた魔法陣のことね」

側近「魔王様が気付いた?」ピクッ

女戦士「共存の街にでっかく描いてある魔法陣だよ。あれ、魔王が気付いたんだろ?」

側近「……魔王様。あれって魔王様が見つけた物でしたっけ?」ゴゴゴゴ

魔王「そ、そうだったんじゃないかな……」アセダラダラ

側近「そうですか。魔王様の手柄ですか。それじゃご褒美に……」リーガルストレッチ

魔王「ぐにゃあああ!!側近、それご褒美ちゃう!拷問や!……ていうか、渋い技かけるねえええ!!」メキメキ

女戦士「おーい、何遊んでんだよ二人共」

側近「悪い悪い、話に戻ろうか」

魔王「あれ!?技かけたまま話続けんの!?」メキメキ
202: :2012/10/3(水) 23:25:48 ID:6xWpg1Pyas
側近「とにかく、その魔法陣について調べてみたんだが、あの街を覆う魔法陣はどの書物を探しても見つからなかった」

側近「つまり、奴のオリジナル魔法であると言える」

女僧侶「女魔法使いさんの言う通りでしたね。やはりあれは防御魔法に関する魔法陣ではありませんでした」

女魔法使い「……」ピース

女勇者「更に言えば、持続系の魔法陣ではないことがわかったよ。私が攻撃魔法やっても効果なかったもん」

側近「ならあれは発動系の魔法陣か。ますます怪しいな」

女戦士「……?」

女戦士「お前ら、ストップ!何勝手に専門的な話をしてくれてんだよ!」

女戦士「こっちは魔法のトーシロなんだぞ!ジゾクとかハツドウとかわけわからんこと言うな!説明しろ!」

女勇者「女戦士……わからないなら後で教えてあげるから、今は……」

側近「いや、確認の意味も込めて教えようか。魔王様、教えなさい」

魔王「関節技かけられてる俺が教えるの!?つーか地味に命令系だし!」メキメキ
203: 新要素説明回:2012/10/3(水) 23:28:58 ID:6xWpg1Pyas
魔王「いてててて!女戦士ちゃん、説明するね!」メキメキ

女戦士「おう、よろしく頼む」

魔王「直接かける魔法と違って、魔法陣は書いて魔力を込めたら間接的に魔法効果を与えられるんだよお!」メキメキ

魔王「そしてそれは二つの種類にわけられるよお!いててて!えっと、一つ目が持続系!」メキメキ

魔王「魔法陣を作ってしまえば後は勝手に効果が続いてくれるのがそうだよ!普通、防御魔法や補助魔法で用いられるのがこれだよ!」メキメキ

側近「戦争の際、自陣に補助系魔法陣を作成し、自陣から遠距離攻撃する兵を強化させたりとかな」

女戦士「あーなるほど」

魔王「二つ目は発動系!魔法陣作った人の合図だったり、魔法陣に誰かが入ったりと、何かしらの条件で発動するのがそうだよ!」メキメキ

魔王「その性質から、攻撃魔法が多いんだ!戦場で仕掛けて誰かが引っ掛かるのを待つとか!」メキメキ

女戦士「なるほど、トラップ的な感じか」

魔王「発動系魔法陣は一度使うと消えてしまうよ!一回きりの魔法陣なんだよ!」メキメキ

女勇者「魔道師さんの言い分だと、街はもうできてるんだから防御魔法の効果が発生してないとおかしいんだよね」

女僧侶「今なお効果がないことを考慮すると、魔道師さんの合図で起こる発動系魔法陣だと言えるでしょう」

女戦士「そして発動系は攻撃魔法が多いから、よからぬ感じがするってわけだな。サンキュー、とりあえずわかったわ」

魔王「側近!ちゃんと説明したよ!だからそろそろ技解かない!?」メキメキ

側近「……」グイッ!

魔王「何故力を入れ直したし!?いたたたた!どうせなら女勇者ちゃんにやられたい!」メキメキ
204: :2012/10/3(水) 23:30:42 ID:6xWpg1Pyas
側近「体から直接出す魔法や完成後即発動の持続系と違って、発動系魔法陣なら魔力の少ない者でも強烈な魔法が放てるんだよな」

女僧侶「発動させるまでに、少しずつでも魔力を足していけばいいんですからね。事前の準備が多ければ多いほど強烈な物になります」

女戦士「じゃあよ、もし共存の街の発動系魔法陣が攻撃系統のだったら……」

側近「まずいことになる。あの大きさで準備期間もバッチリ……それが攻撃魔法陣なら、被害はとんでもないものになる」

魔王「側近!側近!!」メキメキ

側近「何ですか?くだらないことだったら威力増やしますからね」

魔王「これ以上痛くなるの!?えっとね、今日、共存の街であの子みつけたよ!」メキメキ

側近「あの子?」

魔王「あの、魔力の森で俺を殺そうとした女の子!」メキメキ

側近「それって……戦争派の魔物じゃないですか!どうして共存の街に?」

魔王「改心したって言ってたけど、正直怪しい部分はあるよね!」メキメキ

側近「そうですね……」

側近(効能のわからないチラシの魔法に街の魔法陣)

側近(真相を頑なに隠す魔道師、集う戦争派……)

側近(嫌な予感がする……何か、とてつもないことが起こるような……)

側近(……とりあえず、平穏なうちに魔王様を虐げるとしよう)グイッ

魔王「だから何で力増すのよ!?痛いって!俺そろそろ千切れるんじゃないの!?」メキメキ
205: :2012/10/3(水) 23:32:08 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……今までは疑わしいだけだったから、信じたい気持ちもあって強行突破の類はしなかったけど」

女勇者「もう強引にでも調査した方がいいかもね」

女戦士「魔王、何か自白させるような魔法とか覚えてないの?」

魔王「あるにはあるよー!魔界に伝わる独特の魔法だよお!!」メキメキ

側近「マインドコントロール的な魔法は魔界には多いですよね。俺も魔王様に操られたことありますしね」

魔王「ただ、自分の気持ちを強制的に吐露させる魔法だからね!対象の人や魔物を思うと、使いたくはないよねー!」メキメキ

女僧侶「……もうそのようなことを言ってはいられないところまで来てしまいました」

女僧侶「危ない方向で怪しいのは事実です。何かしらの悪事を企んでる場合、それを防ぐためにも強行すべきですよ」

側近「そうだな……戦力的には問題ない。明日にでも強制的に暴く方針で行こう」

女勇者「もうこれしか方法は残ってないのかな……」

側近「……優しいな。お前も魔王様も」

側近「でも、怪しいのは相手方だ。魔界を統べる者として、人間界を守る者として、防げる悪事は防ぐべきだ」

側近「それで悪事が防げたら、それは正しいことだ。仮に本当に何もなかった時は、俺達皆で謝るとしようぜ」

側近「敵でもかわいそうだと思える優しさがあるなら、事が終わった後に見放さないで支えてやれ。お前や魔王様ならそれができるよ」

側近「魔王様もそれでいいですね?」

魔王「わかったあ!我慢して自白させる魔法かけるよー!」メキメキ
206: :2012/10/3(水) 23:33:18 ID:6xWpg1Pyas
側近「じゃあそういう感じでいいな?明日はちょっとした勝負だな……」

女僧侶「最悪、戦闘になるかもしれません。今日は明日に備えて休むべきですね」

女戦士「え?じゃあこれから酒飲むのは駄目?」

女勇者「駄目!」

女戦士「……ちょっとしか飲まないから」

女勇者「そんなこと言って、約束守れたことないでしょ!」

女戦士「ケチ!」

女勇者「何とでも言いなさい。さーあんた達は自分の部屋に帰った帰った!」

女勇者「……女僧侶、女戦士が部屋抜け出さないよう見ててね」

女僧侶「わかりました。それでは部屋に戻りましょう」

女戦士「わかるなよ!何だよちくしょー!」

女魔法使い「……」バイバイ

側近「……戻っていきましたね」

魔王「ねえ!話し合い終わったよ!まだかけるの!?」メキメキ
207: :2012/10/3(水) 23:34:42 ID:6xWpg1Pyas
魔王「あ〜……痛かった〜……」

魔王「ねえ、側近。俺の体、千切れたりしてないよね?」

側近「残念ながら千切れてはいません」

魔王「残念がるとこじゃないからね!?普通喜ぶとこだからね!」

女勇者「……」

女勇者(ここ何日か宿で一緒の部屋で過ごしたけど)

女勇者(この問題が終わったら、それもおしまいになるのかな)

女勇者(明日全てが解決したら、今日が魔王と一緒に居られる最後の夜になるのかな)

女勇者(それは……嫌だなあ)

側近「どうした?暗い顔して。魔王様の体臭がきついのか?」

魔王「え!?俺そんな臭う!?ごめんね、女勇者ちゃん!」

女勇者「え!?あ、いや、そんなことないよ!……ちょっと考え事してただけだよ」
208: :2012/10/3(水) 23:36:46 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
今回、側近が繰り出したリーガルストレッチですが。
プロレスラーのウィリアム・リーガルが使う関節技です。
うつ伏せの相手の足をインディアンデスロックの要領で固め、覆いかぶさるようにして自分の足で押さえつけます。
上半身はコブラツイストの要領で捻ります。これで完成です。
相手は身動きが取れなくなるし、非常に痛い技なので、皆さんはむやみにかけないようにしましょう。

今回の更新のまとめです。
>>200-207
209: 名無しさん@読者の声:2012/10/4(木) 00:20:27 ID:hlqlm0D4Ho
魔法関連の事件ってことは俺の女魔法使いちゃんが活躍するんだろうな〜!
するんでしょうね?
するんだろ?
しなさい!

支援!
210: 名無しさん@読者の声:2012/10/4(木) 02:37:51 ID:UELzz3Zc0g
前作から大好きです!(^O^)

側近さんかっこよすぎ(*´ω`*)

毎日楽しみにしてます つCCC
211: :2012/10/4(木) 23:01:57 ID:6xWpg1Pyas
>>209
何か魔法絡みの展開になってきましたよね。
何か張り切っちゃって一年越しに新要素まで取り入れちゃって。
そんな魔法的展開なので女魔法使いさんの活躍もあるかもしれませんね。
ないかもしれませんね。どっちなんでしょうね。

>>210
前作からお世話になってるようで、本当にありがとうございます。
側近さんはかっこいいですよね。俺は男なので、見苦しい男のジェラシー全開です。
書き溜めも一応それなりにありますので、毎日安定した更新を心がけていきたいですね。
212: :2012/10/4(木) 23:04:20 ID:6xWpg1Pyas
その日の夜。共存の街、秘密地下にて。

魔道師「……では、ここに集まってるのが全ての賛同者ということでいいな?」

魔女っ娘3「ええ。間違いないわ」

魔道師「……若い女子がこの集団を仕切っておるのか?」

魔女っ娘3「甘く見ないでくれる?これでも私、死霊鉱山での戦いに参加していた魔物よ」

魔道師「ほう、魔物何種かで戦争起こそうとした、あの騒ぎか」

魔女っ娘3「それにしても……この街の地下にこんな空間があったなんてね」

魔道師「驚くのはこっちじゃ。戦争派がこんなにおるとはな」

魔女っ娘3「世界の一割を占める戦争派、そのほとんどが集結してるわけだからね」

魔女っ娘3「一割って聞いたら少なく感じるかもしれないけど、実際目にすれば多い数よ」

魔女っ娘3「それほどの魔物と人間が、共存などを望まずにいるってことよ」
213: :2012/10/4(木) 23:05:15 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「けっこうなことじゃ。これだけの数がおれば、わしの計画も順調にいくわい」

魔女っ娘3「……あんまり調子に乗らないでくれる?劣等種の人間風情が」

魔女っ娘3「あんた達人間共は、私の家族の仇なのよ。本当は今すぐここで殺してやりたいくらいよ」

魔女っ娘3「私の目的にあんたの計画が役立ちそうだから今は協力してやってるだけよ」

魔女っ娘3「世界が再び魔物と人間に別れ、争いに浸かった毎日が戻ったら、その時はあんた達人間を殺してやるからね」

モブ人間「それはこっちの台詞だ!野蛮な魔物のメスめ!犯すにも値しねえんだよ!」

魔女っ娘3「あんた、今すぐ死んでみる?私の魔法、人間を殺すくらいわけないわよ?」

魔道師「ほっほっほ、元気がええのは構わんが、今はそれらを魔王に向けるんじゃな」

魔女っ娘3「……本当に魔王を殺せるの?あの魔王が死なないと、魔物と人を再び別つのは無理よ」

魔女っ娘3「それに、認めたくないけど、あいつの実力は本物よ。ここにいる全員が一斉に襲ったところで、本気だされたら10秒も持たないわよ」
214: :2012/10/4(木) 23:06:33 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「安心しろ。このチラシで集まったお前らがおるんじゃ。絶対にうまくいくわい」

魔女っ娘3「……私達用の特別な魔法がかかってるのよね?」

魔道師「そうじゃ。このチラシにはわしオリジナルの魔法がかかっておる」

魔女っ娘3「普通に見れば、共存の街への移住を勧める内容でしかない……そういうことよね?」

魔道師「そういうことじゃ。これには、特定の者には隠しメッセージが見えるように施しておる」

魔道師「……そう、主らのような、人間と魔物が共に在る平和を嫌う者へのメッセージじゃ」

魔女っ娘3「共存を嫌う者達へ。革命の手立てがある。人と魔物を別ちたいのであれば、共存の街に集え……私達にはこのようにしか読めないわ」

魔道師「……どんなことがあっても揺るがない、真なる憎悪を持つ者をずっと待っておった」

魔道師「一年前ではうまくいかんかったじゃろうな。魔王の言葉一つでころっと態度を変えるような連中ばかりではな」

魔女っ娘3「確かにそうね。死霊鉱山で戦った私の仲間達も、今ではほとんど共存派よ。信念も糞もあったもんじゃないわ」

魔道師「その時期にこれをやっておれば、裏切られる恐れもあった」

魔道師「だが、主らは違うじゃろう!共存へと進む世界、その一年を以てしても、変わらず憎悪を抱き続けた!」

魔道師「わしは、そういう信念のある同士を待っておったのじゃ!一つの目標の下、決して裏切らず完遂できる同士を!」
215: :2012/10/4(木) 23:07:44 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「これなら野望も達成できるというもんじゃ。わしは嬉しく思うぞ」

魔女っ娘3「ふざけた平和を打ち崩すという野望よね」

魔道師「……そうじゃな」

魔女っ娘3「そのために、あんたの計画の全てを教えなさいよ。魔王や女勇者が嗅ぎ付けてる。そろそろやばいわよ」

魔道師「そうじゃな。わしも問い詰められて、いよいよ誤魔化すのは限界じゃと思っとったところじゃ。計画を実行に移す頃合いじゃろう」

魔女っ娘3「これだけ戦争派を集めたのはいいとして、あいつらを倒す算段はあるの?」

魔女っ娘3「魔王に側近、女勇者一行がいて、本格的な戦いになったら龍人や勇者だって加わると思うわ」

魔女っ娘3「これだけの面子を相手に、本当に私達で勝ち目があるというの?」

魔道師「そのための、あの町の魔法陣じゃよ」

魔女っ娘3「……気にはなってたわ。魔法に精通してる魔女族の私でも知らない魔法陣だもの」

魔女っ娘3「あれって何なの?発動系魔法陣みたいだけど、どういう効果があるのよ?」

魔道師「あれはな……補助魔法の魔法陣じゃよ」
216: :2012/10/4(木) 23:10:38 ID:6xWpg1Pyas
魔女っ娘3「補助!?補助魔法の発動系魔法陣っていうの!?」

魔道師「通常、補助魔法の魔法陣は持続系じゃな」

魔道師「魔法陣内にいる限り、その者の能力を上げる効果があるわけじゃ」

魔道師「しかし、その能力向上は高が知れておるし、魔法陣の中でしか効果がない」

魔道師「そこでわしは発動系の補助魔法陣を完成させた!」

魔道師「下準備も大変ではあるが、一度完成させて発動させれば、強い補助効果が永遠に続くのじゃ!」

魔道師「その力を戦争派の諸君に与えたくて、わしは皆を集めたわけじゃ!」

魔女っ娘3「……補助魔法なんかで、あの魔王に勝てるようになるの?」

魔道師「なめてもらっては困るな。わしのこの魔法陣ならそれが可能じゃ」

魔女っ娘3「……じゃあ質問を加えさせてもらうわ。それほど強力な魔法をかけて、私達は無事でいられるの?」

魔道師「……さすがは魔法に精通しておる魔女族じゃな。そこを見逃さぬとはな」
217: :2012/10/4(木) 23:11:43 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「強力な補助魔法じゃ。強引に対象者の戦闘能力を引き上げるが、その分負担も多いでな」

魔道師「高い戦闘能力と引き換えに、体に障害が起こっても不思議ではない。最悪、死の可能性もある」

魔道師「補助魔法を覚えておいて、自分に使わぬ理由はそこにある。まあ、わしは老いぼれじゃから、強化しても大差ないっていうのもあるがな」

魔道師「だからこそ、揺るがない強い憎悪を抱きしお前たちをここに集めたのじゃ」

魔道師「……危険な物じゃからな、強制はせんよ。さあ、お前達はどうする?」

魔女っ娘3「……いいわ。やりましょう」

魔道師「おお、いいのかね?死ぬかもしれんのだぞ?」

魔女っ娘3「幸せを奪われたこの世に未練などないわ。あるのは憎悪だけ……人間との共存なんてふざけた世界を壊せるなら、命くらい惜しくないわ」

モブ人間「そうだ!魔物を追い出せるのであれば、それでいい!家族も何もかも失った俺達にあるのは、共存を壊す使命だけだ!」

魔道師「ありがとう……その答えを聞けてわしも安心したよ」

魔道師「さあ……計画を実行に移そう。人と魔物は分かりあえぬ存在……自然の摂理を今こそ取り戻すのじゃ!」

魔女っ娘3「行きましょう……ふざけた世界を壊しにね」
218: :2012/10/4(木) 23:12:41 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「……全員地上に出たか」

魔道師「馬鹿じゃのう。利用されてるとも知らずに……」

魔道師「人や魔物が多く集まれば何でもよかったし」

魔道師「魔法陣に留めさせておく理由が簡単に作れるなら、それでよかっただけなんじゃがの」

魔道師「まあわしには関係のないことじゃな」

魔道師「急ぐか。わしの野望が叶う瞬間も、もうそこまでやってきておる……」
219: :2012/10/4(木) 23:14:41 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
何か陰謀の香りがする展開ですね。
陰謀の香りっつーか、もう確実に味までしてるレベルですよね。
そんな中で魔道師は味方まで欺いてるような雰囲気です。
なーんか物語が動きだしそうな感じですよね。
魔道師や戦争派、それに魔王様方はどう動いていくのでしょうか?
まて、次回って感じですね。

今回の更新のまとめです。
>>212-218
220: 1「こないだ支援に感謝するの忘れてました」:2012/10/5(金) 22:33:36 ID:6xWpg1Pyas
魔王「すぅ……すぅ……」zzz

側近「……」

女勇者「……魔王も側近も寝ちゃったか」

側近「……」オレハネテネーケドナ

「〜〜!!」「〜〜!!」

女勇者「……?何だか外が騒がしい?」

側近「何かあったみたいだな。様子を見てくるか?」

女勇者「うわ!?……側近、起きてたの?」

側近「騒がしいから今起きたんだよ」ッテコトニシトク

側近「ほら、魔王様も起きてください。早く起きないと死にますよ?」

魔王「……っ!」ジタバタ

女勇者「ちょっと、鼻も口も塞いじゃったら息出来ないじゃない!」

側近「うん」

女勇者「いや、うんって!?」

魔王「っ!っ!!」ジタバタ
221: 1「209さん、210さん、支援ありがとうございました」:2012/10/5(金) 22:35:26 ID:6xWpg1Pyas
魔王「もー!なんか苦しいなーって思って起きたらこんな展開だよ!」

側近「おかげで起きれたでしょう?」

魔王「もう少しで二度と起きれなくなるとこだったよ!まったく……女勇者ちゃんがやってたらご褒美だったのに!」

女勇者「そんな危ないことを魔王にやるなんて、私には無理だよ!」

魔王「寝起きに女勇者ちゃんの優しさが沁み渡るでえ……」ポロポロ

魔王「ところで、何で俺起こされたの?見た感じまだ夜だけど」

側近「外の様子がおかしいんです。ちょっと調べに行きましょう」

魔王「はーい。わかったー」
222: 1「遅くなってすみませんでした」:2012/10/5(金) 22:37:34 ID:6xWpg1Pyas
魔王「外に出たけど……本当に騒がしいね」

側近「そこのお前、何があったのか教えてくれ」

街人A「あ、側近様。魔王様も」

街人A「いや、なんか共存の街で何かが行われてるって話なんですよ」

街人A「何でも、こんな夜中だってのに、人と魔物がぞろぞろ集まって……」

街人A「おまけに魔道師さんも何やら魔法の準備をしてるみたいで……今度はあの街で一体何が始まるんでしょうね?」

側近「……っ!」

女勇者「これって……!」

側近「嫌な予感がする!魔王様、行きましょう!」

魔王「うん!」

女勇者「私、女戦士達を起こしてくる!」ダッ

側近「俺達は一足早く共存の街に行きますよ!」

魔王「おじいちゃん、どうか悪いことはしないで……!」
223: :2012/10/5(金) 22:39:05 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「はああああ……っ!!」

魔女っ娘3「見れば見るほど魔法陣とは思えない大きさね。よく作ったわね……」

魔女っ娘3「この大きさなら、私達全員に補助魔法がかかるわ」

魔女っ娘3「これで……ようやくこのふざけた世界に反逆できるのね」

魔女っ娘3「お母さん、お父さん、待っててね……もう少しで世界は在るべき姿に戻るわ」

魔女っ娘3「これで人間を敵として殺せる……お母さん達の仇が取れるよ」

魔女っ娘3「たとえ私が死ぬことになっても……刺し違えてでも人間は滅ぼしてみせる……」

魔道師「……魔法陣の発動準備が整った。覚悟はいいかの?」

魔女っ娘3「覚悟は出来てるわ。反逆の狼煙を上げましょう!」
224: :2012/10/5(金) 22:40:34 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「起きてー!皆起きてー!」ドアバーンッ

女魔法使い「っ!」ビクッ

女僧侶「きゃあ!な……何ですか、女勇者さん?起きるにはまだ早いのでは……」

女勇者「共存の街で怪しい動きがあったみたいなの!だから確認しに行かなくちゃ!」

女僧侶「っ!ついに動きが……わかりました。女魔法使いさん、女戦士さん、行きましょう!」

女戦士「んごー……」zzz

女勇者「もー!何でこいつはこう図太いの!?こうなったら!」

女戦士「……っ!」ジタバタ

女僧侶「女勇者さん、鼻も口も塞いじゃったら息出来ないですよ!」

女勇者「うん!」

女僧侶「いや、うんって!?」

女戦士「っ!っ!!」ジタバタ
225: :2012/10/5(金) 22:42:35 ID:6xWpg1Pyas
側近「……何ですか、あれは?」

魔王「とんでもない魔力の塊が共存の街の上空に浮いてる……」

側近「あんな強大な魔力は見たことありませんよ……」

魔王「俺が死ぬ気で魔力出し尽くす時くらいありそうだよね……」

側近「死ぬ気になれば、あんな量の魔力出せるんですか!?」

魔王「たぶんね。死ぬのを躊躇わずに魔力出し尽くしたらあれくらいあると思う」

側近(……そりゃ強いわけだよ)

側近「しかし……魔王様に匹敵する魔力を持つ者が、この世界で他にいるとは思えません」

側近「あの強大な魔力は一体何なんでしょう?」

魔王「……とにかく行ってみよう!話はそれからだよ!」
226: :2012/10/5(金) 22:44:31 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

すごい運命を感じる。今までにない何か熱い運命を。
設定・・・なんだろう被ってる確実に、着実に、今後の予定に。
怖気づくのはやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん。
ネットの画面の向こうには沢山の読者がいる。決して一人じゃない。
信じよう。そして俺は書こう。
正直ドキドキしてきたけど、絶対にお腹痛くなるなよ。

今の俺の気持ちです。
どういう意味かは明日くらいに明らかになると思います。
……大丈夫とは思うんですけど、実はまだ読んではいないし、何とも言えないです。

今回の更新のまとめです。
>>220-225
227: 名無しさん@読者の声:2012/10/5(金) 23:15:48 ID:5DhxIxj3Ng
気になるお気になるお

CCCC

これで女勇者はいただいていく
228: :2012/10/6(土) 22:58:06 ID:6xWpg1Pyas
>>227
気になりますか。気になりますよね、いろいろと。
予定的にはこの辺からジェットコースターが如く一気に展開してくと思います。
話の長さ的には折り返し地点くらいじゃないかと思います。上って落ちるまで時間かかりましたね、このコースター。
まあとにかく、こっから佳境入る感じだとは思いますので、頑張ろうと思います。
地味にまだ最後まで書けてないんですよね。頑張らなきゃ、ですよね。

支援はありがたく頂きますが、女勇者さんはちょっとあげられないというか……
完結後に小話的な感じで227さんと絡ませるとか……いやあ、無理ですかねえ。
229: :2012/10/6(土) 23:00:25 ID:6xWpg1Pyas
魔女っ娘3「はあ……はあ……!」

魔女っ娘3「魔道師ぃ!!貴様、騙したなぁ!!」

魔道師「はははは!騙すなんて人聞きの悪いことは言ってほしくないのう!」

魔道師「少なくともわしは、魔法学の街で発表した時から発言を偽った記憶はないわ!」

魔道師「わしは、理想の世界を目指して努力を続けた!」

魔道師「そして、ついにそれを形にする時が来た!」

魔道師「その形こそ、今この光景じゃよ!」

魔女っ娘3「その発言と、私達の魔力を吸い尽くすのがどう繋がるっていうのよ!?」

魔道師「わしの真の目的を死に行く貴様らが知る必要はないわ」

魔女っ娘3「やっぱり発動系なだけあって、攻撃魔法だった……!」

魔女っ娘3「恐らく……魔法陣の中にいる者から魔力を全て吸い尽くし、一つにまとめるような、そういう物……!」

魔道師「さすがは魔法に精通しておる一族じゃの。最期まで天晴れな分析じゃ」

魔道師「魔法の真相くらいは話してやろうかの。そう、これは攻撃の発動系魔法陣だったんじゃよ!」
230: 1「軽く後付け設定」:2012/10/6(土) 23:03:05 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「魔法の源となる力……だからシンプルに魔力と名付けられたこの力なんじゃが」

魔道師「それは同時に命の力でもあるということは、この世界でも明らかになってることじゃ」

魔道師「故に、それらの著しい消費は死ぬ可能性も生まれるわけじゃの」

魔道師「その力を戦闘で使えば、確かに攻守で大いに役立てることはできる」

魔道師「だが、その力を使い切ってしまえば、自然と死んでしまうわけじゃ」

魔道師「この魔法陣は罠として敵の魔力を全て吸い取って殺し、更にはその魔力をこっちが用いるという一石二鳥の魔法なんじゃ」

魔道師「どうじゃ、この魔法陣は?聞けば聞くほど素晴らしいじゃろう?」

魔女っ娘3「お母さ……父……さ……ごめ……ごめんね……」

魔女っ娘3「」

魔道師「……死んだか。せっかくわしがこの魔法陣の素晴らしさを教えてやったのに……まあゴミが喋らなくなったところで、どうでもいいわ」

魔王「……何だこれ。干からびた物体が街中に転がってる……」

側近「魔道師!貴様、何をした!?」

魔道師「これはこれは魔王様。ずいぶんと遅いお着きで」
231: :2012/10/6(土) 23:05:00 ID:6xWpg1Pyas
魔王「おじいちゃん、これは一体どういうことですか!?」

側近「街の魔法陣が消えてますね。何らかの発動系魔法を既に放った……そういうことだろう、魔道師!」

魔道師「ご名答。そこらに転がってるゴミは、ついさっきまで生きてた人や魔物ですよ」

魔王「っ!」

魔道師「私の素晴らしい魔法でねぇ!全てのゴミから魔力を吸い取ってやったんですよぉ!!」

側近「上空に浮かぶ強大な魔力はそれか……やっかいなオリジナル魔法だな」

魔王「よくも……よくも大事な皆の命を!!」

魔道師「おやおや、魔王様。こいつらは貴方の命を狙っていた戦争派ですよ?それを殺して責められる謂れはないですよ」

魔王「関係ない!どんな考えでも、例え俺のことが嫌いでも!皆大切なこの世界の仲間だった!!」

側近「……魔道師。貴様、その口振りだと、自分は戦争派じゃないとでも言いたげだな」

魔道師「そうですよ。この世界の行く末など微塵も興味はありません。私の目的はいつだって、ただ一つでしたよ」

側近「……教えろ。こんな魔力を集めて貴様は何をする気だ?貴様は一体何者なんだ?」
232: :2012/10/6(土) 23:06:36 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「……いいでしょう。あなた方には置き土産として教えてあげましょう」

魔道師「私は……わしはなあ、元々この世界の住人じゃないんじゃよ」

側近「この世界の住人じゃない……?」

魔道師「……お前達の世界から見れば異世界と言うべきか。わしはその異世界の王族の者なんじゃよ」

魔道師「この通り、魔法に長けた一族での。その力を用いて世界を支配しておった」

魔道師「じゃが……その支配が途切れる時が訪れた。生意気にも反乱してきた一人の馬鹿がおったんじゃ」

魔道師「普通なら我が一族はそういう馬鹿共を退けることができるんじゃ。何せこっちには魔法があるからの」

魔道師「しかし……どういうことか、そいつの強さは尋常じゃなく、我ら一族に死の危機が訪れてしもうた」

魔道師「そこでわしらは、魔法を使って危機を払うことにした」

魔道師「その魔法こそ、異世界と異世界を結ぶ魔法!わしらはそれを用いてこの世界にやってきたんじゃ!」

側近「異世界と異世界を結ぶ……そんなことが可能なのか?」

魔道師「可能なんじゃよ。ただ……高度な魔法を扱う技術はあっても、我らはそんな大きな魔法を発動させる魔力を持ち合わせていない」

魔道師「だからこそ、この魔法陣が重要になるんじゃよ」
233: :2012/10/6(土) 23:08:35 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「異世界と異世界を結ぶには、それはそれは大きな魔力が必要となる」

魔道師「そんな魔力を一個人が持ってるわけもないし、仮にわしらが持ってても魔力を使いきれば死ぬから使うわけにもいかん」

魔道師「ならば、どうでもいい民の命を用いればいいだけの話というわけじゃ。いざという時のために作っておいた魔法陣をわしらは発動させた」

魔道師「そう、ちょうど今みたいにの」

魔道師「異世界を結ぶ魔法は、空間に穴を作る。その穴こそ異世界への道で、その開け閉めには強大な魔力がいるんじゃ」

魔道師「そうしてこっちの世界に一時的に避難したわけじゃの」

魔道師「こっちの世界に渡ったわしは、悲痛な思いで穴を閉じた。開閉に必要な魔力は用意しとったからの。奴がこっちに来ないように……」

魔道師「……あいつは、わしの世界を奪いおったんじゃ!わしの意のままとなる世界をな!」

魔道師「わしはあの頃……父から王の座を譲り受け、あの世界を我が物とせんと息巻いておった時じゃった。これからって時だった……」

魔道師「だが、いよいよわしの世界を取り戻す時が来た。こうして魔力を用意できたんじゃからの」

魔道師「反乱した馬鹿も年老いてるか、下手すりゃ死んでるじゃろう。今こそ我ら一族が支配を再開する時じゃろうて!」

魔王「……そんな」

魔道師「あ?何か言ったか、魔王殿」

魔王「そんなくだらない理由でこんなにもたくさんの命を奪ったのかあ!!」
234: :2012/10/6(土) 23:10:22 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「くだらない……だと?」

魔道師「くだらないことなんかあるかぁ!!貴様にはわかるまい!地位を奪われる絶望が!」

魔道師「支配される存在でしかない下賤な民と同位とされ、程度の低い惨めな生活を送る!この屈辱が貴様にわかるか!?」

魔王「民と共にある生活の何が屈辱だ!」

魔道師「民など、我ら王族の玩具に過ぎんのだ!それと同等とされるのが屈辱でなくて何だと言う!?」

魔王「民は、国の大切な命だ!王族とか関係ない、大切な仲間だ!玩具なんかじゃない、皆生きてるんだ!そんな皆を導くために王族があるんだ!」

魔道師「王は強者だ!強者が支配する世界で生かされてるだけの命を、強者が好きにして何が悪い!?」

魔王「強者だからこそ、皆を守れるんじゃないか!大勢が苦しんで、一部の者だけが笑う世界なんて歪んでる!!」

魔道師「歪んでいるのは貴様の頭じゃないか!?綺麗事並べるだけじゃ王族などやれんよ!」

魔道師「……甘ったれた理想論者の世界に留まる事はないか。わしはさっさと戻って王をやろう。はあああ……!」

側近「っ!上空の巨大な魔力が小さくなっていく……」

魔王「その代わりに穴が出来た……ドンドン大きくなっていく。あれが異世界へと続く穴?」

魔道師「その通り。あれこそ我が故郷へと続く穴!数十年待ちわびた、希望のへの道……!」
235: :2012/10/6(土) 23:12:28 ID:6xWpg1Pyas
魔道師「穴はわしの城へと繋げておる。あとは帰るだけじゃ!」

「寝言は寝てから言えよ、じじい」

側近「穴から誰か出てきた!?」

「人の城の空間に穴なんぞ開けやがってよ。てめえらこそ何者だよ?」

魔道師「貴様の城じゃと!?貴様、何様のつもりじゃ!?」

「何様かって?俺様を知らねえのかよ。ふざけた奴隷がまだいたもんだな」

異界王「てめえの国を治める王である異界王だろうがよ!あんま舐めた態度取ってると殺すぞ、じじい!」

魔王「国を治める王?それって……」

側近「今の異世界を治めているのがこいつってことでしょうか……」

異界王「異世界?そっちのイケメン兄弟、何言ってんだ?」

異界王「ああ、でもこんな場所見覚えないな。何?じゃあマジで異世界なんか?」

魔道師「どういうことじゃ?あれから長い年月が経っておる。わしを追い出した憎きあいつも老けたか死ぬかしてるはずじゃ……」

異界王「追い出した?……ああ、なるほどな!じじい、お前、前に俺の国を支配してた魔法一族か!」
236: :2012/10/6(土) 23:14:15 ID:6xWpg1Pyas
異界王「よく聞けじじい。確かにお前らを追いやった男は死んだよ」

異界王「だがな、奴には息子がいたんだよ。強さもきっちり受け継いだ息子がな」

異界王「それが俺だよ!強い俺がしっかりと世界を支配してやってんだよ!」

異界王「残念だったなあ、糞じじい。雑魚らしく逃げ惑って好機を窺ってたみてえだが、そんな好機は俺がいる限りあり得ねえよ」

魔道師「……馬鹿な」

異界王「親の不始末を片づけるのも子の役目かね……死ね!」バシューッ!

魔道師「えっ……あああああ!!」

魔王「お前、何を!?おじいちゃん、大丈夫!?」

側近「……駄目です。既に亡くなっています」

側近「魔力を具現化して飛ばすだけの単純な攻撃魔法……しかし、それで命を奪う」

側近「ということは、奴の放った魔力は相当な威力だと考えられます」

異界王「そういうことだ。このじじいの一族みたいに猪口才な魔法を覚える必要も、めんどくせえ魔法陣を作る必要もねえ」

異界王「俺の屈強なる体とその身に宿る強大な魔力さえあれば何もかも支配できる!俺は選ばれし強者なんだよ!」
237: :2012/10/6(土) 23:15:30 ID:6xWpg1Pyas
異界王「さて、イケメン兄弟よ。ここは異世界って言ったな」

側近「ああ。お前の世界とは異なるはずだ」

異界王「ふーん……そうか……」

魔王「それがどうしたんだよ!」

異界王「いや、最近こっちの人間共は元気もねえし弱いしで糞退屈なんだよ」

異界王「ぎりぎり死なない程度の拷問をかけるくらいしか楽しみがないんだわ」

魔王「お前……!」

異界王「だからよ、最近全然暴れてなくてよ。大暴れしてスッキリしたいんだよな」

異界王「ただ、弱くてやる気のねえ俺の国の奴隷共を殺したって面白くねえし、労働力なくなってめんどくさいんだわ」

異界王「でも、この世界ならそんな心配はいらない」

側近「っ!」

異界王「どれだけ殺そうと、俺の国には関係ねえ。思う存分暴れられるっていうもんだろ」

異界王「こっちの世界の弱者共は俺を楽しませてくれるかなあ!?」

側近「……来る!」
238: :2012/10/6(土) 23:19:48 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

急展開にも程がある展開でしたね。
異世界だの異界王だの急に新要素が出てきて、大丈夫かなあと心配になりますね。
まあでも前作も龍人という敵が出てきたのは急な話だったので、まあ大丈夫かなあと楽観視しております。
とにかく、けっこう物語が動き出しましたよ。
今後は一体どうなるんでしょうか。なんか俺もドキドキしてお腹が痛くなる感じです。
どうなるかは待て、次回ってことでよろしくお願いします。

今回の更新のまとめです。
>>229-237
239: 名無しさん@読者の声:2012/10/6(土) 23:24:20 ID:5DhxIxj3Ng
リアル更新きたー!

見てるよ見てるよ
227だけど女勇者と結婚エピソードなら出してくれてもいいよ


C
240: 名無しさん@読者の声:2012/10/6(土) 23:54:21 ID:n5SpKGfylU
気になる・・・
241: 名無しさん@読者の声:2012/10/7(日) 00:41:13 ID:d5wGeLh/XU
魔王最強、、、信じてまつ
つCCCCCCC
242: 名無しさん@読者の声:2012/10/7(日) 13:04:11 ID:E4SxfhN7f.
どうしても魔王が、小6位の小さい男の子に脳内変換される。言葉が幼い。


支援!(まるよんが出てこない。出せよ、psp)
243: 名無しさん@読者の声:2012/10/7(日) 14:31:07 ID:vqJr4WrgjM
異界王……いかいおう……胃潰瘍……
Σ(°Д°)ハッ
244: 名無しさん@読者の声:2012/10/7(日) 19:44:38 ID:JtMFzwUz7Y
今更だけど追いついた!!

支援
245: 名無しさん@読者の声:2012/10/7(日) 20:46:31 ID:yQL.eF60z.
前作から読ませていただきました。
とても面白いです。
更新楽しみに待ってます。
246: :2012/10/7(日) 23:01:09 ID:6xWpg1Pyas
うわーい、たくさんのレスや支援をありがとうございます。

>>239
結婚はいくらなんでも厳しいんじゃないでしょうか?ww
女勇者さんは魔王に夢中ですからね。ガチで結婚を狙いに行くなら、魔王をどうにかする必要があるでしょう。
他ならぬ読者さんの要望なのでどうにかしたい気持ちはありますが、魔王と女勇者の間に割って入るのは正直きついですねー。

>>240
気になりますよねー。
話が急に動き出しましたからね。
今後も毎日更新できるよう心掛けるので、気になる今後を追っていただければ幸いです。

>>241
魔王様の実力は誰よりも強いと俺も信じております。
現段階で新しい敵の実力はまだわかりませんが、戦闘能力で劣っているとは思いたくないですよね。
誰よりも強くて誰よりも優しい魔王様が俺も好きですからね。

>>242
魔王は、強さと女好き以外の部分は子どもっぽい感じで意識してますので、そういう印象を持たれたということはしっかりと書けてるんだなあと嬉しくなりました。
魔王が真っすぐに平和・共存を見据えていけるのは、精神的に幼い部分があるからとも言えるんじゃないかと、前作の後半くらいからそう思うようになりました。
それ故危うい部分も持ち合わせてますが、まあ側近とか周りの仲間達がしっかりと大人をやってるんで大丈夫でしょう。頑張れPSP。
247: :2012/10/7(日) 23:01:53 ID:6xWpg1Pyas
>>243
新しい敵である異界王の名前は地味に悩みまくりました。

異世界王→なんか長いなあ
異界王→異界って言うの何かわからんけど嫌だなあ
界王→いや、界王様になっとるやん
異世界王→やっぱりこれか……いや、でもなんか伊勢海老っぽいし
異界王→ああもういいやこれで

こんな流れで異界王になりました。もう少し悩んでいたら名前が胃潰瘍になってた可能性も否めません。いや、否めます。すみません。

>>244
追いつかれましたか。じゃあここからは並んでいきましょう。
マラソン大会で「一緒に走ろうぜ!」とか誘ってきたくせに、本番でスタミナ切れた奴に合わせず置いていくような外道ではありませんので安心を。
むしろ俺は置いてかれる人ですので。お願いだから置いてかないでって感じです。

>>245
わざわざ長いのを読んでくださってありがとうございます。
俺が読み手だったら読み返さないレベルの長さなので、ほんと読んでくれてありがとうございます。
これを励みに、楽しんでもらえるよう頑張ります。俺、頑張りますよ。

次から本編でーす。
248: :2012/10/7(日) 23:05:19 ID:6xWpg1Pyas
側近「魔王様、お下がりください!俺が応戦します!」

魔王「え、でも」

側近「こんな外道の血で魔王様の手を汚す必要はありません!」

異界王「言ってくれるな、イケメン野郎!その発言に見合う力はあるのかなあ!?」

側近「ガタガタ抜かすな。今すぐ鮮血に染めてやる!」シャキンッ

異界王「ほう、剣術使いか!その剣先が俺を捉えることはあるのか!?」

側近「今から答えを見せてやる……よ!」シュババババッ

異界王「おおっとぉ!……やるじゃねえかよ、こっちの雑魚共は」

魔王「側近の剣を全部避けた!?」

側近(こいつ……)

異界王「確かに答えは出たな。その剣が俺を斬ることは……ない!」

異界王「落ち込むなよ、イケメン。お前は強いよ。俺の国に来たって即座にナンバー2になれるぜ」

異界王「ただ、相手が悪かっただけだ。何たって、この俺が相手だからな!」
249: :2012/10/7(日) 23:07:00 ID:6xWpg1Pyas
異界王「こっちの世界はそこそこ強いのがいるみたいだな……こりゃあ滅ぼし甲斐がありそうだ」

側近「うおおおお!!」シュババババッ

異界王「まあでもお前の剣術はもう飽きたよ。そろそろ終わってろ!」バシューッ!

側近「っ!」

側近(魔力を飛ばしてきた……とてつもなくでかい!逃げ場はない……ならば!)

側近「はあ!」バリアー

魔王「うわっ!凄い爆発……」

異界王「……煙が晴れる頃には」

側近「はあ……はあ……」ボロボロ

異界王「イケメンの丸焼き完成ってな」

魔王「側近!大丈夫!?」

側近「くっ……ちょっと大丈夫そうにないです……」

側近(防御魔法を通してもこのダメージ……こいつ、もしかしたら魔王様クラスの強さを誇ってるかもしれない!)

異界王「さあ、イケメンにはさっさとくたばってもらおうか」ググググ
250: 1「パソコンおかしくなって焦ったwww」:2012/10/7(日) 23:14:38 ID:6xWpg1Pyas
異界王「これで終わりだ。俺に刃向かった愚かさを呪うんだな!」バシューッ!

魔王「させないよ!」バリアー

異界王「……っ!俺の攻撃魔法を無傷で切り抜けるだと?」

魔王「側近は俺の大切な友達だ!殺させはしない!」

異界王「……初めてだよ、俺の攻撃魔法を完全に防いだ奴はよ」

魔王「俺だってこんなに強力な攻撃魔法初めて受けたよ。強いね、お前」

異界王「お前もな。こっちの世界は面白いなあ。こんなに強い奴は本当に初めてだ……」

異界王「お前になら、この俺の全力をぶつけることが出来るかもしれない……!」ゾクゾク

魔王「……こっちこそ、お前を止めるためには全力を出すしかないかもしれない」

異界王「だったらお互い全力を出そうじゃないか!さあ、この俺を楽しませてみせろ!」

魔王「そんな歪んだ楽しみは、俺が全てを賭けて否定してやる!」

異界王「行くぞ!」

魔王「うん!」
251: 1「いわゆるヤムチャ視点」:2012/10/7(日) 23:16:37 ID:6xWpg1Pyas
側近「……何だ、これ?」

異なる世界の王二人がぶつかる戦いは、側近の知り得る戦いとは別次元の物となった。
と言うのも側近には、二人の怪物が魔力を惜しみなく解放し戦う様を視認することが出来ないでいる。
側近もこの世界では強者として名を馳せている。その名に恥じない実力を持ち、少なくとも今まで相手の姿が捉えられないということはなかった。
ただ、この戦いに限ってはそうもいかない。恐ろしく強大な魔力を纏い、驚くべき速さで戦う二人の姿を側近は捉えることが出来なかった。
今現在の戦況は、実際に戦ってる二人のみぞ知るところとなっていた。
では、今はどっちが有利となっているのだろうか?二人の視点はこのようになっていた。

異界王「ぐあああ!」

魔王「はあ……はあ……どうだ!?」

異界王「くっ……本当に面白いなあ!まさか俺が押されるなんてなあ!」

魔王「何で苦戦して面白いのか理解できないよ……」
252: :2012/10/7(日) 23:18:06 ID:6xWpg1Pyas
異界王「お前、最高だよ!俺の全力を受け止めてくれるなんてよお!」

異界王「お前よ、今まで全力を受け止めるような相手と戦ったことあるか?ないだろ?」

異界王「俺だってそうだ。今までは雑魚を一方的にいたぶるしか楽しみはなかった」

異界王「全力を出せる喜び!これがこんなに素晴らしいことだなんて知らなかったぜ!」

異界王「なあ、イケメン!てめえもそう思うだろ!?」

魔王「思わないよ!全力で戦うことが……全力で傷つけあう行為が何で素晴らしいんだよ!」

異界王「つまんねえ男だな!有り余る力を解放する喜びがわからねえなんてなあ!」

魔王「こんなことで喜ぶほど俺は狂ってなんかないもん!」

異界王「これを楽しめねえなんて、そっちのがよっぽど狂ってるぜ!おらあ!」バシューッ!

魔王「危なっ!くそ、会話の途中で不意打ちするなよ!」

異界王「……今のを避けるかい」
253: :2012/10/7(日) 23:20:00 ID:6xWpg1Pyas
異界王(まずいな……もしかしたら、実力は俺のが下回ってるかもしれねえ)

異界王(どうする、このままじゃ俺は負けるかもしれねえ……!)

魔王「お前なんかにこの世界は荒させないよ!くらえ、制裁パーンチ!」メキィッ

異界王「ぐっ!……ちっ、重たいパンチを持ってやがるな」

魔王「どうだ、同性から傷つけられても嫌なだけだろ!?お前が戦うのをやめてくれたら俺もやめるから、だから考え直そうよ!」

異界王「異性からでも嫌なもんだろ!?……だったら相手を上回って、常に傷つける側でいればいいだけだ!」

魔王「そしたら相手が嫌な思いをするんだぞ!」

異界王「俺には関係のない話だ!相手の痛みも苦しみも俺は感じねえ!俺には喜びでしかねえ!」

魔王「何でわかってくれないんだ!お前も、おじいちゃんもおお!!」シュッ

異界王「うぐっ!」バキッ

異界王「くそ……いよいよやべえか……」
254: :2012/10/7(日) 23:21:29 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
最近けっこう佳境な感じじゃないですか。
それで、前作でこのレス数の頃何してたかなーって思って読み返してみたんですよ。
魔王と側近が仲良くパワプロしてました。
更新した日付だと、一年前の今頃はどの辺かなーって確認してみたんですよ。
魔王と側近が仲良くパワプロしてました。
こないだ名前のとこでPSP買ったって報告したじゃないですか。
俺がパワプロ2012買いました。
最近はサクサクセスでお手軽に選手を作るのにはまってます。

今回の更新のまとめです。
>>248-253
255: 名無しさん@読者の声:2012/10/8(月) 00:22:08 ID:n5SpKGfylU
魔王強杉www
MPどんくらいあるんだろ・・・
支援
256: 名無しさん@読者の声:2012/10/8(月) 05:00:17 ID:0HFDaHFS5s
パワプロwwwwww

支援
257: 名無しさん@読者の声:2012/10/8(月) 05:44:19 ID:E4SxfhN7f.
返事が
「うん!」
って…w
魔王、かわいい
私と、結婚して!
258: :2012/10/8(月) 22:16:26 ID:6xWpg1Pyas
>>255
魔王様は本当に強杉くんですよね。
一人だけチートみたいなもので、その実力は測定不能って感じだと思います。
もはや別ゲーっていう雰囲気ですね。

>>256
一年前は仲良くパワプロしてたんですよ、こいつら。
今はこんなに大変な時期なのに、のほほんとしてたわけですよ。
まあ正直言うと、パワプロは番外編みたいなもので、前後の本編はけっこう緊迫したムードでしたけども。

>>257
こういう細かな部分で幼さが出ますよね、魔王様は。
その結果、かわいいとされて、こうして求婚されるんですよ。羨ましいですよ。
仮に俺が子どもっぽく振る舞っても、たぶん誰もかわいいなんて言いませんよ。何なんでしょう、俺と魔王のこの差は。
259: :2012/10/8(月) 22:17:29 ID:6xWpg1Pyas
側近「どうなってるんだ……魔王様は勝ってるのか?」

女勇者「……側近、どうして怪我してるの?魔道師は?街の人達は?魔王はどこにいるの?」

側近「あ、女勇者。遅かったな」

女勇者「女戦士がなかなか起きてくれなくて……」

女戦士「わりい、眠気には勝てなかったわ」

女勇者「それよりこれは一体どういうことなのよ?」

側近「詳しく話せば長くなるが……一言で言うと、新たな脅威と魔王様が戦ってる」

女勇者「新たな脅威……?」



魔王「……っ!今、女勇者ちゃんの声が聞こえた……」チラッ

異界王「ずいぶん余裕だな……戦闘中にどこ見てやがんだ?」

魔王「あっ……いや、何でもないよ!」

異界王「何でもないわけないだろ」チラッ

異界王「……なるほど。綺麗な女だな。お前の女か?」

魔王「えっ!?ち、違うし!俺なんか女勇者ちゃんには相応しくないし!」アセアセ

異界王「ふーん……まあお前にとってどういう存在かはわかったよ」ニヤリ
260: :2012/10/8(月) 22:18:35 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「新たな脅威とは?やはり魔道師さんが何かを行ったのですか?」

側近「魔道師の仕業と言えばそうかもしれんが……」

異界王「俺の仕業だよ、かわいこちゃん達」

側近「っ!?いつの間に!?」

女勇者「え?だ、誰?」

異界王「それを知る必要はねえよ、かわいこちゃん。死ね!」バシューッ!

魔王「させないよ!」バリアー

女勇者「きゃあ!……え?な、何これ?」

魔王「お前……女勇者ちゃんに手出しするとか、絶対に許さないぞ!」

異界王「別に許さなくていいさ。構わず俺はこいつを殺す!」ズドドド

女勇者「きゃああああ!」

魔王「くっ……防御魔法にもっと魔力を注がないと、女勇者ちゃんが危ない!」

異界王「……それだけの魔力と集中力をその女に使えば、俺にも勝機が見えてくるってもんだよ!おらあ!」シュッ

魔王「うわあ!」バキッ

女勇者「魔王!?」

側近「魔王様が真面目にダメージを負うところ、初めて見た……」

異界王「形勢逆転のようだな、イケメン!これからお前を支配してやるよ!」

魔王「くそぅ……やばいなあ」
261: :2012/10/8(月) 22:19:52 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「側近!あいつ何なんだよ!?」

側近「とりあえず俺達の敵だ!それも、魔王様を脅かすほどの強敵だ!」

女勇者「魔王!私のことはいいから、そいつを倒すのに力を使って!」

魔王「女勇者ちゃん……それは……」

異界王「できねえよな、優男!誰かが傷つくのが嫌なお前が、その瞬間を前にして黙っていられるわけがねえ!」

異界王「そして俺はそれを利用してお前に勝つんだよ!ほらほら、もっと守ってやんなきゃ女が死ぬぞ!」

魔王「やめろぉ!女勇者ちゃんを傷つけようとするなぁ!!」

異界王「だったらてめえが傷つきな!おらあ!」

魔王「ぐぅっ!」

側近「……やばいな。魔王様が押されてる」

女戦士「側近!私達も加勢しよう!」

側近「無駄だ!相手は魔王様クラスの奴だぞ!俺らが束になっても、魔王様の邪魔にしかならない!」

女勇者(私が魔王の邪魔になってるせいで、魔王が苦しんでる……)

女勇者(状況も理解せずに私なんかが来てしまったから、魔王が苦しんでる……)ポロポロ
262: :2012/10/8(月) 22:21:27 ID:6xWpg1Pyas
魔王「はあ……はあ……」

異界王「はっはっはぁ!やっぱり一方的にいたぶるのは楽しいなあ!」

異界王「はっはっは……」

異界王「……はあ、冷めた」

魔王「……え?」

異界王「いや、元々いたぶるのは好きなはずだったんだがよ」

異界王「てめえと全力出しての真剣勝負が面白すぎて、いたぶるだけってのが大して面白く感じなくなったんだわ」

異界王「ましてや、てめえの戦闘力を封じて一方的にぶっ壊すとか、かなり勿体無いことしてんなって気付いたからよ」

異界王「ははは、初めての経験でテンパってたんだな。負けたくないあまり、お前という最高の玩具を無駄に壊すとこだった」

異界王「だからよ、後日に仕切り直しと行こうぜ。支配者たる俺様は、正々堂々のタイマンでも、強者としててめえをぶっ潰してやっからよ」
263: :2012/10/8(月) 22:23:40 ID:6xWpg1Pyas
側近「貴様、何を勝手にほざいている!?」

魔王「いや……それでいいよ」

側近「魔王様!?いいんですか!?」

魔王「本当は戦うこと自体考えなおしてもらうのがいいけど……無理そうだし。今はピンチだし、後日に回してもらえるなら助かるかな」

異界王「いやあ、俺も前半けっこうやられたからやばくてよ!……お前ほどの男なら回復も早いだろうな」

異界王「俺はここで待ってるから、明日の今頃にもう一度来い。お互いベストの状態で、一対一で遊ぶとしようや」

異界王「嫌とは言わせねえぜ。お前が応じないなら、俺はこの世界を壊して遊ぶだけだ」

魔王「わかってるよ。だから俺はお前の前に立ちはだかるんだよ」

異界王「そりゃけっこう。じゃあ俺は立ちはだかるお前を壊して、その後この世界も壊して遊ぶぜ」

異界王「お前がこの世界を守る方法はたった一つだ。明日の今頃に、この俺を倒してみせるんだな!」

異界王「てめえとのタイマン終えるまでは我慢しといてやるから、さっさと回復してくるんだな」

魔王「……わかった。じゃあ俺達は戻って回復するとするよ」

異界王「おう。明日、楽しみにしてるぜ」

魔王「……」
264: :2012/10/8(月) 22:24:59 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……さて、俺らは一旦戻ろうか」

側近「はい……」

女勇者「魔王!」ポロポロ

魔王「……え?な、何で女勇者ちゃん泣いてるの?……あ、俺が守り切れなくて怖い思いさせちゃったから……ごめん」

女勇者「違うよ!私が足手まといになってせいで魔王がこんなに傷ついて……私のせいで……!」ポロポロ

魔王「ああ、そういうことか。女勇者ちゃんは悪くないよ。悪いのはあいつだけだよ」

女勇者「ごめん……ごめんなさい……!」ポロポロ

魔王「……すぐに戻ろう。女勇者ちゃんを宿で休ませてあげたい」

側近「……もうすぐ夜が明けます。ひとまず宿に戻って休んで、それからこれからのことを話しましょう」

女戦士「そうだな。私ら遅れてきたから、あいつが誰なのかってとこから理解出来てねえし」

側近「その辺も説明してやるって。とにかく、今は魔法学の街に戻ることにしよう」
265: :2012/10/8(月) 22:27:22 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
パワプロで思い出したんですが、俺は野球では楽天が好きです。
で、突然ですが、数年前まではファミ通を購読しておりました。
その中で「いい電子」という漫画がありまして。みずしな孝之さんの描く漫画です。
そんなしなっちが確か横浜ファンだったんですが、数年前の俺はこう思ってました。
「何でわざわざ弱いチームを贔屓にするんかねえ」
数年後には、俺が弱いチームを贔屓する立場になってました。
Bクラスが定着しつつある楽天ですが、弱くても好きなんや!って感じで今後も応援したいと思います。
楽天優勝の時は来るんかねえ。いい電子ってまだ掲載してるのかねえ。

今回の更新のまとめです。
>>259-264
266: 名無しさん@読者の声:2012/10/8(月) 22:45:14 ID:n5SpKGfylU
異界王って根は良い奴・・・いや、前言撤回。
女勇者ちゃん傷つけたから敵。許さん。
支援
267: 名無しさん@読者の声:2012/10/8(月) 23:14:33 ID:gFtlI362hQ
異界王が暴れんぼさんなのは異界に娯楽がないからだと思うよ
魔王と一緒にパワプロすれば仲良しになれると思うよ
しえん
268: 名無しさん@読者の声:2012/10/9(火) 03:10:24 ID:.JmhmQ0uJk
魔王に嫉妬する1かわゆすw

しえん
269: 名無しさん@読者の声:2012/10/9(火) 17:32:10 ID:E4SxfhN7f.
美術でマトリョシカ人形を作るんですが、魔王達をモチーフにしてもいいですか?
270: 支援ありがとうございます:2012/10/9(火) 22:30:46 ID:6xWpg1Pyas
>>266
確かに女勇者に怖い思いをさせたのはいただけませんね。俺も男ですからね、大いに賛同しますよ。
これはもう異界王にタイマンを後悔させる勢いで懲らしめてもらわないといけないですよね。
魔王の戦いっぷりに期待しましょう。

>>267
魔王と一緒にいる環境があれば改心できるかもしれませんね。
実際、龍人も魔王と絡んで変われましたからね。
異界王も仲良くなって、側近混ぜた四人でスマブラとか、そういう風になればいいですね。
そうなったら、きっと魔王は負けて泣くと思います。

>>268
可愛いと言ってもらえて僕、満足!
とは言うものの、俺と魔王の差は実はちゃんと理解しているのです。
たぶん俺の顔の出来を見れば皆さんも、うさみちゃんがクマ吉くんに向けるような目で見るようになると思うんですよ。そこですよね、大きな差は。

>>269
いいですよー。マトリョシカ人形制作、俺も応援させていただきますよ。
ただ、いわゆるトーシロのSSなので、モチーフ訊かれると説明するのが恥ずかしいかもしれません。
更にはそれをきっかけに読まれて「おい、これ書いてんの童貞じゃねーかwww」とかなったら俺が泣くかもしれません。

後半若干ネタに走ってしまいました。誤解されてはまずいのでもう一度書きますけど、何の問題もないです。YOU作っちゃいなよ。
271: :2012/10/9(火) 22:34:05 ID:6xWpg1Pyas
魔法学の街に戻った魔王達は宿で眠りについた。
深夜に突然現れた異世界からの脅威。それとの戦闘によって一同は心身共に疲れていた。
そのせいか深い眠りについてしまい、一同が目覚めた時には既に昼頃になっていた。
その頃には既に共存の街の事件のことが広まっていたようだ。共存の街の連中が消え、世界を滅ぼさんとする新たな敵が出現したことを人々は既に知っていた。
街は、世界は、強烈なる悪意の存在を知り、底知れぬ不安にざわめいていた。

側近「寝過ごしてしまいましたね……」

魔王「街の様子が騒がしいね……共存の街の件がもう噂になってんだろうね」

女勇者「ここ一年は平和ボケしてたからね。魔王を脅かす敵が現れたんだから、不安にもなるよね」

魔王「……女勇者ちゃん、大丈夫?」

女勇者「うん、休んだらだいぶ落ち着いたよ。昨日はごめんね……私のせいで」

魔王「……女勇者ちゃんのせいじゃないよ。悪いのはあいつだよ」

側近「……女戦士達はもう起きてるのか?」

女勇者「私、様子を見に行ってくるよ」
272: :2012/10/9(火) 22:35:06 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「おはよーっす」

女僧侶「おはようございます、皆さん。すみません、寝過ごしてしまいましたね……」

側近「気にするな。皆一緒だ」

側近「それよりも、さっそく今後について話すとしよう」

女戦士「そうだよ。そろそろマジで説明してくれよ。あいつ一体誰なんだよ?戦争派の連中とかどうなってんだよ?」

側近「……そうだな。まずはそこからか」

それから側近は昨夜のことを女勇者達に説明した。
魔道師は実は異世界の王族で、その世界に戻るために悪だくみをしていたこと。
その悪だくみに戦争派の人や魔物が利用され、命を落とす結果になったこと。
その異世界へ繋がる穴を作ったら、そこから現在の異世界の王が現れたこと。
そいつがそのまま魔道師を殺し、更にはそのままこの世界を潰そうとしたこと。
それを阻止する過程で魔王の戦闘力を気に入り、改めてタイマン勝負で決着をつけることになったこと……全てを話した。
273: :2012/10/9(火) 22:36:36 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「……そのような展開になってたんですね」

女戦士「それで、魔王は素直にあの戦闘狂とタイマン勝負するのかよ?」

側近「どうなんですか?魔王様」

魔王「……するよ。あいつを止められるのは、たぶん俺だけだと思うし」

側近「そうですね。どちらにせよ、俺達の実力では邪魔にしかなりませんからね」

女勇者「……そうだね」

魔王「……邪魔だなんて思ってないよ。俺が頑張れるのは皆がいるからだもん」

魔王「それに得意不得意があるのは当たり前だよ。戦闘力は俺が一番なんだから、今回は俺が適任でしょ。……ただそれだけのことだよ」

側近「……では、その決戦の時に備えて体を休めたり戦う準備をしたりした方がいいですね」

魔王「そうだね……」

女勇者「……魔王!」

魔王「……何?女勇者ちゃん」

女勇者「私……信じてるから!あいつから、この世界を守ってくれるって信じてるから!」

魔王「……任せてよ。絶対に女勇者ちゃんを守ってみせるから」
274: :2012/10/9(火) 22:38:00 ID:6xWpg1Pyas
側近「よし、話はついたな」

側近「悪いが女子達はちょっと部屋出てくんねえか?魔王様にもいろいろ準備があるからよ」

魔王「側近……?」

女僧侶「私達が退出しなければならない準備があるんですか?」

側近「うん、まあ……それに魔王様って女性好きだろ?皆がいると緊張しちゃって休めやしねえよ」

女戦士「ああ、そういうこと。言われてみりゃそうかもなwww」

女勇者「そっか……わかった。じゃあ私達は……街の人達に説明しておこうか」

女僧侶「そうですね。街の方々も、悪意ある強敵が現れた、くらいの状況しか把握できてませんしね」

女戦士「じゃあ私達は魔王がどうにかすっから安心しとけやって言いふらしてくるわ」

女魔法使い「……」バイバイ

側近「……全員行ったか」

魔王「側近?どうして皆を部屋から出したの?」
275: :2012/10/9(火) 22:39:23 ID:6xWpg1Pyas
側近「……魔王様。もう我慢しなくていいんですよ」

魔王「っ!……何のこと?俺、何も我慢してないよ」

側近「異界王との戦闘後、明らかに元気がなくなってるじゃないですか」

側近「魔王様が落胆する何かがあった。でも、愛しの女勇者の前でかっこわるい姿は見せられないからって我慢してたのでしょう?」

側近「魔王様がそんな落ち込んでる状態じゃ、こっちも安心して嫌がらせできないんですよ」

魔王「……」

側近「……何を気にしてるか当てて見せましょうか?」

側近「魔王様は恐らく……魔道師の企みを阻止できず、戦争派の皆や魔道師を死なせてしまったのを悔やんでいるのでしょう」

魔王「っ!!」

魔王「……うぅ」ジワッ

魔王「ううぅ……うああぁ……!」ポロポロ

魔王「あああああああ!!」ポロポロ
276: :2012/10/9(火) 22:40:52 ID:6xWpg1Pyas
魔王「側近!俺……皆を守ってあげられなかった……!」ポロポロ

魔王「俺がもっと早くおじいちゃんの企みを見破ってたら、強引にでも止めていたら……こんなことにはならなかったかもしれないのに!」ポロポロ

側近「……結果論ですが、確かに強行策に出て証拠もない段階から魔道師を捕らえておけば、戦争派は死なずに済んだかもしれません」

魔王「戦争派の皆だって……互いに憎んでいた人と魔物で、手を取り合ったんだ!だったら、この世界でも居場所はあったかもしれないのに!」ポロポロ

魔王「生きてたら、皆でそれを探すことだって出来たかもしれないのに……俺が守れなかったから……!」ポロポロ

側近「戦争派は……共存世界を、魔王様を打ち倒すべく協力し合ったのですよ?」

魔王「それでも手は取り合えたんだ!何かの理由で手を取り合えるのなら、他にも道はあったかもしれないのに!」ポロポロ

魔王「俺のせいで……!俺が甘かったから……!」ポロポロ

側近「……やっぱり魔王様は優しい御方ですね」

側近「自分のことは後に回して、この世界の一人一人を想える、底なしに優しい御方ですよ」
277: :2012/10/9(火) 22:42:47 ID:6xWpg1Pyas
側近「ですが魔王様。優しいだけでは誰かを救うことはできません」

側近「逆に、優しすぎるからこそ、救えなくなってしまう時だってあります。今回がそうでしょう」

魔王「……」エグッエグッ

側近「魔王様の優しさは異常です。誰かの想いを尊重しすぎては、誰かの悪意を止めることができなくなる場合があります」

側近「ですが……そんな魔王様の優しさが、今のこの世界を作り上げたのも事実です」

側近「魔王様の優しさがあったからこそ、俺は、女勇者達は、龍人は……世界の多くの者達は今なお笑顔でいられるのです」

側近「悔やむなとは言いません。ですが、あまり自分を責めないでください」

側近「あなたのおかげで多くの者が救われました。この世界には、あなたを慕う者が多く存在します」

側近「あなたの優しさが原因で失敗しても、俺達は決して見捨てません。共に悲しみ、共に苦しみ、それでも共に前を向きます」

側近「それに……死んだ戦争派だって、ここまで想ってもらえれば、きっと安らかに逝けますよ」

側近「俺はこういうのあまり信じてませんが……戦争派が生まれ変わった時に今度こそ幸せに生きていけるよう、今こそこの世界の平和を確たる物にしなければなりません」

側近「そのために、今は落ち込んでいる場合ではないのです。魔王様だからこそ出来ることを、俺達や死んでいった者達のためにやらなくてはならないのです」

側近「魔王様の優しさは、決して間違いではありません。俺達はどんな時でも優しい魔王様を支え続けます」

側近「ですので、魔王様は魔王様のまま、異界王を止めてください。お願い致します」
278: :2012/10/9(火) 22:44:52 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……側近、ありがとう」グスッ

魔王「正直、戦争派の皆のことはへこんだ」

魔王「それに、おじいちゃんの言葉もかなりショックだった」

魔王「綺麗事並べるだけじゃ王族なんて出来ないって……そんな綺麗事のために戦争派の皆を死なせちゃったのかなーって思ったら悲しくなっちゃって」

魔王「俺なんかが魔王やってていいのかなって落ち込んだんだよね」

魔王「でも……側近がそう言ってくれて救われた。俺は……俺のままでもいいのかな?」

側近「当たり前ですよ。俺達は、魔王様だからこそ支持してるんですよ」

魔王「そっか……ありがとう。うん、俺はこれからも俺のまま世界を平和にしていくことにするよ」

側近「納得したんならその泣き顔どうにかしてください。グロ映像長々と見せつけられてこっちは不快なんですよ」

魔王「そんなに酷い顔してんの、俺!?それ知らされちゃったら、俺もう泣くに泣けないよ!」

側近「……ふふ、魔王様はそれでいいんですよ」

魔王「優しいモードの側近が終わってしもうた……複雑な心境だよ、俺は」
279: :2012/10/9(火) 22:47:56 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
自画自賛コーナーに突入しますが、今回の魔王と側近の雰囲気が好きです。
お互いをわかりあってて、本当に辛い時は言われなくても察して助けてあげられるような。
普段は感謝の気持ちを押し出すことなくふざけあったりしてて、ここぞという時に支えてあげられるような。
そういう友情の形ってなんか素敵ですよね。言葉を交えるまでもなく理解し合ってる感じがなんか素敵だと思います。
こういう親友がそばにいてくれたら、毎日がすごい輝くんでしょうね。

俺にはそういう友達がいません。何故なんでしょうね。

今回の更新のまとめです。
>>271-278
280: 名無しさん@読者の声:2012/10/9(火) 22:56:00 ID:n5SpKGfylU
やっぱ魔王ええ奴や・・・

つ支援
281: 名無しさん@読者の声:2012/10/10(水) 03:23:08 ID:E4SxfhN7f.
>>270
一生懸命、
マトリョシカ人形
作らせていただきます。
完成して写真に
納められたら
うpさせて頂きます


つ四円
つハンカチ


そろそろ、魔王やキャラが
返事をする支援返スレ希望
282: 名無しさん@読者の声:2012/10/10(水) 18:45:27 ID:E4SxfhN7f.
>>143の魔王と女勇者ちゃんがやっていたゲームの名前ですが、”わりばし”です。

かなり前のレスでたいへん申し訳ありません。

この話をともだちが読みたい
と、いってるのですが、卑猥な言葉があるので
チビッコも安心して読めるように置き換えて書いてもいいですか?
283: :2012/10/10(水) 23:03:44 ID:6xWpg1Pyas
>>280
魔王は本当にいい子だと俺も思います。子どもじゃないですけど。
こんなに純真な方はそういないと思うので、このまま大人になってほしいと思います。もう大人ですけど。
あと、支援ありがとうございます。こいつをエネルギーにして投下や書き溜め頑張ります。

>>282
あれ、わりばしっていうんですか。教えてもらっておいて悪いんですが、全然ピンとこないですww
普通に手を出して「これしようぜ」で通じてましたからね。これっていう方がまだピンときますね。

あと、チビッコも安心して読めるように置き換えて書いてもいいですか、とのことですが。
直接このスレ見せるんじゃないんだーとか、書くってどこにどういう風に書くんだーみたいな疑問は正直ありますけど。
そちらで修正してから紹介する分には何ら問題ありません。むしろ友達に紹介するためにめんどくさいことさせちゃって申し訳ないです。
284: :2012/10/10(水) 23:04:42 ID:6xWpg1Pyas
>>281
俺も楽しみに待ってます。ハンカチも貰えたので、これで気兼ねなく泣けるわけですね。

返レスについてちょっと真面目に答えますけども。
前作書いてる時に、キャラに喋らせる返レスやってましたが、その時に批判的な意見がありまして。
雑談スレか読者スレかは忘れましたが、どちらかで批判的な意見が出てたんですね。こういうの嫌いだからもう見ないって。それが地味にトラウマなんです。
更には、当時はけっこう批判意見が攻撃的なことが多く、それに応じて口喧嘩のようになってしまい板全体が荒れてたように思うんですけど。
その攻撃的な批判意見の内容に、キャラ返レス以外の部分でも自分が該当してまして、当時は罪悪感で押しつぶされそうでした。
今現在の板はだいぶ落ち着いてるように思えまして、批判意見も建設的に出せてるような、そんな雰囲気に感じてますけど。
当時の恐怖感っていうのが印象に残ってまして、未だに該当行為を躊躇う自分がいます。
一応こういうのに嫌悪感を感じる方のために、完結後に>>1にて対処する旨は記してますが、それでも不安で今までやらなかったんです。
でも、一方で>>281さんのように希望する方もいるわけでして。元々やってたくらいなので、俺もそういうのが好きな人なんですよ。
一応嫌な人が見ないで済むように完結後にて対応する予定ですので、ここらでもう一度やり出すのもいいかもしれませんね。
今更ですけど、こないだドラマのルーキーズのDVDを父親から借りて見たんですよ。
だから今の俺にはたぶん道を切り開く自信と勇気が備わってると思います。
なので今後は、キャラに喋らせた方がいいかなっていようなレスはそっち方面でやっていくことにします。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。
285: :2012/10/10(水) 23:06:11 ID:6xWpg1Pyas
魔王「さてと……街の人達への状況説明は女勇者ちゃん達がやってくれてるんだよね!」

側近「そうですよ。魔王様は異界王との戦いに備えてください」

側近「ちなみに、昨夜のダメージは抜けたんですか?」

魔王「うん!体の痛みも、使った分の魔力も、寝て起きたら全回復だよ!」

側近「相変わらず化物ですね、魔王様は」

魔王「普通に褒めてくれたっていいじゃん……」

側近「とにかく、体調面では心配なさそうですね。奴との戦闘に向けて、準備しておきたいことはありますか?」
286: :2012/10/10(水) 23:07:26 ID:6xWpg1Pyas
魔王「うーん……そうだねえ、預けてる馬車のお馬さんには悪いけど、移動魔法で一回城に戻ろっか」

魔王「本当はモテる方法見つけるまでは帰りたくなかったんだけどね」

側近「そう言えば、そんなくだらない理由で旅してたんですよね」

魔王「くだらない……だと?」

魔王「くだらないことなんかあるかぁ!!貴様にはわかるまい!モテない奴の絶望が!」

魔王「道行くカップルを横目に見ながら、男友達といた方が楽しいし、とか負け惜しみを言う!この屈辱が貴様にわかるか!?」

側近「何を魔道師の台詞のパロディみたいなこと言ってるんですか……」

魔王「……これ、さっきの綺麗事発言に繋がる台詞だった……」

側近「何で自分からトラウマ掘り起こしてるんですか?マゾ趣味を自給自足し始めたら、いよいよやばいですよ?」

魔王「そんなんじゃないよ!俺は女の子から苛められるのが好きな、普通のマゾだよ!」

側近「……そもそもマゾが普通じゃないんですけどね」
287: :2012/10/10(水) 23:09:23 ID:6xWpg1Pyas
魔王「もー、そんなんどうでもいいから、とにかく城に戻ろうよ!」

側近「……ちなみに、どうして城に戻る必要があるんですか?」

魔王「今回の旅さあ、女勇者ちゃんから貰った兜持ってきてないでしょ?」

側近「……は?」

魔王「だから兜を取りに帰りたいんだよ。ほら、移動魔法かけるよ」

側近「いや、待ってください。何であの兜持ってくる必要があるんですか?」

魔王「何でって、かぶるからだよ」

側近「いやいや、あれって呪いの兜ですよ!?何でかぶらなきゃいけないんですか!?」

魔王「……今回、俺、あいつとタイマンすることになったじゃんか」

魔王「一人で戦うのって、何か凄い寂しいし……」

魔王「だから、女勇者ちゃんから貰ったあの兜をかぶって、女勇者ちゃんの温もりを感じながら頑張りたいんだよ!」

側近「寂しいからって自ら弱体化するのはどうなんですか!?何なら俺がついて行って見守りますから、かぶるのはやめなさい!」

側近「……そもそも魔王様は、既に女勇者から貰ったペンダントを身につけてるではないですか」

魔王「いいじゃん!少しでも女勇者ちゃんの温もりが欲しいんだよ、俺は!」

魔王「たとえ兜効果で力や魔力が少々封じられたって、それでも俺はあいつを改心させてみせるよ!」

魔王「なんたって、俺は俺のまま世界を平和に導く男だかんね!」

側近「はー……珍しくマジで落ち込んでたから励ましてやったらこれだよ……」
288: :2012/10/10(水) 23:10:50 ID:6xWpg1Pyas
魔王「というわけで、ただいまー!」

側近「移動魔法使ったら本当に一瞬ですね……」

龍人「魔王!それに側近も!聞いたか、おい!?」

魔王「共存の街の件?その話、もうここまで広がってるんだ?」

側近「一夜にして街の人々が消え、世界の滅亡を目論む悪人が現れたわけですからね。そんな大事件はそりゃ広がりますよ」

ドラゴン「その悪人は魔王様と戦うつもりだっていう話ですけど……本当なんですか?」

魔王「噂伝わるの早いねえ。うん、本当だよ」

側近「そいつは魔王様と互角に渡り合う実力を持ってる。魔王様と一対一で戦い、魔王様を負かしたらこの世界を破壊するつもりでいる」

ゾンビ「魔王様と互角ですか!?」

魔王「決戦は今夜なんだけど、その準備のために一回戻って来たんだよ!」

スライム「……大丈夫なんですか?魔王様クラスの実力者が世界滅亡を企んだら、もう滅亡するしかないわけですが」

魔王「任せてよ!あいつに絶対この世界を壊させはしない!あいつに改心してもらって、異世界に戻ってもらうよ!」

龍人「……異世界?」

側近「ああもう説明めんどくさいから自分で読み返してくれ」
289: :2012/10/10(水) 23:11:50 ID:6xWpg1Pyas
龍人「そんで、準備って何だよ?」

魔王「女勇者ちゃんから貰った兜をかぶりに戻ったんだよ」

龍人「……はあ!?」

龍人「馬鹿だろ、お前!?強敵が相手なのに、何でわざわざこっちが弱体化しなきゃならねえんだよ!?」

側近「いいぞ、龍人。もっと言ってやれ」

魔王「でも、俺これかぶりながら龍人倒したじゃん」

龍人「ぐっ……!で、でも今回はお前と同等の強敵なんだろが!?俺の時とはわけが違うだろ!」

魔王「大丈夫だよ。俺を信じてよ!」

龍人「……だああ!わかったよ、信じるよ!今までだってそうして来たんだ、今更信じねえわけにはいかねえだろ!」

側近「ちっ、龍人め。使えない奴だ」

龍人「お前もボケ魔王の暴走止められなかったんだろうが!」

魔王「とにかく、話はついたね!スライムー、俺の部屋に兜あるから取って来てー」

スライム「いいんですか?側近様」

側近「……ああ、うん。こうなったら魔王様を信じて奇行に付き合おう」
290: :2012/10/10(水) 23:13:24 ID:6xWpg1Pyas
魔王「久々の呪いの兜だね!女勇者ちゃんの温もりをひしひしと感じるよ!」

魔王「よっと……あいててて!」グググ

魔王「ふう、相変わらず無理に取ろうとしたら激痛が走るね。女勇者ちゃんの愛の鞭だね///」ハアハア

側近「……本当に大丈夫なんですか?力や魔力が相当封じられてますけど」

魔王「大丈夫!きっとあいつと渡り合えるよ!それに魔力をあげるペンダントつけてんだからプラマイゼロだよ!」

側近「いや、明らかに減少量の方が多い……いや、もうやめましょう。あなたが馬鹿なのはわかりきってたことですから」

魔王「よーし、準備完了!後は決戦の時を待つだけだね!」

龍人「……何気にこの世界の未来を賭けた戦いなのに、こんな調子でいいのかよ?」

側近「まあ変に気負うよりはいいんじゃないか?」
291: :2012/10/10(水) 23:15:11 ID:6xWpg1Pyas
夜。共存の街。

異界王「……来たか、イケメン」

魔王「おう、来たよ!容姿を褒めてくれてありがと!」

側近「お前、ずっと共存の街にいたのか?」

異界王「おう。じじいの魔法なんざ知らねえかんな。下手に穴から帰って閉じちまったら、こっちに戻れなくなるだろ」

異界王「……いやいや、ちょっと待てや。俺はタイマン勝負を挑んでんだよ。何でイケメン兄弟の兄までついて来てんだよ」

側近「心配すんな。俺は戦いを見届けるだけだ。……もっともヤムチャ視点で見ることは出来ないけどな。まあ結果だけでも確認しておくさ」

魔王「側近がそばにいてくれると安心できるしね!」

異界王「そうかい、兄は見物かい。絶対手出しすんじゃねえぞ」

魔王「……ずっと思ってたんだけど、俺達兄弟じゃないよ?」

異界王「わかってるよ。ただイケメン同士だから括ってるだけだ」

魔王「……何で側近が兄なの?」

異界王「イメージ的にな。お前は出来の悪い弟って感じだしな」

魔王「えー!俺のが兄でしょ!俺、お兄ちゃんの方がいい!」

側近「いや、どうでもいいですよ……」
292: :2012/10/10(水) 23:16:48 ID:6xWpg1Pyas
異界王「ダメージは抜けたんだろうな?」

魔王「バッチリだよ。ベストコンディションってやつだね」

異界王「そうかい、兜までかぶって気合い満々だな。それじゃ戦いを……」

魔王「始める前に訊いておきたい」

異界王「ん?何だ?」

魔王「お前は……今でも他者を傷つけるのが楽しいと言うの?」

異界王「当たり前だろ?楽しいさ。ボコボコにするとよ、相手の顔が苦痛で歪むだろ。痛めつける感触、そんであの表情がたまらなく好きなんだよ」

異界王「だけど今は、お互い極限の状態で命の削り合いした方が楽しいかな。イケメン弟、お前が教えてくれたんだぜ」

魔王「それをすることで、相手が苦しむけど……それでも、それをやって自分だけが楽しむの?」

異界王「他人の苦痛なんて俺には関係ないからなあ。相手が痛くても、俺は痛くねえ。相手が苦しければ、俺は楽しいんだよ!」

異界王「他人は全て俺の玩具だ!世界は全て俺の玩具箱だ!そんな楽しい世界で、俺は自由に楽しむだけだ!」

魔王「……やっぱりお前の考えは許せないよ。俺の全てを賭けてでも、お前の心を変えてやる!」

異界王「御託はいいんだよ。来いよ……俺は全力で楽しんでやる!」

魔王「行くよ……俺はこの世界を守る!そして、お前を変えてみせる!」
293: :2012/10/10(水) 23:19:12 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。
実はイチローSSを書き溜めてた時期あったんですけど、今はもう諦めてます。
何故かって、書き溜め当時イチローさんはマリナーズだったんですけども。
マリナーズ設定で、ムネリンといろいろ絡んでるSS書き溜めてたんですよ。
ところが今シーズンはトレードでヤンキースに行ったじゃないですか。
それでいろんな部分を修正する必要が出て、なんかもう諦めよう!ってなりました。

諦めたので詳しく書きますが……マリナーズがキノコ王国との親善試合をすることになってキノコ王国に行ったんですが。
その時にピーチ姫がクッパにさらわれまして。
自分勝手に一人で救出に向かったマリオは置いといて、ムネリンとルイージを引き連れてイチローさんがピーチ姫救出のために旅立つ……みたいなSSでした。

俺もう書く気力折られたんで、誰か書きたい人がいましたら是非ヤンキースバージョンで蘇らせて下さい。
これだけだと愚痴ってるっぽいですけど、ヤンキースに行ってからイチローさん調子いいので実は嬉しいんですよ、俺。

今回の更新のまとめです。
>>285-292
294: 名無しさん@読者の声:2012/10/10(水) 23:24:37 ID:n5SpKGfylU
魔王www呪いの兜着用によりステータス減少www
これで勝てたら魔王すげぇ。

支援
295: 名無しさん@読者の声:2012/10/10(水) 23:32:35 ID:dRYumEpAjw
>>293
俺、ムネリンと同じくらいイチローさんを愛している まで読んだ。


(*一_一)юC
296: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 06:56:19 ID:E4SxfhN7f.
呪いの兜を異界王につければ
良いと思うけどなぁ。
なんか最近、魔王のドMが
足りない気がする…
今日からテストだからテスト
中も思い出して頑張るよ!

魔王へプレゼント for you .
つ女勇者ちゃんの愛
つ棍棒

これで戦ってくれっ!
頼むから、棍棒で虐めて貰おう
とか考えないでね…
絶対にやるなよ!!(ダチョウクラブ風)

長文失礼いたしました
297: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 11:12:08 ID:zxSHPjxaLc
追いついたわ
4援だわ
298: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 14:18:00 ID:NRt0/ejoRw
魔王
つ 熱々たまご
つ 餅巾着

299: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 18:46:16 ID:HG1xNoz7UQ
毎日更新楽しむにしてるw
四円
300: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 21:38:50 ID:E4SxfhN7f.
>>283
ノートに書いて友達に見せます。
機械音痴なのでパソコンは触らせてはいけない子なので…
置き換えるのは○ックスをキスに置き換えます
301: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 22:07:41 ID:HT6QNuAFFw
キスはキスでほんわかしてて和むなw
ついでに支援
302: :2012/10/11(木) 23:02:44 ID:6xWpg1Pyas
うおぁ、たくさんの支援やレスをありがとうございます。

>>294
強敵を相手に修行編等を挟んで強くなる主人公はいるんでしょうけど。
自分から意図的に弱体化して挑む主人公っているんでしょうかね?
本当に奇怪な御方だと俺も思いますよ。

>>295
イチローさんは好きですけど、ムネリンとはベクトルが違いますよww
とにかくイチローさんはファンとして好きなので、割と真面目に誰か>>293これ書いてくれないかなあって願ってます。
これを書くのは画面の前のあなた達かもしれませんよ。チラッチラッ

>>296
呪いの兜について、普通に考えたらそうなんですけどね。
何故だか魔王は自分にかぶせてしまいました。どうなるんでしょうね、本当に。

魔王「この棍棒で女勇者ちゃんに叩かれたら……」ハァハァ
側近「いや、武器として異界王に使用しましょうよ」
1「テスト、頑張ってくださいね!」

>>297
追いつかれましたね。長い話をわざわざ読んでくれてありがとうございます。
書き溜めが徐々に徐々になくなってまして、正直焦ってる自分がいるんですけど。
なんとか……せめて本編完結までは毎日更新目指して頑張りたいです。
と言いつつ、実はもう更新しなかった日が一日あるんですけども。
303: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 23:03:10 ID:aIH0Hdym1Q
つまらぬものですが

つCCCCC
304: :2012/10/11(木) 23:04:37 ID:6xWpg1Pyas
>>298
魔王「めっちゃ湯気出てんじゃん!嫌だよ、こんなん食べたくないよー!」
側近「そうですか。女勇者に頼んで食べさせてもらおうと思ってたんですが、仕方ないですね」
魔王「女勇者ちゃんに食べさせてもらえる!?女勇者ちゃんに口内むちゃくちゃにしてもらえる!やっぱり食べる!」
側近「あれ、食べるんですか。それじゃ、はい」
魔王「いや、お前じゃなくて……あっつ!あっつつつぅ!!」

>>299
毎日読んでくれてありがとうございます。
毎日続ける理由が増えましたね。
日に日に書き溜めが減ってって不安に駆られる毎日ですが、せめて完結までは続けたいですね。
今回も小話書きたいって企んでますが、そっちはもうどうなるかわかんないです。

>>300
あー、そういう感じですか。
スレやSS板でそういう置き換えとかできるとこあったかいな?と思ってたので、疑問は晴れました。
そしてなおさらめんどくさいことさせちゃってごめんなさい。「ここはないわぁ……」って文とかありましたら、どうぞご自由に修正してください。

>>301
キスに置き換えるのも何かいいですよねww
ほんとなんか和みますね。あの二人のテンパり具合からして行為は絶対無理っぽいですから、まずはその辺ですよね。
彼女いない歴=年齢の俺からすれば、女子と普通に話せるのもすごいことですからね。たぶんほんとはまずその辺なんですよね。
305: :2012/10/11(木) 23:06:34 ID:6xWpg1Pyas
>>303
つまらないことないですよー、ありがとうございます。
そういったレスで俺がどんだけ励まされていることかって感じですよ。
もうね、それを励みに突っ走りますよ。フルスロットルですよ、ええ。
306: 1「地味に戦闘描写好きです」:2012/10/11(木) 23:08:11 ID:6xWpg1Pyas
かくして魔王と異界王の戦いは始まった。

異界王は、上に向けたその掌から魔力の球を多く放出させると、それらを次々と魔王に向けて発射した。
自らの魔力を放出し相手にぶつけて爆発させるだけという、攻撃魔法の中では基礎中の基礎と言える攻撃である。しかし、異界王の魔力の強さでは、それでも十分脅威的な攻撃となり得る。
異界王の放つ魔力の球の速度はすさまじい。普通の者は何が起きたかもわからないまま死ぬしかないだろう。だが魔王はそうではない。
異界王の攻撃の軌道をしっかりと把握すると、無数に向かってくる球の隙間を縫うように回避し、これを無傷で潜り抜けた。

「これを無傷かい!やっぱりやるねえ!」
「必死で避けてるからね!出来なきゃ困っちゃうよ!」
307: 1「ただ、ちゃんと伝わってるかなって不安はあります」:2012/10/11(木) 23:09:22 ID:6xWpg1Pyas
避けられたというのに臆する様子はなく、むしろ嬉しそうにする異界王。
本当に心から魔王との戦闘を楽しんでいるようだった。
しかし、そんな異界王の歪んだ快楽には付き合えないと、ここで魔王も攻勢に打って出た。

「痛くても我慢してね……はあっ!」

気合いを入れると共に、こちらもその身から魔力を大量に放出した。
その放出した魔力を様々な魔法に変えていった。炎、風、氷……魔法をあまり覚えていない異界王に見せつけるかのように、豊富な攻撃魔法を惜しみなく披露していった。

「おお、すげえな!お前、あのじじいくらい魔法覚えてんのか?」
「流石に覚えてる魔法の数じゃおじいちゃんには勝てないだろうけど、戦闘用の魔法は大体極めてる……よ!」

言い切ると同時に魔王は炎系の攻撃魔法を異界王に向けて放った。
向かい来る巨大な炎の渦が、瞬く間に異界王の視界を占めていった。
308: :2012/10/11(木) 23:10:18 ID:6xWpg1Pyas
「こいつに巻き込まれたら、ウェルダンどころじゃ済まねえなあ!」

迫りくる炎を、真横に跳ぶように回避した異界王。直後に突き抜けていった熱風が、その炎魔法の威力を物語っていた。
かわされた炎の渦は、なおも異界王の横を真っすぐ進んでいる。その炎の軌道を変えるような突風が突然吹き荒れた。それによって真っすぐ進んでいた炎が方向を変えて再び異界王へと進み始める。
この突風の発生源は言うまでもなく魔王である。風系の攻撃魔法をうまく使用し、追跡型の炎魔法を作り上げたのである。

「器用なことしやがる……!」

これにより、異界王は引き続き炎を避ける作業に入らざるを得なくなった。
それでも炎に対してスピードで勝る異界王は、順調にそれを避け続けた。
309: :2012/10/11(木) 23:11:32 ID:6xWpg1Pyas
「おいおい、いつまでこれと鬼ごっこさせる気だ?スタミナ切れ狙いか?雑魚じゃあるまいし、んなことあるかよ!」

追ってくる炎を楽に避け続けている異界王の余裕の表れか、その最中にこんなことを言い出した。
しかし魔王はそれに応じない。淡々と風魔法を操って炎に異界王を追わせ続けた。

「……つれねえ野郎だ!」

反応を示さないので魔王は無視することにして、異界王は再び集中を炎に戻した。

(……恐ろしく正確に追ってくるな。更には、俺がイケメン弟に近づこうとも、うまい具合にその進路を塞いできやがる。避けるのは容易いが、反撃に出るのはかなり厳しい)

異界王はそのように考えていた。炎魔法で追いかけっこを挑みつつ、魔王自身への接近を許さない戦法から、これはスタミナ切れを狙う作戦だと異界王は分析していた。
だったら根比べといこうじゃないか。異界王はそう考え、このまま回避行動を続けることにした。しかし彼は、魔王の狙いがスタミナ切れなんかではないことを間もなく思い知ることになる。
突然、異界王の足が動かなくなってしまった。何事かと彼が足元に視線を移すと、地面から突如発生した氷によって膝から下が凍ってしまった両足が映った。
310: :2012/10/11(木) 23:12:31 ID:6xWpg1Pyas
そう、魔王の狙いは氷魔法を遠隔的に発動することで、異界王を固めて身動きを封じることにあった。
異界王は実力者である。炎魔法で追いかけられても、警戒はそれに限らず周囲にも向けられていた。
そのような状態で、足元に奇襲を仕掛けても、対応されてそれすらも避けられていただろう。
そこで、狙いを誤解させるように炎を動かし、足元への注意をなくしてしまおうと考えたのだ。
難なく避け続けられる炎に、長期戦を挑んでいると思わせる動きを図った。その結果、気だるい長丁場を予想した異界王の気の緩みを誘い、警戒心が薄まる瞬間を生み出した。
そしてその瞬間を逃すことなく氷魔法を発動。異界王は氷魔法によってその場に繋ぎとめられることとなった。
動きを封じている氷がとけるのを防ぐためか、魔王は即座に炎魔法を消した。代わりに、動けなくなった異界王を目掛けて自身が向かっていった。
311: :2012/10/11(木) 23:13:55 ID:6xWpg1Pyas
移動出来ない以上、異界王は回避行動を取れない。襲い来るであろう魔王の強烈な攻撃に備えるため、前腕を重ねるようにして防御を図った。
しかし、そんな異界王の予想とは裏腹に、その腕に痛みが走ることはなかった。近づくだけ近づいて、魔王は次のような言葉を投げかけたのだ。

「……これで俺はいつでもお前を倒せるよ。わかったら降参してよ」

魔王は異界王に降伏するよう呼び掛けたのである。これは予想外だったらしく、異界王は呆気にとられていた。
そんな異界王に構うことなく、魔王は更に言葉を連ねた。

「移動を封じたからさ、俺はもうお前をサンドバッグに出来るわけじゃん?たぶん勝ち目はもうないだろうし降参してほしいんだよ」
「今のお前だったら……俺は炎魔法で上手に焼けました〜って出来るし、水魔法でウォーターカッターみたいにズシャーッ!とも出来るわけだよ」
「とにかく、あらゆる手でお前を殺せるんだよ。そんなことは俺したくないし……だからもう俺の勝ちってことにしてよ!ほら、早くしないと凍傷で足が大変なことなっちゃうよ!」
312: :2012/10/11(木) 23:15:00 ID:6xWpg1Pyas
それは優しい魔王らしい相手を思いやった提案だった。しかし、異界王からしたら舐めた提案であり、それによって彼は怒りに満ちたのだった。

「そんなくだらんこと言う暇があったら、俺を楽しませろってんだよ!」

そう叫ぶと同時に、渾身の力で地面の氷を殴った。
その威力は凄まじく、直接殴った個所はもちろん、そこから振動が伝わって氷全域が砕けていった。
そしてそれは異界王を縛る膝下の氷も砕けたことを意味しており、彼は機動力を取り戻した。
思わぬ脱出劇に驚きを隠せない魔王。しかし即座に戦闘モードに戻ると、今度は大ダメージで行動を封じようと、ほぼゼロ距離から魔力を放出した。
だが、一瞬の隙がこの勝負には大きな意味を持つのは氷魔法の件でも明らかで、一瞬でも驚いて隙を作ったがために、異界王はその攻撃の回避に成功した。
313: :2012/10/11(木) 23:16:00 ID:6xWpg1Pyas
魔王の魔力放出による攻撃を回避した異界王だが、距離はそれほど取ってはなかった。
先ほどの攻撃魔法による攻防では、魔法の種類や技術差から、苦戦は必至だと考えたのである。
勝機を見出せるとすれば、肉体勝負の接近戦だと考えた。故に大きく距離はとらず、そのまま接近して打撃に転じた。
無駄のないコンパクトなフォームから放たれたボディブローが、魔王の腹部へと吸い込まれていく。

「捉えたぁ!!悶絶必至!!」

等と吠えるほど、異界王本人の感覚では会心の一撃だったようである。
しかし魔王の表情に変わりなく、それどころか笑みを浮かべていた異界王の顔が徐々に歪んでいった。

「……いって〜!お、お前の体どうなってんだよ!?」
「残念、硬化魔法をかけてたんだよね。打撃は効かないよ!」

魔王は硬化魔法で防御対策をしていた。鋼鉄と化した肉体に拳を打ち付けた結果、逆に異界王が手を痛めたのだ。
314: :2012/10/11(木) 23:17:02 ID:6xWpg1Pyas
「更にはこんなことも出来るんだよ!」

そう言って魔王は右ストレートを繰り出した。
強烈なパンチが自らの頬にぶつかる前に、左腕で防御を図った異界王。目論見通り、その右ストレートが顔に当たることはなかった。
しかし、ガードしたその腕には激痛が走った。

「うぐっ……!」
「右の拳だけを硬化して殴ってみました。……あ、ごめん。大丈夫?」

本来防御としてしか用途のないこの硬化魔法を、体の一部にだけかけるという高度な技術で攻撃に運用した、魔王の強烈な一撃だった。
ただでさえ強烈な魔王のパンチに加えて、鋼鉄のグローブを付けているようなものである。ガードの上から大ダメージを与えるには申し分ない代物である。
315: :2012/10/11(木) 23:17:54 ID:6xWpg1Pyas
この硬化魔法によって、接近戦においても魔王に隙はなかった。
この優勢を以て魔王は再び降参を呼び掛ける。

「もういいでしょ!お前に勝ち目はないって!ランブルボクシングみたいになる前に降参して!」

しかし、異界王はそれに応じることをしない。

「冗談言うなよ!俺の負ける時ってのは、俺が死ぬ時だけだぜ!」

そう言うと、魔王に向かって頭から突進してきた。
それを確認して自らに硬化魔法をかける魔王。鋼鉄と化した体、その胸元あたりに異界王は頭突きをぶちかました。
魔王にダメージはない。相変わらずダメージを負ったのは異界王だけだが、それでも彼は怯まない。
魔王の胸元に額をつけたままでいると、そのまま前かがみの姿勢になり、腹部への猛ラッシュを開始した。
316: :2012/10/11(木) 23:19:15 ID:6xWpg1Pyas
「おらららららららぁ!!」

叫び続けるその間、一瞬たりとも休むことなく両腕を動かし続け、無数のボディアッパーを打ち付けた。

「無駄だよ!硬化魔法かけた体に打撃は通用しない!」

魔王の言う通り、その猛攻撃でもダメージは通らなかった。ただただ異界王の拳に痛みが溜まっていく。しかし、それでもそれをやめる気配はない。
自棄になった末の無謀な攻撃と思われたその戦法だが、長らく続けたことでついに変化が訪れるのだった。

「……っ!?」

硬化魔法をかけた魔王の体に、執拗な連打によってひびが入ったのである。
魔王の魔力によって極限までに硬化されたその体に傷が出来たのは初めてのことで、慌てた魔王は魔法を解除して距離を取った。
普通の体に戻ると、ひび割れた部分は傷になり代わり、衣服がじわじわと鮮血に染まり始めた。

「……お、怪我負ってんじゃん。打撃効かないとか勝ち目ないとか言ってなかったかあ?」
「……ごめんね、訂正しないといけないっぽい」
317: :2012/10/11(木) 23:20:36 ID:6xWpg1Pyas
硬化魔法を破られたことで、魔王はそれを使うことをやめることにした。生身のまま接近戦にもつれ込み、防御や回避で全ての攻撃を無効化しようと考えた。
一方、接近戦は望むところの異界王。魔王の身体能力は十分理解しているが、それでもいつかは捉えてみせると再び猛攻撃を開始した。

二人の戦闘力には確かな差がある。
純粋に戦闘力で判断すれば、魔王がかねてより言っているように異界王に勝ち目はない。
しかし、ここまではいい勝負となっている。戦闘力差があるにもかかわらず互角の展開になった原因として、覚悟の差が大きい。
覚悟の強さは変わらない。しかし、二人の目的は全然違う。
魔王は、自分らしく戦いぬいて、異界王を変えようとしている。言いかえれば、絶対に異界王を殺さない覚悟でいる。
一方、異界王はこの死闘を勝ち抜いて、魔王を壊そうと考えている。この戦闘で魔王を殺すつもりでいるのだ。
殺さないように戦う魔王と、形振り構わず殺そうとする異界王。二人の戦闘に対する姿勢の差が、戦闘力差を埋めつつあった。
前日戦った際に魔王の戦闘力に怖気づいた異界王の姿はもうどこにもない。臆することなく戦う異界王がこの戦闘を支配し始めていた。
318: :2012/10/11(木) 23:21:40 ID:6xWpg1Pyas
「……くっ、強い……」
「どうした、イケメン弟!このまま俺が勝っちまうぞ!」

怒涛の猛攻撃を捌くしかない魔王。それを続けることで確かに消耗してしまっていた。
スタミナの話ではない。腹部に負った傷からの出血が止まらず、戦いが長引くにつれてドンドン弱まっていたのだ。
回復魔法を用いれば傷は治すこともできるが、そのような隙を異界王は与えてくれなかった。
そうして魔王の衣服は赤く染まっていく。それでも猛攻撃を捌くために動き続けなくてはならない。ますます出血が多くなる。
そんな中、あまりに血を流しすぎたのか、一瞬だけ意識が遠のいてしまった。
そしてそれは、一瞬でも無防備の時間を作ってしまったことを意味する。

「貰ったぁ!!」
「……えっ?」

次の瞬間、異界王の放った手刀突きが、魔王の腹部の傷口をえぐり、その体を貫いた。
319: :2012/10/11(木) 23:22:45 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

……スレ立て前から不安だった場所までついに来てしまいました。
更に書き溜めもけっこう不安な総量となってきました。
どうなるんでしょう、このスレ。
どうなるんでしょう、俺。

今回の更新のまとめです。
>>306-318
320: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 23:25:00 ID:HTR85yySek
今日も大変おもしろうございました…!

おやすみのCCCCC
321: 名無しさん@読者の声:2012/10/11(木) 23:34:27 ID:n5SpKGfylU
魔王優し杉w
ってか兜着けてても充分強えじゃねえかwww

支援
322: 名無しさん@読者の声:2012/10/12(金) 17:18:42 ID:dCLv9AGz/g
いつも読んでます!
つC
323: 名無しさん@読者の声:2012/10/12(金) 18:15:43 ID:E4SxfhN7f.
兜はずせば勝てるじゃん!
魔王しぬなー!
つ女勇者「魔王がしんだら嫌だよー」ポロポロ
324: 1「支援ありがとうございます」:2012/10/12(金) 23:06:00 ID:6xWpg1Pyas
>>320
楽しんでいただけたようで、よかったです。
戦闘描写は書いてて楽しいんですが、普段と雰囲気が変わってしまうので、読む方は正直どうなんだろうと不安にはなります。
その回でこう言ってもらえると、すごいホッとします。

>>321
公式チートみたいな御方ですからね。戦闘力は誰にも負けませんよ。
ただ、優しすぎたせいで、前回のラストで大変なことになりましたからね。
こっから一体どうなるんでしょう。

>>322
いつもありがとうございます。
読んでくれてるっていうのがわかると、凄い勇気貰えます。
今後のことを思うとけっこうお腹痛くなるんですが、こういうのを力にして乗り越える所存であります。

>>323
ぶっちゃけると兜つけてても勝てるんですよね。
でも、とどめは刺さずに説得しようとしたので、結果的にやばいことになってるんですよね。
魔王が最初から殺すつもりだったら、炎の件で既に決着はついてました。

魔王「あああ、女勇者ちゃんが泣いてる!」
側近「うわあ……女性を泣かすなんて魔王様は最低ですね」
魔王「え!?あ、いや、確かに俺のせいで泣いてるのかもだけど……」オロオロ
325: :2012/10/12(金) 23:07:13 ID:6xWpg1Pyas
右手が魔王の体に埋まり、手首まで潜り、前腕が完全に侵入を果たす頃には魔王の背面から手が脱出を果たした。
それと同時に魔王は吐血した。その表情は苦痛にゆがんでいる。素人目に見ても即座に分かる致命傷だった。
これによって二人の動きは一旦止まった。それによって、今まではヤムチャ視点だった見届け人の側近もその光景を目の当たりにしたのだった。
326: :2012/10/12(金) 23:08:38 ID:6xWpg1Pyas
側近「ま……魔王様ぁ!!」

魔王「ごふっ!……やっば、いって〜……」

異界王「終わりだなあ、イケメン弟ぉ!!命の灯が消えんとする瞬間が来たようだなあ!!」

魔王「うん……本当にやばいわ、これ……さすがにこの痛みなら、女の子が相手だったとしても……気持ち良くないかもしんない……」

異界王「お互い残念だな。俺はもうちょっとお前という最高の玩具で遊んでいたかったし」

異界王「お前は愛しいこの世界を守れなかったんだ。本当、お互い残念で仕方ねえな」

側近「魔王様、待っててください!すぐに回復魔法を……」

異界王「おおっと、兄ちゃん。そいつはいけねえな。こいつぁタイマン勝負だぜ。お忘れか?」

側近「勝負はこちらの負けでいい!!だから、魔王様の治療をさせてくれ!!」

魔王「側近……それは駄目だよ……」

側近「ま、魔王様!?何を言って……」

魔王「負けたら……この世界を守れないじゃんか……俺、約束したから……」

魔王「女勇者ちゃんと約束した……世界を守ってみせるって……」

魔王「側近のお願いも聞き入れたい……俺は俺のまま、こいつを止めるって……」

魔王「だから……ここで負けるわけには……いかないよ」
327: :2012/10/12(金) 23:09:35 ID:6xWpg1Pyas
側近「もういい!そんな約束も、俺の願いも、そんなのもうどうでもいいんです!」

側近「あなたは死んではならない!この世界は、我々は、あなたを必要としています!」

側近「生きていれば、何度でもやり直すことが出来るんです!だから……生きてください!生きろぉ!!」

魔王「ごめん……俺は、やっぱり世界を、皆を守りたいよ……」

魔王「もう戦争派の皆みたいに……誰かを救えないのは嫌だ……!」

魔王「だからごめんね、異界王……どうか死なないで……」

魔王「灯消えんとして光を増すってね……最期の力を以て……俺はこの世界を救う……!」
328: :2012/10/12(金) 23:10:45 ID:6xWpg1Pyas
魔王がそう言い切るのと同時に、異界王は言いようのない恐怖に駆られた。
その恐怖の発生源が目の前の男であると気付き、離れるために貫いた腕を引き抜こうとした。
しかし、それは阻止された。魔王は自らを貫いている異界王の右腕を掴み、力を込めたのだ。その結果、異界王の右腕は微塵も動かなくなった。

(野郎、死にかけの分際でまだこんな力が残ってんのか!)

異界王が慌てることが出来たのは、ほんの少しの間だけだった。魔王は、異界王の脱出を阻止すると、即座にゼロ距離から全ての魔力を放出したのだ。
解放し切った魔王の魔力は凄まじく、それを間近で浴びた異界王に、間もなく全身を焼かれるような苦しみが襲った。

「うっ……がああああああああ!!」

突然の激しい痛みに異界王の思考は止まり、ただただ叫ぶしかなくなっていた。
329: :2012/10/12(金) 23:12:45 ID:6xWpg1Pyas
魔力。
以前にも魔道師が説明した通り、それは魔法の源の力であり、同時に命の源の力でもあったと研究で判明している。
病気や外傷、寿命などの死因に加えて、体内に宿る魔力の枯渇もまた死因となり得るのである。
魔力を魔法として使用すれば、あらゆる場面で役立てることが出来る。しかし、己の魔力と相談しながら適量を使わないといけない。
普通、自身の生命維持に必要な最低限の魔力は絶対に残しておく。その限界を超えて使用すると、様々な弊害が生まれてしまうからだ。

女魔法使いは、移動魔法で無理をした結果、体調を崩してしまった。
かつて側近は、龍人との戦闘で全ての魔力を使おうとした。その時、彼は死を覚悟していた。
そして今、魔王は全ての魔力を解放した。致命傷の大怪我と相俟って、最早死は免れないような選択を自ら選んだのだ。

でも、何で?
側近はそのように考えていた。命にかかわる大怪我をしたこの状況で、何故自ら命を追い込むような真似をしなくてはならないのか。
330: :2012/10/12(金) 23:14:18 ID:6xWpg1Pyas
その答えはすぐにわかった。

異界王を捕まえ、全ての魔力を解放した魔王は、浮遊魔法で上空へと移動し始めた。
決闘の舞台は共存の街。その上空には、魔道師が作り上げた異世界へと通じる巨大な穴がある。
それを見て、側近は様々な発言を思い出していた。

『異世界を結ぶ魔法は、空間に穴を作る。その穴こそ異世界への道で、その開け閉めには強大な魔力がいるんじゃ』
『俺が死ぬ気で魔力出し尽くす時くらいありそうだよね……』
『おう。じじいの魔法なんざ知らねえかんな。下手に穴から帰って閉じちまったら、こっちに戻れなくなるだろ』

異世界へと通じる巨大な穴は、強大な魔力によって開閉する。
魔王の魔力を全て用いれば、開閉に必要な魔力に達する。
異世界へ通じる穴を唯一作れる魔道師が死んだ今、穴を閉じれば二つの世界が繋がることはなくなる。

……魔王は、自らの命を懸けて、異界王を元の世界に帰そうとしているのだ。
331: :2012/10/12(金) 23:15:15 ID:6xWpg1Pyas
異界王がいなくなれば、この世界の脅威はなくなる。
穴が閉じてしまえば、異界王はもうこの世界にはこれなくなる。
だから魔王は、異界王を連れていき、ついでに穴を閉じようとしているのだ。

異界王「ぐあああああああ!!」

魔王「待ってて……もう少しで戻れるから……もう少しで苦しみから解放されるから……」

側近(魔王様の魔力を吸い取っているのか?異世界への穴がどんどん小さくなっていく……)

魔王「間に合え……!穴も……俺の命も……異界王の命も……間に合えぇー!!」
332: :2012/10/12(金) 23:16:45 ID:6xWpg1Pyas
二人が穴に突入するのとほぼ同時に、異世界への穴は閉じてしまった。
さきほどまで大穴が存在していた空間だがその姿は既になく、光を得始めた明け方の空が映るだけだった。
その場に残ったのは、荒れ果てた共存の街、そして側近一人だけだった。

「……魔王様、嘘ですよね?出てきてくださいよ」
「魔王様が消えるなんて、あり得ないですよ。だからほら、姿を見せてくださいよ」
「ま、魔王様……そうだ、モテる方法を探すんでしょう?……まだ途中じゃないですか……」
「だから魔王様……姿を現してください……お願い……しますから……!」

涙を流しながら側近がこう呼び掛けても、異次元の彼方に消えた魔王にそれが届くことはなかった。

……こうして、共存の街で起こった一連の事件は終わることとなった。
人間と魔物を共存へと導いた一人の英雄の犠牲によって。
333: :2012/10/12(金) 23:17:56 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

……大変なことになってきました。
異世界に消えてった魔王様ですが、この御話はどうなるんでしょうか。
俺のお腹が最近けっこう痛くなってきてるんですが、最後まで持つんでしょうか。
その辺はもう見守るしかないですね。

今回の更新のまとめです。
>>325-332
334: 名無しさん@読者の声:2012/10/12(金) 23:20:16 ID:n5SpKGfylU
魔王があああ!
これ助かるんかな…やっぱまだ兜着けてる?

支援
335: 名無しさん@読者の声:2012/10/12(金) 23:27:35 ID:gSvuiogmPI
魔王がぁぁぁ!
無事を祈ってます(・_・;)

つC
336: 名無しさん@読者の声:2012/10/12(金) 23:42:38 ID:PP7fykSahQ
え!?
なんて寸止め…
明日も拝見します!

魔王戻ってこーい!女勇者ちゃん泣かしたらしばくぞお!

あ>1さん、いつものです

つCCCCCC
337: 名無しさん@読者の声:2012/10/13(土) 07:25:04 ID:E4SxfhN7f.
魔王ぉぉぉ!貴様ー!側近という親友を泣かしたなー!ポロポロ

(;−;)つ四円
338: 名無しさん@読者の声:2012/10/13(土) 09:49:22 ID:V5NCU2kcCg
えっ




えっ
339: ♯謎の男:2012/10/13(土) 17:33:01 ID:E4SxfhN7f.
えっと、マトリョシカ人形作ろうとして、この話をノートに書いたものです

えっと、友達に見せ、ノートを返すときの言葉が「What's this ?」でしたw
この子は凄い物を見るとこれをいうので褒めてます!
前作から見てますがこんなことになろうとは…
あと、魔王と側近の絵を書かせていただきました。機会があれば絵スレにあげていいでしょうか?
二つとも「What's this ?」って聞かれましたw

(;A;)つー四円

長文アンドスレ遅、自分語りすみませんでしたー!
340: :2012/10/13(土) 22:32:56 ID:6xWpg1Pyas
>>334-339
やっぱりこういう雰囲気になりますよね。
>>17で防衛線を張ったり>>78>>165みたいなこと書いたりしてたんですけど、いざその時になるとやっぱりやっちゃった感が半端ないです。
まあでも最後まで頑張るしかないです。支援をエネルギーにして頑張りますよ、最後まで、俺は。

>>334
最後の最後まで兜はつけてました。最後まで弱体化して戦闘してたっぽいです。

>>335
魔王が無事なのかどうか……その辺は今後を見守ることで確認していただければと思ってます。

>>336
でもこのままだとたぶん女勇者は泣きますよね。魔王様がしばかれるのは確定的に明らかでしょう。

>>337
側近が泣くっていうのはけっこう珍しく思えます。普段はあんな感じでも、やっぱり大切な存在なんですよね。

>>338
最初>>333の本文をこれにしようとしてました。ほんとこんな感じになる展開ですよね。

>>339
友達すごい国際色豊かな方じゃないですかwww言語も性格もww
絵に関しては問題ないです。是非とも投下しちゃってください。
341: :2012/10/13(土) 22:36:23 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……え?」

女戦士「側近……それ、マジか?」

側近「……ああ。魔王様は異世界に消えた。……恐らく死亡したと思われる」

女勇者「……う、嘘よね?ま、魔王が死ぬわけないもん……」

側近「……信じたくない気持ちはわかる。だが事実だ」

側近「魔王様は……異界王を殺さずにこの世界を救うべく……自らの命を断ったんだ」

女勇者「嘘だよ!」ドンッ

女魔法使い「ひっ」ビクッ

女僧侶「女勇者さん……」

女勇者「消えるわけないよ!死ぬわけないよ!あいつは……どんな苦境もはね返すような男なんだもん!!」ポロポロ

女勇者「穴が消えた!?また作ればいいじゃない!!それに死んだところを見たわけじゃないんでしょ!?勝手なこと言わないでよ!!」ポロポロ

側近「聞き分けろよ!!魔王様は異世界に渡った!!もう異世界へ行く手段はない!!」

側近「それに魔王様は魔力を全て使った!!どういうことかわかるだろ!?死んだんだよ、魔王様は!!」

女勇者「うっ……うぅ……」ポロポロ

側近「……すまん」

女僧侶「み、皆さん、落ち着きましょう。ショックなのはわかりますが、錯乱したままでは話し合いも出来ません」
342: :2012/10/13(土) 22:37:23 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「……どうすんだよ?」

側近「魔王様は、この世界に平和をもたらした偉大なる御方だ。その死は……全土を混乱に陥れるだろう」

側近「……まずは人間界の王に報告しよう。そして魔王様亡き今、残された我々が今後世界をどうしていくかを考えねばならん」

側近「そうしてある程度今後の方針が定まったところで、民に知らせよう。魔王様が亡くなっても、明確な今後の方針があれば混乱も少しは和らぐだろう」

女戦士「……和らぐかねえ?」

女僧侶「魔王さんは人間界、魔界関係なく慕われてる方です。そんな魔王様の死による混乱が、今後の方針を定めるくらいで収まるとはとても……」

女僧侶「でも……他に方法もないですね。わかりました。そうしましょう」

側近「じゃあ王都に向かうか。女魔法使いは……王都まで移動魔法使うのきついよな?」

女魔法使い「……」コクコク

側近「わかった。じゃあ一人ずつになるけど……俺の移動魔法で皆を移そう。一人ずつ俺に触れてくれ」

女戦士「んっ」ピトッ

側近「それじゃ行くぞ。残りは、またすぐ戻るから待っててくれ。それじゃ」シュンッ

女僧侶「ほら、女勇者さん……皆で王都に行きましょう」

女勇者「うぅ……うぐ……」ポロポロ
343: :2012/10/13(土) 22:38:01 ID:6xWpg1Pyas
王「おお、側近か!それに女勇者達も!」

王「女勇者、共存の街の調査について何も報告を受けておらぬが、一体どうなっておるのじゃ?」

王「噂では、共存の街の住民は謎の失踪を遂げたと言うし、謎の人物が世界征服を企み魔王との決闘を望んでおるとも聞く」

王「一体、共存の街で何が起こっているというのじゃ?わかっていることがあれば、報告願いたい」

王「側近もよろしいか?噂が本当であれば、魔王にも決闘の話が届いておると思うのじゃが」

女僧侶「王様……共存の街の件なんですけど、その……」

女戦士「あのー……何て言いますかねえ?えーっと……その〜……」

女勇者「……」

側近「……女勇者達への依頼も含めて、私から説明させていただきます。共存の街についてですが……」
344: :2012/10/13(土) 22:38:39 ID:6xWpg1Pyas
王「……な、なんと!側近よ、それは本当か!?」

側近「はい、事実でございます。魔界の王、魔王は異世界から来た敵を退ける際に……戦死しました」

王「何ということじゃ……自らの命を捨てて、この世界を守ってくれたのか……!」

側近「魔王亡き今、この世界は以前のように混沌に満ちるかもしれません。人間界と魔界は今後どのように行動致しましょう?」

王「ふむ……魔王という強烈な存在がなくなった今、世界の各地に隠れておった戦争派の活動が活発になる可能性もあるな」

側近「私もそこは懸念しております。魔王亡き今なら武力行使に走るということも十分考えられます」

王「ただ……多くの者が亡くなったわけじゃからこう言うのも心苦しいが、異世界の者の企みに巻き込まれたから戦争派の戦力もだいぶ落ちた」

側近「そうですね。今の戦争派の戦力を考えれば、事前の準備さえ整えておけば大した被害もないまま鎮圧できると思います」

王「そうして捕らえた者達は一体どうするつもりじゃ?」

側近「王様。魔王にそう質問したら、どのような答えが返ってくると思いますか?」

王「……そうじゃの。すまぬ、聞くまでもないことじゃった」

側近「……魔王が亡くなったとしても、その志までは失わせません。一部下として、しっかりと受け継いでいく所存です」
345: :2012/10/13(土) 22:41:18 ID:6xWpg1Pyas
王「とりあえず、極秘に歴代勇者を召集し、魔王の死が全土に伝わる前に各街の護衛に当たらせよう」

王「今は世界中が共存の街の噂で混乱しておる。勇者達を同時に遠征に向かわせても、それらの対処だとして戦争派に疑わることもなかろう」

側近「混乱……魔王の死を発表すれば、今のと比べ物にならない混乱に陥る可能性があります」

王「今回の件で懸念せねばならんのはむしろそっちじゃろうしな。……情けない話じゃが、今の人間界では、わしよりも民から信頼されておった男じゃった」

王「誰もが感謝し、その優しさで慕われ、皆の希望の指針となる男じゃった。そんな魔王の死が知れ渡ったら……」

側近「かといって、いつまでも隠すわけにもいきません。我々としても、新たに魔王職に就く魔物を探し、それを発表せねばなりません」

王「伝えるしかないようじゃの。民はこの事実を受け入れられるのじゃろうか……」

側近「……」

王「……まあよい。まずは各街へ勇者達を向かわせよう」

王「それには時間がかかる。その間に魔界の方もどうしていくかを決めておくべきじゃろう」

側近「そうですね。新たな魔王をどう決めるかという問題もあります」

王「そっちの問題が片付き、街の護衛も行き渡ったら、民に知らせるとしよう」
346: :2012/10/13(土) 22:42:06 ID:6xWpg1Pyas
王「すまぬが、そっちの問題が片付いたら、移動魔法で再びここに来てくれぬか?こちらには、人間界と魔界を移動魔法で行き来出来るほどの使い手がおらぬ」

側近「わかりました。そうしましょう」

王「女勇者達もそれでいいな?」

女勇者「……」

王「……女勇者?」

女戦士「あっ!了解、了解っす!それでいきましょー、王様!」

王「う、うむ。分かったのならいいのじゃ」

側近「それでは私は戻ります。魔界は魔界でやらなければならないことがありますから」

王「うむ。わざわざ御苦労であった。お互いひと段落ついた頃に再び会うとしよう」

側近「それでは失礼します」シュンッ

王「帰られたか。では、こちらも動くとしよう。大臣、各勇者を呼びだすのじゃ」

大臣「かしこまりました」

女勇者「……」
347: :2012/10/13(土) 22:43:08 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

ミサワみたいなこと言いますけど、俺今日二時間しか寝てません。
そろそろね、眠気が限界なんですよね。俺今日二時間しか寝てませんから。
しっかり更新はするけど、俺今日二時間しか寝てねえからつらいなー。俺今日二時(ry

今回の更新のまとめです。
>>341-346
348: 名無しさん@読者の声:2012/10/13(土) 22:58:14 ID:qFdzqEXCQY
お疲れさまです…
次の更新楽しみに待ってます
349: 名無しさん@読者の声:2012/10/13(土) 23:13:59 ID:SsZ2TaGctg
あー魔王女勇者ちゃん泣かせたー…
・・・しばくぞゴルア!(°Д°)

だから早く戻ってこいよー…
つCCCCC

>1さんちゃんと寝ましょう…。
つ眠くなる数学の公式集
350: 名無しさん@読者の声:2012/10/13(土) 23:19:48 ID:n5SpKGfylU
魔王が死ぬわけない…
ああ!女勇者ちゃん泣かせたな!許さん!

つ支援
351: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 01:31:20 ID:dYjUAH.9VA
側近や女勇者を思うと悲しい…
あと作者さんちゃんと寝ましょうねww
つC
352: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 05:27:50 ID:E4SxfhN7f.
魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がいなくなる訳無い魔王がああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!

ま、魔王ならぎりぎり命拾いして向こうで秘伝の書とか読んで魔法覚えて帰ってくるよね?帰ってこない訳無いよね?
はぁ、俺の中で魔王はどれだけの存在だったんだろう…
SSの登場人物がいなくなっただけでやるせない気持ちになってるとか。うわああああああん!

でも、魔王は魔王で戻ってきたら

側近「魔王様!心配したじゃないですか!この、魔王様!」

魔王「え、あ、ごめん!え、何で女勇者ちゃんが泣いてるの?え、あ、側近?痛い痛い痛い!帰ってきて早々、間接技かけるのやめてー!」

みたいになるかなーと思いました。

つ四円×30000
つ王族魔法秘伝の書

いがいと、異界が、側近たちのいる世界と同じな気がする…

魔王は最強魔王は最強魔王は最強魔王は最強魔王は最強魔王は最強魔王は最強魔王は最強魔王は最強
353: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 13:56:03 ID:HvM75BNKNc

一位おめ!
354: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 14:26:39 ID:2fg2uFmWEk
ペンダントと兜がキーアイテムな予感…
続き楽しみ
355: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 15:37:06 ID:5DhxIxj3Ng
>>354
そうゆうことは思っても言わないほうが良いと思われ


頑張ってC
356: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 18:23:13 ID:E4SxfhN7f.
一位おめでと!
357: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 21:13:35 ID:vLej8d.H7Q
返レスは無理せずに後回しにする時があってもよいのではないかと!思います!

つCCC
358: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 21:33:49 ID:HwK8QNUiQU
魔王てめー女勇者ちゃん泣かせやがって!
もう魔王には任せてられない
女勇者ちゃんは俺の嫁
359: :2012/10/14(日) 22:20:27 ID:6xWpg1Pyas
まずはランキングの話を。
さきほどこれが一位になってるのを確認させていただきました。
前作に続いて今作もこんなに支持していただけて本当に嬉しいです。
正直に言いますと、今現在の展開は当初から予定していまして、ここらで見限られたりしないかと不安だったんですが。
最高の結果で応えてもらえて、ただただ感無量です。ミサワやってる場合じゃありませんでした。
今のうちに吐露しておきますと、こっからテンポも悪くなるんじゃなかろうかと危惧しているのですが。
こうして支えてもらっている以上、弱音吐いてても仕方ないでしょう。頂に導いてもらったことに応えられるよう全力を尽くす意気込みで進みます。

次から返レスです。たくさんの支援やレスをありがとうございます。
360: :2012/10/14(日) 22:21:29 ID:6xWpg1Pyas
>>349>>351
ミサワ式アピールの全貌なんですが。
バス釣りが趣味の友達がいまして。釣り仲間の都合が悪かったという理由と一人じゃ危ないような場所行くっていう理由で俺が誘われたんです。
で、約束の日です。要するに昨日ですね。集合時間的に起きる時間は朝五時という運びだったんですが。
でも俺は初めてのバス釣りによる緊張&イベントを迎えてわくわく効果で寝れなかったんですね。
そのせいで寝れたのは結局三時頃でして。そっから五時に起きていざバス釣りへって感じでした。
休みだったのでバス釣りはほぼ一日続きまして。帰って即座に寝ようかなと思ったけど更新の必要があるなと寝るのは我慢しまして。
そしてミサワ式アピールに繋がったわけですね。場所は細かく変えてましたが夕方頃まで続けて正直疲れました。
でも道具借りてやり方教えてもらって、結果的に二匹釣れたので嬉しかったです。
361: :2012/10/14(日) 22:22:31 ID:6xWpg1Pyas
>>348
更新楽しみと言ってもらえて嬉しいので、しっかりと更新頑張っていこうと思います。

>>349-350
やっぱり泣いちゃいましたね。仕方ないかもしれませんけど。
こうして皆が悲しんで悲痛な雰囲気になっちゃってるので、是非とも魔王様を信じて帰ってくるのを待ってたい状況ですね。

>>351
その二人は特にやばいでしょうね。特に親しかった感じの間柄でしたしね。
魔法学の街の宿でも同室だった間柄ですよ。一緒にスターフォックスやる約束とかどうすんだって感じですよね。

>>352
落ち着いてくださいwwわくわくして寝れなかった俺が言うのもあれなんですけどもwww
とりあえず皆さんの予想とかはいろいろあると思いますが、今の段階で答えるわけにはいかないので、最後まで見るという形で答え合わせしていただければと思います。

>>353>>356
ありがとうございます。いやね、本当すごいことですよね。何だかお腹も痛い感じですよ。
緊張感と言いますかプレッシャーもあるんですが、そんな中をうまいこと切り抜けて頑張りたいですね。

>>355-356
個人で予想するのは別にいいんじゃないでしょうか。とりあえず俺は大丈夫だよって言っときます。
他の方に迷惑にならないよう気をつけつつ、気楽に自由に楽しんでいただければ幸いです。

>>357
返レスは個人的に好きな行為なので無理はしてません。けっこう楽しんでやってます。
それに……こうしてまとめてやっといたら、完結後に本編とわけてまとめる際に>>347-361みたいにまとめられます。それって素敵やん?

>>358
女勇者さんは今傷ついてますからね。そういう時に優しくしてあげたら好感度ギュイーンってなるんじゃないでしょうか。
なので嫁にするなら今頑張るしかないかもしれません。ただ、あなたが女勇者を本当に嫁に出来たら、俺はあなたに爆発しろって言います。
362: :2012/10/14(日) 22:23:45 ID:6xWpg1Pyas
側近「……まさか、この城に一人で帰ってくることになるなんてな」

スライム「すー……すー……」zzz

側近「おいコラ、寝るな。門番の意味がないだろ」

スライム「んんー?……うわあ、側近様!?ごめんなさい!」

側近「すぐに城内に戻れ。城の皆に説明しないといけないことがある」

スライム「え?あ、はい。わかりました。……あの、魔王様は?」

側近「……それを含めて説明する。いいから戻れ」

スライム「わ、わかりました……」
363: :2012/10/14(日) 22:24:43 ID:6xWpg1Pyas
龍人「おい、側近!どうなったんだよ、タイマンは!?何であの馬鹿がいないんだよ!?」

側近「急くなよ。今から説明するさ」

ゾンビ「……決闘は終わったんですか?」

側近「ああ、決闘は終わった。この世界は守られたんだ」

龍人「守られた?じゃあ勝ったってことだろ?何で馬鹿がいないんだよ?」

側近「……魔王様は、命と引き換えに敵を追い返したんだ。異世界に渡り、魔力を使いきって死んだ」

ドラゴン「……え?」

龍人「おい……てめえ、今なんつったよ?」

側近「……魔王様は死んだ。もうこの世界にはいない」

スライム「う……嘘ですよね?」

側近「本当だ」

ゾンビ「そんな……」

龍人「あの馬鹿野郎が!あいつのことだ、どうせ相手を殺さぬように戦ってたんだろ!それで自分が死んでどうすんだよ!」
364: :2012/10/14(日) 22:26:08 ID:6xWpg1Pyas
龍人「くそ……側近、新しい魔王はお前がなれ」

ドラゴン「龍人!魔王様が死んだってのに、そんな簡単に切り替えんのかよ!」

龍人「切り替えなきゃならねえだろ!めそめそしたって死人は帰らねえ!残った俺らで魔界をどうにかするしかねえんだよ!」

龍人「国のトップが不在のままじゃ、国は機能しねえし民の不安は増すばかりだろ!なら故人を想ってもたもたしてる暇はねえ!」

龍人「俺達が今しっかりしないと、あいつに合わせて魔界も死ぬぞ!俺達は今、あいつが残した平和な魔界を守るべきだろ!違うか!?」

ドラゴン「……いや、違わない。すまない、少し感情的になってた……」

龍人「……いいさ。俺だって正直内心は穏やかじゃねぇ。でもまあとにかく、そういうことだ」

側近「新たな魔王を早急に決めるのは賛成だが、俺が魔王職に就くのは適任ではない」

龍人「は?いやいや、お前以外に適任者なぞいねえだろが」

側近「実力は龍人の方が上なんだ。魔界の王はお前がなればいい」

龍人「ふざけてんじゃねえよ!そんなもんが今の魔界の指針じゃねえのは、てめえもよく知ってんだろ!」

龍人「自分で言うのも悲しいが……俺は戦闘馬鹿の無能なんだよ!とても魔物の上に立つ器じゃねえ!」

龍人「魔王ほどの男が死んで、その後釜をどうにか出来るのはお前だけなんだよ!」

側近「……出来ねえよ」

龍人「あ?」

側近「それほどの男を殺したのは、俺なんだぞ!」
365: :2012/10/14(日) 22:27:21 ID:6xWpg1Pyas
スライム「え?」

ゾンビ「どういう意味ですか?魔王様を殺したのは敵ではないのですか?」

側近「……龍人の言う通りだったんだよ。あんな奴の命や未来なんか思い遣らず、さっさと殺してしまえば魔王様は死ななかった!」

側近「戦闘は凄過ぎてよく見えなかったが……魔王様はところどころ止まってあいつに優しい言葉を投げかけていた」

側近「結局はそれが魔王様の死に繋がった!魔王様は敵の代わりに死んだようなもんなんだよ!」

龍人「それが何でお前が殺したことになるんだ?」

側近「魔王様は決戦の直前まで自身の在り方について悩んでいた。……そんな時に俺は背中を押してしまった」

側近「魔王様は優しく在ってくれって。魔王様のまま異界王を止めてくれって。それを馬鹿正直に守って……魔王様は死んだんだ!」

ドラゴン「そういうことですか……」

龍人「……てめえらしくねえな、側近。あの馬鹿が底なしに優しいのはお前が一番知ってることだろ?」

龍人「あの馬鹿なら、誰に後押しされることなく、遅かれ早かれそう言う結論に至ってたろうよ」

龍人「あれは魔王が選んだ生き方だし、魔王を殺したのは敵であってお前じゃない。それはお前が気にすることじゃない」

側近「それでも、あの時きっかけになったのは俺なんだぞ!魔王様を死に追いやって、女勇者にも怒鳴って当たって、最低なんだよ、俺は!器じゃないんだよ!」

龍人「ちっ……重症だなあ、こいつぁ」

ドラゴン「龍人……どうしよう?」

龍人「少し休ませたれや。おーいスライム、側近を自室まで連れてってやれ」

スライム「う、うん」
366: :2012/10/14(日) 22:28:42 ID:6xWpg1Pyas
ゾンビ「連れてったね……」

ドラゴン「側近様があそこまで取り乱すなんて……」

龍人「あいつは魔王のベストパートナーだったからな。俺たち以上にあの馬鹿の死は重いんだろう」

龍人「……ああやってあいつが取り乱してるから、こっちは冷静になれてるのかもな」

ドラゴン「龍人、次の魔王について側近様はああ言ってたけど……」

龍人「こっちの言い分を曲げる気はねえよ。次の魔王はあいつだ。俺とか論外だろ」

ゾンビ「でも、あの様子で魔王職が務まるのかな?」

龍人「側近クラスの人望があれば、いるだけでも違うさ。混乱の世に信頼できるシンボルがあるとないとじゃ全然違うぜ」

ゾンビ「龍人……本当に冷静だね」

龍人「側近が平常運転だったら、これ以上に冷静で知的に振る舞うさ。俺はまだまだだよ」

龍人「とにかく、次の魔王はあいつだ。それだけは間違いねえよ」

ドラゴン「そっか……じゃあ早速魔界全土に向けて発表する?」

龍人「いいや、ちょっと待て。内容が内容だからな、慎重になった方がいい」

龍人「発表した際の混乱に乗じて、潜んでる戦争派が行動に出るかもしれねえしな。タイミングは窺うべきだな」

ゾンビ「そのタイミングって、具体的にはいつ?」

龍人「……いつだろうな?よくわかんねえや」

龍人「とりあえず人間界の方にも相談してみっかな」
367: :2012/10/14(日) 22:30:02 ID:6xWpg1Pyas
龍人「っていうわけで俺が来たぜぇ」

兵「な、何しに来た!悪しき龍人族め!」シャキン

王「剣を収めよ!魔界からの客人に失礼であろう!」

龍人「あー、気にすんなよ、王様。俺が一年前にしたことを考えれば当然の反応だ」

王「しかし……龍人は改心し、今は世界平和に尽力しておるではないか」

龍人「人も魔物もそうやって簡単に割り切れたら争いなんて起こらなかったよ」

王「……すまぬ」

龍人「いいよ。気にしなさんな」

王「……ところで、側近はどうした?」

龍人「その前に……王様よ。おたくら人間は今の状況についてどれだけ知ってる?」

王「む?側近から話を聞いたのではないのか?」

龍人「は?いや、帰って早々はぶてて引き籠ったけど」

王「側近は我々のところに相談に来て、今後のことを共に決めたのだが……」

龍人「……聞いてねえなあ。あの野郎、ショック受けすぎで基本的な報告も忘れてやがったか……」

王「わしと話をした時は冷静だったのじゃが……」

龍人「強がりだろうな。魔王が死んで、あいつ相当ショックだったみたいだぜ」

王「そうか……では龍人に話をしておこう」
368: :2012/10/14(日) 22:31:46 ID:6xWpg1Pyas
龍人「……そういうことになってんのな。うん、それがベストだろうな」

龍人「魔王職は側近にやらせることになったよ。あんな状態だけど、いるだけでも違うからな」

龍人「そんで、勇者達の派遣はもう済んだのか?」

王「いや、もうしばらくかかりそうじゃ。悪いが、もうしばらく待ってくれんか?」

龍人「おうよ。別に構わねえさ」

王「しかし、側近がそのような状態になるとは……」

龍人「本当は、側近の口から民に知らせるのがベストだったんだろうな」

王「わしもそう思う。しかしその状態では……わしが伝えるか?」

王「いや、情けない話じゃが……わしには側近ほどの人望はない。わしが民の不安を拭えるだろうか……」

龍人「でも俺が言うわけにもいかねえだろ。俺は……一年前にやらかした大悪党だしな」

王「龍人は今では良い魔物ではないか!」

龍人「王様、言ったろ?俺達は簡単には割り切れない生き物なのさ」

龍人「そういうことだからよ、王様が伝えてくれ」

龍人「王様だって人間界を導く心優しい人なんだしよ、自信持っていけよ」

王「ふむ……」
369: :2012/10/14(日) 22:33:35 ID:6xWpg1Pyas
それから数日後、各勇者達から護衛の準備が整ったという連絡が入った。
その頃には世界中に、共存の街の住人が失踪したという噂や、新たな敵が出現したという噂が出回っていた。
その真偽もわからぬまま毎日を過ごし、民の不安もピークに達していた。
勇者の根回しは既に済んでいる。もうこれ以上だんまりを決め込むのは限界だと考えた王は、今こそ真実を伝える決意をした。
人間界に、魔界に、この世界の全ての者に向けて王は発表した。

共存の街の住人は魔道師の悪意に巻き込まれ死亡したこと。
異世界よりこの世界の破壊を目論む敵が現れたこと。
そんな敵を魔王が追い返してくれたこと。
そして、それに伴って魔王が死亡したこと。

王は全てを包み隠さず伝えた。それによって、世界の誰もが魔王の死を知るところとなった。
懸念した通り、この世界に平和をもたらした魔王の死は人々にショックを与え、瞬く間に混乱で満ちていった。
また、この機に世界情勢を変えんとして戦争派も活動的になり、各地で暴動が起き始めた。
事前に派遣しておいた勇者達が鎮静を図ったため大事には至らなかったが、これからの世界が荒れ始めるのを予感させるには十分な出来事だった。
370: 1「安価間違ってませんように」:2012/10/14(日) 22:36:10 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

個人的にはここらで一区切りだと思ってますので、一旦ここらで今までのをまとめておきます。

モテる方法を探せ!魔王と側近馬車旅編
>>1-14>>18-24>>25-37>>41-51>>52-57
>>60-67>>68-76>>79-86>>89-95>>96-107

皆で調べろ!共存の街編
>>108-114>>119-124>>128-134>>137-149>>154-162
>>166-172>>176-184>>188-195>>200-207>>212-218
>>220-225>>229-237>>248-253>>259-264>>271-278
>>285-292>>306-318>>325-332>>341-346>>362-369←NEW!

次回から新しいパートに入ります。
だからって何かが劇的に変わるわけでもありませんが。
371: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 22:38:05 ID:n5SpKGfylU
魔王ほんとにどうなるんだろ…
続きが待ち遠しい!

つ支援
372: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 22:41:47 ID:.JmhmQ0uJk
超絶リアルタイム!
感激(´∀`)
でも続きが気になってソワソワスル(((゚∀゚)))

CCC⊂(((゚∀゚)))
373: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 22:42:42 ID:pBDQOsZlpc
なにこの龍人のイケメンっぷり…
嫌いだったんだけどな…あれ…この感情…まさか…


つCCCCCC
374: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 23:00:41 ID:E4SxfhN7f.
魔王はいつになれば出るんだ!

あんまり魔王出さないとコナンの世良に移っちゃうよ(.>×<.)
375: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 23:05:52 ID:IlQ0U90yt.


龍人かっこよいよハァハァ
また魔王様と側近のほのぼの見られるのかな…
376: 名無しさん@読者の声:2012/10/14(日) 23:37:00 ID:gFtlI362hQ
やっぱ龍人好きだわー!
今までの龍人好きレスは私一人だったから、仲間がふえそうで嬉しいような切ないような←

側近も早く立ち直りますように…
377: 名無しさん@読者の声:2012/10/15(月) 06:00:18 ID:JwQYWUGszg
毎日更新お疲れ様です。楽しく読ませて頂いてます。
龍人がスゴくいい子になってて、何だか嬉しい。
378: 名無しさん@読者の声:2012/10/15(月) 20:33:43 ID:29R0cXBsZU
記念真紀子
379: 名無しさん@読者の声:2012/10/15(月) 22:46:28 ID:PshM9LK1Oo
なんかこのSS読んだらドラクエやりたくなってきたww
作者さんはおすすめのシリーズなんですか?

つC
380: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/15(月) 23:31:35 ID:6xWpg1Pyas
>>371
魔王や皆がどうなるのか、その続きを見てもらうためにも頑張って書き溜めます。
正直書き溜めがいよいよやばいのですが、本編完結までは毎日更新をキープしたい、その一心で足掻くとします。

>>372
ここの1が出現する時間帯は21〜1時の間くらいです。休みの日はたまに昼とかに出現しますが。
その中で、特に出てくる可能性があるのは22〜0時の間です。これくらいの時間にうろついてれば案外出くわすように思います。
あとは骨付き肉とかあげてから倒せば、起き上がって仲間になりたそうにそっちを見ると思います。頑張ってください。

>>373
人も魔物も変わるもので、龍人は一年間で見事に悪役を脱却しました。
そうして変わっていってるので、周りも許してくれたりしたら龍人もきっと嬉しいはずです。
そんなわけで、あなた様も是非龍人を好きになってあげてくださいね。

>>374
魔王「本編では出れるかどうかの段階からわかんないから、ここで出てみたよ!」
魔王「戻れる戻れないはわからないとして、しばらくは本編用無しっぽい雰囲気には感じるから、しばらくは返レスに身を寄せるのもいいかもね」
魔王「俺ほんとにどうなっちゃうんだろうね?なんか側近も女勇者ちゃんもすごい心配だよね……」
381: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/15(月) 23:32:34 ID:6xWpg1Pyas
>>375
俺も魔王と側近の雑談を書きたいですねー。あれね、書いててすごい楽しいんですよ。
いや、本当にくだらないことをぐだぐだ話させるの楽しんですって。皆さんも何か書いてみてって勧めたい域ですよね。

>>376
もしかして>>125さんですか?いや、龍人好きレスはこれくらいしか心当たりなかったんですけども。違ったらすみません。
側近はハーピーと正式につきあってまして。魔王様も女勇者と両想いなんで何かきっかけがあれば結ばれるような状況で、少なくとも今までで十分良い感じじゃないですか。
そうなると龍人が独り身なのもかわいそうかなって密かに思ってまして。皆さん、龍人の恋人に立候補してみます?

側近はほんと立ち直ってほしいですね。魔王様に吐いていた毒舌が蘇る日は来るのでしょうか。

>>377
龍人がいい子になれたのは、前作の小話であった子゙ーレムとのエピソードが大きいですよね。
そして、その場に導いてくれたのは、見捨てないでくれた魔王様なんですよね。
龍人がこうして改心できた点において、ほんと魔王様に感謝って感じですよね。

>>378
記念カキコありがとうございます。
せっかく真紀子バージョンで書いてるので、田中真紀子っぽく返事してみようかと企みましたが。
とても俺の力量で扱える代物ではありませんでした。勇気ある撤退をこなすとします。
382: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/15(月) 23:33:19 ID:6xWpg1Pyas
>>379
前作から今日に至るまで、こんだけゲームの話題を出してるにもかかわらず、実はドラクエは7と9しかやったことないです。あ、あとGBのドラクエモンスターズ。
一応9までの話なら、1と4以外の知識は蓄えてはいます。何なんでしょうね、俺は?メジャーどこを避けて通ぶりたい人種なんでしょうか。
そんなわけで、俺は7を勧めます。序盤はいろんな意味で賛否両論でしょうし、シナリオもえげつないですが、全体的には面白いと言っていいんじゃないかと思います。
シナリオに沿ってやっていきたいだけの人にも、いろいろとやり込みたい人にも安心の一品ではないでしょうか。
ただ、謎解きがくどいと嫌になる人、お使い感が強いと嫌になる人にはあまり勧められないでしょうね。特にマップの行き来や石版探しは大変ですし。
そういう部分で行き詰ると、確かに進められなくて苛立ちも湧くように感じます。
また、シナリオも相当えげつなくて、残酷な展開や鬱っぽい展開に耐性のない人にも厳しいかもしれません。やる人を選ぶゲームではあるでしょうね、確実に。

評価をググったりしてみると低評価が目立つように感じましたが、俺は案外楽しめました。
それは俺がドラクエ7を「ドラクエ」じゃなくて「RPG」として見てるからなんでしょうか。
他のシリーズやったりしたらまた心変わりするんでしょうかね。機会があればやってみたいものです。
383: :2012/10/15(月) 23:35:05 ID:6xWpg1Pyas
魔王死亡の発表から数日。

魔物A「おらおらー!どけどけ、人間共!」

魔物B「このまま王都制圧したるぞ、こらー!」

市民「うわあ!助けてー!」

女戦士「……調子乗ってんじゃねーぞ、雑魚共!」ゲンコツ!

魔物A「え……ぎゃあああ!」デュクシッ

魔物B「ひいいい!」デュクシッ

女戦士「ったく、そんな弱さで王都制圧とか、妄言は酔ってから言えってんだよ」

市民「女戦士様、ありがとうございました!」

女戦士「いーよ別に。これが私の仕事なんだしな!」

女戦士「それより……この二匹は責めても、魔物そのものは責めんでやってくれな」

市民「……わかってます。魔王様だって……魔物だけど優しかったですしね」
384: :2012/10/15(月) 23:36:10 ID:6xWpg1Pyas
市民「女戦士様が王都を守ってくださるおかげで、俺達は安心して生活できます。ありがとうございます!」

女戦士「どうせなら女勇者や女魔法使い、女僧侶がよかったろ?わりいな、私みたいな男女が担当になっちまってwww」

市民「いえ、そんなことはありませんよ!女戦士様も大変お美しいですよ!」

女戦士「お世辞ありがとな。……各街に一人ずつの派遣だからなー」

女戦士「馬車旅数日で魔界から人間界行ける描写しちゃったり、判明してる街とかが少ないから狭いって印象あるけど」

女戦士「それでも実際にはかなり広い世界だし、街もたくさんあるからな。一つの街に勇者パーティ丸々派遣してたら足りなくなっちまうからな」

市民「ど、どうしたんですか?急に説明口調になりましたけど」

女戦士「いいんだ、気にするな!まっ、とにかく私がいる間は王都を平和にしてやっから、お前らは安心して過ごしてろ!」

市民「はい、ありがとうございます!」

女戦士「じゃあ私はこのアホ二匹を牢獄にでもぶちこみにいくわ」

市民「はい、失礼します!」

女戦士(……まあ、実は王都にはもう一人いるんだけどな)
385: :2012/10/15(月) 23:37:04 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「うーっす、女勇者ー、生きてっかー?」ガチャッ

女勇者「……」

女戦士「おいおい、今日も飯食ってねえのかよー。私だって頑張って作ってんだぞー」

女戦士「まあ確かに見た目はわるいかもしれんが、酒飲み仲間からは味は好評なんだぞ?」

女戦士「まあ酒でべろんべろんに酔ってて、味がわかんないせいかもしれんけどなwww」

女戦士「ほらー、身だしなみもちゃんとしないと。せっかくの美貌が台無しだぜー?」

女戦士「美容にずぼらな私のがマシな状態って、お前今どんだけなんだよwwwほら、手伝ってやるからしゃきっとしようぜ」

女戦士「なんか私通い妻みたいだなwwwどっちかっつーと私のが夫役似合いそうなもんだがwww」

女勇者「……」

女戦士「……なあ、元気出そうぜ。今のお前見てると私も辛くなるよ……」
386: :2012/10/15(月) 23:37:59 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……私が魔王を殺した……」

女戦士「またその話か。聞き飽きたって」

女勇者「私が……一方的に魔王に世界の行方を託したから……」

女戦士「だから言ってるだろ?あの時、魔王に全てを託したのは女勇者だけじゃないよ。私達だってそうだったよ」

女戦士「世界中の皆が状況知ってたら全員魔王に任してただろうし、魔王本人もそれで納得してたって」

女戦士「魔王を殺したのは敵!女勇者は悪くない!だから元気出せよ」

女勇者「……女戦士はよく元気でいられるね」

女戦士「……あ?」

女勇者「魔王が死んだのに……何でそんな元気なの?」

女勇者「女戦士は魔王のことなんかどうでもいいんでしょ?」

女勇者「私は魔王が大好きなのよ!大好きで愛してて……だから悲しくて仕方ないのよ!」

女勇者「魔王のいない世界でどう元気になれっていうの!?もう私の命に意味なんかないよ!」

女戦士「おい……お前、本気で言ってんのか?」

女勇者「ああ、そうか。死んだら魔王に会える……」

女戦士「このボケがぁ!」パーンチ

女勇者「ぐっ!」バキッ
387: :2012/10/15(月) 23:38:58 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「どうでもいいわけないだろ!悲しくないわけないだろ!」

女戦士「そりゃ私は愛してなかったけど……それでも友達として大好きで、そんなあいつが死んで悲しいよ!」

女勇者「じゃあどうしてそんなに元気でいられるのよ!」

女戦士「それがあいつの望みだからだろ!」

女勇者「っ!」

女戦士「あいつは何で死んだんだ!?皆を、お前を苦しめたくてか!?違うだろ!」

女戦士「皆に、お前にこの世界で幸せになってほしかったからだろ!だから命を懸けてでも世界を守ったんだろ!」

女戦士「だったら私達は!あいつの命を無駄にしないためにも、この世界で笑顔でいるべきだろ!違うか!?」

女勇者「……」

女戦士「だから……死んだら会えるとか、悲しくなるようなこと言わんでくれよ……」グスッ

女戦士「滅茶苦茶なこと言って迷惑かけるのは私の役目だろ……はやく綺麗でかっこいい女勇者に戻ってくれよぉ……」ポロポロ

女勇者「……」
388: :2012/10/15(月) 23:39:38 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「あいつのことを今でも想ってるのなら……女勇者も前向きに生きてくれよ……」ポロポロ

女戦士「辛いのはわかるよ……でも、あいつがそうしたように、辛い時こそ笑顔で頑張ろうよ……」ポロポロ

女勇者「……」

「きゃあああ!」

女勇者「っ!」

女戦士「っ!」

女戦士「悲鳴……!くそ、今日は馬鹿がよく出るな!」グシグシ

女戦士「女勇者!私は街の皆を守ってくる!」ダダダ

女勇者「……」
389: :2012/10/15(月) 23:40:28 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……」

女勇者「魔王……私は、残された世界で何をすればいいのかな」

女勇者「私はこの世界でどうあるべきなのかな」

女勇者「私の命はこの世界でまだ意味があるのかな」

女勇者「魔王……あなたなら、何て言うのかな」

女勇者「魔王……」
390: :2012/10/15(月) 23:42:26 ID:6xWpg1Pyas
魔物C「魔王亡き今、人間を滅ぼすチャンス!王都を制圧すれば勝ったも同然だぜ!」

女戦士「やいやいやい、糞野郎!人の街で勝手やってんじゃねえ!」

魔物C「黙れ人間!世界は魔物が制するべきなんだ!」

女戦士「そんなわけねーだろバーカ!つーかお前、よく王都まで攻めれたな!」

魔物C「今は馬鹿な人間どもが勝手に混乱してくれてるからな!共存派を装えば侵入は容易いぜ!」

魔物C「それどころか、マジな共存派の魔物を疑って攻撃する人間までいやがる!あいつらはいい隠れ蓑になってんぜ!」

女戦士「……くそっ!」

魔物C「愚かな人間を利用すればこの通りさ!そして今日、お前を倒して王都を落とす!」シュババババ

女戦士(むっ……こいつはなかなかやるな。だが……)

女戦士「私の敵じゃねえんだよ!」ツルギスパーン

魔物C「ぐあああああ!」

女戦士「……そんな酷い怪我じゃないから安心しな」

魔物C「……ふふふ。ふははははっ……」

女戦士「何がおかしいんだよ?Mなんか、お前?」

魔物C「言っただろ?共存派を装えば侵入は容易いんだよ……」

魔物D「隙ありぃ!」バッ

女戦士「仲間っ!?しまっ……」
391: :2012/10/15(月) 23:43:19 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「はあっ!」ツルギスパーン

魔物D「なっ……ぎゃああああ!」

女戦士「女勇者!」

魔物C「ば、馬鹿な……!各街に一人の警備じゃなかったのか……!?」

女勇者「ごめんね。私、今までショックで職務放棄して引き籠ってたんだ」

女勇者「正直今も辛いけど……女戦士の言葉をきっかけに、いろいろ考えたよ」

女勇者「私は……魔王の残してくれた世界で、魔王がやりたかったことをやる!」

女勇者「あいつが今もここにいたら、絶対にこの混乱を鎮めるように頑張るはず!」

女勇者「だから私は……この混乱を鎮めるように頑張るよ!あいつのように笑顔で!」

女戦士「女勇者……」

女勇者「ごめんね、女戦士。でも、もう大丈夫。本当にありがとう」

女勇者「天国の魔王に喜んでもらえるように、私はこの世界で出来る精一杯を頑張るよ!」

女戦士「女勇者ぁ……よかったぁ……本当によかったぁ……」ウルウル
392: :2012/10/15(月) 23:44:59 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……私、王都の警備につかなくていいの?」

女戦士「世界中の混乱を鎮めるっていうでかいことしようとしてんだろ?だったら王都に閉じこもってる必要はねえよ」

女戦士「今日みたいに馬鹿はちょくちょく出やがるけど、私がいれば大丈夫だからよ!」

女勇者「……ピンチだったくせに」

女戦士「いや、あれはだって不意打ちだったから!」

女勇者「ふふふ、冗談だよ。女戦士の強さはちゃんと知ってるから」

女戦士「……私も女勇者の強さを知ってる。こうして、立ち直ってくれたからな」

女勇者「そうさせたのは女戦士だよ」

女戦士「立ち直ったのはお前自身だろ」

女勇者「……女戦士とはよく喧嘩もしたりするけど、仲間でよかったって思うよ」

女戦士「私もだ。女勇者が仲間で本当によかった」

女戦士「……いろいろ話したい気分だけど、世界は私達を待ってはくれないよな」

女戦士「行ってこい、相棒!さっさと世界に平和を呼び戻せ!」

女勇者「うん、行ってきます!」
393: :2012/10/15(月) 23:46:24 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

携帯の電池パックが限界だったんです。三十分持たないとか普通で、もはや携帯できる電話じゃねえよって感じでした。
真面目に生活に支障が出てたので、この度新しい電池パックを買ったんですよね。
そしたらこれがめっちゃ持つんですよ。うーわ、これなら携帯できるやん!って感じで。
そんなわけで、ここ最近愉快な気持ちで毎日を過ごせてるんですね。こういう単純なことでテンションあがる俺はどこまで単純なんでしょうね。

今回の更新のまとめです。
>>383-392
394: 名無しさん@読者の声:2012/10/15(月) 23:48:30 ID:n5SpKGfylU
女勇者ちゃん立ち直ったー!
これからの展開にwktk

支援
395: 名無しさん@読者の声:2012/10/15(月) 23:50:32 ID:tsx42v3tnE
女戦士ちゃんなんてイケメン…嫁に来ないか(キリッ

女勇者ちゃんもちょっと元気出たみたいだし安心しました

だから魔王はよ出てこいやゴルア!

携帯の電池がヤバい俺からCCCCCC
396: 名無しさん@読者の声:2012/10/15(月) 23:57:51 ID:V5NCU2kcCg
女勇者大好きすぎる!
くそっ!魔王が羨ましい…

つCCCCC
397: 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 00:29:21 ID:N2k6Sm42ww
龍人好きな私376です!
125で合ってますw実は序盤にもごほごほっ
覚えてくれてて嬉しい反面、時間のない中レスを探させてしまったのかと思うと申し訳ないデ-ス…

そろそろうざいと思うので、龍人の嫁に立候補しつつ、静かに魔王を待つとしますCC
398: 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 05:10:25 ID:mw9e3sP.aI
前作から大好きです!と初めて書き込んでみる←

しかし魔王様かわええ。けど私的に一番可愛いのは1だと思いますの。なんで1貰ってっていいですか?

っCCCCC

399: 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 05:58:21 ID:E4SxfhN7f.
魔王おおおおお!
出てきてよ!
大好きだああああァ!


このスレが命の水です
400: 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 11:57:25 ID:lAH9t/2Vuc
400!
401: 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 18:48:09 ID:E4SxfhN7f.
ひぎゃあああ!!
ま、魔王が出てこない…
もう!魔王→(((((;A;)→コナン 世良
早く魔王出てきてよ!
402: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/16(火) 22:25:39 ID:6xWpg1Pyas
>>394
女勇者が立ち直って本当よかったですよね。
今のうちにぶっちゃけますが、今回のパートの主役は女勇者みたいなもんですからね。
立ち直ってもらわないと割と真面目に話がやばいですよ。

>>395
女戦士「ほーう、私を嫁にするか。そーかそーか」
女戦士「でも悪いな。私みたいな男女だって、一応は理想とするタイプがあるんだよな」
女戦士「やっぱ男たるもの強くて頼りになる奴じゃねーとな!つーわけで、私に勝てるくらいの奴ならいいぜ?」
女戦士「そんでもって私みたいなのでも見捨てないで引っ張ってくれるような男と付き合いてえなあ。はあ……いい加減彼氏作ってみてーわ」

>>396
魔王様は本当に羨ましいですよね。
あんな性格なので、自分からアタックとかはしたことないと思うんですよ。
なのに自然と相手から好かれて、挙句ファンクラブが出来る始末ですからね。どういうことなんですか、これは。

>>397
本当ですね。序盤にもありました。すっかり失念しておりました。
レスを探させて〜に関してですが、そんなに気にしないでけっこうですよ。
誰に言われるまでもなく自分で見返してネタになりそうな部分とか探すような奴ですから。苦じゃないんで、気にせず自由にいてください。
403: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/16(火) 22:26:30 ID:6xWpg1Pyas
>>398
前作からお世話になってるようで、本当にありがとうございます。
そして1を貰いたいと。あれ、春の兆しが見えたような気が……
たぶん実物を見たらマッハでクーリングオフだと思うので、せめてネット上だけでも理想っぽく振る舞えたらなと思います。

>>399
魔王「出てきたよー!」
魔王「なんか人間界大変なことになってるねー」
魔王「しかも女勇者ちゃんがあんなに落ち込んで……俺もすっげー辛いんよね」
魔王「でも女戦士ちゃんのおかげで立ち直ってくれて、本当によかったよね!可愛い笑顔に戻ってくれて俺も幸せだよ!」
魔王「あーもう本当に戻りたいなー。俺戻れるんかなー?そもそも生きてんのかなー?皆はどう思うよ?」

>>400
400おめでとうございます。
皆さんのご支持もありまして400到達ですよ。本当に感謝ですよね。
一応前作のレス数がジャパニーズマフィアで終わってるので、せめてそれは越えたいというささやかな野望がありますけども。
そういう大きな数字もこうして少しずつ近づいて達成できるものですからね。それもこれも皆さんのおかげです。本当ありがとうございます。

>>401
本編に出てこなくてすみませんね、ほんと。
以前からレス頂いてる方だと思うんですけど、実はもう一つ謝らなくてはならないことがあります。
コナンなんですが、漫画は読んでないし、アニメも最近見てないんですよ。そのせいか……世良さんという方に真面目に心当たりがないんですよ。
ググって設定とかは一応調べましたが、やっぱり文字だけじゃパッとしないというか。本当にすみませんね。
404: :2012/10/16(火) 22:30:35 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……威勢良く行ってきますとは言ったものの」

女勇者「具体的に何をすればいいのかわかんなくて、未だに王都にいたりして。ははは……」

女勇者「でも本当にどうしよう……私には魔王の移動魔法みたいに一瞬で世界を行き来することはできない」

女勇者「魔王みたいなカリスマもなければ、戦闘力もない。行動力もなければメンタルも弱い……なんか泣けてきた」

女勇者「身の程をわきまえて、出来ることから地道にするしかないか。仲間がいないと駄目だなあ、私……」

女勇者「仲間……」

女勇者「そうだ!ファンクラブの皆を頼ってみたらどうだろ?」

女勇者「今や魔王ファンクラブの会員は世界中にいるからね!さすが魔王!」

女勇者「……皆も今頃絶望してるんだろうな。元気づける意味でも向かわなくっちゃ」
405: :2012/10/16(火) 22:32:03 ID:6xWpg1Pyas
会長「あ、女勇者様……」

女勇者「想像してたけど……見事なまでの堕落っぷりだね」

会長「女勇者様は強かですね……私には無理です」

女勇者「いや、私も少し前までは堕落しまくってたよ。全然強かじゃないよ」

会長「それでも、今はこうして立ち直っているではないですか。立派なことですよ」

会長「それで、今日はどうしたんですか?ファンクラブの活動は……たぶんもうないと思いますよ」

女勇者「……魔王が死んじゃったから?」

会長「……そうです。正直、何を希望に生きていけばいいんだろうって気持ちですよ」

女勇者「それなんだけどね……私達で今の世界の混乱を鎮めるってのはどう?」

会長「私達がですか?」

女勇者「魔王が生きてたら、きっと皆を助けるために動いてるよ」

女勇者「死んじゃったからそれももう出来ないけど……だったら私達が代わりにやればいいんだよ!」

女勇者「魔王ファンクラブは魔王のために活動すべきよ!あいつは死んじゃったけど……志は消えない!志は私達で支えられる!」

女勇者「だから、今こそ世界中の会員が一つになって、魔王の愛したこの世界を守るの!」
406: 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 22:42:20 ID:txrjupYDzQ
やっと出てきた会長ちゃん!!!!!!
つCCC
407: 1「電話やらなんやらで中断してました、すみません」:2012/10/16(火) 23:31:23 ID:6xWpg1Pyas
会長「……私達にそんな大層なことが出来ますか?」

会長「確かに女勇者様は英雄ですが……他の会員は皆一般人ですよ?そのようなことができるとはとても……」

女勇者「一年前には、魔物と人間が手を取り合える世界なんてあり得なかったわ。でも、魔王は実現した」

女勇者「可能性が僅かでもあれば、魔王は諦めたりしなかった!諦めなければ、出来ることもあるわ!」

女勇者「大好きな魔王を支える私達も、強くあろうよ!優しくあろうよ!笑顔であろうよ!」

女勇者「天国の魔王に喜んでもらえるよう、可愛く笑ってやろうよ!今の会長を魔王が見たら、美貌が台無しだよって励ますよ!」

会長「……ふふ、そうですね。魔王様、私なんかの容姿でも褒めてくださいましたからね」

女勇者「魔王が死んじゃっても、私達ファンクラブは魔王のためにやれることがたくさんあるよ!」

女勇者「今、世界は魔王の死で混乱してる!その隙を突いて戦争派が暴動を起こす始末よ!」

女勇者「戦争派の暴動自体は各地の勇者やその仲間達が抑えてくれてるけど……こんなのが続いてたら皆笑顔でいられなくなるよ!」

女勇者「そんな混乱を収めて、皆の笑顔を取り戻して、天国の魔王に安心してもらおう!」

女勇者「そのために立ち上がれるのは、私達だよ!」

会長「……ありがとうございます。何だか元気が出ました」

会長「そうですね……今の世界や私達を見たら、魔王様はきっと悲しみますよね」

会長「私達ファンクラブは、魔王様のために活動しましょう!」
408: :2012/10/16(火) 23:32:54 ID:6xWpg1Pyas
会長「私、何だかやる気になってきました!さっそく世界中の会員に連絡します!」

会長「……あ、でも、具体的に何すればいいんでしょう?」

女勇者「そこなんだよねー。この混乱をどうにかするには……」

女勇者「……いや、案外訴えかけたらどうにかなるかも」

会長「訴えかける?」

女勇者「私ね、魔王が死んだショックでね、しばらく引き籠ってたんだけど、女戦士の言葉をきっかけにして立ち上がることが出来たの」

女勇者「魔王の残してくれた世界で、私達は何をすべきか……そう考えて、気付けたの」

女勇者「世界中の人や魔物も、今はショックで絶望したり錯乱してる……」

女勇者「そんな人達に、今私達が何をしていくべきかを説いて、生きる気力を取り戻してほしい」

女勇者「民が前向きになって秩序を取り戻せば、戦争派も活動しにくいだろうし、各地の勇者達の負担を和らげることもできるよ」

女勇者「直接的な解決にはならないかもしれないけど……平穏を取り戻す大きな一歩にはなると思うよ!」

会長「……確かにそうかもしれませんね。真摯な言葉は私達の心に響きます」

女勇者「だから会員が各地で呼びかけよう!魔王のためにも、自分達のためにも、この世界で前を向こうって!」
409: :2012/10/16(火) 23:34:44 ID:6xWpg1Pyas
会長「……わかりました!さっそく各地の会員達に連絡して見ます!」

会長「ただ、通達が各会員に届くのに時間はかかりますから、全員がすぐに活動開始というわけにはいきませんけど……」

女勇者「側近や女魔法使いがいてくれたら移動魔法ですぐなんだけどね……」

女勇者「まあできないものはしょうがないよ!地道にでも続けていこう!」

会長「とりあえず王都ではすぐに活動できますね。私や王都在住の会員で呼び掛けるとします」

会長「女勇者様はどうしますか?」

女勇者「私は……各地を転々として呼び掛けてみることにするよ」

女勇者「私も一応は世間的に見知った存在だし、ある程度影響あると思う。だからなるべく多くの場所で呼び掛けてみようと思うの」

会長「女勇者様の影響は大きいと思います。女勇者様の前向きな力強い言葉は、絶望に浸る人々を救い出す大きな希望になりますよ!」

女勇者「ははは、本当にそうなるといいね……よーし、やることは決まったね!魔王ファンクラブの名にかけて、魔王みたいに世界を救おう!」

会長「はい!」
410: :2012/10/16(火) 23:36:43 ID:6xWpg1Pyas
魔王様ファンクラブ始動から数日。

女戦士「王様ーまた馬鹿倒して来ましたぜー」

王「うむ、女戦士よ、御苦労であった」

王「しかし……ここまで戦争派の襲撃が多いのは予想外であったな」

女戦士「王都を落とせば実質人間界の制圧みたいなもんっすからねー。戦争派の標的にはなりやすいっすよね」

女戦士「おまけに、今は民が混乱してて、それに乗じやすいとか言ってる魔物もいました。仕方のないことかもしれないっすねー」

王「魔王の遺志を尊重して反逆者を殺すような真似はせずに捕らえて保護しておるが、このペースでは牢獄が足りなくなる恐れすらあるのう……」

女戦士「でも最近、暴動の数が減ってると思いません?」

王「……言われてみればそうじゃの。しかし、それは何故じゃろうな?」

女戦士「何でも、各地で民が落ち着きを取り戻して秩序が戻りつつあるって話っすよ」

女戦士「実際、王都でも人々の目に希望が灯ったっつーか……前向きに頑張ろうって感じがするんすよね」

王「それは喜ばしいことじゃの。国は民から成り立つものである。国の活力とは民の活力であるからの」

王「巨星墜つその悲しみは個々で乗り越えるしかなく、わしらがしてやれることは暴動の鎮静くらいじゃったが……わしは民の一人一人を誇りに思おう」
411: :2012/10/16(火) 23:38:00 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「それなんすけど、前向きに生きようと呼び掛けてる連中がいるみたいっすよ」

王「呼び掛けている、とな?」

女戦士「魔王のファンクラブの面々が、魔王の残してくれた世界で魔王が安心できるように頑張ろーって感じみたいっす」

王「ファンクラブ……そのようなものがあったのか」

女戦士「あれ?王様知らなかったんすか?」

王「うむ。しかし、魔王は容姿の整った優しい男じゃからな。そりゃあ慕う女性がおっても不思議ではない」

王「そして彼女らは、今なお魔王を慕い続け、その想いを次に繋げようとしておるのか。立派なことじゃ」

王「そんな立派な行いのおかげで民は落ち着き、緩やかにでも平穏を取り戻しつつあるのか。彼女らに感謝せねばな」

女戦士「そうっすねー」

女戦士(女勇者も頑張ってるみたいだな……私も私に出来ることを頑張んなくちゃな!)
412: :2012/10/16(火) 23:43:52 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

>>406
会長さん久々の登場ですね。
前作の段階では魔王様ファンクラブの会員数はそれほどって感じの印象でしたが。
あれから一年経った今作では世界中にその輪が広がったようで、それを活かすような展開でしたね。
……ただ、会長さん出てきて喜んでもらってるところ悪いんですが、下手したら本編の出番あんまりないかも……。
可能なら書き溜め見直して出番増やしてもいいかもしれませんね。
……あまり過度に期待はしない方がいいかもしれませんが。

支援ありがとうございます。そいつを励みに俺は前進していきますよ。

今回の更新のまとめです。
>>404-411
413: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 01:36:25 ID:e5NhFlaK9I

魔王…嫁に来ないかなぁ…
そんで女勇者ちゃんを嫁に貰うんだ!

414: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 05:53:52 ID:5DhxIxj3Ng
>>406
途中に入ってほしくないな…


女勇者たんファイト〜♪
415: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 06:24:00 ID:E4SxfhN7f.
>>401のものですが、世良真澄(せらますみ)ちゃんはようつべでググれば出てくるんではないでしょうか?
世良は一つ一つの仕草が癒されるほどかわいいので蘭ちゃんがヒロインを降板させられるんじゃないかってほど人気です。画像を張り付けられたら張り付けたいんですが…pspなので(泣)
世良をよく知れば>>1さんも世良をきっと好きになってくれます!

なんかこのスレに関係ないことでの長文失礼いたしました。

つ四円
つコナン73巻

どうぞ
416: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 09:08:36 ID:jItdvuBRtU
女勇者ちゃんも女戦士ちゃんも会長ちゃんも頑張ってる…!

俺も受験頑張る…!

女戦士ちゃんこれを受けとれー!
  ∧_∧ シュシュシュシュ
(´・ω・)=つCつC
( っ ≡つCつCつCつC
`/  |=つCつCつC
(ノ ̄∪

417: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 19:27:56 ID:w.cRIJHb9c
自分も受験頑張るぜよ(`・ω・´)

支援!
418: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 22:44:17 ID:n5SpKGfylU
女勇者ちゃんは出来る子。
つ支援
つ支援
魔王さっさと戻ってこいやぁ!
419: 支援、レスありがとうございます:2012/10/17(水) 23:24:56 ID:6xWpg1Pyas
>>413
魔王「俺が嫁に行く!?駄目だよ!俺、女勇者ちゃんと一緒にいたいんだもん!」
女勇者「大丈夫だよ、魔王!私も一緒に行くみたいだから!」
魔王「あ、そうなんだ。じゃあ安心して一緒にいれるね!」
側近「いや、もっと他に突っ込むべき個所があるでしょうに」

>>414
まあまあ、そんなあくどいことをしてるわけでもないんですから。
仮にいけないとしても、投下途中で一時間も中断した俺に責任がありますよ。
今後は投下する時はする!とメリハリつけて行動することを心掛けますよ。せっかく書き溜めてるんですしね。

>>415
はい、了解致しました。機会があれば詳しく調べてみましょう。
……ほんと謝らないといけないのは、最初に世良さん関連のレス頂いた時、知らないから魔王様に返事してもらって軽く流そうとしてたんですよねww
いや、ほんと申し訳ないですwwwこれを機にまたアニメ見だすのもいいかもしれませんね。

>>416
女勇者「試験あるんだね。頑張ってね!」
女戦士「支援あんがとな!でも、試験あんならお前にも必要だろ。ほれ、私も支援してやるよ」つC
会長「喜ばしい結果となることを心から祈らせていただきますね」

>>417
女戦士「あれ、俺には無し?って思ったか?大丈夫だよ見落としてねえよ」
女勇者「私からでいいのかわかんないけど……支援するね。頑張って!」つC
女僧侶「努力は大きな力となって自身を助けます。あとはそれをきちんと発揮するだけです。神の御加護があらんことを……」
女魔法使い「……応援してる」

>>418
女勇者「私は本当に出来る子なのかな……」
魔王「大丈夫だよ!女勇者ちゃんは出来る子!可愛い子!俺が保証するよ!」
女勇者「魔王……ありがとう!できれば本編でも会いたいね!」
魔王「そうだね!……俺、本編に戻れるんかなあ……」
420: :2012/10/17(水) 23:26:48 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「勇者さんが工学の街の護衛を担当してたんですね。知りませんでした」

勇者「工学の街は様々な技術が集う街だ。戦争派の手に落ちれば、戦況が一変する恐れもある」

勇者「そこで王は、勇者一行の中で一番の手練であるとして、俺を派遣すると決めたんだ。俺には過ぎた評価だが、与えられた使命は果たすまでさ」

女勇者「その理論でいくと……何より死守すべきなのは王都だから、王都を守るのがよかったんじゃないですか?」

勇者「落ち込む君を的確に励ませるのは女戦士だろうからね。王都の守備に適しているのは彼女だったんだよ」

女勇者「あ……そういうことでしたか。すみません、迷惑かけて……」

勇者「いいんだよ。愛した男性が亡くなったんだ。落ち込むのも当たり前の話だよ」

勇者「そんな女勇者が立ち直り、こうして立派な活動をしている。王都の守備を女戦士に任したのは正解だったみたいだ」

女勇者「そうですね。女戦士にはものすごくお世話になりました」
421: :2012/10/17(水) 23:27:36 ID:6xWpg1Pyas
勇者「女勇者は今、人々にメッセージを伝え歩いてるみたいだな。さっきの演説、俺も聞いていたけど、よかったよ。希望を灯すには十分な内容だった」

女勇者「そんなっ……私は、私達はただ、魔王の代弁をしているだけです」

勇者「それが凄いんだよ。彼はもういない……だけど、本当に魔王の言葉を聞いてるかのような、力強く前向きな発言だった」

勇者「女勇者は本当に魔王が好きで、魔王を理解していたんだとわかったよ」

勇者「人々も魔王を失った悲しみから立ち直り、その志を受け継ぐ覚悟をして、秩序を取り戻さんとしている。これで俺の仕事も少しは楽になるかな?」

女勇者「そうなれば嬉しいんですけど……でもそれで、暴動がなくなるってわけでもないんですよね」

勇者「秩序が戻って活動しにくくなっても、それでも強行する戦争派はいるだろうしな」

勇者「今まで魔王の強さがどれほど戦争派の抑止になっていたのかを思い知らされたよ。やはりあの男は大きな意味を持つ男だったんだな……」

女勇者「今までの暴動は大した被害も出さずに鎮圧できてますけど……相次ぐ暴動に勇者達も疲れてきてますからね」

女勇者「これからの暴動では、被害が出る可能性も十分に考えられますよね……」

女勇者(そしてそれは、これから先、新たな被害者を生んでしまうかもしれないということ……)

女勇者(また新たなに人を恨む魔物、魔物を恨む人を生んでしまうかもしれない)

女勇者(そうして戦争派が増えていけば、魔王の残してくれた平和な世界が崩れてしまうかもしれない)

女勇者(それだけは阻止しないといけない。私が……次なる一手を打たなくちゃ!)
422: :2012/10/17(水) 23:28:37 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「……というわけで、私達に相談してるんですか」

女勇者「魔法学の街にいるのが女僧侶達で助かったよー!」

女勇者「……でも、各街の護衛って基本一人じゃないの?何で女魔法使いとのタッグなのよ?」

女僧侶「理由は二つありますね。まず第一に、私は攻撃には適さないタイプだからです」

女勇者「あーなるほど。女僧侶ってサポート系だからね」

女僧侶「女魔法使いさんと協力した方が、私は暴徒を止めるのに役立てると判断されたんです」

女勇者「それで、もう一つの理由は?」

女僧侶「それは……」

女魔法使い「……」キョトン

女僧侶「喋るのが苦手な女魔法使いさんを一人にするのは、いろいろ大変だろうという判断で……」

女勇者「……うん、すごい納得したわ」

女勇者「とにかく、何か良い案ないかなー?いろいろ考えてんだけど、なかなか浮かばなくて」

女僧侶「……すみません。私にも妙案は浮かびません。女魔法使いさんは?」

女魔法使い「……」オテアゲ

女僧侶「駄目みたいです……」

女勇者「そっか……」

女僧侶「お力添えできず申し訳ございません……」

女勇者「ううん、いいんだよ。一緒に考えてくれてありがとう」
423: :2012/10/17(水) 23:30:29 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「それにしてももう魔法学の街かあ。王都を発って旅してきたけど、とうとう人間界の端っこまで来ちゃったよ」

女僧侶「人間界の街を回ってますからね。相当な時間が経ったのではないですか?」

女勇者「うん、たぶんもう一ヶ月くらいは経ってると思うよ」

女勇者「勇者さんとも会ったのもだいぶ前で……その間ずーっと考えてるんだけど、良い案が浮かばないのよねー」

女僧侶「争いを根絶するのは容易いことではありません。簡単に浮かばないのが当たり前ですよ」

女僧侶「女勇者さんはファンクラブの皆さんと共に、人の心を動かすという立派な活動をなさってるので、今はそれでいいのではないですか?」

女勇者「うーん……そうなのかなあ……」

女僧侶「女勇者さん、これは難しいことです。もっと慎重に考え、多くの方と相談し、緩やかに結論を出せばいいんですよ」

女勇者「そっか……じゃあとりあえず今は呼びかけを続けていこうかな」

女僧侶「次の目的地は決めているのですか?」

女勇者「ううん、まだ。人間界の街は大体回ったし、通達も済んだから全国の会員がもう活動してくれてるからね」

女勇者「次はどうするかなあ……あーもうわかんないことだらけだよー!」

女僧侶「……焦らずゆっくり考えていきましょう」
424: :2012/10/17(水) 23:31:38 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……そんなこんなでここに足を運んじゃった」

女勇者「共存の街……今は街とも呼べないくらい荒れてるけど」

女勇者「やっぱり魔王の戦闘力は凄いなあ。どうやって戦ったらここまで街が壊れるんだろ」

女勇者「……街がこんなになるまで頑張って、それで死んじゃって……」ウルウル

女勇者「いけないいけない。また悲しくなって泣いちゃうとこだった。魔王のために、笑顔で頑張るぞ!」グシグシ

女勇者「……本当に共存の街をやってたら、どういう結果になってたのかなあ?」

女勇者「魔道師の企みなんてなくて、本当に人と魔物の住む街っていうのがあったら……」

女勇者「……そうだ。思いついちゃったよ!これならいけるかもしれない!」

女勇者「でも、これにはたくさんの協力者が必要ね……私だけじゃどうしようもない……」

女勇者「……魔王城に行こう!魔界の皆にも協力を仰いで、世界の平和を確たるものにするの!」

女勇者「決めた。私の次の目的地は魔王城よ!」

女勇者「……」

女勇者「今の世界情勢で、魔界一人旅とか、大丈夫かなあ?」
425: :2012/10/17(水) 23:33:17 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「大丈夫じゃなかったあああ!!」ダダダ

獣人共「人間の女だ!殺せ!」ダダダ

女勇者(やばい!個人の戦闘力では勝ってても、この人数差じゃさすがに厳しい!)

女勇者(打倒魔王を目指して旅してた時はけっこう順調だったけど、あの時は皆がいてくれたからなあ!)

女勇者(やっぱり仲間って大切だったんだなあ!私は今猛烈に仲間が欲しい!)

ハーピー「……あれ?女勇者さん?」

女勇者「仲間がいたあああ!ハーピーさん、助けて!私ちょっと隠れるから!」ササッ

ハーピー「え?え?どういうことですか……っ!」

獣人共「はあ……はあ……人間、どこ行きやがったあ!」

獣人共「そこのハーピー族の娘!今こっちに人間が来なかったか!?」

ハーピー「……いいえ。人間は見ていません」

獣人共「本当だろうなあ?嘘ついてたら……てめえら一族がどうなるか知ってんだろうなあ?」

ハーピー「……」

獣人共「やめとけ。ハーピー族には側近の女がいるんだ。側近と真正面から争うことになれば、敗色濃厚になる」

獣人共「……ちっ!おい、女!人間見かけたら俺達のところまで報告に来いよ!」

ハーピー「わかりました。……女勇者さん、もう大丈夫ですよ」

女勇者「ふー、助かったあ。ハーピーさん、ありがとう!」

ハーピー「いえいえ、どういたしまして」
426: :2012/10/17(水) 23:34:56 ID:6xWpg1Pyas
ハーピー「女勇者さん、今一人で魔界を出歩くのは危険ですよ」

女勇者「うん、たった今痛感したよ」

ハーピー「魔界は今……その、魔王様が亡くなって……暴徒化してる方が多いので」

女勇者「うん、魔物って戦争派多いみたいだね」

ハーピー「統一して魔物と呼称される私達ですけど、実際は多くの種族に分かれますから。中には種族ごと未だに戦争派って方々もいらっしゃいます」

ハーピー「そういう方々が、魔王様が亡くなったのをきっかけに、人や共存派へ攻撃してるみたいです」

女勇者「こういう時こそ上の者が率先して解決を図るべきなのに……側近は何してるのって話よね!」

ハーピー「……」

女勇者「あっ……ごめん。側近も頑張ってるんだろうし、こんな言い方はなかったね……」

ハーピー「いえ、気にしないでください。……あの、女勇者さん」

女勇者「ん、何?」

ハーピー「私、これから魔王城に行こうと思ってたんですけど、よかったら一緒に来ませんか?空の旅を案内しますよ」

女勇者「え、いいの?私も魔王城に行こうと思ってて……」

ハーピー「そうなんですか。ハーピー族の飛行能力を用いれば、比較的早く着きますよ」

女勇者「空の旅か……それじゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
427: :2012/10/17(水) 23:36:03 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……ねえ、何かすっごいフラフラしてるけど、大丈夫なの?」フワフワ

ハーピー「だ、大丈夫です!頑張ります!」バッサバッサ

女勇者「……ごめんね、重たくて」フワフワ

ハーピー「そ、そんな!女勇者さんは羨ましくなるくらい軽いですよ!私が極端に非力なだけです!」バッサバッサ

女勇者「ハーピーさん、この調子で魔王城に行けるの?正直、歩いた方が早いんじゃない?」フワフワ

ハーピー「大丈夫です!戦闘力は低いハーピー族ですが……飛行能力だけは魔界トップの実力です!しっかりつかまっててくださいね!」ギュンッ!

女勇者「っ!」
428: :2012/10/17(水) 23:38:00 ID:6xWpg1Pyas
ハーピー「ふう、着きましたよ」

女勇者「ハーピーさん……凄いじゃない!比較的早くとか、そんなレベルじゃないよ!圧倒的に早く着いたじゃない!」

ハーピー「これくらいしか取り柄ないですから。でも……嬉しいです。ありがとうございます」

女勇者「本当に凄いよ!本当に……私が一ヶ月近く人間界回ってたのは一体何だったんだろうってくらい……」

ハーピー「えっと……その……ドンマイです……」

女勇者「……まあいいや。ありがとう、ハーピーさん!魔王城に用事があったから、助かったよ!」

ハーピー「いえ、魔王城に用事があったのは私もですから」

女勇者「そう言えばそうだったね。やっぱり側近絡み?」

ハーピー「そうですね……あの、女勇者さん!」

女勇者「ん?」

ハーピー「側近を……助けて下さいませんか!?よろしくお願いします!」

女勇者「……え?」
429: :2012/10/17(水) 23:39:55 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

今更なんですが、週刊少年ジャンプの45号にニセコイのポスターがあることに気付きました。

家宝にすることに決めました。

今回の更新のまとめです。
>>420-428
430: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 23:46:14 ID:NgI1IJ5u4Y
ハーピーちゃん久しぶりいいいいいいぃぃ!
元気だった!?寒くなってきたけど風邪とかひいてない!?

そして愛しの女戦士ちゃんに
試験の支援ありがとう!
ちょっと何かしら1位とってくる
(*´∇`*)つCCCCC


魔王も側近も心配(;´д`)
431: 名無しさん@読者の声:2012/10/17(水) 23:58:47 ID:n5SpKGfylU
側近大丈夫か?
魔王に間接技かけられなくて落ち込んでんのか?

つ支援
つゴライアスバードイーター
432: 名無しさん@読者の声:2012/10/18(木) 03:03:32 ID:AbeZYtaf4o
魔王帰ってきて(´うω;`)っ支援×一億
433: 名無しさん@読者の声:2012/10/18(木) 06:23:52 ID:E4SxfhN7f.
ぅにーーーー!!!!!!魔王おおおおおおおお!(泣)ひぎゃああああああああああ!
最後の更新まとめの所に本編魔王でてくるまで魔王出して!
にゃああああああ!ぬおおおおおおおおん!

つ四円

ぬにーーー!ぎゃあああああん!びゃあああああん!
りゃあああああああああん!ひぐーーーーーーー!なだまああああああああん!らだあああああああああ!
(言葉として読みとれるもの以外泣き声です)
434: 名無しさん@読者の声:2012/10/18(木) 21:58:10 ID:JwQYWUGszg
毎日更新お疲れ様です。
ここに出てくる女性は、みんな芯が強くて素敵ですよね。
みんな大好きですv
私もここの皆さんと一緒に、魔王が帰ってくるのを
心待ちにしております。
435: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/18(木) 22:53:04 ID:6xWpg1Pyas
>>430
ハーピー「あ、はい。元気ですよ。風邪をひくようなこともありません」
ハーピー「すっかり寒くなってきましたよね。お互い体調管理には気をつけないといけませんよね」
ハーピー「特にあなたは受験されるそうで、大切な時期ですからね。健康を保てるといいですよね」

女戦士「男は度胸だ!死ぬ気で好成績取ってこい!でも無理はすんなよ!」

>>431
ありましたねえ、魔王様にそんな大技かけてた時もwww
ゴライアスバードイーターは言葉じゃ説明できないと思いますし、複雑すぎる&久しく見てないから正直記憶もあやふやになってます。
あんまり知名度の無い技だと、読んでる方がポカンとなっちゃいそうだから基本はアームロックを側近の得意技にしておりますが。
たまに一般的に知名度なさそうで、何だか良い感じな名前の関節技をかけさせたくなります。今後狙いたいのはラソ・フロム・エルパソです。

>>432
大量の支援ありがとうございます。一億ですかwww
空から降る一億の支援ですよ。これだけ多くの支援だと溺れてしまいそうな勢いですね。
期待量や応援に飲みこまれて消えてしまわないよう頑張りきる所存です。

>>433
終始激しく泣く様と、最後の解説とのテンションの差にちょっと吹いてしまいましたww
大魔神・佐々木を思わせるほどの落差にちょっと度肝抜かされました。
それはともかく、本編でほんと魔王様出てくるといいですね。って感じで、何で俺が他人事なんでしょうね。

>>434
女性キャラ素敵ですか。ありがとうございます。
彼女いない歴=年齢のマダオな俺でして、とにかく経験のない俺はどこか女性を神格化してる節さえあるのでは、と自分で思ってるのですが。
そういう理想像を全面に押し出しているので、その辺がいい感じにまとまってる要因かもしれませんね。
よかったです、彼女出来たことなくて。いや、泣いてませんよ。泣いてませんって。
436: :2012/10/18(木) 22:54:17 ID:6xWpg1Pyas
ドラゴン「……あっ、ハーピーに女勇者。いらっしゃい」

女勇者「ドラゴン、久し振りー」

ドラゴン「女勇者……このご時世によく魔界に来れたね」

女勇者「ハーピーさんが助けてくれてね」

ハーピー「ドラゴンさん、側近は……」

ドラゴン「……相変わらずの職務放棄状態だよ」

女勇者「職務放棄?」

ドラゴン「ああ。魔王様を殺したのは自分だーとか、自分は器じゃないーとか言って、軽く引き籠り状態なんだよ」

女勇者(……私と一緒だ)

ドラゴン「側近様と龍人がいれば、魔界の暴徒制圧と魔王城死守を同時にできるから問題ないんだけどさ」

ドラゴン「今は側近様がこんな状態だからね。暴徒制圧の方に人員を割けないんだよ」

女勇者「……ドラゴンやゾンビが城守って、龍人が制圧に向かえばいいんじゃないの?」

ドラゴン「いや、俺らそんな強くないもん。機人族とか獣人族みたいな強い戦争派が攻めてきたら守りきれんよ」

女勇者「……意気地無し」

ドラゴン「ぐふっ!む、胸に突き刺さる御言葉……」

ハーピー「私も側近を一生懸命励ましてるんですが効果がなくて……女勇者さんも側近を励ましてください!お願いします!」

女勇者「……側近の部屋に案内して」
437: :2012/10/18(木) 22:56:23 ID:6xWpg1Pyas
ハーピー「側近、入るよ」ガチャッ

側近「……ハーピーか」

ハーピー「側近、横……座ってもいい?」

側近「いいよ」

ハーピー「ありがとう。座るね」

側近「……」

ハーピー「……ねえ、側近。世界が大変なことになってるよ。側近は頑張らなくていいの?」

側近「頑張っても仕方ないんだよ。俺に世界をどうこうする力はないからな」

ハーピー「私はそうは思わないよ。側近なら出来るよ!私も支えるから、一緒に頑張ってみようよ!」

ハーピー「新しい魔王になった側近の助けを信じて待ってる弱い種族の魔物もいっぱいいるよ!お願い、魔界を助けてあげて!」

側近「俺は魔王様のようなことはできない。魔王様にはなれない。魔王の器じゃないんだよ」

側近「魔界の魔物達が望んでるのは魔王様だろう。魔王様を越せない俺が頑張ったところで、そんな魔物達の助けにはなれないんだよ」

ハーピー「そんなことないよ!側近なら皆の力になれるよ!」

側近「いや、俺には出来ないよ」

女勇者「……ああもうめんどくさい!」ドアバーン

側近「っ!?」
438: :2012/10/18(木) 22:57:53 ID:6xWpg1Pyas
側近「……女勇者?」

ハーピー「女勇者さん……しばらく様子見をするのではなかったのですか?」

女勇者「そのつもりだったけど、ちょっともう言っちゃおうかなって思って」

女勇者「側近!……少し前まであんたと同じように塞ぎ込んでた私が言うのもあれなんだけどさ」

女勇者「いつまでうじうじしてんのよ!世界を助けるべく一緒に頑張るわよ!」

側近「女勇者、俺は……」

女勇者「魔王のようなことはできない!魔王にはなれない!魔王の器じゃない!当たり前でしょ!!」

側近「……っ!」

女勇者「魔王と比較しちゃったら皆駄目だよ!私だって器じゃないよ!でも、それでも頑張るの!」

女勇者「魔王と比べて……過程が違っても、時間がかかっても、一人じゃ出来なくても!それでも、魔王の描いた理想に近づくことはできる!」

女勇者「そのために、一人一人が頑張る必要があるのよ!そしてあんたも必要な一人なのよ!」

側近「俺なんかを必要としてる奴なんかいるのか?」

女勇者「いる!ここに既に二人いるし、世界に目を向ければもっとたくさんいるわよ!」

側近「……」
439: :2012/10/18(木) 23:01:10 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「私ね、世界に平穏を取り戻すための作戦を考えたんだけど、私一人じゃどうしようもないのよ。器じゃないから」

女勇者「だから側近の力を借りに来たのよ」

側近「……その作戦というのは?」

女勇者「共存の街をやり直す!」

側近「共存の街を……」

女勇者「こないだのは魔道師が悪事に利用しただけだったけど、今度は私達で真剣に共存の街を造るの」

側近「それをして何になる?」

女勇者「……魔王が死んで、民はショックを受け、秩序が崩れた。そしてそれを機に戦争派の活動が活発になったわ」

女勇者「でもそれは、秩序だけのせいじゃない。魔王という強大な抑止力がなくなったことで、これなら勝てるかもって連中が思ったからよ」

女勇者「それらを共存の街で解決するの!」

女勇者「各地で争いが起き、別たれつつある人と魔物の心を、一緒に共存の街を造ることで繋ぐの!私達は敵じゃなくて、やっぱり味方なんだと再認識させるのよ!」

女勇者「共に未来を見据えて、共に行動できる……それは、とても素晴らしいことよ!絶望してる皆の心に活力を与えることができるわ!」

側近「確かに大きなことをやり遂げると達成感がある。それを共に達成することで仲間意識も芽生える。共存派の士気を高めるにはいいかもしれない」

側近「だが、それをわかってて見逃すほど戦争派は甘くないだろう。共存の街に戦力を集めてくると予想できる」

側近「それに合わせてこっちも共存の街に戦力を集めたら、手薄になった要所を攻められる可能性もある。そうして裏をかきはじめたらきりがないぞ」
440: :2012/10/18(木) 23:03:18 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「そこで魔物の力を借りたいの!」

側近「魔物……」

女勇者「はっきり言うけど、戦闘力じゃ人間は魔物に勝てないわ。ほとんどの種族が脅威的な強さを持ってるでしょ」

女勇者「ハーピーさんから訊いたけど、魔物は種族ごとに集落をつくって過ごしているそうね」

女勇者「種族もばらばらで、もちろん価値観も色々あるわ。種族ごと戦争派っていうのもあれば、共存派だっているはずよ」

女勇者「側近には、強い共存派である魔物達をまとめてほしいの!種族の垣根を越えて活動すれば、きっと各界の要所も共存の街も守れるわ!」

女勇者「そして戦争派にわかってもらうの!たとえ魔王がいなくても、暴力で訴えかける限り私達には勝てないって!」

女勇者「人と魔物が協力し合って生まれる強さは、戦争派にとって脅威的な抑止力になる!」

側近「種族の垣根を越えて魔物をまとめる……そんなことが俺に出来るか?」

女勇者「出来る!」

側近「……じゃあ質問を変えるが、強さで戦争派を黙らせて何になる?戦争派の考えが変わらぬなら根本的な解決には繋がらない」

女勇者「……魔王ならきっとこう言うよ。考えを変える必要はない。それでいて共に生きていける方法を探そうって」

側近「っ!」

女勇者「暴力を用いないなら私達も戦争派と向き合える。言葉を交えることが出来る」

女勇者「平穏さえ取り戻せば、私達には時間がある。彼らの意見を尊重しながら共に生きる方法をゆっくり探して行けばいんだよ」

女勇者「それを私達ならできるんだよ。だから側近、ちっぽけな私に力を貸して!お願い!」
441: :2012/10/18(木) 23:05:10 ID:6xWpg1Pyas
側近「考えを変える必要はない、か。そうか、そうだよな……」

側近「……わかったよ。俺でよければ協力しよう」

女勇者「っ!」

ハーピー「側近……!」

側近「器じゃない……でも、そんな俺でも出来ることがあるんだな」

側近「こんな俺でも魔王様を支えてこれたんだ。なら……これからの世界を担う新しい力も、俺なら支えていけるかもしれない」

側近「魔王様のようになれなくても、それでいいんだ。俺は俺でいい、変わる必要はないんだ」

側近「……ありがとう、女勇者。何だか気が楽になった。長らく自分を見失っていたみたいだ」

側近「だけどもう大丈夫だ。魔王様に成り代わる等という出来もしない幻想にはもう惑わされない」

側近「俺は側近だ。俺は俺に出来ることで魔王様の遺志を継ごうと思う」

ハーピー「よかった……側近……!」ウルウル

側近「ただいま、ハーピー。ごめんな、いっぱい心配かけちゃったな」

ハーピー「ううん、大丈夫だよ。側近、これから一緒に頑張っていこうね!」

側近「……ああ!」
442: :2012/10/18(木) 23:07:25 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「側近も復活したことだし、共存の街再生計画を始動しよう!」

女勇者「……でも、具体的にどうしたらいいんだろ?」

側近「俺は移動魔法で魔界の共存派に呼び掛ける。ハーピーは飛びまわって人間界の方で呼び掛けをしてくれ」

ハーピー「うん、わかった」

女勇者「……あれ?私は?」

側近「女勇者は共存の街で待ってて、やってきた賛同者に指示を出してくれ。移動に関する能力は俺やハーピーの方が勝ってるからな」

女勇者「側近は大丈夫だとして、今の御時世にハーピーさんを一人で活動させるのは危なくない?」

側近「大丈夫だろ。人間界の街は今、勇者達が守ってくれてるんだろう?問題ないさ」

側近「復興の作業のためには寝床や食料の確保も必要だな。女勇者、まずは作業環境を整えるよう活動してくれ」

側近「損傷の少ない建物もそこそこあるからそれを利用するのもいいが、限界はあるだろう。簡易的にでも居住スペースを造った方がいいかもな」

側近「移動魔法で送り迎えが出来るなら不安もないが、その場合は使い手の魔力が心配だ。魔法に精通した者が多く集まると助かるな」

側近「食料は魔界側がどうにかしよう。お飾りでも、一応今は俺が魔王だからな。どうにかしてみせるさ」

女勇者「……側近って本当に頼りになるね」

側近「そうか?」

女勇者「そうだよ。魔王が側近を頼ってたのも頷けるよ」
443: :2012/10/18(木) 23:10:34 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「じゃあとりあえずはそんな感じで行動だね!」

側近「共存の街まで送ってやるよ。女勇者、俺に触れろ」

女勇者「うん、わかった」ピトッ

側近「それじゃ……ハーピー、よろしく頼むぞ」シュンッ

ハーピー「任せて!……行っちゃった。私も活動頑張ろう!」ガチャッ

龍人「うおっと!ハーピー、来てたんか」

ハーピー「あ、龍人さん、すみません!私、急いでるんで!」

龍人「急ぐって、何でだよ?」

ハーピー「側近に頼まれて、共存の街の復興を人間界で呼び掛けてくるんです!」

龍人「側近って……あいつ、復活したんか!長い間待たせやがって……で、俺はどうすればいい!?」

ハーピー「……すみません、特には聞いてません」

龍人「……マジで?」

ハーピー「側近は城の外で活動するみたいなので、龍人さんは城の警備を担当すればいいんじゃないでしょうか?」

龍人「……結局今まで通りかよ」

ハーピー「すみません……あの、それじゃ私、行きますね!」バッサバッサ

龍人「おう、気を付けてなぁ」

龍人「……なんかさあ、今作での俺の扱い、ずさんじゃねえか?」
444: 本編じゃないですよ:2012/10/18(木) 23:12:41 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよー!」

魔王「側近、立ち直ったっぽいね!ほんとよかったよ!」
魔王「それでなんかさ、でっかいことやろうとしてるんだよね!」
魔王「さすが女勇者ちゃん!可愛いだけじゃなくて、自ら行動して切り開く強さを持ってるよね!」
魔王「あ〜本当に女勇者ちゃんは素敵だなあ!一回、一回だけでもいいから鞭で打たれたいよね!」
魔王「女勇者ちゃんにそうしてもらえたらどこまで気持ちいいんだろうね?ちょっともう想像できないよね!」
魔王「あーそんな日が来るといいなあ。ほんと俺本編に戻れるように祈っとかないとね!」

魔王「今回の更新のまとめだよ。はい!>>436-443
魔王「今回俺がこんな感じでしたけど、今後も続けるかどうかは未定だよ!」
445: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 00:23:22 ID:sF1XQdlJCo
魔王w続けてよw
側近復活したー!
女勇者ちゃんはやっぱり凄いな。

つ支援
446: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 06:12:57 ID:E4SxfhN7f.
魔王w
やっぱり、魔王が本編に出る気配なし…
ど阿呆ー!1のど阿呆ー!

魔王にプレゼント for you.

つウィンドウズ7

つ読者の声
 「女勇者ちゃん泣かしたな!しばくぞコラ!」
 「魔王!早く戻ってこい!」
447: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 06:48:34 ID:Kdq9gRzEHc
この流れで急に出てくるのも無理があるww
1を責めるのは駄目ですお・ω・`

置いていきますねつC
448: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 09:06:55 ID:unJqJWEXgw
女勇者ちゃんハーピーちゃんでかしたッ!
側近立ち直ってよかった…


1大好きだぞ愛してるぞ
だから女戦士ちゃんと嫁に来ないか(キリッ
結納つCCCCCC
449: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 21:02:27 ID:3sSZgA1a16
ああすばらしい
前作からたのしませてもらってます
C
450: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/19(金) 22:37:17 ID:6xWpg1Pyas
>>445
魔王様の更新まとめは好評なんでしょうか。だったら続けてもいいかもしれませんね。
ただ、魔王様の性格上、話題は女性かゲームかくらいなので、その辺は了承いただきたいところですね。
……あれ、俺の時と大して変わってない……?

>>446
「魔王どうなるんだエーコラ!」っていう声は思いの外多いんですよね。
一体全体どうなるんだって気になる方がけっこういらっしゃるようで。
そんな人でネタバレOKな人にオセロとかで言っちゃうのも一つの手かなーって最近思うようになりました。
もちろんその場合は他言は無しの方向で。ネタバレOKでいいから現段階で先を知りたいって人、います?

>>447
庇ってくれてありがとうございます。いや、そんな責められてた気もしていませんけども。
生死もわからぬまま異世界に渡って、その通り道はなくなってしまいました。
そんな状況で、こっちの世界がメイン舞台なので、異世界側の様子を書く機会って本当にないんですよね。
どうにかならないんでしょうかね、これ。

>>448
女戦士「最近さあ、二人同時に嫁もらおうとしてる奴多くねえか?」
女勇者「一夫多妻って言うんだよね、こういうの」
魔王「卑怯だよ!俺だって一夫多妻が可能なら、世界中の美女を嫁にしたいよ!」
女戦士「……まあでも、形はどうあれ、女勇者達みたいな綺麗なのがごろごろいる中で、私を選んでくれるのは正直嬉しいよな。ありがとな!」

1「私、男なんだけど……本当に私でいいの?」

>>449
前作からお世話になってるようで、ありがとうございます。
褒めてもらえるのは素直に嬉しいです。やる気が上昇していく感じですよ。
書き溜め頑張ってスムーズな更新を心掛けていきたいです。
451: 1「後者の二匹はたぶん今後出番ないww」:2012/10/19(金) 22:39:28 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……共存の街で待ってるけどさあ」

女勇者「人や魔物は来てくれるのかなあ……」

女勇者「来てくれなかったらどうしよう……」

女勇者「元々は悪人の造った街で、移住者もいないような街の復旧だもんなあ……」

側近「何をネガティブになってんだよ、お前は?」

女勇者「あ、側近」

側近「そんなもんは杞憂だって教えてやるよ。ほら、賛同者だ」

女勇者「え?」

ゴーレム「女勇者さん、我々も協力いたします」

ビッグフット「我々なら力仕事も、戦争派からの防衛もしっかりこなせますよ」

サイクロプス「前魔王様の遺志を継ぎ、平和の象徴を完成させましょう!」

側近「とりあえずゴーレム族、ビッグフット族、サイクロプス族から協力してもらえることになった」

女勇者「……皆さん、いいんですか?」

ゴーレム「いいんですよ。こう言う時こそ種族の壁を越えて協力することが大切でしょう」

ビッグフット「女勇者さんの考えに感動しました。今こそ世界に平和を取り戻しましょう!」

女勇者「皆さん……ありがとうございます」
452: :2012/10/19(金) 22:40:39 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「さっそく作業に移りましょうか!」

サイクロプス「……しかし、我々には建設に関する知識はありませんよ」

女勇者「で、でも……瓦礫をどかすとか、それくらいのことは出来ますよ!」

ビッグフット「そうですね。出来ることだけでも確実にやっておきましょう」

ハーピー「……あ、魔界の方でも賛同者がいたんですね!」バッサバッサ

女勇者「あ、ハーピーさん。魔界の方でもってことは……」

ハーピー「はい!人間界の各地でも賛同者がたくさんいらっしゃいましたよ!」

ハーピー「……ちょっと多すぎて、連れて飛べなかったんですけど」

側近「大丈夫だ。そいつらは俺が移動魔法で連れてこよう。……魔力がちょっと心配だが」

ゴーレム「ハーピー族の娘さん、協力してくれる人の中で建設業に詳しい者はいませんか?」

ハーピー「え?うーん……すみません、ちょっとそこまで訊いてませんのでわかりません」

女勇者「そういうのは……工学の街ってとこだとそういう技術者がいると思うから、そこで呼び掛けするといいかも」

ハーピー「工学の街ですね、わかりました!」

側近「じゃあハーピーはそこに向かってくれ。俺は移動魔法で人間の協力者を迎えに行く」

ゴーレム「……女勇者さん、共存の街、どうにかなりそうですね」

女勇者「……そうですね!」
453: :2012/10/19(金) 22:42:08 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「……共存の街をやり直してる?」

獣人弐「ああ。一部の魔物と人間が一緒になってやってるらしい」

獣人壱「共存の街ってあれだろ?戦争派の中の馬鹿が騙されて無駄死にしたやつだろ?何でそんなもん連中が直してんだよ?」

獣人弐「何でも今回は本当に平和の象徴として蘇らせるつもりらしい」

獣人壱「ふーん……前魔王の時のような平和も、協力し合えば実現できる!っていうアピールか」

獣人壱「そんな共存派の健気な行動……壊す以外の選択肢があるか?」ニヤリ

獣人弐「魔物と人間が手を取り合っても結局は無駄だと世界中にアピールする大チャンスだな」ニヤリ

獣人壱「魔界の魔物共は自分の一族を守るのに手一杯、人間界で驚異的な勇者一行は要所を守るので手一杯……」

獣人壱「つまり、共存の街を潰すのは容易い……!」

獣人弐「行くしかねえな。皆殺しにしてぶっ壊して、魔物と人は憎み合うべき関係だと気付かせてやろうぜ」
454: :2012/10/19(金) 22:43:19 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「おらおらぁ!死にてえ奴から前に出ろぉ!」

ハーピー「側近、女勇者さん、大変です!獣人族の方々が攻めてきました!」

側近「そうか……戦闘の心得がある者は作業中断して、応戦してくれ」

女勇者「了解!」



獣人弐「おらおら……え?」

ゴーレム「獣人の方、この街の破壊を企むのであれば、我々がお相手致しますよ」

女勇者「死なせはしないから安心して。ただ、痛いのは我慢してよね」

側近「さあ、怪我したい奴から前に出るんだな」

獣人壱「側近!?それに他の魔物も強い奴ばかり……!」

獣人弐「側近!てめえ、引き籠ってたんじゃねえのかよ!?」

側近「悪いな、こないだ立ち直ったんだよ。女勇者の言葉でな」

獣人弐「女勇者だと?……っ!じゃあその女が……!」

女勇者「そうだよ、女勇者さんその人だよ」

獣人壱「何だよ、これ!この戦力差じゃ到底……!」

側近「このまま戦うか?それとも退くか?それくらいは選ばせてやるよ」

獣人弐「……失礼しました」スタコラサッサ
455: :2012/10/19(金) 22:45:07 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「何だよ!何で共存の街にあんだけ戦力集まってんだよ!」

獣人弐「側近が復活してやがったとは……くそ!」

獣人壱「でも落ちつけよ。あれだけの戦力が集まってるってことは、他の場所の戦力は落ちてるだろう」

獣人弐「……そうか!今こそ魔物の集落や人間界の要所を落とすチャンス!」

獣人壱「そういうことだ。俺達は遠征組の良い知らせを待っとけばいいんだよ」

獣人下っ端「失礼します!各地の襲撃状況について報告します!」

獣人壱「それ来たぁ!何だ、報告してみせろ!」

獣人下っ端「……人間界、魔界の両部隊とも、撃退されているようです」

獣人壱「……はい?」

獣人下っ端「また、同じく戦争派の機人族も、襲撃は成功してないようです」

獣人壱「何でだよ!?共存派の連中、共存の街に戦力割いてんじゃねえのかよ!?」

獣人下っ端「情報によりますと、側近が共存派の各種族に協力を仰いでうまくやってるみたいです」

獣人下っ端「それぞれの戦力を精密に把握し、各種族の集落の防衛、共存の街の防衛が両立できるように絶妙に戦力を分けているそうで……」

獣人壱「くそっ!側近めぇっ!前魔王の犬が調子に乗りやがってぇ!」
456: :2012/10/19(金) 22:46:22 ID:6xWpg1Pyas
獣人弐「前魔王が死んだことで革命の時が来たと思ったが、こんな調子じゃあ……」

獣人下っ端「……人間界侵攻の方も、各街の住民が落ち着きを取り戻し、襲撃が難しい状況になってるとのことです」

獣人下っ端「正直……各地の戦争派の戦意は落ちるとこまで落ちてます」

獣人壱「……前魔王さえいなくなれば、どうにかなると思っていた」

獣人壱「奴の戦闘力さえなくなれば、やり方次第で世界を争いに染めることができると信じていたのに……」

獣人壱「なのに!どうして奴のいない世界でこうも共存派がまとまる!?」

獣人弐「……魔物と人が手を取り合って生まれる力か」スッ

獣人壱「お、おい!どこに行くんだ!?今後どうするか決めなきゃ……」

獣人弐「俺はもう降りるよ……前魔王がいなくてこれじゃ、到底勝ち目はない」

獣人弐「連中の思想を認めるわけじゃないが、負け戦で自らを危険に晒す気もない」

獣人弐「平和ボケした世界の片隅で、仲良しごっこから離れて孤独に生きていくことにするよ」

獣人壱「お前……お前ぇ!いいのかそれでぇ!?そんなんだったら、獣人族にお前の居場所なんてないぞ!」

獣人弐「覚悟の上さ。今までありがとな。お前も思想を追い求め過ぎて無駄に命を削るのは避けろよ」

獣人下っ端「あの……その……どうしましょう?」オロオロ

獣人壱「ふざけやがって……俺は諦めないぞ……!」
457: :2012/10/19(金) 22:47:43 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよ!」

魔王「続投になったっぽいけど、急にそんなん決められても話題に困るよねー」
魔王「とりあえずさ、もしも女勇者ちゃん達にボコッてもらえたらって時の理想を考えてみたよ!」
魔王「まずね、女戦士ちゃんにタックル入られてマウントポジション取られるでしょ」
魔王「そっからもう顔面ガンガン殴られてね!」
魔王「その隙に女勇者ちゃんが俺に足の関節技かけるの。マウント取られてるから下半身余るしね!」
魔王「女魔法使いちゃんは杖で遠慮気味に俺を叩いてね」
魔王「女僧侶ちゃんは無様にやられる俺を見下して罵るの」
魔王「どう!?マジこれ理想的じゃない!?俺、本当にこの瞬間を夢見てっからね!」
魔王「あー、本当にいじめられたいね!皆は理想的ないじめられ方ってある?」
側近「魔王様、男性全員がドMってわけじゃないですからね」

魔王「今回の更新のまとめだよ。てやっ!>>451-456
458: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 22:56:58 ID:hVOWHfyEMI
いじめられなくてもいいから女戦士タンにのし掛かられたまま寝たい///

しかしあれだな、獣人壱は一回頭冷やすべきだな
つアイスノン

みんなに
つCCCCCC

女戦士タンに
つCCCCCC
459: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 23:21:41 ID:sF1XQdlJCo
共存派強え…頑張ってほしいな。
魔王はさっさと戻って来ないと間接技かけるよ?

側近が。
側近に
つチキンウィングフェイスロック

つ支援×100

460: 名無しさん@読者の声:2012/10/20(土) 06:58:18 ID:E4SxfhN7f.
魔王w貴様という奴はw
マトリョシカで思いっきり可愛く書いてやるー!
何でそんなに可愛いんだ、卑怯者ー!
魔王はあたいの嫁ばい!

そんな魔王にプレゼント for you.

つ極上ふわふわベット

つルービックキューブ

つ姻婚届け

つ四円
461: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/20(土) 21:52:32 ID:6xWpg1Pyas
>>458
魔王「あー、いいねー。嬉しさと緊張で正直寝るどころじゃなくなりそうだけど、可能ならやってみたい夢だよね!」
魔王「獣人族で何かもめてるみたいだけど、皆と仲良く出来る方法があればいいのにねー」
魔王「嫌いなのはもう仕方ないとして、喧嘩したりしながら生きるのは悲しいと俺は思うよ」

>>459
側近「チキンウィングフェイスロックですか。いいですね、なかなか渋いとこ出してきますね」
側近「最近魔王様が消えたせいで本当に関節技かけてなくてイライラしてるんですよ」
側近「もし本編で魔王様が生きてて戻ってくるようなことがあれば、かけてもいいかもしれませんね」
魔王「……っ!?なんか悪寒が……」

>>460
魔王「何か俺、けっこう前からいろいろ貰ってるよね。ありがとう!」
側近「……婚姻届までありますよ」
魔王「え?何?結婚しちゃう?しちゃおっか!」
側近「魔王様、女勇者は諦めるんですか?」
魔王「え、いや、それは嫌だけど……一夫多妻で頑張ればいいじゃない!」
側近「一夫多妻は駄目です。きちんと一人を選びなさい」
魔王「何で皆で幸せになるって選択肢がないんよ……」
462: :2012/10/20(土) 21:54:18 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王が死んでからどれだけの時間が流れただろう。とりあえず数ヶ月は経ったよね」

女勇者「その間、共存の街の復興にも人間魔物両方からどんどん協力者が来てくれて」

女勇者「ついに今日!完全復活を果たしました!」

「やったー!」「いえーい!」「ばんざーい!」「うっ!……ふぅ」

ゴーレム「戦争派の方々の攻撃を退けながら、無事に達成できたのは大きいですよね」

側近「そうだな。魔王様は亡くなられたが……残った俺達だけでも、手を取り合えば大きなことをやり遂げられると証明できた」

側近「この事実を世界が知るのは、とても大きな意味合いを持つだろう」

女勇者「そういうこと!世界中の皆で力を合わせれば、魔王がいなくても私達は希望に向かっていけるのよ!」

女勇者「ありがとう、皆。私だけじゃどうしようもなかった復興をやり遂げられたのは皆のおかげよ」

ゴーレム「よしてくださいよー。女勇者さんが中心となって動いてくれたからですよー」

女勇者「……その皆に引き続きお願いがあるんだけど、いいかな?」

ゴーレム「……え?」
463: :2012/10/20(土) 21:55:43 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「共存の街は皆のおかげで蘇ったわ」

女勇者「だけど、街として機能するのはまだ難しいと思う」

女勇者「元々は魔道師が戦争派を集める場所として造られた街だしね」

女勇者「これから移住者を募集するとしても、今の居住を捨ててまで移り住むのは難しいと思うの」

女勇者「思想に賛成するのと、実際に自分がそれをやるのは別問題になるからね」

女勇者「でも、私はせっかく皆が蘇らせてくれた共存の街を人のいない街で終わらせたくはないの」

女勇者「だからここを世界平和のシンボルにしたいと思ってるの」

側近「その方法は?」

女勇者「……ここに魔王の墓を建てようと思うの」

ゴーレム「お墓……ですか?」

女勇者「うん。立派なお墓を造ってあげて、魔王をこの街で……この世界で眠らせてあげさせたいの」

女勇者「平和を確たるものにしてくれた魔王に、この世界を愛した魔王に、この世界で眠れる場所を造ってあげたい」

女勇者「私達としても、この世界に平和のきっかけをもたらせた魔王と言う存在を忘れず、いつまでも称えるためにも必要だと思う」

女勇者「魔王が確かにこの世界に在って、世界の平和のために頑張ってくれたことを形として残すの。だから立派なお墓を造りたいなって思って」

女勇者「そのために、引き続き協力してほしいなって思ってるの。駄目かな?」

側近「駄目ではないが、一つ訊ねておきたいことがある」
464: 軽く後付け設定:2012/10/20(土) 21:58:01 ID:6xWpg1Pyas
側近「魔王様にこの世界で眠ってほしい……そう言ったな?」

女勇者「うん」

側近「それは、異世界にあるであろう魔王様の遺体を回収するということだよな?」

女勇者「……うん」

側近「どうやってだ?それを可能とする魔道師は既に死んだ。それに、その方法は多くの命を犠牲にする。とてもじゃないが認められない」

女勇者「……今はまだわからないし、最後までわからないかもしれない」

側近「……どういうことだ?」

女勇者「悲劇を起こした魔道師のあの魔法陣……あれをどうにか利用できないかなって」

女勇者「あれはさ、対象者の魔力を全て吸い取り、集まった魔力を一つにまとめるっていう発動系魔法陣だったじゃない」

女勇者「その魔力を一つにまとめるってとこだけうまく利用したいんだよね」

側近「他者の魔力をまとめて一つにするのは魔法学の中でも高等技術に入るからな」

側近「でも、女勇者はメンバーの魔力を自らの剣にまとめてなかったか?魔王様と初対面の時に」

女勇者「あー、あれね……女戦士が、合体技みたいなの作ろうぜ!って言い出したのが始まりでね。三人分だけでも凄い苦労したもん」

女勇者「ましてや、あれだけ大きな魔力をまとめるなんて無理よ。魔道師の魔法陣を頼らなくっちゃ」
465: :2012/10/20(土) 22:00:32 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「とにかく、魔道師のあの魔法陣を研究して、魔力を集めて一つにする効能だけ用いた持続系魔法陣にしたいわけよ」

女勇者「魔法学の街の住人や魔界の魔女さん達に協力してもらって、魔法学の街にある魔道師の家から資料とか探して研究したいのよ」

女勇者「それがうまくできたら、工学の街の人に協力してもらって、魔力を貯めるタンクみたいなのを造ってもらって、それに改良版の魔法陣を施す」

女勇者「膨大な魔力を安全に維持するために、それが必要だと思うの」

女勇者「それがうまくいったら、少しずつでいいから皆で魔力をそのタンクに注ぐの。これでいつかは大量の魔力が溜まるわ」

女勇者「行きと帰りの分の魔力が確保できたら、その魔力を使って異世界に繋ぐ穴を発生させる魔法を使う」

女勇者「こっちは魔道師の魔法をそのまま使うわけだからね。資料さえ見つかればどうにかなると思う」

側近「……そうして異世界に渡り、魔王様の遺体を回収し、戻って閉じておしまいってわけか」

女勇者「そういうことね。……不確定要素の多い作戦だけど、協力してくれる?」

側近「……不確定要素も多いし、何より危険だ。異世界に渡ったとして、もしあの男が生きてたらどうなる?」

女勇者「異界王……」

側近「ゼロ距離で魔王様の全魔力を浴びたんだ。重傷か死んでるかのどっちかだろう。死んでたら大丈夫だが、生きてたら……」

女勇者「私達じゃ太刀打ちできないね……」

側近「あれから長い時間が経ってる。怪我も完治して全力を出せる状態だろう。その場合を考えると、あまりにも危険すぎる」
466: :2012/10/20(土) 22:02:11 ID:6xWpg1Pyas
側近「魔王様が生きてたら、きっとこう言う。俺なんかのために、手に入れた平和を脅かす必要はないよってな」

女勇者「……」

側近「……でも、そんなの知るかってんだよ」

女勇者「え?」

側近「俺は元々良い部下をやってるつもりはない。あいつに嫌がらせするのが俺の趣味だったんだぞ」

側近「今更イエスマンになり下がる気は毛頭ねえよ。あいつが死んだ今でも、こっちの都合で困らせてやる」

側近「女勇者も困らせてやれ。大丈夫、魔王様は女性からのいじわるが大好きだからな」

側近「やろうぜ、女勇者。魔王様を異世界より奪回するんだ」

女勇者「えっと……皆もそれでいいですか?」

ゴーレム「もちろんですよ。前魔王様のために頑張りますよ!」

「頑張ります!」「前魔王様のために!」「前魔王様万歳!」「うっ!……ふぅ」

側近「決まりだな。これからもよろしく頼むぞ、女勇者」

女勇者「……うん!頑張ろうね!」
467: :2012/10/20(土) 22:03:35 ID:6xWpg1Pyas
側近「さて……まずは魔法陣の解明だな。移動魔法で魔力の森にでも行くか」

女勇者「魔女さん達に協力してもらうためだよね!」

側近「そういうことだ。女勇者は一足先に魔法学の街に行って魔道師の家を調べてこい」

女勇者「そうだね。魔法陣の改良が成功しないと、この作戦いきなり破綻するもんね」

ゴーレム「魔法学の知識がない我々はどうすればいいですか?」

女勇者「共存の街復興の時と同じように、工学の街の人に指示受けて動いて!」

工学人「墓の形や規模等はどうしたらいいです?」

女勇者「形は任せるよ!でかくて立派なお墓にしてあげてね!」

工学人「わかりました!偉大なる前魔王様にお眠りいただけるよう立派なお墓を建ててみせます!魔物の皆さん、よろしくお願いしますね!」

ゴーレム「こちらこそ。力仕事を頑張りますので、街の復興の時と同様に指示をお願いしますね!」

女勇者「よかった……計画はちゃんと始動したみたいだね。私も頑張らなくっちゃ!」
468: :2012/10/20(土) 22:05:07 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよー!」

魔王「最近はPSPのパワプロ2012で遊んでんだけどね!」
魔王「サクサクセスで選手作んの楽しいなーって!」
魔王「でもね、気付いてしまったんよね。普通のサクセスのが安定して強い選手作れるって」
魔王「でもねー、サクサクセスで作った選手の方が能力に特徴が出て好みなんよね」
魔王「能力値見てストーリーとか浮かぶしね!」
魔王「要するにどっちにも利点があるから今後も両刀でいきたいねって話だよ!」
魔王「あと、マイライフの麻耶ちゃん可愛い!麻耶ちゃんと結婚したい!」
女勇者「っ!?」

魔王「今回の更新のまとめだよ。破ぁー!>>462-467
469: 名無しさん@読者の声:2012/10/20(土) 22:09:14 ID:wFBMesljCc
魔王…お前というヤツは…
いい加減気付けよ!

女勇者タンと側近おつかれさんです
つCCCCC

今後の展開楽しみにしてます
1ガンガレ!!
470: 名無しさん@読者の声:2012/10/20(土) 22:19:05 ID:dYjUAH.9VA
みんな心身ともに成長してるのがわかります!
魔王でないかな〜

つCCCCC
471: 名無しさん@読者の声:2012/10/20(土) 22:31:35 ID:5DhxIxj3Ng
おい…なんかイカくさいぞw

C
472: 名無しさん@読者の声:2012/10/21(日) 00:10:32 ID:sF1XQdlJCo
大規模な計画だな…
これで魔王はかえってくるのか…
パワプロしてんじゃねえ!破ぁ!

支援
473: 名無しさん@読者の声:2012/10/21(日) 06:24:52 ID:E4SxfhN7f.
うわああああ(@#@川)ノシ==四円
474: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/21(日) 22:48:38 ID:6xWpg1Pyas
>>469
女勇者「支援ありがとう!」
女勇者「ほんと魔王に気付いてほしいよね。でも、気付かれたら気付かれたで、振られるのが怖かったりするんだよね……」
側近「……お前もいい加減気付けよ」

>>470
そういう風に言ってもらえると嬉しいですね。
何気にキャラクターの成長が作品を通して見受けられるような、そういう流れが好きなんですよね。
そういう好きな展開をできてるという風に言ってもらえて、感激です。ありがとうございます。

>>471
本当ですよね。何でこんなイカ臭いんでしょうか。
まるで俺の部屋みたいじゃないですか。何なんでしょう、この臭いは。

>>472
大型計画が始動しました。
でも、本編で言った通り問題は山積みです。
本当に異世界に行けるんでしょうか。魔王様はどうなってるんでしょうか。答えはまだ先なのでパワプロでもして待ってましょう。

>>473
これ見て俺は井川慶投手を思い出しました。ちょうど左投げっぽいですし。
支援はありがとうなんですが、井川さんも頑張らな、って思ってしまいました。(`・Å・´)イガー
475: :2012/10/21(日) 22:50:50 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「……それで、私達にも協力してほしいということですか」

女勇者「魔法陣の解明と言ったら、二人の協力は必要でしょ」

女僧侶「そうですね……私も魔法学の知識については自信がありますし、女魔法使いさんは今なお勉強する真面目な御方ですからね」

女魔法使い「……」ピース

女僧侶「ただ……異世界の住人である魔道師さんのオリジナル魔法陣ですからね……解明し、改良できるかは未知数ですよね」

女勇者「やってみるだけやってみようよ!駄目ならその時に次なる手を考えよう!」

女僧侶「……そうですね。じゃあとりあえず資料があるかどうか、魔道師さんの家を確認してみましょう」

女勇者「そうだね。家の場所は……街の人に訊けばわかるよね。早速行ってみよう!」
476: :2012/10/21(日) 22:52:29 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「ここが魔道師の家か。何か普通だね」

女勇者「何かこう……カラスが一斉にカーッみたいな、そういうの想像してたよ」

女僧侶「要領は得ませんけど、何となくわかります。私もそんな想像してました」

女勇者「さてと……入ってもいいんだよね?」

女僧侶「この家の主である魔道師さんは既に死亡し、この街の代表者にも許可を得ました。問題ないでしょう」

女勇者「そっか……よし!お邪魔しまーす!」ギイィ

女勇者「うっわ!何この資料や本の山!?生活感ゼロじゃない!」

女僧侶「これら全部がオリジナル魔法に関する資料なのでしょうか?」

女勇者「え?この中からあの魔法陣の資料を探し当てろっていうの?うっわ〜……」

女僧侶「これは……骨の折れる作業になりそうですね。今から気落ちしてしまいますね……」

女勇者「女戦士がいたら速攻酒場に逃げ込んでるとこだよ……」

女魔法使い「……」キラキラ

女僧侶「……あれ?女魔法使いさん、どうしました?」

女勇者「何か目が輝いてるけど……」

女魔法使い「魔法の資料があんなに……」キラキラ

女勇者「女魔法使いさんがやる気になってらっしゃる……!」

女僧侶「女魔法使いさん、魔法学の勉強好きですからねえ……」
477: :2012/10/21(日) 22:55:02 ID:6xWpg1Pyas
女魔法使い「……」メラメラ

女勇者「燃えてる……資料を読むのに燃えてる……!」

女僧侶「やる気になってるのは助かりますけど、それでも目的の魔法陣に関する情報が集まるかどうか……」

女勇者「もうちょっと人手が欲しいのが本音だよね。さすがにこれを私達三人で捌くのはちょっと……」

側近「苦戦してるみたいだな」

女勇者「あ、側近」

側近「そんなお前らに助っ人だ。ほら、入ってこい」

ウィッチ「え、えっと……はじめまして」

女勇者「わー、綺麗な魔女さんだね!彼女も協力してくれるの?」

ウィッチ「側近様から話を伺いました。魔法学の知識でなら私でも貢献できると思います」

ウィッチ「私は以前、魔王様にご迷惑をおかけしてしまいました……」

ウィッチ「死後ではあまりにも遅いかもしれませんが、それでも魔王様への償いをしたいと思ってます」

ウィッチ「なので、女勇者さんの計画に協力したいと思ってます。よろしいでしょうか?」

女勇者「当たり前ですよ!魔法陣の解明、よろしくお願いしますね!」
478: :2012/10/21(日) 22:55:57 ID:6xWpg1Pyas
ウィッチ「それで、今は何をしているんでしょうか?」

女勇者「目的の魔法陣に関する情報を探しているんです。一緒に探してもらえますか?」

ウィッチ「もちろんです!一生懸命探します!」

女勇者「ご丁寧に受け答えしてもらって、ありがとうございます」

女僧侶「ウィッチさんは見た目同様に心も美しい方ですね」

ウィッチ「美しいだなんて、そんな……私は一年前には戦争派だった女ですよ」

女勇者「あ、そうなんですか……でも今は改心して、優しい御方になられてるじゃないですか」

女勇者「過去を悔いて改めることが出来る方は、立派で素敵だと思いますよ」

ウィッチ「ありがとうございます……そう言ってもらえると救われます」

側近「……」

側近(魔王様が生きてたら、この光景を見て喜んでただろうな)

側近(魔物と人の和解的な意味でも、綺麗な女性がたくさんいる的な意味でも)
479: :2012/10/21(日) 22:59:17 ID:6xWpg1Pyas
こうして女勇者パーティ三人にウィッチを加えて、魔法陣解明を目指す日々が始まった。
とはいえ、魔道師が残した魔法学の資料の数は尋常ではなく、目的の資料を探すだけでも数日が経過してしまった。
その間に女勇者達とウィッチは仲良くなり、敬語もいつしか消えて親しく喋れる間柄となっていた。

女勇者「ウィッチー、一つの資料に時間かけ過ぎだってー」

ウィッチ「待ってよー。この資料とか、本当に興味深いんだよ。ねー、女魔法使い」

女魔法使い「……」コクコク

女勇者「魔法馬鹿が二人……」

女僧侶「しかし本当に資料が多いですね。異世界の魔法学はかなり進んでるんですね」

女勇者「いや、ほとんどが魔道師のオリジナルらしいからさ、魔道師だけが凄かったんじゃないの?」

ウィッチ「これらを学んで活かせば魔女族のレベルもうんと上がるよね……」

女勇者「ウィッチー、私達の目的は魔法陣の解明だからねー」

ウィッチ「わ、わかってるって!やだなーあははは……」
480: :2012/10/21(日) 23:00:23 ID:6xWpg1Pyas
女魔法使い「……」クイクイ

ウィッチ「ん、どうしたの?服なんか引っ張って」

女勇者「服を引っ張るのは聞いてほしいことがある時だね」

ウィッチ「そうなんだ。何かあったの?」

女魔法使い「魔法陣の情報……これじゃない?」ピラッ

ウィッチ「この紙?……この魔法陣は確かに見たことのない型ね」

女勇者「見せて。……あー、何か見覚えあるような。文章は……一族秘伝の魔法陣としか書かれてないわね」

女僧侶「あの時、魔法陣の全景を確認できたのは魔王さんと側近さんだけでしたね。側近さんに確認してもらった方がいいのではないでしょうか?」

女勇者「そうね。ちょっとあいつ呼んでくるね」
481: :2012/10/21(日) 23:02:08 ID:6xWpg1Pyas
側近「……間違いないな。これはあの時魔道師が使用した魔法陣だ」

女勇者「やっぱり……これが戦争派の多くの命を奪った……」

側近「そして、異世界へ行くための最重要魔法だ」

女僧侶「これを解明し、改良しなければならないわけだが……出来そうか?」

女勇者「うーん……資料にもこれ以上詳しいことは書いてないっぽいしなあ」

女勇者「ああもう!何で一族秘伝の魔法なのに、こうも情報が書いてないの!?」

側近「一族秘伝の魔法だからこそだろ。無駄に情報を残すと他の奴に技術が盗まれるかもしれない。今俺達がそうしようとしてるしな」

側近「それを防ぐために最低限のことしか記されてないんだろう。魔法陣の詳しい構造などは魔道師の頭の中に保管されたんだろうな」

女勇者「くっ……陣の形しか記されてなくて、解明なんか出来るのかなあ?」

ウィッチ「出来るよ!」

女勇者「うわっ!……ウィッチ、やけにやる気だね?」

ウィッチ「魔女族は魔力と魔法学に長けた一族だもん。私は覚えてる魔法は少なく弱いけど、魔法の知識では負けない!」

ウィッチ「世界のために、前魔王様のために、過ちを犯した罪を償うためにも全力で解明してみせるわ!」

女魔法使い「私も頑張る……」

女僧侶「お二方はやる気ですね。魔法陣解明の方はお二人に任していいのではないでしょうか?」

女勇者「そうだね。正直私は魔法陣の形だけでどう解明するの?って状態だし……」
482: :2012/10/21(日) 23:03:31 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「それでは私達は異世界とこの世界を繋げる魔法に関する資料を探しましょう。こちらも重要な魔法ですから」

女勇者「そうだね。私達は引き続き捜索を……」

側近「いや、女勇者には用事がある。ちょっと共存の街まで来てくれ」

女勇者「え?魔法探しは?」

側近「女僧侶に任せればいいだろう」

女僧侶「えっ」

側近「女勇者は共存の街の件に関しては発案者で代表みたいなもんだろ。そんな代表者の意見を仰ぎたいことがあるんだ」

女勇者「代表なんて気はないけど……まあいいや。わかった、すぐに行くよ。女僧侶、任せたよ」

女僧侶「え、あ、はい……」

女僧侶「……」

女僧侶「この資料の山を一人で探すんですか……」
483: :2012/10/21(日) 23:06:07 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよ!」

魔王「殺戮とか撲殺とかって言葉、何だか怖いよね」
魔王「飢え死にとか過労死って言葉は何だか悲しい雰囲気をまとってるよね」
魔王「おまけに出木杉って奴は勉強出来てしずかちゃんと仲良くしてて爆発してほしいよね」
魔王「こういうネガティブな雰囲気を払拭できる、それがひらがな四文字&!の魔法だよ!」
魔王「さつりく!とかぼくさつ!だとそんな怖くないしさ」
魔王「うえじに!とかかろうし!だとむしろ楽しげな雰囲気さえあるし」
魔王「できすぎ!だったら友達になってあげてもいいかなって感じするよね!」
魔王「こうして人々は過酷な現実に向かい合って生きる希望を手に入れるんだね!」
魔王「こんな素敵な魔法はそうそうないよ!本当に人類は進化してるんだなあって感心するよね!」
側近「魔王様の頭はどれだけ退化してるんだって不安になりますよ」

魔王「今回の更新のまとめです。うぃっしゅ!>>475-482
484: 名無しさん@読者の声:2012/10/21(日) 23:42:13 ID:hVOWHfyEMI
魔王サマ…私ついて行けませぬ…すみませんほんとにタヒてお詫び…

1さんの文章力に脱帽
ちょっとイカ臭いけどww
つCCCCC
485: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 01:54:06 ID:5DhxIxj3Ng
いかくさ!
あっホントだ。
>>1のイカ臭さがちょっと和らいだ気がするよ!

このSS一番好きです
体にはお気をつけて下さい
つティッシュ
486: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 05:43:42 ID:AbeZYtaf4o
っ支援×100000000
っイカくさいティッシュ
っ支援900000000
487: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/22(月) 21:46:35 ID:6xWpg1Pyas
ちょっと待ってくださいよ。皆してそこに触れなくてもいいじゃないですかwww
ネタ的に言ってるだけでそんなイカの臭いとかしませんよーww
……たぶん、しませんよ……。

>>484
そんな文章を褒められる部分あったかな?と真面目に考え込んでしまいました。
返レスですか?本編ですか?マジで該当部分に心当たりがないです。
どういう文章を書けば、人にどういう印象が残るのか……そういうのって把握したいと思う性質なんですよね。

魔王「ついてこれないのは悲しいけど、死ななくていいよー。死ぬのは悲しいよー?」

>>485
魔王様の例はどうかと思いますが、ひらがな四文字は本当に和む感じはあると思います。
だから、いかくさ!とすれば、嗅覚にも効能が働き、臭いを抑える効果が生まれても不思議ではありません。
いや、不思議ですね。不思議っていうか、気のせいですね。あと、ティッシュありがとうございます。

>>486
支援こんなにもらえるんですか!ティッシュももらえるんですか!
やったー!

ティッシュ使用済みじゃないすかー!
やだー!
488: :2012/10/22(月) 21:47:26 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「それで、訊きたいことって何よ?」

側近「まあまずは共存の街に行くぞ。それで本人から直接訊いてくれ」

女勇者「本人?」

側近「行けばわかるよ。移動魔法かけるぞ」シュンッ



側近「着いたな」

女勇者「本当に一瞬だよね、移動魔法って……」

工学人「あ、来てもらえたんですね!」

側近「おう、連れてきたぞ」

女勇者「……訊きたいことがあるのって工学の街の人なの?」

工学人「はい」

女勇者「ということは……訊きたいことってお墓について?」

工学人「いえ……魔力を貯めるというタンクについてです」
489: :2012/10/22(月) 21:49:02 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……ああ、魔法陣の解明がうまくいった際に、その魔力を溜めとくタンクね」

工学人「それなんですけど、一応設計図を作っていろいろ計算してみたんですよ」

女勇者「うん」

工学人「でも、人間界のどの部品を使おうと、溜める魔力に耐えきれず暴発するような計算になってしまうのです」

女勇者「暴発!?それは困るよ!」

女勇者「そもそもタンクを造ろうっていうのは、魔力を安全に保存するためだもん」

女勇者「異世界への穴の開閉には膨大な魔力がいるらしいって話だよね」

女勇者「魔道師の魔法陣をそのまま用いたり、魔王クラスの魔力があればすぐ用意できるけど……」

女勇者「私達では少しずつ溜めていくしかないよね」

女勇者「でも、むき出しのまま長らく置いてたら維持も難しいかもしれないし、何より危険よ」

側近「何かの拍子で浴びたりしたら……俺達の実力なら死亡は確実だろうな」

女勇者「だからこそタンク案を出したのよ。それが暴発するって話じゃ困るよ!」

工学人「しかし人間界の部品では、膨大な魔力の圧や熱に耐えれず、最終的には壊れて漏らし、悲惨な事故に繋がりますよ」

女勇者「……」
490: :2012/10/22(月) 21:50:07 ID:6xWpg1Pyas
工学人「女勇者様にはある決断をしていただきたく思い、来てもらったのです」

女勇者「決断……」

工学人「安全のためにタンク案を諦めるか、危険を冒してタンクを造って魔力を溜めるか、どちらかを選んでいただきたいのです」

女勇者「そんな……」

側近「代表はお前だから全てを委ねるが、意見していいなら諦めるべきだと思う」

側近「専門家が計算して壊れると言ってるんだ。魔力を溜めて壊れでもしたら、被害を被るのは共存の街の計画に参加してくれてる民だ」

側近「民の命は何より優先する物……魔王様ならきっとこう言う。もちろん俺達だって同意見のはずだ」

女勇者「……」

側近「……委ねると言ったが、ほとんど強要してるようなもんだな。まあいいか」

側近「女勇者、お前の答えを聞かせてくれ」
491: :2012/10/22(月) 21:50:55 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……人間界に耐え得るだけの部品がないのなら、魔界ならどうなの?」

側近「魔界……」

女勇者「工学人さんの言い分では人間界の部品類しか考慮してないじゃない」

女勇者「だったら魔界を考慮してみたらどう?突破口があるかもしれないよ」

女勇者「膨大な魔力に耐え得る部品や、それが出来る素材があるかもしれないじゃない!」

工学人「女勇者様……側近様がいるので言いにくいのですが、魔界の文化レベルは正直人間界と比べて大きく劣ります」

工学人「そんな魔界にそのような部品や素材があるとはとても……」

側近「いや、あるにはある……」

工学人「え、あるのですか!?」

女勇者「ほら!決めつけて諦めるんじゃなくて、無駄かもしれなくてもやることが大切なのよ!」

工学人「いや……言ってみるもんですね、ほんと」

女勇者「それで!?その耐え得る部品や素材って何なの!?」

側近「……少し昔話に付き合ってもらう。まだ争いの渦にあった魔界の話だ」
492: :2012/10/22(月) 21:52:03 ID:6xWpg1Pyas
側近「遠い昔の話だから、俺も聞いただけで詳しくは知らん」

女勇者「いいからいいから。早く話してみてよ!」

側近「……当時はまだ魔界と人間界とで争っている時代だった」

側近「加えて、魔界だけに限っても種族間の争いが頻繁に起こり、魔界に血の流れない日などなかった」

側近「そんな危険な魔界を支配するのは困難を極める。当時の魔王もそれは苦労していたようだ」

側近「実力が全てだった魔界で、いつ自分の栄光を奪われるかわからない……」

側近「そこで当時の魔王は強固な武具を造ることで戦力アップを図った」

女勇者「その武具の素材がそうなんだね!何なの、それは?」

側近「……ゴーレム族の固い体を用いるんだ」

女勇者「……え?」

側近「ゴーレム族を殺し、その体を覆う固い部分を用いて鋼鉄を作製する要領で加工していく」

側近「そうして出来あがった鋼鉄は、通常の物とは比べ物にならない耐久力を誇る」

側近「当時はまだ推測でしかなかったが、当時の魔王は実践して証明してみせた。ゴーレム族の体は頑丈な鋼鉄を造り上げる素材になるとな」
493: 完全なる後付け設定:2012/10/22(月) 21:52:52 ID:6xWpg1Pyas
側近「ゴーレム族は強い種族だが、当時は群れずに個々で過ごしていた。そこを狙われた」

側近「当時の魔王軍は数で押し切り、個々のゴーレム達を次々に狩っていった」

側近「命の危険を感じたゴーレム達は、とある岩山を掘り進め、坑道のような住処を造り上げ、そこに集団で住むようになった」

側近「そうして魔王軍も簡単に手出しは出来なくなったが、十分に殺したから強力な武具の補強は達成でき、それからしばらく権威を守ることとなった」

側近「……あの山には多くのゴーレム達の無念が渦巻いていると言われる」

側近「そんなゴーレム達の無念が渦巻く、ゴーレム族の住処の坑道があるあの岩山をいつしかこう呼ぶようになった」

側近「死霊鉱山ってな」

側近「以上が魔界の誇る強固な素材に関する昔話だ」

側近「どうだ?これでもまだお前はこれに縋って作戦を続けようと言うか?」

女勇者「……いや、言わないよ。ゴーレムさん達を犠牲にするなんて、出来るわけないじゃない」

側近「だろ。悪いがタンクの件は諦めてくれ」

女勇者「でも、それだと魔力を安全に溜めることが出来ない……民に危険が及ぶかもしれない……」

側近「だから、魔王様の遺体を回収する計画から中止する必要がある……」
494: :2012/10/22(月) 21:53:33 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「……その必要はありませんよ」

女勇者「ゴーレムさん!?今の聞いてたんですか!?」

ゴーレム「すみません……盗み聞きするつもりはなかったのですが、聞こえてしまったもので」

側近「ゴーレム族の悲しい過去を勝手にばらすような真似をして申し訳ない……」

ゴーレム「いえ、気にしないでください。事実ですから」

側近「……ゴーレム、その必要はないとはどういうことだ?」

ゴーレム「そのままの意味です。ゴーレム族を使って、魔力に耐え得るタンクの部品を製造してください」

側近「ふざけるな!お前達の命を犠牲にして何の意味がある!?」

ゴーレム「側近様、我々の命を使う必要はありません」

側近「……何だと?」

女勇者「え?え?どういうこと?」

ゴーレム「必要なのはこの固い部分です。これを殻とでも言いましょうか。この殻には痛覚神経は通ってません。我々の体を覆って守っているんです」

ゴーレム「この殻を削り落すだけなら、命に別状なく素材だけを取り出せます」
495: :2012/10/22(月) 21:54:34 ID:6xWpg1Pyas
側近「……いや、それではゴーレム族は固い体を失うことになる!」

側近「その頑丈な体は攻守の要で、ゴーレム族の生命線とも言えるはずだ!それでは自衛能力を失う!」

側近「魔王様の遺体回収は必ず成し遂げなければならないことではない!その計画に、そんな大きな犠牲を払うことはない!」

ゴーレム「……側近様。我々は平和に向けて活動しているのでしょう?なら自衛能力がなくとも大丈夫ですよ」

側近「だが少数でも戦争派は確かに存在している!その戦争派より上の実力がなければ、この先危険だろう!」

ゴーレム「仮に戦争派に襲われても大丈夫ですよ」

側近「何故そう言い切れる!?」

ゴーレム「……側近様は子゙ーレムのことを覚えていますか?」

側近「は?……ああ、一年前の死霊鉱山の騒動の時の子どもか」

ゴーレム「あの子はあの時から志を高く持ち、立派に成長しています」

ゴーレム「将来はゴーレム族を立派に導く長になることでしょう」

ゴーレム「次世代の希望は着々と育っています。それは、あの時龍人さんが子゙ーレムを助け、導いたからです」

ゴーレム「そして、その龍人さんを改心させるきっかけを与えてくれたのは前魔王様です」

ゴーレム「前魔王様が築いた平和で次世代の希望が育っているから、我々は安心して次代に託せます」

ゴーレム「そんな現在を築いた前魔王様に恩返しがしたいのです。前魔王様には是非この世界で眠っていただきたい」

ゴーレム「だから、我々大人のゴーレム族の殻を素材として献上したいのです」

ゴーレム「他の仲間も……共存の街にいる皆や、死霊鉱山にいる皆に確認する必要はありますが、恐らく同じ気持ちです」
496: 工学人「あれ?俺この場にいるんだよな?」:2012/10/22(月) 21:55:31 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「ですので女勇者さん、計画は続行する方針でお願いします」

女勇者「ゴーレムさん……本当にそれでいいんですか?」

ゴーレム「前魔王様に、この世界に帰ってきてほしい気持ちは一緒です」

ゴーレム「希望が育っている今なら、何の懸念もなく託せます。だからお願いします」

側近「……そこまで言い切られたら、もう何を言っても余計な御世話だな」

女勇者「わかりました!ゴーレムさんの殻を使わせてもらって、タンクを造ることにします!」

女勇者「ゴーレムさんの覚悟は絶対に無駄にはしません!今回の計画、必ず成功させてみせます!」

ゴーレム「ええ、皆で協力して必ず成功させましょうね!」
497: :2012/10/22(月) 21:56:42 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよ!」

魔王「ジャンプでさ、ハイキューあるじゃない」
魔王「今週号の見て、俺ね、田中と山本なら良い友達になれるような気がしたんだ」
魔王「特にね、話しかけてガン無視されるのもイイってとこ見て、親友になれる気がしたんよ」
魔王「清水さんクールビューティだもんね!俺も軽くあしらわれてみたいよ!」
女勇者「クールビューティってのになったら私にもチャンスが……」

魔王「今回の更新のまとめだよ。いえあ!>>488-496
498: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 22:20:57 ID:soYVp4oq3s
毎晩wktkしてます!
受験生だけど。

ハイキュー読みました!
コンビニ読んでてニヤニヤしましたwwww
受験生だけど。

更新頑張って下さい!
応援してます!
受験s(ry
つCCCCCCCCCC
499: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 22:49:30 ID:5DhxIxj3Ng
子ーレムが伏線になってたなんて…

ジャンプは見てませんよ
受験生だもの

上の人と同じ
受験生だもの

ほんとはただお金がないだけだけど

ジャンプは読まなくてもこれは見てるよ!

C
500: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 22:52:38 ID:HTG881kP.g
女戦士タン描きました…絵スレうpおk?


あ、あとこれいつものです
つCCCCC
501: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 06:19:28 ID:E4SxfhN7f.
毎朝読んでます!
ほんっと、魔王様ついていけないです。
もう少し女子にも分かりやすい話をしてくださいよw。

つ少年サンデー

つ四円

魔王へ

つ女勇者タンの愛
502: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/23(火) 21:42:37 ID:6xWpg1Pyas
>>498-499
受験生なのにわざわざ読んでくれてありがとございます。
勉強の方も大変だと思いますが、頑張ってくださいね。
息抜きとかで役立てるのであれば、俺としても頑張る所存ですよ。

>>499
そうなんですよ。子゙ーレムに関しては、一年前からこうなることを予見しててですね。
嘘ですwwwごめんなさいwww完全に後付けですwww
そもそも前作はその場の勢いで書き連ねちゃったわけで、その場で深く考えずに書いてた節があります。
そんな前作の情報に時には足を引っ張られ、時には逆に利用したりと、いろいろです。
続き物の場合、前作に思わぬヒントがあったりして、それを再利用したら展開を考える手間が省けて便利ですね。

>>500
絵スレうpおkっすよー。
いっちゃってください。やっちゃってください。
そういうの描いてもらえるの、すっげー嬉しいんですから。
だからもう気にせず描いちゃってください。むしろ描いてください。お願いしますから。

>>501
魔王「ハイキューって女子人気高い、みたいなのをどっかで見たことある気がするけどなあ。まあいいや。わかったよ!」
魔王「女子にわかりやすい話題って何だろ?何のゲームなら女子も好きかなあ?」
側近「まずゲームから離れることだと思いますけど……」

魔王「あと、女勇者ちゃんへの愛ならもう持ってるよ!」
側近「じゃあ何で他の女性を褒めたりするんですか?」
魔王「だって実際綺麗じゃん。一番好きなのは女勇者ちゃんだけど、皆綺麗なんだからそれを素直に褒めてもいいじゃない!」
側近「魔王様って最低のクズ野郎ですね」
魔王「何でだよ!?そんな酷いこと言ったの、俺!?」
503: :2012/10/23(火) 21:44:46 ID:6xWpg1Pyas
それからは順調だった。
あれから戦争派の目立った襲撃はなく、作業は何ら問題なく進んだ。
魔王に眠ってもらう立派な墓は完成間近で、異世界とこの世界を結ぶ魔法は女僧侶が発見し習得した。
女魔法使いとウィッチの魔法陣解明及び改善も着々と進んでいるようだし、タンクはゴーレムさん達の協力のおかげで、その計画が頓挫することはなくなった。
人と魔物が手を取り合うことで、私達の計画は成功に向かっていた。

女勇者「ふー……肉体労働はやっぱり堪えますねえ」

ゴーレム「すみませんねえ、女勇者さん。お墓作りの作業を手伝ってもらって」

女勇者「いえいえ、魔法の方に関しては女魔法使いとウィッチが凄くてとても手伝えそうにありませんしね」

女勇者「私が今できることと言えばこうして体動かすくらいですから。むしろこれくらいしか出来なくて申し訳ないですよ」

ハーピー「私なんて人間の賛同者の方を呼ぶ仕事が終わっちゃって……応援しかできないです」

ゴーレム「いやいや、それでいいんですよ。お二人のような美しい女性が一緒にいるだけで、男は元気出るんですから」

魔物♂「そうですよ!」

人間♂「最高っす!」

ハーピー「ほ、本当ですか?非力で役に立てない私を励まそうとしているだけでは?」

ゴーレム「本当なんです。ハーピーさんが思っている以上に、男ってやつは単純な生き物なんですよ」
504: :2012/10/23(火) 21:45:57 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「さて、そろそろ休憩にしましょうか」

女勇者「あ、私まだ頑張れますよ!」

魔物♂「女勇者さん、無理は禁物ですよ。あなたに何かあったら俺達が嫌ですよ」

人間♂「それに俺達も普通にきついんでwwしっかり休んで次の作業に備えましょう」

女勇者「そ、そっか……じゃあ休憩にします?」

ゴーレム「休憩にしましょう」

ハーピー「休憩ですか……あの、おにぎり作ってるんで、皆さんよかったら……」

魔物♂「ハーピーさんのおにぎり!?食べたいっす!」

人間♂「ヒャッハー!ハーピーさんのおにぎりだー!」

ハーピー「作る際には羽に注意して、接触しないようにしました。なので汚いことはないと思いますが……」

魔物♂「汚いなんてとんでもない!」

人間♂「むしろハーピーさんの羽なら食べてみたい!」

魔物♂「むしろハーピーさん食べたい!」

ハーピー「え?え?」

魔物♂「ハーピーさん、好きだあああ!」

側近「こらあ!俺のハーピーに何する気だぁ!」

魔物♂「側近様だあああ!逃げろおおお!」

側近「くだらんことしてないで、ちゃんと休憩しろよ!……全く」

側近「本当に男って生物は単純だし馬鹿だな……」

女勇者「側近も男でしょ……」
505: 1「いや、美味しい人はマジで美味しい」:2012/10/23(火) 21:48:58 ID:6xWpg1Pyas
ハーピー「側近、共存の街に戻ってたんだ?」

側近「ああ。ちょっと前にな」

女勇者「今は魔界各地の戦力の振り分けしてるんだよね」

側近「ゴーレム族が俺達の計画に協力してくれた結果、自衛能力を失ったからな。各種族が戦争派を退けることができるように戦力を振り分けねばならん」

側近「共存の街を皆で協力して蘇らせたことで共存派の士気が高まってるのを感じてか、最近は大人しいけどな。念のためってことだな」

女勇者「側近も休憩?」

側近「ああ。ハーピーを見て癒されようと思ってな」

ハーピー「も、もう///からかわないでよ///」

側近「真面目に言ったんだけどな……」

女勇者「ハーピーさんのおにぎり、おいしいよ。何でこんなおいしいんだろ?」

側近「水分や塩分の加減が抜群だからな。あとはハーピーの溢れる愛情がこもってるからだろ」

女勇者「あー、なんか納得」

ハーピー「何で私を持ち上げるんですか///おにぎりなんて誰が作っても一緒ですよ///」
506: :2012/10/23(火) 21:50:15 ID:6xWpg1Pyas
側近「ハーピー、俺も貰っていいか?」

ハーピー「うん。頑張る皆のためにいっぱい作ったから」

女勇者「応援しかできないって言っておきながら、すごい支えてくれてるじゃない」

ハーピー「いえいえ、私はこれくらいしか出来ないですから」

側近「……」モグモグ

女勇者「あー、疲れた体に塩分が沁み渡るねー」モグモグ

側近「……何か来るとこまで来たって感じだな」

女勇者「計画も順調に進んでるもんね」

側近「魔王様が亡くなった時はどうなることかと思ったけど」

側近「皆それを乗り越えて、こうして協力して平和に向かっている」

側近「魔物も人も一緒になって、平和に向かって頑張ってんだよな」

側近「魔王様のいないこの世界で、俺達だけで築き上げようとしてるんだよな」

側近「女勇者、お前の言った通りだったな」

側近「過程が違っても、時間がかかっても、一人じゃ出来なくても、協力し合うことで魔王様が描いた理想に近づける」

側近「それらは全て、魔王様の死を乗り越え、俺達に協力の道を示したお前のおかげだ」

側近「改めて礼を言わせてくれ。ありがとう、女勇者」
507: :2012/10/23(火) 21:51:32 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……魔王の死を乗り越えた、か……」

側近「そうだろう?こうして遺志を引き継ぎ、平和に向けて尽力してるじゃないか」

女勇者「確かに……魔王のやりたかったことを私は今代わりにやってるよ」

女勇者「魔王ならどうしただろう。そう考えて、魔王が出来なくなったことをやってる」

女勇者「ただ……私は本当に魔王の死を乗り越えられたのか……今でも疑問に思うよ」

女勇者「最初は塞ぎ込んでたこともあってか、魔王の死を乗り越えたからこそこうして進んでいけてるって思われてるのかもしれないけど」

女勇者「魔王がいない恐怖をこうやって活動していくことで誤魔化そうとしているだけかもしれない」

女勇者「側近は、魔王とは関係なく自分のやり方で世界を正そうとしてる」

女勇者「ゴーレムさんのように大勢の方が、今と未来を見据えて自ら決断をして進んでいる」

女勇者「私だけが……魔王に依存して魔王の真似事をして魔王の面影を求めているのかもしれない」

側近「……そんなことはないだろ。お前は立派にこうして活動してる。乗り越えられたんだよ」

女勇者「そうかなあ……確かに私は立ち直ったよ。でも……でも……」
508: :2012/10/23(火) 21:52:59 ID:6xWpg1Pyas
今でも思ってしまう。
この場に魔王がいたら。
人と魔物が共にいるこの景色を並んで見ることが出来たら。
きっと魔王は笑うんだろう。かっこよく、かわいく、素敵な笑顔できっと。
皆が前を向いて頑張ってる中、そんな笑顔が見たくて横を見て、あなたがいないことに気付くんだ。
皆がそうして前へと進む中で、私はそんなことでいちいち落胆するんだ。その場に留まりそうになる。
どうしてもあなたを乗り越えることが出来ない。どうしてもあなたを過去に出来ない。
きっとあなたはそう望むからと、そういう行動を起こしても、気持ちだけは一向に前に進めない。
頑張ることはできても、どうしても乗り越えられないんだよ。

ただ、一緒にいたかった。
ただ、いてくれるだけでよかった。
出来れば想いも告げたかった。
振られてもいいから、この気持ちを伝えたかった。
そうした後悔の念が今も渦巻いている。
魔王……何であなたは今ここにいないんだろう……魔王……
509: :2012/10/23(火) 21:53:54 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……ごめん」ポロポロ

側近「……」

女勇者「魔王は女の子が泣くの嫌だから、もう泣かないって決めてたんだけどな」グシグシ

女勇者「……はは、魔王が嫌だからか。やっぱり私は乗り越えられてないよ」

女勇者「私は乗り越えて前に進んでるんじゃない。魔王の幻影に縛られて頑張ってるだけなんだよ」

側近「……そういう解釈もあるかもしれないな」

側近「だけど、俺の考えは違う」

女勇者「え?」

側近「愛する相手を失ってなお、頑張ることは凄いことだ。俺がハーピーを失ったらと思うと……正直怖くて仕方ねえよ」

側近「失った誰かの命、その存在が自分にとって大きければ大きいほど、自分に重くのしかかるんだ」

側近「失った命は二度と戻らない。そして、それが記憶から消えることもない」

側近「乗り越えるということは、忘れて進むことじゃない。それを背負って頑張ることだと思う」

側近「だから女勇者はちゃんと乗り越えてるよ。俺が保証してやるよ」
510: :2012/10/23(火) 21:55:39 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「でも……」

側近「でもじゃねえよ。実際、女勇者には皆が感謝してる」

側近「俺も、計画に参加してくれた皆も、女勇者が行動してくれたおかげで前向きになれたんだ」

側近「この結果は立派だよ。そんな立派な結果に辿り着いたのは、女勇者が頑張ってくれたからだ」

側近「魔王様に依存したから?今でも魔王様を引きずってる?それでもいいじゃないか。女勇者は確かに頑張ってるんだ」

側近「むしろ、もう少し弱くなってもいいんじゃないか?無理して頑張りすぎるから、いろいろ考えてしまって悩んじまうんだよ」

側近「泣けよ。弱音吐けよ。んでもって、先に逝っちまったあのバカ魔王に悪口の一つや二つくらい言ってやれ」

側近「ここにいる皆は全員が味方だ。弱さをさらけ出して楽になっちまえよ」

側近「魔王様は確かに女が泣くのを嫌がるが、自分を理由に苦しむのはもっと嫌がると思うぞ」

女勇者「……魔王の思い出に縛られるのは、許されることなのかな?」ウルウル

女勇者「前へ進んでる時に、度々過去に立ち止まるのは良いことなのかなあ……?」ウルウル

側近「最後には前へ進んでるんだ。過程がどうあれ、それは良いことだと思うぞ」

側近「今まで悩みながらそれを出さずに俺達を引っ張ってくれてありがとな。でも、何もかも押し殺す必要はない」

側近「最後には皆で平和に進むために、今くらいは弱くなっていいだろ」

女勇者「うぅ……ううぅ……うああぁ……!」ポロポロ
511: :2012/10/23(火) 21:56:50 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王……私は……!」ポロポロ

側近「……」

ハーピー「女勇者さん……」

魔物♂「あー!側近様が女勇者さん泣かしてるぞ!」

人間♂「よくも女勇者様を!いくら側近様と言えど許さんぞ!」

側近「お前ら空気読めよ!ていうか、俺が泣かしたわけじゃ……いや、悪い意味では泣かしてねえよ!」

女勇者「あ、えっと!本当に私は大丈夫だから!」グシグシ

女勇者「……側近」

側近「何だよ?」

女勇者「楽になれたよ。ありがとう!」

側近「お互い様だ、気にするな」

女勇者「じゃあ皆、そろそろ作業に戻ろう。休憩はちゃんとできた?」

魔物♂「ハーピーさんのおにぎりのおかげでバッチリっすよ!」

人間♂「ほんと嫁に欲しいっす!」

ハーピー「ちょっと皆さん……///」

側近「それは俺がいる限り諦めるんだな。ハーピーは俺の嫁だからな」

ハーピー「そ、側近!!//////」

側近「いや、まあ……たぶんそう遠くない未来にはそうなるんじゃねえの?///」

女勇者「自分で言って照れてるよwww」

側近「うっせえな!お前はさっさと作業戻れよ!」

女勇者「言われなくてもそうするよ!……さあ皆!計画達成はもうすぐだよ!頑張ろう!」
512: :2012/10/23(火) 21:59:10 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

書き溜めがぁ!!
使われてぇ!!
書き溜めがぁ!!
画面端ぃ!!
ストーリー進んでぇ!!
まだ使うぅ!!
書き溜めがぁ!!
……つっ使われてぇ!!
書き溜めが尽きたぁー!!

いや、正確にはまだ尽きてませんけど、けっこうやばい感じです。
頑張らなくちゃなーっていう、そういう雰囲気です。

元ネタがわからない人は「ウメハラ 電波実況」でググるとわかると思います。

今回の更新のまとめです。
>>503-511
513: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 22:02:11 ID:uvpfVMUeiU

私…このSSが終わったら1と結婚するんだぁ
514: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 22:03:35 ID:iJQjq.rECQ
期待。支援つ⌒C

絵うpしました。ご笑覧くださいm(_ _)m稽首
515: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 23:22:30 ID:np9PJ8C4a2
わたしは山田俊彦。
名前は山田俊彦。
516: 名無しさん@読者の声:2012/10/23(火) 23:55:29 ID:5DhxIxj3Ng
>>513
こんなイカ臭いやつやめとけ


1は俺がもらう
C
517: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 05:56:40 ID:E4SxfhN7f.
まとめに魔王を使い忘れただと!?
もうすぐ魔王が出てくる予感wktk
このSSのヴォミックとかやって欲しい
518: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 10:26:07 ID:AbeZYtaf4o
っ支援
っティッシュ
(´・ω・`)すごく...イカ臭いです
519: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 16:58:39 ID:R8eRGHJ39.
>>516
おっと待ったそれは許さないよ><

私だって1欲しいんだから//

とりあえず1はこれあげるから私のとこへ来なさい(`・ω・´)

っC
っ新品のティッシュ
520: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 18:00:15 ID:Q/TSS69zxA
>>513
>>516
>>519
いやいや1は俺がもらうから!

ほれほれ
つ⌒C⌒C
つエリエ○ル
521: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/24(水) 23:04:57 ID:6xWpg1Pyas
>>513>>516>>519-520
やめて!私のために争わないで!
……こんな台詞を吐ける日が来るとは夢にも思ってませんでした。男なので尚更。
何なんでしょう。モテ期到来ってことなんでしょうか。俺の望んだ未来がとうとうやってきたって、そういうことなんでしょうか。

>>514
絵スレの870ですよね。見ましたよー。
向こうでも言いましたけど、谷間がいいですよね。あの谷間は反応せざるを得ないですよね。
男ですもん。見ちゃいますよね、あれは。きっと魔王様も見ると思いますよ。

>>515
はあ、そうですか。私はかつて肺痛M魔王という名で呼ばれたこともある男です。

……何て言うか、何かのネタかなって思って名前でググってみましたけど、いまいちピンときませんでした。
前作で言うところのマグナム的な感じになってます。何か元ネタのあるものなら、よければ教えてほしいです。

>>517
単純に書き溜めやべー!っていうのを叫びたかっただけだったりします。
どうしても前作から一年後ぴったりにスレを立てたくて、「まあ200KBytesくらいの書き溜めあるからいっか!」とスレ立てしまして。
そして今けっこう追い込まれてるわけです。書き溜めって大事だよ。ほんとだよ。

ヴォミックですかー。いいですねー。魔王様方に声がついたらどんな感じになるのか聞いてみたいですね。

>>518
>>518さんに限った話じゃないですけど、それほんとに引っ張りますねーwww
何かもうイカ臭いのがキャラとして定着しそうで怖いです。
俺は腹痛キャラなんですよ!それだけでいいじゃないですか!Mにイカ臭までキャラに加わったら真性の変態ですよ、俺!
……いや、キャラ作りとかじゃなくて真面目に腹痛はするんですけどね。緊張すると即座に腹部の痛みがスパイラルです。
522: :2012/10/24(水) 23:06:32 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「さーて作業を頑張って……」

ウィッチ「女勇者ー!」

女魔法使い「……」

女勇者「あれ?ウィッチに女魔法使いじゃない。どうしたの?」

女勇者「……あっ!このコンビだっていうことは!」

ウィッチ「そうなの!魔法陣の解明に成功したの!……たぶん」

女勇者「……最後なんか自信なさげな言葉が加わったんだけど」

ウィッチ「まあとにかくちょっと来てほしいの!お願い!」

女勇者「って言ってるんだけど、大丈夫?」

魔物♂「大丈夫っすよ!作業は俺達だけでやります!」

人間♂「女勇者様はどうぞ女魔法使い様方の方に行ってください!」

女勇者「大丈夫っぽいね。わかった、そっちに行くよ」

ウィッチ「そっか、よかった。それじゃあ女魔法使い、移動魔法よろしくね」

女勇者「……ウィッチ、移動魔法使えないの?」

ウィッチ「いや、使えるんだけど私の力量だと人数や距離がしょぼいというか……」
523: :2012/10/24(水) 23:08:40 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「女魔法使いの移動魔法で魔法学の街に来ました」

ウィッチ「今の台詞、やたら魔法って文字多かったわね」

女勇者「どうでもいいでしょ……」

女勇者「それはそうと、解明したかもしれない魔法陣ってのはどこよ?」

ウィッチ「魔道師の家の中に小さめなの作ったんだけど……」

女勇者「それを見てほしいのね?わかった、すぐに向かおう」



女勇者「というわけで魔道師の家です」

女勇者「……何か綺麗になってない?資料は相変わらず多いけど、整理整頓されたというか」

ウィッチ「女僧侶がね、汚さに我慢できなくて掃除したんだよ」

女勇者「そう言えば女僧侶は?」

ウィッチ「今は魔法学の街の見回りしてるよ」

女勇者「あ、そうなんだ。まあ異世界に行く魔法は既に習得してるみたいだし、街を守る仕事も頑張んなきゃいけないもんね」
524: :2012/10/24(水) 23:10:21 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……ああ、これがその魔法陣ね」

女魔法使い「……」コクコク

女勇者「凄いじゃない!魔法陣が効果を発揮して、それが続いてる!ちゃんと持続系魔法陣になってるじゃない!」

女勇者「これをタンクに応用すれば、魔力を少しずつでも溜めることが出来るよ!」

ウィッチ「……」

女勇者「何で嬉しそうじゃないのよ?努力が実ったんだよ!」

ウィッチ「……持続系魔法陣の特徴って知ってる?」

女勇者「え?知ってるよ。一度作れば魔法効果が続くのが持続系でしょ」

ウィッチ「……後は、魔法陣の中で効果を得られるってこと」

ウィッチ「試しに魔法陣の外から魔力を放出してみたんだけど、魔力が留まる効果は見られなかったわ」

女勇者「あ、そっか。じゃあ魔法陣の中に入ってからやればいいじゃない」

ウィッチ「……もし解明が失敗してて、対象者の魔力を吸い取る効果が消えてなかったら、最悪死ぬんだよ」

女勇者「え?」

ウィッチ「これの効果を調べるために、誰かが死ぬかもしれないんだよ……」
525: :2012/10/24(水) 23:11:55 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……」

ウィッチ「だからこれはどうしたらいいのかなって相談したくて……」

女勇者「で、でも、成功してるのかもしれないんでしょ?」

ウィッチ「それを誰が確認するのかが問題なのよね……」

女勇者「……」

ウィッチ「……」

女勇者「いやあ、やっぱりこういう時は製作者が責任持って確認すべきだと思うな」

ウィッチ「いやいや、責任で言えば計画の代表者の方があるってものでしょ」

女勇者「私はウィッチがやった方がいいと思うけどね!」

ウィッチ「私は女勇者のちょっといいとこ見てみたいけどね!」

女魔法使い「……私がやる」

ウィッチ「女魔法使い!?」

女勇者「ちょっと待って!別にダチョウ倶楽部のノリじゃないから無理しなくても……」

女魔法使い「確認するのなら……私がやる……」

女魔法使い「私とウィッチが一生懸命頑張ったから……私は信じたい……!」

女魔法使い「行きます……」スタスタ

ウィッチ「は、入ったぁー!」
526: :2012/10/24(水) 23:14:39 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「女魔法使い、大丈夫!?苦しくない!?」

女魔法使い「……大丈夫」

ウィッチ「大丈夫ってことは、対象者の魔力を吸い取る効果は消えてる?」

女勇者「女魔法使い、その中から魔力を放出してみて」

女魔法使い「……できた」

女勇者「魔力が維持されてる!」

ウィッチ「女勇者、私達も入って魔力出してみよう!」

女勇者「うん!」

ウィッチ「……皆の魔力が混ざってる。それでいて維持出来てる!」

女勇者「成功したんだよ!女魔法使い達、成功したんだよ!」

女勇者「この魔法陣にもう命を奪う悪意はない!二人が変えたんだよ!」

女勇者「行けるんだよ!私達、魔王を迎えに行けるんだよ!」

ウィッチ「出来たんだね……私達」

ウィッチ「これで……前魔王様にこの世界で眠ってもらえるんだね」

ウィッチ「私……これで罪を償えたのかな……」

女勇者「……魔王はとっくに許してる、ていうかそもそも悪いことされたと思ってないって、そういう風に私は思うけど……」

女勇者「ウィッチが納得できないんなら、安心させてあげるよ。絶対に成功させよう」

女勇者「人や魔物の垣根を越えて協力してここまで来たんだもん。絶対に成功させよう!」

女勇者「絶対に、魔王にこの世界に帰って来させよう!」
527: :2012/10/24(水) 23:16:18 ID:6xWpg1Pyas
工学人「魔法陣が完成したんですか!」

女勇者「はい!これを応用してタンクを造れば……」

女勇者「それで皆で魔力を溜めれば……私達、異世界に行けるんです!」

「うおおお!」「よっしゃあああ!」「うっ!……ふぅ」

工学人「墓の作業の方もだいぶ進んでますからね」

工学人「タンク製作の方に人数を割けますよ。あっという間に造ってみせましょう」

女勇者「そして魔王を迎えに行く!平和を取り戻しつつあるこの世界で、真に共存を目指して蘇ったこの街で眠ってもらう!」

女勇者「それが届くところまで私達はやってきたんだよ!もうクライマックスに突入してるんだよ!」

女勇者「あとは成功という最高のラストまで駆けるだけだよ!行こう!皆で!!」

女勇者「皆で成功を掴もう!!」
528: :2012/10/24(水) 23:18:19 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよー!」

魔王「前作の最初期はどうなることかと思ったけど、今となっては女性キャラいっぱい増えたよね!」
魔王「もう女の子がいっぱいで嬉しくて仕方ないよ!」
魔王「皆綺麗で可愛くって、一人だけ選ぶなんて至難の業状態だけど、俺はやっぱり女勇者ちゃんとイチャイチャちゅっちゅしたいなあ!」
魔王「皆は一人だけ選ぶなら誰にする?贅沢な悩みだけど、聞いてみたいよね!」
魔王「……本当にイチャイチャちゅっちゅできればいいんだけどねえ。妄想して現実に戻ると虚しくなるよね……」
側近(魔王様は何で付き合えないって思ってんだろう。誰の目からも両想いは明らかなのに……)

魔王「今回の更新のまとめでござる!ニンニン!>>522-527
529: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 23:27:31 ID:sF1XQdlJCo
魔王は鈍感すぎ・・・
しまいには俺から関節技かけるよ?
側近とコラボで。

つ支援
530: 名無しさん@読者の声:2012/10/24(水) 23:30:08 ID:Th8mJUgAW6
魔王てめぇ…二度と悩むな!吹っ切れろ!
もー側近、こいつ4の字固めちゃってよ…

女魔法タンとウイッチタン乙
女勇者タンも乙!

あ、ところで俺絵スレの870なんですが
女勇者タンの胸はBには大きくてCで余るくらいの設定で良かったのかいな?
531: 名無しさん@読者の声:2012/10/25(木) 01:56:28 ID:hLvARD2Fi2

1も魔王もらぶっ!

前作から見てるけど女勇者ちゃん
そこ代わってくれないかな?

つ CCCCC
532: 名無しさん@読者の声:2012/10/25(木) 02:49:55 ID:AbeZYtaf4o
っ支援
変態魔王よこれで元気つけろ女勇者の写真×一億
ベット
ティッシュ
533: 名無しさん@読者の声:2012/10/25(木) 07:23:32 ID:E4SxfhN7f.
魔王は俺の嫁!
ほかの奴に渡さねーよ!


534: 名無しさん@読者の声:2012/10/25(木) 21:11:24 ID:1ohc8WIbfU
女勇者が空いたようなのでもらっておく

パフパフしたいよぉ…


つCCCCC
535: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/25(木) 22:50:02 ID:6xWpg1Pyas
>>529-530
側近「いいですねえ、コラボ。俺足4の字かけますから、適当に上半身攻めてくださいよ」
魔王「嫌だよ、そのコラボ!二倍の苦しみじゃん!」
側近「大丈夫ですって。折れても魔王様には回復魔法がありますから」
魔王「何で折る前提で話進めてんの!?とにかく絶対嫌だかんね!」
側近「……もし俺や>>529が女性だったら?」
魔王「!?技かけられたい!不思議!」

>>530
女性陣の胸ですが、正確なサイズは考えてません。
ただ、最近出ている女性陣の中で、大きさは次のような関係性をイメージしてます。
女魔法使い<ウィッチ<女僧侶≦ハーピー<女勇者<<<女戦士
女勇者と女戦士がでかめなのは軽く譲れませんが、全体的に適当なので、設定的に納得できなければ抗ってもらって構いません。
まあ要するに、描くのであれば、あんまりこっちの言い分に囚われないでねってことです。

>>531
魔王「わーい!らぶってくれてありがとー!」
1「我が世の春が来たあああ!!」
女勇者「1は別にいいけど……魔王だけは諦めたくない!」

>>532
魔王「これは!?どうやってこれを……ありがとうございます!!家宝にします!!」ポロポロ
魔王「これは早速自室こもってやることやらなくちゃ!!」
1「待って!そんなにあるんだから俺にも800枚くらいくれてもいいんじゃない!?」ハァハァ

>>533
魔王「俺を嫁にしたがる人って多いよね。ありがとう!」
魔王「あれ、俺の性別なんだっけ?ってなるけど、好意を寄せてもらえるのは嬉しいよ!」
魔王「できれば女勇者ちゃんと一緒にいれたら嬉しいんだけどなー」
側近「魔王様、他の奴には渡さないって言ってるんですよ?」

>>534
魔王「残念、俺がいるよー!」
魔王「女勇者ちゃんのパフパフを譲るわけにはいかないよ!栄光を掴むのは俺だー!」
側近「とか言いながら、実際やる度胸はないですよね。手つなぐだけでも赤面してきょどるんですから」
536: :2012/10/25(木) 22:52:12 ID:6xWpg1Pyas
工学人「足場には大きな魔法陣を施しまして」

女勇者「うんうん」

工学人「その魔法陣の中に設置したタンクがございます」

女勇者「ほうほう」

工学人「こちらに注入口がございまして」

女勇者「はいはい」

工学人「ここに魔力を放出すればタンクに溜まる仕組みでございます」

女勇者「あーあー」

工学人「こちらにメーターがあるので必要分はすぐにわかります」

女勇者「へえへえ」

工学人「メーターが満タンになったら、このボタンで上空に放出し、魔法に用います」

工学人「……無事に完成しました!完成したんですよ!」

女勇者「やったじゃない!これで異世界に行くためのピースは全て揃ったね!」

女勇者「お墓も完成したし……後は魔王を迎えに行くだけだよ!」
537: :2012/10/25(木) 22:53:49 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「よし、じゃあ皆を集めよう!皆から魔力をわけてもらおう!」

工学人「それじゃあ俺も……」

女勇者「あ、工学人さんは閉じる分のタンクを造ってて」

工学人「え?」

女勇者「敵地への進入口を作ろうとしてるんだよ。危険ももちろんある。だから念のために即座に閉じれるよう、その分の魔力もあらかじめ用意しなくちゃ」

女勇者「そういうわけだから、工学人さんや魔法学の知識のない方は引き続きタンクを造ってて」

女勇者「私や魔法学に精通している者でタンクに魔力溜めてるから。それじゃ!」ダッ

工学人「ちょ、ちょっと!……行っちゃった」

工学人「なんかもう……俺の仕事は終わったって油断してたから、気持ちが乗らないんだけど……」

工学人「まあ久々に出番あったからいいけどさあ……」
538: :2012/10/25(木) 22:55:08 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「というわけで、皆で魔力を溜めよう!」

側近「だから急遽魔法学に精通する者を集めたのか」

ウィッチ「けっこうな数ですね。これなら魔力の総数は期待できますね」

側近「ウィッチ。別に俺に対してもタメ口でいいぞ?」

ウィッチ「いやあ……ちょっと厳しいですね」

ハーピー「正直私なんかの魔力で役に立つか不安ですけど……女勇者さんの期待を裏切らないよう頑張ります!」

女勇者「魔力は誰にでもあるものだけど、それを放出する技術を持ってる者は限られるからね」

女勇者「だからこの場にいる皆は、魔法の精鋭達って言えるわよ。ハーピーさん、自信を持って!」

ハーピー「女勇者さん……」

女勇者「さてと……魔法に精通した皆に集まってもらったけど、私からちょっと言っておきたいことがあるんだ」

女勇者「無理はしないで、時間をかけて、誰一人として欠けることなく、魔力を溜めよう!」

女勇者「魔道師のように犠牲を以て道を切り開くんじゃない!私達は協力を以て道を切り開こう!」

「うおおお!」「やったるでえええ!」「うっ!……ふぅ」

女勇者「よし!トップバッター、側近いっちゃって!」

側近「俺が最初かよ?」

女勇者「この中で魔力の総量が一番多いのは側近だからね。スタートダッシュを決めて皆を鼓舞して!」

側近「わかったよ。ここに魔力を出せばいいんだな?……いくぞ!」
539: :2012/10/25(木) 22:56:11 ID:6xWpg1Pyas
側近「はああああ……!」ゴゴゴゴ

女勇者「うわあ……相変わらず凄い魔力だね……」

ハーピー「かっこいい……///」

女勇者「……」

側近「ふう……そろそろ限界だな」

女勇者「お疲れ、側近!さて、気になるメーターの量は!?」

女勇者「……あれ?メーター、動いてなくない?」

ウィッチ「いや、ちょっとは動いてるわよ。……ほんとちょっとだけど」

女勇者「え?……えっ!?こんなの1%にも満たないじゃない!」

「側近様の魔力でこれか……」「溜まるのはいつになるんだ……」「うっ!……やばい、抜きすぎた」

女勇者「だ、大丈夫だよ!少しずつでも溜まるんだから!」

女勇者「無理はしないで、時間をかけて、誰一人として欠けることなく、魔力を溜めよう!」

女勇者「塵も積もれば山となるんだよ!山を目指して直向きに頑張ろう!」
540: :2012/10/25(木) 22:57:24 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……結局あの場にいた全員の魔力で1%ちょっとしか溜まらなかったね」

ウィッチ「おまけにぎりぎりまで放出したからね……魔力が回復するには数日かかるよ」

側近「……遠いな。異世界は、魔王様は……」

女勇者「一日で1%……それから数日回復を待って……どれだけかかるんだろうね」

女勇者「でも、でも届く場所までは辿り着けたんだよね!」

側近(確かに少しずつでも溜めれば目標は達成できる)

側近(しかし、達成間近と思ったところにこの結果だ)

側近(俺達の士気を下げるには十分の結果だ)

側近(魔力の酷使で弱ってるところに士気まで下がってんだ……戦争派の動きが穏やかなままだといいがな)
541: :2012/10/25(木) 22:59:02 ID:6xWpg1Pyas
翌日。

女勇者「うう……やっぱり魔力は回復してないね」

女勇者「今日はタンクに溜めるのは無理そうだね」

ウィッチ「そうでもないよ!」

女勇者「え?」

女僧侶「女勇者さん、協力に来ました!」

女魔法使い「……」

女勇者「え!?二人は王様から魔法学の街の護衛任務を受け持ってるはずなのに……」

女僧侶「……魔法学の街の皆さんが私達に行くよう言ってくれたんですよ」

女勇者「でもそれだと街の護衛が……」

女僧侶「皆さんが協力して守りきると言い切ってくれました」

女勇者「えっ……」

女僧侶「一人一人では非力でも、協力し合うことで成功を掴める……女勇者さんの活動を見てそう思ったそうです」

女僧侶「魔王さんのおかげで人と魔物はお互いを受け入れられるようになりました」

女僧侶「そこから、互いに手を取り合って最良の結果を目指すようになったんです」

女僧侶「そうさせたのは、それを信じさせたのは、まぎれもなく女勇者さんですよ」

女僧侶「女勇者さんの活動が、世界に勇気をもたらして前へと進ませたんですよ!」

女勇者「私達の活動が……」
542: :2012/10/25(木) 23:00:52 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「私と女魔法使いさんは、今は女勇者さんに協力すべきだと言われました」

女僧侶「皆で協力して、悪意から街を守りきると約束されました」

女僧侶「私達はそれを信じて、ここにやってきました」

女僧侶「魔王さんを迎えに行くという、世界が望むその瞬間のために!」

女魔法使い「……」ウンウン

女勇者「皆……」

ウィッチ「きっとこれからそういう人は増えると思うわ」

ウィッチ「強い者に守られていた平和を、今皆が協力して守ろうとしているのよ」

ウィッチ「よかったね、女勇者。私達の……あなたの活動が、皆の心を動かしたのよ」

女勇者「心を……」

ウィッチ「さあ、これで予定より早く前魔王様を迎えに行けるわよ!」

ウィッチ「あとは成功という最高のラストまで駆けるだけだよ!行こう!皆で!!」

女勇者「……うん!」
543: :2012/10/25(木) 23:02:44 ID:6xWpg1Pyas
側近「……」

側近(これで士気は下がらずに済む。加えて、計画も早く進む)

側近(しかし、本当に各地の戦力をこの計画に割いて大丈夫なのだろうか?)

側近(協力や想いから生まれる力は確かに強力だ。しかし、それでもやはり個々の戦闘能力は低いままなんだ)

側近(獣人族のような強い戦争派が襲撃をした場合、戦力を割いた状態で一般の人や弱い魔物が防衛できるのか?)

側近(それで本当に誰一人欠けることなく未来に辿り着けるのか?)

ハーピー「私、世界各地を飛んで、協力者を探してみます!」

女勇者「ハーピーさん、任せたよ!二人はこっちでタンクに溜めて!」

側近(……高まった士気を下げるような行為をするわけにはいかないか)

側近(信じよう……世界が協力して生まれる力を)
544: :2012/10/25(木) 23:04:17 ID:6xWpg1Pyas
獣人下っ端「何でですか!?共存派の連中を叩くなら今でしょう!」

獣人下っ端「連中、計画を急ぐあまり、人間界の王が派遣した勇者達を呼び出したんですよ!」

獣人下っ端「魔物も魔物で魔法知識のある奴は共存の街に向かってます!」

獣人下っ端「つまり、世界各地の守りが薄いんですよ!今しかないんです!」

獣人壱「ぐだぐだ言うな!わかってんだよ、そんなことは!」

獣人下っ端「では何故なんですか!?何故今攻めないのですか!?」

獣人壱「……ここ最近で思い知らされたよ。協力が生み出す力ってのはよ」

獣人壱「だが、どんだけ連中が綺麗事言ったところで覆せない事実が一つある」

獣人壱「弱い雑魚共が希望を持って強くいられるのは、それを導く強者がいるからだ」

獣人壱「どんだけ雑魚を潰そうと、そこを叩かない限り勝機は見えねえ」

獣人下っ端「……その勝機という奴は本当に見えているのですか?」

獣人壱「見えてるさ。連中の計画の全貌は知れてるんだ」

獣人壱「最後に笑うのは俺たちだ!世界の在るべき姿を取り戻してやる……!」
545: :2012/10/25(木) 23:06:35 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよー!」

魔王「今日は何の日か知ってる?」
側近「魔王様がお漏らしでもしたんですか?」
魔王「してないよ!一人でトイレに行けるくらいには育ってるよ!」
魔王「ちょうど一年前の今日にね、前作の本編が終わったんだよ」
側近「ああ、龍人ボコボコにして人間界と和解した、あの日なわけですか」
魔王「前作の本編が終わったのは502だったよね」
側近「ということは、前作より更新ペースは早くなって、話も長くボリュームアップしてるわけですか」
魔王「ノープランで走りだした前作と違って、今作は書き溜めもしっかり書いてから安定した投下を提供出来てて、そこはよかったなって思うよ!」
側近「でも書き溜めがやばい感じになってるんですよね」
魔王「何とか本編終了まで毎日投下が成り立つように頑張ってほしいよねー」
側近「ちなみに今作での>>502はこんな感じです」
魔王「返レスの時だね。側近が理不尽に俺を怒ってるよ」
側近「理不尽でも何でもなく、正当な怒りですよ。どうして自分が屑行為してると自覚できないんですか?」
魔王「……振り返るような企画するんじゃなかった」

魔王「ながくなっちゃったけど、今回のまとめです。てやあ!>>536-544
546: 名無しさん@読者の声:2012/10/25(木) 23:10:21 ID:lAH9t/2Vuc
獣人ちょっとツラ貸せやぁ
バイブ責めしてやんよ!(`・ω・)b

その間にみんな頑張れ
側近はとりあえず魔王しめとけ

1は…まあ、なんだ
ほれ
つティッシュ
つCCCCC
547: 名無しさん@読者の声:2012/10/25(木) 23:55:23 ID:EGID77uG.M
毎日更新お疲れさまです!
楽しみに見てます(^O^)

また本編で側近と魔王の漫才が見れる日がきますように…!
548: 名無しさん@読者の声:2012/10/25(木) 23:56:29 ID:5DhxIxj3Ng
またイカ臭いやつ発見www


>>1あっここにも…


こんなに女勇者が頑張ってるのに魔王は…
お説教と調教が必要ですね(はぁと

つティッシュ
549: 名無しさん@読者の声:2012/10/26(金) 07:00:25 ID:E4SxfhN7f.
あ、魔王が可愛すぎる//////
結婚してー!
無論、女勇者ちゃんは無しだよ?

魔王へ

つ女勇者ちゃんが焦がしたケーキ

つ腐った真っ黒なリンゴ

つVOCALOID「KAITO」

つ姻婚届け
550: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/26(金) 21:35:34 ID:6xWpg1Pyas
>>546
もうちょっと穏便にいきませんか、獣人に対して。
俺男ですからね。獣人も男ですからね。そんなバイブが必要となるようなシーンは見たくないですよ。
獣人と魔王をしめるのは側近達に任せましょう。

>>547
魔王と側近のやり取りは俺も書いてて好きですね。
本編でやり取りが復活するといいですね。俺も楽しみにしときます。

>>548
どうしてこうなった。
いやね、前作でも似たようなネタはやってたんですよ。観衆の中に混ざって抜きまくってる奴がいるっていうね。
でも前作では皆さんほとんどスルーだったんですよ。俺これすべってるんだろうなって思いながらも当時は続けて、一年後にも繰り返したわけですよ。
そしたらどうですか。今回めっちゃいじられてるじゃないですか。皆ティッシュくれますよ、俺に。
いろんな意味で自分で蒔いた種なんですけど、このまま俺のキャラとして定着するのはどうにか回避したいです。

魔王に調教やお説教をする場合、女性がやるとご褒美になってしまうので該当する方はご注意ください。

>>549
魔王「女勇者ちゃん無しなの!?嫌だよー、皆でイチャイチャしようよ!」
側近「本当に女性の敵って感じの方ですよね。どうしてそれでモテるんですか?」
魔王「モテないよ!側近め、自分がモテるからって嫌味いいやがって!」
側近「これもう殺していいよな?俺これ殺しても許されるよな?」
魔王「やめてー!本編でもやばいんだから、これ以上俺の居場所を奪わないでー!」

側近「それにしてもここ最近でいろんなもん貰いましたよね……」
魔王「女勇者ちゃんのケーキは焦げてても美味しい!」モグモグ
551: :2012/10/26(金) 21:38:00 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶と女魔法使いが来訪したその日から、世界中から実力者が共存の街に集まってきた。


勇者「俺達にも協力させてくれないか?」

女勇者「あ、勇者さん!僧侶さんに魔法使いさんも!」

勇者「工学人が今共存の街で活動してるだろ?助けてほしいと工学の街に連絡がきてね」

勇者「街の人達も暖かく送り出してくれたよ。街を守るのは任せてほしいと」

勇者「あの魔王には俺もこの世界で眠ってほしいと願ってるからね。さあ力になるとしようか」

女勇者「ありがとうございます!」


龍人「よう。話は聞いたぜぇ」

女勇者「龍人!城の警備は大丈夫なの!?」

龍人「あの三バカトリオもいよいよやる気になったみてぇでな。城は任せて共存の街に行けってよ」

龍人「自慢だが、戦闘に関しては今この世界じゃトップを自負してんぜ」

龍人「もちろん魔力の総量でも話は同じだ。ほれ、さっさと魔力溜めようじゃねぇか」

女勇者「龍人、ありがとう!」


女戦士「よう、久し振りだな!」

女勇者「女戦士!」

女戦士「パーティで私だけ除け者にしてんじゃねーよ!いいとこなんだろ?私にも協力させろ!」

女戦士「私がいねえと始まんねえだろ!私達全員で最後まで突っ走ろうぜ!」

女勇者「女戦士……」

女勇者「……あんた、魔力出せるの?魔法学の知識、ないんでしょ?」

女戦士「え?あれって、何かこう……グッ!と力を込めたら出るもんじゃねえの?」

女勇者「出ないわよ!何しに来たのよ、あんた!」

女戦士「マジか……女魔法使い、魔力の出し方教えてくんね?」

女魔法使い「……」エー・・・
552: :2012/10/26(金) 21:39:37 ID:6xWpg1Pyas
このほかにも歴代の勇者達や強い魔物など、強大な魔力を誇る実力者が多く集った。
それにより、タンクに魔力が溜まるスピードは格段に上がり、目標は確実に近付きつつあった。
魔力が強まるにつれてタンクへの負担も強まるが、ゴーレム族の強固さを受け継いでしっかりと防いでくれていた。
そうして皆が魔力を注ぎ、勉強を重ねても女戦士は魔力放出を覚えられず、そんな日々が続いて一ヶ月が経過した頃にはついに……

女勇者「……溜まったー!」

「いやっほおおお!」「いえええい!」「ヒーハー!」

女戦士「やったなー、女勇者!これで異世界に行けんだな!」

女勇者「……結局あんたは見に来ただけだったわね」

女僧侶「まあまあ、いいじゃないですか。気持ちはありがたいですよ」

側近(懸念していた戦争派の襲撃もなかったな……)

側近(戦争派にとっての好機を見逃すか?本当に高まった士気に気圧されたと片づけていいのか?)

側近「……考えすぎかな。今はこの結果を喜ぶとしよう」

女勇者「ん?側近、何か言った?」

側近「いや、何でもない」
553: :2012/10/26(金) 21:40:59 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「さあ、墓も完成した!異世界への穴の開閉に必要な魔力も溜まった!そして女僧侶が異世界へと繋ぐ魔法を覚えてくれた!」

女勇者「あとは魔王を迎えに行くだけだよ!」

側近「その前に確認しておいた方がいいことがいくつかある」

側近「異世界へ通じる穴を造るということは、向こうからこっちに来れるという意味でもある」

側近「前にも言ったが、もし異界王が生きているとしたら、今から俺達がやろうとしてることは大変危険なことだ」

側近「それに……女勇者、魔王様が亡くなってからどれくらい経った?」

女勇者「えっと、半年くらいはたぶん……」

側近「そう、魔王様が亡くなられてから長い時間が経ってる。となると、遺体の状態は芳しくないだろう」

側近「そもそも遺体があっちでどう処理されたかもわからないんだ。魔王様を探し出すのは困難を極める」

側近「当然時間もかかるだろう。そんな長い間穴を開けっぱなしにするのは危険かもしれない」

女戦士「じゃあどうすりゃいいってんだよ?」
554: :2012/10/26(金) 21:43:20 ID:6xWpg1Pyas
側近「……今回は偵察ということにした方がいいかもしれない」

側近「少数精鋭で異世界の様子を探るんだよ」

側近「大丈夫そうなら、増援させて魔王様の遺体を探そう。異界王が生きてた等、危険だったら即座に戻って穴を閉じよう」

女戦士「閉じんのかよ!?開け閉めに必要な魔力溜めんの、一ヶ月かかんだぞ!?」

女勇者「それは確かに痛手だけど、何より優先しなきゃならないのは私達の命よ」

側近「それが魔王様の遺志だろうからな」

女勇者「じゃあまずは偵察ということにして……メンバーはどうするの?」

側近「戦闘になった場合を考えて、強い者を連れていきたい。龍人、頼めるか?」

龍人「任せとけよ。これしか能がないんだ、それに関しては仕事するぜ」

側近「あとは……俺と女勇者でいいか」

女戦士「たったの三人でいいのか?何なら私の鉄拳を貸してやるぜ?」

側近「いや、女戦士はここで待機していてくれ」

側近「むこうからすれば俺達は異世界からやってきた敵だ。当然応戦も考えられる」

側近「その過程で、敵に捕まったりしたら、穴を閉じるに閉じれなくなるだろ。見捨てて取り残すわけにもいかないしな」

側近「その危険性を少なくするためにも、少数精鋭で行った方がいい」

女勇者「女戦士は魔法の素人だからね。魔法で遠隔戦挑まれたら正直足手まといだもんね」

女戦士「うっせーよ!どうせ私は魔法覚えられなかったよ、ちくしょう!」
555: :2012/10/26(金) 21:45:08 ID:6xWpg1Pyas
僧侶「……なあ、勇者」

勇者「何だ?」

僧侶「純粋に実力重視で行くんなら、女勇者よりお前の方がいいんじゃないか?お前のが実力はあるだろう」

勇者「……そうだな。確かに俺の方が強いだろうな」

僧侶「だったら……」

勇者「いいんだ。女勇者に行かせてやれ。魔王を迎えに行くんだからな」

勇者「女勇者は魔王亡きこの世界で、ここまで導いてくれたんだ」

勇者「女勇者が頑張ってくれたからこの瞬間があるんだ。先頭を走って引っ張ってくれた女勇者を信じて託そう」

僧侶「そっか……うん、わかったよ」

側近「……異論はないみたいだな。一応もう一度確認しておくぞ」

側近「俺と女勇者、龍人で偵察に向かう」

側近「現地を調べて危険なら穴を閉じる。安全なら皆で魔王様の遺体を探す」

側近「どちらにせよ戻る時間も決めておいた方がいいな。とりあえず三十分で戻るとしようか」

側近「異界王が生きていた等、あまりに危険ならそれよりも早く戻ろう。そして穴は閉じる……そんな感じでいいな?」

女勇者「うん、それでいこう。……女僧侶、今からタンクの魔力を出すから、それで魔法をお願いね」

女僧侶「わかりました。任せてください!」
556: :2012/10/26(金) 21:46:49 ID:6xWpg1Pyas
工学人「それじゃタンクから魔力を放出しますよ。上空に向けて出しますけど、一応離れてください」

工学人「いきますよ……そいっ!」

女戦士「うおっ!……すっげー魔力だな、おい」

ハーピー「こんな魔力を浴びたりしたら、確実に命を落としますね……」

女勇者「女僧侶!」

女僧侶「わかってます!こんな魔力を長らく放置するわけにもいかないでしょう」

女僧侶「いきますよ……はあああああ……!」

ウィッチ「あんなに強大だった魔力がみるみる小さくなってく……」

龍人「代わりに穴が上空に出現したなぁ。こいつが噂の異世界への扉ってか」

女僧侶「ふう……これで異世界へと通じたはずです」

女僧侶「資料に沿って実行したので、恐らく異界王の城の中に繋がってるはずです」

女勇者「……ついに来たんだね、この時が」

側近「工学人、念のため閉じる分の魔力も放出する準備をしといてくれ」

工学人「わかりました!」

側近「女勇者は浮遊魔法は使えないんだったな。じゃあ俺に掴まっとけ」

女勇者「うん、わかった」

龍人「よーし、そんじゃ行ってくんぜぇ!!」
557: :2012/10/26(金) 21:47:51 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「行ってらっしゃいませ!無理はしないでくださいね!」

女戦士「無理せずに頑張って絶対に魔王見っけてこいよ!」

女僧侶「どっちなんですか、それ……」

勇者「……入ってったな。こうなると、俺達はもう待つしかできないな」

女魔法使い「……」

ウィッチ「女勇者達……うまくいくかなあ?」

ハーピー「うまくいくと信じて私達は待ち……きゃあっ!?」

ゴーレム「ハーピーさん、どうされましたか?……っ!」

獣人壱「動くな!動けばこの女を殺す!」

ハーピー「うっ……」

ゴーレム「ハーピーさん!お前……」

獣人壱「動くなっつってんだろ!」

ゴーレム「ぐっ……」

ウィッチ「獣人族……未だに戦争派の種族が何でここに!?」

獣人壱「待ってたんだよ!あいつらが異世界に渡るのをなあ!」
558: 龍人「……俺は?」:2012/10/26(金) 21:49:54 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「魔王が死んで、ようやく世界を魔物と人に別つ時がきたと思った」

獣人壱「だが、結果としてそれは叶わず、魔物と人はお互いを受け入れたまま世界を再生した」

獣人壱「それは何故か?魔物と人が手を取り合って、前魔王に匹敵するような力を得たからか?違うっ!」

獣人壱「前魔王が死してなお、お前らを強く引っ張る強大な存在があったからだ!」

獣人壱「側近は言うまでもなく今の魔界を引っ張る共存派だ」

獣人壱「女勇者は絶望に染まるお前らに希望を植え付けた張本人だ」

獣人壱「そうして強く引っ張る奴がいるから、お前らも協力出来て力が生まれるんだよ!」

女戦士「た、確かに女勇者や側近がいなかったら、今この結果はなかったかも……」

女僧侶「で、でも!確かにきっかけは女勇者さん達ですが、今はこうして手を取り合うことを達成してます!今の私達には、自ら手を差し出す勇気が備わってます!」

獣人壱「どうだろうなあ?じゃあ何でお前らはそれを指摘されて焦ってんだ?」

獣人壱「協力が力を生むのなら、力強く引っ張る代表がいなくてもお前達だけでやっていけるだろ?何を焦る必要がある?」

獣人壱「……結局お前らは側近や女勇者についてって、奴らが織り成す平和についていってるだけなんだ!」

獣人壱「つまりだな……いくらお前ら雑魚をちまちま潰したって、今の状況はひっくり返らねえ」

獣人壱「でも、そういう引っ張るリーダーを潰しさえすれば、お前らは勝手に崩れてくれるんだよ!そうなりゃもう戦争派のもんだ!」
559: 龍人「なぁ……俺もいるよ?」:2012/10/26(金) 21:51:56 ID:6xWpg1Pyas
ウィッチ「で、でもあんたなんかが側近様や女勇者を倒せるって言うの!?笑わせないでよ!」

獣人壱「倒す必要なんかねえよ。そのためのこのタイミングだ」

獣人壱「おい、お前ら。いますぐあの穴閉じろ」

ゴーレム「なっ!?あの穴にはまだ側近様方が……」

獣人壱「だからだよ!異世界に追いやってこの世界から弾いてしまえばいいんだよ!」

獣人壱「側近と女勇者さえいなければ、俺達戦争派にだって勝機はあるんだぜ!」

獣人壱「わざわざ弱体化してくれたゴーレム族に、自分じゃ行動も起こせねえ雑魚共ばっかだろ!何を恐れる必要がある!?」

獣人壱「それでも強さだけで言えば、勇者みたいに侮れねえ奴はいるが、それくらいなら手段を選ばなければどうとでもなる」

獣人壱「ほら、俺の言う通りにしねえとこの女が死ぬぞ!」

ハーピー「くっ……皆さん、私のことはいいです!この方の言う通りにしてはなりません!」

獣人壱「できねえんだよ、お嬢さん!こいつらが犠牲者を出す選択なんてなあ!」

獣人壱「なんたって、皆の命は大好きな前魔王様が守りたかった財産だからなあ!」

獣人壱「俺は何も側近達に死ねって言ってんじゃねえ。異世界に取り残されろってんだよ」

獣人壱「それともあれか?僕達には側近様達が必要だから、この女は見殺しにしよ〜ってか?」

獣人壱「本当に皆の命を大切にしたいなら、そんなことは選べねえよな〜?」

女戦士「くそっ……腐れ外道が……」
560: 龍人「(´;ω;`)」:2012/10/26(金) 21:54:01 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「どうしましょう……」

勇者「前魔王がいれば何の問題もなかっただろうな。それに側近ならこの状況でも無事に人質を守りながら奴を倒す方法を思いつくかもしれん」

勇者「くっ……奴の言う通りだな。俺達が互いに手を取り合っても、前魔王や側近、女勇者のような頼れるリーダーがいなければ、何もできない……」

ウィッチ「そ、それってハーピーを見殺しにするってこと!?」

勇者「いや、彼女の命を軽視するわけにはいかない。この世界の誰しもが、大切な仲間なんだ」

勇者「……側近や女勇者がこの世界から消えるのは大きな痛手だが、だからって犠牲者を出すような真似はすべきじゃない」

勇者「……閉じよう。俺達は命を見捨てるわけにはいかない」

ゴーレム「……」

女戦士「だ、大丈夫だよ!私達には女僧侶もタンクもあるんだ!今はあの屑に従って、後々助け出せばいいんだよ!」

勇者(しかし、それでは頼れるリーダーを失う。統率のなくなるであろうこれからを考えれば戦争派の攻撃も激しくなるだろう)

勇者(そんな中でタンクを守りきり、魔力を溜めて再び異世界へ繋げることは可能だろうか)

勇者(本当に俺が今からやろうとしてることは正しいのだろうか……)
561: :2012/10/26(金) 21:56:35 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよ!」

魔王「整いました!」
側近「……」
魔王「いや、整いましたって……」
側近「……はい、魔王様」
魔王「はい!魔王とかけまして、弓道と解きます!」
側近「その心は?」
魔王「どちらもやさしいでしょう!まおっちで〜す!」
側近「優しいと……もしかして矢刺しってことですか?」
魔王「うん!」
側近「ただの馬鹿じゃないですか」
魔王「馬鹿って言うなよ!難しいんだぞ、これ!」
側近「……整いました」
魔王「ええ?あ、はい」
側近「魔王様とかけまして、ボトムズと解きます。その心は、どちらも最低野郎です」
魔王「おいぃ!?俺に対してはマジの意味で言ってるでしょ!?」
側近「整いました。魔王様は屑でしょう」
魔王「ストレートだよ!捻りなく真っすぐに悪口放ってきたよ!」
側近「整いました」
魔王「整わないでよ!お願いだからもう黙ってぇ!!」

魔王「今回の更新のまとめだよ。いやっほー!>>551-560
562: 名無しさん@読者の声:2012/10/26(金) 22:00:16 ID:HCMSYozMWM
獣人…貴様…問答無用でバイブ責めにケテーイしました今から泣いて詫びたって遅いんだぜ
20個くらいつけてフラフラにしてやんよ!(`・ω´・)b

今日は観衆ね中に抜いてるコ居なかったのね
ちょっと寂しい気もする

つティッシュ(1用)
つCCCCCC
563: 名無しさん@読者の声:2012/10/26(金) 22:44:49 ID:E4SxfhN7f.
獣人、てめぇ…!
側近、気づいて上げて!!

魔王へ

つ美女×六十

1へ

つ腐った林檎

つ支援
564: 名無しさん@読者の声:2012/10/26(金) 23:28:47 ID:5lSNJ/Zbk.
龍人が可愛いすぎてもう…っ
イカ明太あげるから泣かないで!!
三バカも頑張れーっ

取り敢えず獣人はそこ正座しようか、はよ
565: 名無しさん@読者の声:2012/10/27(土) 00:05:17 ID:5DhxIxj3Ng
あ…イカ臭いのはすべらすやつだったんだね

前回の時はROM専だったからつい…
あと>>1さんに変なキャラが定着してもいけないですもんね
以後放置します//

これからも頑張って下さい!!

つエロ本

龍人ちゃんかわゆす

つC
566: 名無しさん@読者の声:2012/10/27(土) 09:14:23 ID:sF1XQdlJCo
魔王生きてろよ・・・
支援
567: 名無しさん@読者の声:2012/10/27(土) 15:20:06 ID:VLX1F5r/5c
かわいい女戦士タンは俺の嫁!!

SS完結したら貰ってくからな!
付いてこい!!

つC
568: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/27(土) 21:44:47 ID:6xWpg1Pyas
>>562
獣人に関しては、俺その場面見たくないので、俺のいないところでお願いできると嬉しいです。
事後報告で知らせてくれればそれでいいので、獣人の処理は任せました。頑張って!

抜いてるコに関してですが、割と真面目に俺がイカキャラ抜け出したいので、思い切って外してみました。
一つのギャグやネタで生き残れるほど甘い世界やないんや!っていう感じの理由で外したことにしといてください。あと、ティッシュありがとうございます。

>>563
側近「美女六十人ってなんか生々しい数字ですよね……アフリカで一夫多妻としてそれくらい結婚してる人とか下手したらいるんじゃないですか?」
魔王「俺に美女六十人!?やったー!美女は俺が選んでいいの?架空のキャラとかあり?」
側近「魔王様が好きに選べばいいんじゃないですか?俺達も架空のキャラなんで、それでいいでしょ」
魔王「わかったー!まずは女勇者ちゃんでしょ!それに女戦士ちゃんに女僧侶ちゃん、女魔法使いちゃんも必須で……」

魔王「……馬鹿な。六十じゃとても選びきれない!?」
側近「どんだけ好きな女性がいるんですか……」
魔王「女の子は皆好きだよ!女勇者ちゃんが一番だけどね!」
側近「誰かこいつをどうにかしろよ……」

1(腐った林檎……?何か嫌われてんのかな、俺……)
569: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/27(土) 21:45:47 ID:6xWpg1Pyas
>>564
龍人「本っ当に今作での俺の扱い、ずさんだよな!」
スライム「そう?>>362-369辺りで男を上げたじゃん」
ゾンビ「前作は悪役だったって考えたら飛躍の年じゃん。どこがずさんなんだよ」
ドラゴン「俺らの方がずさんだよ!そもそも出番がないよ、ちくしょう!」
龍人「うっせぇんだよ、ぼんくら共!出番が欲しけりゃ頑張りやがれよ!」

>>565
滑らすっていうか、滑ってると思いながらも続けたって感じです。
さりげなくボケを振りまいて、軽ーく笑っていただければ、と思って投入しました。その結果、前作は軽くスルーでした。
そして今作、前作の分も取り戻す勢いで皆さんがいじってくださいまして。報われた半面、戸惑ってるって、そういう感じです。
で、今度は放置プレイっぽいですけど、かつてつけてたコテにもMの字がありますし、これはもう別にいいやって感じですね。
いただいたエロ本でも読んで大人しく待ってます。

>>566
とうとう異世界に行けたっぽいですからね。
魔王の現状はそろそろわかるって段階でしょう。
果たしてどうなてるのでしょうか。それは本編のお楽しみです。

>>567
女戦士「何か私を嫁にしたい奴、けっこういるみたいだな。もの好きもいたもんだな」
女戦士「ついてこいってか。いいじゃん、そういう男らしくて強い奴、私は好きだぜ」
女戦士「後は一緒に酒でも飲んで騒げりゃ文句もねえかな。その辺どうよ?」
570: :2012/10/27(土) 21:47:03 ID:6xWpg1Pyas
側近「……ここが異世界か」

龍人「何だ、ここ?城ん中か?」

女勇者「魔王城や王都の城と比べると……正直しょぼいかも」

側近「文明のレベルは俺達のが高いのかもな」

側近「とにかく、まずは辺りを調べてみるか。くれぐれも誰かに見つかったりは……」

兵1「お、おい!何だ、あの穴は!?」

兵2「何者かがいるぞ!侵入者だ!」

龍人「おい、さっそく見つかってんじゃねえか」

側近「……見つかったものは仕方ない。攻撃されたら応戦するぞ。決して相手を殺したりはするなよ」

女勇者「わかってるわよ、そんなこと!」

兵1「うおお!」シャキンッ

側近「剣術使いか……」シャキンッ

兵1「はああ!」シュババババッ

側近「……大した使い手ではないな。ほれっ」シュパンッ

兵1「っ!」

側近「俺がその気ならお前はもう斬られてた。死にたくないなら退くんだな」

兵1「くっ……!」
571: :2012/10/27(土) 21:48:26 ID:6xWpg1Pyas
兵2「どけ!接近戦が駄目なら……はああ!」バシューッ

龍人「攻撃魔法もしょぼいな。これなら……」ドゴーン!

兵2「よし!まずは一人!」

龍人「……防御魔法をかけるまでもねえなぁ」ニヤァ

兵2「っ!む、無傷だと!」

側近「……いつか異界王が、俺ならすぐナンバー2になれるとか言ってたが、本当みたいだな。配下の実力は大したことない」

側近「この実力差なら、こちらで活動するのも問題ないかもな」

兵1「くそ、どうする!?俺達では対処できそうにない!」

兵2「止むを得ん!王に報告し、応戦してもらおう!行くぞ!」ダッ

女勇者「っ!王ってまさか……」

側近「いや、異界王じゃない可能性だってまだある。あれから半年経ってんだ、死んでたら誰かが王位を継いでるだろう」

側近「この世界で戦闘力において脅威的なのは恐らく異界王だけだ。新しい王なら、俺達がやられる可能性は低く思える」

側近「王を待ってみようか。俺達の目的を知ってもらい、捜索の許可をもらえれば安全に魔王様の遺体を探し出すことが出来る」

女勇者「……もし、今も異界王が王をやってたら?」

側近「……即座に逃げよう。すぐに戻れるよう準備はしておけよ」

龍人「おいおい、もう異世界探検は終わりかよ」

側近「相手が異界王だったらの話だ。そうじゃないことを祈ろう……」
572: :2012/10/27(土) 21:49:52 ID:6xWpg1Pyas
兵1「はやく!こちらです!」

兵2「ほら、トランプやってる場合じゃないですって!」

「待ってよー!あ、ばらけた!せっかく手札綺麗に揃えてたのに!」

側近「っ!!」

龍人「おい、この声……!」

女勇者「まさか……まさかっ!」

魔王「敵襲って言っても向こうから襲う気配はないんでしょ?だったら話し合いで解け……つ……」

側近「……魔王様」ポロッ

女勇者「魔王……魔王……!」ポロポロ

魔王「……女勇者ちゃん。それに側近も……」ポロポロ

女勇者「うあああ!!まおおぉぉ!!」ポロポロ

側近「生きて……生きてらっしゃったんですか……」ポロポロ

魔王「み、皆何でここに……?会いたかったよぉ……」ポロポロ

三人「うわあああああ!!」ナキーノダキアイーノ

龍人「……ボケがぁ。ガキみたいにはしゃいでんじゃねぇよ……」ポロポロ

兵1「え?え?ど、どういうことだ、これ?」
573: :2012/10/27(土) 21:50:26 ID:6xWpg1Pyas
兵1「……魔王様の御友人とは露知らず、失礼いたしました!」ドゲザー

兵2「側近様や女勇者様、龍人様のお名前は常々お聞きしておりました!どうか無礼をお許しください!」ドゲザー

女勇者「い、いや、いいんですよ。見知らぬ誰かが城にいて、防衛を図るのは当然だと思います」

兵1「あなたが女勇者様ですか。なるほど、お綺麗な御方ですね」

兵2「魔王様が好きになるのも頷け……」

魔王「わああああ!ちょっとそれ言わないでよおおお!」

女勇者「……?」

側近「……ところで魔王様、何故このようなことになってるのか説明していただけますか?」

側近「異界王はどうなったのか、魔王様は何故生きてるのか、どうしてこの世界の王となってるのか……お願いします」

龍人「クールに決めてくれるもんだな、側近。少し前まで泣きじゃくってたのによ」

龍人「魔王様ぁwww生きてらっしゃったんですかぁwwwえーんえーんwwww」

側近「殺すぞてめえ!つーかてめえも泣いてただろうが!」

龍人「俺はお前ほど無様に泣きじゃくってはねえよwww」

魔王「まあまあ二人とも。仲良くしようよ。喧嘩したって仕方ないよ」

魔王「……側近の言い分だと、俺死んだことになってんだね」

魔王「とりあえず……あの日のことと、それからを説明するよ……」
574: :2012/10/27(土) 21:51:46 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

本編見るのはこのまとめからっていう人がいましたら、今頃こんな感じに思ってるでしょうね。
「あれ?今回魔王じゃないんだ?また書き溜め尽きた?」って。
さて、どうして今回のまとめは魔王様じゃないんでしょうかね。
そもそも何故魔王様はまとめ担当になったんでしょうね。

今回の更新のまとめです。
>>570-573
575: 名無しさん@読者の声:2012/10/27(土) 22:12:10 ID:E4SxfhN7f.
魔王がまとめ担当になったのは俺が
「本編で魔王が出てくるまでまとめを魔王にやらせて!」
って言ったからだよ


魔王……、本編におかえりぃ!!
I'm LOVE you魔王!
また死なないでね!?
つ女戦士たんのさらし
つ魔王にあげるお兄ちゃん
つ姻婚届け
つ大奥のDVD
つみんなの愛
つ支援
576: 名無しさん@読者の声:2012/10/27(土) 22:47:36 ID:CSXz.u2xPo
今更どのツラ下げて出てきてんじゃ魔王ーー!
おかえり!
577: 名無しさん@読者の声:2012/10/27(土) 22:56:00 ID:5DhxIxj3Ng
ま、ま、まぁ、俺は最初から魔王が生きてるって信じてたけどな!

俺は心配してねえけど、
女勇者ちゃんとか心配させた罰として
パイルドライバー×32
578: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 00:57:04 ID:sF1XQdlJCo
異界の王になってるとはw
魔王…
私は女だよ!側近と一緒にコラボも私だよ!
くらえ!
つ緊縛+骨折りの技

つ支援!
579: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 06:39:19 ID:AbeZYtaf4o
っ支援
っ女勇者の画像一億(エロ)
っティッシュ
580: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 11:09:14 ID:iWfnR.KrDA
1位おめでとー!
魔王もお帰りー!

へ…返事を貰えた……
あーもー龍人も三バカも可愛いなーっ!
静かに泣いてたけど本当は凄く嬉しかったくせにー!
そういうところも可愛いけどっ!

…ちょっとヤヴァイのでスライムガム食べて落ち着きます
581: :2012/10/28(日) 22:25:20 ID:6xWpg1Pyas
長くなると思いますが、まずはランキングの話をさせてください。

一位おめでとう的なレスを見て、ランキング確認してきました。
前回に引き続き一位という最高の結果に導いてくださり、本当にありがとうございます。
今回は同率一位という珍しい結果になってまして。こんなの初めて見ましたww
そういう珍しい出来事の当事者にしてもらったことも嬉しく思います。ありがとうございました。

自スレにて無許可で他作品の話をするのは褒められた行為ではないかもしれませんが、でもちょっとだけさせてください。
今回同率一位となったもう一つのスレは、もう半端ない実績を誇ってるスレです。
人気投票ランキングの第15回から今回までずーっとランクインしてるスレでして、その内一位獲得数もマジ半端ないことになってます。
これだけ安定して結果を出し続けるのは偉業ですよ。実在人物で例えたら吉田沙保里選手ですよ。SS板に栄誉賞とかあれば受賞も秒読み段階でしょう。
そんなスレと、ここ数回のランキングで競わせていただき、肩を並ばせていただけてることは喜ばしいこと以外の何物でもありません。
少し遡れば、前作の時も、後々まとめ入りとなる偉大なスレと競わせていただけました。
実績ある偉大なスレと数回でも良い勝負が出来ている。そういった高いレベルの場所に置かせてもらってる状況にただただ感謝です。
皆さんのご支持があるからこそ、こういった貴重な体験が出来ます。本当にありがとうございました。
同率一位にしてもらったということは、それだけ多くの投票者がいることだと思います。
その方々はもちろん、投票とか関係なく見てくれてる方にも、これからを満足していただけるよう、頑張っていきたいと思います。
本編はだいぶクライマックスだと思いますし、山場はだいぶ乗り越えてしまった感もありますが、それでも少しでも楽しい瞬間を提供できるよう全力疾走する所存です。

普段はふざけてばっかですけど、こういう時くらい真面目になってもいいですよね。
582: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/28(日) 22:26:54 ID:6xWpg1Pyas
>>575
>>433さんでしたか。とにかく落差が印象に残ってます。あれは凄かったなあ。
それはいいとして、一応魔王様の言い分だと死んではないみたいですからね。
じゃあ何で死ななかったんでしょう?それは今回の更新で言うみたいなので、本編を見るとしましょう。

>>576
魔王「え?え?ご、ごめんなさい」
側近「魔王様。たぶんですけど、576氏はマジで怒って怒鳴ってるわけではないですよ」
魔王「あ、そうなの?えっと、ただいま!」
側近「はい、それでいいんですよ」

>>577
パイルドライバー32発ですか。効きそうですねえ。
けっこううろ覚えなんですが、プロレスのリングの中央は鉄柱で支えられてるみたいな話を新日のライガーさんがしてたような記憶があるんですよ。
だからリング中央で叩きつける系の技をすると他のリング上と比べて固いから相当効くみたいですよ。
まあ団体によってはリングがだるんだるんで「本当に鉄柱で支えられてるんかいな」状態だったりしますので、リングの構造にもいろいろあるんだと思いますが。
もし前述のような感じの作りなら中央でやれば大ダメージでしょうし、どんなリングでもエプロンサイドは固いでしょうから、その辺でやればタフな魔王様でもダメージ通るんじゃないかと思います。

魔王「なんか全力で殺しにかかってる気がする……」
583: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/28(日) 22:28:58 ID:6xWpg1Pyas
>>578
魔王「コラボも私って……>>529さん!?529さん女の子だったの!?わーい、一気に骨折ってほしくなったよ!」
側近「以前は一人称、俺って言ってたような……」
魔王「俺っ娘も全然ありだよ!それに照れ隠しとかで骨を折ってくる女の子とか素敵じゃん!」
側近「いや、普通に裁判沙汰ですよ、それ」

>>579
魔王「前に写真を貰った時から思ってたけど、どうやって手に入れてるん?まあ貰うけど」
龍人「これでまた一人で気持ち良くなれるってわけか」
魔王「いや、正直言うとね、女勇者ちゃんだと愛しすぎて女神すぎて、逆に抜けない。抜いたらいけない気がするの」
魔王「なんつーか、こんなに愛しい人を自分の卑しい妄想で汚していいのだろうかって思い留まっちゃう」
龍人「あー……でもなんかわかるかもしんねぇ」

>>580
龍人「あー、もしかして最初の方から俺を慕ってくれてる奴か?」
龍人「サンキューな。女子に好かれるのって大体魔王か側近の役割だったからよ、嬉しかったぜ。俺だってモテてぇからな」
龍人「ただ……魔王が生きてて嬉しかったぁ?馬鹿言うんじゃねぇよ。誰があんな馬鹿魔王の生存を喜ぶかよ」
龍人「魔王達があまりに泣くからつられただけだし。大体男が可愛いって言われて何になんだよ?」
側近「……素直じゃない奴」
584: 語りは魔王目線:2012/10/28(日) 22:31:18 ID:6xWpg1Pyas
俺が異世界に渡った日のこと、話すね。
魔力を使いきった俺は激しく消耗して弱り切ってた。
あと、異界王も俺の魔力浴びてかなり深手を負ってたんだよね。
二人とも弱り切ってて、異世界に着くと、城の床に倒れ込むしかなかったんよ。

魔王「……うぐっ!」ドサッ

異界王「がはあっ!!」ドサッ

魔王「はあ……はあ……!」

魔王(ここ、知らない……城?異世界の城なのかな?)

魔王(俺、本当に異世界に来たんだなあ……)

魔王(異界王の腕、抜けちゃった……血、止まんないや……)

魔王(魔力ももうない……体が動かない……何か寒いし熱いし不思議な感じだ……)

魔王(覚悟してたけど……俺、本当に死ぬんだな……)
585: :2012/10/28(日) 22:32:50 ID:6xWpg1Pyas
死ぬんだと思った。後悔がないといえば嘘になるよね。
もっとこう世界中の可愛い女の子からいじめられたかったし、特に女勇者ちゃんに踏まれたいとか思ったし。
あとね、ゲームもまだやってないのあるなーって。RPGとかのさ、まだ途中の奴とか話がすごく気になっちゃって……

側近「……魔王様、さっさと本題入ってください。チキンウィングフェイスロックかけますよ?」

魔王「久々の側近の関節技の恐怖!やだやだ、話進めるからかけないで!」

とにかく、俺はもう死ぬんだなって思って、目を閉じたの。
そしたらね、その時魔力が俺の中で湧き上がったの!
えー何これーって思いながら、目を開けたんだけどね。

魔王(ど、どういうこと?何で魔力が……)

魔王「……うわっ!やばっ!」

魔王「呪いの兜が壊れてる……」

俺さー、魔力を全部放出したじゃんか。呪いの兜がその負荷に耐えられなかったみたいで、バッキバキのボッコボコになっちゃったんだ。
兜は壊れて細かい欠片になって床に落ちてったんだ。焦ったよねー、女勇者ちゃんがくれた兜を壊しちゃってさ。
586: :2012/10/28(日) 22:33:43 ID:6xWpg1Pyas
側近「兜が壊れた?……そうか!」

側近「呪いの兜は対象者の力や魔力を封じる!それが壊れて外れたことで、魔王様の体に封じられてた分の魔力が戻ったんだ!」

魔王「その戻った魔力で回復魔法をかけて、お腹に開いた穴を修復したんだよ」

魔王「まあ出血もひどかったし、即座に全回復とはいかなかったけど、一命は取り留められたんだよね」

魔王「でも、そのせいで女勇者ちゃんがプレゼントしてくれた兜壊れちゃった……ごめんね、女勇者ちゃん」

女勇者「ううん、全然いいよ!魔王が無事で本当によかった!本当にあの兜あげててよかったよ!」

魔王「許してくれるの?」

女勇者「魔王が生きててくれただけで十分だよ!本当にありがとう!」

魔王「久々の女勇者ちゃんの優しさが俺の心に沁み渡るでえ……」ポロポロ

龍人「泣いてる暇なんかねえよ、馬鹿魔王。てめえが生きてる理由はわかった。で、あの糞野郎はどうなったんだよ?」

魔王「……異界王のことだね」
587: :2012/10/28(日) 22:34:59 ID:6xWpg1Pyas
自分を回復して、まだ弱ってるとはいえ少しは余裕も出来た俺は、異界王も回復して上げることにしたんだ。

側近「異界王も回復したんですか!?」

魔王「うん。あ、でもその前に力は封印させてもらったけど」

龍人「歴代勇者や俺にかけたあの魔法か……」

そうして力を封印したんよね。でも、異界王すっごい強いから、全部は封印出来んかったんよ。
まあでもだいぶ力はなくなったから、もう大丈夫かなーって、異界王を回復して上げたんだよ。

魔王「待っててね、今回復してあげるから……!」ホワーン

異界王「うっ……んん、ここは……?」

魔王「あ、気がついた?大丈夫?何か痛いとことかない?」

異界王「イケメン弟!てめえ、生きてやがったのか!?」

魔王「うん。そのせいで兜壊れちゃったけど……」

異界王「ていうか、何で俺まで無事なんだよ?」

魔王「何でって、今回復魔法かけたからね」

異界王「はあ!?お前、俺を回復したのか!?」

魔王「うん。だって、誰だって痛いのはいやでしょ?女の子からいじめられるなら話は別だけどね!」

異界王「いや、それ別の話じゃねえよ、絶対……」
588: :2012/10/28(日) 22:36:33 ID:6xWpg1Pyas
魔王「あ、ごめんね。意識ない時に力を封印させてもらったよ」

異界王「……本当だな。ものっそい弱体化してやがる。てめえ、何で戦闘中にこれ使わなかったんだよ?」

魔王「かけるまで時間かかるんだよ。とても戦闘中に繰り出す余裕はなかったよ」

魔王「まあでも今こうしてかけられたからよかったよ!」

魔王「……ねえ、一方的に叩かれるのって痛いでしょ?怖いでしょ?嫌でしょ?」

魔王「だからさあ、異界王もう誰かをいじめて楽しむのをやめてほしいんだよ」

魔王「楽しみたいと思うことは普通のことだよ。それは悪いことじゃないよ」

魔王「でも、自分が楽しむために誰かを悲しませるのはNGだよ」

魔王「これから一緒に探してみようよ!皆で一緒に楽しめる方法!」

魔王「異界王だって変われるよ!大丈夫、変われるまで俺も協力するよ!」

魔王「……穴、閉じちゃったからもう戻れないしね」

異界王「……自分を殺しかけた相手を救って味方となるか。どんだけお人好しなんだよ、イケメン弟」

魔王「異界王が誰かをむやみに傷つけるような真似をしなくなったら力は返すから。だから、それまでは我慢してね!」

異界王「……もう俺には世界を支配する力もねえんだな」

魔王「力封じたって言っても、元が強力過ぎて全部は無理だったから、今でも側近クラスの実力はあるけどね」

魔王「でも、俺がいる限りはこの世界の人達をいじめさせはしないよ!」

異界王「……負けだなあ。俺の負けだ、参ったよ」
589: :2012/10/28(日) 22:39:43 ID:6xWpg1Pyas
魔王「さてと……この城、誰かいないの?」

異界王「俺しかいねえよ。雑魚にうろちょろされても目障りだからな」

魔王「えええ!?何それ、寂しくないの!?」

異界王「そんな感情は持ち合わせてねえよ。支配者たる俺様に、雑魚を引き連れる必要はねえ」

魔王「……まずはその考え方からどうにかしないとね」

魔王「じゃあとりあえず外に出よっか。俺が改心させるから異界王を許してあげてねって民に教えてあげないと!」テクテク

異界王「……」

魔王「……どしたの?何で動かないの?まだ体痛い?」ピタッ

異界王「忘れたのかよ、イケメン弟」

魔王「……何を?」

異界王「お前がいる限り、俺は支配者にはなれねえ」

異界王「支配者たる俺様には、そんなもんは受け入れられねえ。でも、もはや受け入れるしかねえ状況だ」

異界王「死んでしまったんだよ、支配者たる異界王はな。そんな状況で生きながらえて何になるんだ?」

異界王「忘れたのかよ、イケメン弟。俺の負ける時ってのは、俺が死ぬ時だけだぜ」スッ

魔王「お前……何を!?」

何かを企んでるのに気付いた時にはもう遅かった。
異界王は自分の首を右手で掴むと、そのまま握力で握りつぶした。
赤色が舞って、頭部が踊って、間もなく異界王の体は倒れてしまった。
俺もすぐ駆け寄ったんだけどね。もう回復魔法も無駄だった。……死んでたんだよ。
590: :2012/10/28(日) 22:41:40 ID:6xWpg1Pyas
側近「最期は自殺ですか……」

女勇者「自ら首を握り潰すって……壮絶だね」

魔王「……俺さ、おじいちゃんや戦争派の皆に続いて、異界王まで救えなくってへこんだんだけどさ」

魔王「でもさ、側近や女勇者ちゃんが前に言ってくれたじゃない」

側近「言った?俺達、何か言いましたか?」

魔王「……側近さ、異界王との再戦の前にこう言ってくれたよね」

魔王「魔王様の優しさは間違いじゃない、魔王様のままでいていいって」

魔王「その言葉があったから、異界王を救えなかった時、自分を見失わずに済んだんだよ」

魔王「そして俺を後押ししてくれたのが女勇者ちゃん」

魔王「俺が最初は異界王に無様にやられて、女勇者ちゃんを守れず怖い思いさせちゃったのにさ」

魔王「それなのに、女勇者ちゃんは信じてるからって言ってくれて、俺に託してくれた」

魔王「異界王を救えなくて、もう元の世界にも戻れないって思って、一瞬だけでも凄い絶望したんだけど」

魔王「側近の優しい言葉が、俺を立ち直らせてくれたんだよ!」

魔王「そして駄目な俺でも女勇者ちゃんが信じてくれたから、失敗しても頑張り続ければ誰かの期待に応えられると信じることができたんだよ!」

魔王「二人の言葉が、異世界に取り残された俺の力になってくれて、この世界を救うきっかけになってくれたんだよ!本当にありがとう!」
591: :2012/10/28(日) 22:42:55 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王……」ウルウル

側近「あの日……その言葉を投げかけた俺達が、どれだけ後悔したと……」ウルウル

女勇者「なのに何で、そんなに好意的に言ってくれるの……?」ウルウル

魔王「え?何でって言われても……本当に感謝してるんだもん」

側近「魔王様、ありがとうございます……!あなたの発言で……ようやく救われた気がします……!」ポロポロ

女勇者「ありがとう……!魔王……!」ポロポロ

魔王「な、何で泣いてるの!?ごめん!泣かないで、女勇者ちゃん!」オロオロ

龍人「バーカ、嬉しくて泣いてんだよ。謝る必要ねえよ」

龍人「それよか気になることがある。この世界を救うきっかけとか言ってたけど……お前、救ったんか?」

魔王「え?あ、うん。結果的に異界王死なせちゃったし。じゃあ誰がこの世界導くんよって話じゃん」

魔王「それに異界王から、この世界の皆をいじめてやったぜ〜?みたいな話は聞いてたからさ」

魔王「側近と女勇者ちゃんの言葉のおかげで前向きにもなってたからさ。俺がやるっきゃない!ってなってさ」
592: :2012/10/28(日) 22:44:19 ID:6xWpg1Pyas
異界王の死体をそのままにしとくのはかわいそうだからとりあえず布とかをかぶせてあげてね。
俺は一人で城の外に出てみたの。
……すっごい荒れてた。ああ、本当に異界王はこの世界を自由気ままに荒してたんだなあって思って。
城の近辺の集落の人達は俺を見てすっごい警戒してた。
高い実力で権力を振り回して自分達を苦しめる異界王、その城から出てきた見知らぬ誰かを警戒するのは、まあ当然だよね。

村人1「な、何者だ!?異界王様……異界王の手下の者か!?」

村人1「もう今月の献上物は出したはずだ!これ以上は無理だ!」

村人1「過労や餓えで村の多くの者が死んでいる!なのに、まだ俺達から絞り取ろうっていうのか!」

村人1「これ以上の無茶で村の皆を殺されてたまるか!刺し違えてでもお前を殺す!」

村人2「馬鹿!やめろ!この村全員を犠牲にする気か!」

村人2「申し訳ありません!これからも異界王様に尽くしますので、どうか村を滅ぼすのは考えなおしてください!」

魔王「……」プルプル

魔王「」ブチッ

魔王「皆ー聞いてー!異界王は死んじゃったから、俺が王位を継ぐよ!」

魔王「俺が皆を幸せにしてみせるから!だから信じてついてきてよ!!」

村人1「……は?」
593: :2012/10/28(日) 22:46:08 ID:6xWpg1Pyas
兵1「ありましたねー、懐かしい話です。恥ずかしながら、その時はとても信じることが出来なかったんですが」

兵1「魔王様は自ら世界各地を回り、苦しんでいる民の力になってくれました」

兵1「自ら働き、食料も確保してくれて、民のために尽くしてくれました」

兵1「魔道師一族や異界王によって長年苦しめられた我々を助けて下さったんです。本当に感謝してます」

兵2「こんなこと言ってますけど、こいつ魔王様に喧嘩売った村人ですからねwww」

兵1「いや、あの時は異界王の手下だと思ってたから!魔王様、今は微塵も反逆の意はありませんからね!」

魔王「わかってるってー」

側近「元村人で正式な兵士じゃなかったんですか。だから実戦慣れしてなかったんですね」

兵1「魔王様のおかげで平和になりましたからね。戦う機会ってないんですよ」

兵2「一生懸命攻撃魔法とか覚えたんですけど……駄目でした?」

龍人「正直、糞しょぼかったな」

兵2「……平和や魔王様を守れるよう、精進致します」

女勇者「……何で元々村人だったのに、城の警備に就いたの?」

兵1「魔王様が王位に就かれてから数日が経過した頃だったんですが。我々の警戒心もなくなってた時期ですね」

兵1「城で一人ぼっちは寂しいって泣きつかれまして。誰か一緒に住もうよ〜って」

側近「……変わってませんね、魔王様は」

魔王「側近が支えてくれた俺を、女勇者ちゃんが信じて託してくれた俺を変える気はないよ!」
594: :2012/10/28(日) 22:47:38 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……それからはずっと平和に向けて頑張って、今に至るって感じかな」

龍人「そんな感じで生きてたんだなぁ、お前……」

側近「世界は変わっても、魔王様は変わらず魔王様だったんですね。本当に尊敬しますよ」

魔王「……」

側近「……何ですか。苦虫を噛み潰したような顔して」

魔王「側近が真っすぐに褒めるとか、何か裏がありそうで怖い……」

側近「俺だって手放しで褒めることくらいありますよ……」

兵1「しかし、感動の再会を果たせてよかったですね」

兵2「ところで、皆さんは何故やってきたんですか?ていうか、魔道師亡き今どうやって来たんですか?」

女勇者「あっ……その、私達は……」

側近「……俺達は魔王様が亡くなったと考えて遺体を奪還しに来た。生まれ育った世界で眠ってほしくてな」

側近「しかし、魔王様は生きていた。だから俺達は魔王様に戻ってきてほしいと思ってる」

側近「魔王様がいなくなったことで、戦争派も活発になり、世界が荒れている。今一度魔王様に俺達の世界を救ってほしい」

魔王「え!?今そんなことになってんの!?そりゃ行かなきゃ!」

魔王「あ、でも……俺が向こう行っちゃったら、こっちの皆は……」

兵1「……」
595: :2012/10/28(日) 22:49:00 ID:6xWpg1Pyas
兵1「……行ってください、魔王様」

魔王「……いいの?」

兵2「確かに魔王様が戻られるのは、我々の世界には大きな痛手となります」

兵1「でも、我々の存在が、この世界が魔王様の足枷になるのは嫌ですよ」

兵2「我々は魔王様を慕っております。魔王様の進む道を全力で応援しますよ」

兵1「それに魔王様の希望は皆が必要とする物でしょう。我々だけで独占したら罰が当たりますよ」

兵1「行ってください。こっちは大丈夫です。魔王様から頂いた平和な世界と希望がありますから!」

魔王「皆……」

魔王「ねえ、側近。異世界へと通じる穴はもう自由に開けたりできるの?」

側近「魔力さえあれば可能ですよ」

魔王「わかった。皆、俺またこっちにも戻ってくるから!」

魔王「俺の世界も助けて、皆の力にもなるためにまた戻るから!」

魔王「だから今はごめんね!俺、帰るとするよ!」

龍人「決まりだな。凱旋パレードといくかい」

女勇者「魔王、帰ろう!」

魔王「うん!帰ろう!」
596: :2012/10/28(日) 22:52:00 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

>>354さん、大当たりです。おめでとうございます。
……いや、わかりやすい作者で申し訳ないですwww
良い意味で裏切ったりとかしてみたい気持ちはあるんですけど、如何せんお話作りは難しい物です。
普通に当てられてたので、正直当時はドキッとテンパりました。>>361の返レスでも安価間違えてますしねwww
以前どっかで「前作の再利用、楽でええわぁ」みたいなことを言ったと思うんですけど。
どう考えても死んでそうな魔王様をどう生かすかなーって思いながら前作振り返ってたら、あれを見つけて、その設定思い出して「これいいじゃない!」って。
それを本編に出した時はギャグっぽいノリで片づけて「ここでネタ挟むんかあ」とか思ってもらいつつ、実はキーポイント、みたいにしたかったわけです。
普通に予想されてしまいましたけどもwww
また違う作品を書く機会に恵まれたその時こそは、良い意味で皆さんの度肝を抜くようなの書きたいなーって思いました。

今回の更新のまとめです。
>>584-595
597: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 22:55:35 ID:KUjePUadNE
リアルタイムで遭遇キタコレ
お疲れ様です(~o~)
いっつも楽しく読ませてもらってます!

魔王様めちゃくちゃ好きです(≧▽≦)

598: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 22:57:29 ID:SsZ2TaGctg
魔王…

…地上の世界はどうなっているのか…。


支援。
ことと次第によっちゃ1をバイブ責め…
599: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 23:02:30 ID:sF1XQdlJCo
一人称 俺なのは…魔王が襲って来るかと思ったから…

襲って来たらバードイーターかける。

つ支援
つクリップラー・クロスフェイス
600: 名無しさん@読者の声:2012/10/28(日) 23:04:55 ID:SsZ2TaGctg
600!
601: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 01:04:31 ID:M4Spgk4jvI

(;_;)
まおういきてたああああぁぁぁぁあぁあああ
(デスボイスな感じで)
ほんっと良かった!
1、魔王様を生かしてくれてありがと!
602: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 08:02:07 ID:E4SxfhN7f.
獣人達が穴を塞がせている希ガス
そして魔王、可愛い。
紅茶いれようとして、頭から砂糖かぶりそう。
つ紅茶セット
つ女勇者ちゃんからのラブレター
つ四円
つ姻婚届け
603: 名無しさん@読者の声:2012/10/29(月) 22:21:29 ID:OqCfbgZ2mI
>>354です!
作者さんごめんなさい。
毎日楽しみにしてます。
頑張ってください!

604: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/29(月) 23:11:16 ID:6xWpg1Pyas
>>597
こういう言い方もどうかと思いますが、なんか普通に嬉しいレスをありがとうございます。
最近皆さん凝ったレスをする傾向にあるように思いまして、そんなだから普通に励ましてくれるようなレスが骨身に染みます。
なので俺も、更新をちゃんとするという普通の対応で楽しんでもらえるよう頑張ります。

>>598
まあいろいろ言いたいことはありますけど、あえて一点に絞り込みましょう。
俺にバイブ使って誰が得するんですか。ねえ。

>>599
魔王様は女性を何より大切にするので、相手の意思を無視して襲うってことはないと思います。
正直にゃんにゃんしたいとかいう願望は確かにありますが、自分の欲望を満たすことより、女性の喜びを優先するような御方です。
なので今回の場合、魔王様はこんな感じのことを言うと思います。

魔王「襲わないけどバードイーターはかけてください!お願いします!」

クロスフェイスに仕留められたら、オーランド・ジョーダンのように音速でタップするしかなくなるので勘弁してください。

>>600
600おめでとうございます。
このスレもう600なんですか。無駄に長いですよねー。
でも目標は前作越えだったりします。前作はジャパニーズマフィアで終わってますからね。そこまで行ってみたいですね。
というわけで、今後は700と800辺りを狙えると思います。狙ってみますか?
605: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/29(月) 23:12:23 ID:6xWpg1Pyas
>>601
生きてました。本当によかったですよね。
完全に俺目線で言わせてもらうと、このSSのメインキャラ達にはすごい愛着があります。
なので、死なすのは勇気要りますよね。今だから言えるのは、俺の感性的にこの結果は約束されたものでした。
正直、魔王様や皆に死んでほしくないですよ。足掻いてでも生存ルートを探しますよ。

>>602
異世界に通じる穴については、たぶん今回の更新で明らかになります。本編を待ってみましょう。
魔王様は案外ドジっ子ではないので、さすがに砂糖まみれ的な展開はないかと思います。
あと魔王様自身は紅茶をあまり飲みません。ハーピーがミルクティー好きなんで、ハーピーが城に来てる時とかにいれるくらいですね。
ラストに今婚姻届何枚あるんでしょうね。魔王様は本当に爆発してほしい御方ですよ。

>>603
何を謝る必要があります?何か話を見てて「どうなるかなあ、こうなるんじゃないかなあ」みたいに予想するのは何ら悪いことではないですよ。
>>361でも大丈夫でっせっていう旨は記しましたし、本当に大丈夫ですから。
むしろ当時俺安価間違えてますからね。こっちがごめんなさいですよ、本当に。
606: :2012/10/29(月) 23:14:24 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「ほら、さっさと閉じろよ!この女が死んでもいいのか!?」

ハーピー「うぅ……!」

勇者「仕方ない……閉じるしか……」

女勇者「……ええ!?何この展開!?」

側近「てめえ、ハーピーに何してやがる!!」

獣人壱「っ!!くそ、戻って来やがったか!」

ゴーレム「側近様!?戻るの早くないですか!?」

女戦士「まさか異界王が生きてやがったんか!?」

龍人「いいや。生きてたのは馬鹿だよ」

女戦士「え……それって……」

獣人壱「おい、側近!女勇者!いますぐ異世界に戻れ!さもなくばこの女が……」

獣人壱「……!?!?!?」

魔王「お前……ハーピーちゃんに何しようとしてるんだよ!」
607: :2012/10/29(月) 23:16:26 ID:6xWpg1Pyas
ウィッチ「ま、魔王様!?」

魔王「手荒な真似はしたくないけど、もしハーピーちゃんを傷つけるようなことしたら……」

魔王「俺、本気で怒るからね!」ゴゴゴゴ

獣人壱「あっ……ああっ……」ブルブル

獣人壱「」ガクッ

魔王「え!?ちょっと、大丈夫!?」

側近「……気絶してますね。魔王様、一瞬でも殺気を放ちませんでしたか?」

魔王「え?わかんないけど……けっこうマジで怒ったから出たかもしんない」

側近「恐らく出したんですよ。で、そのプレッシャーで気絶ってわけです」

龍人「相変わらずチートだな……泡吹いてんぞ、この獣人」

女勇者「ハーピーさん、大丈夫!?」

ハーピー「わ、私は大丈夫ですけど……どうして魔王様が!?」

側近「あー……まあいろいろあったんだけど、実は生きてたんだよ」

魔王「皆、ただいま!ここ、共存の街だよね?なんかすごい立派になってない!?」

女戦士「馬鹿野郎……この糞馬鹿野郎!」ブワッ

女戦士「私達が!どんだけ!心配したと思ってんだ!この!」ボコボコ

魔王「痛い痛い!ありがとうございます!」

勇者「生きてたんだな、あいつ……本当によかった……」

女僧侶「ええ、本当によかったですね……」ポロポロ
608: :2012/10/29(月) 23:18:10 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……えーっと、皆の話をまとめるよ。俺がいなくなってから、戦争派の活動が活発になった、と」

女魔法使い「……」コクコク

魔王「で、それに対して協力の意を世界に示すため共存の街を皆で復興した、と」

女僧侶「はい、そうです」

魔王「で、俺死んだと思われてたから墓作って死体を回収しようって流れだったわけだね」

ウィッチ「はい、そうです」

魔王「だから俺の墓があるんだね……」

ゴーレム「す、すみません。てっきり死んだと思ってまして……」

魔王「……ゴーレム、痩せた?」

ゴーレム「ああ、まあいろいろあって体を削りましたからね」

龍人「この墓も造り損になっちまったなぁ」

女戦士「誰だよ、魔王が死んだとか言い出した奴はよ!」

女勇者「側近だね」

女僧侶「側近さんですね……」

女戦士「側近が悪いんか」

側近「ちょっと待てよ!あの状況なら誰でも死んだって思うだろ!俺が悪いのかよ!?」

龍人「先生ー、戦犯こいつでーす」ニヤニヤ

魔王「側近くんが戦犯ですか。あとは先生に任せなさい」ニヤニヤ

側近「何ですか、そのノリ!?あなた、先生じゃないでしょ!」
609: :2012/10/29(月) 23:20:00 ID:6xWpg1Pyas
魔王(まあ勘違いは誰にでもあることだから、正直許すべきだけど)

魔王(俺が側近相手に優位に立てるなんて、そうそうないからね!ちょっと調子のらせてもらおう)ニヤリ

龍人(……デスノートの月みたいな悪い笑みしてやがる)

魔王「あーあ、側近が確認もしないで世界中に死んだとか言いふらしたから大変なことになってるよ!」

側近「すみません……」

魔王「こんな墓まで造っちゃってさ!死んでもないのにこんなの造られて不快だよ!」

側近「……」ニヤリ

魔王「っ!?」

龍人(……ハンターハンターの対メルエムの時のネテロみたいな恐ろしい笑みしてやがる)

女勇者「……ごめん。お墓を造ろうって言い出したの、私なんだ……」

魔王「ふえ!?」

女勇者「死んでないのに、死んだように扱ってこんなの造って……不快にさせてごめん……」

魔王「い、いや!それはわからなかったんだから仕方ないよ!むしろ故人を想えるなんて立派なことだよ!」

魔王「ごめん!俺が調子に乗ってた!俺が悪いよ!こんな俺におしおきを……あ、駄目だ、女勇者ちゃんがやったらご褒美になっちゃう!」

側近「……じゃあ俺がやってあげましょうか?」ニヤニヤ

魔王「っ!!……頼む!」スッ

側近「わかりました。それでは」アームロック

魔王「があああ!」

龍人(……結局この二人はこういう運命の下に生まれてきたんだろうな)

龍人「……あ、それ以上いけない」
610: :2012/10/29(月) 23:21:34 ID:6xWpg1Pyas
魔王「痛いよ〜……」ポロポロ

側近「久し振りに俺に関節技かけられた感想はどうですか?」

魔王「出来ればもう二度と受けたくなかったよ〜……」ポロポロ

女勇者「だ、大丈夫?」

魔王「大丈夫じゃないけど……女勇者ちゃんを悲しませたんだもん。これくらいの罰は受けないと!」

女勇者「別に罰とか受けなくていいのに……」

龍人「一通りお約束を消化したところで、話戻すぞ。マジでこの墓どうすんだよ?」

ゴーレム「そうですよね。頑張って造ったから、用無しってのも寂しい話になりますが……」

魔王「……皆の魂をここで眠らせてあげよう」

女戦士「皆?皆って誰だよ?」

魔王「魔道師や戦争派の皆、個人的には異界王も仲間に入れてあげたい」

女僧侶「……どういう意図があって、彼らを弔うんですか?」
611: :2012/10/29(月) 23:24:31 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……今この景色は、俺の理想だよ」

魔王「魔物と人が手を取り合う光景をずっと夢見てきた」

魔王「一年半前は、魔物と人が互いを許せただけだったけど」

魔王「女勇者ちゃんや側近が頑張ってくれたおかげで、今はこうして互いに手を取り合い、同じ未来を目指していける」

魔王「本当に喜ばしいことで、心から感謝したいよ」

魔王「でも……この喜ばしい結果の裏で、悲劇があったことを忘れてはならない」

魔王「魔道師が戦争派の皆を殺して」

魔王「その魔道師は異界王に殺されて」

魔王「異界王の自殺も止められなかった……」

魔王「それをきっかけに世界が荒れて、それを食い止めるために俺達は団結できたんだ」

魔王「今この瞬間は、多くの犠牲の下に生まれたんだよ」

魔王「元々俺の墓を造ってくれたのは、忘れずにいるためのシンボルって話だったよね?」

魔王「だったら……戦争派の皆も、魔道師も……異界王も、忘れずにいてあげよう」

魔王「皆の命を背負って、この世界も異世界も守っていこう。だからこの墓を皆の眠る場所にしてあげたい」

魔王「いろいろ対立しちゃって、命を落としてしまったけど、最期くらいは平和な地でゆっくり休ませてあげたいよ」

側近「やっぱり魔王様は優しいですね」

魔王「そうかな?」

側近「そうですよ。魔王様の優しさを再び感じることが出来て、本当によかったと思ってます」
612: :2012/10/29(月) 23:26:43 ID:6xWpg1Pyas
龍人「……じゃあ、墓はそういう使い道ってことでいいんだな?」

魔王「うん!皆はそれでいい?」

女僧侶「反対する理由がありませんよ」

ウィッチ「……死んでいった戦争派には私の仲間もいます。こうして眠る場所を与えてくださって感謝したいくらいです」

魔王「ウィッチちゃんも協力してくれたんだね!ありがとう!」

女戦士「魔王ー。この失神した獣人どうすんだよ?」

魔王「獣人族の集落に送ってあげればいいんじゃないの?何なら俺が送るよ!」

女勇者「まあほっとくわけにもいかないしね。魔王、お願いしてもいい?」

魔王「むしろ命令されたいです!」

側近「じゃあ今すぐ送って来なさい」

魔王「いや、お前じゃなくてね!?俺は女勇者ちゃんに……」

側近「いいから行きなさい。この世界はまだ戦争派の脅威が残ってるんです」

側近「異世界の方もどうにかするために、今はこの世界をはやく助けなきゃいけないんですから」

魔王「……そうだったね。それじゃ俺行ってくるよ。そしてそれから世界をどうするか考えよう!」

側近「ええ。皆で考え、皆で進んで行きましょう」
613: :2012/10/29(月) 23:28:58 ID:6xWpg1Pyas
皆でこれからどうするか考える、そうまとめた一行だったが、その必要はなくなった。
翌日、魔王が生きて戻ってきたという情報が世界に知れ渡ると、自然と戦争派の活動は止まった。
強大なる戦闘力を誇る魔王を相手にしては勝ち目はないとして、人間界と魔界を別つのを諦めたのだ。
生きて帰って来た魔王に世界は歓喜し、平和は瞬く間に蘇ったのだった。

女勇者「……私達の半年間は何だったんだろうね?」

側近「まあまあ、平和になるのはいいことだろ」
614: :2012/10/29(月) 23:31:15 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

聖剣伝説3の攻略本読んでました。
アンジェラやリースのイラストでハアハアしました。
子どもの頃はもっと純粋に攻略記事を読んでたはずなんですけどね。
これも男の性ってやつなんでしょうか。むしろ健全に育った証と胸を張った方がいいんでしょうか。
それにしても良いイラストだなあ。

今回の更新のまとめです。
>>606-613
615: 名無しさん@読者の声:2012/10/30(火) 00:44:33 ID:vFtoC99K.M
これどっかで映画化とかしてくれないかなぁ…


1年前のと今回のの二部構成で!!ww


見たい!!
616: 名無しさん@読者の声:2012/10/30(火) 10:00:51 ID:d4zGcRizTE
純粋に面白い!
何も言わずに支援支援!
617: 名無しさん@読者の声:2012/10/30(火) 16:34:47 ID:AbeZYtaf4o
|ω・`)魔王は喜んでるな、また盗さ...おや?誰かが来たようだ。
618: 名無しさん@読者の声:2012/10/30(火) 21:30:28 ID:mw9e3sP.aI
最近、朝晩の冷え込みは厳しいですが昼間は日差しが強く気温の変化が大きいです

ですから、体調に気をつけて下さいな

べ、別に1さんの事なんて気にしてないですけどねっ!

続きが読みたいから風邪になられると困るだけですし?

ホントダモンヾ(#`Д´#)つC
619: 名無しさん@読者の声:2012/10/30(火) 21:45:12 ID:5DhxIxj3Ng
なんだろ…まだ終わらないよね

上の人がデレてくれたから僕はデレないよ

もっと早く書けやゴルァ
こちとら毎日楽しみにしとんじゃゴルァ
毎日>>1さんに会えて嬉しいんじゃゴルァ


体調崩したらバイブの刑
つC
620: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/30(火) 23:15:22 ID:6xWpg1Pyas
>>615
いいですねー、映画化。ヴォミックといい、計画だけなら順調に進むんですけどねー。
まどマギ劇場版で絵柄的にプリキュア的なのかなって思って観に来た子ども連れ家族がショックを、みたいな記事をどっかで見たんですけど。
絵スレの1さんに協力してもらったりして、このSSが映像作品になったらそんな感じになるんでしょうか。

いや、よく考えたら観る前にタイトルでまず地雷だと気付きますねwww

>>616
支援ありがとうございます。本当にありがたい御言葉で、勇気の鈴がりんりんりんです。
こういうありがたい御言葉を十二分に噛みしめながら頑張っていきたいですね。

>>617
おまわりさん、こいつです!うら若き乙女を盗撮している悪党は!
えっ?いや、俺じゃないですよ!こいつです!こいつなんですよ!
えっ?家宅捜査の結果、俺の部屋から被害女性の写真が800枚出てきた!?そんな、俺まだ盗撮はしてない……ああっ!>>535
あの、それは貰った奴で……本当にまだ盗撮はしてないっ……放せえ!俺はまだSSを投下しなくちゃいけないんだあ!

>>618
お気遣いありがとうございます。
もう過去のことなので笑いながら言えるのですが、実は風邪引いてた時あります。
10月23日は風邪引き状態だったんですが、書き溜めがあったので問題なく投下できたわけですよ。よかったですね。
だから書き溜めは大事なんですよ。風邪引いてたその日のまとめで書き溜めがねえと電波実況風に嘆いてましたが。

>>619
中盤に十分デレてると思ったら、最後にこれですよ。
バイブの刑になったら余計体調崩しますよ。ツンデレのツンもここまできたら地獄ですよ。
本編終了までは毎日頑張るので、まあそれで勘弁ですよ。勘弁。

スレ自体はまだまだ続きますが、本編は……ぶっちゃけそろそろ……。
621: :2012/10/30(火) 23:16:19 ID:6xWpg1Pyas
数日後。

魔王「うわーい!久々の魔王城だー!嬉しいなー!」

ドラゴン「嬉しいのは俺らもですよ!魔王様、お帰りなさい!」

魔王「やっぱりこの城が一番好きだなー!ゲームもたくさんあるし!」

側近「魔王様が無駄に買い漁ってますからね」

魔王「それにしても……何かスピード解決して一気に平和になっちゃったね」

側近「魔王様の影響力がどれだけ大きいかってことですよ」

魔王「こっちの世界の問題も片付いたからね。異世界の方もどうにかしないと!」

側近「……こっちの世界に戻られたりはするんですか?」

魔王「異世界を通じる穴の問題は皆でどうにかしたんでしょ?」

魔王「だったら大丈夫だよ!あっち行ったりこっち来たりで両世界で頑張るから!」

側近「それを聞けて安心しましたよ。それでしたら俺達は安心して魔王様を送り出せます」

側近「むしろ俺達も異世界に行って、異世界を助けるのもいいかもしれませんね」

魔王「俺からも頼むよ!俺さあ、国のやり取りの知識なんかないからさあ、力仕事くらいでしか貢献できないんよー」

側近「……こっちでも主な仕事は俺にまかせっきりでしたからね」

魔王「ご、ごめんって。睨まないでよー」

側近「まあいいですよ。そういうことならさっそく異世界に渡りましょう」

魔王「……あ、でもその前に」

側近「え?」
622: :2012/10/30(火) 23:17:18 ID:6xWpg1Pyas
魔王「共存の街にやってきました!」

工学人「ほ、本当に穴を閉じていいんですか?」

魔王「いいよー。だってあの穴、空中に浮いてんじゃん。これじゃ浮遊魔法使えない人や魔物は異世界に行けないよ!」

工学人「わかりました……では、タンクに溜めてある魔力を発射します」

魔王「たぶん穴に魔力を近づけるだけで勝手に吸い取って閉じてくれるから。あの時もそんな感じだったし」

工学人「じゃあ行きますよー……そいっ!」バシュー

魔王「うああ!すっげー!なんかかっこいい!」キラキラ

側近「子どもですか……」

工学人「うわ、あんな量の魔力がみるみる消えてく……穴も閉じちゃいましたね」

魔王「これでOK!今度は地上に穴を開けよう!」

魔王「そうすれば誰でも行き来が出来るようになるよ!こっちの世界と異世界の交流も簡単だね!」

工学人「でも、タンクいっぱいに魔力溜めないと無理なのでは……」

魔王「だったら溜めればいいんだよ!タンクの……えーっと、ここに放出すればいいの?」

魔王「いくよー。えい!」ギュイーンッ!

側近「」

工学人「」

魔王「ふう……さすがにこれだけの魔力を一気に出すと疲れるね。でもちゃんと溜まったよ!」

工学人「側近様……我々があれを100%まで溜めるのに、世界中で協力し合って一ヶ月くらいかかりましたよね?」

側近「言うな……もう何も言うな……」
623: :2012/10/30(火) 23:18:34 ID:6xWpg1Pyas
魔王「穴を開ける魔法を使える女僧侶ちゃんは……今は王都に戻ってるんだっけ?」

魔王「側近、悪いけど移動魔法で連れてきてよ。俺ちょっと今は休みたいからね」

側近「わかりました。連れてきます」



女僧侶「穴を地上に開けるんですか。可能ですけど、それだと魔力を地上で維持しなければなりません。地上で維持するのは危険じゃないですか?」

魔王「大丈夫だよ!俺が制御してちっちゃくまとめとくから!」

側近「魔王様、今は魔力の酷使で消耗してるんじゃないんですか?」

魔王「でも頑張るよ。それをしないと皆が危ないもんね!」

女僧侶「本当に大丈夫なんですか?魔王さんになにかあってはいけません。後日にしてもいいのでは……」

魔王「女僧侶ちゃんの優しさでご飯60杯はいけるよ……」ポロポロ

魔王「でも大丈夫だよ!絶対に皆を危険な目にあわせないから、俺を信じて!」

女僧侶「……わかりました。では工学人さん、魔力の放出をお願いします」

工学人「わかりました!でもタンクの構造上、上空にしか出せませんよ?」

魔王「その後は俺が地上に安全に移すから安心してよ!」

工学人「そうですか……では、本日二回目、いきますよ!そいっ!」バシュー
624: :2012/10/30(火) 23:19:19 ID:6xWpg1Pyas
魔王「これを制御して……女僧侶ちゃん!」

女僧侶「はい!しばらく維持しててください!では……はあああああ……!!」

女僧侶「いきますよ……はあ!」

側近「……無事にいきましたね」

女僧侶「……トンネルみたいになっちゃいましたね」

魔王「これで誰もが異世界を行き来できるよ!」

魔王「共存の街は……魔界と人間界、そして異世界を結ぶ橋となったんだよ!」

魔王「皆で手を取り合い、平和を謳歌できる場所だね!本当に良い世界になったよ……」

魔王「側近、ありがとね。俺のいない間に、素晴らしい共存の世界を作り上げてくれて」

側近「作ったのは女勇者ですよ。感謝するなら彼女にすべきです」

魔王「わかった!女勇者ちゃんに感謝しまくる!」

女僧侶「是非そうしてください。女勇者さんもよろこびますよ」

魔王「……女勇者ちゃんで思い出したんだけどさ」

側近「はい」

魔王「モテる方法を探す旅、そろそろ再開したいんだけど、どうしよっか?」

側近「……はい?」
625: :2012/10/30(火) 23:20:29 ID:6xWpg1Pyas
魔王「いやあ、せっかく戻ってこれたんだもん。女勇者ちゃんのハートをゲットするために、モテる方法をまた探しに行きたいんよ」

魔王「魔界も人間界も、そして異世界も平和になったからね!安心して旅に出れるよ!」

側近「なんでそんなくだらな……」

側近「……いや、わかりましたよ。付き合いましょう」

魔王「いいの!?」

側近(魔王様のくだらん奇行に付き合いながら、ちくちくいじめる。そんな日常が好きなんだよな……)

側近(また、そういう日々に戻れるんだな……本当に嬉しいよ)

魔王「ありがとー、側近!今度こそ女勇者ちゃんとイチャイチャちゅっちゅ出来る方法を見つけようね!」

側近「でも、その前に異世界に行きましょう。魔王様を慕う兵や民が待ってますよ」

魔王「あー、さすがに優先順位はそっちのが上だよね」

側近「まあ簡単に行き来出来るようになって、いつでも異世界に来れると民がわかったら、魔王様が旅するのも許してくれると思いますよ」

魔王「そしたら旅再開って感じだね!今度は異世界にも行けるから、モテる方法が見つかるかもしんないし!」

魔王「そう言えば馬車はあるの?あの時は預けっぱなしだったけど」

側近「はい。本編で一言も触れませんでしたけど、ちゃんと回収していますよ」

魔王「そっか、よかった!じゃあまた馬車旅出来るんだね!」

側近「また馬車で旅するんですか……」
626: :2012/10/30(火) 23:21:28 ID:6xWpg1Pyas
側近「まあいいですよ。いくらでもお付き合い致しますよ」

側近「魔王様と世界中の仲間が築いた平和な世界です。何の懸念もなく楽しく旅出来るでしょうからね」

魔王「側近!俺はモテる方法を探すために旅してんだよ!遊びでやってんじゃないんだよ!」

側近「お遊び以外の何物でもないでしょ。モテる方法探しに旅するとか」

魔王「くそー、こっちは死活問題だというのに……これだからモテる奴は……」

側近「魔王様。今俺が魔王様殴っても許されると思いますよ」

魔王「何でだよ!?ちょっと……今あげてるそのげんこつ、絶対振り下ろすなよ!」

側近「フリですか?」

魔王「フリじゃないよ!」

側近「まあいいや。我慢してあげますよ。異世界に渡って状況説明した後に、馬車旅を再開するとしましょう」

魔王「なんか納得できんけど……まあいいや。うん、そうしよう!」

魔王「あ、でも馬車旅の前にやっておきたいことがあるんだ!それから再開しよう!」

側近「はいはい、わかりましたよ」

側近「長い長い道のりを経て、ようやく辿り着いた平和な世界です」

側近「そんな平和な世界でくだらない旅を謳歌するのもいいもんでしょう」

魔王「だから遊びじゃ……もういいや。やることやって再開といこう!」

魔王「俺達の冒険はまだ始まったばかりだ!」

側近「そうですね。平和な世界はまだ始まったばかりです」

側近「魔王様、これからもよろしくお願いしますね」

魔王「うん!こっちこそよろしくね!」
627: :2012/10/30(火) 23:22:22 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「……終わりだと思ったか?もうちょっとだけ続くんだよ!」

女僧侶「さっき異世界への穴を開けて、側近さんに移動魔法で王都まで送ってもらいました」

女僧侶「魔王さん達、異世界に渡るみたいです。異世界の治安も同様に守っていかないといけませんからね」

女勇者「そっか!さっすが魔王!世界中の希望だよね!」

女戦士「……ものすごくご機嫌だな」

女勇者「魔王が生きてたんだもん!あーもう毎日が楽しくって嬉しくって仕方ないよー!」ルンルン

女僧侶「よかったですね、本当に」

女戦士「浮かれ過ぎな気もするけどな……」

女勇者「えへへ///」

女戦士「……それで、だ。女勇者、お前はこのままでいいのかよ?」

女勇者「え?魔王が生きて帰ってきたのに、これ以上何かを望まないといけないの?」

女戦士「……付き合いたいとは思わんのか?」

女勇者「わ、私が!?私なんか魔王に相応しくないから!」

女勇者「……でも、告白はしたいかな」
628: :2012/10/30(火) 23:23:22 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「一年半前に人間界と魔界が和解してから、何回も告白するチャンスはあった」

女勇者「でも私は振られるのが怖くて……結局告白できなかった」

女勇者「そしたら魔王が異世界に行っちゃって、私達は死んだと思ったでしょ」

女勇者「ああ、もうこの想いを永遠に告げることはできないんだって後悔で押しつぶされそうになったよ」

女勇者「今できることを今やらないと、いつ出来なくなるかわからないからね。もうやらなくて後悔するのは御免だよ」

女勇者「私、魔王に告白する!振られても、この平和な世界でなら時間はいくらでもあるからね!アピール重ねて好きになってもらえるよう頑張るよ!」

女戦士「おー、自らその結論に至ったか。闘魂注入せんといけんかと思ってたよ」

女勇者「いやあ……あれマジで痛いからね。魔王が死んだと思ってた時とか、感謝はしてるけど、できればもう二度と体験したくないよね」

女戦士「まあとにかく、言ったからにはもう絶対にやれよ!引っ込めるのは無しだかんな!」

女勇者「わかってるよ!見てて、女戦士、女僧侶、女魔法使い!私、玉砕してくるよ!」

女戦士「よーし、その意気だー!」

女魔法使い「……」ガンバッテ!

女僧侶(……何で女勇者さん、振られる前提なんだろう。何でまだ気付いてないんだろう……)
629: :2012/10/30(火) 23:24:05 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王は今、異世界に行ってるんだよね」

女僧侶「はい。でも、話を聞いてると戻るのは早そうでしたよ」

女僧侶「ただ、戻ってそうそう旅に出るとも言ってましたね」

女勇者「旅?」

女僧侶「……モテる方法を探す旅に出るって」

女勇者「魔王、今のままでも十分かっこいいのに、まだ上を目指してるんだ……」

女戦士「あいつの頭ん中どうなってんのか一回見てみてえよな」

女勇者「本当だよね。世界平和にしても、恋愛にしても、理想が高すぎてびっくりしちゃうよね」

女戦士「……お前の頭ん中も見てみてえよ」

女勇者「?」

女僧侶「……あ、でも旅に出る前にやっておきたいことがあるとも言ってましたよ」

女勇者「やりたいこと?何かあるのかな?」

女戦士「……あ、あれのこと言ってんじゃね?」

女勇者「あれ?」
630: :2012/10/30(火) 23:25:16 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「いやな、この度魔王が無事に帰ってきたじゃねえか」

女戦士「そんなめでたいニュースを祝う意味でだな、王様が王都で宴を開こうって」

女戦士「そのイベントこなさないと旅出れねえって、そういうことじゃねえの?」

女勇者「私、そんなイベント予定してるって聞いてないんだけど……女魔法使い、本当?」

女魔法使い「……」コクコク

女勇者「本当なんだ……」

女戦士「いや、私が言った段階で信じろよ!何で女魔法使いに確認した!?」

女勇者「女戦士ってあんまり信用できないもん」

女戦士「普通に傷つくこと言うのやめろよ!」

女僧侶「でもそれだと少しおかしい気もします。魔王さんがやりたいって言ってるので、王様の企画したそれが該当するとは思えないんですけど」

女戦士「実は企画したの魔王でしたーって、そういうオチなんじゃね?」

女勇者「うーん……魔王ってあんまり自分のことを祝おうっていうタイプではないと思うけどなあ」

女戦士「でもそう考えないと魔王のやりたいことに説明つかなくねえか?そうなんだよ、たぶん」

女勇者「そうなのかなあ……」
631: :2012/10/30(火) 23:26:08 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「とにかくだ!どちらにせよ魔王はそれに参加するんだよ!」

女戦士「だったらそれを利用してやろうじゃねえか!お前は魔王がこっちに戻ったら開かれるであろう宴に参加すんだよ!」

女戦士「王都全体でのお祭りみたいなもんだし、何と言っても女勇者様だからな。参加は難しくないさ」

女戦士「それで好機を逃さず、告白するんだ!」

女勇者「魔王のための宴を邪魔していいのかって不安はあるけど……でも、好機なのは確かだよね」

女勇者「わかったよ。散るのを覚悟で、まずはこの想いを知ってもらうよ!」

女戦士(散るわけねえだろ……)

女僧侶(散る理由が見当たりません……)

女魔法使い(どうして散るって思うんだろう……)

女勇者「正直怖いけど……頑張るよ!もう後悔はしたくないからね!」
632: :2012/10/30(火) 23:28:09 ID:6xWpg1Pyas
今日はここまでにします。

プロジェクトクロスゾーン欲しいです。
小牟が好きなんですよね。小牟が。
そんなだからナムコクロスカプコンも無限のフロンティアも一応押さえてるんですよ。
だからこそ、プロジェクトクロスゾーンも欲しいと、そう願うわけですよ。
まあ俺はそもそも3DSをまだ持ってないんですけどね。
こないだPSP買っちゃいましたからね。はは、スパロボZの破界篇おもしれぇー。

今回の更新のまとめです。
>>621-631
633: 名無しさん@読者の声:2012/10/30(火) 23:33:11 ID:5DhxIxj3Ng
>>626-627
あわわ…ごめんなさい…
終わるとか言ってすみません…


魔王UZEEEEEEEEEEEE
モテるやつのモテナイが1番イラっときます
女勇者から告らせたらKOROSU☆
634: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 01:28:19 ID:jBpFGXMIpM
いつもの日常に戻って良かった…
戻ってきたあとの皆の会話に癒されます。

毎日更新お疲れ様です!
つ支援
635: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 04:25:49 ID:E4SxfhN7f.
あはっ!ゲームの話についていけない…
魔王は「おいでよ、どうぶつの森」とかやるの?
636: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 08:15:20 ID:AbeZYtaf4o
俺はこのSSが完結するまで捕まるか!(`・ω・´)つ一億円
これで好きなもの買ってくれ。(`・ω・´)
637: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/31(水) 21:49:31 ID:6xWpg1Pyas
>>633
終わらせる空気を作っておいて続けます。なのでもうちょっとお付き合いくださいませ。
こうは言っても、ドラゴンボールと違って、マジでちょっとしか続かないと思いますけども。
まあもうひとイベントだけどうにかしてフィニッシュだと思いますよ。

俺もマジでモテない人種なので、女性に関する魔王様の発言にはイラついてますが、KOROSUのは勘弁してやってくださいwww
またこっちの世界が荒んでしまいそうですので。手に入れた平和を謳歌しましょう。

>>634
日常パートいいですよね。軽いノリで雑談させるのは俺も好きです。
今回のは中盤まるまる魔王様がいなくてかなり寂しい……かと思いきや、そうでもなかったです。
まとめとかでガンガン出してたからだと思いますwww
今後はそれを本編の中でやってけるわけです。よかったですね。

>>636
大金をありがとうございます。
これで逃亡生活もどうにかなると思います。まさかあの時貰った写真がこんなことになるなんて……。
とりあえず俺はカップヌードルでも買いに行きます。シーフードやカレーもいいかもしれませんが、俺は断然普通のが好きです。
638: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/31(水) 21:50:40 ID:6xWpg1Pyas
>>635
プロジェクトクロスゾーン(PXZ)は複数のゲーム会社のキャラが入り混じったシミュレーションRPGですね。
ナムコクロスカプコン(ナムカプ)はその名の通りナムコとカプコンのキャラ混じり状態だったわけですけども。
それの続編と言っていいであろうPXZはバンナム、カプコンにセガが加わった感じのゲームです。
ストリートファイターとかの有名所から、マニアックな作品も参戦してたりして、個人的にはそれだけでも楽しいです。

そのゲーム、オリジナルキャラっていないの?って、そこは大丈夫ですよ。いますよ。
ナムカプのオリジナルキャラである小牟が俺は好きなんですね。小牟はシャオムゥって読みます。
765歳の仙狐なんですけど、仙狐基準ではまだまだ若いらしくて、見た目可愛い女の子です。
見た目が可愛いのはもちろんなんですけど、性格や趣味もいいですよね。小牟はゲームオタク、プロレスオタクなんです。
もうこれ俺のためのキャラでしょうwww
そんな彼女が繰り出すネタは冗談抜きで無限です。ネタを含んでない台詞の方が少ないんじゃないかと思います。
そういう彼女の濃いネタの元ネタを調べるのが好きだったりします。

どうぶつの森は、魔王様はやってると思いますが、1は持ってないしやったことないです。
でも一応ある程度の知識はあります。今度3DSで「とびだせどうぶつの森」が出るので、PXZ目的で買うついでに買ってみるのもいいかもしれませんね。
俺もリセットさんに説教されてみたいですwww

長くなりましたね、申し訳ないです。でもこういう話をするのが楽しくてしょうがないですwww
639: :2012/10/31(水) 21:52:00 ID:6xWpg1Pyas
異世界に渡った魔王と側近は、二つの世界が置かれている状況を民に説明した。
ようやく手に入れた平和。その平和を作って導いてくれた魔王という存在を失うわけではないということを民は理解した。
なので、これからは二つの世界を治めるから常にいることは出来ないということも、これからしばらく旅をすることも即座に受け入れた。
「魔王様のやりたいことを妨げる理由にはなりたくない」……民の意見をまとめるとこうなる。どれほど信用されてるのかがわかる意見である。
そして信用されているのは元の世界でも同じである。異世界に説明を終えた魔王は、元の世界へ戻ることにした。
自分の無事を祝って行われる宴に参加するために。
そして、旅立ちの前にしておきたい「やりたいこと」を済ませるために。
640: :2012/10/31(水) 21:53:04 ID:6xWpg1Pyas
王都全体での宴、当日の夜。

女戦士「よっしゃああああ!!皆の者、盛り上がってるかあああ!!」

「いやっほおおお!!」「ヨーロレイヒー!」「アリーヴェデルチ!」

女戦士「意味はわからんけど、盛り上がってんなああ!!よっしゃああああ!!」

女勇者「盛り上がりすぎじゃないの!?何なのこのテンション!?」

王都民「盛り上がりもしますよ!魔王様が生きてたんですよ!?それを祝う場でテンションあがらないわけないじゃないですか!」

女勇者「……そうだよね。魔王生きてたんだもん。嬉しいよね!」

王都民「魔王様の話題になると女勇者様ってわかりやすいですよね……」

女戦士「よーし、酒だー!酒を持ってこーい!」

女勇者「あの女は飲みたいだけだよね……」

女僧侶「まあまあ、めでたいんですから今日くらいは許してあげてもいいんじゃないですか?」
641: :2012/10/31(水) 21:54:32 ID:6xWpg1Pyas
「あっ、魔王様だ!」「側近様や龍人もいるぞ!」「今日の主役が来たぞー!」

女勇者「っ!」

魔王「うわー、盛り上がってるねえ!俺なんかのためにありがとね、わざわざ」

側近「それだけ皆が魔王様を必要としてるってことですよ」

龍人「まあまあ、んなこたぁどうでもいいんだよ!宴があんなら限界まで騒いで楽しめ!それだけだ!」

魔王「そだねー!じゃあ俺お酒はあんまり飲めないけど美味しい物たくさん食べて……」

側近「魔王様はまず王様に挨拶しに行ってください」

魔王「えー……王様の話って堅苦しくて長いもん。俺嫌だよー」

側近「いいから城に向かってください。城内でも美味しい物はありますよ」

魔王「城内だとはしゃげないじゃない……」

龍人「大丈夫だって。代わりに俺達が騒いどくからよwwお前は優雅に楽しんどけやwww」

魔王「俺もこっちの方がいいよー!」

側近「いいから行きなさい!話が終わったら戻ればいいでしょ!」

魔王「ううぅ……行ってきます……」トボトボ

女僧侶「……告白はもうちょっと後ですね」ヒソヒソ

女勇者「そ、そうだね……」ドキドキ
642: 1「成人の皆さんは飲みすぎないよう気をつけてね」:2012/10/31(水) 21:56:17 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「主役がいきなり城内に消えてったが、それでも酒は飲めるぞ!皆、飲みまくれー!!」

側近「……あいつは飲みたいだけだろうな」

女勇者「だろうね……」

龍人「俺も酒は大好きだからな。実はちょっと楽しみにしてたんだぜww」

「……」「……」「……」

女勇者「うわっ……皆、あからさまに龍人のこと睨んでる……」

龍人「まあ仕方ねえさ。一年半前の俺の襲撃で死にかけた奴だっているんだしなぁ」

龍人「わだかまりが解けるのは時間がかかるさ。その辺は割り切るしかねぇよ」

女戦士「おいおい、何を勝手に暗くなってくれてんだよ!盛り上がれっつってんだよ!」

女戦士「よーし、誰か私と一対一で酒飲み勝負しようぜ!我こそはってやつは名乗りを上げろ!」

王都民「いやあ……女戦士様と酒で勝負しても勝ち目はありませんし……」

女戦士「んだよ、ノリ悪いなー。あ、じゃあこうしようか。お前らが勝ったら私脱いでやるよwww」

王都民「!!!?」

「皆、何としても勝つんだ!!」「戦いは数だよ兄貴!」「死んででも飲み勝つんだ!」

女戦士「……私の裸でいいのか。男って女なら何でもいいんだな」

側近「……なあ女勇者。何でお前らって自分の容姿の綺麗さに気付いてないんだ?」

女勇者「ほんとだよね。女戦士はすごい綺麗なのに、太ってるとか綺麗じゃないとか言ってわけわかんないよ」

側近「俺はお前らって言ってんだけどな……」

女勇者「?」
643: :2012/10/31(水) 21:57:43 ID:6xWpg1Pyas
「数で攻めても勝てないだと……」「もうダメ……もう飲めない……」「リバース寸前……」

女戦士「なさけねえなあ。一対一で負け続けるとか、お前らどんだけ雑魚集団なんだよ」

女戦士「もっと強い奴っていないのかよ?」

龍人「……そろそろ俺の出番だなぁ」

女戦士「お、来たか龍人!名乗り出んの遅かったな」

龍人「わりぃな、女戦士。俺ぁ悪知恵が働くんだよ」

龍人「てめぇの飲みっぷりは異常だ。真っ向勝負じゃ勝ち目はねぇ」

龍人「だがな、てめぇは過ちを犯した」

龍人「雑魚をちまちま倒すのに、緩やかにでも多く飲んじまったんだよ」

龍人「そんなハンデを背負ってまで、倒せる相手じゃねぇぜ、俺は?」

女戦士「……策士だな、この野郎。だが、私はそれでも勝つぞ!」

龍人「吠えてろ!巨乳美女の裸は貰ったぁ!もちろん二―ソックスは履いてもらうぞぉ!!」

「うおおおお!!」「いけえ、龍人!!」「龍人、信じてるからな!!」

側近「おい……わだかまりもう解けてんぞ」

女勇者「女性の裸で一つになるって、どういうことよ……いや、女戦士は綺麗だけどさ」
644: :2012/10/31(水) 21:59:35 ID:6xWpg1Pyas
龍人「……うえっ」

女戦士「馬鹿な……この私が……」ガクッ

王都民「女戦士様が酔い潰れた!ということは……」

龍人「厳しい戦いだった……俺が勝てたのは、皆の後押しがあったおかげだ……」

「うおおおお!!」「よくやった!!」「龍人様万歳!!」

側近「おい……一年半前の大悪党が一転して英雄になってんぞ」

女勇者「女戦士、負けるって思ってなかっただろうな。本当に脱ぐのかな?」

龍人「さぁ女戦士ぃ!!約束は覚えてんだろうなぁ!?」

女戦士「気持ち悪い……龍人、枕になって……」ヨロヨロ

龍人「はっ?……っ!?」

女勇者「……女戦士、龍人に寄りかかるように寝ちゃったよ」

側近「マジで限界だったんだろうな。たぶん脱ぐとかの約束はお蔵入りだろうな」

龍人「おおお女戦士さん!?当たってます!柔らかいのが当たってますぅぅぅ!」

「……」「龍人殺す……」「魔王様に言ってやる……」

側近「英雄が一転して大悪党に戻ったぞ」

龍人(こ、殺されても文句言えねぇ……気持ちえぇ……)
645: :2012/10/31(水) 22:01:04 ID:6xWpg1Pyas
そんなこんなで皆ではしゃいで数時間。

側近「……だいぶ静かになったなあ」

女勇者「皆はしゃぎ疲れたり酔いつぶれたりしてるからね」

魔王「ただいまー!……何かもうお開きの空気じゃん!」

女勇者「っ!」

側近「あ、お帰りなさい、魔王様。遅かったですね」

魔王「ほんと王様の話長いんだってー。それに城内は優雅な雰囲気で宴っててさー。戻りにくいし息苦しいし」

魔王「俺もこっちで騒ぎたかったよー」

側近「ほとんど酒飲んでワーギャーって展開でしたよ」

魔王「あ、そうなの?俺お酒苦手だからよかったかも……」

側近「女戦士が酒飲み勝負で負けたら脱ぐとか言いだしまして」

魔王「やっぱりそっちで騒ぎたかったよ!何それ!?どうなったの!?」

側近「酔いつぶれてうやむやになりました。今は龍人と二人で寄り添うように寝てます」

魔王「えっ!?……ほんとだ。龍人ぶっ殺す……」ゴゴゴゴ

側近「魔王様。殺気出てますって」

女勇者「……」ドキドキ

女僧侶「女勇者さん。行くなら今ですよ」ヒソヒソ

女勇者「わ、わかってる。わかってるよ……」ドキドキ
646: :2012/10/31(水) 22:02:13 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「ね、ねえ、魔王。ちょっとさ、二人っきりになれないかな?」

魔王「え?ふ、二人っきり?」

女勇者「あの、えっと……嫌だったとしても、お願いしたいの……そんな長い時間じゃないと思うから」

魔王「嫌だなんて、そんなわけないじゃない!いいよ!二人っきりってどこならなれるかな!?」

女勇者「宴もお開きの空気だからね。お城の中とか、探せば今ならそういうとこもあるんじゃないかな?」

魔王「そっか!それじゃ城に向かおう!マッハで向かおう!」

女勇者「あ、待ってよー!」

女僧侶「……行きましたね。これは……」

側近「これは面白い物が見れそうだな」ニヤリ

女僧侶「え?側近さん、女勇者さんの計画に気付いてたんですか?」

側近「え?いや、俺は魔王様がやろうとしていることに対して言ったんだけど……女勇者も何かやろうとしてんのか?」

女僧侶「これは……まさか……」
647: :2012/10/31(水) 22:04:08 ID:6xWpg1Pyas
魔王「城の中探したけど二人っきりになれるような場所がなかなか見っかんない!」

魔王「そういうわけでお城のバルコニーにやってきました。女勇者ちゃん、ここでいい?」

女勇者「う、うん……大丈夫だよ」

女勇者(ていうか、むしろここの方が雰囲気は出るかな)ドキドキ

魔王「それで……二人っきりになったけど、えっと……お、俺どうすればいい?」

女勇者「あ、えっとね!ちょっと……聞いてほしいことがあるの」

魔王「聞いてほしいこと?う、うん。わかったよ」

女勇者「あの……あのね。聞いてほしいことってのはね……」

女勇者「あの……えっと……その……」

女勇者(頑張れ、私!自分で散るんだって決めたじゃない!振られてもいいから、想いだけはちゃんと伝えるの!)

女勇者「……」

魔王「女勇者ちゃん。女勇者ちゃんの聞いてほしいっていう話が言いにくい話題なら、先に俺から話をしてもいいかな?」

女勇者「ま、魔王が私に?う、うん、いいよ」

魔王「ありがとう……それじゃ言うね」
648: :2012/10/31(水) 22:05:44 ID:6xWpg1Pyas
魔王「女勇者ちゃん。俺ね、これから旅に出るつもりなんだ」

女勇者「あ、知ってるよ。女僧侶から聞いてる。モテる方法を探しに行くんだよね」

魔王「うん。女の子は皆大好きだけど、俺の中で特別な一人がいて、その人と真剣に付き合いたいからなんだ」

女勇者「……」

魔王「俺ね、出会ってからはずっとずーっとその人が一番好きだった。そしてそれはこれからも変わらないと思う」

魔王「今の俺じゃその人に相応しくないし、振られちゃうから告白とかはしてない。モテる方法を探して、自分を高めることができたら告白する」

魔王「……異世界に行くまではそう思ってた」

魔王「でも俺、異世界に行っちゃって、もう二度と戻れないと思ってたから。その時、すごく後悔したんだ」

魔王「振られてもいいから、想いを告げておけばよかったって」

魔王「でも、女勇者ちゃん達が頑張ってくれたおかげで俺は戻ってくることができた」

魔王「その時に決意したんだ。振られてもいい。伝えられる時に伝えないと、またいつ後悔するかわからない」

魔王「だからね。モテる方法を探す前に、大切な人にこれだけは伝えておこうと思ったんだ」

魔王「女勇者ちゃん、大好きです。俺と付き合ってくれませんか?」
649: :2012/10/31(水) 22:06:53 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……えっ?」

魔王「あっ!普通に振ってくれて大丈夫だから!振られるのはわかってて、それでも告白しようってことだからさ!」

魔王「今は駄目でも、俺、頑張ってモテる方法探して、女勇者ちゃんの彼氏に相応しい男になるから!」

魔王「だから今日振っても気にせずに、これからも仲良くしてもらえる?」

女勇者「……」ポロポロ

魔王「な、泣くほど嫌だった!?ごめん!あれ、後悔しないようにやったのに後悔してきた……」

女勇者「ち、違います……」ポロポロ

魔王「ち、違うの……?」

女勇者「ほん、本当に……私でいいんですか……?」ポロポロ

魔王「……えっ?」

女勇者「私も……魔王のことが大好きです……付き合って下さい……」ポロポロ

魔王「」
650: 1「良い子も悪い子も真似しないように」:2012/10/31(水) 22:09:07 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……え?お?俺?俺が?俺で?俺でいいんですか?」

女勇者「はい……あなたがいいんです……」ポロポロ

魔王「え?え?女勇者ちゃんが俺の彼女?……夢?」ピョーンッ

女勇者「っ!?ま、魔王!?」



王都民「頭いてぇ〜……飲みすぎた……」

王都民「魔王様生存を祝う場とは言え、調子のりすぎたか……」

王都民「ん?……っ!?城のバルコニーから魔王様が落ちてきた!?」

魔王「ひぎぃ!」ドスーンッ!

王都民「おわー!?ま、魔王様!大丈夫ですか!?」

魔王「痛い……夢じゃない……夢じゃないんだ!」

王都民「え?」

魔王「俺、女勇者ちゃんと付き合えることになったあぁぁー!!」

王都民「おおお!やっとですか!おめでとうございます!」

女勇者「ちょ、ちょっと魔王!恥ずかしいから言いふらすのはやめようよ!」

王都民「もう手遅れです!皆ー、起きろー!もうひと騒ぎだー!」

王都民「魔王様と女勇者様がようやく付き合うことになったぞー!」

「マジでか!」「ほんと付き合うまで時間かかったな!」「末永く爆発しろ!」

女勇者「は、恥ずかしい……///」

魔王「ご、ごめん……でもいずれにせよ皆に知れ渡ることだと思うから。ね?」
651: :2012/10/31(水) 22:11:02 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「……魔王さんも告白する気でいたんですね」

側近「旅に出る前にどうしても散っておきたかったんだとよ。そう考えると本当に似た者同士だよな」

女僧侶「二人とも世界を大切にして、平和や共存のために活動できる優しい方で」

側近「致命的に鈍感なところもな」

女僧侶「ふふ、そうですね。付き合うべくして付き合ったんでしょうね」

女魔法使い「ハッピーエンド……」

女戦士「女勇者が魔王と付き合うことになったんだな!?」

女僧侶「あ、起きましたか。そうですよ。大変喜ばしいことですね」

女戦士「よーし、二人を祝ってもう一回飲み……オロロロロ!」ビチャビチャ

女僧侶「きゃあ!?お、女戦士さんはもう休んでてください!」

女戦士「いやだぁ……私も二人を祝うんだぁ……オロロロロ!」ビチャビチャ

側近「駄目だこいつ……早く何とかしないと……」

二人が出会ってから一年半。
両想いになってから一年半。
紆余曲折を経て、ようやく二人は結ばれたのだった。
そんな二人を祝うように王都は再び飲んで騒いでついでに吐いて、そうして夜は更けていくのであった。
652: :2012/10/31(水) 22:12:14 ID:6xWpg1Pyas
翌日。魔王城。

龍人「うぅ……気持ち悪いよぉ……」

側近「完全に二日酔いだな。ざまあみろ」

魔王「まあまあ、側近!そんな意地悪言わなくてもいいじゃない!」ニコニコ

側近「魔王様、こいつ昨日女戦士の胸を堪能したんですよ?」

魔王「ラッキースケベくらい許してあげようよ!その報いは二日酔いってことにしといてあげよう!」ニコニコ

スライム「魔王様が嫉妬しない……だと?」

ゾンビ「自身がリア充になったことで余裕が生まれたか……」

ドラゴン「爆発しろ……」

魔王「あ〜……女勇者ちゃんと付き合えるようになるなんて夢にも思ってなかった〜///」

側近「一応聞いときますけど、モテる方法を探す旅はどうします?」

魔王「キャンセルだよ!お馬さんをゆっくり休ませてあげよう!」

魔王「んふふふーwwwじゃあ俺ちょっと女勇者ちゃんのとこ行ってこよっかな!」シュンッ

側近「……なんか活き活きしてるよな」

ドラゴン「愛しの女勇者と結ばれたわけですからね」

側近「平和を取り戻した世界で、愛の一歩を踏み出す、か。本当に平和になったな」

ゾンビ「平和が一番ですよ。これからは皆で仲良く魔王様と側近様に嫉妬しますよ」

側近「もうちょっとましな方法で平和を堪能しろよ……」
653: :2012/10/31(水) 22:13:17 ID:6xWpg1Pyas
魔王「女勇者ちゃん!迎えに来たよ!」

女勇者「魔王!」パアア

女僧侶「迎えに来たって、ここ女魔法使いさんの家なんですけどね……」

女魔法使い「……」

女戦士「おっ、出来たてカップル!羨ましいねえ!」

魔王「あ、女戦士ちゃん!今日体調大丈夫なの?昨日たくさん飲んだんでしょ?」

女戦士「大丈夫だって。昨日のうちに吐いといたからwww」

女勇者「飲み過ぎて吐く女ってどうなのよ……」

魔王「別に問題ないよ。何したって女戦士ちゃんが綺麗なのに変わりはないもん!」

女勇者「じゃあ私が吐いたりしても、魔王は引かない?」

魔王「当たり前だよ!俺はどんな女勇者ちゃんでも愛して支えるよ!」

女勇者「魔王///」

魔王「女勇者ちゃん///」

女戦士「おー……なかなかうぜえ空気醸し出してくれるな……」
654: :2012/10/31(水) 22:14:44 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「ねえ魔王。今から時間ある?」

魔王「今から異世界の方に行っていろいろ活動しようかと思ってるよ」

女勇者「あ、そうなんだ……じゃあ今日は一緒にいるのは無理だね……」

魔王「女勇者ちゃん、一緒に行こうよ!」

女勇者「え?」

魔王「俺だって一応今は異世界の王でもあるんだよ。その王の大切な人をちゃんと皆に紹介しなくっちゃ!」

女勇者「魔王……///」

女戦士「帰ろうかな」ガタッ

女僧侶「ちょ、ちょっと!そんな急に帰らなくても!」

女戦士「こいつら、自分の空間作っていちゃつきやがってえ!」

女魔法使い「……」

魔王「俺達はこれからこの世界と異世界を導いていかなきゃいけない」

魔王「でも大丈夫!俺には仲間が……女勇者ちゃんがいるんだもん!」

魔王「この平和を守っていけるように、一緒に頑張ろうね!」

女勇者「うん!」

魔王「平和なこの世界で、たくさんイチャイチャちゅっちゅしようね!」

女勇者「……うん///」

女戦士「帰る」スタスタ

女僧侶「ちょっと、女戦士さん!待ってください!」

女魔法使い「……」
655: :2012/10/31(水) 22:16:27 ID:6xWpg1Pyas
魔王「それじゃ女勇者ちゃん、行こうか!」

女勇者「うん!」

魔王「……移動魔法使うけど、手、握ろっか?///」スッ

女勇者「うん///」

女戦士「……」スタスタ

女僧侶「無言で帰ろうとするのやめてください!」

女魔法使い「……」

魔王「それじゃ行くよー。えい!」シュンッ

一年半前、人間界と魔界の争いから始まった物語。
敵として出会った二人は、いつしか想い合う関係となっていった。
しかし想いが交わることはなく、二人は永遠の別れを遂げてしまった。
絶望に染まった二人だったが、それでも腐ることなく、荒んだ世界を救うべく活動を続けた。
そうした活動が奇跡を呼び込み、平和な世界と最愛の相手を取り戻すことに成功した。
そしてとうとう二人の想いは交わったのだった。
そんな二人の物語はまだ始まったばかりである。
蘇った平和な世界で、その物語は変わらぬ調子で続いていくことだろう。

魔王「おわり!」
656: :2012/10/31(水) 22:19:29 ID:6xWpg1Pyas
というわけで、これで終わりです。書き溜め間に合ったー!よかったー!
いろいろ書いた方がいいのかなって思いますけど、普段の返レスで既にいろいろ書いてますからね。
なので、一点だけ。

>>1にも書いてた「書きたいこと」なんですが。
これは「魔王様と女勇者を付き合わせたい」ってことなんです。これだけです。
でもこの二人はきっかけがないと告白できないだろうなって思ったので、告白以外のことをいろいろ書いてきたわけでした。
今まで付き合ってなかったのがおかしいような仲ですからね。これでよかったんでしょう。
というわけで、二人を祝福してあげましょう。おめでとう、爆発しろ!!

本編はこれで終わりです。以後は番外編的な小話をやってければなあって思ってます。こっちはたぶんもう毎日は厳しいです。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました!そして今後ともよろしくお願い致します!


あと、今回のまとめです。
長そうなので二つに分けときます。
>>639-651>>652-655
657: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 22:21:00 ID:q2KeTR1vRI
おや、最後の行が読めないな



くそぅ、言うしかないのか。盛大に乙!!
658: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 22:23:43 ID:4AWLxp8Kl6
えんだああああああああああああぁぁああぁぁあああいやあああああああああああああぁぁああぁぁああ

魔王×女勇者タンおめでとう!!
末永く爆発しろ!!

女戦士タンは…ほら、うちの地元の薬あげるよ…

龍人ヌッコロス


1は乙!
楽しかったぜ!
また絵書かせてもらいます!



注;獣人のバイブ責め完了致しました。
659: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 22:29:48 ID:E4SxfhN7f.
え?お・わ・り!?
へ?うそ!ならば、二人が結婚するとこまでやってよコノヤロー!
女勇者ちゃんそこ変われー!
一乙!次またスレたてるときもこれのシリーズにしてくれ!
魔王可愛いよ、hshshshsハァハァハァハァうっ…ふぅ。
魔王の「女勇者ちゃん大好きです〜」の所は穏やかな表情で言ってるんだろうなあと思った。
魔王達って手を繋ぐだけでも真っ赤になりそう。
魔王は大好物です、はい。
マトリョシカが完成するまでこのスレがあることを祈る。
660: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 23:12:59 ID:dcPzDSn0ow
面白かったです!もう終わっちゃうのがちょっと寂しい…
けど番外編も楽しみにしてます!>>1さんのお話大好き!
661: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 23:15:13 ID:91GhtNBsvE
終わったぁぁああああああ


おつかれさまです!!



読んでいると魔王やみんなの優しさで心が幸せでいっぱいになりました。


俺も大切な人と未来をつくっていけるよう努力!
662: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 23:30:30 ID:sF1XQdlJCo
1乙!
とうとう結ばれたかー。
これからは女勇者ちゃんに関節技をかけてもらいますか!
良かったな、魔王!
爆発しろ!魔王!


獣人は関節バッキバキにしときました。
663: 名無しさん@読者の声:2012/10/31(水) 23:58:03 ID:5DhxIxj3Ng
次回作は龍人と女戦士か…
龍人後で職員室へ

側近の安定のモテっぷりもうざいから職員室へ

魔王は…
まあ一応魔王から告ったから許してやるか
ほれご褒美
つ男の俺からのコブラツイスト×57
それから女勇者ちゃんと付き合えたお祝い
つ男のryパワーボム×82
最後にスレタイ詐欺だから罰として
つryツームストンパイルドライバー×無限大


>>1さん本当にお疲れ様です
これで終わりなのは少し寂しいですが…
モテないイカくさい野郎へ
つ俺
664: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 00:49:12 ID:dlQNzFl2N6
乙でしたあああぁぁ!!
毎日の楽しみでした、本当に
今度はゆるりと小話楽しみにします

お酒でテンション上がってたり「皆」って言ってる龍人可愛いなー
何気にツッコミ側になったり周りをスルーして進行役になったりもしててそんなのもいちいち可愛かった!

しかしキョヌー好き……か…
それとも女戦士だからかな……

女戦士の嘘吐きいいぃぃぃぃぃぃっ
龍人は酔いわせて極寒の川に投げ入れようと思う…

三バカしか応援してあげないんだからああうわああぁぁぁぁん!!
665: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 01:19:41 ID:BvessgMNn2
おぉ、毎日安定して読んでたから
終わるとちょっと寂しいねwww

とりま、1乙!
666: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 07:07:28 ID:5j15m2A/Rg
え?お・わ・り!?
へ?うそ!ならば、二人が結婚するとこまでやってよコノヤロー!
女勇者ちゃんそこ変われー!
一乙!次またスレたてるときもこれのシリーズにしてくれ!
魔王可愛いよ、hshshshsハァハァハァハァうっ…ふぅ。
魔王の「女勇者ちゃん大好きです〜」の所は穏やかな表情で言ってるんだろうなあと思った。
魔王達って手を繋ぐだけでも真っ赤になりそう。
魔王は大好物です、はい。
マトリョシカが完成するまでこのスレがあることを祈る。
667: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 11:05:17 ID:49S3Ybz1KY
次のスレもこのシリーズでお願いします
魔王と女勇者に
つ一億円好きなように使え!(`・ω・´)
668: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 13:18:07 ID:F51ZeeaKJg
毎日の楽しみが終わっちゃってちょっと寂しい…
でも最後まで読みきれてよかった!
ホントにお疲れ様でした。

キャラ全員に愛着がわきすぎた…
もちろん>>1さんも大好きだ!
素敵な作品に出会えてよかったです。
ありがとうございました(´∀`)
小話も楽しみにしてます!
669: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 16:34:21 ID:9ZMBJTs0O.
ずっとROMってたけど言います!

乙!>>1超乙!

うおおおお届け!私の愛よみんなに届けええええ

ついでに側近たちが結婚するのをきっかけに魔王も結婚するといいと思うよ!!

ドラゴンとスライムとゾンビには

つ私の愛

>>1には

つスコッティ

つ小話への期待

つ背負い投げからの腕十字


670: 名無しさん@読者の声:2012/11/1(木) 19:21:18 ID:hWvCoopnsE
このSSが終わったからには、女戦士タンは貰って行くぞ!パフパフさせて貰うぞ!

つ結納金
つ地酒
つ地ビール
つ太田胃散
671: :2012/11/1(木) 22:59:08 ID:7RuR6mIcnA
わー、たくさんのレスをありがとうございます!
こんなにレスしてもらって、すごい嬉しいです!マジありがとうございます!
……ただ、申し訳ないんですけど、今日は返レスとまとめだけにしてください。
その代わり今回の返レスはボリュームたっぷりなんで、それでどうか勘弁してくださいwww
672: :2012/11/1(木) 23:01:05 ID:7RuR6mIcnA
>>657
盛大なる乙をありがとうございます。
書き溜めもあったし、完結させるだけなら一人だけでもどうにかなったと思うんですけど。
皆さんがレスして支えてくれたので、楽しく前向きに頑張れました。
皆さんが支えてくれたおかげで、このスレの完結がとても尊い物になりました。
ありがとうございましたと言うしかないです。マジです。

>>658
女戦士さんはお酒大好きでドンドン飲んじゃうんで、良い薬があるならそれで支えてあげてください。
正直俺はお酒苦手なんで、詳しくないんですよ。飲み会の「とりあえずビール」が苦痛で仕方ないです。ていうか飲み会がきついです。
なので俺は女戦士さんを支えられそうにないです。女戦士さんのこと、頼みますよ。
いや、たぶん女戦士さんは別に支えがなくても健全に飲んでくと思いますけど。

絵はこちらこそお願いします。
決して獣人のそのシーンを描いたりしないようにね。いや、フリじゃねーよ!

>>659
二重投稿になっちゃってますね。>>666合わせてお答えしましょう。

もう魔王様関連で話思い浮かぶの厳しいと思いますけどねー。
次回作なんですけど、一応思いついたのをポンポン書き溜めてまして、今ストックは八つくらいありますけど。
これはどうにかして書きたいなーっていう話が一つと、これなら最後まで書けそうだなーっていう話が一つあります。
次立てるのはそのどちらかだと思いますよ。これの続編ではないと思います。
でも、また一年後の九月十四日にやるかもしれませんね。口だけなら何とでも言えます。
まあ期待しないで待っててください。割と真面目にもうないと思いますよ。
……次回作で思い出しましたけど、>>293これ誰か書いてくれないかなー。チラッチラッ

告白シーンに関して、たぶんまあ穏やかな表情だったと俺も思いますよ。
まあ本人は振られるつもりで告白してますから。そんな心構えだったから緊張もなく告白できたと思います。
673: :2012/11/1(木) 23:02:34 ID:7RuR6mIcnA
>>660
嬉しい御言葉ありがとうございます。
終わった安堵感もあるのかもしれませんが。何か皆さんのレス見てたら泣きそうになってきましたwww
すっかり涙腺が弱くなっておりまして。これだから歳は取りたくないんですよ。いや、まだ二十代ですけども。
番外編もいろいろ書きますので、これからもよろしくお願い致します。

>>661
俺はそういったレスのおかげで心が幸せでいっぱいになります。
完結まで本当に皆さんにお世話になりました。これからもお世話になります。よろしくお願いします。
大切な人と一緒に歩むのは大切ですね。俺も誰かと歩ける日が来るのでしょうか。

>>662
魔王「ありがとう!本当に嬉しいよ!」
魔王「これからは女勇者ちゃんにご褒美として関節技かけてもらえるんだよね!」
魔王「こんな幸せってないよ!もう毎日が楽しみで楽しみで!」
女勇者「……私、魔王に関節技かけなきゃいけないの?」
側近「何なら教えてやろうか?俺の全ての関節技を伝授してやるよ」

1「先生助けて!獣人ちゃんが息をしてないの!」

>>663
龍人「待てよ、先生!女戦士の件は事故みたいなもので!」
側近「嫉妬で職員室に呼び出したりするなよ……」
魔王「男からやられたって痛くて嫌なだけだよ!俺、職員室の方がいいよ!」

1「や、やめろよ!こんなトイレに追い込んで……ちょ、やめ……アッー!」
674: :2012/11/1(木) 23:03:47 ID:7RuR6mIcnA
>>664
一応龍人を庇ってあげるとですね。
まず幼少期の家庭事情の関係で、子どものまま大きくなった部分があります。魔王とはベクトルが違うけど幼い部分があります。
次に、龍人は健全な男性なので綺麗な女性が大好きです。女戦士は自分のことを男女とか言ってますけど、客観的に見てかなりの美女です。
最後に、幼い部分を持ち合わせて成長しつつ、交際経験もないので、女性は好きだけど案外うぶなとこがあります。
以上を踏まえて聞いてほしいのですが。
龍人が真剣に女戦士が好きなら、負けたら脱ぐとか言ってる状況で自ら参戦はしないと思います。勝負に勝って、そのうえでちょっと美女をいじめたかっただけだと思います。
なので仮に女戦士がマジで脱ごうとしたら「え!?いや、冗談だって!す、すまん!俺が大人げなかったな!なっ!」みたいにうろたえつつ止めてたと思います。
龍人と女戦士の間でフラグが立ってるわけではないと思いますのでご安心を。まあでもたぶん良き飲み仲間にはなると思いますけど。
そっから恋仲に発展するかはわかりませんが、今現在ではフリーですよ。

だから酔わせて極寒の川は勘弁してやってくださいwwwマジで危険ですからww

>>665
毎日安定して投下出来てよかったです。これはもう書き溜めさんの手柄ですね。
と言いつつ、実は更新してない日が一日だけあるんですけどね。
今後は番外編的な小話を展開できればと思ってます。というわけで、今後ともよろしくお願いします。

>>667
次は……たぶん違うの立てると思いますよ。申し訳ないです。
でも立てれるんだったら、また魔王様方と会いたいですよね。一緒に話考えてくださよwww

魔王「一億円もらっちゃったよ。どうしよう?」
女勇者「魔王、これでゲーム買い漁りなよ」
魔王「いいの?」
女勇者「いいの。魔王が楽しいんなら、私はそれでいいもん///」
675: :2012/11/1(木) 23:04:59 ID:7RuR6mIcnA
>>668
キャラに愛着わいたと。奇遇ですね、俺もです。
目的もなく適当に喋らせとくだけでもすっげー楽しいです。皆大好きです。
急にお前は何を言い出すんだって思うかもしれないですけど、誰かが二次創作って形で魔王様方の話を何か10レスくらいで書いて、俺はそれをただ見てたいです。
まったく知らない状況で気楽に魔王様方の絡みを楽しんでみたいです。
番外編として、誰か書いたりしてみません?このスレ使っていいですから。

>>669
側近「そうだよなあ……そろそろ真面目に考えていい頃だよなあ」
ハーピー「///」
魔王「俺達もいつか結婚を射程距離に入れようね!」
女勇者「///」
ドラゴン「愛をくれてありがとうございます///」
1「俺には何をくれるのかな〜……ぐああっ!ひぎいぃー!!」ボキッ

>>670
女戦士「お?お前いける口か?」
女戦士「いいねえ。一緒に飲むとしようか?」
女戦士「酔った勢いでパフパフしちまうかもなあwww減るもんじゃねえし別にいいよなwww」
女勇者「よくないよ!もっと女の自覚持ってよ!」
676: :2012/11/1(木) 23:06:46 ID:7RuR6mIcnA
(ほぼ)本編だけのまとめ

モテる方法を探せ!魔王と側近馬車旅編
>>1-14>>18-24>>25-37>>41-51>>52-57
>>60-67>>68-76>>79-86>>89-95>>96-107

皆で調べろ!共存の街編
>>108-114>>119-124>>128-134>>137-149>>154-162
>>166-172>>176-184>>188-195>>200-207>>212-218
>>220-225>>229-237>>248-253>>259-264>>271-278
>>285-292>>306-318>>325-332>>341-346>>362-369

蘇れ!平和な世界編
>>383-392>>404-411>>420-428>>436-443>>451-456
>>462-467>>475-482>>488-496>>503-511>>522-527
>>536-544>>551-560>>570-573>>584-595>>606-613
>>621-631>>639-651>>652-655
677: :2012/11/1(木) 23:07:07 ID:7RuR6mIcnA
1と愉快な仲間達のコーナー
※本編と全く関係ないので、興味ない方は見なくても大丈夫です。

>>15-17>>38-40>>58-59>>77-78>>87-88
>>115-118>>125-127>>135-136>>150-153>>163-165
>>173-175>>185-187>>196-199>>208-211>>219
>>226-228>>238-247>>254-258>>265-270>>279-284
>>293-305>>319-324>>333-340>>347-361>>370-382
>>393-403>>412-419>>429-435>>444-450>>457-461
>>468-474>>483-487>>497-502>>512-521>>528-535
>>545-550>>561-569>>574-583>>596-605>>614-620
>>632-638>>656>>671-675
678: :2012/11/2(金) 22:05:47 ID:7RuR6mIcnA
それぞれの反応

ドラゴン「魔王様が女勇者と付き合い始めたじゃんか」

ゾンビ「うん」

ドラゴン「それで今後どういう行動に出ると思う?」

スライム「うーん……露骨に自慢してきそうな気がするなあ」

スライム「あれ、負け犬の皆さんじゃないですかwwwちーっすwww……みたいな感じで」

ゾンビ「自慢はしてきそうだよね。でも、魔王様優しいし、そんな憎たらしくアピールはしないんじゃないかな?」

ドラゴン「と言うと?」

ゾンビ「あ、皆。ごめんね、抜け駆けしちゃって。でも、皆もいつか彼女出来るって、うん!……みたいな」

ドラゴン「あー、ありそう。それすげーありそう」

スライム「一応俺達を気遣って励ましてくれるんだろうけど、それ自体がもう勝ち組の上から目線だから負け組としてはむかつくんだよねー」

ゾンビ「でも言ってきそうだよね。鈍感だから励ますこと自体が侮辱だと気付かなそうで」

側近「じゃあ正解見に行くか?」

ドラゴン「あ、側近様」

ゾンビ「正解ですか?」

側近「おう。魔王様の反応が実際どうなのか、見せてやるよ。ちょっとこい」
679: :2012/11/2(金) 22:06:33 ID:7RuR6mIcnA
タンス「ガタガタガタガタガタ……」

ゾンビ「……側近様」

側近「何だ?」

スライム「タンスが凄い揺れてますけど、何ですかこれ?」

側近「魔王様が入ってる」

ドラゴン「何故?」

龍人「それは本人に訊いた方が早いんでねぇの?」

ドラゴン「あ、龍人。いたんだ」

龍人「おるわアホ」

ゾンビ「じゃあとりあえず本人に訊くか……魔王様ー?」

タンス「何ー?」ガタガタガタ

ゾンビ「何でタンスの中に避難してるんですかー?」

タンス「世界中から襲い来る不幸から身を守りたいんよー」ガタガタガタ

ドラゴン「いや……何で急に不幸体質気取ってんですか?」

龍人「意味わかんねえんだよ、こら」ガンッガンッ

タンス「ひいいい!」ガタガタガタ

側近「やめろ。タンスに罪はないんだから」
680: :2012/11/2(金) 22:07:30 ID:7RuR6mIcnA
スライム「魔王様。どうして急に不幸に襲われるとか思ったんですか?」

タンス「ほら、俺、女勇者ちゃんと付き合えることになったじゃんか」ガタガタガタ

タンス「こんな奇跡を実現しちゃったんだしさあ、俺たぶん一生分の運使い果たしたと思うんよ」ガタガタガタ

タンス「だからこれからの人生、とんでもない不幸が襲ってくるだろうから怖くって」ガタガタガタ

タンス「きっと歩けば足挫くだろうし、コントローラーのボタンは潰れまくって、側近は俺の爪を剥ぐようになると思うんよ」ガタガタガタ

タンス「まあ女勇者ちゃんと付き合える幸せと比べたら些細なことかもしれないけど、嫌な物は嫌じゃんか」ガタガタガタ

ドラゴン「結局自慢か、こら!」ガンッ

龍人「いちいちガタガタガタって打ち込むのめんどくせぇんだよ!」ガンッ

タンス「ひいいい!」ガタガタガタ

側近「やめろって。タンス壊れるだろ」

側近「魔王様、とりあえずタンスから出ましょう。本当にガタガタガタって打ち込むのめんどくさいんですよ」

タンス「嫌だよお。今日からここを新しい魔王城にするんだあ」ガタガタガタ

側近「……ああもういいや。ドラゴン、龍人、新魔王城をぶっ壊してやれ」

タンス「やめてえええ!」ガタガタガタ
681: :2012/11/2(金) 22:08:34 ID:7RuR6mIcnA
側近「結局自分から出てきましたね」

魔王「側近、爪剥いだりしない?」

側近「しませんよ」

魔王「夜中にトイレ行ってる時にわっ!とかしない?」

側近「しませんって」

魔王「スーファミやってる時に本体をガンッて……」

側近「しないって言ってるでしょ!どんだけ俺を悪逆非道だと思ってるんですか!?」

魔王「いや、だって側近のドSっぷりにこれからの不幸が重なれば大変なことに……」

側近「ああもう、そんなに不幸になりたかったら俺がしてやりますよ!」アームロック

魔王「えっ……ぎゃあああ!」

ドラゴン「……正解は想像以上にめんどくさいことなってたね」

スライム「そうだね」

ゾンビ「どちらにせよ負け犬にはむかつく反応だよね」

龍人「マジ勘弁してほしい……」

ドラゴン「……反応と言えば、女勇者の方はどうなってんだろうね?」
682: :2012/11/2(金) 22:09:16 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「……なあ、女魔法使いん家に緊急集合って、何があったんだよ?」

女勇者「皆、よく集まってくれたわね」

女僧侶「それはまあ、女勇者さんの様子がただごとではありませんでしたから」

女魔法使い「……」オチャドーゾ

女勇者「ありがとう、もらうね。ゴクゴク……ぷはあ」

女勇者「……皆に集まってもらったのは、他でもないわ。私を守ってほしいの」

女戦士「守る?ストーカーか何かの被害に遭ってんのか!?」

女勇者「いや、私にこれから襲い来るであろう不幸から守ってほしいの!」
683: :2012/11/2(金) 22:10:47 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶「……どういうことですか?」

女勇者「ほら、私、魔王と付き合えることになったじゃない」

女勇者「こんな奇跡を実現しちゃったんだから、私たぶん一生分の運使い果たしたと思うのよ」

女勇者「だからこれからの人生、とんでもない不幸が襲ってくるだろうから怖くって」

女勇者「きっと歩けば足挫くだろうし、買った服はすぐに破けて、女戦士は酒飲む量がアップして私達の資金難を加速させると思うのよ」

女勇者「まあ魔王と付き合える幸せと比べたら些細なことかもしれないけど、嫌な物は嫌でしょ?」

女戦士「女僧侶、今から女勇者ボコボコにするわ。いいだろ!?」

女僧侶「駄目ですよ!気持ちはわかりますけど、暴力に訴えては駄目です!」

女戦士「うっせえ!殴らせろ!彼氏がいることを自慢しやがってええ!」

女勇者「ほらあ!女戦士が謎の凶暴化を遂げたよ!やっぱり不幸になってるよ!」

女魔法使い「……」オロオロ
684: :2012/11/2(金) 22:11:49 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「ああもう帰ろ帰ろ!不幸から守ってくれとか、馬鹿じゃねえのか!」

女勇者「お願いだから助けてよー!」

女戦士「そんなに助けてほしかったら魔王に守ってもらえばいいだろ!」

女勇者「……そうだね。強くて優しくてかっこいい魔王の力があれば、不幸からも守ってもらえるかも///」

女戦士「うっぜえええ!どこまで自慢したら気が済むんだよ!私だって彼氏に守ってほしいよ、ちくしょう!」

女僧侶「……恐らくですけど、魔王さんも今頃似たようなリアクションしてるんでしょうね」

女戦士「あ〜、それっぽいなあ。あいつも恋愛に関して馬鹿げた思考してるし」

女僧侶「こうして見ると、価値観や性格等がそっくりですよね、あの二人は」

女戦士「最初から結ばれる運命にあったのかねえ……」

女勇者「女魔法使い、悪いけど移動魔法で魔王城に連れてってよ」

女魔法使い「!?」

女戦士「……女魔法使いは犠牲になったのだ。女勇者の惚気の犠牲にな」

女僧侶「女魔法使いさん、ご愁傷様です……」
685: :2012/11/2(金) 22:12:31 ID:7RuR6mIcnA
側近「……魔王様。何でザビエルみたいなポーズしてるんですか?」

魔王「いやね、いつ襲い来るかわからない不幸に備えて一応ね」

側近「それってザビエルっぽいポーズで防げる物なんですか?」

龍人「どこに何を布教するつもりなんだよ、てめぇは……」

女勇者「魔王!」

魔王「女勇者ちゃん!」パアア

女勇者「魔王に会いたくって来ちゃった……急にごめんね。迷惑だった?」

魔王「そんなことないよ!今いろいろ不安だったんだけど、女勇者ちゃんが来てくれたおかげで元気になれたよ!」

女勇者「私も不安で仕方なくて……魔王に守ってほしくって……」

魔王「女勇者ちゃんは俺が一生守り抜くよ!」

女勇者「ありがとう、魔王。やっぱりかっこいいね///」

魔王「女勇者ちゃんはかわいいよ///」

龍人「ああぁ!!」ドンッ

ドラゴン「龍人、気持ちはわかるけど、壁殴ったって何にもならないよ……」
686: :2012/11/2(金) 22:13:15 ID:7RuR6mIcnA
魔王「女勇者ちゃん///」

女勇者「魔王///」

ゾンビ「……これは側近様とハーピーのカップル以上にむかつく感じだなあ」

スライム「とんでもないバカップルが生まれてしまったね……」

側近「待てこら。お前ら、その言い分だと俺とハーピーもむかつくカップルだと言いたいのか?」

ゾンビ「側近様とハーピーは自然なんですよ。理想的なまでに自然に愛し合えてて、負け犬としては嫉妬に狂うしかないわけです」

スライム「魔王様と女勇者は露骨ですね。これでもかってくらいイチャイチャしてるから、何かもうイライラしてきます」

ドラゴン「本当に……なん、何で俺らは、もっ、モテないん、でしょう……?」ポロポロ

側近「知らねえよ。泣くなよ……」

龍人「魔王も側近もうぜぇよぉ……俺だってモテてぇよぉ……」ポロポロ

側近「……どう収拾つけたらいいんだよ、これ?」
687: :2012/11/2(金) 22:14:17 ID:7RuR6mIcnA
龍人「これで不幸とか言ってんだぞ、こいつ……じゃあ俺らは何なんだよ……」ポロポロ

魔王「いやー女勇者ちゃんは本当にかわいいなー///」

側近「……これ本当にどうすればいいんだろ?」

側近「とりあえず魔王様をヘッドロックにでも仕留めよう」メキメキ

魔王「あだだだだ!急に何するんよ!?」

女勇者「魔王をいじめないであげて!」

側近「その前にお前ら……魔王様、周りを確認していただけますか?」

魔王「うん……え?何で皆泣いてるの?」

側近「魔王様。まだ女勇者と付き合ってない頃、ハーピーと付き合ってる俺を見てどう思ってました?」

魔王「何だこのリア充爆発しろよって思ってたよ。悔し涙に明け暮れる日々だったね」

側近「それですよ。だから周りの皆が泣いてるんですよ」

魔王「……ああ!そういうことか……俺は何て残酷なことを……」
688: :2012/11/2(金) 22:14:57 ID:7RuR6mIcnA
魔王「皆、ごめん!俺は自分の幸せに酔って、皆のことを想ってなかった……!」ウルウル

魔王「負け犬の気持ちを知りながら、それでも俺は皆を傷つけてしまった……!」ブワッ

魔王「本当にごめん……!俺は……最低だ!」ポロポロ

女勇者「そんなことないよ!過ちを犯しても、こうして魔王は反省できるじゃない!」

女勇者「過ちは誰しもが犯すことよ!重要なのは、それに気付いて未来に繋げることよ!」

女勇者「魔王はそれを出来るし、私も魔王を支える。だから顔をあげて。二人でやり直して行こう!」

魔王「女勇者ちゃん!」

女勇者「魔王!」

側近「いや、感動路線っぽくしようとしてますけど、茶番でしかないですからね?」

龍人「うぜぇよぉ……」ポロポロ
689: :2012/11/2(金) 22:16:04 ID:7RuR6mIcnA
側近「……」

側近(ドラゴン達、俺とハーピーの付き合い方もうざいとか言ってたな)

側近(ここまでのレベルじゃないにしても、これに準する物があるのか……)

側近(……ハーピーとの付き合い方、少し直した方がいいのかな)

ドラゴン達の言い分を変に気にして、試しにハーピーに冷たく接してみた結果、ガチ泣きされて側近が慌てふためくのはこれより三日後のことだった。

それぞれの反応、おしまい



女魔法使い「誰か助けて……」←魔力の酷使でダウン中
690: :2012/11/2(金) 22:19:22 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

つい最近気付いたことがあるんですけど。
「はぶてる」って方言だったのか!って。
「はぶてる」は「いじける、すねる」の意味合いで使われる言葉ですね。
それで、さっき気付いたんですけど、このスレの中でも普通に使っちゃってました。
らめえ出身がばれちゃうぅ!田舎者だってばれちゃうのおお!って思いました。

……この前管理人さんに>>1の内容を一部変更してもらったんですけど。
ここの部分も直してもらってもいいかなあ。こんな頻繁に頼むのはちょっと気がひけます。
もし今後検索とかして上記の単語で引っ掛からなかったら、その時は察してくださいwww

今回のまとめです。
それぞれの反応>>678-689

……他に方言使っちゃってる部分とかなきゃいいけど。
691: 名無しさん@読者の声:2012/11/2(金) 22:44:15 ID:iZ9zckTbyk
お疲れ様です
いつも楽しく読ませて
いただいてます。
作者さんって中国地方の方ですか?
692: 名無しさん@読者の声:2012/11/2(金) 23:10:21 ID:HZWQXcGV/Y
龍人は彼女がほしいと言っている
女戦士は彼氏がほしいと言っている

俺は彼氏がほしいと言っている
>>1さんは彼氏がほしいと言っている


じゃあ突き合っちゃいますか(´∀`)9 ビシッ!



693: 名無しさん@読者の声:2012/11/3(土) 02:52:54 ID:9ZMBJTs0O.
タンスがガタガタ…だと…!?

これは分かってるんだろ?
フリだろ?フリなんだろ?

よろしい。魔王の後ろにしっかりメッセージボックスを表示してあげよう。心配はいらない。みか鬼だ

画面端に支援

C
694: 名無しさん@読者の声:2012/11/3(土) 09:25:24 ID:J9RmPEgaKU
今更ですが乙です!!
書きためが少ない→終わりが近い、と考えてたらほんとでした(T∀T)
でもまだまだ小話が読めるようで楽しみです!!

受験s(ry
CCCCCCCCCC
695: 名無しさん@読者の声:2012/11/3(土) 09:41:32 ID:49S3Ybz1KY
>>1このスレ1000までいこうぜ
昨日のルパンの名言
戸がね開かないの (´・ω・`)
696: 名無しさん@読者の声:2012/11/3(土) 09:53:28 ID:5j15m2A/Rg
魔王に…あやかりたい!

つ支援
697: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/3(土) 22:26:01 ID:7RuR6mIcnA
>>691
いつも読んでいただいてるようで、ありがとうございます。
残りはもう番外編的な要素しかありませんけど、これからもがんばります。

>作者さんって中国地方の方ですか?
うん。

とりあえず何県かまでは言わないことにしときます。
教えないからってはぶてないでね。

>>692
後半おかしいですよね?絶対何かおかしいですよね?
とりあえずまずはお互いの性別を思い出してみましょう。
そして恋愛は普通、異性同士で行うものだということも思い出しましょう。
最後に、俺は普通です。おかしいのは頭と顔で、恋愛に関しては普通の感性のはずです。

>>693
わかってますよー。だからこそ新しい魔王城ですよ。
ただ、美香ちゃんも青鬼状態で来られたら嬉しくないですよwww

魔王「いや、俺はどんな状態でも女の子を受け入れる!美香ちゃん、俺の胸に飛び込んでおいで!」

GAMEOVER
698: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/3(土) 22:27:09 ID:7RuR6mIcnA
>>694
書き溜め途中でスレ立てたんですけど。
どうにか完結まで安定した更新が出来てよかったです。
これからは若干不定期気味に小話を頑張る予定です。
とはいっても、空けても一日か二日程度にしたいとは思ってますけど。

受験頑b(ry

>>695
ゴエゴエはTVスペシャルでちゃっかり女性といろんなフラグ立ててるので羨ましいですよ。
まあそのせいで危機的状況に陥ることも少なくないですけど。
しかしまあ、あの「戸がね開かないの」は何か可愛かったですよね。
……いや、俺は普通ですからね!692さんに嘘ついてるとかはないですから!

1000までいけるといいですね。とりあえず頑張るとしましょう。

>>696
ほんと魔王様にあやかりたいですよね。
もう純粋にただ一言で事足りますよ。モテてえ!
699: :2012/11/3(土) 22:28:37 ID:7RuR6mIcnA
ファンクラブの今後

会長「皆さん知っての通り、女勇者様が魔王様とお付き合いすることになりました!」

会員「おめでとうございます!」

女勇者「あ、ありがとう」

会長「いやーやっぱり女勇者様でしたかー。敵いませんね、ほんと」

女勇者「いやいや、私が魔王と付き合えたのは奇跡だよ。それまでは皆に可能性があったよ」

会長「……本気で言ってますか?」

女勇者「え?ほ、本気だよ、もちろん。魔王っていろんな女の子を褒めるじゃない。皆が彼女候補だったと思うよ」

会長「……似てますね、お二人とも。もう本当にベストカップルと言うしかないですよ」

女勇者「ありがとう。魔王とベストカップルか……嬉しいなあ///」

会長「めっちゃ浮かれてますね……まあ私も女勇者様の立場なら浮かれますね、確かに」
700: :2012/11/3(土) 22:30:00 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……でも、私と魔王が付き合っちゃったら、ファンクラブはどうするの?」

女勇者「活動は続けるの?私はまだ会員としていてもいいの?」

会長「活動はもちろん続けますよ!」

会長「私達は魔王様ファンクラブですからね。魔王様が自らお選びになられた方との交際がうまくいくよう応援するのがファンでしょう」

会長「そして女勇者様は魔王様が自ら選ばれた大切な人です。そんな偉大な人物が我がファンクラブから生まれたんです」

会長「会長としてこれ以上誇らしいことはありませんよ!女勇者様は名誉会員ですよ!」

女勇者「会長……会長だって魔王が好きなのに……ありがとう」

会長「……まあ、悔しくないって言うと嘘になりますよ。でも、女勇者様なら仕方ないかって感じですね」

会長「魔王様のお相手は女勇者様しかいませんよ。私達は魔王様を、そして魔王様が選んだ女勇者様をこれからも支えます」

女勇者「皆……本当にありがとう」ウルウル

会長「泣くのは駄目です。魔王様は女性が泣くのを良しとしませんからね。笑ってありがとうが正解ですよ」

女勇者「うん……皆、ありがとう!」ニコッ

会長「……」

女勇者「ど、どうしたの会長?急に黙っちゃって」

会長「この笑顔の破壊力……そりゃ魔王様も落ちますね」
701: :2012/11/3(土) 22:31:23 ID:7RuR6mIcnA
会長「さて、次に新しい会員の紹介でもしましょうか」

女勇者「あれ?また新しく入ったんだ?」

会長「今回の新入会員はですね、なんと異世界からの希望者ですよ」

女勇者「おお、異世界から!」

異世界っ娘1「こっちの世界に魔王様のファンクラブがあると聞いてきました!」

異世界っ娘2「私達も魔王様を支えたくて入会しました!よろしくお願いします!」

女勇者「異世界でも魔王人気は凄いねー」

異世界っ娘1「異界王の支配から救ってくれた英雄ですからね!」

異世界っ娘2「その上優しくてイケメンで……好きにならない方が難しいんじゃないですか?」

女勇者「そうだよね!さすが入会するだけあって、わかってるね!」

異世界っ娘1「女勇者様にそう言ってもらえると励みになりますね」

女勇者「あれ、私のこと知ってるんだ?」

異世界っ娘2「もちろんですよ!この前異世界に魔王様と一緒に来てたじゃないですか!」

女勇者「ああ、そうだね。本編の最後でね」

異世界っ娘1「女勇者様の御容姿を確認させていただいて、私達で勝てる相手じゃないなと即座に諦めましたからね」

女勇者「そんな、私は綺麗じゃないよ。皆の方が素敵だと思うよ」

異世界っ娘2「こういうところは魔王様とそっくりですね」

会長「ですよね」
702: :2012/11/3(土) 22:33:31 ID:7RuR6mIcnA
異世界っ娘1「とにかく、交際が儚い夢ならば、せめて魔王様を支えようと入会しに来たんですよ!」

異世界っ娘2「魔王様、そして女勇者様の力になれるよう頑張ります!」

女勇者「異世界からも会員かあ……魔王の輪が世界にどんどん広がるね!」

会長「大変喜ばしいことですね」

会長「……今回報告するのはこんなところですね。とにかく、今後の活動はそんな感じでいきます」

会長「というわけで、今日は魔王様の中で女勇者様の好感度が落ちないよう考えていきましょう」

女勇者「なんか私、お世話になりっぱなしだね……」

会長「魔王様の心を射止め続けるには……やっぱりゲームといじめですかね」

女勇者「こうして聞いてると、とんでもないラインナップだよね……」

会長「ゲームはやはりパーティゲームみたいな、皆で楽しく遊べるのがいいですね」

女勇者「そういうのを練習してうまくなればいいのかな?」

会長「いや、うまくなっちゃいけないんですよ」

女勇者「え?何で?」

会長「パーティゲームって、要するに対戦するわけですからね」

会長「それでうまくなったら、魔王様を負かし続けることになります」

会長「大好きで自信のあるゲームで負ける……こうなってしまうと、魔王様の中で緩やかに不満が生まれる原因になるでしょう」

女勇者「……あっ!確かに側近が、昔格ゲーでボコったら泣いたって言ってた!」
703: 1「会長はこう言ってますけど女性なら負かして大丈夫です」:2012/11/3(土) 22:35:05 ID:7RuR6mIcnA
会長「うまくなるのは、完全に強力プレイするゲームだけでいいんです。対戦系のゲームでうまくなりすぎると魔王様を負かして悲しませてしまいます」

女勇者「なるほど!気を付けた方がいいね……」

女勇者「……なんか会長、凄い研究してるね」

会長「魔王様ファンクラブの会長ですからね!」

女勇者「うまくなりすぎず、いい感じで勝負できるよう頑張る……そういう感じで大丈夫なんだね!」

会長「ゲーム対策は大丈夫ですね!」

女勇者「次は……いじめることかな」

会長「これは……私はどうしようもないですね」

女勇者「うん……私もどうすればいいのか……」

会長「……鞭、とか?」

女勇者「ろ、蝋燭とか……」

会長「それで魔王様は喜んでくれるんでしょうかね?」

女勇者「わかんないね……」

会長「だ、誰か、そういうのに詳しい方はいないんですか?」

会員達「……」

会長「いませんね……」
704: :2012/11/3(土) 22:36:32 ID:7RuR6mIcnA
会長「仕方ありませんね……そういうのは女勇者様自身が経験して理解していかないと……」

女勇者「うん……ていうか今更なんだけど、正直魔王をいじめたりはしたくないよね……」

会長「でも魔王様は女性からいじめられるのが大好きなんですよ!彼女なら彼氏の喜ぶことをしてあげないと!」

会長「もちろん、嫌々やってるのを悟られてはいけません!魔王様はご自身の喜びより女性の喜びを優先する方ですから、嫌がってるとばれたら我慢してしまいますから!」

女勇者「魔王の彼女って難易度高いよ……」

会長「それでも頑張らなくては駄目ですよ!魔王様の彼女なんですから!」

会長「私達も支えますから!私達は魔王様ファンクラブですからね!」

会長「皆で頑張っていきましょう!」

女勇者「……ありがとう。頑張って魔王を幸せにしよう!」

会長「はい!魔王様ファンクラブの名誉にかけて!」
705: :2012/11/3(土) 22:37:22 ID:7RuR6mIcnA
こうして魔王様ファンクラブは今後も活動を続けていくことになった。
活動内容は変わらず「魔王様を支え慕うこと」でいくことに決定したファンクラブ。
ただ、実際には「女勇者の交際サポート」が主になっていた。
慕う魔王様の幸せのために、ファンクラブの面々は今日も女勇者にアドバイスを送っている。
706: :2012/11/3(土) 22:41:42 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

個人的な衝撃的ニュースがあります。長くなりますがお付き合いください。

このサイト内のとある企画をググってみたんですよ。参加してませんが何となく気になって。
そしたら関連ページが出るわ出るわ。すっげー、めっちゃ本格的に始動してんじゃんと気圧されました。
この勢いならグーグル先生も予測変換してくれんじゃねーかと思って、途中まで打ってみたんですよ。
でもそれだと出ませんでした。あーまあライバルも多いしさすがにそりゃ無理かと思いまして。

そこで何となく「俺って予測変換されねえかな」と思ったんですよ。
ただSS書いてるだけだから関連ページが出るとは思えないし、出てもこのサイトだろうと思ってページの有無は置いときまして。
俺系の単語で俺が予測変換されないかなと思って打ち込み始めました。
ですが現実は非常でした。
『肺痛』『M』『M魔王』『魔王「』『魔王「何で』等と打ち込んでみたんですが、予測変換で俺関連の単語が出ることはありませんでした。
「出ませんでしたwww自惚れてましたww」って感じのオチでまとめの締めにしようと思ってたその時でした。
『何で女の子』って打ち込んだところ、上から二番目の予測変換が『魔王「何で女の子が一人もいないんだよ 」』って。
けっこう出ない時もあるんですけど、粘ればまた出てきたり。法則がよくわかんないんですけど、まあそれは置いときまして。
……これって俺ですよね!?俺のことですよね!?
いやーついにグーグル先生も俺のことを意識し始めましたか!あははは、いやあそこまで来ちゃったかあ、俺!
……って感じで幸せになれました。安い男だなあ、俺。

今回の更新のまとめです。
ファンクラブの今後>>699-705
707: :2012/11/4(日) 22:17:42 ID:7RuR6mIcnA
魔王と側近の雑談

魔王「女の子に踏まれると何故あんなに気持ちいいのか」

魔王「これを科学的に説明出来たら、ノーベル賞とかもらえるかなあ?」

側近「とりあえず世界中から軽蔑の対象にはなるでしょうね」

魔王「何でだよ!現代科学じゃ説明できてない、長年の謎じゃんか!解明出来たら世界的な大発見だよ!」

側近「こんな不思議な発想ができる猿がいるのかって、そっちのが大発見ですよ」

魔王「猿って!?俺、人型の魔物だからね!側近と同じ種族だよ!」

側近「またまた御冗談を。そんなふざけた思考で同種を装うのは勘弁してくださいよ」

魔王「如何せん事実だから仕方ないよ!俺達仲間なんだよ!」

魔王「あとさー、側近、お猿さんを悪口みたいに使ったでしょ?お猿さんに悪いよ!謝って!」

側近「……やっぱりあなたの頭の方が世界的な謎ですよ」
708: :2012/11/4(日) 22:18:23 ID:7RuR6mIcnA
側近「魔王様、どうしたんですか?頭部が180度回転してますけど」

魔王「いやね、今日ね、女勇者ちゃんと会ってきたんよ」

魔王「女勇者ちゃんがあまりに可愛くて、視線を外せなくなってね。常に女勇者ちゃんの方見てたんだよ」

側近「サウスバードじゃないんですから……」

魔王「その流れで女勇者ちゃんが真後ろにいた時があってね。それを必死に見ようとして首動かしたらゴキンッて」

側近「それでその状況から戻らなくなったんですか……」

魔王「側近、このままじゃ俺前向きに生きていけないよー。助けてよー」

側近「このままだと軽くホラーですし……仕方ないですね」

魔王「ありがとう、側近!」

側近「前の方に捻っていけば元に戻りますよね?いきますよ」

魔王「……あ、側近、そっちじゃない。そっちだと360度回転になっちゃう……いてててて!」
709: :2012/11/4(日) 22:19:04 ID:7RuR6mIcnA
魔王「ねえねえ側近」

側近「どうしました?蝉の抜け殻でも見つけました?」

魔王「見つけてないよ!仮に見つけてもいちいち言いに行かないよ!」

魔王「あのね、プラモデルの部品が何個か余っちゃったんだけど、どうしてだろう?側近、わかる?」

側近「……蝉の抜け殻とほぼ同レベルの相談じゃないですか」

魔王「そういうコメントいいから!ねえ、何で余っちゃったんだろ?」

側近「とりあえず説明書見せてもらえます?」

魔王「ああ、うん。はい」スッ

側近「ふむ……魔王様、余った部品というのは?」

魔王「これだよー」スッ

側近「……魔王様、説明書はちゃんと読みましょうね。それは余るように多めに作られてるんですよ」

魔王「ええ?でも何で?」

側近「手足を動かすためのつなぎ目となる小さな部品ですから、喪失なども考えて多めに作ってるんじゃないですか?」

側近「とにかく、それは余るパーツなんですから、いちいち慌てなくていいですよ」

魔王「は〜……側近は賢いねえ」

側近「説明書読んだだけでそんなこと言われると、逆に馬鹿にされてる気分になるからやめてください」
710: :2012/11/4(日) 22:20:02 ID:7RuR6mIcnA
側近「魔王様、今日の晩御飯に毒入れときますからねー」

魔王「何さらっと怖いこと言ってんの!?何故入れるんだよ!?」

側近「別にいいでしょう。魔王様なら解毒魔法も簡単にできるでしょう?」

魔王「出来るから何なんだよ!?入れないで食べればそれでいいじゃない!」

側近「じゃあ毒入れたら食べないんですか?」

魔王「食べないよ!毒と知ってて食すとか正気の沙汰じゃないよ!」

側近「そうですか。残念ですね。今日の晩御飯、女勇者が作るみたいなんですけど」

魔王「え?」

側近「なんか魔王様に食事を振る舞いたいとか言ってまして、今日のお城の晩御飯は任せて!って」

側近「まあでも魔王様は俺が入れる毒が嫌だから食べないみたいですからね。仕方ないですね」

魔王「ま、待ってよ!それなら俺は食べるよ!」

側近「毒入ってるのは嫌なんじゃないですか?」

魔王「解毒魔法かけながら食べれば済む話じゃん!」

魔王「毒があるからって女勇者ちゃんの手作り料理を食べないなんて正気の沙汰じゃないよ!」

側近「……本当に女勇者好きですね」

魔王「当たり前だよ!俺の生きる意味だよ!」
711: :2012/11/4(日) 22:20:55 ID:7RuR6mIcnA
魔王「こないだ見た夢なんだけどさー」

側近「死ぬほど興味ないんで話さなくていいですよ」

魔王「何でだよ!?生きてよ!生きて話を聞いてよ!」

側近「見た夢の話をする奴なんて、大抵は自己満野郎ですよ」

魔王「自己満とかじゃないよ!きっと側近も楽しめるよ!」

側近「……じゃあ聞きますけど、どんな夢だったんですか?」

魔王「あのねー、夢の中で俺は勇者でねー」

側近「あなた魔王でしょ」

魔王「だからそこは夢じゃん!とにかく俺は勇者で、魔王倒しに行ったんだよ」

魔王「魔王は龍人でね。悪いころのあいつだったね」

魔王「それで俺は伝説の剣で応戦するんだけど、これが孫の手で」

魔王「えー勝てるわけないじゃーん!って思ってたけど、何故か有効でね。孫の手で斬られて龍人が苦しんでんの」

魔王「孫の手に斬られてやられるとか、龍人どんだけだよってwww」

魔王「それで、孫の手で倒したところで起きたの」

魔王「孫の手に斬られるんだよwww面白くない?」

側近「……」

魔王「……」

側近「……この空気、どうしてくれるんですか?」

魔王「ご、ごめん……孫の手で切腹しようかな……」
712: :2012/11/4(日) 22:21:50 ID:7RuR6mIcnA
魔王「側近ー、サボテンしよー」

側近「……は?」

魔王「いや、だからサボテンしよーって」

側近「サボテン……え?組体操の?」

魔王「うん。組体操のサボテン」

側近「……何でですか?」

魔王「何でだろうね?何か急にやってみたくなったんよ」

側近「……やるんですか?」

魔王「やろうよ。せっかくだし」

魔王「でもあれってどうすんの?」

側近「……まず下の人が上の人を肩車してですね」

魔王「え!?膝のとこに立つ技なのに、最初肩車すんの!?」

側近「そんなんも知らないでやろうとかほざいてたんですか……」

魔王「そっから膝に?」

側近「そっから膝に」

魔王「うっわー!かっこいいねえ!」キラキラ

側近「たぶんサボテンでそんなワクワクできるの魔王様だけですよ……」

魔王「よーし、要領はわかったね!あとは実行するのみ!」
713: :2012/11/4(日) 22:23:12 ID:7RuR6mIcnA
サボテン目指して肩車中

魔王「わー!肩車すると景色違うねー!」

側近「魔王様を肩車してるから不快で仕方ないです」

魔王「もう少し我慢してよ!それじゃサボテン状態にシフトしよう!ジャキーンって!」

側近「……」

魔王「……側近?」

側近「……」フラフラ

魔王「うわあ!?ちょっと、側近!ふらついてるって!怖いって!」

側近「……ふふww」フラフラ

魔王「わざとでしょ!?今ちょっと笑ってたもん!危ない危ない!」

側近「あ、そうだ。人参買わなきゃいけないんでした」テクテク

魔王「肩車したまま!?危ないって……くぐれない!これドアくぐれないって!」

側近「そうですか?俺普通に通れますよ」

魔王「俺の話だから!これちょっとラリアットみたいになる……ぐあああ!」バキッ

側近「魔王様、壁は大丈夫ですか!?ドアの上の壁、へこんでませんか!?」

魔王「無機物の方を心配するんだ!?ちょっと俺今顔面すごい痛いんだけど!」

側近「へこんだりしてませんね。もう、魔王様、今後は気を付けてくださいね」

魔王「え?ご、ごめん。……え!?今の俺が悪いの!?」
714: 皆で遊ぼう、ころんらんど編:2012/11/4(日) 22:24:18 ID:7RuR6mIcnA
側近「……魔王様、そのゲームなんですか?」

魔王「んー?ころんらんどだよー」

側近「ころんらんど?聞いたことないんですけど」

魔王「まあ有名なゲームじゃないからねー」

側近「前作の小話でやったディノブリーダーみたいな、1が昔やってたレトロゲーム紹介的な回ってわけですか?」

魔王「そういうこと!ディノブリーダーほどカオスな内容じゃないから安心して!」

側近「スーファミですか。これって二人で出来るんですか?」

魔王「二人で出来るよ!一緒にストーリー進めようよ!」

側近「嫌だと言ったら?」

魔王「この流れで!?いいじゃん、やってよー!」

側近「冗談ですよ。やんなきゃ話進まないんでしょう?」

魔王「ありがとう、側近!よーし、二人でクリアしようね!」
715: 1「絵柄的にひょう君のが可愛いような気もする……」:2012/11/4(日) 22:25:42 ID:7RuR6mIcnA
側近「そもそもこのゲームってどんなゲームなんですか?」

魔王「んーっとね、とりあえずはアクションゲームだね」

魔王「十字キーで移動、ボタンで攻撃って感じだね」

側近「何て言うか、シンプルですねえ」

魔王「まあ他にもこのゲーム特有のアクションがあるんだけど、それはやりながら話そう!」

側近「オープニングからいきなり話が始まりましたね」

魔王「ざっくりと紹介するとね、とある村で「雪まつりの像」っていうのが盗まれちゃって」

魔王「それがないと冬を越せないみたいだから取り戻そう!って、そういう話なんだよ」

側近「このくえすともーどっていうのがストーリーってわけですか」

魔王「そだねー。ほら、キャラ選択しよう」

側近「男の子と女の子から選択ですか……可愛らしい絵柄ですね」

魔王「だよね。きゆちゃん可愛いよね!」

側近「……この女の子はきゆっていうんですか」

魔王「男の子はひょう君っていうみたいだね」

側近「じゃあ俺きゆ使います」

魔王「じゃあ俺ひょう君!」

側近「あれ?てっきり「俺が女の子使いたい!」って我儘言うと思ったんですけど」

魔王「いいんだよ、これで。えへへへ」
716: 皆で遊ぼう、ころんらんど編:2012/11/4(日) 22:26:42 ID:7RuR6mIcnA
側近「始まりましたね。攻撃は……なんか撃ちましたよ」

魔王「それを敵に当ててみて」

側近「はい。……うお、敵がボールになりましたよ」

魔王「それを持ちあげて敵に投げつけることで攻撃になるんだよ!ボールにして壁とかに投げつけてもよし、ボールを敵にぶつけるもよし!」

側近「そうしてマップ上の敵を片づければいいわけですね」

魔王「そして……ボールを持ち上げる前にボールを押してみて」

側近「はい。……おお、ボールがでっかくなりましたよ」

魔王「ボールを転がすことで大きくして、強力なボールで攻撃できるようになるんだよ!」

側近「……転がして戦うから「ころんらんど」ですか?」

魔王「……たぶん」

側近「安直な発想ですねえ……」
717: 皆で遊ぼう、ころんらんど編:2012/11/4(日) 22:29:50 ID:7RuR6mIcnA
ゲームプレイ中

側近「……あれ?これってもしかして味方に攻撃できます?」

魔王「できるよ。撃ってピヨらせてから持ち上げて、壁に投げれるよ。ボールぶつけることもできるし」

側近「ほーう。それはいいことを聞きましたねえ」ニヤリ

魔王「くくく、この魔王を舐めてもらっては困るな」ニヤリ

側近「っ!?」

魔王「側近が俺にいじわるをしてくることは安易に想像できた!だからこそプレイヤーキャラで女の子を譲ったんだよ!」

側近「そうか!ドMの魔王様にとって、女性にいじめられるのは御褒美!俺が女性キャラを使う以上、妨害は望むところになるのか!」

魔王「んふふふ!失敗したね、側近!俺はきゆちゃんにいじめられてハアハアするよ!」

側近「……じゃあプレイヤーにダイレクトアタック」アームロック

魔王「ちょ、それは反則……ぐああああ!!」ミシミシ

側近「手段さえ選ばなければ、魔王様を虐げる方法はいくらでもあるんですよ」

魔王「痛い痛い!ちょっと、きゆちゃんやられてる!きゆちゃんやられてるからゲームに戻ろう!」ミシミシ

今日も魔王城は平和でしたっていうお話。
718: :2012/11/4(日) 22:31:40 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

魔王様と側近の雑談は適当に書けるので楽です。
その上書いてて楽しいです。この二人が適当に話し続けてればそれで俺はOKです。
ですけど、せっかくの番外編的小話なので他の話も書きたいって欲望があります。
でもそっち系は、うまく書けなかったりするから、時間がかかるんですよ。
魔王様と側近が自由に話し始めたら「あ、書き溜めが詰まってんだな」と察してくださると助かります。
今日のもそういうことです。

今回の更新のまとめです。
魔王と側近の雑談>>707-717
719: 名無しさん@読者の声:2012/11/4(日) 23:15:58 ID:djHVrpPO/c
魔王と側近の遣り取りは一番安心して読めるので好きですよww

それよりポロポロと泣く龍人が可愛い

酔わせて極寒の川は注意されたので、某白ねずみハイランドのフィーバーに巻き込ませて側近にムービー送りつけるに……
うーん…ランク下げ過ぎかしら

予測変換の件おめでとー!
「おめでとう」で良いのかわかんないけどwww
720: 名無しさん@読者の声:2012/11/4(日) 23:59:08 ID:9ZMBJTs0O.
>>1は「せがれいじり」やったことあるんですか?

ちょっと魔王にやってもらって側近に色々コメントしてもらいたいwww

うんこだんめんず!
CCCCCCCCC
721: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/5(月) 23:37:58 ID:7RuR6mIcnA
>>719
魔王と側近の雑談は楽に書けるし楽しいので俺も好きです。読む立場でも、書く立場でも。

ランク下げ過ぎっていうか、とりあえず何か罰則受けないと龍人は許されないのでしょうか?ww

最後に、ありがとうございます。予測変換されるのってすごいと思うんですよ。だからおめでとうで大丈夫なはず!

>>720
やったことありますよ。糞ほどシュールなゲームですけど、大好きですwww
次また雑談させるようなことがありましたら、その時はせがれいじりさせるとしますよ。
俺もまた最初からやろうかなあ。せがれいじろうかなあ。
722: :2012/11/5(月) 23:39:01 ID:7RuR6mIcnA
教えて側近さん

最近、女勇者が魔王様絡みでよく相談にやってくる。
この日もそうだった。魔王様のスリッパに画鋲を仕掛けていた時のことだ。

側近「……魔王様の彼女でいることに自信なくした?」

女勇者「うん。やっぱり私は魔王の彼女には相応しくなかったんだよ……」

側近「何でそう思うようになったんだよ?詳しい事情がわかんねえと乗れる相談も乗れねえよ」

女勇者「そうだね。つい先日のことなの。私は王都で魔王のゲームを一緒に買いに行ってたの……」
723: :2012/11/5(月) 23:40:06 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「魔王、今日はどんなゲーム買うの?」

魔王「リトルビッグプラネットっていってね。可愛らしいキャラを操作する横スクロールアクションだよ!」

魔王「二人でできるゲームだから一緒にやっていこうね!」

女勇者「一緒にやっていいの?嬉しい///」

女戦士「おー、デート中かい、お二人さん」

女勇者「あっ、女戦士」

魔王「あっ、女戦士ちゃん!相変わらず綺麗だね!大好き!」

女勇者「っ!」

女戦士「おま……マジで言ってんのか?」

魔王「え?うん!女戦士ちゃんはスタイル抜群だし、綺麗でかっこよくて大好きだよ!」

女勇者「……」

魔王「女戦士ちゃんさえよかったら一緒にゲームしようよ!四人までなら出来る奴だから!」

女勇者「……ごめん、私今日は帰るね」タッタッタッ

魔王「え?え!?女勇者ちゃん!?」

女戦士「お前……最低にも程があるだろ」

魔王「え〜!?」
724: :2012/11/5(月) 23:41:45 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……ってことがあって」

側近「あー、それで魔王様こないだ「女勇者ちゃんに嫌われた!」って号泣してたのか」

女勇者「それだけじゃないの……他にもデート中で他の女性に会うと、私をほっておいてその女性を褒め始めるの」

女勇者「そして、よかったら一緒にどう?って感じでその女性も誘うのよね。やっぱり私は魅力的じゃないのかな……」

女勇者「魔王と付き合えたのも何かの間違いでしかなかったのかなあ……は〜」ズーン

側近「いやー……魔王様は優しい御方だけど、恋愛に関してはいろんな意味で屑だからなあ」

側近「とりあえず、今度会ったときにこう訊け。魔王が一番好きなのは誰かって」

女勇者「そ、そんな!そんなこと訊いて……女戦士とかの名前が出たら立ち直れないって!」

側近「大丈夫だって。絶対お前の名前が出てくるから。他の女性がいるときに訊いても、ちゃんと答えてくれるはずだよ」

女勇者「本当?信じていい?」

側近「おう。信じてやってくれ」

女勇者「じゃあちょっと怖いけど……訊いてくる!」ダッ

側近「魔王様の部屋はわかるよな?行ってらっしゃーい」



女勇者「私が世界中の女の子の中で一番大好きって言ってもらえた!」パアア

側近「な?言った通りだったろ。よかったなー、女勇者」
725: :2012/11/5(月) 23:42:21 ID:7RuR6mIcnA
……とまあ、このような相談を受けた。
このようなことがあったのはそれだけではない。あれは魔王様の部屋のドアノブに電流が流れるように仕込んでいた時のことだ。

側近「……魔王様をうまくいじめることができない?」

女勇者「うん……ほら、魔王ってドMでしょ」

側近「うん、女性に対してはド変態のドMだよな」

女勇者「だからこないだね、頑張って魔王のことをいじめてみたの……」
726: :2012/11/5(月) 23:43:23 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「ほ、本当にいいの?こんな鞭までもらって」

魔王「うん!俺をゴミ屑のように痛めつけてください!」ハアハア

女勇者「う、うん……それじゃいくね。えい!」ペチッ

魔王「……」

女勇者「えい!えい!」ペチッピチッ

魔王「……」

女勇者「……駄目だった?」

魔王「えっ!?な、何で!?」

女勇者「だって魔王、全然嬉しくなさそうなんだもん……」

魔王「そ、そんなことないよ!ありがとう女勇者ちゃん!あとこんな変なことさせてごめんね!」

女勇者「私こそごめん。期待に添えなくて……」

魔王「そんな、女勇者ちゃんは悪くないよ!いじめられないのは女勇者ちゃんの優しさだから嬉しいよ!本当だよ!」
727: :2012/11/5(月) 23:46:02 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……こんな感じの結果に終わってしまって」

側近「あーそりゃ苛め具合が圧倒的に足りねえよ。ペチッじゃ駄目だよ」

女勇者「やっぱり駄目だったんだね……」

側近「もっとこう、ピシーンッ!パシーンッ!ぐらいで叩かないと」

女勇者「そんないい音させたら相当痛いじゃない!」

側近「だからそれでいいんだよ。女勇者だったらアームロックやっても喜ばれるかもよ」

女勇者「アームロック?」

側近「腕をこう持って、こうしてこう……」

女勇者「……ああ、側近がよく魔王にやってる技ね」

側近「俺がやったら嫌がるけど、女勇者だったら骨を折られても喜ぶと思うよ」

女勇者「いやいやいや!重傷だよ、それ!」

側近「大丈夫だって、魔王様の回復魔法半端ないし。後は魔王様を仰向けに倒して顔面踏み潰しながら罵るとか。あ、せっかく折ったんだからそこ踏むのもいいかも」

女勇者「悪魔の所業じゃない!あんたよくそんな恐ろしい発想できるわね!?」

側近「いいから次の機会にやってみろって。もう大喜びだから」

女勇者「嘘よ!」

側近「嘘じゃないって」

女勇者「〜〜!ああもう、嫌われたら側近のせいだからね!」ダッ



女勇者「……すっごい喜んでもらえた」

側近「だから言っただろ?」
728: :2012/11/5(月) 23:46:58 ID:7RuR6mIcnA
……こういうこともあった。
ところが話はまだ終わらない。あれは魔王様が使ってる箸に毒を塗りつけてた時だった。

側近「……魔王様とゲームして足引っ張ってしまう?」

女勇者「うん……私、普段はゲームってあんまりやんないからさ……」

側近「……ゲームに関して、何か不満とか聞いたってことはないけどなあ」

女勇者「たぶん、嘘だよ……私、すっごい下手で、魔王に頼りっぱなしだもん」

女勇者「あのときだって……あれはね、一緒にWiiのマリオやってる時だった……」

側近「ああ、あのゲームか……」
729: :2012/11/5(月) 23:48:37 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「ねえ、本当に私がマリオ使ってよかったの?」

魔王「いいよー!側近とやる時だって、あいつマリオ使うから俺いっつもルイージだもん!」

女勇者「そっか、いいんだ……それじゃ、一緒にクッパを倒そうね!」

魔王「うん!頑張ろうね!」



女勇者「うう……どうしてもここ突破できない……」

魔王「頑張って!もう少しでいけるよ!」

女勇者「ごめんね……魔王はもういけてるっていうのに」

魔王「全然気にしなくていいよ!どうしても気になるっていうなら、俺が女勇者ちゃんの代わりに頑張るし!」

女勇者「え?どういうこと?」

魔王「そこの……そのボタンで、キャラがシャボン玉に入るんだよ」

女勇者「あ、本当だ」

魔王「この状態だったら、女勇者ちゃんは操作しなくても他の仲間が進めば進めるんだよ!」

女勇者「そうなんだ……」

魔王「待ってて!女勇者ちゃんも楽しめるとこまで進むね!」イヤッフー

女勇者(……これって、私が一緒にやる意味あるのかなあ)
730: :2012/11/5(月) 23:50:47 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……こんな感じで、変に気を使わせてしまってるの」

側近「いやあ、魔王様はそれ全然気にしてないと思うけどなあ」

女勇者「でも……あんなに足引っ張っちゃって、結果一人で進まざるを得なくなってるんだよ?」

側近「……俺も魔王様に付き合わされてあのゲームやってたんだけどな」

女勇者「うん、魔王から聞いたよ」

側近「俺な、あれやってる時は魔王様をヒップドロップで攻撃したり、アイテム横取りしたり、持ち上げて谷底に投げたりしてるんだよ」

女勇者「最悪じゃない!協調性のかけらも見当たらないわよ!」

側近「挙句シャボン玉に逃げようとした魔王様自身にダイレクトアタックするからな。当然怒り狂うよ。側近とはもうやんない!って」

女勇者「まあそれは当然よね……」

側近「でも後日になったらまた俺を誘うんだよ。側近一緒にやろーってな」

女勇者「え!?それでやる気になるの!?」

側近「一緒にやる奴がうまいとか下手とか、そんなのたぶん魔王様は関係ないんだよ。好きな奴と一緒にゲーム出来たらそれでいいんだよ」

女勇者「そうなのかな……」

側近「それにさあ、一生懸命ゲームやってる時や、真剣に自分のプレイを見てくれてる時の女勇者も大好きって言ってたよ」

側近「だから気にせずに女勇者は女勇者でゲーム楽しんどけよ」

女勇者「……うん」
731: 三次元の世界では非売品となっております:2012/11/5(月) 23:54:01 ID:7RuR6mIcnA
……こういう感じで、とにかく魔王様絡みで女勇者から相談を受ける。
こうも時間を取られると、俺としても仕事の合間に魔王様に嫌がらせするのが出来なくなってしまい、支障が出てしまう。
魔王様をいじるのは俺の趣味であり、それに支障が出てしまうと、別に問題ないけど何か嫌だなあと思わざるを得ない。
かといって、あんな特殊な性格の変態と付き合ってて苦労している女性を見捨てたりもしたくはない。
このままではいけない、どうしたものか……

という、経緯を経て生まれたのがこの魔王様攻略本。
長年付き添った側近が著述した、完全攻略を目標として完成させた一冊である。
これさえあれば、扱いのめんどくさい魔王様も御満悦。

「これのおかげで魔王がすごく喜んでくれるようになりました(女性/勇者職)」というように、お客様も大変ご満足の様子。

さあ、次にこれを手に入れて魔王様を喜ばせるのはあなたです!
ご注文の際は0120-XXX-XXXにお電話を!
732: :2012/11/5(月) 23:55:53 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

鉄拳あるじゃないですか。芸人の方じゃなくて、格ゲーの方です。
それでキングいるじゃないですか。プロレスラーの。
キングが繰り出す技の中でロックボトムって技があるんですけど。
キングのあれはロックボトムじゃなくてブックエンドじゃないかと思います。

こんな話をして「わかるー!」ってなる人が果たしてここにいるのか。

今回の更新のまとめです。
教えて側近さん>>722-731
733: 名無しさん@読者の声:2012/11/6(火) 07:43:23 ID:5j15m2A/Rg
格闘ゲームでどんな名前だったか思い出せないんですけど、スーファミでキャラクターが常にジャンプしているゲームだったんですけど…
734: 名無しさん@読者の声:2012/11/6(火) 09:14:07 ID:ydXzZUk3ko
真っ先に思い浮かんだキングがバーの店員さんのボーイッシュな女格闘家だった為か、あの人はプロレスラーだったのかと朝から随分頭を使いました。
やけに格好いい覆面レスラーの方だったんですね。そもそもボーイッシュな女格闘家のキングは鉄拳のキャラではありませんでした。
鉄拳キングはプロレス技には詳しくないのですが、案外好きなキャラだったり。
私もゲーム好き人間なので魔王と側近の話には度々ニヤニヤさせられています。マリオの谷底に投げるのなんてもう、分かる分かると頷いてしまいました。たまにヒップドロップに失敗して自分で谷底に真っ直ぐ沈んだりしてしまうんですよねw

長々と申し訳ございません、つい長くなってしまう……支援させて頂きますのでどうかお許しを。
735: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/6(火) 21:59:57 ID:7RuR6mIcnA
>>733
常にジャンプですか。ガチでわかりませんねー。
飛龍の拳とか龍虎の拳とか餓狼伝説とか。
カタカナ系ではサムライスピリッツとかワールドヒーローズとか。
数うちゃ当たるかなと思って適当に並べてみました。たぶん正解はないと思いますwww

>>734
そのキングさんはムエタイの使い手ですね。キングオブファイターズに出てる方です。正確には龍虎の拳ですけど。
KOFって女性キャラ多いですけど、その中で個人的にはキングさんが一番好きです。
俺はKOFあんまりやらないんですけど、本格的にやるっていうんなら、キングさん使えるようになりたいです。

マリオに関しては、他には全員シャボンでやり直しになったり、「俺を踏み台にしただと!?」で谷底に消えてったり、ヒップドロップ同時にやる奴が何か楽しくってやり続けたりと。
その辺が俺と友達の間であるある的行動になってました。友達が持っててよく一緒にやらせてもらってたんですよね。


申し訳ないんですけど今日は更新無しでお願いします。
736: 名無しさん@読者の声:2012/11/6(火) 22:15:24 ID:E59jL8z.KM
魔王様攻略本欲しい(^q^)

魔王様にゲーム置いとくので、気が向いたらプレイしてみて下さい!

つカービィのエアライド
つエキサイトトラック
737: 名無しさん@読者の声:2012/11/6(火) 23:57:08 ID:HZWQXcGV/Y
やっと画面が戻ったぁぁあ!!

今まで支援できなかった分いっぱいするよ
C×10000


>>1がゲーマーすぎてついていけないw
…ん?魔王のモデルは>>1!?
つまりM…ニヤリ

さっさと続き書けやこの豚野郎がっ
738: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/7(水) 22:56:24 ID:7RuR6mIcnA
>>736
申し訳ありませんが三次元では非売品となっております。ご了承くださいませ。

魔王様はきっと知ってるだろうしやってると思いますけど。
俺、カービィのエアライドは詳しく知りませんね。
ワープスターとかスマブラXに出てたあれ(名前わかんないですww)とかを用いたカービィのレースゲームっていうくらいの知識しかないです。
エキサイトトラックに至ってはもうマジで知らないです。……エキサイトバイクじゃなくてトラックですか?あとでググってみようかな。

>>737
ぶひいぃー!この卑しい豚めをもっと罵ってくださいましいぃ!
いや、乗っておいてこう言うのもあれですけど、俺そんなMじゃないですよ。
MかSかで言うとMですけど、魔王様ほどの末期患者ではないはずです。

俺自身はそんなにゲーマーじゃないって思ってますけども。
客観性を欠いた自己評価ほど信用できない物もそうそうないですからね。
せっかくいただいた感想を大人気なく否定するのもあれですし、自信を持ってゲーマーと名乗れるように精進致します。
俺はどこに向かって進んでいるのでしょう。
739: 側近「魔王様を無視し続けたらどうなるか」:2012/11/7(水) 22:59:10 ID:7RuR6mIcnA
側近「名前の通りだ。無視し続けたらどうなるか、皆で試してみようぜ」

ドラゴン「えっと……何でそんなことするんですか?」

側近「いや、魔王様を普通にいじめるのにも飽きてきたしなあ。少し趣向を変えてみようと思って」

龍人「それが集団シカトっていうのか。ずいぶんとまあ悪質なこったな」

側近「まあ過去にこんな声もあったからな。やってみてもいいだろ」つhttp://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1324791945/208

女勇者「わざわざ呼ばれたわけだけど……それって私もやんなくちゃいけないの?」

側近「当たり前だろ。最愛の人から無視されたダメージは計り知れないだろ」

ゾンビ「魔王様ってドMだから放置プレイとして興奮するのでは?」

側近「いや、魔王様は直接虐げられるのが好きなんだ。苦痛が好きなんじゃなくて女性からいじめられるのが好きな方だから」

側近「だから女勇者に無視されたらもう大ダメージは必至ってわけだよ」

側近「それでどういう反応示すか皆で楽しむとしようぜ」

龍人「とんだ鬼畜が近くにいたもんだよ……」
740: :2012/11/7(水) 23:00:34 ID:7RuR6mIcnA
魔王「あ、皆!ここにいたんだねー!助けてよー!」ドアバーンッ

魔王「今ね、64のたまごっちワールドやってたんだけど、ドリルの奴で掌の皮むけちゃってー!」

全員「……」

魔王「……え?み、皆どうしたの?」

魔王「側近……」

側近「ドラゴン、そろそろ警備に戻れよ」

ドラゴン「あ、はい。すみません」

魔王「龍人……」

龍人「部屋戻って昼寝でもすっかなー」

魔王「女勇者ちゃん……!」

女勇者「側近、私そろそろ帰るね」

魔王「か、帰るなら俺が移動魔法で送ってくよ」

女勇者「じゃあね、側近。また今度」スタスタ

魔王「あっ……」

スライム「それでは側近様、俺達は警備に戻りますね」スタスタ

龍人「あー俺今日二時間しか寝てねぇかんなぁ」スタスタ

魔王「……」
741: :2012/11/7(水) 23:01:27 ID:7RuR6mIcnA
魔王「そ、側近……」

側近「……」

魔王「な、何で無視するの?俺、何かした?」

側近「……」

魔王「ね、ねえ教えてよ……俺、ちゃんと反省して皆に謝りたい……」

魔王「優しい皆がこうして無視決め込むなんて相当だよね……本当に心から謝罪したいから、お願い、教えて!」

側近「……」

魔王「うぐっ……ふ、ふーん!そう言う態度取るんだ!あーあーわかったよ!」

魔王「知らないよ、もう!俺一人で城の前の森で遊んでくるし!」ウルッ

魔王「カブトムシとかいても教えてやんねえし!心配でついてきたいなら今のうちだぞ!」ウルウル

側近「……」

魔王「あぐっ……も、もう知らないよバーカ!アーホ!」ポロポロ

魔王「側近のバーカ!龍人のアーホ!女勇者ちゃん……は可愛い!」ポロポロ

魔王「ヒラタクワガタいても女勇者ちゃんにしか教えてやんねえからあぁー!!」ダッ

側近「……」

側近「……外に出たな」
742: :2012/11/7(水) 23:02:26 ID:7RuR6mIcnA
側近「皆、入ってきていいぞー」

女勇者「ちょっと!魔王泣いてたじゃない!」

側近「だなー。泣くの早すぎだろ。相変わらずメンタル弱いなーw」

女勇者「かわいそうじゃない!もうやめようよ!」

側近「いやいや、まだまだ序の口じゃねえか。大丈夫だって、最終的にはごめんなさいで許してくれる方だから」

女勇者「いや、許されるかどうかを心配して言ってるんじゃなくてね!」

側近「まあまあ、悪いけどもうちょっと無視してみるから付き合ってくれよ」

女勇者「嫌だなあ……かわいそうだよ……」

スライム「側近様、まだ続けるってことは、夕食の時もやるんですか?」

側近「そうだな。城の者が集まる時だから、面白いことになりそうだしなw」

龍人「面白くねぇよ……地獄みてぇな空気になんじゃねぇのか?」

側近「いいかー、食事中でも魔王様無視しろよー」

ドラゴン「駄目だ、側近様のS心に火がついてる」

ゾンビ「うぅ〜……今からもうお腹痛い……」
743: :2012/11/7(水) 23:03:18 ID:7RuR6mIcnA
スライム「夕食の時間になりましたね」

ゾンビ「女勇者はマジで帰りましたけど……俺らも実家戻っていいですか?」

側近「駄目だって。ここで一緒に食事をとる魔王様を無視するんだから」

ドラゴン「うう……心が痛いですよ……」

龍人「おい、魔王帰って来たぞ」

側近「わかった。じゃあ作戦に入るか」

魔王「ただいまー……」

魔王「あのー……あのね、俺森行って来たんだけど。カブトムシもクワガタもいなかったよ」

魔王「あのー……時期が全然違うでしょーってツッコミほしくって」

全員「……」

魔王「あ、その……ごめん、ごめんなさい……」

ドラゴン「準備してきますね、側近様」

側近「おう、頼むよ」

魔王「……」
744: :2012/11/7(水) 23:04:20 ID:7RuR6mIcnA
ドラゴン「はい、配り終わりましたよー」

龍人「よっしゃ待ってました!いただきまーす!」

魔王「あれ……あの、俺の分、まだ配られてない……」

全員「……」モグモグ

魔王「あ、いや……すみません……自分で入れてきます……」

魔王「……」カチャカチャ

魔王「……い、いただきます……」

全員「……」モグモグ

魔王「えっと……おいしい、うん、おいしいね!」モグモグ

全員「……」モグモグ

魔王「……うぐっ!ひっく!えぐっ……!」ポロポロ

魔王「ううぅ……!あうぅ〜……!」ポロポロ

全員「……」モグモグ
745: :2012/11/7(水) 23:05:51 ID:7RuR6mIcnA
龍人「……魔王は?」

ゾンビ「早々に食べ終わって自室に引き籠ったよ」

龍人「そうか……は〜っ、最悪の夕食じゃねぇかよ!空気重すぎだろ!」

側近「一日目にして深刻なダメージ負ってんな」

龍人「明日以降も続ける気かよ!」

ドラゴン「側近様、いつまでやるんですか?これはかなりかわいそうですよ」

側近「かわいそうかもしれないけどさ、せっかくの機会だからとことんやってみようぜ」

スライム「ドSや……ドSが居るでえ……」

龍人「とことんやって大丈夫なんか?魔王って豆腐メンタルだから追い込みすぎたら大変なことになるだろ」

龍人「そしたら女勇者だって心配するだろ。もう魔王だけの話じゃなくなるから無視するのはやめてやろうぜ」

ドラゴン「龍人の口からそんな建設的な意見が出るとは思わなかったよ……」

龍人「いや、罪悪感パネエんだよ。だってリアクションがガチじゃねぇか」

側近「わかったよ……」

側近「無視は三日でやめることにしよう(暗黒微笑)」

龍人「わかってねぇだろ!?何だその邪悪な笑みは!?」

スライム「あかん、生粋のドSやで、この御方は……」

一日目終了。
746: :2012/11/7(水) 23:06:43 ID:7RuR6mIcnA
二日目。

魔王「そ、側近……おはよう……」オドオド

側近「……」

魔王「その……今日ね、夢見たんだよ。夢を」

魔王「側近や女勇者ちゃんやその他皆が俺のこと無視するようになっててね」

魔王「それが俺すっごい苦しくって。でもあれは夢……夢、だったんだよね?」

側近「……」

魔王「あああああ!!夢じゃなかったあああああ!!」ポロポロ

魔王「うあああああ!!」ダッ

側近「……今日も引き籠る作戦か。確実にダメージは負ってるな」
747: :2012/11/7(水) 23:08:57 ID:7RuR6mIcnA
側近「おはよう」

ドラゴン「あ、おはようございます、側近様」

スライム「魔王様はまだ起きてないみたいです」

龍人「今日も無視しなきゃならんからな、気が重くなるぜぇ……」

側近「あー、それなんだけどよ」

ゾンビ「何ですか?もうやめていいんですか?」

側近「さっき魔王様と会ったから無視したんだけど、そのせいでまた引き籠ったから」

龍人「既にやらかした後かよ!」

側近「だから朝食は食べに来ないと思うから、俺達だけでさっさと済ませようぜ」

ドラゴン「……精神面で攻めたら半端なくやばいですね、側近様って」

スライム「肉体的な攻めも相当やばいんだけどね。そっちは魔王様だから耐えれちゃうんだよね」

龍人「メンタルは糞弱ぇからなぁ、魔王は。心がもう粉々になってるだろうなぁ……」

側近「ほんと楽しいよなww」

龍人「楽しんでんの、お前だけだよ!」

ドラゴン「あーもう、ほんとお腹痛い……」
748: :2012/11/7(水) 23:10:33 ID:7RuR6mIcnA
龍人「ごっつぁん。食器どうしとく?」

ゾンビ「俺が運んどくよ」

ドラゴン「……大丈夫?腕もげたりするんじゃないの?」

側近「さーて、朝食も終えたし、魔王様の部屋に見張りつけとくか」

スライム「見張るんですか?」

側近「引き籠った魔王様の様子をチェックして、効果的な無視に繋げたいんだよ。誰かドアの前で見張っててくれ」

龍人「この側近、ノリノリである……」

ゾンビ「本当にドSですね。ハーピーにもそうなんですか?」

側近「ハーピーにこんなかわいそうなことするかよ!俺がいじめるのは魔王様だけだよ!」

スライム「その優しさをほんの少し……ほんの少しでいいから魔王様に、何で分けてやれなかったんですか……」

側近「とにかく、見張りだ見張り。誰かやってといてくれないか?」

ドラゴン「あーじゃあ俺やっときます」

ゾンビ「ドラゴン見張りやんの?」

ドラゴン「だって普通に仕事するより楽できそうじゃん」

スライム「……ああ!しまったぁ!」

龍人「これでいいのか、魔王城……」
749: :2012/11/7(水) 23:11:44 ID:7RuR6mIcnA
側近「……っていう展開になってる」

女勇者「だから魔王の姿がないんだね。かわいそうに……」

龍人「お前、今日も来たんだな」

女勇者「魔王が心配で心配で……でも、まだ無視は続くんだね……」

龍人「残念ながら明日も無視だ」

女勇者「ううう……」

ドラゴン「側近様、報告します」

側近「おう、ドラゴン。どうした?」

ドラゴン「魔王様は今も引き籠ってるんですが、何やら部屋の中から音が聞こえます」

側近「音?」

ドラゴン「何か……よくわかんないんですけどドタバタと音がするんですよね」

龍人「相棒としてはどう読むよ?」

側近「相棒言うな。……たぶん芸か何か披露するつもりだろうな」

龍人「芸?」
750: :2012/11/7(水) 23:12:54 ID:7RuR6mIcnA
側近「たぶん魔王様は、無視され始めた原因は自分にあると思ってるんだよ」

龍人「本当はてめぇの悪趣味に巻き込まれてるだけなんだがな……」

側近「自分の非を謝罪したいんだけど、無視されるから何が悪かったのかもわからないんだよ」

ドラゴン「何一つ悪いことしてないんですけどね……」

側近「だからまずは俺達の心を和らげようっていう、そういう作戦で来ると思うんだ」

女勇者「それで何か芸を披露しようっていうのね」

側近「一年半前、女勇者と思われた誰かが魔王城に来そうになった時だってそうだった」

側近「あらゆるゲーム機を揃え、俺に手品させようとし、自身は鼻眼鏡かけてクラッカー片手に待機したんだからな」

側近「愉快に振る舞えば誰とでも打ち解けられると思ってんだよ。根が単純だから」

女勇者「そんなことがあったんだ……私と思ってた誰かって、結局誰だったの?」

側近「さあ?結局来なかったから謎のままなんだよな」

ドラゴン「やっぱあれハーピーの見間違いだったんじゃないですか?」

側近「ドラゴン……お前、ハーピーを責める気か……?」ゴゴゴゴ

ドラゴン「いや……もういいです」

龍人「昔話に花咲いてるとこわりぃんだけどよ、何か足音聞こえないか?」

側近「……魔王様かな?皆、魔王様だったら無視しろよ」
751: :2012/11/7(水) 23:14:17 ID:7RuR6mIcnA
魔王「やっほー!皆ー!」ドアバーンッ

全員「……」

魔王「おうふ……え、えっとね!今から手品しまーす!」

魔王「ねえねえ、側近!ここにトランプがあるよね!これをよく切ってくれない?」

側近「……」

魔王「あ、その……じ、自分で切ります。えっと、別に怪しいことはしませんので」

魔王「さて、よく切れたね。女勇者ちゃん、この中から適当に一枚とってよ!」

女勇者「……」

魔王「あうっ……え、えっと、自分で取ります。決して怪しくなく、普通に取ります」

魔王「はい、取りました!スペードの3ですね」

魔王「これを戻してまたよく切ります。龍人切っ……いや、自分で切ります。怪しくなく切ります」

魔王「はい、これでもうどこ行ったかわからないですね!」

魔王「ちなみに今一番上にあるのは……ハートの9ですね」

魔王「……これで指パチンッてして、一番上がスペードの3になってたら凄くないですか?」
752: :2012/11/7(水) 23:15:33 ID:7RuR6mIcnA
魔王「その凄いをやってみせるのがミスター魔リックです!」

魔王「いきますよー、はい!」ユビパチーンッ

魔王「これで一番上がスペードの3になって……ないじゃん!ダイヤの7じゃん!」

魔王「関係ないじゃん!何でこの子急に出しゃばっちゃったの!?」ウルウル

魔王「あああああ!!失敗したああああ!!」ポロポロ

全員「……」

魔王「うあああああ!!失敗したから皆冷たいいいい!!」ダッ

全員「……www」

龍人「あぶねぇ、ガチで笑うとこだったwww」

側近「自分でやって自分で失敗するとか、反則だろww」

女勇者「ま、魔王だって一生懸命やったんだよ!笑うこと……ないじゃないw」

ドラゴン「そう言うお前も笑ってるって」

その日はそのまま引き籠って終了。
753: :2012/11/7(水) 23:16:33 ID:7RuR6mIcnA
無視最終日の三日目。

側近「今日も引き籠りスタートだな」

龍人「なあ、今日で終わりなんだよな?明日からは普通に接して良いんだよな?」

側近「残念だが仕方ないな」

ドラゴン「よし、今日が勝負だ!皆、あの罪悪感を耐えきるんだ!」

ゾンビ「終わってから謝ろう!すごい謝ろう!だから今日だけは我慢しよう!」

側近「そんな気合い入れることでもないだろうに……」

龍人「知ってっか?皆がお前みたいにサディストなわけじゃないんだぜ?」

側近「俺をドSって言うけどな、俺は魔王様をいじめるのが好きなだけだぞ。訂正しろ」

スライム「もう本当に実家帰りたい……」
754: :2012/11/7(水) 23:18:21 ID:7RuR6mIcnA
魔王「……」ガチャッ

全員「……」

側近(何だ?今日はやけに早く出てきたな)

魔王「……」スタスタ

龍人(側近の方に真っすぐ進んでやがる)

魔王「……」ピタッ

魔王「……ごめん!」ガバッ

ドラゴン(土下座だー!魔界で一番偉い方の土下座が炸裂したー!)

魔王「俺……一生懸命考えたけど、本当に自分のした悪いことがわからないんだ」

魔王「だから俺、自分のいろんな部分を直していこうと決意したんだ」

魔王「これからはピーマンとかを残さずに食べるし、一人で気持ち良くなるのも三日に一回……二日に一回とかにして頑張る」

魔王「ゲームも一日一時間にして、魔王っぽい仕事をちゃんとするから……」ウルッ

魔王「だから……だから、俺とまた話してよぉ……」ポロポロ

魔王「俺、俺……皆が大切だから、もう話せないのとか嫌だよぉ……」ポロポロ

魔王「お願いだから……俺を一人にしないでよぉ……」ポロポロ

龍人「……悪い、側近。後一日も我慢できそうにねぇわ」

龍人「魔王、よく頑張ったな。もうお前は一人じゃねぇよ」

魔王「えっ……今、俺に話しかけてくれた……?」
755: :2012/11/7(水) 23:19:53 ID:7RuR6mIcnA
ドラゴン「俺達もです、魔王様!」

ゾンビ「魔王様、すみませんでした!」

魔王「皆が……皆が普通に話しかけてくれてる〜……」ポロポロ

側近「あーあ、駄目だこりゃ……」



魔王「……俺を無視し続けたらどうなるか、試してみたかった?」

側近「はい」

魔王「何で……何でそんなことするんよ!?俺すっげー辛かったんだよ!?」

側近「単純に興味がありましたし、過去にこんな意見もありましたから」つhttp://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1324791945/208

魔王「そんなことでここまで追い込むの!?」

側近「はい」

魔王「悪魔だよ……人型の形をした悪魔だよ……」

龍人「完全に同意するわ」

側近「失礼ですね。こんな鬼畜行為は魔王様にしかしませんよ」

魔王「お前が失礼だよ!ここ数日、どんだけ辛かったか……思い出して来ちゃったよ……」ポロポロ

側近「本当にメンタル弱いですね。いじりがいのある御方ですよwww」

魔王「いじるとかいうレベルじゃなかったよ!真剣に自殺に追い込むパターンだったよ!」

側近「まあまあ、生きてるからいいじゃないですか」

魔王「納得いかねえ……」
756: :2012/11/7(水) 23:21:37 ID:7RuR6mIcnA
魔王「……まあいいや。こうしてまた皆とちゃんと話せるようになったからね!」

魔王「俺、皆が何より大切だもん!皆が無視したままだったら、本当にもう生きていけなかったと思うよ」

魔王「これからも仲良くしてね!本当にお願い!」

スライム「魔王様……」

側近「わかりました。仲良くしてやろうじゃないですか」

龍人「お前の立ち位置はどこなんだよ?」

魔王「仲良くしてくれるの?ありがとう、側近!」

側近「まあその代わり約束は守ってもらいますけど」

魔王「え?」

側近「ピーマン食べる、自慰行為の回数減少、ゲーム時間の減少でしたか。しっかりとお願いしますよ」

魔王「それは……えっと、守らないと駄目?」

側近「あーもう仲良くするのやめようかなー」

魔王「ご、ごめんなさい!守ります!守るから見捨てないで!」

龍人「やっぱ人型の形をした悪魔だわ、こいつ……」

Q:魔王様を無視し続けたらどうなるか?
A:魔王様のメンタルの前に、側近以外の皆のメンタルが持たない

おしまい



魔王「あああああ!!女勇者ちゃんがまだ無視するううう!!」ポロポロ

側近「やべ、三日目中止を伝えるの忘れてた」
757: :2012/11/7(水) 23:24:54 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

この話が書けてよかったです。俺が応えられる範囲での要望はできるだけやっていきたいと思ってましたので。
例のレスからけっこうな時間が経っていますが、レスした本人はこれを見ているのでしょうか。
見ているといいですねえ。

今回の更新のまとめです。長いのでわけときます。
側近「魔王様を無視し続けたらどうなるか」>>739-745>>746-756
758: 名無しさん@読者の声:2012/11/8(木) 00:40:25 ID:iuXlfLsjlI
乙!




かわいそすぎて俺のメンタルももたなかったぜ…
759: 名無しさん@読者の声:2012/11/8(木) 01:42:30 ID:djHVrpPO/c
側近とハーピーか魔王と女勇者の結婚式が見たい(´;ω;`)

つC
760: 名無しさん@読者の声:2012/11/8(木) 02:25:22 ID:IGTPMpoMfU
三バカは勿論だけど、龍人も良い子になったなぁ…としみじみ思うよ

そんな龍人が大好きなんだけどね!
761: 名無しさん@読者の声:2012/11/8(木) 06:51:26 ID:aQK6vjCG2A
凹んでる魔王は実に可愛いですねww
なんか無視編をニヤニヤしながら読んでた自分モイキー☆

またやって欲しいですけど龍人とかがかわいそうなんで自重します

つC
762: 名無しさん@読者の声:2012/11/8(木) 08:03:41 ID:CtJ.qYhfaQ
魔王かわいすぎワロタw

忙しくて来れなかった時に私の好きキャラの話になってたなんて…!鉄拳のキングカッコイイですよね。強いし。優しいし。…あれ?魔王からM抜いてもう少しクールにしてマスク付けたらキングになるんじゃ…?!

っ支援

763: 名無しさん@読者の声:2012/11/8(木) 20:36:29 ID:HZWQXcGV/Y
うひひ…情けねぇ情けねぇ
俺と側近なら一週間はやれたな

そういえば>>1もMだったなw
みんな無視し出して三日ぐらい支援やコメントがなかくなったらどうなるだろうなwww





嘘です
>>1さん大好き
つC
764: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/8(木) 22:18:10 ID:7RuR6mIcnA
>>758
俺は一日目の夕食のところで心折られました。
無視し続ける系のSSはけっこう読んだりしますし、展開的にはこれよりえげつないのもあったりしますけど。
自分で書いてみるとやばいですね。愛着ある自作のキャラだから尚更です。これえげつないですよ。

>>759
もしそれをやる時があるとしたら、それはもうかなりのクライマックスでしょうね。
いや、本編はもうクライマックスの向こう側ですけども。
やるかどうかはわかりませんが、やるならまずは側近サイドでしょう。

>>760
龍人は本当に大出世ですよね。
前作の悪役時、最終局面で負けた時に魔王様に見捨てられなくて本当によかったですよね。あの時、魔王様以外はけっこう見捨てるムードでしたし。
人間、気持ちや環境次第でいくらでも変われるっていうことですよね。龍人は魔物ですけど。

>>761
>凹んだ魔王様が可愛い
>無視編をニヤニヤしながら読んでた
>またやって欲しい

なんというサディズム……!
まあとりあえず普通の話でも側近は魔王をいじめますので、これからも該当シーンは見られるでしょう。よかったですね。
765: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/8(木) 22:20:35 ID:7RuR6mIcnA
>>762
キングはいいですよね。俺もかっこいいと思いますよ。
M抜いてもう少しクールにしてマスク付けたらって、それもう魔王様の要素ないですよww

あと、好きな理由で違うのがあるんですが、俺プロレス好きなんで、キングの技とか見てるのが好きです。
ロックボトム云々の説明ですけど。現実的な話で、あれはザ・ロックという外国人のプロレスラーが使う技なんです。
最近は俳優業に切磋琢磨ですけど。スコーピオンキングやった人って言ったら伝わるでしょうか。
映画の話は一旦おきまして。それとは別にブッカーTっていうプロレスラーもいるんです。
この御方がロックボトムとほぼ同型のブックエンドという技を得意としてたんですが、敵を持ちあげた時の姿勢や叩きつける時の姿勢とかが微妙に違うんですよ。
そしてキングがやってるロックボトムの姿勢がブックエンド寄りだと思うんで、これどうなんだろうなーって思って>>732この発言です。

>>763
昔、支援とかがない時期にそれを嘆いたことがありまして、後々それを「レスの強制になったかなあ」と後悔したことがあります。
そんな経歴がありますので、今後ネット上ではそういう素振りを見せないとは思いますけども。
実際急に支援なくなったりしたら、生身の俺は涙目になると思いますよwww

支援がなくても完結させることはできますけど、極端に無いと案外へこむんですよね。
それって結局は支援しなくても読者の皆さんはSSを読めるってことです。支援しなくても最後まで読めるんですよ。
にもかかわらず、作者を想ってわざわざ支援等のレスをしてくれるじゃないですか。
そういう優しさに凄い救われてるんですよね。だから本当にありがとうをちゃんと言っていきたいです。
っていう、まさかのマジレス。
766: :2012/11/8(木) 22:21:36 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶さんの相談室

女僧侶。女勇者パーティのお姉さん的ポジションの大和撫子である。
可憐で清楚な容姿を誇り、陰ながらファンだという方も少なくない。
そしてその見た目に見合う穏やかで優しい性格をしており、一緒にいると癒されると評判である。
そんな優しい女僧侶に、相談して励まされて生きてく希望を見出したいという奴も多いみたいで、彼女が勤める教会に足を運ぶ奴も多いそうな……。
767: :2012/11/8(木) 22:22:25 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶「あれ……龍人さん。どうしたんですか?」

龍人「おう……ちょっと相談があってなぁ」

女僧侶「相談ですか。私で力になれるのであれば、喜んで相談に乗りますよ」

龍人「おう、サンキューな。なぁ……なんで俺モテないんだと思う?」

女僧侶「……はい?」

龍人「だから……何で俺ってモテないんだと思う?」

女僧侶「も、モテるにはどうすべきかって相談ですか?」

龍人「おう」

女僧侶「えっと……そもそも何故モテないと思うのか、そこからお訊ねしてもよろしいでしょうか?」

龍人「わかった。ちょっとメタ的な発言になるんだけどよ……」
768: :2012/11/8(木) 22:25:26 ID:7RuR6mIcnA
龍人「魔王も側近もイケメンでモテモテじゃねぇか。こっちの世界的な意味でも読者的な意味でも」

女僧侶「そうですね。整った容姿に性格もそれぞれ良くて、女性の目線では素敵な殿方だと言い切れますよ」

女僧侶「でも、読者の立場も含めていいのなら、龍人さんを慕う方もいらっしゃいますよね。それでは駄目なんですか?」

龍人「まあ待ってくれ。俺の話も途中なんだよ」

女僧侶「すみません。どうぞ続けてください」

龍人「読者の人は俺を良く言ってくれる奴もいて正直嬉しいよ。でも、それが本編の方で反映されてもいいんじゃねえのかって思うんだよ」

女僧侶「どういうことですか?」

龍人「魔王の初期設定って覚えてっか?「無難に好感持たれる程度には整ってる顔」だぞ」

龍人「要するにそこそこイケメンって感じで、側近ほどのイケメンではなかったってわけだ」

龍人「でもなあ、読者人気が出て、その声に感化されて、1の野郎がいつの間にか魔王を側近レベルのイケメンにしやがったんだよ」

龍人「その勢いで前作の小話ではファンクラブまで作りやがって、完全に超イケメンの仲間入りだよ、糞ったれ!」

龍人「だったら俺だって読者の声を取り入れてイケメン化してくれてもいいんじゃねぇの!?何でおれだけ頑なにモテる設定加えてくんねぇんだよ!?」

女僧侶「龍人さんは……男性の平均は上回ってるような、整った容姿をお持ちだと思いますけど」

龍人「ありがとう!でも、それじゃ本編でイケメン的に扱ってもらえないんだよ!モテねぇんだよ!」

龍人「本編の終わりでさぁ、女戦士とウフフなイベントあっただろ!?女戦士が前々から言ってる彼氏の条件も俺クリアしてるし、これ春が来たかなって思ったらよ!」

龍人「普通に返レスで否定されたよ!龍人と女戦士の間でフラグが立ってるわけではないって!」

龍人「ちくしょう!どうして俺だけこうなんだよ!前作で悪役だったからか!?悪役に輝かしい未来はないってか!?」
769: :2012/11/8(木) 22:27:36 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶「お悩みはわかりました。龍人さん」

龍人「何だよ?」

女僧侶「龍人さんは女戦士さんがよかったのですか?もうこの人以外に考えられないと、そのような覚悟があったのですか?」

龍人「え?いや、そう言われたら……女戦士は普通に美人だし、あんな美人が彼女だったらなーって思うけど、女戦士しか見えないのかっていうと……」

女僧侶「そうですよね。女戦士さんはお綺麗ですから惹かれるのは理解できます。しかし恋愛は想い人同士で行うものです」

女僧侶「異性が気になるのは理解できますが、大事なのは想い人と結ばれるかどうかなのです」

女僧侶「龍人さんは今、はっきりと特別な想い人がいるわけではないでしょう?それなら今は恋愛に関して決断をする時じゃないんですよ」

女僧侶「本当に大切な誰かができた時、その時に両想いになれればいいのです。誰でもいいから女性と付き合いたいという心構えで交際すれば、相手を傷つけてしまいますよ」

龍人「で、でも、遊び感覚でも付き合えない俺が、本気で好きな奴ができた時に両想いになれるのか?今からでもモテるよう頑張って慣れたりしないと……」

女僧侶「大丈夫ですよ。親しい間柄ですので、私は龍人さんをよく知ってます。だから大丈夫だと言い切れます」

女僧侶「普段は荒々しく振る舞ってても、内心には誰かを守る優しさと強さを秘めています。そんな魅力ある素敵な龍人さんが本気で想いを伝えれば、相手の心はきっと動くはずです」

女僧侶「あなたは誰かを守り、支えることのできる優しく素敵な男性です。そんなあなたから本気の愛をもらえる女性は幸せ者ですよ」

女僧侶「だから龍人さんは、今素敵な女性との出会いがなくても慌てなくていいんです。その中に宿る素敵な愛を大事にしててください」

女僧侶「いつか本気で想える誰かのために、今は落ち着いて待つとしましょう」

龍人「お、おお……あ、ありがとう///」

龍人「な、何か現状でも前向きに生きてけるような気がしたよ……ほんとありがとな」

女僧侶「いえいえ、龍人さんの力になれてよかったです」
770: :2012/11/8(木) 22:29:19 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶「龍人さん、帰られましたか」

女僧侶「改心してからの龍人さんは素敵な方ですからね。陰ながら私も応援するとしましょう」

兵士「あの……女僧侶様」

女僧侶「あら、お城の兵士さん。どうなさいました?」

女僧侶「……あれ?もしかして、一年半前に魔王さんを捕らえた時に協力してくれた兵士さんですか?」

兵士「っ!お、覚えててくれたんですか!?」

女僧侶「はい、覚えていますよ。魔王さんが悪を演じてたあの頃、見張りの協力をしてくださったんですから。感謝しています」

兵士「あ、ありがとうございます!女僧侶様に覚えてていただいたなんて、身に余る光栄です」

女僧侶「もう、大げさですよ。それで、今日はどうされたんですか?」

兵士「あ、あの……女僧侶様に相談したいことがありまして」

女僧侶「わかりました。私でよければ力になりましょう」

兵士「ありがとうございます。俺もメタ的な内容になりますけど……」
771: :2012/11/8(木) 22:32:18 ID:7RuR6mIcnA
兵士「前作で俺は魔王と仲良くなったんですよ。様付けせずに呼び捨て出来るほどのブラザー的な」

女僧侶「身分などの垣根を越えて仲良くできることは素晴らしいことですよ」

兵士「ありがとうございます。それで、1も更新終わりのまとめで「兵士好きなキャラですwww」みたいなこと書いてたんですよ」

兵士「あーこれはもう俺の人生バラ色だと。作者に気に入られるとか、もう活躍約束されてんじゃんって」

兵士「本編では強くない平凡な兵なんだから出番少なくても仕方ないって思ってまして。まあ俺が始まるのは番外編からだなって思ってたんですよ」

兵士「……ないんですよ!番外編入っても俺の話が!」

兵士「あんだけお気に入り宣言しといて、本編終わったら放置ですよ!何ですか、この扱い!?」

兵士「そんなこんなで続編が出まして。今作のことですよ」

兵士「今作では前作のサブキャラがたくさん出まして。ウィッチなどがそうですね」

兵士「更には途中の展開が「皆で手を取り合うことで生まれる力」みたいなテーマで。懐かしいキャラもドンドン出ました」

兵士「なるほど、俺はここで再登場を果たすわけか、と思ったわけですね」

兵士「……出ないんですよ!どんだけ話進んでも俺が!」

女僧侶「あれ?兵士さん、出てませんでしたか?」

兵士「出てないんです!>>367これ俺じゃないんですよ!」

兵士「あと、1が前作見直しながらネタ探しつつ本編書いてたのは知ってますか!?」

女僧侶「はい、一応」

兵士「それで1が見直してて俺を見つけた時なんて思ったかわかりますか!?」

兵士「ああこんな奴いたね、ですよ!?お気に入りキャラだったんちゃうんかい!」

兵士「結局俺は1の無責任な発言に踊らされた哀れなピエロなんですよ!」
772: 1「実際には言うほど頑張ってはいません」:2012/11/8(木) 22:36:59 ID:7RuR6mIcnA
兵士「俺は……弄ばれ見放されて今後をどう生き抜けばいいんですか……」

女僧侶「なるほど。創作物のキャラクターであるが故の悲しみですね」

女僧侶「でも、今こうして出番に恵まれたではありませんか」

兵士「小話でネタ的に扱われてるだけじゃないですか!俺を笑い物にしようとしてるんですよ!」

女僧侶「笑いを取るのも難しいんですよ。ボケはどのようにすればいいのか、それをどう突っ込んでどう活かすのか……難しいことです」

女僧侶「ギャグのような展開を好む1にとって、そこは常に悩みの種です」

女僧侶「受ける芸人と受けない芸人のネタの差はどこにあるのか等を自分なりに考えて、ボケとツッコミをいろいろ考えてるんです」

女僧侶「それでもやっぱり滑ってしまって、つまらない等と冷たく批判されてしまいます。その度に1は震えあがってるのです」

女僧侶「それが怖い1はネタを放り込む時にはそれなりに練ってから投入するんです」

女僧侶「そして兵士さんは今、ネタとして投入されています。それは兵士さんなら大丈夫だという信頼があるからこそです」

兵士「っ!」

女僧侶「それぞれに役割があるので出番に差が出るのは仕方ないでしょう。でも、出番の多さが全てではありません」

女僧侶「ここぞの場面で任される……それは信頼があってこその起用ですよ」

女僧侶「そう考えると、兵士さんは見放されてはいませんよ。安心して大丈夫です」

兵士「そうか……俺は別に弄ばれてたわけじゃないのか……」

兵士「こうしてまた話に出れたわけですしね。俺は俺の役目を果たす、それでいいんですね」

兵士「ありがとうございます、女僧侶様。おかげで明日が希望に満ちた気がしました」

女僧侶「いえ、兵士さんのこれからに少しでも力になれたのなら幸いです」
773: :2012/11/8(木) 22:38:17 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶「兵士さん、城に戻られましたね」

女僧侶「出番の有無でこれほど悩み、迷う方もいるんですね」

女僧侶「出番があるというだけでも、神に感謝しなければなりませんね」

女王「女僧侶さん、相談があるのですが……」

女僧侶「え、女王様!?わざわざ城から抜け出さずとも、呼んでいただければこちらから伺います!」

女王「いえ、私が相談したいんです。こちらからお伺いするのは当然ですよ」

女僧侶「申し訳ありません!わざわざこの教会まで足を運んでいただいて!」

女王「気にしないでください。それよりも、女僧侶さんに相談したいことがあるんです」

女僧侶「私にできることがあれば、全力で応じます!どうぞなんなりと申しつけてください!」

女王「ありがとう。私もメタフィクションに関する相談になります……」
774: :2012/11/8(木) 22:40:14 ID:7RuR6mIcnA
女王「まず読者の方に訊ねたいのですが、私の存在を知ってましたか?」

女僧侶「え?それは知ってるでしょう。王都を治める王様の奥方であられるんですよ?」

女王「でも私、前作今作両方で出番これしかないんですよhttp://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/177

女僧侶「え!?これだけですか!?」

女王「台詞なんてないようなもので、何気にこの小話で初めて喋りましたよ」

女僧侶「でも、何でこんなことに……」

女王「そもそも私は出す予定のないキャラだったんです」

女王「先ほど挙げた場面は、魔王様が悪役を演じて捕らわれた場面なんですが」

女王「1さんはこう思ったのです。王の間に連れてこられた魔王が果たして女王様をスルーするだろうか?って」

女王「じゃあとりあえず容姿くらいには触れた方がいいのかなってことで、私は急遽出たのですが」

女王「元々出すつもりではなかったせいか、出番はこれだけになりました」

女王「1さんの勝手な都合で中途半端に生まれた私の存在って何なんでしょうか……それを考え出すと悲しくって……」
775: :2012/11/8(木) 22:43:53 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶「悲しむ必要なんてありませんよ」

女王「しかし、出番がこれしかない私に存在意義なんて……」

女僧侶「この王都には多くの人々が暮らしています。しかし、そのほとんどが本編には出ていません」

女僧侶「本編には出ていませんが、それぞれの人生という物語の主役として一人一人が生きています」

女僧侶「本編等で描かれていないだけで、確かに存在するんですよ。女王様はそんな皆を本編に出てないから意味のない存在と言い切りますか?」

女王「そんなことはありません!民は国の宝です!私は一国の女王として、民の一人一人を誇りに思います!」

女僧侶「それが私の答えです。確かに本編では出番が極端に少なかった女王様ですが、描かれてないだけで、民のために頑張ってくれているのを私は知ってます」

女僧侶「女王様の存在は我々民にとって大きな希望です。そんな自分を悲しむ必要なんてありません」

女僧侶「私達だって確かに生きているんです。出番の多い少ないそもそも無い等、そこに差はあっても、それぞれが尊い命に変わりはないです」

女僧侶「そして女王様は我々民にとっても大切な存在です。たとえそこが描かれなくても、民のために頑張り続けてくれる女王様を支えますよ」

女王「……ありがとうございます。描かれなくても確かに生きている……そう思うと気が楽になりました」

女王「くだらない理由で1レスだけ登場という過程で生まれた私でも……この存在に意味はあるのですね」

女僧侶「当たり前です!女王様は我々民の大きな希望ですよ!どんな時も支えますので、人間としても女性としても美しい女王様として我々を導きください!」

女王「ふふ、女僧侶さんのような美しい女性に容姿を褒められるなんて。ありがとうございます」

女僧侶「そんな、私には過ぎた評価でございます!」

女王「ありがとうございます。女僧侶さんに相談してよかったです。ではそろそろ城に戻るとしましょう」

女僧侶「こちらこそ、わざわざ足を運んでいただきありがとうございました!またこのような機会を頂ける時は、こちらから参上いたします!」
776: :2012/11/8(木) 22:45:08 ID:7RuR6mIcnA
女僧侶「女王様、帰られましたね」

女僧侶「女王様のような高貴なお方のお力添えを私なんかができるなんて思ってませんでした。力になれてよかったです」

女僧侶「こうしてみると人生に迷い、悩んでる方は多いのですね」

女僧侶「そんな方々の助けになれるのなら、もっともっと頑張っていきたいですね」

「あのー、相談したいことが……」

女僧侶「あ、はい。私でよければ力になりましょう」

こうして女僧侶の相談室には、今日も今日とて誰かがやってくるのでした。
777: :2012/11/8(木) 22:47:27 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

今回のまとめをレスする直前では、このスレは776レスで569.36 KBytesです。
前回は893レスで終わって547.89 KBytesでした。
前作と比べて今作は中身をぎゅうぎゅう詰めにしちゃってるみたいです。
最終的にはどれくらいいくのでしょうか。俺にはわかりません。

今回の更新のまとめです。
女僧侶さんの相談室>>766-776
778: 名無しさん@読者の声:2012/11/8(木) 22:54:28 ID:PzKyqNmVgM
リアルタイムktkr

1には申し訳ないけどプロレスわかんないよぉぉ…ふぇぇ//←

とりあえず魔王に
っキングのお面

1には
っ支援


779: 名無しさん@読者の声:2012/11/9(金) 00:13:01 ID:CmdQzk9Fwc
龍人wwwアホすwwwwwバ可愛いwwwwww

っイカ明太
780: 名無しさん@読者の声:2012/11/9(金) 22:33:30 ID:HZWQXcGV/Y
(出番が少ないことで悩んでる…仕方ない、こうすれば出してくれるだろ)

兵士おもんねぇwww
マジ存在意義なくね?

兵士はいいけど
女王様は可愛いからもっと出番増やせ>>1


龍人たんは俺がもらってあげるよ…ハァハァ
真の愛を教えて
あ☆げ☆る


つC

781: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/9(金) 23:37:28 ID:7RuR6mIcnA
>>778
趣味は個人で自由にすべきですからね。無理に俺に付き合う必要はないですよ。
そして魔王がキングのマスク被ってもキングにはなれないですよ。
最後に支援ありがとうございますよ。

>>779
続編に入って龍人のコミカルな一面もだいぶ出るようになりまして。
こういうネタっぽい行動させてもそんなに違和感なくなったと思います。
だから今回の小話が成り立ってるところもありますよね。
兵士や女王に関しては……反省してます。決して國母的な意味合いではなく。

>>780
兵士「おもんないとか言わないでくれよ……俺だって生きてんだよ……」
女王「可愛いだなんて、お世辞でも嬉しいです。ありがとう。これを機に出番が増えるといいですね」
龍人「……一人称が俺?真の愛?……ご遠慮させてもらうぜぇ」
1(こんぐらい喋らせときゃこいつらも文句ないだろう……)
782: :2012/11/9(金) 23:38:34 ID:7RuR6mIcnA
魔王と側近の雑談2

側近「魔王様、手をテーブルの上に置いていただけますか?掌を下に、開いて」

魔王「え、こう?」スッ

側近「ありがとうございます。それじゃいきますよ」スッ

魔王「いや、いきますよじゃなくって!そのシャーペンで何する気!?」

側近「え?いや、指の間をトントントン!って」

魔王「ああ、あれか。……いや、俺の手でやるなよ!自分の手でやってよ!」

側近「それじゃ失敗したら俺が痛いじゃないですか」

魔王「だからだよ!何痛みだけ俺に押し付けようとしてんだよ!」

側近「ドMなんだからいいでしょう。じゃあ女勇者がやってると思えばいいですよ」

魔王「え?女勇者ちゃんが?……」

女勇者『あ、ごめーん。失敗しちゃったー』グリグリ

魔王『んぎぃ!シャーペンが手の甲にめり込んでるうぅ!』ハアハア

魔王「……いいかもしれない」

側近「でしょう?じゃあいきますよ」トントントンッ!

魔王「え、でも今やるのは側近……ひいいい!」トントントンッ!
783: 1「キン肉マン参照」:2012/11/9(金) 23:39:30 ID:7RuR6mIcnA
魔王「ベッドおもしろーい!」ポヨンポヨン

側近「子どもじゃないんですしベッドの上で飛び跳ねないでください」

魔王「ベッドいい感じに跳ねて面白いんだもん。跳ねるの面白いよ!」

側近「へー。じゃあ俺もやってみましょうか」

魔王「うんうん!それがいいよ!」

側近「どれ……ほうほう」ポヨンポヨン

魔王「えへへへ、楽しいでしょ?」

側近「魔王様も一緒にどうですか?」

魔王「やるやるー。二人で空中でポーズ決めよう!」

魔王「わーい!」ポヨンポヨン

側近「……」

魔王「楽しいねー!」ポヨンポヨン

側近(マッスルスパークかけられるかなって思ったけど、さすがに無理だな、これ)

魔王「どうしたのー?一緒に跳ねようよー!」ポヨンポヨン

側近「はいはい」
784: :2012/11/9(金) 23:40:20 ID:7RuR6mIcnA
側近「魔王様の頭を掴んで窓ガラスにぶつけてもいいですか?」

魔王「いいわけないでしょ!何なの、その急なバイオレンスは!?」

側近「派手に割れる窓ガラス、鮮血に染まる魔王様の額。楽しいと思いますよ?」

魔王「側近はね!俺はもれなく地獄の苦しみだよ!」

側近「でも女勇者がやってると思ったら嬉しくないですか?」

魔王「その展開さっきもあったよ!その場合は御褒美だけど、この場合やるのは側近でしょ!?駄目だよ!」

側近「ちっ……魔王様のくせに学ばれたんですね」

魔王「2レス前の話だからね!あと、魔王様のくせにって!」

側近「魔王様がこれほどまで賢いとは想定外でしたよ」

魔王「想定しててよ!どんだけ馬鹿だったの、側近の中で俺は!?」

側近「……野久保直樹くらい?」

魔王「予想だにしない名前が挙がったよ!あの人今どうなってんの!?」

側近「羞恥心羞恥心って繰り返す歌、歌わなくていいんですか?」

魔王「だから野久保じゃねえよ!つるのでも上地でもねえよ!」

側近「魔王様、今なんかハリセンボンの近藤春菜みたいでしたよ」

魔王「角野卓造じゃねえよ!ああもうお願いだからそっとしといてよ!」
785: :2012/11/9(金) 23:40:54 ID:7RuR6mIcnA
夜中の三時。

魔王「すぅ……すぅ……」zzz

側近「魔王様、起きてください」

魔王「んん……んんぅ?側近……今、何時……?」

側近「午前三時です」

魔王「えぇ〜……何でそんな時間に起こすん?」

側近「お腹減ったんで夜食としてカップ麺でも買ってきなさい」

魔王「そんなことで起こしたん!?悪魔だよ、こいつ……」

側近「もう一度言います。お腹減ったんで夜食としてカップ麺でも買ってきなさい」

魔王「二回も命令されたよ……そんな重要なことなの?」

側近「重要ですよ。魔王様への嫌がらせにも繋がりますし」

魔王「もー……もしも女勇者ちゃんとイチャイチャする夢を見てたら、一生後悔してたとこだよ……行ってきます」ガチャッ

側近「……マジで行くんだもんな」

側近「……」

側近「逆の立場だったら、俺なら絶対キレてるな。どんだけ優しいんだろう、魔王様って……」
786: :2012/11/9(金) 23:42:08 ID:7RuR6mIcnA
魔王「買ってきたよー」

側近「ご苦労様です」

魔王「ご苦労様って、目下の人にかける言葉じゃないっけ?いや、別にいいけどさ」

側近「褒美としてそのカップ麺は魔王様が食べていいですよ」

魔王「食わないのかよ!側近のために買ってきたんだよ、俺は!」

側近「正直魔王様に嫌がらせしたかっただけですからね。目的は達成しました」

魔王「くっそー、安眠を邪魔してくれやがって。俺もう寝るからね!」

側近「いいですよ。おやすみなさい」

魔王「うん、おやすみ!」

魔王「……」

魔王「……もー、何か寝れなくなってんじゃん!」

側近「ふふふww」

魔王「笑ってんじゃないよ!どう責任とってくれるんだよ!」

側近「もうこのまま起きてればいいじゃないですか」

魔王「昼夜逆転はこういうとこから始まるんだよ!ちゃんと今寝なきゃ朝に寝ちゃうよ!」

側近「そう言われましても、俺に出来ることなんてないでしょう」
787: :2012/11/9(金) 23:43:17 ID:7RuR6mIcnA
魔王「……なんか昔話して」

側近「はい?」

魔王「だから昔話で眠気を狙うんだよ!」

側近「そんなので本当に眠くなるんですか?」

魔王「やってみないとわかんないよ!とりあえずやってみてよ!」

側近「やれやれ……じゃあ適当に話しますよ。昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました」

側近「おじいさんが山へ柴刈りに、おばあさんが川へ洗濯に行くと、川上からおじいさんがドンブラコと流れてきました」

魔王「おじいちゃんに何があったの!?山で何かあったよね!?」

側近「おばあさんは洗濯が忙しかったので、流れるおじいさんを無視しました」

魔王「無視しちゃ駄目だよ!おじいちゃん溺れてるんだから!洗濯後回しにしないと!」

側近「洗濯を終えて家に帰ると、何と溺れたはずのおじいさんが既に帰宅してるじゃありませんか」

魔王「あれえ!?さっき流されたおじいちゃんは!?」

側近「不思議に思ったおばあさんがそのことを問うと、おじいさんは覚えがないと言います」

側近「しばらくすると、ハッと何かに気付いたようで、おじいさんはこう言いました」

おじいさん「それはもしかしてもう一人のわしでは!?計画が動き出したか……奴を止めなくてはな。たとえこの命を散らそうとも!」

魔王「何か壮大なストーリーを想わせる展開だよ!流されたおじいちゃんは一体!?桃太郎はいつ出てくんの!?」

結局魔王様は寝られず、朝方になって寝る羽目になりました。
788: いじって大きくなっちゃおう、せがれいじり編:2012/11/9(金) 23:44:06 ID:7RuR6mIcnA
側近「……魔王様、そのゲーム何ですか?」

魔王「んー?せがれいじりだよー」

側近「……何です?」

魔王「せがれいじり」

側近「……どんなゲームですか?」

魔王「これはねー、ちょっと言葉だけじゃ説明できない深いゲームだよ」

魔王「だからさ。ちょっと俺がやってるとこ見てなよ!」

側近「ええ〜……嫌ですよ。地雷臭ぷんぷんしてるじゃないですか……」

魔王「いいからいいから!ちょっと最初からやってみるね!」
789: いじって大きくなっちゃおう、せがれいじり編:2012/11/9(金) 23:45:27 ID:7RuR6mIcnA
魔王「このやじるしが主人公のせがれだよ!」

魔王「愛しい彼女と付き合うために、いろいろいじって大きくなるってのがこのゲームの目的だよ」

側近「……最初のオープニングだけで山ほど突っ込みたいんですけど、どうすればいいですか?」

魔王「我慢しよう。ここでそんなことしてたら時間が足りないよ!」

魔王「さあ、早速ことはじめがいじれるね。○ボタンを押してみよう!」

側近「……とりあえず叫んでみれば?って出ました」

魔王「そっから単語がいろいろ出るから、文章をいろいろ作って遊ぶんだよ!」

魔王「とりあえず……「ラブラブのう*こ」で」

側近「どんなう*こですか、それ!?」

魔王「それは今から映像で出るよ。……青と赤のう*こが出会ったね」

魔王「あれ、この二人結婚するみたいだね。おめでとう、すすむ君、モモヨちゃん!」

側近「何なんですか、このゲーム!?え、ゲームですか、これ!?」

側近「う*こが出会うってどういうことですか!?何で結婚してるんですか、こいつら!?」

魔王「そりゃラブラブのう*こだからね。ほら、今いじったから「しょうかい」が生まれたよ!行ってみよう!」

側近「何が生まれたって!?紹介!?紹介が生まれたって……はあ!?」

魔王「あはははwwwとりあえずしょうかいをいじりに行こう」
790: いじって大きくなっちゃおう、せがれいじり編:2012/11/9(金) 23:46:23 ID:7RuR6mIcnA
側近「……今度はどんな文章作るんですか?」

魔王「「うんこ、だんめんず」で行こうか」

側近「こっちは伏せねえのかよ……」

魔王「へー、うんこは皆の憩いの場になってるんだね」

側近「なりませんよ!」

魔王「でも皆安らかだよ?一階は多目的ホールになってるみたいだね」

側近「いやいやいや!そもそも何なんですか、こいつら!?全員裸でモヒカンじゃないですか!」

魔王「二階は体育館で、三階はダンスホールだってさ」

側近「違いがわかんないですよ!どの階も造り一緒じゃないですか!?なんでこのモヒカン共はうんこ座りしてるんですか!?」

魔王「キミもおいでよ。あしたいくよ……だってさ」

側近「行かねえよ!肉親人質に取られても行かねえよ!」

魔王「……側近さあ、さっきから何を真面目に突っ込んでるの?受け入れなよ、せがれの世界観をさ」

側近「受け入れられないですよ!何だこの世界観!?やってますよ、何かやばいクスリを!」

魔王「いいから、次いってみよう。おんなのこが生まれたから」

側近「ああ……生まれても違和感ないのが生まれましたね……いや、これ女の子じゃねえよ!」

魔王「www」
791: いじって大きくなっちゃおう、せがれいじり編:2012/11/9(金) 23:47:37 ID:7RuR6mIcnA
魔王「この後も側近と一緒にやりました」

側近「マジで何なんですか!?ひたすら謎でしたよ!」

魔王「せがれいじりを理屈で捉えるのはナンセンスだよ。直感的に感じていかないと」

側近「いや、絶対おかしいですって!こんなもんゲームでも何でもないですよ!」

魔王「側近は分からず屋だなあ。だからせがれいじりも楽しめないんだよ」

側近「分かりませんよ、こんな意味不明なの!読者の皆さんだって、このゲーム知らなかったら今も意味がわかってないと思います!」

魔王「そうだね。言葉で説明がつくほど単純なゲームじゃないからね」

側近「いや、単純ですよ!単純に意味がわからないんですよ!」

魔王「具体的にどんなゲームかは伝わってないだろうから、たぶん側近が一人で興奮して滑ってるだけに見られてると思うよwww」

側近「変なゲームに付き合わされて滑るとか、どんだけ損してるんですか、俺は……」

魔王「興味がある人は買ってみてもいいかもね。人を選ぶゲームだろうから、買って後悔しても責任は取らないよwww」

側近「訴訟も辞さないレベルでしょう、これは……」

この後もゲームを続けて、魔王城には側近の怒号が響きましたとさ。
792: :2012/11/9(金) 23:49:31 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

ドラえもんの正体は猫型ロボットではなく汎用猫型決戦兵器でした。
遠い未来に現れた使徒に対応すべく、パイロット適性のあるのび太の育成をするために過去へとやってきたのです。
立派に育ったと判断され、その事実を告げられたのび太は困惑します。
「ドラえもん、無理だよ!僕にそんな力があるわけないよ!」
「大丈夫だよ!今ののび太君なら僕とシンクロできる!使徒を打ち破ることができるよ!」
今まで苦楽を共にした相棒のドラえもんにそう言われ、ついに戦う決心をのび太はしました。
そうして使徒を倒すべく未来へと向かう二人。
果たして使徒を倒すことはできるのでしょうか。ドラえもんのあのサイズでのび太は乗ることができるのでしょうか?

こう言う感じの夢をけっこう昔に見ました。今日エヴァ見て思い出しました。

今回の更新のまとめです。
魔王と側近の雑談2>>782-791
793: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 00:01:14 ID:HZWQXcGV/Y
(すべっとる…慰めてあげなきゃっ)

側近めっちゃおもろいなー!!
おまいのツッコミさいこー
うん、さいこー…

この話を作った>>1もさいこー

注 全棒読み
794: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 00:07:34 ID:PzKyqNmVgM
側近が滑ったので
ハーピー色のバイブの刑に処す!


1には
っCCCC

795: 662(女):2012/11/10(土) 00:39:46 ID:UnOQWjueGw
側近のツッコミって何かセンスあるよねw
ってか獣人(骨折)はどうしたの?www
魔王には
つ茨の鞭

1には
つ支援&針入りおはぎ

796: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 01:59:06 ID:sO.j3XTpmo
側近がツッコミ珍しいwww
この輪に混ざってみたいわーw

魔王にこれあげる!
つ女勇者の写真

つC
797: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 04:33:00 ID:9ZMBJTs0O.
せがれいじりをやって欲しいとか言ってた奴です

なんか側近がすべった感じになってるwww
せがれいじり知ってる人なら爆笑ものだと思うんですけど

おんなのこはむけみが好きです
うーマンゴー!

ネーネードコイクノー?
CCCCCCC


798: 名無しさん@読者の声:2012/11/10(土) 19:05:09 ID:.qrYyG1Zbc
マッスルスパーク懐かしいw

なんか知らんがウォーズマンスマイルでパロ・スペシャルかけてる側近の姿が浮かんだw

(´∀`)つC
799: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/10(土) 23:40:32 ID:7RuR6mIcnA
>>793
滑ったって、俺は悪くねぇぞ……。
だって>>720が言ったんだ……そうだ、>>720がやれって!
こんな滑るなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろ!
俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!

マジで責任転嫁されてると思われて>>720さんが気に病んだらいけないので言っときますが、TOAネタ的な意味で言ってますからね。
せがれいじりを文字だけでどうこうするのは俺には荷が重すぎました。完敗です。33-4です。

>>794
ハーピー色のバイブってどんなんですか。側近は一体どんな刑に処されようとしてるんですか。
側近はただ滑っただけなんです。一体何が起ころうとしてるか存じませんが許してやってくれませんか。そんな事をしたら彼女のハーピーだって悲しみます。
……彼女がハーピー……俺は彼女いない……くそっ!やっぱりやっちゃってください!

>>795
獣人はもう息してないんですよ……夜空のどこかで瞬いてることでしょう。
真面目に言うと、返レス的には今夜が山でも本編的には無関係なのでピンピンしてますよ。小話に出る可能性もゼロじゃない……かも?
ていうか俺も返レス的には、背負い投げからの腕十字で骨折られたり、盗撮疑惑で捕まって逃亡してる身ですからね。散々な目に遭ってますよ。
今だって、ほら……おはぎに針入ってますもん。血まみれですよ。タバスコなんて代物じゃあ決してないですよ。

魔王「女の子からならご褒美です!ありがとうございます!」
側近「茨の鞭でも?」
魔王「茨の鞭でも!」
800: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/10(土) 23:41:34 ID:7RuR6mIcnA
>>796
側近がツッコミの時ってのは、前作のディノブリーダー編だったり、女性に関する発言してる時の魔王様に対してくらいですよね。
普段は魔王様をいじってて、そのいじりがボケみたいになってるから自然と魔王様がツッコミ担当になってますよね。

魔王「女勇者ちゃんの写真、ありがとうございます!女勇者ちゃんは写真でも可愛いなあ!」
魔王「枕の下に置いといたら女勇者ちゃんの夢見れるかな!?鞭も一緒に置いといたらいじめてもらえる夢を見れるかな!?」

>>797
先ほども言いましたけど、文字の羅列だけでどうにか表現できるゲームではなかったです。
もうね、触るな危険レベルです。俺にはもうどうしようもないです。
こいつはもう実際にやってもらってどうにか感じとってもらうしかないですよ。
俺実際にやりながら書きましたけど、もう世界観に圧倒されてましたからね。もう本当……俺何回「もう」って言いました?

>>798
側近「パロ・スペシャルですか。いいですね。今後機会があれば魔王様にかけましょうか」
魔王「アワワ……」


……今回の返レスで滑るのがどうこうって話をしましたが。
実際に一番滑ってんの>>792これじゃないかなって思います。
でも本当にこんな夢見たんだもん。俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!
801: :2012/11/10(土) 23:42:37 ID:7RuR6mIcnA
四人の出会い

一年半前。魔界と人間界が絶賛戦争中だった頃のお話。
魔王討伐に向かった勇者達は、魔王の奇術の前に次々と戦闘力を封じられ、全員が命からがら王都に戻ってきた。
ただやられるだけでなく、力も封じられる。勇者達もその詳細を詳しく話そうとはしない。
続く敗北に謎の弱体化も重なり、民の不安は日に日に増していった。
対照的に勇者を志す者は日に日に減っていったが、歴代勇者達の末路を思えばそれも止む無しと言えよう。
戦う力を、これまでの努力の形を無かったことにされるとあっては、その座に就くのを恐れるのも仕方ないだろう。
そんな中で、厳しい現状に立ち向かって勇者を目指す女性がいた。
802: :2012/11/10(土) 23:43:20 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「勇者を目指して王都に来たのはいいけど……」

女勇者「やっぱり王都って都会だなあ!田舎とはわけが違うよ!」

(何だ、あの美女……)(あの人が彼女だったら……)「うっ!……ふぅ」

女勇者「……何か皆の視線が突き刺さってる。そんなに田舎者っぽいかなあ……」

女勇者「まあいいや。田舎者が勇者目指してもいいじゃない!女が勇者目指してもいいじゃない!」

女勇者「私がこの世界を変えていくのよ!行こう!」
803: :2012/11/10(土) 23:44:36 ID:7RuR6mIcnA
大臣「王様、勇者になりたいという者が訪れてますが」

王「おお、それは助かる!魔王に連戦連敗の現状、自分までもがやられるのを恐れて志望者が激減しておるからの」

王「早急に次なる勇者を定めなければ、魔王達に攻め込まれるかもしれん。それでは人間界は終わりじゃ」

王「大臣よ、その者を通すのじゃ。勇者の素質があるか、至急調べ上げるのじゃ!」

大臣「王様、本当にその者を通し、勇者選定を受けさせていいのですか?」

王「当たり前じゃ。何を渋ることがある?」

大臣「それが……今回の志望者は女性が一人でして」

王「女性!?女性が勇者を志望して来ておるのか!?」

大臣「果たして女性に勇者が務まるのかどうか……」

王「……とりあえず通してみようではないか」
804: :2012/11/10(土) 23:45:54 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「え、えっと……勇者を目指しています、女勇者です!この世界を救えるような偉大な勇者になりたいと思ってます!」

王「な、なんと美しい……容姿は当然のように整い、肌は珠の如し、髪は優雅に舞い、体型も実に艶めかしい……」

女王「……あなた?」

王「ごほんごほんっ!……娘よ、その心意気は買うが、勇者は誰もがなれる職ではない」

王「悪しき暴力に立ち向かう力、力や地位に溺れぬ清らかな心、困難を前にしても決して折れぬ心身の強さが必要じゃ」

王「王家にはそういった勇者の素質を持つ者を選定する術がある。これを突破しないことには勇者の道は開けぬぞ」

王「仮に勇者として認められても、その道は長く険しい。そして何より魔王を倒さねばその先はない」

王「お主のような可憐な娘であれば、幸せの形など無数に存在するじゃろう。それでもこの道を選ぶか?」

女勇者「お心遣い感謝致します。ですが、私には描きたい世界の姿がございます」

女勇者「その理想の世界を目指して前進するだけです。選定を受けさせてください」

王「その目は世界の未来を映すか。大きな志をお持ちのようじゃの。しかし、それがお主に実現できると思うか?」

女勇者「試みのないところに、成功のあったためしはありません。私は、私が歩める一歩一歩を確実に踏みしめていくだけです」

王「……よかろう。しかし、選定の結果が芳しい物ではなかった場合は諦めてもらうぞ。人間界の未来がかかっておるからの」

女勇者「わかりました」
805: :2012/11/10(土) 23:46:47 ID:7RuR6mIcnA
大臣「……王様!この者には確かな勇者の素質がございます!」

王「何と!本当か!?」

女勇者「わ、私……勇者になれるんですか?」

王「……お主がその気であればな」

女勇者「や……やったー!私、勇者になれたんだ!」

女勇者「……あっ!す、すみません!はしたないところをお見せしてしまって!」

王「構わぬ。大きな目標を達成出来たんじゃ。喜ぶのは当然じゃろう」

王「……本当に可愛いのう」ボソッ

女王「あなた?」

王「ごほんごほんっ!げほっ、おえっ!……とにかく、新しい勇者の誕生じゃ!」

王「女勇者よ、知っての通り、人間界は今魔王に敗北を繰り返しておる」

王「何人もの、何十人もの勇者の力を封じられ、戦力は落ちるばかりじゃ」

王「そうして民は絶望に染まり、人間界の未来は緩やかにでも漆黒へと向かおうとしておる」

王「この負の連鎖を断てるかはお主の双肩にかかっておる!そなたの力で、人間界を蘇らせてくれ!」

女勇者「わかりました!私にできる全てを発揮して、世界に輝きを取り戻してみせます!」
806: :2012/11/10(土) 23:47:33 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「そうときまれば早速旅に……」

王「待つが良い、女勇者よ。いくらそなたが希望に満ちた勇者と言えど、一人で生き抜けるほど甘い世界ではない」

王「我が城が誇る兵を何人かつかせよう。魔王討伐に存分に役立ててほしい」

大臣「王様!王様!」

王「なんじゃ?そんな大声を出して」

大臣「今回の勇者は女性です。加えて、かなり美しい」

王「それがどうしたと言うのじゃ?」

大臣「……我が城の兵士が女勇者に恋でもしたら、ややこしいことになるのでは?」

王「……」

大臣「あんな美しい女性と長らく苦楽を共にするのです。恋愛感情が芽生えても不思議ではありません」

大臣「そうしてメンバー内で女勇者の取り合いのような展開にでもなれば、亀裂は免れないかと……」

王「……我が城に女性の兵士はおらんのか?」

大臣「残念ながら一人も……」

王「……どうすればいいんじゃ?」
807: :2012/11/10(土) 23:48:08 ID:7RuR6mIcnA
王「ええい、それでは兵を駆使して戦える女性を探してくるのじゃ!同性との旅なら問題あるまい!」

大臣「し、しかし強い女性がそう簡単に見つかるとはとても……」

王「そんな悠長なことを言う暇はないのじゃ!無茶は理解しておるが、それでも行動せねばならんのじゃ!」

大臣「わ、わかりました。とりあえず兵を使って探させてみます」

女勇者「あの……何か問題がありましたか?私はどうすれば……」

王「すまぬな。もう少しだけ出発は待ってほしいのじゃ」

女勇者「わ、わかりました」

こうして急遽女勇者の仲間が務まる強い女性探しが始まった。
808: :2012/11/10(土) 23:49:23 ID:7RuR6mIcnA
王都のとある酒場。

兵「情報によれば、この酒場でよく飲んでると……あの女性か?」

女戦士「あ〜あ、もっと飲みてえなあ、くそったれ……」

兵「言葉は荒いが、かなりの美女じゃないか!本当に強いのか?……ちょっといいか?」

女戦士「ああ?誰だよ、おめえはよ」

兵「強い女性がいると聞いて来たんだが……女戦士っていうのはお前で間違いないか?」

女戦士「ああ、そうだよ!女戦士さんその人だよ!仕事もなくって平日の昼間からこれだよ、くっそー!」

兵「戦士として護衛等をしていると聞いてるが、そういった仕事は?」

女戦士「駄目駄目、てんで駄目でやんの。私が女だからよ、護衛とか出来るんかどうか信用ならねえんだとよ!」

兵「そうなのか……え、じゃあ酒代とかはどうしてるんだ?」

女戦士「マスターが私好きみたいで奢ってくれんだよ。私みたいなデブの男女が好きとか、物好きもいたもんだよwww」

兵(いや……スタイル抜群の美女だから普通に納得なんだが)

女戦士「まあそんな状況だからよ、たくさんは飲めないんだよな。あーあ、世知辛い世の中だぜ……」

女戦士「で、おたくは何者なんだよ?奢ってくれんの?」

兵「……王様より直々の依頼があって来たんだ。新しい勇者様の魔王討伐の旅に参加してほしい」
809: :2012/11/10(土) 23:50:33 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「王様直々!?勇者の仲間!?何それ、儲け話っぽいじゃん!乗る乗る!」

兵「その前にお前の実力を計らせてほしい。戦士業もままならないのに、どうして強いと噂になってるのか、確かめんことには依頼もできん」

女戦士「いいぜ。こっちも生活がかかってるしな。安心しろ、強いのはお酒っていうオチはねえよ」

兵「しかしどう強さを証明する?実際に戦ってでもして女性に怪我を負わせたくはない」

女戦士「紳士だねえ、お兄さん。私的に言わせてもらえばカルーアミルクのように甘いだけだけどよ」

女戦士「……こいつなら問題ねえだろ?」スッ

兵「……腕相撲か。言っておくが、俺も城の兵士の中では上位だぞ?」

女戦士「御託はいいんだよ。これから先は力で語るとしようぜ」



兵「ぐうっ!はあ……はあ……!」

女戦士「わりい、加減出来なかったわ!折れちゃいねえよな?」

女戦士「で、仕事の話だが……これなら文句ねえよな?」ニヤリ

兵(この力なら……新しい勇者様の支えとなるかもしれん!)
810: :2012/11/10(土) 23:51:28 ID:7RuR6mIcnA
時同じくして王都のとある教会。

兵2「こちらに補助・回復魔法に長けた女性がいると聞いて来たんだが……」

女僧侶「あ、恐らくそれは私のことだと思います」

兵2「……」

女僧侶「自慢できるほど長けているわけではありませんが、基本的な魔法学は修めましたので、僅かでも助力はできると思います」

兵2「……」

女僧侶「……あの、どうされましたか?お具合悪いのですか?」

兵2「あっ、いや、すまない……あまりにも綺麗で、つい見とれてしまって……」

女僧侶「え?そ、そんな、私はそんな褒められるような容姿ではないですよ」

女僧侶「でも……お世辞でも嬉しかったです。ありがとうございます」

兵2「い、いやお世辞なんかじゃないって……やばい、好みすぎて俺がやばい……」

兵2「違う違う!とにかく、お前で合ってるんだな!?王様からの直々の依頼があるんだ」

女僧侶「王様から直々にですか!?どうして私なんかに……」

兵2「我々は今、戦闘で力となれる女性を探している。補助・回復魔法に長けているのであれば、新しい勇者様の力になれるだろう」

女僧侶「勇者様?依頼ってもしかして……」

兵2「ああ。勇者様と同行し、魔王討伐を成し遂げてほしい」

女僧侶「そのような大役を私に……」
811: :2012/11/10(土) 23:52:35 ID:7RuR6mIcnA
兵2「だからこそ、実力が本物か計らねばならない。お前が勇者様と同行するに値するか……調べさせてもらう」

女僧侶「魔界の悪意に蝕まれ、混乱に染まりつつある人間界……」

女僧侶「そんな人間界を救う力に私がなれるのであれば、断る道理はありません。是非とも調べてみてください」

兵2「では……ぐっ!」ザクッ

女僧侶「えっ!?ご自身を斬りつけるなんて、一体何を!?」

兵2「くっ……お前の回復魔法が本物なら、これくらい回復できるだろう!」

女僧侶「回復魔法の性能を試すのであれば、私を斬ればよかったのに、どうして!」

兵2「俺が嫌なんだよ!こんな綺麗な女性を斬るとか……とにかく、回復してみせろ!これが出来なきゃ依頼は無しだと思え!」

女僧侶「わかりました……人間界のために、そしてあなたを救うためにも頑張ります!」



女僧侶「よかった……完全に治りましたね」

兵2「……」

兵2(正直この人が好きで仕方なかったから……魔王討伐の旅で危険な目に遭ってほしくなかったから、完全回復しないように深く斬ったんだが……)

兵2(ある程度回復してもらったら後は自然に治るのを待つつもりだったが……これは凄い魔法の才能だな)

兵2(個人的には危険な目に遭ってほしくないけど、正直この魔法は魔王討伐に必要不可欠かもしれない……)
812: :2012/11/10(土) 23:53:43 ID:7RuR6mIcnA
更に時同じくして王都のとある家。

兵3「この家か……すみませーん」

女魔法使い母「はいはーい。あら、お城の兵士さん?どうされました?」

兵3「えっと、今我々は戦闘できる女性を探してるのだが」

兵3「こちらに魔法学に長けた女性がいるという噂を聞いてやってきた。お前がそうか?」

女魔母「ああ、いやそれは娘のことですねー」

兵3「娘!?え、お前、母親なのか!?何歳だよ!?」

女魔母「もう、女性に歳を聞くのは駄目ですよ!でも、四捨五入したら四十とだけ言っておきますね、うふふ」

兵3「全然見えない……普通に若くて綺麗だが……」

女魔母「あら、お城の兵士さんはレディの扱いはちゃんとしてますね。私嬉しい!」

女魔母「娘に用があるんでしたね。どうぞ入ってください」

兵3「はあ、失礼する」

兵3(母親がこれか……娘も相当綺麗なんじゃないだろうか)
813: :2012/11/10(土) 23:54:50 ID:7RuR6mIcnA
女魔母「入るわよー。お城の兵士さんがあんたに用事あるんだって」

女魔法使い「……」

兵3「……」

女魔母「どうです?うちの娘は可愛いでしょう?」

兵3(かわええええええ!!何だこの可愛い生き物!?今すぐ抱きしめてえええええ!!)

女魔母「……兵士さん?どうしました?」

兵3「っ!すまない、ボーっとしてた。……お前の魔法が凄いという噂を聞いてきた」

兵3「我々は今強い女性を探している。新しい勇者様の仲間として旅に同伴してほしんだ」

兵3「これは王様直々の依頼であり、お前が本当に凄い魔法使いであるなら是非とも依頼を受けてほしい。いいか?」

女魔法使い「……」

兵3「ど、どうした?いいのか?悪いのか?」

女魔母「ああ、すみませんね。この子、誰かと話すのが苦手なんですよ」

女魔母「ちょっと通訳いれるんで待っててもらえます?」

兵3「はあ……わかった」

女魔母「……」ゴニョゴニョ

女魔法使い「……」ゴニョゴニョ

女魔母「えっとですね、本当に私なんかでいいんですかって言ってます。いいですよねえ?」

兵3「いや、できれば実力を示してほしいとは思ってる。誰かれ構わず依頼できるほど余裕ある状況ではないんでな」

女魔母「あれま、そうなんですか」
814: :2012/11/10(土) 23:55:39 ID:7RuR6mIcnA
女魔母「でも大丈夫ですよ!うちの子凄いんですから!」

女魔母「お金がなくって魔法学の街の学校には入れなかったんですけど」

女魔母「独学でちゃんといろんな魔法を覚えたんですよ!」

女魔母「そんな魔法で皆の力になりたいと願っているんです!絶対に王様の期待に応えられますよ!」

女魔母「ねっ!大丈夫よね!」

女魔法使い「……」

女魔母「大丈夫だって!今まで凄い頑張ってきたじゃない!」

女魔母「これだけたくさんの魔道書をしっかりと勉強したんでしょ?いけるって!」

女魔母「旅に出ても大丈夫!えっと……この、ゼーくん?の世話も私がちゃんとしてあげるから!」

女魔母「いけるいける!大丈夫!自信を持って!ほら、レッツゴー!」

女魔母「大丈夫みたいです。この子が力になれるかどうか、試してみてください!」

兵3「本当か!?お前が一人で喋ってただけのような気がするが!?」

女魔母「本当ですって!とりあえず家の中で魔法出されたら困るので、外に出ましょう」
815: :2012/11/10(土) 23:56:32 ID:7RuR6mIcnA
兵3「外に出て、王都の外まで出た。これなら攻撃魔法に民を巻き込んでしまう恐れもないな」

兵3「さあ、お前の力が魔王討伐に役立つものかどうか、示してみせろ!」

女魔母「いきなさい!れいとうビームよ!」

兵3「いや、ポケモンバトルじゃないんだから……」

女魔法使い「……」フブキビュービュー

兵3「っ!」

女魔法使い「……」ファイヤーグワー

女魔法使い「……」オミズドビャビャー

女魔法使い「……」サンダーバリバリ

女魔法使い「……」ドウデスカ?

女魔母「ね?ね?うちの子は凄いでしょ!?」

兵3「……ああ、そうだな」

兵3(攻撃魔法の種類は豊富で、いずれも質が高い!独学でここまで強い魔法を繰り出すか!)

兵3(この魔法があれば、魔王を打ち破る大いなる力になるかもしれない……!)
816: :2012/11/10(土) 23:57:40 ID:7RuR6mIcnA
大臣「王様、報告致します!勇者の仲間が務まるような強い女性が三人ほど見つかったようです!」

王「そうか。それでは女勇者はその三人と組んで、魔王討伐の旅に出るのじゃ!」

女勇者「わかりました。必ずや人間界に……世界に平和をもたらしてみせます!」

大臣「それでは三人をここに連れてきます」



女勇者「え、えっと、よろしく……」

女戦士「お、おおう……こっちこそよろしく……」

女僧侶「よ、よろしくお願いします……」

女魔法使い「……」

四人(ど、どうしよう……私以外皆美人だ!)

女勇者(えええ!?何これ!?何で皆綺麗なの!?私これ晒し者じゃない!)

女戦士(仲間二人もそうだけど何より勇者綺麗すぎだろ!ブス私だけって、どういう状況だ、これ!)

女僧侶(皆さん綺麗なのに私だけは……嫉妬してしまいそうです)

女魔法使い(私だけ汚くて恥ずかしい……助けて、お母さん……助けて、ゼーくん……)

大臣「……強い女性を集めたはずなのに、なぜこうも美女だらけになってるんでしょう?」

王「……絶景じゃのう」

女王「あなた?」

王「ごほんごほんっ!ごほっ!ごっほ!」
817: :2012/11/10(土) 23:58:54 ID:7RuR6mIcnA
王「一時はどうなるかと思ったが、これで魔王討伐の戦力は集まったと言えるじゃろう」

王「さあ、女勇者よ!魔王を打ち倒すべく旅に出るのじゃ!」

王「魔王を打ち倒すこと、そして皆が無事に帰ってくることを願っておる!」

女勇者「はい!それでは行って参ります!」



女勇者「……というわけで、これから四人で頑張ろうね!」

女戦士「今度の勇者は女かよ。しかも美女。あーあ、同じ女としてやんなっちゃうぜ」

女勇者「むっ……それ、あなたが言ったら嫌味にしかならないよ」

女戦士「いやいや、嫌味はどっちだよ。鏡見たことあんのか、お前?」

女勇者「その言葉、そっくりそのまま返すよ!田舎者だと思って馬鹿にしちゃって!」

女僧侶「まあまあ、これから仲間として旅するんですから、仲良くしましょうよ」

女僧侶「とりあえずまずは自己紹介でもしてみませんか?いつまでもお互いの名前がわからないままでは呼ぶこともできません」

女戦士「そだなー。そんじゃまあ女性勇者様からいってみよっか」

女勇者「私から?えー、緊張するよ……」

女戦士「そう言うなよ。お前は勇者なんだから、このメンバーのリーダーみたいなもんだろ?先陣切っていけよ」

女勇者「わかったよ……」
818: :2012/11/11(日) 00:00:41 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「私は女勇者っていいます。勇者目指して王都にやってきました」

女僧侶「王都にお住まいの方じゃないんですか」

女勇者「うん。私の故郷はド田舎だよ」

女勇者「今は人間界と魔界で争ってるけど、田舎すぎるせいか、全然争いとは関係ない毎日を過ごしててね」

女僧侶「平和なことはいいことですよね」

女勇者「本当にそれよ。皆が互いを想って、笑い合いながら生きてるんだよ」

女勇者「そんな平和を堪能する中で、私の中では悲しみもあった。この世界は今人間界と魔界が争ってて、確かに傷つく人や魔物がいる」

女勇者「言葉を交えることができるなら、想いが通じ合うなら、この村のように協力し合って笑い合って生きていくこともできるだろうにどうしてって思って」

女勇者「その想いはやがて、自分が世界を変えたいという願いに変わってった。それを決意してからは、勇者になれるよう頑張ったんだ」

女勇者「そうして今日という日を迎えることができた。私は世界平和のために頑張るよ!」

女勇者「田舎者の女が抱くにはでかい野望かもしれないけど、私は真剣だからあんまり笑わないでね」

女僧侶「笑いませんよ。すごく立派な考えじゃないですか」

女戦士「……立派な勇者なんだな。なんか変に突っかかってごめんな」

女勇者「え?い、いや、私の方こそごめんね。私もムキになっちゃったよ」
819: :2012/11/11(日) 00:01:59 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「さてと!そんじゃ次は私といこうかい!」

女勇者「……思ったんだけどさ。その言葉遣い直した方がいいよ」

女戦士「まあまあ、そう言うなよ。楽なんだよ、これ」

女戦士「私は女戦士っていうんだ。これまでは護衛の依頼ゼロな戦士をやってたぜ」

女戦士「好きなもんは酒と肉!自信があんのは力!そんな私だ、よろしく頼むぜ!」

女勇者「……女性に言うことじゃないかもしれないけど、すごい男らしい自己紹介だったね」

女戦士「男女とは私のことよ!あははははwww」

女僧侶「確かに性格は男性らしい部分もありますね……」

女戦士「いやいや、見た目だって男だろ?がははははwww」

女勇者(ああ、この人は自分の美貌がいまいち理解できてないんだ。勿体無い……)

女勇者(格好もお洒落じゃないし……私がコーディネートしてあげたらどれだけ綺麗になるんだろう……)

女戦士「んだよ?じろじろ見ちゃってよー。何かついてるか?」

女勇者「いや、そういうことじゃないよ。気にしないで」

女戦士「あっそう。私も女勇者と一緒で田舎の出身だよ。田舎者同士仲良くやろうぜwww」

女勇者「ああ、うん。よろしくね!」
820: :2012/11/11(日) 00:03:21 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「さーて、次は黒髪美人いってみようか!」

女僧侶「……え?私を指しての発言ですか?そんな、黒髪美人だなんて……女勇者さんの方が髪も容姿も綺麗で……」

女勇者「ええ!?そ、そんな、あなたの方が綺麗だよ!本当に素敵な髪……サラサラで羨ましい……」

女戦士「あーもう、美人同士の謙遜合戦はいいんだよ!自己紹介いけ!」

女僧侶「す、すみません……謙遜なんかじゃないですよ」

女戦士「自己紹介!!」

女僧侶「す、すみません!えっと、私は女僧侶と申します」

女僧侶「普段は教会で神に仕えています。今回の旅では補助魔法や回復魔法で女勇者さんの力になれればと思っています」

女勇者「……なんていうか、大人の女性だよね。憧れちゃうよ」

女戦士「野郎はこういう大和撫子にキュンキュンするんだろうな、きっと」

女僧侶「もう、おだてたって何も出ませんよ」

女勇者「何て言うか、私達とは空気が違うもんね」

女戦士「なー。めっちゃ上品だしさあ。絶対王都出身だぜ」

女僧侶「た、確かに王都出身ですけど……何かお二人仲良くなりましたね」

女戦士「田舎の繋がりなめんじゃねえよ!なあ、女勇者!」

女勇者「そうだよね。田舎の絆は半端ないよ!」

女戦士「……でも女勇者って田舎者の割にめっちゃお洒落だよな」

女勇者「え?うん。身だしなみには気を付けてるから。顔で勝負できない分は格好でカバー、なんてね」

女戦士「喧嘩売ってんのか、てめえ!どの面さげて言ってんだ、ああ!?」

女勇者「ええっ!?」

女僧侶「田舎の絆どこ行っちゃったんですか……」
821: :2012/11/11(日) 00:04:43 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「くそ、思わぬ裏切りにあっちまったぜ……ラストお前な」

女魔法使い「……」オドオド

女戦士「……いや、お前て。自己紹介」

女魔法使い「……」オドオド

女戦士「もしもーし!聞こえてますかー!?自己紹介お願いしまーす!」

女魔法使い「っ!」ビクゥッ!

女魔法使い「……」ポロポロ

女戦士「っ!?」

女僧侶「だ、大丈夫ですか!?」

女戦士「え、何で泣いて……え、何で……?」

女勇者「女戦士が急に怒鳴ったから怖かったんだよ!謝りなよ!」

女戦士「ええ!?ご、ごめんな。そんな責めるつもりはなくって……」



女僧侶「……私に耳打ちしてくれた情報をまとめますよ。いいですね?」

女魔法使い「……」コクコク

女僧侶「えっと……名前は女魔法使いさんというみたいです。王都出身で、独学で魔法を学んだそうです」

女僧侶「喋るのが極端に苦手で、できて耳打ちくらいだそうです。皆さんが話しかける時は、できれば、はい・いいえで応えられるように話しかけてほしいと」

女僧侶「そうすれば、首を縦や横に振ることで意思表示はできる……ということらしいです。そうですよね?」

女魔法使い「……」コクコク
822: :2012/11/11(日) 00:05:51 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「めんどくせえなあ……ちょちょいと喋るくらいできるだろ……」

女勇者「文句言わないの。皆が皆あんたみたいに単純な生き物じゃないの」

女戦士「会って間もないのに単純な生き物とか言われてんだけど!?いや、合ってっけどさあ!」

女勇者「ははは、なんか女戦士ってわかりやすいもん」

女僧侶「ふふ、そうですね」

女戦士「何だよ、女僧侶まで!」

女勇者「……何だか一気に仲良くなれた気がするね」

女戦士「そうだな。なんだかんだ私達良いパーティなのかもな!」

女勇者「何だか魔王討伐もいけそうな気がしてきたよ!」

女僧侶「そうですね。お互いを仲間として認めあえたところで、そろそろ王都を発つとしますか」

女勇者「そうだね。よし、私達四人で、絶対に魔王を倒そう!」

女戦士「よっしゃあ!行くかあ!」

女魔法使い「……」ガンバロー!
823: :2012/11/11(日) 00:06:45 ID:7RuR6mIcnA
強魔物1「なあ……魔王様から、新しい勇者が王都から出てきたら街に追い返せって命令されてからけっこう経つよな」

強魔物2「ああ」

強魔物1「……勇者、全然出てこなくね?」

強魔物2「魔王様がたくさんの勇者の力を封印したから、びびって勇者やりたがる奴がいないんだと」

強魔物1「暇だなあ……」

強魔物2「ああ……」

強魔物1「……ん?あれ……勇者じゃね!?」

強魔物2「え?どれどれ?」

強魔物1「あれあれ!」

強魔物2「あれ……全員女の子じゃね?」

強魔物1「うわ、皆綺麗じゃん!俺、髪短いあの活発そうな子!」

強魔物2「俺は……長い黒髪のあのお嬢さんだな」

強魔物1「好みが被らなくてよかったな……じゃなくて!どうすんだよ!?」

強魔物2「魔王様って、女の勇者に来てほしかったんだろ?じゃあスルーした方がいいんじゃない?」

強魔物1「そうだな……スルーしとこう」

こうして女勇者達は出会い、四人の冒険は始まったのだった。
824: :2012/11/11(日) 00:08:52 ID:7RuR6mIcnA
その冒険の中で四人は様々な出来事と対面していった。


女戦士「やだやだ!絶対お酒飲むんだ!」

女勇者「我慢しなさい!それじゃあ新しい武器買えないでしょ!」

女僧侶「……この二人の喧嘩もだいぶ見慣れましたね」

女魔法使い「……」ウンウン


女勇者「えっと……次の目的地はどこにする?」

女魔法使い「……工学の街、とか……どう?」オソルオソル

女勇者「っ!?女魔法使いが……」

女戦士「普通に喋ったあ!?……よくやった!よく頑張ったな、女魔法使い!」ポロポロ

女魔法使い「皆は信頼出来るから……勇気出せた……皆のおかげ……」

女勇者「っ!!」ブワッ

女僧侶「普通に喋っただけなんですけどね。ああ、二人とも感動で泣いてますね……」


女戦士「見て見て、変な兜見っけたwww」

女勇者「ボロボロじゃない。汚いし……よくそんなの被れるわね」

女勇者「防具としても役に立ちそうにないわね。もう外しときなさいよ」

女戦士「はーい。……いててて!えっ!?外れない!」

女僧侶「もしかして……ああ、呪われてますね、その兜」

女戦士「呪われてる!?え?わ、私……死ぬん?死にたくないよぉ……」ポロポロ

女僧侶「仕方ないですね……呪術師の方を探しましょう」

女勇者「もー……この女は本当にトラブル起こすわね……」
825: :2012/11/11(日) 00:10:00 ID:7RuR6mIcnA
女魔法使い「っ!っ!!」ポロポロ

女戦士「マジごめん!そんななるとは思ってなくって!」

女勇者「何の騒ぎ!?何で女魔法使い泣いてるの!?」

女僧侶「あ、女勇者さん。女戦士さんがですね、女魔法使いさんを騙して激辛料理食べさせたんですよ。それでこうなりまして」

女勇者「女戦士ー!」

女戦士「ご、ごめんなさーい!」


女戦士「女勇者ってお洒落な割に男に興味ないんだよな」

女勇者「興味ないっていうか……恋愛ってやつがよくわからないの」

女戦士「お前の彼氏はどんな奴なんだろうな……」

女勇者「ずっと一人かもしれないよ?お互いにね」

女戦士「私もかよ!」


女戦士「いつから……そこにいた?」

女勇者「えっと……そこの、その服着たとこから」

女戦士「最初からじゃねえかよおおおおお!!ちくしょおおおお!!」ポロポロ
826: :2012/11/11(日) 00:11:18 ID:7RuR6mIcnA
様々な日々を越えていく中で、四人の絆は揺るがないものとなった。
そんな四人の冒険は順調に進んで行き、魔界への侵入を果たし、そしてとうとう最終地へと辿り着いた。
そして四人は、そこからとある男性二人と出会いを果たすこととなる。

女勇者「追い詰めたわよ、魔王!」ドアバーンッ

魔王「」

側近「」

……後は、皆さんも知っての通りの展開になっていくのである。
827: :2012/11/11(日) 00:14:23 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

書き溜めマジやばいwww
とりあえず書いときたい小話はいくつかありますけど、とにかく書き溜めがやばいです。
もしかしたら明日明後日の更新はないかもしれません。
とにかく書き溜めがないです。こいつぁ一体どうしたものか。

今回の更新のまとめです。長いのでわけておきます。
四人の出会い>>801-807>>808-816>>817-826
828: 名無しさん@読者の声:2012/11/11(日) 00:25:04 ID:HZWQXcGV/Y
城内はみんなエロ親父www
兵士達には心の鍛錬も必要だと思います
あ、王様がエロいから無理か

あと女王様のコメントが「あなた?」しかないおw


久々に見た抜くやつにはつっこんであげない
つC

829: 名無しさん@読者の声:2012/11/11(日) 10:51:15 ID:UnOQWjueGw
魔王って…いじめられるなら女性なら誰でもいいの?
細木数子みたいなのでも?
つ支援

>>1には
つ便座カバー
830: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/11(日) 17:31:39 ID:7RuR6mIcnA
>>828
でもね、考えてみてほしいんですよ。
女勇者パーティがどれほど綺麗か知ってます?絵スレで1さんが四人共描いてくれたことあるんですけど、半端ないですよ。
あんなねえ、綺麗な女性が揃えばですねえ、そりゃ男性としては意識せざるを得ないと思うんですよ。
王様は……魔王様の女王様評ってこんななんですよ。http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/178
こんな綺麗な女性を射止めたリア充でありながら女勇者達に興味津々とか、爆発すればいいと思います。それかパン職人になるとか。

>>829
魔王「いじめてもらうのは……正直に言うと、綺麗な女の子がいい……」
魔王「で、でも!俺は年齢や容姿で女性を差別したりはしないよ!」
魔王「俺の意見を尊重してくれるなら、若くて綺麗な女の子にいじめられたいけど……たとえば細木さんがどうしても俺をいじめたいって言うならそれに付き合います」
魔王「年齢や容姿は人それぞれだし、そこから好みも色々あるけど……どんな女性でも俺は大切にするよ!どんな女性でも俺は味方するよ!それだけは誓うよ!」

1「便座カバーありがとうございます」
1「……え?何で便座カバー?」


すみません、今日は更新無しです。
831: 名無しさん@読者の声:2012/11/11(日) 23:22:17 ID:HZWQXcGV/Y
べっ、別に楽しみになんかしてねえからいいし…

だから書き溜めがいっぱい溜まるまで待ってやるし…

無理して体調崩すよりゆっくり書き溜めしてこいし…

はぁ?心配とかしてねえし、ふざけんな

つ毛布
つビタミン剤
つ精力剤
つ拷問器具
832: 名無しさん@読者の声:2012/11/12(月) 01:09:40 ID:UnOQWjueGw
もうひとつ。
魔王が一番好きな男は?w

つ支援
>>1には
つ布団カバー&枕カバー&シーツ
寝るのには充分だと思うよ♪
833: 名無しさん@読者の声:2012/11/12(月) 21:53:36 ID:oUrZxx2jaQ
1位おめでとー!!
いつもイカ明太じゃ申し訳ないので

っスルメ
834: 名無しさん@読者の声:2012/11/12(月) 22:59:03 ID:9ZMBJTs0O.
一位おめです!

前スレで太子と妹子だとか芭蕉さんと曽良くんだとかいわれてたけど私的には閻魔大王と鬼男くんの方が似て…と思ったら大王弱かった


つあたりめ
つ枕カバー
つC


835: :2012/11/12(月) 23:38:20 ID:7RuR6mIcnA
>>833のレスでランキング結果を知りました。
一位本当にありがとうございます!
一位になることは当然難しいことなんですけど、それを続けて獲得するのも当然困難を極めます。
皆さんが支えてくれたり投票して下さるおかげで、本当に貴重な経験の中に居続けることが出来てます。お腹も当然のように痛いです。
ありがとうございます。繰り返します。ありがとうございます。マジで。
皆さんが支援や投票をしてくれるおかげで、この結果があります。一位にしてくださったのはもちろん皆さんのおかげですが。
無事に完結したのも、頑張って書こうって気持ちにしてくれるのも、全部皆さんのおかげです。
本編は既に終わってますが、一応は番外編が残っています。連続一位というすごい場所に導いてくれた皆さんのためにも、最後まで頑張ります。
この結果に恥じないように、投票してくれた皆さんに投票したことを後悔させないように、最後まで走ります。その瞬間までよろしくお願いします。

……真面目にこんなことを言った直後で申し訳ないですが、今日も更新ないです。ごめんなさい。
明日できたらいいなー。展開は一応考えてるのに文字になってくれないジレンマ。
一旦魔王様と側近の雑談に逃げるのもいいかもって真剣に思ったりしてます。
836: :2012/11/12(月) 23:39:51 ID:7RuR6mIcnA
>>831
ツンデレ風のレスありがとうございます。
こんなにたくさんの良い物を頂いて……あれ、拷問器具?
いや、だから俺は魔王様ほどの末期患者じゃないのに……どうしよう、これ……

>>832
魔王「好きな男?側近かな!」
龍人「即答かよ。普段あんな酷い目に遭わされてんのにか?」
魔王「まあ確かに意地悪は酷いけど……でも、なんだかんだで支えてくれるし味方してくれる最高の親友だよ!」
側近「……」
龍人「照れてんじゃねぇよバーカww」
側近「うるせえ。殺すぞ」

1「安眠セットありがとうございます。パトラッシュ、僕もう疲れたよ……」

>>833
ありがとうございます。龍人が好きそうなんで後で送っときます。
食べ物に関して、ちょっと言いたいことがあるんですけど、それはまあ明日の更新のまとめの時にでも。
……明日更新できるのかっていう悪寒。

>>834
ありがとうございます。
閻魔大王や鬼男に心当たりがないのでググってきました。
実は日和はアニメをいくつか見たことある程度の知識だったんですけど、ググった先ですごいの見ました。
あれ公式じゃないんだって完成度でした。半端ねえwww
マジで良い物がみれました。ありがとうございます。

先ほど書きましたがもう一度。今日も更新ないです。ごめんなさい。
837: 名無しさん@読者の声:2012/11/12(月) 23:47:19 ID:HZWQXcGV/Y
一位だからって調子乗るなよ?
俺らはこのスレが完結するまで一位にするつもりだから!

しかしこの>>1…ここにきて焦らしというテクニックを使いだすとは…
我慢出来ない…


つ我慢汁付きC
838: 名無しさん@読者の声:2012/11/13(火) 21:17:28 ID:5j15m2A/Rg
更新してよ、ぶぁーか!
魔王爆破しろ
839: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/13(火) 22:58:18 ID:7RuR6mIcnA
>>837
焦らしてるんじゃない!投下できないんだ!
とか言いつつ、何とかなったので、これから投下していきたいと思います。
ただ、これ投下すると、また書き溜めに関しては無一文です。どうしたもんでしょう。

支援は嬉しいんですけど、その汁拭き取ってから頂けませんか?

>>838
更新するよ、ぶぁーか!
魔王爆発しろ!リア充爆発しろ!
840: ちょっとグロいかも気をつけて:2012/11/13(火) 22:59:31 ID:7RuR6mIcnA
その瞬間、確かに産声を上げた俺ではあったが、未だに生まれてはいなかった。
それは誰からも望まれなかった命。父も世界も、そして自らも望んじゃいない代物。
何の意味も持たないままこの世に投げ出された俺の腐った生き様の始まりだった。
841: :2012/11/13(火) 23:00:59 ID:7RuR6mIcnA
父親は世界の頂点である。
本人から直接聞いたわけではないが、取り巻きの話を盗み聞く分にはこう結論付けることができた。
俺が出来る前は、魔法を得意とする一族が世界を牛耳っていたようだが、父親がそいつらを異世界へと追いやったらしい。
それからは父親の天下だ。実力的に民が反乱することも叶わないようで、自分の遊び場となった世界で好き放題やっていた。
適当に理由をつけて民を虐殺して遊び、綺麗な女は犯して遊び、子どもが出来たらめんどくさいから母体ごと殺す。
その過程で間違って出来たのが俺である。
子を宿したことを隠し、父親から逃れるように城を出て、俺を産んだ母親だったが、最終的には父親に見つかって殺された。
どうやら女に出し抜かれたという事実がプライドに触ったみたいで、殺さずにはいられなかったようだ。
その流れで俺も殺されるのかと思いきや、意外にも俺にはお咎め無しだった。
殺すとか殺さないとか、そんなことを考えるのも面倒なほど、俺という存在がどうでもよかったみたいだ。
842: 名無しさん@読者の声:2012/11/13(火) 23:01:20 ID:UnOQWjueGw
実際のところ、魔王と龍人はどんくらい力の差があるのか知りたい。
分数でお願いします
支援

1には
つパトラッシュが描かれた枕
843: :2012/11/13(火) 23:02:14 ID:7RuR6mIcnA
そんなわけで、俺は愛情という物を受け取ったことがない。
一応父親の住む城には引き取られたが、誰かが俺を育てるってことは決してなかった。
父親も、その取り巻きも、全てが俺を拒絶した。勝手に死んでもらおうって魂胆だったのだろう。あるいはその様を見て楽しむ気だったか。
俺は自力で生きていくしかなかった。
空腹なんかは虫とか食って誤魔化す。城の食糧なんか盗もうとした日には、取り巻きが俺をボコボコってオチだ。
弱い俺は、俺より弱い者の命を取り込むしかなかった。
言葉や文字を教えてくれる奴もいないから、その辺は独学でどうにかするしかない。
しかしこいつは一人で学ぶにはなかなか厄介な代物である。支障なく日常会話ができるまでけっこうな時間を費やした。
だから父親がどういう存在なのか知ったのも、実はけっこう遅かったりする。その頃には、俺のメニューは虫だけでなく動物も加わってた。
844: :2012/11/13(火) 23:03:49 ID:7RuR6mIcnA
ここまで生き残ったのは、周りにとって予想外だったらしい。そう言われたわけではないが、何となく雰囲気から読みとれる。
だがまあ、それだけである。俺という存在はひたすらどうでもいいみたいで、扱いは変わらなかった。
ただ、確かに変わった物があって、それは俺自身である。
ある程度知識がついてしまったガキっていうのは、くだらないことを考え出すもんであって、俺も例外ではなかったらしい。
この頃になると、自分の存在意義みたいなものばっか考えていた。
でも本当に生きてる意味がわからなかった。誰からも関与されず、虫や動物を食べて生き残り、それを繰り返すだけの日々。
自分が生きている意味がわからない。何故生きるのかわからない。生きるということが何なのかわからない。
何故俺は生まれたのだろう?何故俺は命を続けるのだろう?そんな考えても出やしない答えをひたすら求めて脳内に逃げ込んでいた。
845: :2012/11/13(火) 23:05:14 ID:7RuR6mIcnA
考えている中で、クモを見つけた。壁を素早く移動するそいつを見ながら、ふと思いつく。
父親が民を意味なく虐殺して遊んでいたように、俺もこいつを意味なく嬲り殺して遊んだらどうなるか試したくなった。
生命の維持から考えれば何の意味も持たない行動。しかし、父親はそれを繰り返している。
何でそんなことを繰り返すのか疑問に思っていた。思っただけでわからないならやってみればいい。
俺はクモを捕まえ、その手足を引き千切っていく。必死の抵抗を見せるが、こいつは俺から逃れる術を持たない。
無駄に多い手足を全てなくしてやった後、その体に少しずつ穴をあける。
そこから体液が絶え間なく流れていく。最期までもがき苦しんだクモは、やがてその命を無意味に終えた。
もはや動かなくなったそれを見て、俺の中で味わったことのない感情が生まれたのを俺は見逃さなかった。
846: :2012/11/13(火) 23:06:35 ID:7RuR6mIcnA
知らない感覚だったので、それが何なのかわかるまでに時間を要した。だが、わかってしまえば単純である。
楽しいのだ。俺の力を以て、弱者の命を意味もなく終わらせるのがたまらなく楽しかったのだ。
強いからこそ許される暴挙。無様に死んでいったクモを支配していたのは、間違いなく俺だ。
支配。破壊。暴力。惨殺。なるほど、父親がのめり込むのもわかる気がする。
誰かの一生に関与し、台無しにする。そんな誰かの無念が、憎悪が、俺に向かうことで、俺がこの世にいる証を感じることができる。
自然と笑みがこぼれた。この時、俺は、笑うということは口角を上げる動作を指すのではなく、楽しい時に自然におこる現象だということを学んだ。
そして人間と言う奴は、一度快感を覚えてしまうと、更なる高みを目指してみたくなることも同時に知った。
命を散らしたクモを見ながら、俺をこう思っていた。次はもっと大きな動物を殺してみたい、と。
その日はもう遅かったから実行は明日にすると決めた。眠るという行動に楽しみが生じたのも初めてのことだった。
847: :2012/11/13(火) 23:08:14 ID:7RuR6mIcnA
その辺で適当に捕まえた犬を殴る。蹴る。
打撃が通る度に悲痛な鳴き声を披露し、それが俺を快感で震わせた。
意味のない俺の気まぐれで苦しんでいる。俺が今、誰かの人生を汚している。壊している。
俺の行動が誰かに影響しているのが楽しくて仕方なかった。
弱った犬を踏みつけると、足を乱暴に掴んでへし折る。悲鳴が一つ。
その折れた足を乱暴に動かして、引き千切る。悲鳴が二つ。
千切った足を見てみるが、箇所が悪かったのか骨の断面くらいしか見えない。つまんねえな。
体を引き千切る力量はさすがに持ち合わせていない。仕方ない、こんな場面は人間の英知の出番だ。
都合良く見つけた鋭利な石を手に、犬の腹部へ振り下ろす。悲鳴が三つ。四つ。五つ。
中身が見えてくる頃には、鳴き声は止んでいた。それはそれで残念だが、代わりの光景が俺に更なる喜びを与えた。
裂け目から覗く血と肉に、苦痛や無念の表情のまま固まった顔。俺がこいつの命を支配し、壊してやった。やはり笑みは自然にこぼれる。
楽しい。楽しい。楽しい。
生きる上でこんなに楽しいことがあったなんて。間もなく俺は感動に打ち震えた。
少しだけ小賢しくなり、ずっとずっと考えていた謎。その謎に自分なりの答えを見出した瞬間である。

生きるとは、楽しむことだ。俺は今まで生まれてもなければ、生きてもいなかった。ただ、命を続けていただけ。
自分の命に意味を見出したこの日、俺はようやく生まれたのだった。
848: :2012/11/13(火) 23:09:21 ID:7RuR6mIcnA
生きる糧を見つけた俺が、次のステップに進むのは早かった。
もうこんな動物などでは満足できない。こんなのを壊したって喜びは小さい。
じゃあ何を壊そうか?決まっている。人だ。
俺の人生の中心は城で、世界の様子など知らないが、これだけは言える。人はこの世界の頂点だ。
そしてその人の中で頂点に立っているのが父親だ。
人なら、父親なら、言葉がわかる。つまり、俺が支配し、壊す最中で、どんな想いでいるのかが悲鳴を通して伝わる。
想像するだけでも快感で身震いする。その瞬間を体験してみてえ。
しかし、今の俺には無理難題である。城の食糧に手を出して、取り巻きにボコボコにされたことは忘れちゃいねえ。
今の俺ではまだ無理だ。連中を支配するには、俺が進化するしかねえ。
そう決めてからは、修行と称して自分を苦しめる日々を開始した。
849: :2012/11/13(火) 23:10:55 ID:7RuR6mIcnA
目的達成のために苦労するのには慣れてた。産声を上げてから今日まで、生きるために足掻いてきたのだから。
強くなるためのコツは書斎にあった。この城の連中は学ぶこととはかけ離れた生き物のようで、俺がここを勝手に使っても、お咎めはなかった。
使っていいならこっちのもんだ。こっちは自力で文字だって読めるようになっている。ならば、後は必要な情報を取り込むだけだ。
俺は筋肉というものや、魔力というものを学んだ。筋肉の鍛え方、魔力の出し方、その辺を調べて身に付けた。
どうやら俺は確かに父親の子どもらしくて、自分でも急激に強くなっていったのを感じた。
生きる糧を見出してからは定期的に動物を殺して遊んでいたのだが、最近では石とか何かなどの猪口才な小道具に頼らずともスムーズに殺せる。
この手で肉を貫くこともできるし、魔力によって燃やし殺すこともできる。少し前の俺とは別人だ。
人間の武器は英知にあるのだろうが、俺の武器はこの圧倒的な力だ。揺るがない自信を以て断言できる。
俺は支配者になるべく生まれた。これが俺の生きる意味だ。これが俺の存在意義だ。
自分の価値を見いだせる喜びの何と大きいことだろうか。
ひたすらに面倒でしかなかった生きるということも、生きる上では関係のない無意味な努力も、今では前向きに捉えられる。俺は今生きている。
850: :2012/11/13(火) 23:11:43 ID:7RuR6mIcnA
それからまたしばらく経って、俺の進化は完成した。少なくとも、俺自身はそう結論付けた。今が俺の最高のはずだ。
向こうから襲ってくるように俺は城の食糧を荒すことにした。こっちから襲ってもいいのだが、どうでもいい雑魚を懲らしめようとして返り討ちにあう屈辱、その表情が見てみたかった。
「貴様、そこで何をしている!それは王のための食糧だ!」
早速おいでなすった。その台詞は小さい時に聞いてる。
「……お前か。実の父に見捨てられた哀れなガキの」
わざわざ哀れなってつける辺り、悪口のつもりで言ってるのか。事実としか思わないから何も感じない。
「悪いなあ、王に歯向かう奴は痛めつけることになってんだよ。ここだけの話、あの糞野郎には苛立ってるからな。糞親の罪を被ってくれや」
そんなことをいいながら、指をぽきぽき鳴らして一歩、二歩、緩やかに接近してくる。
にやにやしながら、俺の頬にパンチを一つ。それを機に不愉快なにやけ面はようやく引っ込んだ。
「効いてない……?」
「弱いんだよ、おめえ!」
851: :2012/11/13(火) 23:13:11 ID:7RuR6mIcnA
そう叫ぶと同時に、俺はこいつの腹部に手を添え、ゼロ距離から魔力を放つ。
魔力放出の轟音と同時に、奴の背面からやけに長い変なのが飛び出した。書物で見たことあるな。大腸だっけか、小腸だっけか。あるいは両方か。
結局こいつの体は千切れて、上半身だけは派手に吹っ飛んだ。俺の足元で崩れた下半身は無視して、速足で上半身の方へと向かう。
「がっ!?げほっ!!あっ……ぐっ……!!」
一応まだ生きているらしい。すげえな、人間の底力ってやつはよ。
無様に転がるこいつの顔を覗く。そこには苦痛が、混乱が、屈辱が、恐怖が映っていた。
その瞬間、虫や動物なんかじゃ味わえなかった快感が全身を走った。
比べ物にならねえ。これが人間を支配し、壊すこと……!
もっと完全に壊したい。その想いに駆られた俺は、必要以上に足を上げると、勢いよくそいつの顔を踏みつぶした。
両の目が左右に飛んでいき、脳味噌の花が咲いた。これはこれでいいのだが、やらかしてから俺は後悔した。
「……しまった。これじゃあ苦痛に染まる表情が見れねえ」
それは置いといて、魔力放出の際の音を聞きつけて、城の連中が根こそぎやってきた。
血に染まる俺、足元に転がってる死体を交互に見て、とりあえずの事態は把握したようだ。それぞれが持ってる武器を俺に向ける。
今からこいつらを支配し、殺して楽しめる。
それを考えると、楽しくって楽しくって仕方なかった。
「ふふふ……くっくっくっ……ふはははははっ!!」
その時、俺は生まれて初めて声をあげて笑った。
852: :2012/11/13(火) 23:13:56 ID:7RuR6mIcnA
悲鳴が心地いい。今まで聞いてきたどんな音よりこれは素晴らしい。
赤色が心地いい。今まで見てきたどんな景色よりこれは美しい。
狂った理想郷の中心で俺は踊る。俺を中心にして人が壊れていく。
無意味に死んでいく人間達の負の感情が俺に取り込まれていくような、そんな感覚に陥る。
それがまた気持ちいい。それが支配の証のような気さえする。楽しい。楽しい!
853: :2012/11/13(火) 23:15:09 ID:7RuR6mIcnA
城の中を殺し歩く。俺が通った廊下には血溜まりと肉塊だけが残った。
目指す先は勿論一つ。最高のメインディッシュが俺を待っている。
長年住んではいたものの、俺の行動範囲は決まっていて、そんなだから奴がどこにいるかは知らなかった。
隅々まで探せば見つかるだろうと彷徨うこと数分。俺は奴のとこまで辿り着いた。
「城が騒がしいが……貴様が原因か」
俺の目の前にいるのが父親だ。正直に言うと赤子の時以来の再会で確証はないが、たぶん間違いないと思う。
その辺の雑魚とは雰囲気が違った。ある程度強くなるとその辺が感覚でわかるようになるみたいだ。
それは父親も同じみたいだ。俺を前にして明らかに戦闘モードに入った感がある。
「何者かは知らんが、かなりの使い手みたいだな。だが、この世界はわしの玩具だ。貴様には渡さん!」
どうやら俺が実の息子だとはわかってないらしい。そりゃそうか。今の今まで放置して会ってはいないんだ。
日常生活でちらほら出会う部下共は俺の生存を知ってても、父親はそれを知らず、とうの昔に死んだとでも思ってんのか。
あるいは、そもそも自分に息子がいたことすら覚えてないかもしれない。まあでもそんなことはどうでもいいんだ。
俺は目の前の支配者を倒し、逆に支配してゴミ屑のように殺してやるんだ!
854: :2012/11/13(火) 23:16:32 ID:7RuR6mIcnA
戦闘は一言で片づけられるような長さじゃなかったんだけどな。
いちいち説明するのもめんどくせえから結果だけ教えてやろうと思う。
倒れたのは父親の方だった。戦いこそ長引いたけど、正直俺の完勝のように思えた。
片や成長過程にあり絶え間なく努力した男で、片や老いる中で現状に満足し努力をやめた男だ。
ある意味この結果は約束されたものだったのかもしれない。
まあでも完勝とは言え、さすがに今まで体験したことのない強さではあった。
そんな奴を支配し、こいつの今後を握っているのは俺だ。
俺は無様に倒れている父親の首を掴むと、強引に起こしてこう言った。
「お前の命運を文字通り俺が握ってるわけだが、どうだ?死にたくねえか?」
その問いかけに対して、父親は必死に返す。喉を掴まれてるから発声しにくいんだろうが、それでも懸命に絞り出す。
「た、頼む……死にたくない……な、何でもするから……」
言葉と一緒にプライドがボキボキと折れる音も聞こえたような気がした。表情を見るに、必死に屈辱を押し殺して言っているように思える。
これだ。これを望んでいたんだ。この瞬間のために俺は生まれてきたのかもしれない。
支配されることとは縁遠い生き方をしたこいつを支配した。この世界の頂点を支配した。俺は全てを支配したんだ。
855: :2012/11/13(火) 23:17:42 ID:7RuR6mIcnA
「そうだよなあ。死にたくないよなあ。俺に劣るとはいえ、お前は強いし、配下に置くのもいいだろうなあ」
にこやかに俺は父親に告げる。どうやら命だけは助かりそうだと、安堵の表情を見せる。
「だが俺にはいらねえ。お前は死ね」
安堵の表情が一転して絶望に染まった瞬間、俺は父親の喉を握り潰した。
血が勢いよく俺にかかる。だが構わねえ。潰して、潰して、最後には引き千切った。
首から下が崩れ落ちてもそれは無視して、俺は手中に収めた父親の顔を見る。
最高の芸術品だった。人間が表現できる絶望の全てがそこには詰まっていた。
「ふふふ……ふははははは!!」
やはり笑いが出る。誰かの苦痛ってのはどうしてこうも気持ちいいのか。
これは俺の宝物にするとして、これからどうするか。まずは城内の掃除かな。
まだ残ってる雑魚もいるかもしれない。とりあえずそこらへんを始末しよう。
856: :2012/11/13(火) 23:18:23 ID:7RuR6mIcnA
城内に余計な物はなくなった。あるのは俺と絶望、苦痛だけ。
その空間の支配者こそこの俺だ。なんて清々しい気持ちだろう。
宝物を持ったまま、俺は城を出た。
外を見る度に思うが、世界ってやつは何て広いんだろう。これを支配してた父親を俺が支配した今、この世界ってやつも俺の物となったのだろう。
これからこの全てを俺が壊せるんだ。わくわくしてくる。
まずは近場の集落に行ってみよう。行くのは初めてだが、大丈夫。全ては俺の玩具だから。
857: :2012/11/13(火) 23:19:29 ID:7RuR6mIcnA
ちっぽけな建物が並び、人間共がいくつかうろつく場所に来た。これが集落ってやつなのだろう。
宝物の髪の毛を持ってぶんぶん回しながら俺はそこへと入っていく。
「ん?あいつ……っ!人の顔を持ってる!?」
「きゃあああああ!!」
「あ、あの顔って王じゃないか!?」
雑魚らしくわめいてるところ悪いが、新たな支配者として自己紹介くらいはしないといけないだろう。
手に持ってるこれを殺して新たな王になった者だと言おうとして、ここで初めて気付く。
俺には名前がない。誰からも名を貰えず、今日まで生きてきたから名乗るに名乗れなかった。
必要のない物だと思って気にもしなかったが、支配者としての記号はいるだろう。仕方ないから、適当に考えて俺はその名を発した。
「……俺は異界王という者だ。新しい支配者だ。俺の楽しみのために意味なく死んでくれ!」
こうして異界王と名乗り始めた俺は、この日は興奮のあまり三つの集落を血溜まりにした。
858: :2012/11/13(火) 23:20:43 ID:7RuR6mIcnA
いざ世界の支配者になってみると、面倒なことが多い。
片っ端から民を惨殺するつもりでいたのだが、それでは労働力がなくなってしまう。
とはいっても、連中と俺を繋ぐ要素なんて食糧の献上くらいの物だが。
父親は食料のほかに美女も要求していたようだが、俺はどうでもいい。子を残したいなんて思わねえし、男性器を突っ込みたいとも思わない。
あの辺の快楽は一人で処理すりゃそれでいいし、女は殺すに限る。死体の方がまだそそる。
とにかく、食糧問題があるから、民を無差別に殺すわけにはいかない。
昔みたいに虫や動物を殺してそのまま食べてれば、そんなことも気にせず民を殺せるという物だが、ちゃんとした食料の味を覚えてしまうとそれができない。
仕方がないから、適当に襲って怪我させるくらいで我慢するのだが、物足りない。殺さなきゃ、本物の絶望に染まる顔は造れない。
宝物も腐ってしまったから捨てた。頂点から転がり落ちた絶望に染まったあの表情は最高傑作だったんだけどな。
何て言うか、支配してしまって逆に楽しくなくなった。こんなのが俺の生まれた意味だったのだろうか。
859: :2012/11/13(火) 23:21:34 ID:7RuR6mIcnA
体の方は成長して大人も板についてきたのだが、中身はまだ子供のようだ。楽しみを失った俺は、またくだらないことを考えるようになっていた。
人は何故生きるか、そんな議題だ。知らねえよ馬鹿。
だが俺は、こんなことにも答えを欲していた。自分なりの答えでは、楽しむためだ。
楽しみがあるから、明日を望めるんだ。命を続けられるんだ。俺は笑えるんだ。
だけど今は、楽しくなくなっちまった。俺は支配者たる宿命の下に生まれたと信じてきたが、それで辿り着いた先がこれではな。
人生なんてそんなもので、楽しくない今こそが答えなのか。それとも、俺は間違っていたのか。
860: :2012/11/13(火) 23:23:18 ID:7RuR6mIcnA
突然だが、俺は父親を倒す修行の過程で魔法を身に付けた。倒すのに使ったのは一つだけだが、覚えたのは三つある。
まずは倒すのに使った魔力の放出法。これを覚え、その放出した魔力を相手に飛ばすのが低級攻撃魔法となるらしい。そう書いてあった。
その低級攻撃魔法で倒せるんだから、父親はどんだけ弱かったかって話だ。いや、俺が強すぎたか?
後の二つは移動系の魔法だ。移動魔法に浮遊魔法。世界中が俺の遊び場になるんだからと、移動に役立つ魔法を必死に覚えた。
だが、結局は大した遊び場にはならなかった。支配者になったことで、俺は楽しくなくなっちまった。
楽しいって何なんだろうな?
……ってわけで、浮遊魔法を使って集落の人間共を観察してみることにした。連中、俺に気付くと途端にわめきだすからな。
けっこういじめてやってるから、病人や怪我人がごろごろしてやがる。あー、とどめを刺してやりたい。俺なら徹底的に苦しめながら殺せるのに。
そんな連中とは違って、子どもは気が楽なもんで、何人かでなんかやって遊んでやがる。
この子ども達が笑ってやがるんだ。笑うってことは楽しいってことだろ。人も殺さず、支配するでもなく、何で笑えるんだ?
楽しいって感情にも、種類はあるのだろうか。その楽しいを間違えたからこそ、俺は今楽しくないのか。何か変な気分になってきたが、これは何だ。
考えても答えは出なかった。
861: :2012/11/13(火) 23:24:35 ID:7RuR6mIcnA
ある日のことだった。
あと何人くらいなら殺しても大丈夫か、なんて考えながら城内を歩いていると、わけのわかんねえ大穴がぽっつり開いてやがった。
「……なんだこれ?」
未知なる物に対する恐怖より、興味の方が余裕で勝った俺は、とりあえず入ってみることにした。

穴を抜けるとそこは未知なる光景だった。
見たこともない栄えた集落に、干からびた何かがごろごろ転がってやがる。
人間は糞ジジイとイケメン二人。イケメンの方はちょっと何か違和感あるけど、まあ人間だろう。
とにかく、その三人が俺を見て驚いている。よくよく聞けば爺は確か自分の城に戻るとか言ってたか。
更にはこいつら、俺を知らないときたもんだ。てめえの世界の支配者を知らねえってどういうことだ。
と思ってたら、ここは異世界だそうだ。糞ジジイは父親が追いやった魔法一族だそうで。目障りだから殺してやった。
そして俺は気付いてしまった。異世界ということは、この世界の連中をいくら殺しても構わねえってことだ。
久々に楽しくなってきた。湧き上がる快感に、思わず頬が上がる。
俺は残りのイケメン二人に襲いかかった。
862: :2012/11/13(火) 23:25:52 ID:7RuR6mIcnA
まあ結果から言えば実質負けてた。
イケメン二人組、その一方は問題なかったんだが、残りの一人が怪物でよ。
実力では足元にも及ばなかった。だけど、意外と善戦はしたんだ。
何故かって、変な性格をしてて、俺を真剣に殺そうとはしないからだ。
その気になればすぐ殺せるってくらいの実力差はあるのによ。そうしないんだよ。
でもまあそれでも苦戦は強いられてて、逆に相手に支配されんじゃねえのかってとこまできた。
なのに楽しかったんだよ。何でだろうな?支配されたらそれで楽しい人生とは離れちまうのに、俺はこれを楽しんでたんだよ。
まあ逆に支配されちまうって恐怖心もあったがな。その恐怖を払うため、俺は手段を選ばずに、形勢逆転を果たした。
でも……このままこいつを殺してしまっていいのかって疑問が生じた。結局俺は、戦いの中で芽生えた謎の楽しさを優先し、お互いの調子が良くなるまで待とうと提案した。
863: :2012/11/13(火) 23:27:13 ID:7RuR6mIcnA
戦闘でいろいろ壊したものの、この街は本当に……なんか凄い。この凄さをどう表現すればいいのか。
とにかく、俺の世界では考えられないほど栄えているこの街で俺は回復を待った。
穴が上空にあるわけだし一旦帰ってもいいかなって思ったけど、それでもし帰れなくなったら、久々に楽しいこのイベントを逃すことになって嫌だしな。
だけど回復を待ってる間は暇だ。その間に思うのはイケメン弟(俺を倒しかねない化物につけたあだ名だ)のことだった。
俺より強い奴ってのは、俺にとって脅威でしかないはずだ。何故なら俺は支配者で、誰かの命を弄ぶために生まれてきた。
そんな俺が自分より強い奴を許す道理なんてあるわけなく、手段を選ばないなら殺せるってんなら、殺すしかないだろう。実際、殺しは俺の喜びのはずだ。
だけど殺すのを勿体無いと思ってしまった。それに、俺は確かに殺すことよりも戦闘その物を楽しんでいた。ギリギリのところで命を削り合うのが本当に楽しかった。
久々だったな、あんなに楽しかったのは。でも何であんなに楽しかったんだろうか。支配・虐殺とはかけ離れた行為だったんだけどな。
考えても考えても答えは出ず、再戦の時が訪れた。まあ元々深く考えても答えの出るタイプじゃねえ。考えるより行動した方が答えが出たりする。
今は楽しもう。イケメン弟との死闘という、最高に楽しいことをして笑ってやろう。
864: :2012/11/13(火) 23:28:19 ID:7RuR6mIcnA
相変わらず舐めた考えで戦闘してくるもんだから、俺は本当にあと一歩ってとこまで追い詰めた。馬鹿が、舐めた真似すっからだ。
「終わりだなあ、イケメン弟ぉ!!命の灯が消えんとする瞬間が来たようだなあ!!」
と、怒鳴ってやった。ふざけてっからこうなるんだ。まあ俺も、強敵を倒せて興奮してたんだけどな。
「お互い残念だな。俺はもうちょっとお前という最高の玩具で遊んでいたかったし、お前は愛しいこの世界を守れなかったんだ。本当、お互い残念で仕方ねえな」
これからもう死ぬしかないであろうイケメン弟に俺はこう告げた。その瞬間、俺の中で生じた違和感に気付く。
……殺すのが大好きな俺が、何故こいつを殺すのを残念がってんだ?
こいつと戦うのが楽しいからか?でも殺すのが楽しい俺にとって、こういう強敵を無念の中で殺すことこそが楽しみだったんじゃなかったのか?
くそ、イケメン弟と出会ってから、どうも俺の様子がおかしい。俺という存在がわからなくなっている。
俺は、このイケメン弟をどうしたいんだ?
865: :2012/11/13(火) 23:29:35 ID:7RuR6mIcnA
俺に僅かでも迷いが生じた上、イケメン弟が最後にとんでもない隠し玉を披露したことで、間もなく俺は敗北した。
正直あの時のことはよく覚えてない。気がつけば、全身を焼かれるような感覚に襲われ、痛い以外の思考が消え去った。
そうして俺は気を失って……

気がつけば俺の城に戻ってた。お互い死んだと思ってたけど、どうやらイケメン弟は生き残ったみたいで、更には俺まで回復しちまったようだ。
いつか見た魔道書に載ってた回復魔法ってやつだろうか。すげえ効能だな。
ただ、俺の驚きは別のとこにあった。自分を殺しかけた俺を助けたんだ、こいつは。
衝撃だった。自分と違う別の人間は支配し壊すだけの存在と思ってた俺にとって、助けるなんて選択はなかったんだ。
しかしこいつは俺を助けた。馬鹿な、どういう意図があってこんなことを。
そう思ってるとイケメン弟は俺の心を見透かしたかのように、俺をどうしたいのかを説明し始めた。
866: :2012/11/13(火) 23:31:06 ID:7RuR6mIcnA
「これから一緒に探してみようよ!皆で一緒に楽しめる方法!異界王だって変われるよ!大丈夫、変われるまで俺も協力するよ!」
……イケメン弟の意見をまとめるとこうなる。奴は俺に変わってほしいようだ。
俺が支配者でいる以上、俺以外の人間は絶望に染まることになる。それは当然他の奴は楽しむことなく死んでいくってことだ。
だけどイケメン弟は、絶望を楽しむのをやめろと言う。新しい楽しみを皆で分かち合おうと言う。馬鹿じゃねえのか、等と思ったが、どうやら俺の本音は別にあるみたいだ。
考えても考えてもわからなかった答えがもしかしたらわかっちまったかもしれない。
俺は、いつの日か観察した子ども達が羨ましかったのかもしれない。
俺は愛情という物を受け取ったことがない。いつも一人で、誰かと何かを共有したことなんてなかった。
だから誰かと一緒に何かをやってみたかったのかもしれない。柄にもなく誰かの愛情が欲しかったのかもしれない。
だからこいつと真剣勝負をした時、心から楽しめたのかもしれない。戦いの中で、確かにこいつは俺を想ってくれていた。今ならわかる。俺はそれが嬉しかった。
確証はねえが、たぶんそういうことなんだろうな。こうして考えてみると、本当に俺ってやつは子どもだ。

俺は、こういう「楽しい」も望んでいたんだろうな。一人じゃ決してわからなかったんだろうが、こいつがわからせてくれた。
「……負けだなあ。俺の負けだ、参ったよ」
ぽつりと呟いた。本音だ。戦いはもちろん、いろんな意味で俺は負けた。
867: :2012/11/13(火) 23:32:32 ID:7RuR6mIcnA
イケメン弟が俺を受け入れ、外に出ようと言い出した。
俺をこれから変えていくから許してくれって民に伝えるつもりらしい。
やれやれ、なんて呟きながら奴についていこうとした時、俺の脳裏にはある物が浮かんだ。
それは、今まで殺してきた全ての者達の苦痛の表情。かつて最高傑作とまで謳った父親のそれも混ざっている。
これらはかつて、俺が楽しんでいった作品達だ。でも、今はどうだろうか。自分の本音に気付かせて貰って、愛情を以て誰かと接しようと思った今、改めてこいつらを見る。
怖い。楽しかった殺しが、好きだった絶望が、今はたまらなく怖いのだ。俺は間もなく自問自答に苛まされた。

これほどの人間を殺してきた俺が、今更民に受け入れてもらえるのか?
自分だけが楽しむために多くを奪ってきた俺が、今後誰かの楽しさを分けてもらうことが許されるのか?

……悪いな、イケメン弟。お前が示す新しい明日を俺は迎えることはできなさそうだ。
民は納得しないだろうし、仮に納得しても俺が怖いんだ。俺は支配者をやめることはできなさそうだ。
868: :2012/11/13(火) 23:33:40 ID:7RuR6mIcnA
立ち止まっていると、イケメン弟がそれに気づいて問いかけてきた。
「……どしたの?何で動かないの?まだ体痛い?」
体はもう痛くねえよ、おかげさまでな。ただ、変なことを言わせてもらうと、心が痛いんだよ。
もう俺は支配者をやめることができないんだ。愛情を望むことができないんだ。怖いからよ。
そんな状況で明日が来るのは怖いんだ。だからよ、終止符ってやつを打とうかと思う。
「忘れたのかよ、イケメン弟。俺の負ける時ってのは、俺が死ぬ時だけだぜ」
そう言って、俺は自分の首を掴んだ。
支配者として生き、多くを奪ってきた。そんな俺が最後に奪うのは、てめえの命と理想かもしれねえ明日だ。
不思議と躊躇いはなかった。殺すのは慣れてたからかな。ただ、今までの殺しとは違って楽しくもねえし、笑えなかった。
死に際の表情ってやつが好きなんだけど、今回の場合はどんな表情かもわかんねえしな。
869: :2012/11/13(火) 23:34:25 ID:7RuR6mIcnA
ただ。
薄れゆく意識の中で最期に見たのは。
こんな俺の死すら悲しんでくれてるイケメン弟の泣き顔だった。
たぶんそれには愛情ってやつがあったと思う。最高傑作が父親からそれに変わった。
最期の最期でこんなのが見れるなんてよ。腐ってたけど、悪い人生ではなかったんじゃねえのか。

ありがとうな、イケメン弟。

最期に笑って、俺はただの肉塊となった。
870: :2012/11/13(火) 23:38:26 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

とある店にしか売ってないかりんとうがありまして、けっこう好きだからよく買うんですよ。
そしたらですね、店員の人に覚えられてしまいまして。
やだなー。絶対あだ名つけられてますよ。「かりんとうの人」とか「カリン様」みたいな。
買わないけど、仮にその店で豆のお菓子とか買うとするじゃないですか。
そしたら陰で絶対こう言われますよ。「カリン様が仙豆補充しに来たwww」みたいな。
やだなー。

今回の更新のまとめです。長いので分けておきます。
異界王の小話>>840-847>>848-857>>858-869


>>842
一応ざっくりとしたイメージはあるんですけど、正確じゃないかもしれないですし、分数はきついかもしれないです。
適当にまとめていいのなら、後日数値化したランキングをするかもしれないんで、それをお待ちいただけると嬉しいです。
871: 名無しさん@読者の声:2012/11/14(水) 00:10:02 ID:HZWQXcGV/Y
結構長いの書いてたんだ…
だから遅くなったんだね!
急かしてごめんよ
ゆっくり休んで頑張って

異世界王へ
つ天国への切符

>>1
つC
つマッサージ機
872: 名無しさん@読者の声:2012/11/14(水) 00:16:26 ID:UnOQWjueGw
おお、書いてくれますか。
有難いです
ってか異界王で思い出した。
封印した力どうしたん?w
支援

873: 名無しさん@読者の声:2012/11/14(水) 00:19:19 ID:XJP6puJGCI
異界王…生い立ちには同情できるけど。魔王の前で勝手に死ぬなよ〜(ノ△T)
874: 名無しさん@読者の声:2012/11/14(水) 03:01:41 ID:IGTPMpoMfU
まさかのカリントウwwwカリン様ww可愛いwww
好きなものは仕方ないけど、「カリントウの人」ってのは絶対思われてるよーwww

自ら命を絶った異界王
もう少し人と関わってたら、もう少し早く気付けてたら、龍人みたく変わる事が出来たのかなぁ…

っ花
875: 名無しさん@読者の声:2012/11/14(水) 04:12:49 ID:WcMBE1mtcI
このスレ大好き過ぎます
何時になるか分かんないけど、このスレをモデルにしたゲーム作っていいですか?
876: 名無しさん@読者の声:2012/11/14(水) 16:05:46 ID:5j15m2A/Rg
小話かなぁ?
グロくて途中から読めなかったけど、最後の2スレは泣いた。
やっぱり魔王は俺の嫁
1はベジマイトでも食ってろ
877: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/14(水) 23:49:24 ID:7RuR6mIcnA
>>871
長いのに加えて、普段やんない地の文で調子に乗ったのも原因でしょう。遅れた原因。
そんな普段やんないことをやってでも、異界王のいろいろな話はやっておきたかったです。
なんか複雑な人生送っちゃってましたし、生前いろいろやらかしてるのは事実ですけど、死後の世界で、望んでた違う楽しいを得られればいいですね。

あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙……マッサージ機ええわあ……

>>872
やりますよー。間もなくやりますよー。
ただ、あらかじめ言ったようにけっこう適当にやってる感じがあります。魔王様と龍人の戦闘力差はもっと離れてるような気もします。
まあ実際どうかって話は確認してもらってからですよね。

封印した力のこと、覚えてますよ。
封印したまま死んじゃったんで、今も魔王様が管理してます。
魔王様がその気になったら、今なら誰かに異界王レベルの強さをプレゼントできます。
あと、異界王は力を封印されても側近クラスの実力が残ってたから、あんな方法でも自殺できたんですね。
もうちょっと完璧に封印出来てたら、また違った結果になってかもしれません。

>>873
異界王は生きる目的を楽しみたいって言ってましたけど。
孤独だったから誰かに関与したいっていう風にも言えたんじゃないかなって、今思いました。
魔王の前で死ぬことで、その死を印象付けさせて、記憶に留まることで自分が確かに存在した証にしたかったのかもしれませんね。今考えました。
878: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/14(水) 23:50:27 ID:7RuR6mIcnA
>>874
やっぱりそう思われてますかねー。でも好きなんですもん。
あそこのかりんとう美味しくて好きなんですもん。カリン様になったって、しょうがないじゃないですか。

本当に少しでも何かが違ってたら、今でも魔王の傍にその姿があったのかもなあって、そういう感じに思いながら書きました。
まともな父親と母親の愛情があれば、救われてたような気がします。異界王を狂わせたのは狂った環境であって、異界王自身はそんなに悪い奴じゃないと信じたいです。

>>875
フリーゲームのような感じでしょうか。俺は全然問題ないですよ。
ただ、ゲーム作成となると、さすがに活動および公開はサイト外になるのではないかと思います。
このサイト以外の場所でこのサイトのスレを用いてゲームにするわけですから、龍さんにも確認した方がいいかと思います。
それで問題ないようでしたら、こちらからも是非お願いします。ゲーム好きには夢が広がる話ですよwww

>>876
前作で言うところの小話詐欺ってやつですね。
小話と言い聞かせて、「ああ、じゃあ手軽に読めるわ―」と思わせて実は長いという、悪質な詐欺ですね。
この詐欺の魔の手は皆さんにも緩やかに忍び寄っています。SSを読む際には気を付けた方がいいかと思われます。
そして俺はかりんとうを食べます。かりんとうを食べるのに理由がいるかい?


申し訳ありません。今日もなんです。今日も更新ないんです。
しかも異界王の話ほど長くないと思うんですが、それでも今日はないんです。
代わりと言ったらあれですけど、戦闘能力ランキングなるものをやってみます。詳細は次で。
879: :2012/11/14(水) 23:51:11 ID:7RuR6mIcnA
☆戦闘能力ランキング☆

>>842にてこのような意見を貰ったので、せっかくだからいろんなキャラの戦闘能力を俺の独断で数値化してランキングにしてみました。
ただ、適当に考えてるし、ここで言う戦闘能力とは相手を倒すための総合力を言ってるので、たとえば女僧侶みたいな補助系の方には厳しいランキングになってます。
あと、きりがいいので一位の魔王様を10000として考えてますけど、正直10000よりももっと上のような気も……
そんな感じでいいのなら、とりあえずいろんなキャラをまとめてみたので、見てみてください。どうぞ!
880: :2012/11/14(水) 23:53:51 ID:7RuR6mIcnA
一位:魔王:10000(正直もっと上かも)
二位:異界王:6000
三位:異界王(封印状態):1000
四位:龍人:900
五位:側近:750
六位:勇者:500
七位:女勇者:400
八位:女戦士:360
九位:女魔法使い:330
十位:ゴーレム:300
十壱位:獣人壱:250
十二位:ドラゴン:230
十三位:オーク:170
十四位:マン○:160
十五位:ゾンビ:140
十六位:ウィッチ:100
十七位:ハーピー:70
十八位:女僧侶:50
十九位:兵士:30
二十位:スライム:10
二十一位:龍人(封印状態):1
881: :2012/11/14(水) 23:54:51 ID:7RuR6mIcnA
勇者の取り巻きはいいやってことでカットしました。
あと、もっと細かく考えたらもうちょっと戦闘できるキャラいるかもしれませんけども。
とりあえずはこんな感じで一つ。
独断と偏見でのランキングですので、突っ込みたい部分があればどうぞ。
正直俺も、龍人が900なら魔王様もうちょっと上でもいいんちゃう?って気持ちはあります。もうちょっと魔王様チート感出してもいいような気が……
まあでも大体こんな感じじゃないかなって思います。どうですか?おかしいですか?
皆さんに投げっぱなしにしたところで、今日はここまでと致します。
882: 名無しさん@読者の声:2012/11/15(木) 00:18:00 ID:HZWQXcGV/Y
異界王封印されてもつえぇぇ!!



おい14位…
確かに破壊力抜群だが…


つちん○
883: 名無しさん@読者の声:2012/11/15(木) 11:53:49 ID:tii46iCmxk
異界王の力を与えたらスライムですら
側近と龍人に勝てるのかなwww
884: 名無しさん@読者の声:2012/11/15(木) 22:02:37 ID:9ZMBJTs0O.
マン○の元の名前が思い出せん


ていうか兵士wwハーピーより弱いんかいww
885: 名無しさん@読者の声:2012/11/15(木) 22:16:28 ID:UnOQWjueGw
ランキングありがとう!
龍人(封印)ってそんな弱いのかwww
魔王強いなw
魔王(呪い兜)は7000くらいかな。
支援

お礼に
つ呪いの兜
886: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/15(木) 23:24:12 ID:7RuR6mIcnA
>>882
彼に関してはですね、完全に引き際を見誤った形ですね。
名前、いつ直してあげればいいんでしょうかね?
とりあえずそれはくれなくていいので、仕舞っておいてください。

>>883
側近や龍人を圧倒するスライムを想像したら吹きましたwww
魔王様的には、女勇者に力を与えて、すごいハードにいじめてもらうとか、そんなこと考えそうですよね。

>>884
元の名前はゴブリンです。俺の悪ふざけの被害者です。申し訳なく思ってます。たぶん。
ハーピーも魔物の中では弱いですけど、飛行能力があるのはけっこう大きい武器だったりします。浮遊魔法使えたり、そもそも飛行できる種がそんな多くないからです。
女僧侶も攻撃面は厳しいんですけど、一応魔法は基礎を抑えているため、魔力を飛ばすくらいなら出来ます。
そんなわけで、ちょっと剣が扱える程度の兵士は下回るわけです。こんなだから続編で出番がないんでしょう。

>>885
ランキングおめでとうございます。……あれ?俺がお礼言うべきでは……

龍人はですね、戦闘能力全てを封じられたので、一般人レベルまで陥りました。
異界王だと戦闘能力が高いので、全て封じることはできなかったため、今回みたいな結果になりました。
あと、呪いの兜被った魔王様ですけど、たぶんそこまで落ちないです。9000くらいだと思います。
だから本当に普通に戦ってれば負ける要素はなかったんですよね。戦闘中に負った怪我を狙われて渾身の一撃叩きこまれたので、やばいとこまで追い込まれたんですね。
887: :2012/11/15(木) 23:25:50 ID:7RuR6mIcnA
家族のお話・龍人編

子゙ーレム「龍人!遊ぼ遊ぼ!」

龍人「やめろ!今作業中なんだから!終わったら遊んでやっから!」

ゴーレム「そうだよ、子゙ーレム。龍人さんは我々の住処の補強をしてくれてるんだから」

ゴーレム「龍人さん、すみませんね。本来なら我々がやるべき仕事を押し付けてしまって」

龍人「気にすんなよ、おやっさん。ゴーレム族の大人達が殻を提供してくれたからこそ、あの糞馬鹿な魔王が帰ってこれたんだ」

龍人「こっちは感謝してんだぜ。そのせいで弱くなっちまって日常生活に支障出てんだ。だったら、魔王城の者でサポートすんのは自然なことさ」

龍人「山ん中の洞窟に住んでんだから、崩れでもしたら大変だろうが。しっかり補強しといてやっから」

龍人「……だから、今はこのやんちゃ坊主をどうにかしてくれや。てめぇの子だろが」

ゴーレム「その通りです。ほら、子゙ーレム。龍人さんの作業が終わるまではお父さんと遊んでいようね」

子゙ーレム「はーい。龍人、後で一緒に遊んでね!約束だよ!」

龍人「おう。約束だぁ」
888: :2012/11/15(木) 23:26:34 ID:7RuR6mIcnA
龍人「しかし、よくもまあこんな坑道作れたもんだよ……」

龍人「……」チラッ

子゙ーレム「パーンチ!パーンチ!」デュクシッデュクシッ

ゴーレム「いててて……強くなってるな、子゙ーレム」

子゙ーレム「うん!龍人みたいな強いヒーローになるんだもん!頑張ってるもん!」

ゴーレム「そうかあ。龍人さんのように強くなったら、ゴーレム族は安泰だな」

ゴーレム「いてて、強いなあ……痛い痛い、ちょっマジ痛い」

龍人「……」
889: :2012/11/15(木) 23:27:26 ID:7RuR6mIcnA
作業終了し子゙ーレムと遊んでから魔王城に帰宅しました。

龍人「ただいまぁ」

魔王「おかえりー!するめ買っといたよー」

龍人「おぅ、サンキュー。後で食っとくわ」

側近「死霊鉱山はどうだった?」

龍人「まあ問題はなさそうだけどな。大人共が重労働厳しくなってるし、万が一坑道が崩れたりしたらやべぇから定期的にこっちでチェックする必要はあるだろうな」

側近「そうか。定期的にでも子゙ーレムに会いに行ける口実が出来てよかったな」

龍人「うっせーよ。黙ってろよ、S野郎」

魔王「照れないでいいのにーww」

龍人「お前も黙れよ、腐れ租チン生ゴミが」

魔王「俺だけ悪口酷くない!?」

龍人「……なあ、側近。ちょっと話に付き合ってくれるか?」

側近「何だ?真面目な雰囲気じゃねえか。仕方ねえな、ちょっとだけ付き合ってやるよ」

魔王「俺もいるよ!」

龍人「糞ゴミドM坊やは帰ってろよ」

魔王「だから何で俺には辛辣な感じなの!?傷ついて引き籠るよ!?」

側近「じゃあ引き籠っててください。今ゴミ袋用意しますんで」

魔王「俺はどこに引き籠るの気なの!?それじゃ朝方ゴミとして出されちゃうよ!」
890: :2012/11/15(木) 23:28:31 ID:7RuR6mIcnA
側近「……やっと魔王様が部屋に戻られたな。で、何の話だよ?」

龍人「……家族ってのは、やっぱり必要なんかなって思って」

側近「どうした?やけにセンチメンタルじゃねえか」

龍人「いや、子゙ーレムがおやっさんと遊んでんのを見ててちょっとな」

龍人「子゙ーレムは良い子だ。おやっさんも良い奴だ。家族愛って言葉がぴったりの関係を築いててよ。そんなだから二人とも良い奴なのかなって」

龍人「ああいう家族愛が普通で、そんな愛情が良い人格を形成するなら、俺はどうなんだろうなって……」

龍人「実際昔にやらかしてるしよ、あの頃から生まれ変わろうとはしてっけど、本当に変われているのか……」

龍人「愛情を知らずにここまで育っちまった俺は、本当に子゙ーレムが思い描くようなヒーローになれてるのかなぁ……」

龍人「俺は誰かから愛情を貰うに値するのか、誰かに愛情を捧げるられるのか、そんな奴になれてんのかなぁって、いろいろ思ったんだよ」

龍人「あの馬鹿魔王に訊いても、絶対大丈夫とかそんなんしか言わねえだろ。だからお前はどう思うかなって」

側近「……」
891: :2012/11/15(木) 23:29:47 ID:7RuR6mIcnA
側近「……ドラゴン達には帰る場所や家族があるけどよ」

側近「俺や魔王様は幼い頃に家族を失ってる。俺たちだって愛情を知らずに育ってきた」

側近「それに俺だって過去に殺しをやってきた。屑なんだよ、俺は」

側近「そんな屑が屑のまま大きくなって、表面だけ綺麗に見繕って生きてて……」

龍人「そんなんじゃねぇだろ、お前は!」

龍人「確かに過去はちょっとやらかしてるのかもしれないが……今は仲間に恵まれて、良い奴になれてんだろ!」

龍人「お前は大丈夫だよ!お前は今、決して悪い奴じゃねぇ!」

側近「……それが俺のお前に対する答えだよ」

龍人「っ!」

側近「過去が暗いからこそ、魔王様や子゙ーレムみたいな輝きを見てしまうと、余計に自分がどす黒く感じる。それは俺もわかる」

側近「でも、過去を気にしすぎる必要もない。俺達は今、確かに変わることが出来てる」

側近「それとも、自分の言葉すらも信じられないのか?」

龍人「……」

魔王「だ、大丈夫!?何か龍人の怒鳴り声聞こえたけど!」ドタドタ

側近「大丈夫ですよ。魔王様は気にしなくていいです」

魔王「気にすんなって言われても……」

側近「魔王様うざいねって話をしてただけです。で、あんまりうざいからつい大声が出たわけです」

魔王「そんなこと話してたの!?そりゃ俺引き籠ってた方がよかったね!」
892: :2012/11/15(木) 23:30:44 ID:7RuR6mIcnA
魔王「あんな怒鳴るほど、うざかったんだ……ショックだなあ……」トボトボ

側近「……よし、戻ったな。それじゃ再開するか……まあもうほとんど言うこともないけどな」

側近「ちょっと臭いこと言うけどよ……幼少に家族の温もりを知らなくても、今ここには家族みてえな温もりがあるだろ」

側近「温もりに触れて、愛情を知り、仲間に恵まれ、俺達は変わった。不安に駆られたら、またこうして確認し合えばいいんだ」

側近「どうだ?これで納得できたか?」

龍人「ああ……」

側近「……なんか納得してない感じだな。そんなに今の自分に自信ないのか?」

龍人「本当にそんな温もりや愛情を持ってんのかって不安は正直拭えねぇよ。ただの戦闘馬鹿な俺だからな」

龍人「お前や魔王、女勇者のように誰かの心を動かして変えていくような力はねぇんだぜ」

龍人「未だに王都の連中にも許されてないっぽいしよ……俺は本当に子゙ーレムのヒーローになれてるのかな……」

側近「……お前よ、一回里帰りしたらどうだ?」

龍人「……はぁ?」
893: :2012/11/15(木) 23:32:07 ID:7RuR6mIcnA
側近「どうやら俺や魔王様の言葉じゃ回復できそうにねえしな」

側近「俺や魔王様の両親は既に他界してるが、里を追い出されただけのお前は別だろ」

側近「家族見てへこんだ問題なんだから、家族で直したらいいんじゃねえの?」

龍人「馬鹿かよ、お前!?俺はっ!……俺は、里の仲間を殺して追い出されたんだぞ」

側近「怒鳴るなよ。また魔王様が来るぞ」

側近「理由があっても殺すのは悪いことだ。でも、お前の話を聞く分には、里の連中にも落ち度はあるだろ」

側近「ああ、そうだ。一年半前の、まだ俺とお前が敵対してた時の話だけどさ」

側近「あの時……俺、お前だけが一方的に悪いから追い出されたって感じで言ったよな」

側近「でも、はっきり言って、連中だって悪いと思う。あの時は、お前の過去もよく知らずにお前を否定してしまって悪かった」

龍人「いや、いいよ。俺だって悪かったんだし。あの時お前が言ったように、強さの答えは一つじゃなかった。それを理解せず、暴走した俺が悪かったんだよ」

側近「……話を戻すが、とにかくお前一回帰ってみろよ」

龍人「俺が行って大丈夫か?里の皆も嫌だろうし……正直、俺だって恨んでる部分はある。もしまた暴走したら……」

側近「今のお前なら大丈夫だよ。お前は変わった。そしてお前は誰かを変えることが出来る」

龍人「……」
894: :2012/11/15(木) 23:32:39 ID:7RuR6mIcnA
翌日。

龍人「……まさかここに帰ってくる日が来るなんてなあ」バッサバッサ

龍人「よう。久しぶりだなぁ、お前ら」

モブ龍「……っ!お、お前……」

龍人「あー、大丈夫大丈夫。暴れたりはしねぇよ」

龍人「うーわ、俺が出てった頃と全然変わってねぇな。進歩しねぇな、おめぇら」

モブ龍「……何をしに来た?」

龍人「冷てぇな、ほんと。おふくろと親父に会いに来ただけだろが」

龍人「家とか変わってねぇんなら、勝手に会いに行かせてもらうわ。んじゃな」スタスタ

モブ龍「……」
895: :2012/11/15(木) 23:33:16 ID:7RuR6mIcnA
龍人「ただいまぁ。元気にしてたか?」

龍人母「えっ……」

龍人父「お前……どうして!?」

龍人「どうしてって、ずいぶんな挨拶だな。そりゃお前、俺子どもなんだから、帰りもするわな」

龍人父「……お前は里の仲間を殺して、追放となったはずだ」

龍人「覚えてるよ。だから一時的に帰っただけで、またすぐ魔王城に戻るさ」

龍人父「魔王城……噂で聞いてるが、一年半前からずっと魔王に仕えているそうだな」

龍人「そうだよ。糞ほど馬鹿な奴なんだけどよ、糞ほど優しくて良い奴なんだ」

龍人「恥ずかしいから直接は言わねぇが、俺はこれからもあいつを支えてやりてぇって思ってる」

龍人「魔王だけじゃねぇ。今の俺には、すげぇ良い仲間がいっぱいいるんだ」

龍人「俺の人生はな、いろいろあったけど……今は本当に生まれてこれてよかったって思ってる」

龍人「おふくろ、親父、ありがとう。俺、今が楽しいんだ。今日まで生きてこれてよかった」
896: :2012/11/15(木) 23:34:29 ID:7RuR6mIcnA
龍人母「やめて!」

龍人「お、おふくろ?」

龍人母「私達は……赤子の頃から異常な強さを誇ったあなたを恐れて、見捨てたのよ!」

龍人母「私達夫婦だけじゃない、里の皆であなたを拒絶したのよ!私に親の資格なんてない!」

龍人母「恨まれることはあっても、感謝されることなんてない!なのに……」ポロッ

龍人母「何で……ありがとう、なんて言ってくれるの?」ポロポロ

龍人「……何でだろう。正直、俺も恨んでた気持ちだってあったし、文句の一つ二つは言ってやろうと思ってたのにな」

龍人「正直昔の俺だったら、暴力まで振るってたかもしれねぇ」

龍人「でも、二人の顔見たら、何か嬉しくなって……今が幸せだからかな、産んでくれた感謝がすげえしたくなった」

龍人「それに……俺、里の仲間殺してしまったこと後悔してたけど……」

龍人「皆も……おふくろも親父も、俺のことで後悔してくれてたってわかったら、何か救われた」

龍人「おふくろ達にありがとうと言えるなんて、俺は変わったんだなって実感できたし」

龍人「今、おふくろ達は俺を拒絶しようとはしてない。それがなんか嬉しいんだ」

龍人「俺にも、皆にも温もりはあったんだってわかって、なんか嬉しいんだよ」ポロッ

龍人「あれ?なんか涙出てきた……おかしいな、はは」ポロポロ
897: :2012/11/15(木) 23:35:49 ID:7RuR6mIcnA
龍人母「ごめん!」ガバッ

龍人母「争いの渦中にあった魔界で、あなたの力が怖かった!何の罪もないあなたを見捨てた自分が許せなかった!」ポロポロ

龍人母「龍人族の皆と一緒になって、あなたを言葉で傷つけて追い出した!親を放棄したのは私の方なのに、あなたのことが心配になって……!」ポロポロ

龍人母「私に親の資格はないのはわかってる……だけど、私はあなたのお母さんでいていいのかなあ?」ポロポロ

龍人「大丈夫だよ、おふくろ。俺も、おふくろ達も、過去は悪かった」ポロポロ

龍人「でも、俺達は変われるんだ。今ならわかる。俺、ちゃんと変われたんだ。おふくろ達だって、絶対に変われる」ポロポロ

龍人「やりなおそう。俺も力になるから、皆で生まれ変わろう」ポロポロ

龍人母「ごめんね……ごめんね……!」ポロポロ

龍人「おふくろ、大丈夫だよ……俺は大丈夫だから……」ポロポロ
898: :2012/11/15(木) 23:36:53 ID:7RuR6mIcnA
龍人母「……今日はもう城に帰るの?」

龍人「ああ、仕事もあるしな」

龍人「まあ俺の仕事って雑用って感じだからよ、ドラゴン共に押し付けてもいいけど……」

龍人「ちゃんと城の一員として頑張りたいからよ。大丈夫、これからはちょくちょく帰ることにすっから」

龍人父「……龍人」

龍人「おう、何だよ親父」

龍人父「俺は……龍人族の皆に、お前の追放処分を取り消してもらえないか相談してみる」

龍人父「お前は確かに仲間を殺めたが、そこまでお前を追い詰めたのは我々の方だ」

龍人父「その過去から逃げずに更生したお前を見て……龍人族も変わるべきだと思った。そのためにできることなら俺もしようと思う」

龍人父「今まですまなかった。遅くなって悪かったが……ここだって城と同じようにお前の帰れる場所にしたい」

龍人父「お前がそうしたように、我々も罪と向き合い、変わっていく」

龍人「……ああ、期待してるよ。それじゃ行くわ」バッサバッサ

龍人母「いつでも、いつでも帰って来ていいからね!」

龍人「ああ!俺、家族の温もりってやつに餓えてっからよ!覚悟しといてくれ!」バッサバッサ
899: :2012/11/15(木) 23:38:33 ID:7RuR6mIcnA
龍人「ただいまぁ」

魔王「おかえりー!今日どこ行ってたのー?」

龍人「うっせぇな。どこだっていいだろ」

側近「どうだ、自分は確かに変われたって、温かな魔物になれてるって自覚できたか?」

龍人「そうだな。俺、ちゃんと変われてたんだな。そして皆も変わってくれるみたいだ」

龍人「こんな俺にも今は温もりってやつがあるみたいだ。確かに変われたみたいだ」

龍人「子゙ーレムが望んでるようなヒーローに近づけてるってわかって、安心できたよ」

龍人「それに、俺にも家族はいたんだってわかった。これから家族の幸せってやつを堪能していくことにするよ」

龍人「ありがとな、側近。お前に相談してよかった」

魔王「何々?何の話?」

龍人「お前には関係ない話だよ。お前は変わらず輝いてろ」

魔王「輝いて……はあ?何言ってんの?龍人がなんか詩人っぽくなってるーwww」

龍人「……側近、何かオススメの関節技ってあるか?」

側近「ドラゴンスリーパーでも伝授してやろうか?」

魔王「何か俺を虐げる流れになってる!?やばい、逃げよう!」ダダダ

龍人「まったく、糞馬鹿野郎が……」

龍人「さてと、これからも頑張っていこうかね!」
900: :2012/11/15(木) 23:39:45 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

レス数が前作を越えました。ジャパニーズマフィアを越えたのです。
そして残りも100になりました。
いやあ、ここまで来ましたねえ。ここまできたら1000までいきたいです。いいよね?

今回の更新のまとめです。そこそこ長いけど、一回で携帯全部表示されるかな……
家族のお話・龍人編>>887-899
901: 名無しさん@読者の声:2012/11/15(木) 23:44:31 ID:HZWQXcGV/Y
龍人が最近全くとがってないwww
根はいいこだったんだね
そういえば彼氏がいないって嘆いていたね
安心しな
龍人は俺の嫁(はぁと

1000…
もうすぐ終わるのか…
ぐすん…
いや、これは悲しいとかじゃなくて
目にゴミが入っただけだから!
つC
902: 名無しさん@読者の声:2012/11/15(木) 23:58:45 ID:ALUchwkIf6
龍人んんんんんっ(´;ω;`)
照れ隠し可愛いww
わだかまりが一つなくなってよかったー

だが龍人は私の嫁
903: 名無しさん@読者の声:2012/11/16(金) 01:35:27 ID:pubU3e6YIw
龍人って見た目、人に近いのか龍に近いのか気になる。

教えて魔王
904: 名無しさん@読者の声:2012/11/16(金) 21:56:45 ID:2twRS1Q.AA
>>1勘違いor見落としならすまんが
魔王の過去ってあったっけ?

905: 名無しさん@読者の声:2012/11/16(金) 23:54:17 ID:UnOQWjueGw
龍人めっちゃええ奴やん・・・

よし、魔王に関節技をかけてください。
つクロスウィング

支援
906: 名無しさん@読者の声:2012/11/17(土) 01:17:35 ID:9ZMBJTs0O.
携帯は一度に表示されないけど…問題ない!まったく!

ドンドン龍人が好きになっていく… ところでバサバサしてたけど奴は羽生えてるのか。飛べるのか。普段は隠してるのか。

龍人描きたいのう描きたいのう

つ絵の具ベッタリCCCCC


907: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/17(土) 23:35:19 ID:7RuR6mIcnA
すみません、昨日すごいナチュラルにサボってしまいました。
もうちょっとで終わりなので、スパッと終わらせたい理想、しかし襲いかかる現実。
言い訳はそんな感じです。

>>901
龍人は変わりましたよね。なんか最近俺も龍人好きです。
そんな龍人にご褒美も必要でしょう。是非龍人の彼氏になってあげてください。
龍人「待ってくれ。字が違う。彼氏じゃない、欲しいのは彼女だって、彼女」

>>902
龍人が変われて、家族の仲もいい感じになってますけど。
その前の話が異界王のあれですので、なんか切なくも感じます。
変われた魔物と変われなかった人とで、結末はこんなに変わるんですね。

>>903
見た目近いのは人ですね。人の形をしてて、下半身や腕の柄が龍っぽい感じじゃない?って俺は想像してます。
翼はあります。通常時は折りたたんでて正面からじゃ見えない感じです。
尻尾はないです。翼を除いて、シルエットは完全に人っぽい感じです。俺はそう想像してます。
908: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/17(土) 23:36:45 ID:7RuR6mIcnA
>>904
魔王様が絡んでる過去の話は、側近との出会いの話だけですね。
その話の中で、魔王様がちょっとだけ自分の過去のことを話してたはずです。
でも、わかってるのは僅かです。小さいころに両親が死んで、人間界の方に迷い込んで平和的思想が生まれたってくらいしかわかってないはずです。
それ以外は謎ですね。正直考えてない……ごほんごほんっ!

>>905
クロスウィングって何じゃ?ってなってしまいました。
チキンウィングフェイスロックのことであってます?
いけない、プロレスもそこそこにわかなのがばれちゃう!

>>906
いやいや、問題ですよ。分けた方がいいでしょうか?
最後のひとまとめでまた修正しときたいと思います。

龍人の羽ですが、903さんに言った通り、普段は隠すって言うか折りたたんでしまってます。
龍人描いてほしいのう描いてほしいのう。
909: :2012/11/17(土) 23:37:21 ID:7RuR6mIcnA
家族のお話・側近編

龍人「それに、俺にも家族はいたんだってわかった。これから家族の幸せってやつを堪能していくことにするよ」

側近(家族の幸せか……)

側近(俺の家族は、俺が幼いころに魔界の悪意にのまれて死んでしまった)

側近(だから俺は、家族ってやつを知らない)

側近(家族の幸せって、どんなのだろうな……)
910: :2012/11/17(土) 23:38:06 ID:7RuR6mIcnA
魔王「側近、ゲームしよー。……あれ?側近?いないのー?」

ドラゴン「側近様ならハーピーの家に行きましたよ。今日の分の仕事が終わったみたいで」

魔王「何だと!?あいつめ、俺を無視してイチャイチャしに行ったのか!」

魔王「……俺も女勇者ちゃんとイチャイチャしに行こうっと///」

ドラゴン「ちっ!……帰るのはいつごろになりますか?夕食は用意した方がいいですか?」

魔王「今舌打ちしたよね?」

ドラゴン「してません。で、どうするんですか?」

魔王「女勇者ちゃん、ご飯作ってくんないかなあ?その可能性を信じて、晩御飯無しでいいよ!」

ドラゴン「わかりました。……ちっ!」

魔王「舌打ちしてるよね!?絶対してるって!」

ドラゴン「してませんってば。それより行かなくていいんですか?」

魔王「ああ、そうだ!一分一秒が惜しい!一秒でも長く一緒にいたい!じゃあ行ってくる!」シュンッ

ドラゴン「……行ったか。リア充爆発しろよ、マジで」
911: :2012/11/17(土) 23:38:58 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「ごめんね、側近。薬草摘みを手伝わせちゃって」

側近「いいんだよ、気にするな。二人でやった方が早く済むだろ」

ハーピー「お仕事が終わったばっかりで疲れてるのに、また大変なことさせちゃってごめんね」

側近「ハーピーと一緒にいられるんなら何の苦にもならないさ」

ハーピー「……ありがとう」

側近「俺の台詞だ、それは」

ハーピー「え、どうして?」

側近「ハーピーと一緒にいられる時間が俺にとってどれだけ幸せなのかってことだよ」

ハーピー「……私も、側近と一緒にいられて幸せだよ」

側近「ハーピー……」

ハーピー「まあでも薬草摘みは早く終わらせよう!仕事はさっさと終わらせて、家でゆっくりしよう!」

側近「ああ、そうだな」
912: :2012/11/17(土) 23:39:56 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「薬草、いっぱい採れたね!」

側近「ハーピー族って本当に薬草確保するの好きだよな」

ハーピー「好きでやってるんじゃないよ!回復魔法も低級くらいしか使えない弱い魔物なんだから、回復手段はしっかりと確保しとかないと」

側近「魔王様が平和な魔界を造り上げたが、それでも必要なのか?」

ハーピー「回復効果の他にも、栄養もあって健康にいいから」

側近「茶とかにして飲んだらすごい苦いけどな」

ハーピー「でも、そこが健康に良さそうな感じしない?」

側近「毎日続けようって気にはならないかな」

ハーピー「駄目だよ。側近は魔界のためにも健康でいなくちゃ。だから頑張って飲んでみようよ」

側近「ハーピーが口移ししてくれたら毎日でも頑張れそうだな」

ハーピー「もう、何言ってるの!……あ、村が見えてきたよ」

側近「採った薬草は長老に一旦預けるんだったっけ?」

ハーピー「そうだよ。皆で集めた薬草を、平等に振り分けるの」

側近「じゃあ長老に薬草渡して、今日の仕事は終わりだな」

ハーピー「うん!」
913: :2012/11/17(土) 23:40:53 ID:7RuR6mIcnA
長老「これほどあれば安心じゃな。ハーピーよ、御苦労であった」

長老「側近殿も手伝ってくれて、ありがたいことじゃ」

側近「構いませんよ。好きでハーピーを手伝っているんですから」

長老「そうか……ハーピー、今日はもうよい。ゆっくりするがいい」

ハーピー「わかりました。それでは失礼します」

長老「ああ、側近殿に少し話がある。側近殿は残ってくれんか?」

側近「私に話ですか?わかりました」

ハーピー「側近、外で待ってるね」

側近「先に帰ってていいよ」

ハーピー「ううん、待ってる」

側近「そっか。わかった」

側近「……それで、話とは何なんでしょうか?」
914: :2012/11/17(土) 23:42:16 ID:7RuR6mIcnA
長老「側近殿はいつごろハーピーと結婚するんじゃ?」

側近「ちょっ!?な、何を言い出すんですか、いきなり!?」

長老「側近殿も知っての通り、ハーピー族は女性種じゃ。その理由もわかるな?」

側近「……魔界が争いの渦中だった頃、男性は集落の防衛のため戦闘に参加し、そして全滅したからですね」

長老「そうじゃ。村には女だけが残った。それでは子も残せんで、滅亡を待つだけじゃった」

側近「しかし、女性単体でも子孫を残せるよう進化し、単為生殖が可能となったんですよね」

長老「厳しい魔界で、弱い魔物が命を繋いでいくには必要な進化だったんじゃろうな」

側近「たとえばスライム族は分裂して仲間を増やすなど、単体で新しい命を産むような進化は弱く殺されることが多い魔物に多く見られますよね」

長老「でもな、ハーピー族は元々がそうだったから、有性生殖だって出来るんじゃ。恋愛感情だってある」

側近「時々他種族との子をつくったっていうハーピー族の話を聞いたりしますからね」

長老「他種族との関わりを持つのは、危険なことでもあるからの。今までの村の掟では他種族の子をつくった娘は追放処分じゃったの」

長老「魔界に潜む凶悪な魔物から身を守るために、わしらハーピー族は他種族を拒絶し、恋愛を知らんで生きてきた。でも、今の魔界は平和じゃ」

長老「女には女の幸せがあるのだと思う。男を愛し、その男との子を授かり、温かな家庭を築く。そんな幸せな人生を若いのに送ってほしいのじゃ」

長老「家族の幸せの中で生きてほしいと願っておるのじゃ」

側近「家族の幸せ……」
915: :2012/11/17(土) 23:43:19 ID:7RuR6mIcnA
長老「そしてあの娘を幸せにできるのは間違いなく側近殿じゃ。あの娘は厳しい魔界の中でも、優しく在ることを諦めんかった」

長老「幸せを得る権利は、あの娘には確実にあるじゃろう。どうかあの娘を幸せにしてやってくれんか?」

側近「……幸せにはしたいと思います。しかし、結婚はそう簡単には決められません」

長老「まあそうじゃの。すまんな、二人の問題にわしみたいな老いぼれが絡んでしもうて」

側近「いえ、気になさらないでください。ハーピーを想っての提案は嬉しく思っています」

長老「そうか。どのような結果になろうとも、わしは今は二人の幸せを祈っとる。どんな形でも幸せになってくれ」

側近「任せてください。どんなことがあっても、必ずハーピーを幸せにしてみせます」

長老「……わしは二人のって言ったんじゃがな。まあよい。すまんな、時間をとらせて」

側近「いえ、構いませんよ。それでは私も失礼いたします」

長老「うむ。ハーピーも待ってるようじゃからな。行ってあげなさい」
916: :2012/11/17(土) 23:44:28 ID:7RuR6mIcnA
側近「ハーピーは……いた。村の仲間と話してら」

「あ、側近様!」「側近様、やっぱりかっこいいですね!」「ハーピーより私を選んでみませんか!?」

ハーピー「ちょ、ちょっと皆さんやめてくださいよ!側近が私の彼氏じゃなくなったら、私は……」

側近「安心しろ、俺がハーピーを見捨てるなんてあり得ねえよ。皆もあんまりからかうなよ。俺のハーピーは生真面目なんだからよ」

ハーピー「お、俺のって///」

「わかってますって」「やっぱり二人の仲には敵わないなー」「かっこいいって思うのは本当ですからね!」

側近「待たせたな、ハーピー。さあ、一緒に帰ろう」

ハーピー「う、うん。あの、お話って何だったの?」

側近「ん、いや、ちょっとな」

側近(家族の幸せか……)

側近(家族を知らない俺が、ハーピーにそんな幸せを届けてあげることができるのだろうか)

側近(……有性生殖、子をつくる……)

ハーピー「ねえ、どうしたの?何か顔赤いよ?」

側近「っ!な、何でもないよ!///」

ハーピー「嘘だよ。側近、珍しくうろたえてるもん。何かあったでしょ?」

側近「何でもないって!///いいから帰ろう、はやく!///」

ハーピー「もう、変な側近……」
917: :2012/11/17(土) 23:45:21 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「ただいまー」

側近「ただいまー」

ハーピー「今日はどうする?晩御飯は食べていくよね?その後は城に戻る?」

側近「んー、泊まっていこうかな。明日の弁当も頼める?」

ハーピー「大丈夫だよ!真心こめてつくるよ!」

側近「そりゃありがたい。ハーピーがつくる料理は世界で一番うまいからな」

ハーピー「本当に大げさなんだから、側近は……」

側近「いや、マジだって。嘘ついてからかうのは魔王様だけだよ」

ハーピー「出会った頃は私にもよくやってたくせに」

側近「それはごめんって。でも今はやってないだろ?」

ハーピー「今はね。でも、出会った頃はけっこう酷かったでしょ」

側近「ごめんごめん。お詫びと言っちゃなんだけど、晩飯作るの手伝うよ」

ハーピー「いいよ、私だけでつくれるから。お城の仕事と私の手伝いで疲れてるだろうから、ゆっくり休んでてよ」

側近「手伝いたいんだよ。俺の疲れは、ハーピーと一緒にいることで癒されるんだからな」

ハーピー「……もう、平気で変なこと言うんだから///」

側近「ははは。……で、俺は何したらいい?」

ハーピー「えーっとね、それじゃあ……」
918: :2012/11/17(土) 23:46:40 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「出来たね!」

側近「よーしさっそく食おうか」

ハーピー「側近は食べるの早いから、今日はしっかり噛んでゆっくり食べなよ」

側近「いや、だからハーピーが遅いんだって!魔王城来てみ?皆俺くらいだから!」

ハーピー「嘘だよ!」

側近「嘘じゃないって!」

ハーピー「いや、ちょっと待って。とりあえず食べよう。冷めちゃうよ」

側近「それもそうだな。それじゃ」

二人「「いただきまーす」」

側近「いやあ、安定してうまいな、ハーピーの料理は」モグモグ

ハーピー「側近のために練習してるからね。満足してもらえたならよかったよ」モグモグ

側近「幸せ者だなあ、俺は。魔王様がよく爆発しろって言ってたのも何となくわかるわ」モグモグ

ハーピー「爆発?何それ?」モグモグ

側近「ちょっと前までの魔王様の口癖だよ。まあ魔王様が言うなって感じだったけど」モグモグ
919: :2012/11/17(土) 23:47:59 ID:7RuR6mIcnA
食事が終わって、雑談中。

ハーピー「それでね、それでね!」

側近「うん、うん」

側近(何の変哲もない会話だな。でも、ハーピーとなら、それで楽しい。それが楽しい)

側近(それだけじゃない。ハーピーとだったら、嬉しいことも悲しいことも苦しいことも全てが尊くなる)

側近(大切じゃない瞬間なんて一つもないんだ。不思議でならない)

側近(これから先、どんなことがあっても、たとえ俺が死ぬようなことになってでも、この幸せを、ハーピーの幸せを守りたいって思える)

側近(ずっとずっと、一生この幸せの中で生きたい。一生をかけてこの幸せを守りたい。ハーピーとの確かな絆が欲しい。ハーピーを守りたい)

側近(……ああ、もしかして)

側近(だから、俺の両親も……自分が死ぬことになってでも俺の命を優先して守ってくれたんだな)

側近(家族の幸せって、きっとこういうことなんだろうな……)

側近(なら、俺だってきっと……)

側近「……ハーピー」

ハーピー「ん、何?」



側近「結婚しないか?俺の家族になってほしい」
920: :2012/11/17(土) 23:49:17 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「……え?……ええ!?」

ハーピー「な、何をいきなり!どんなタイミング!?え、ドッキリ!?」

側近「え?……あっ!いや!何か思ったことがつい口に!」

ハーピー「思ったことってことは、本当に……」

側近「それは、その……」

側近「……ほ、本当だ。どんなことがあっても、絶対にハーピーを幸せにしてみせる。だから俺と結婚してください」

ハーピー「……それじゃ駄目かな」

側近「え゙っ!?」

ハーピー「側近も一緒に幸せにならなくちゃね。私と一緒に幸せになってください」

側近「あ、焦ったぁ!!や、やめてくれよ、本当に!!心臓二、三回は止まったよ!!」

ハーピー「えへへへ、あんまり急にプロポーズしてきた罰だよ!」

ハーピー「……ありがとう、側近。本当に私でいいの?」ポロポロ

側近「……言ったろ。嘘ついてからかうのは魔王様だけだって。俺はハーピーに嘘はつかねえ」

ハーピー「ありがとう……一緒に幸せになろうね」ポロポロ

側近「お礼を言うのはこっちだよ。泣くなよ」

ハーピー「嬉しくて涙出るんだもん……」ポロポロ
921: :2012/11/17(土) 23:50:58 ID:7RuR6mIcnA
翌日。

側近「というわけで、俺達、結婚することになりました」

魔王「ええええええ!?どんだけ急なの!?」

ハーピー「ですよね!私もびっくりしましたよ!」

側近「いや、本当にすまない。思うところがあって、ついやってしまったというか……」

龍人「てめぇ、思いつきでそんな大事なこと済ますなよ。プロポーズの場所とかタイミングとか、女は大切にしたいもんだろ」

魔王「そうだよ!それに婚約指輪とかまだ渡してないでしょ!」

側近「そ、そうなんですよね……」

魔王「最悪だよ!そんな適当なプロポーズ!ハーピーちゃんがかわいそうだよ!」

側近「今回ばかりは反論できません……」

ハーピー「いいんです!私、側近と家族になれるだけで幸せなんですから///」

魔王「何て優しい……女神や。ハーピーちゃんは女神やったんや……」ポロポロ

龍人「こんないい子の夫が側近とか、世も末やでぇ……」

ハーピー「そんなことはありません!私にとって、側近は世界で一番かっこいい男性です!」

側近「ハーピー……」

魔王「ハーピーちゃん、よかったね……おめでとう!」ポロポロ

龍人「お前はいい加減泣き止めよ……」
922: :2012/11/17(土) 23:52:03 ID:7RuR6mIcnA
側近「これからは出来るだけハーピーと一緒にいたいんですが」

魔王「うん、それがいいよ!」

側近「じゃあこれからは俺、ハーピーの家から通勤しますので」

魔王「……え?側近、魔王城から出ちゃうの!?」

側近「そりゃあこれからは夫婦として、一緒に過ごしていきたいですし」

魔王「えええ!?嫌だよ!側近が出てっちゃうの、寂しいよ!」

魔王「ハーピーちゃんが城に来ればいいよ!大丈夫、空き部屋あるから!」

側近「そうは言いましても……ハーピーはハーピー族として生きなければならないでしょうし」

ハーピー「はい……私にはハーピー族での仕事もありますし」

魔王「側近が養ってくれるから、ハーピーちゃんは働かなくてもいいよ!」

魔王「お願いだよー!俺もハーピー族の長老さんに頼んでみるから!」

龍人「魔王自ら頭下げに行くとか……」

魔王「皆でお願いしに行こう!そうしよう!」
923: :2012/11/17(土) 23:53:55 ID:7RuR6mIcnA
所変わってハーピー族の村。

長老「いいよ」

龍人「いいんかよ!?」

ハーピー「長老!本当によろしいのですか!?」

長老「いいんじゃ。魔界は変わった。となれば、ハーピー族だって変わらねばならんじゃろう」

長老「昔の決まりに縛られて、若い者の未来を老いぼれが潰す必要なんてないんじゃ。側近殿と幸せになりなさい」

ハーピー「……ありがとうございます!」

魔王「よかったね、ハーピーちゃん!」

長老「それにしても側近殿……昨日主がわしに言ったこと、覚えとるか?そう簡単に決められんとか言っとったじゃろ」

側近「そ、それは……まあ、自然と決めてしまいました」

長老「まあよい。式は魔王城で行うのか?その時はわしらも祝福しよう」

魔王「魔王城で式!長老さん、それいい考えですね!もう盛大にやっちゃいましょう!」

龍人「その前にもいろいろやらなきゃな。ちゃんと夫婦になるためにな」

側近「夫婦……家族……」

ハーピー「長老の許可も出たことだし……魔王様、これからは側近の妻として、私も魔王城に住むことにします」

魔王「魔王城にハーピーちゃんが住んでくれるなんて、夢のようだよ!」

ハーピー「何もしないで住むのは悪いので、私も城の一員として働くことにします。よろしくお願いします!」

魔王「別に働かなくてもいいのに……」
924: :2012/11/17(土) 23:55:11 ID:7RuR6mIcnA
こうして側近はハーピーと結婚することになった。
側近はハーピーと家族になって、家族の幸せを理解し、それを得られたことを喜んだ。
魔王はハーピーが魔王城に住みこみで働くことになったことを喜んだ。
そして龍人も密かに喜んでいた。ハーピーが働くということは、自分の仕事量が減るからである。
しかし、現実はそううまくいかないようで……。

側近「龍人!三バカ!ハーピーに自分の仕事押し付けるようなことしたらぶっ殺すからな!」

魔王「むしろハーピーちゃんが仕事しなくていいようにお前ら全員死ぬ気で働け!」

ハーピー「魔王様、側近も……私もちゃんと働くから、そんな……」オロオロ

龍人「何か余計に忙しくなったような気さえするよ、ちくしょう!」

ハーピーが加わっても、魔王城は相変わらずであった。
相変わらずの魔王城で、新婚二人は平和に幸せに過ごしていくのだった。
925: :2012/11/17(土) 23:58:56 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

今回の話なんですが、普段のラブラブっぷりを見て「これで結婚してないとか嘘でしょ」と思ってやってしまいました。
今回の話を書いてる時、脳内BGMは福山雅治の「家族になろうよ」でした。
いや、それはいいとして、勢いでやっちゃったけど大丈夫だったんでしょうか。
まあでもやっちゃったもんは仕方ないですね。うん、仕方ない。
これからは家族として夫婦として、イチャイチャしていくんでしょうね。
一緒の家で寝泊まりしたり、一緒に何かをやったり……あれ、この二人、今までと何も変わらない気が……

今回の更新のまとめです。一応分けときます。
家族のお話・側近編>>909-916>>917-924
926: 名無しさん@読者の声:2012/11/18(日) 00:02:15 ID:HZWQXcGV/Y
さて…皆の衆…会議だ
今日は側近をどうするかについてだ

取り敢えず俺は関節技でボッキボキにしてやればいいと思うの


末長く爆発しろ!!
つご祝儀
927: 名無しさん@読者の声:2012/11/18(日) 00:05:42 ID:n9ecgHDJME
側近はバイブ責めですな


つ御祝儀
928: 名無しさん@読者の声:2012/11/18(日) 02:48:41 ID:9ZMBJTs0O.
むしろハーピーちゃんにバイブ責めで側近を生殺しにすればいいと思うの

つ御祝儀
つCC
929: 名無しさん@読者の声:2012/11/18(日) 09:07:13 ID:UnOQWjueGw
やっぱり魔王に側近に関節技かけてもらおうよ・・・
あの魔王のパワーで。

つチョークスリーパー
つ御祝儀
つ支援
930: 名無しさん@読者の声:2012/11/18(日) 11:27:33 ID:E59jL8z.KM
側近が結婚したと言うことは次は……

龍人が関西弁使ってるwwww萌

あ、これいつものです。
つC
今日はこれも!
つ御祝儀
931: 御祝儀ありがとうございます:2012/11/20(火) 22:54:44 ID:7RuR6mIcnA
こんなにも御祝儀をいただいちゃって……側近とハーピーに代わってお礼申し上げます。
お返しになるかはわかりませんが、更新を頑張っていきたいと思います。こう言いつつ最近は二日か三日に一回ペースになっちゃってますけど。

>>926
全身の骨という骨を粉々にしてやればいいんじゃないでしょうか。
そして側近は亡くなりまして、一人になってしまったハーピーを俺が優しく抱きしめてあげればハッピーエンドでしょう。
……やめて!俺まで関節技でボッキボキにするのはやめて!マジで死ぬから!

>>927
男として、そんな場面は見たくないです。

>>928
男として、こういう場面が見たいんです。
いっそこれを小話として書、いや、やめときましょう。

>>929
側近「魔王様が本気でやったらマジで俺死にますよ」
ハーピー「魔王様、考えなおしてください!側近が死んだら、私は……」ウルウル
魔王「ハーピーちゃん、泣かないで!だ、大丈夫だよ!側近は死なないから!」オロオロ

>>930
いやあ、結婚は当分ないでしょう。一応あの二人はまだ付き合い始めたばかりですからね。

龍人「関西弁つこうたらモテるんやな!これでわいもリア充っちゅうわけやな!」
魔王「あかん、これはモテへんで……」
932: :2012/11/20(火) 22:55:51 ID:7RuR6mIcnA
魔王と女勇者のデート

会長「魔王様ファンクラブで女勇者様をバックアップすると決めて久しいですが」

会長「何であれからデートも何もしてないんですか!」

女勇者「デ、デートはしてないけど、ちゃんと会ってはいるよ!ごはんもつくったりしてるよ!」

会長「ああもう、そんなんじゃ生殺しなんですよ!」

会長「あの女性大好きな魔王様が一番として選んだ女勇者様なんですよ!」

会長「そんな女勇者様と付き合うことになったのに、会うだけでそれ以外は何もできないでいるんですよ!」

会長「会うだけなら付き合う前から出来てたでしょ!」

女勇者「あ、会うだけじゃないよ!ごはんとかつくってるよ!」

会長「望んでるのはそれ以上なんですよ!デートして、寝泊まりして、チョメチョメしたいと思ってますよ、きっと!」

女勇者「チョメチョメって!///駄目だよ!健全にこのSSを進めていこうよ!///」

会長「何をいまさら言ってるんですか!読み返してみてください!すごく不健全ですよ、これ!」
933: :2012/11/20(火) 22:56:59 ID:7RuR6mIcnA
会長「まあでも女勇者様も魔王様も奥手です。それは理解してます。そういう行為をいきなり望んでもできないだろうとは思ってますよ」

会長「だからまずはデートです。デートを平気でできるようになりましょう。何も恥ずかしがることなく手を繋いで歩けるくらいになりましょう」

女勇者「手を繋いで歩くとか、ドキドキしすぎておかしくなっちゃうよ!」

会長「そこを頑張らなくちゃいけないんですよ!あなたは魔王様の彼女なんですよ!」

会長「側近様とハーピーさんは順調に交際して、結婚に辿り着いたんですよ!女勇者様だって、きちんと交際すべきです!」

女勇者「でも……恥ずかしいし……」

会長「こんな時のためにスペシャルゲストを呼んでいます」

女勇者「す、スペシャルゲスト?」

会長「闘魂注入師の女戦士さんです」

女戦士「はい、どうもどうも」

女勇者「ひぃ!?」

会長「どうですか?闘魂注入できそうですか?」

女戦士「コンディションはばっちりだね。いい音鳴らして三、四メートルは飛ばせると思うよ」ブンッブンッ

女勇者「張り手の素振りですごい音鳴ってる!?やだやだ、そんなのくらったら三日は落ち込むよ!」

女戦士「じゃあさっさとデートせえや!魔王が他の女に取られてもええんか!?」

女戦士「あの顔だぞ!あの優しさだぞ!更には世界の救世主だぞ!もう女なんか好き放題なんだよ!乗り換えられてもええんか、お前は!?」

会長「その通りです!魔王様と女勇者様のお付き合いがうまくいくよう、頑張る必要があるのです!」

女勇者「わ、わかったよ……頑張ってデートする!魔王が他の女の人と付き合うとか嫌だもん!」
934: :2012/11/20(火) 22:58:02 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「よーし、その意気だ!闘魂注入が必要なくなって寂しいけど、まあ結果的にはこれでいいや!」

会長「そうとなれば早速連絡を……」

女勇者「いや、私王都で魔王は魔王城にいるからね。そんな簡単に連絡とれないよ」

女戦士「携帯とかないんか?」

女勇者「ないよ。中世ファンタジーのSSだからね」

女戦士「でもゲームはあるんだろ?」

女勇者「だからこの世界は基本的におかしいのよ」

会長「まあとにかく、すぐには連絡とれないってことですよね。移動魔法が使える魔王様が来てくれるのを祈りましょう」

女戦士「よくよく考えたらけっこうな遠距離恋愛だよな。移動魔法があれば問題ないけど」

女勇者「移動魔法覚えようかな……」
935: :2012/11/20(火) 22:59:09 ID:7RuR6mIcnA
その頃の魔王城。

ハーピー「魔王様、何でもっと女勇者さんと向き合ってあげないんですか!?」

魔王「いやいや!ハーピーちゃん、俺めっちゃ向き合ってるよ!」

魔王「女勇者ちゃんの家に行ってごはんつくってもらったり、一緒にゲーム買いに行ったり、ゲームやったりしてるよ!」

ハーピー「駄目ですよ、それじゃあ!女勇者さん、すごく我慢してると思いますよ!」

魔王「我慢させてるの!?マジっすか!?」

ハーピー「普通の買い物や各地の名所を楽しむというような普通のデートや、一緒の空間で寝泊まりしたいって思ってますよ、きっと」

側近「魔王様、夕暮時にちょっと行って飯食ってすぐ帰りますからね。飯をたかりに行ってるだけじゃないですか」

龍人「女勇者の買い物には付き合わず、興味のないゲームの買い物に付き合わせて、それをやらせるんだろ?最低の屑じゃねぇか」

ハーピー「女勇者さんほどの綺麗な女性なら、男性を選べる立場にあるんですよ!愛想を尽かされて振られてもいいんですか?」

魔王「ふ、振られる!?いやだよ、女勇者ちゃんとずっと仲良くしたいよ!」ポロポロ

ハーピー「なら、もっと女勇者さんも楽しめるようなデート等をしてあげてください!このままじゃかわいそうですよ!」

魔王「う、うん。わかった。女勇者ちゃんに喜んでもらえるよう頑張る!」
936: :2012/11/20(火) 23:00:05 ID:7RuR6mIcnA
龍人「そうと決まればデートだろうな。とりあえずキスくらいいっちゃえよ」

魔王「キッ!?」

側近「お前な、どんだけ魔王様を買いかぶってんだよ。無理に決まってんだろ」

龍人「そうか?何も挿入しろって言ってんじゃないんだぜ?奥手って言っても、付き合ってんだからキスくらいいけっだろ」

龍人「ていうか付き合ってんだし責任もとれるんだから挿入してもいいと思うんだけどな。魔王も勢いでいっちゃえばいいんだよ」

側近「いやあ、無理だろ。とりあえず緊張せずにデート誘えるくらいを目指すべきだろ。それで慣れたら次は自然に手を繋げるように」

魔王「キス……挿入……あ、あわわ……//////」ボンッ!

ハーピー「ちょ、ちょっと側近!龍人さん!魔王様が赤面してボンッ!ってなってます!」

側近「本当だ。面白い方だなあ」

龍人「想像してこうなるんか。これじゃあ確かにキスも無理そうだな」

ハーピー「そんな悠長に話してていいんですか!?魔王様が何か大変なことになってますけど!」
937: :2012/11/20(火) 23:01:35 ID:7RuR6mIcnA
側近「……魔王様、直りましたか?」

魔王「うん……俺の修理、ちゃんと完了したよ」

ハーピー「すごい会話ですね……」

龍人「俺も一年半前は驚愕の日々だったわ。懐かしいなぁ」

側近「話を戻しますが、とにかく魔王様は女勇者を喜ばせるデートを心掛けてください」

魔王「うん……女勇者ちゃんがわざわざ俺なんかを選んでくれたんだもん。俺でよかったって思ってもらえるように頑張る!」

龍人「じゃあさっそくデートに誘ってきたらどうだ?」

魔王「え、今から!?ちょっと緊張しちゃってるんだけど……」

龍人「そうやって先延ばしにしてたら永遠に機会はねぇよ。いいから行ってこい!」

ハーピー「頑張ってください!応援してますから!」

側近「行かなきゃロメロスペシャルに仕留めますよ」

魔王「ええ!?それは嫌だよ!わかった、心の準備がまだ済んでないけど……行ってくる!」シュンッ

龍人「行っちゃったな。……まああの二人なら俺らが口出しせんでもうまくはいくと思うがな」

ハーピー「お二人とも奥手なので、見守る立場としてやきもきしてしまいますよね」

側近「面倒臭いし、さっさと結婚すればいいのに……」

龍人「皆がお前みたいに勢いでプロポーズ出来るわけじゃねぇんだよ」

ハーピー「そうだよ、側近。結婚する前の交際期間って大事だよ」

側近「実質一年半前から付き合ってるようなもんだと思うけどなあ……」
938: :2012/11/20(火) 23:02:56 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「次に会えたらデートの約束しろ!って話になったけど」

女勇者「手を繋いで歩く……想像しただけでキュン死しちゃうよ」

女勇者「魔王とは一緒にいたいけど、デートや手を繋ぐのは難易度高いよ……心の準備が……」

魔王「女勇者ちゃーん。いないのー?」

女勇者「うわあ、魔王!?私ん家の前で何やってんの!?」

魔王「あ、女勇者ちゃん。会いに来たんだよ。出かけてたんだ?」

女勇者「うん。魔王ファンクラブの活動に行ってて」

魔王「あ、まだファンクラブに入ってくれてたんだ。ありがとう!」

女勇者「当たり前だよ。私は生涯魔王に尽くすつもりだよ!」

魔王「あ、ありがとう///」

女勇者「い、いや、別にいいよ///」

二人「「……あのっ」」

魔王「あ!いや!女勇者ちゃん、先にどうぞ!」

女勇者「い、いや!魔王からどうぞ!」

二人「「……」」

二人「「……よかったらデート……えっ!?」」

魔王「女勇者ちゃんもデート誘う感じ?」

女勇者「ま、魔王も?」
939: :2012/11/20(火) 23:03:48 ID:7RuR6mIcnA
魔王「な、何か奇遇だね!」

女勇者「そ、そうだよね!同じ時に同じことを思うなんて、気が合うよね!」

女勇者(魔王がデート誘ってきた……やっぱり今までいろいろ我慢してたのかな……)

魔王(女勇者ちゃんがデート誘ってきた……やっぱ女勇者ちゃんも普通のデートがしたかったんだ)

二人((これはもう今回のデートで喜んでもらうしかない!別れたくないもん!))

魔王「女勇者ちゃんはさ、これから時間大丈夫?」

女勇者「う、うん。大丈夫だよ。魔王は?」

魔王「お、俺も大丈夫。だったらさ……今からデート、しよっか?」

女勇者「う、うん。デート、しよう///」

魔王「わかった。デート、しようね///」
940: :2012/11/20(火) 23:05:18 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「え、えっと、じゃあ何しようか?」

魔王「えっと、えっと、買い物しようよ!」

女勇者「買い物?魔王、何か欲しいゲームあるの?」

魔王「あ、いや、そうじゃなくてね!女勇者ちゃん何か買いたいのない?」

女勇者「え、私?私はいいよ、魔王のしたい買い物を……」

魔王「んーん!今日は俺が女勇者ちゃんのしたい買い物に付きそうよ!」

魔王「女勇者ちゃんはいっつも俺の勝手に付き合ってくれるからね!今日は女勇者ちゃんが楽しめるようなデートにしよう!」

女勇者(ゲーム買ったりするだけでも魔王の笑顔が見れるからいいんだけどな)

女勇者(でも、魔王が私を気遣ってくれてる。それもすごく嬉しいなあ……)

女勇者「……わかった。それじゃあちょっと服買いたいんだけど、いい?」

魔王「うん、いいよ!」

女勇者「ありがとう!それじゃお店に行こう。王都の良い店知ってるんだ!」

魔王「王都のお店だね!それじゃあ歩いて行こう!」
941: :2012/11/20(火) 23:06:35 ID:7RuR6mIcnA
「あ、魔王様。女勇者様」「デートですか。楽しんでくださいね」「爆発してください!」

魔王「つ、付き合ってるの、皆にばれてるから、いろいろ言われちゃうね」テクテク

女勇者「ちょっと恥ずかしいよね」テクテク

女勇者(でも、堂々と魔王の彼女でいられるのはすごく嬉しいな///)テクテク

魔王「……」テクテク

女勇者「……」テクテク

二人((あれ?もしかして今、手を繋ぐチャンス?))テクテク

魔王(いや、でも、皆見てるし、ずっと手を繋ぐのはやばいって!何か今は俺手汗やばいし今はやばい今はやばい!)テクテク

女勇者(覚悟決めないともう機会ないかも!でもやっぱ人前で繋ぐのも繋ぎ続けるのもやばい!それに今は私手汗が大変なことになってるし!)テクテク

二人((どうしよう!どうすればいい!?))テクテク

魔王「……あいた!」ガンッ

女勇者「魔王、どうしたの!?」

魔王「いてて……ちょっと考え事してて、建物の壁にぶつかっちゃった」

女勇者「……あ、ここだよ。このお店だよ、来たかったの」

魔王「あ、そうなんだ。それじゃ服見てみよっか?」

女勇者「うん!」

二人((……手、繋げられなかった……))
942: 1「俺はなあ、ファッションには疎い田舎者なんだよ!」:2012/11/20(火) 23:08:04 ID:7RuR6mIcnA
魔王(よくこういう話を聞く)

魔王(女性の買い物に付き合うと長すぎて男性は嫌気がさしてしまうって)

魔王(で、初めてそれが本当かどうか試せる瞬間がきたけど)

魔王(まあ確かに長いよ。長い長い。そこは認めよう)

魔王(だけど、嫌気がさすなんてことはないよ。世の男どもは一体何を見てきたのか)

女勇者「これもいいなあ。あっ!これもいい!」

魔王(嬉しそうなあの笑顔なら永遠に見てられるよ。素敵な笑顔やで)

魔王(女勇者ちゃんの笑顔は、幸運にも今までも見ることが出来たけど)

魔王(今日のこの笑顔も素敵だなあ。女勇者ちゃんは好きな服のことだと、こういう笑顔もするんだ)

魔王(本当に俺が馬鹿だった。優しくて何でも付き合ってくれる女勇者ちゃんに甘えて、やりたくもないゲームに付き合わせて)

魔王(女勇者ちゃんのこの笑顔を今まで奪ってたのは俺の我儘だよ。本当馬鹿だよ。マジ反省だなあ、これ……)

女勇者「ねえねえ、魔王はこっちとこっち、どっちが私に似合うと思う?」

魔王「女勇者ちゃんならどっちでも似合うよ!」

女勇者「もー、真面目に考えてよー」
943: 1「服がどうこうなんて書けん!なので各々脳内補完よろしく」:2012/11/20(火) 23:09:41 ID:7RuR6mIcnA
魔王「真面目に考えてるよ。でも本当にどっちでも似合うと思うんだもん」

女勇者「むー……じゃあ魔王はどっちを私に着てほしい?」

魔王「え?俺の好みでいいの?」

女勇者「うん!」

魔王「えー……じゃあこっちかなあ」

女勇者「こっちだね!わかった!」

魔王(マジ可愛い。マジ笑顔最高)

女勇者「……せっかくだからさ、魔王の服も選んでみよっか」

魔王「え?俺の服?俺の服はいいよ」

女勇者「でも魔王っていっつも同じ服じゃん。軽いおでかけでも如何にも魔王な格好だしさ」

女勇者「魔王城の中だとパジャマでうろついてるしさ。パジャマはパジャマで可愛いから私はいいと思うけど、周りがどう思うかだよね」

女勇者「もうちょっと魔王もおしゃれしてみようよ!魔王だったら絶対どんな格好でもかっこいいから!」

女勇者「私が選んであげるから!ねっ!」

魔王「女勇者ちゃん……ありがとう」
944: :2012/11/20(火) 23:11:00 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……いやあ、たくさん買っちゃったなあ」

魔王「俺の服もたくさん選んでくれてありがとう!これからはいろいろ服着てみるね!」

魔王「……本当に俺お金出さなくてよかったの?」

女勇者「いいんだよ。だって私の買い物じゃない。自分の物を買うんだから自分で払う、当たり前でしょ!」

魔王「でも俺の服もたくさんあったし……」

女勇者「それはプレゼント!私に幸せな時間をくれる魔王への感謝だと思って受け取って!」

魔王「幸せな時間をくれるのは女勇者ちゃんの方だよ!お礼はこっちこそやらないといけないのに……」

魔王「とりあえず今買ったのは全部俺が持つよ!」

女勇者「え、でもこんなにたくさんの荷物を一人で持つなんて……」

魔王「大丈夫!こういうのは男に任せてよ!」

女勇者「……ありがとう。それじゃちょっと甘えようかな」

魔王「それがいいよ!……これからどうしよっか?」

女勇者「そうだねえ……」

二人((……あれ?荷物で手がふさがるから、これもしかして手繋げなくなった?))
945: :2012/11/20(火) 23:11:53 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「と、とりあえず私ん家近いから、荷物置きに行こうよ!」

女勇者(じゃないと手繋ぐチャンスが永遠に来ないし!)

魔王「そ、そうだね!荷物多いままだと持ち運び大変だもんね!」

魔王(このままじゃ手を繋ぐことなくデート終わっちゃうし!)

女勇者「それじゃ一旦家に戻ろう!」スタスタ

魔王「う、うん!」スタスタ



魔王「女勇者ちゃん家は落ち着くなあ」

女勇者「実家は田舎だけどね。実家の方だと自然の中で遊ばないといけなくなるよ」

魔王「自然の中で遊ぶのも好きだよ!」

女勇者「魔王はインドア派じゃないの?ゲーム好きだし」

魔王「……まあ確かに家でゲームしてるのが一番だけどさ」

魔王「実家かあ。交際してる身として、女勇者ちゃんのお母さんお父さんに挨拶行った方がいいのかなあ?」

女勇者「まあ急がなくてもいいと思うけど。……私もしばらく帰ってないなあ。ねえ、今度一緒に行こう!」

魔王「何なら今からでも……」

女勇者「今はデートに集中したいの!」

魔王「そっか。わかったよ。それじゃあ次は何するか考えよう」

女勇者「うん!」
946: :2012/11/20(火) 23:13:42 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「さてと、私のやりたいことには付き合ってもらったし、今度は魔王の番だね!何する?」

魔王「俺はいいよ、今日はずっと女勇者ちゃんのやりたいことやっていこうよ」

女勇者「そうはいかないよ!私だけ楽しんだらデートの意味ないもん!」

魔王「そうは言っても、俺のやりたいことだと、ゲームになっちゃうよ?」

魔王(それじゃあ手を繋ぐ機会なさそうだし……)

女勇者「……いいよ!私だって魔王と一緒にするゲームは好きだもん!」

女勇者(手を繋ぐ機会はなくなるかもだけど、魔王にいっぱい我慢させるのはよくないしね……)

魔王「そっか、ありがとう。……はは、これじゃいつも通りだね。何か結局ゲームに付き合わせてごめん」

女勇者「いいってば」

魔王「えっと、それじゃ移動魔法で魔王城行く?夕飯までやって、それで今日は終わりにしよっか?」

女勇者「え?あ、えっと……その……」

女勇者「げ、ゲーム機をさ、うちに持ってくるのはできない?」

魔王「え?で、出来るけど、何で?」

女勇者「今日は……泊まってほしいから///今日一日ずっと一緒にいよう///」

魔王「と、泊まっていいの?」

女勇者「……やだ?」

魔王「いやなわけないよ!女勇者ちゃんがいいのなら、是非泊まらせてください!」

女勇者「そっか、よかった。それじゃ今日はゲームでいっぱい遊ぼう!」

魔王「待ってて!音速で取ってくるから!」シュンッ

魔王「……取ってきたよ!」シュンッ

女勇者「本当に早いね!?……まあいいや。いろいろ繋いで、ゲームやろう!」
947: 1「何のゲームかわかります?」:2012/11/20(火) 23:14:58 ID:7RuR6mIcnA
魔王「ランス、駄目だって!行っちゃったら大変なことになるよ!」

魔王「そうだ、エモだよ!エモってランスを助けなくちゃ!」

魔王「怖気づいていいんだよ!そうだ!怖くなってもらおう!」

魔王「よかった!ランスが助かった!ランス、よかったよお!」ポロポロ

魔王「……あ、ごめん!一人で勝手に楽しんじゃって!」

女勇者「ううん、ゲームしてる魔王見てるの好きだもん。嘘じゃないよ」

女勇者(ゲームやってる時の魔王はいろんな表情をするんだよね)

女勇者(笑って、泣いて、怒って、ゲームの場面に合わせてくるくると表情を変えるの)

女勇者(そのどれもが素敵で、そんな表情をすぐそばで見守ることができる。幸せだなあ……本当に幸せ)

魔王「セーブしてっと……ごめんね、今度は二人でできるゲームやろうね」

女勇者「私がやると足引っ張っちゃうよ?それでもいい?」

魔王「いいよ!ていうか、足引っ張ることなんてないよ!」

女勇者「やっていいなら……一緒に頑張ろうかな!」

魔王「うん!一緒に頑張ろう!」
948: 1「こっちのゲームも何かわかります?東方じゃないよ」:2012/11/20(火) 23:16:20 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「古いゲーム機だね」

魔王「スーファミもすっかり古いゲーム機だよね」

女勇者「巫女さんが主人公のゲームなんだ。可愛いね」

魔王「うん、巫女さんが主役のアクションシューティングだよ。可愛いけど、女勇者ちゃんには敵わないよ」

女勇者「えへへ、ありがとう」

魔王「俺が小夜ちゃん……主人公の女の子使っていい?」

女勇者「いいよ。じゃあ私はこのくのいちの女の子で」

魔王「しのぶちゃんだね。よーし、二人でクリアしようね!」

女勇者「うん!」



女勇者「難しい……目が痛いよ……」

魔王「難しいよね。ちょっと切り上げて休憩しよっか」

女勇者「うん。ご飯用意するよ。晩御飯にしよ」

魔王「じゃあパスワード覚えて……よし、休憩しよう!女勇者ちゃんのごはん、楽しみだなあ!」

女勇者「魔王は私なんかのご飯でも美味しい美味しいって言って食べてくれるから嬉しいんだよね。今日も一生懸命作るよ!」
949: :2012/11/20(火) 23:17:01 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「出来たよー」

魔王「わーい!女勇者ちゃんのごはんだー!」

女勇者「そんなに喜んでもらえると私も嬉しいよ」

魔王「カレーだー!俺カレー大好きなんだよ!いただきまーす!」

魔王「美味しい!嫌いな野菜もなくて俺すごい好きだなあ!」

女勇者(野菜はすりおろしていれてるんだよね。これなら野菜嫌いな魔王でも野菜に気付かないで食べれるしね)

魔王「ねえねえ、おかわりしていい?」

女勇者「うん!いっぱい作ったからいっぱい食べてね!」
950: :2012/11/20(火) 23:18:06 ID:7RuR6mIcnA
魔王「ごちそうさまでしたー!」

女勇者「魔王、本当にすごい食べたね……」

魔王「え、駄目だった?」

女勇者「ううん。ただの感想だよ。それどころか喜んで食べる魔王が可愛くって幸せだったよ」

魔王「俺も女勇者ちゃんの料理を食べれて幸せだったよ!」

女勇者「ありがとう。……それじゃ目も回復したし、ゲームやろっか!」

魔王「お、女勇者ちゃん、やる気だね!」

女勇者「さっきのゲーム面白くって。せっかくだしクリアしたいよね!」

魔王「じゃあパスワードを入力して、再開しよう!」

女勇者「……うわ、アイテムがなくなってるよ」

魔王「パスワードで再開するとアイテムとかは初期状態になるんだよ」

女勇者「これはちょっと……最初からやってアイテム取っといた方がいいんじゃないかな?」

魔王「じゃあ最初からしよっか」

女勇者「いい?」

魔王「いいよ!」

女勇者「ありがとう。それじゃ最初からやろう!」
951: :2012/11/20(火) 23:19:04 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……駄目だー!クリアできなーい!」

魔王「あははは、難しいよね」

女勇者「目が痛いよー!限界だよー!」

魔王「けっこう遅くなったし、今日はここまでにしようか」

女勇者「うん、そうだね。はー、クリアできなかったあ……ちょっとお風呂入ってくるよ」

女勇者「あ、魔王は湯船につかる?」

魔王「え?う、うん」

女勇者「そっか。じゃあお湯入れとくね」

女勇者「……い、一緒に……」

魔王「え?」

女勇者「な、何でもないです!///お風呂行ってくるから!///」タッタッタッ

魔王「あ、行っちゃった。お風呂か……」

魔王「……見たい。いや駄目だから!それ覗きだから!」

魔王「いかんいかんいかん!それは駄目だって!駄目だって!!」

魔王「……泊まるわけだけど、俺も入っていいんかな?」

魔王「女勇者ちゃん家のお風呂で?女勇者ちゃんが入った後のお風呂に?湯船に?……いかんいかんいかん!」
952: :2012/11/20(火) 23:19:57 ID:7RuR6mIcnA
なんだかんだで入浴完了。

魔王「……もう遅いし寝ちゃう?」

女勇者「そうだね。ゲームいっぱいやって目疲れたしね」

魔王「また今度も一緒にやって、今度こそクリアしようね!」

女勇者「うん!」

女勇者「……それにしても魔王のパジャマ姿、本当に可愛いね」

魔王「いやいや、女勇者ちゃんのパジャマ姿の方が8200万倍可愛いよ」

女勇者「その数字はどうやって出てきたのよ……」

女勇者「……あっ!そうだ!今度お揃いのパジャマ買わない?」

魔王「あ、いいね!お揃いってなんかラブラブっぽくていいね!」

女勇者「さっそく次のデートの予定が埋まったね」

魔王「買い物でパジャマ購入、そして夜は今日のリベンジ!って感じ?」

女勇者「うん!」

魔王「今日本当に楽しかったね……またデートしようね!」

女勇者「うん!これからいっぱいいっぱいデートしようね!」

二人((次こそは手を繋いでみたいな……))
953: :2012/11/20(火) 23:21:24 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「それじゃ寝よっか」

魔王「一緒の部屋で寝るの、魔法学の街の宿屋以来だね」

女勇者「あの時は側近もいたけどね」

女勇者「そう言えば側近、ハーピーさんと結婚したんだよね!」

魔王「うん。ようやくゴールインだって。幸せになってほしいよね!」

女勇者「結婚かあ……」

魔王「結婚……」

二人「「……///」」

女勇者「ね、寝よう!うん、寝よう!///」

魔王「うん、おやすみ!///」

女勇者「……あっ」

魔王「あっ?」

女勇者「王都では一人暮らしだし、ベッド一つしかない……」

魔王「じゃ、じゃあ俺床で寝るよ」

女勇者「駄目だよ、魔王はベッド使って!私が床で寝るから!」

魔王「それこそ駄目だよ!女勇者ちゃんがベッドを使って!」

女勇者「……じゃあさ……ふ、二人で一緒に使おう」

魔王「え?え?」

女勇者「こ、ここ恋人同士なんだし、も、もも問題ないよ!うん、ない!///」

魔王「い、いいい一緒のベッドで?いいのかな?いいかなあ?いいかなあ!///」
954: :2012/11/20(火) 23:22:28 ID:7RuR6mIcnA
二人((一緒のベッドで寝るだけ。一緒のベッドで寝るだけだから))ドキドキ



『望んでるのはそれ以上なんですよ!デートして、寝泊まりして、チョメチョメしたいと思ってますよ、きっと!』

『ていうか付き合ってんだし責任もとれるんだから挿入してもいいと思うんだけどな。魔王も勢いでいっちゃえばいいんだよ』



二人((いやいやいや!寝るだけだから!寝るだけだからあああ!!))ドキドキドキドキ

二人((……いや、これはもしかしたらあれのラストチャンスかも))

女勇者「ま、魔王……起きてる?」ドキドキ

魔王「う、うん。起きてるよ」ドキドキ

女勇者「……手、握ってもいいかな?」ドキドキ

魔王「っ!……うん。いいよ」ドキドキ

女勇者「……」ギュッ

魔王「……」ギュッ

二人「「……」」ドキドキドキドキ
955: :2012/11/20(火) 23:23:52 ID:7RuR6mIcnA
女勇者(わあああ!やっぱり恥ずかしいいいい!)

女勇者(……でも、すごく落ち着くなあ)

女勇者(魔王の優しさが伝わってくるからかなあ)

女勇者(これからもずっと魔王と一緒にいれたらいいなあ)

魔王(女勇者ちゃんの手が!女勇者ちゃんの手があぁ!!)

魔王(すごいドキドキするけど、一方で安心感にも包まれてる感じがする)

魔王(手を繋ぐことで、女勇者ちゃんの優しさや温かさが伝わるからかな)

魔王(これからの人生全てを女勇者ちゃんと共に生きていきたいなあ)

魔王(俺は、人生をかけて女勇者ちゃんを守っていきたいなあ)

二人「「……」」ドキドキ

手を繋ぎっぱなしだった二人は結局緊張で寝られなかった。
寝られず、目を閉じてひたすら朝を待っただけの時間となったが、二人にとっては幸せな時間になったようだ。
こうして二人としては大成功のデートが終了したのだった。
956: :2012/11/20(火) 23:24:38 ID:7RuR6mIcnA
龍人「……で、寝られないまま朝を迎えたから、こいつは帰ってすぐ寝たわけか」

魔王「すぅ……すぅ……」zzz

龍人「今頃女勇者も同じように寝てんだろな」

側近「寝る前に魔王様が言ってたことを信じると、一応手を繋ぐっていうノルマは達成できたみたいだな」

龍人「まあ健全なお泊まりデートが出来ただけでも、このカップル的には大前進って言っていいかもなぁ」

側近「……結婚はいつになるのかなあ?ていうか、結婚までいけるのか?」

龍人「すぐには無理だろ。結婚は続編になるんじゃねぇの?」

1「え、これ続編やんの?」

側近「まあ恋愛の形はそれぞれだしな。こればっかりは見守るしかないな」

龍人「そうだなぁ。しばらくは見守る方向でいくかぁ」

龍人「誰だ今の」
957: :2012/11/20(火) 23:28:03 ID:7RuR6mIcnA
今日はここまでにします。

せっかく本編で交際に至ったんだから、ただひたすらいちゃつく話があってもいいんじゃないかと思って今回の犯行です。
まあね、多くの言葉はいらないでしょう。次の言葉で今日は終わります。大爆発しろ!!

今回の更新のまとめです。当然のように分けときます。
魔王と女勇者のデート>>932-939>>940-945>>946-956

これか次かがラストになりますかね。
958: 名無しさん@読者の声:2012/11/21(水) 01:04:36 ID:UnOQWjueGw
やっと進歩したよ!ちくしょう、爆発しろ!
早く突き・・いや、け、結婚しろ!
つ婚姻届け
つ媚薬

しえん!
959: 名無しさん@読者の声:2012/11/21(水) 02:17:44 ID:9ZMBJTs0O.
見える見えるぞ…

魔王が女勇者ちゃんを気にしすぎて手が出せず
女勇者ちゃんは女勇者ちゃんで自分に魅力が無いのかと悩む…

そんな二人の未来が見える…
うあああああマルマイン!だいばくはつ!

つ媚薬
つしえん
960: 名無しさん@読者の声:2012/11/21(水) 20:20:26 ID:oUrZxx2jaQ
お泊まりデートおめでとう
次は膝枕や腕枕だね!

最後のとこの龍人可愛いww
いやいつもの龍人も可愛いけどww
え?関西弁の龍人?そんな事より早くでぇとしようよ
961: 名無しさん@読者の声:2012/11/22(木) 11:20:40 ID:Sbys4aIzKQ
媚薬を女勇者に盛って、
魔王がどんな風にテンパるのかを見てみたい気もする

という訳で

つ媚薬
つC
962: 名無しさん@読者の声:2012/11/23(金) 09:29:58 ID:5j15m2A/Rg
二人はまるでメルトみたいだなぁ。
そして1さん書く理由出来たんだから続編期待してまっせ♪
963: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/11/23(金) 21:28:57 ID:7RuR6mIcnA
>>958
魔王達的には進歩なんでしょうけどね。
客観的には、あんな雰囲気であんな展開で行為に至らないとか、どういう精神してるんだって感じですよ。
まあでもこのSSは健全さが売りですので、過激な描写を避けるのは仕方のないことかもしれませんね。
一応言っておきますと、今のはツッコミポイントです。

>>959
見えるぞ!私にも同じ未来が見える!
……どう足掻いても二人がテンパる感じになるんですよね。どうしたもんでしょう。
そしてマルマインは犠牲になったのだ。

>>960
膝枕腕枕とかしたら魔王様の緊張もクライマックスで大変なことになるような気が……

龍人「マジでデートしてぇよ。俺もリア充の仲間入りしてぇんだよ!」
魔王「龍人だったら大丈夫だよー」
龍人「上から物言ってんじゃねぇぞ、こら!」

>>961
俺もそれ見てみたいですね。何か凄いことなりそうです。
そうなったら、魔王様テンパりすぎて死ぬんじゃないでしょうか。
まあでも魔王様的には幸せな死に方と言えるんじゃないでしょうか。このスレ的には一気にバッドエンドになりますが。

>>962
まあ確かにメルト級に初々しい二人ではありますよね。
相合傘とかしたらもう二人とも真っ赤になるんじゃないでしょうか。
そういうのを遠巻きに見ていたい気もしますけどね。優しく笑って爆発しろと囁きますよ。

続編は……どうなんでしょうね?あんまり期待しないで待っててもらえると助かります。
964: 1「だいたい2レス1セット」:2012/11/23(金) 21:30:41 ID:7RuR6mIcnA
魔王城の平和な日常

魔王「当たり前〜♪当たり前〜♪当たり前体操〜♪」

側近「何で当たり前体操やってるんですか?」

魔王「あ、側近。何でって、面白いからだよ!」

魔王「ねえねえ、俺、当たり前側近を考えてみたんだけど、聞いてよ!」

側近「いくら払いますか?」

魔王「側近に聞いてもらうのにお金いるん!?」

側近「冗談ですよ。くだらないのに付き合ってやりますからさっさとやりなさい」

魔王「くだらなくなんかないよ!いくよ!」

魔王「雑談編で〜♪ツッコミ張り切り〜……滑るっ!当たり前側近♪」

魔王「側近が痛々しいほど滑ってたのを再現したんだよwww面白いでしょwww」

側近「魔王の右腕♪掴んで捻って〜……アームロック!」グイッ

魔王「ひぐぅっ!?」メキィ

側近「当たり前魔王♪」

魔王「痛い痛い痛い!痛いよ!ちょっと笑えないレベルで極まってるから!」メキメキ

側近「や〜め〜ろ〜や〜♪や〜め〜ろ〜や〜……やめろやっ!」

魔王「俺の台詞だから、それ!やめるかどうかは側近次第だよ!」メキメキ
965: :2012/11/23(金) 21:31:07 ID:7RuR6mIcnA
側近「魔王様。魔王様に火点けていいですか?」

魔王「どういう質問なの!?そう言われて許可する人実在すんの!?」

側近「いや、なんか炎を見たいんですよ。興奮するじゃないですか」

魔王「発想が危険だよ!ていうか、俺に火点ける時点で十分興奮してるよ!」

側近「興奮してませんよ。ただ、魔王様を炎で包みたいだけですよ」

魔王「錯乱はしてるよね!?何が側近を駆り立ててるの!?」

魔王「とりあえず考え直そう!炎見たいんなら俺に火点けなくてもいいでしょ!」

側近「いや、他の奴にやったら危険だし、かわいそうじゃないですか」

魔王「俺でも危険だよ!?俺もかわいそうだよ!?ていうか何で誰か生きてる奴に火点ける前提なの!?」

側近「ああもう正直に言いますよ。魔王様が火だるまになって苦しんでるとこが見たいんです」

魔王「最悪な開き直りだよ!悪魔に精神乗っ取られてるよ!」

側近「ねえ、燃えてくださいよ。魔王様なら死なないでしょう?」

魔王「死なないけど、体と心は重傷だよ!墓場まで持ってくトラウマになるよ!」

側近「でもそれで皆は笑えるんですよ」

魔王「笑いのためにやれと!?出川さんでもここまで体張らないよ!」

魔王「ていうか皆もトラウマだって!人や魔物が生きながら燃やされる映像ってやばいでしょ!?」

側近「でも今回燃えるの魔王様じゃないですか」

魔王「俺は何なの!?魔物じゃないの、俺!?」

側近「炎魔法出しますよー」

魔王「俺の話を聞いてよ!」
966: 1「サトシのベイリーフが好きです」:2012/11/23(金) 21:31:48 ID:7RuR6mIcnA
魔王「やっぱ俺はサーナイトかなあ!ミミロップもいいよね!」

ハーピー「私はやっぱりピカチュウやロコンのような可愛いのが好きですね」

ハーピー「あと、私はハーピー族という鳥類の要素もある種族だからか、ピジョットも好きですね。かっこいいと思います」

魔王「あー、そういう見方もあるんだね。じゃあ龍人やドラゴンもドラゴンタイプがいいの?」

龍人「そうだなぁ。カイリューやチルタリスは可愛いと思うし、ボーマンダはかっこいいと思うぜ」

龍人「まあでもベースは人だからな。あくまでも好きなのはポケモンとしてだよ」

ドラゴン「……俺はもう完璧にドラゴンだから、チルタリスやカイリューのメスは恋愛感情で好きになれる自信あります」

魔王「ふーん、そういうもんなんだ。じゃあゾンビは……ベトベトン?」

ゾンビ「何でもかんでもその法則に当て嵌めないでください!あと、俺だって一応ベースは人ですよ!」

ゾンビ「俺が好きなのはリザードンですね。やっぱ最初の相棒なんで大好きですね」

スライム「俺は最近魔王様の影響でサーナイトが好きになってきました」

側近「……おい、お前ら。一体何の話をしてるんだ?」

魔王「あ、側近!ポケモンの話をしてるんだよ!」
967: 1「ゴローニャとか架空のポケモンでしょww」:2012/11/23(金) 21:32:37 ID:7RuR6mIcnA
魔王「俺が皆を誘ってさあ!今、皆でポケモンやってんの!」

魔王「こうやって話したり、時には交換したり戦ったりしてるんよ!」

スライム「俺は体の構造上ゲーム機持てないんで魔王様のを見てます」

ドラゴン「俺もゲーム機が小さくてうまく持てないので魔王様のを見てます」

側近「……ああ、なるほど。最近城の者が仕事の合間に必要以上に休憩いれるのはこのせいか」

側近「魔王様、駄目ですよ。そんなゲームばっかやってたら。部下にやらせるのも駄目です。仕事に影響が出ます」

魔王「ええ!?いいじゃん!ちゃんと仕事と両立させてるんだから!」

側近「駄目です。そんなゲームばっかやって。周りもなんて思うか……」

龍人「いいだろ!仕事はちゃんとやってんだろ!」

側近「駄目だ。俺は今、効率と周りの目を気にして言ってんだ。現に必要以上の休憩を挟むようになってるだろ」

ゾンビ「そんなこと言わないで!」

側近「駄目だ」

ハーピー「お願い、側近!今本当にいいところなの!時間がかかっても、ちゃんと仕事はするから!」

側近「駄っ……えっと……し、仕事をちゃんとするならいいかもしれないな!」

ハーピー「ありがとう、側近!ねえねえ、よかったら側近も一緒にやろう!」

側近「……そ、そうだな。切り詰めて仕事しても辛くなるしな。たまには息抜きも必要だもんな!」

ハーピー「ありがとう!一緒に交換とかして強くなろうね!」

龍人「愛妻の力、半端ねぇな……」
968: :2012/11/23(金) 21:33:33 ID:7RuR6mIcnA
魔王「ああああ!!痛いいいい!!」ポロポロ

側近「ふふふふwww」

ドラゴン「龍人、側近様が今かけてる技って何?」

龍人「カンパーナ、だってよ。変な技だな」

ハーピー「魔王様の泣き声が聞こえましたけど、どうしました!?」

側近「……やべ」

魔王「ああああ!ハーピーちゃん、側近が関節技かけていじめるううぅぅ!!」ポロポロ

側近「ちょっ魔王様!」

ハーピー「魔王様になんてことを……側近っ!」

側近「は、はい!」

ハーピー「私も側近もたくさんお世話になってるのに、どうして魔王様をいじめるの!?」

側近「いや、あの、その……魔王様をいじるの、楽しいっていうか……」

ハーピー「それをすることで、魔王様は辛い思いをするのに、それでもいいの!?」

側近「そこは、何て言うか……魔王様だからいいかなって……」

ハーピー「……正座」

側近「は?いや、それは……」

ハーピー「正座!」

側近「は、はい!」シュタッ

ドラゴン「……何かすごいことになってきたね」

龍人「すげぇ面白いことになってきたwww」
969: :2012/11/23(金) 21:34:10 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「〜〜〜!」

側近「……」

ドラゴン「正座させられたまますごい怒られてる……」

龍人「ガチの説教じゃんwwマジうけるwww」

ドラゴン「側近様のこんな姿、初めて見たよ。ハーピー凄いな……」

龍人「正座してwwwシュンってなっとるwwwあの側近がwww」

魔王「……これからはハーピーちゃんに頼れば俺は助かるんかなあ?」

龍人「まあでもハーピーに助けてもらえるのはこれっきりじゃねぇの?」

魔王「え?何で?」

龍人「ぶっちゃけお前がいじめられてた方が読んでて面白くね?」

魔王「ああ、そういう理由なんだ……」

ドラゴン「続編があるとしたら、またいじめられると思いますよ」

魔王「やだなあ……もう続編やらんでええやん……」
970: :2012/11/23(金) 21:35:10 ID:7RuR6mIcnA
魔王「龍人、三國無双一緒にやろう!……あれ?龍人いないの?」

側近「なんか女戦士と一緒に飲む約束してたらしくて、王都の居酒屋に向かいましたよ」

魔王「……最近多いよね。あいつが女戦士ちゃんと一緒に飲むのって」

側近「飲み仲間ってやつですね。……魔王様はどう思います?」

魔王「どう思うって?」

側近「あの二人の間に恋愛感情ってあると思います?」

魔王「あー、そういうお話。でも、書いてる人がフラグはないよって言ってなかった?」

側近「ところが、あの二人が本編ラストで絡んだ際に、そういうのを予測するレスが多くなりまして」

側近「なんか、くっつけてもいいカップルになるかもって思い始めたみたいなんです」

魔王「はー、そうなの!」
971: :2012/11/23(金) 21:35:51 ID:7RuR6mIcnA
魔王「でもどうなんだろうね?書いてる人、最初は乗り気じゃなかったんでしょ?」

魔王「それに龍人には、支援してくれる人の中に、デートしたいって言うほど慕ってくれてる人がいるじゃん」

魔王「その人がいるんだから、その人と結ばれればいいんだよ!なのに女戦士ちゃんまで狙うってどういうことだ!怒るよ!」

側近「いや、でも……何か自慢みたいで気乗りしませんが、俺や魔王様もそういう支援をしてくれる方はいましたよね」

側近「それでも俺はハーピーを、魔王様は女勇者を選んだではありませんか」

側近「結局は世界が違いますので、同じ世界で相手を見つけなければなりませんよ」

魔王「それで、龍人は女戦士ちゃんとはどうなん?って話なわけか」

側近「そうです」

魔王「んー……正直、性格は互いにマッチしてる感はあるよね」

魔王「女戦士ちゃんの美貌があるから龍人がメロメロになるのは必至として、後は女戦士ちゃんがどう思うかだよね」

側近「恋愛は二人の問題ですからね。でも、気になりますよね」

魔王「まあどうなるにせよ……もう残り少ないからこのスレじゃどうしようもないよね」

側近「続編があればその辺に触れる可能性もあるんでしょうか」

魔王「続編あるのかなあ?もう各々の妄想で済ましていいんじゃない?」
972: :2012/11/23(金) 21:36:41 ID:7RuR6mIcnA
龍人「最近飯の時間が楽しみなんだよなぁ!」

側近「どうした、龍人?馬鹿みたいに叫んで」

龍人「おう、お前がハーピーと結婚したことで、ハーピー魔王城に住みこみで働きだしたろ」

魔王「喜ばしいことだよね!……馬鹿って言われて否定しないんだ?」

龍人「実際俺は馬鹿だろ。それはともかく、日常の雑用的な仕事は俺や三馬鹿でやってっから仕事ない感じじゃねぇか」

側近「当たり前だろ。ハーピーに変な仕事させたら、魔王様と組んでお前ぶっ殺すからな」

魔王「力を封印して弱体化させたうえでボコボコにするよ!」

龍人「上司二人がこの調子だからな。で、白羽の矢が立ったのが調理場の仕事だ」

龍人「……美味いんだよなぁ、本当!マジで美味いんだ、これが!」

龍人「調理場で魔王城の人数分調理すんのも厳しい仕事のはずなのに、何故か過保護上司もここは許可するしな」

側近「当たり前だろ。ハーピーの料理食べてえだろ」

魔王「お金払ってでも食べたいよね!」

側近「そして厳しい仕事を頑張ったハーピーをよしよしってやるのが俺の喜びだしな」

龍人「ごちそうさまです。とにかく、だから最近飯時が本当楽しみなんだよな!」
973: :2012/11/23(金) 21:37:26 ID:7RuR6mIcnA
龍人「前の料理長のもさぁ、美味いのは美味いんだけど、野郎がつくってるってとこがイメージ的にマイナスよなぁ」

魔王「そう!龍人、よくわかってるね!そうなんだよ、女の子が頑張ってつくってくれてるのがいいんだよ!」

魔王「もちろんハーピーちゃんの料理の腕自体すごいんだよ!そこから女の子が頑張ってつくってくれてる事実が上乗せされて、最高になるんだよ!」

魔王「ハーピーちゃんがつくった料理食べれるとか、男として本当に勝ち組だよ!」

龍人「あと、こっちは時々だが、魔王効果で女勇者が調理手伝いに来てくれる時あんだろ」

龍人「女勇者の料理もさぁ、また美味いんだよな」

魔王「でしょ!?マジ美味いんだよ!」

魔王「ハーピーちゃんや女勇者ちゃんのような綺麗な女の子二人の料理が食べられる!こんな幸せってそうそうないよ!」

龍人「俺は散々お前らイケメン二人組に嫉妬して爆発を願ったが、こうなるとさすがに感謝せざるを得ねぇよな」

側近「おう。存分に俺とハーピーに感謝するがいい」

魔王「俺は別にいいけど、ハーピーちゃんと女勇者ちゃんには感謝してよね!」

龍人「……ふと思ったんだけどよ、男三人が集まって何話してんだろな?」

魔王「ハーピーちゃんと女勇者ちゃんの料理おいしいねって話でしょ」

龍人「いや、そうなんだけどよ……まあいいか、もう」
974: :2012/11/23(金) 21:38:13 ID:7RuR6mIcnA
魔王「一つ思ったんだけどさ」

龍人「何だよ、糞馬鹿魔王」

ハーピー「魔王様、どうされたんですか?」

魔王「龍人とハーピーちゃんって仲良いの?」

龍人「……何言い出してんの?変な答えを引き出して、側近のドS的ターゲットを俺に変えさせる気か?」

魔王「いや、そんなんじゃないよ。龍人も昔は悪ぶってた時期あったじゃん」

龍人「……あったな。王都の皆に迷惑かけちまったんだよな」

魔王「その時のこと、側近に聞いたんだけどさ」

ハーピー「はい」

魔王「龍人さあ、側近対策としてハーピーちゃんを人質に取ったことあるんでしょ?」

龍人「……あっ!」

ハーピー「……」

魔王「まあ実際には当時の部下に任せたみたいだけどさ、ハーピーちゃんは気持ち的に大丈夫なのかなって」

龍人「わ、わりぃ!そうだよな、当時すげぇ怖い思いさせちまって!」

龍人「ようやく好きな奴と結婚できて、一緒に過ごせるってのに、当時やらかした俺がいたら苦痛だよな!」

龍人「自分の馬鹿さが憎いわ!魔王に言われるまで気付きもしなかった!本当に馬鹿でわりぃ!」

龍人「……俺、出てった方がいいか?俺が魔王城いたら怖くて辛いよな?」
975: :2012/11/23(金) 21:38:49 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「……龍人さん、私は大丈夫ですよ」

龍人「で、でも俺は昔にあんな怖い思いさせたんだぞ?」

ハーピー「……正直に言いますと、確かに当時は凄く怖かったです」

龍人「やっぱり!俺、本当に出てくよ!大丈夫、今なら俺はきっと里に帰れるから!」

ハーピー「大丈夫です。今の龍人さんは怖くないですから」

ハーピー「今は一緒に過ごしているんですよ?乱暴な言葉に隠れてる優しさを私は理解してます」

ハーピー「それに……当時とは比べ物にならないくらい優しい目をしてます」

ハーピー「龍人さんが変わられて、優しい方になったのはわかってます。だから、出ていく必要なんてないですよ」

ハーピー「龍人さんは、今はもう魔王城にも世界にも必要な方です。変われたのですから、自信を持ってください」

龍人「……」

魔王「よかったね、龍人。ハーピーちゃんの優しさに感謝だね。……龍人?もしかして泣いてる?」

龍人「っ!な、泣いてねぇよ、馬鹿!」ダダダ

魔王「あ、走っていっちゃった」

側近「……魔王様、何かあったんですか?泣いて走る龍人とすれ違いましたけど」

魔王「んーん。ハーピーちゃんが優しかったって、それだけだよ!」

側近「……?」
976: :2012/11/23(金) 21:39:54 ID:7RuR6mIcnA
ゾンビ「魔王様、助けてくれませんか?」

魔王「助けるけどさ、どうしたの!?何で首だけになって転がってんの!?ちょっとしたホラーだよ!」

ゾンビ「まあ俺の種族そのものがホラーみたいなもんですし……」

魔王「どうしたの!?右腕がもげて落ちてなくしたとかはあるけど、全身なくすパターンは珍しいよね!」

ゾンビ「龍人がですね、ドラゴンのことを馬鹿にしたみたいでですね、追いかけられてたんですよ」

ゾンビ「そんな龍人の逃走劇に巻き込まれまして」

ゾンビ「龍人とドラゴンの体当たりを立て続けにくらう感じになって、体中がもげてもげて、気付けば頭だけになってまして……」

魔王「龍人はあとで注意するとして、今は体みつけないとね!俺ちょっと探してくるよ!」

城の中をくまなく探した結果、全てのパーツを見つけて、何とかゾンビは復活しました。



魔王「龍人!ドラゴンとゾンビに謝って!」

ゾンビ「もう戻れないかと思ったよ!」

ドラゴン「俺、下等種族じゃないもん!ドラゴン族、けっこう立派だもん!」ポロポロ

龍人「誰が謝るかよwww悔しかったら言い負かしてみろよwww」

魔王「何だと!この……この、馬鹿!」

龍人「馬鹿はてめぇだろ!頭悪いから馬鹿しか言えねぇんだもんな!ド変態で馬鹿で救いようのない屑な魔物だよ!」

魔王「ああああああ!!」ポロポロ

龍人「ちょろいwww」

側近(……小学校低学年の教室か、ここは?)
977: :2012/11/23(金) 21:40:41 ID:7RuR6mIcnA
龍人「あー、昔ほどのマジな悪事は論外として、ちょっとした悪事はやっぱ楽しいなwww」

ハーピー「……龍人さん、これはどういうことですか?」

側近(あ、先生きた)

龍人「っ!……こ、これは男のスキンシップで、気にする程のものじゃねぇよ」

ハーピー「魔王様もドラゴンさんも本気で傷つき泣いてるように見えますが?」

龍人「いや、それは……単にそいつらのメンタルが弱いってことで……」

ハーピー「……正座してください」

龍人「え、いや、その、ちょっとそれは……」

ハーピー「正座しなさい!」

龍人「は、はい!」シュタッ



ハーピー「〜〜〜!」

龍人「……」

ドラゴン「龍人、怒られてマジでへこんでますよwwwざまあwww」

魔王「ハーピーちゃんに命令されて正座して、そのまま説教か……いいなあ」

側近「……ハーピー、実質もう魔王城のナンバー2なんじゃないか?」

魔王「ハーピーちゃんに怒られたら、もう黙って聞いて反省するしかないよね」

側近「普段優しい分、怒ると迫力出ますしね。言い分も倫理的で、悪ふざけを指摘された場合は反論の余地ないですからね」
978: :2012/11/23(金) 21:41:25 ID:7RuR6mIcnA
龍人「……あ、ハーピー。魔王見なかったか?」ブンブンカチカチ

ハーピー「いいえ、見てませんけど。どうなさいました?」

龍人「いや、あの野郎、歩数計のゲーム渡して、歩数増やしといて!とか言いやがってよ。仕方ないから振りまくってんだよ」ブンブンカチカチ

ハーピー「あ、ピカチュウのゲームですね。可愛いですね」

ドラゴン「魔王様なら側近様と一緒にどっか行ったよ」

龍人「はあ!?あの野郎、俺に歩数計振らせといて自分はどこ行ってんだよ!」ブンブンカチカチ

ドラゴン「知らないからどっかって言ってんだろ」

龍人「くそっ!俺はいつまでこれ振ってりゃいいんだよ!」ブンブンカチカチ
979: :2012/11/23(金) 21:42:14 ID:7RuR6mIcnA
共存の街。

魔王「……」

側近「お参りは済みましたか?」

魔王「うん。このお墓にはたくさんの命が眠ってるからね。こうしてこまめに会いに行かないと」

側近「この墓に眠るのは……戦争派の多くに魔道師、異界王といった大罪人ばかりですよ?」

魔王「確かに生前悪いことした人達だけど、それで死後永遠に見捨てられるのはかわいそうだよ」

魔王「大きいか小さいかだけの問題で、誰しもが悪いことをしてるはずだと思う」

魔王「大きな過ちを無条件で許すのは駄目だと思うけど、それを理由に見捨てられ、誰からも想われないのは悲しいし辛いと思う」

魔王「この世界の平和も、異世界の平和も、俺や側近の命が今も続いてるのも、いろんな犠牲の上に成り立ってる尊い現実なんだよ」

魔王「だから俺は、ここに眠る皆のことも想いたい。生前にした悪いことに関してはちょっと複雑な気持ちだけどね」

側近「相変わらず優しいんですね」

魔王「そうかな?」

側近「そうですよ」
980: :2012/11/23(金) 21:43:02 ID:7RuR6mIcnA
側近「それじゃそろそろ帰りましょうか」

魔王「うん!龍人にポケットピカチュウやっといてって渡してあるから、どんだけピカチュウがデレたか確認したいし!」

側近「……ゲームですか」

魔王「うん、ゲーム!ちょっと趣向が違うけどね!」

側近「好きですねえ、本当に……」

魔王「あー楽しいなあ!ここ最近の日常は平和で愉快ですごく楽しいよ!」

魔王「こういう平和な日常がずっと続けばいいのにね!」

側近「続きますよ。魔王様がいて、俺達が支えているのですから」

側近「俺も今の平和な日常が好きですからね。これから先何がありましても、俺達で守っていきましょう」

魔王「うん!だからこれからもよろしくね!」

側近「こちらこそよろしくお願いします」

側近「それでは、帰って関節技をかけるとしましょうか」

魔王「いつそんな流れになった!?いきなり俺の平和が崩れちゃったよ!」

側近「何言ってるんですか?いつものことじゃないですか」

魔王「いやだー!帰りたくなーい!俺今日女勇者ちゃん家に泊まるー!」

側近「我儘言うんじゃありません。それじゃ帰りますよー」

魔王「やだー!」
981: :2012/11/23(金) 21:45:42 ID:7RuR6mIcnA
(ほぼ)本編だけのまとめ

モテる方法を探せ!魔王と側近馬車旅編
>>1-14>>18-24>>25-37>>41-51>>52-57
>>60-67>>68-76>>79-86>>89-95>>96-107

皆で調べろ!共存の街編
>>108-114>>119-124>>128-134>>137-149>>154-162
>>166-172>>176-184>>188-195>>200-207>>212-218
>>220-225>>229-237>>248-253>>259-264>>271-278
>>285-292>>306-318>>325-332>>341-346>>362-369

蘇れ!平和な世界編
>>383-392>>404-411>>420-428>>436-443>>451-456
>>462-467>>475-482>>488-496>>503-511>>522-527
>>536-544>>551-560>>570-573>>584-595>>606-613
>>621-631>>639-651>>652-655
982: :2012/11/23(金) 21:46:02 ID:7RuR6mIcnA
本編終了後の小話集

それぞれの反応>>678-689
ファンクラブの今後>>699-705
魔王と側近の雑談>>707-717
教えて側近さん>>722-731
側近「魔王様を無視し続けたらどうなるか」>>739-745>>746-756
女僧侶さんの相談室>>766-776
魔王と側近の雑談2>>782-791
四人の出会い>>801-807>>808-816>>817-826
異界王の小話>>840-847>>848-857>>858-869
家族のお話・龍人編>>887-893>>894-899
家族のお話・側近編>>909-916>>917-924
魔王と女勇者のデート>>932-939>>940-945>>946-956
魔王城の平和な日常>>964-971>>972-980

おまけ
独断と偏見の戦闘能力ランキング>>879-881
983: :2012/11/23(金) 21:46:32 ID:7RuR6mIcnA
1と愉快な仲間達のコーナー・本編編
※本編と全く関係ないので、興味ない方は見なくても大丈夫です。

>>15-17>>38-40>>58-59>>77-78>>87-88
>>115-118>>125-127>>135-136>>150-153>>163-165
>>173-175>>185-187>>196-199>>208-211>>219
>>226-228>>238-247>>254-258>>265-270>>279-284
>>293-305>>319-324>>333-340>>347-361>>370-382
>>393-403>>412-419>>429-435>>444-450>>457-461
>>468-474>>483-487>>497-502>>512-521>>528-535
>>545-550>>561-569>>574-583>>596-605>>614-620
>>632-638>>656>>671-675
984: :2012/11/23(金) 21:46:59 ID:7RuR6mIcnA
1と愉快な仲間達のコーナー・小話編
※本編と全く関係ないので、興味ない方は見なくても大丈夫です。

>>690-698>>706>>718-721>>732-738>>757-765
>>777-781>>792-800>>827-830>>831-836>>837-839
>>870-878>>882-886>>900-908>>925-931>>957-963
>>985-994>>995-1000
985: :2012/11/23(金) 21:49:35 ID:7RuR6mIcnA
とりあえずこのSSはここまでとします。
長くなると思いますが、とりあえず今作について思ったことを書き連ねてみます。

本編は終わってるのですが、書きたい小話があったのと、1000いきたいっていうささやかな野望を持って、今日まで続けさせていただきました。
番外編の途中で完全に書き溜めが尽きて、毎日更新じゃなくなったのは申し訳なく思ってます。すみません。
スレを続ける過程で、ランキングでも第27回で三位、第28回第29回第30回と連続で一位にしていただき、本当にありがたく思ってます。
ランキングでも最高の結果にしていただき、普段は支援レスで勇気づけてもらったり楽しませていただき、本当に支えられました。
マジで感謝です。本当にありがとうございます。喜ばしい結果に腹痛もつきまといましたが、それすらも心地いいような夢の中のような感覚でした。

次立てる予定のスレは、いつか言ったと思いますが、このシリーズとは関係ないSSの予定です。
でも、これの続きを望む声もちらほらありますので、できればまたいつか立てたいと思います。思いますけども……。
そもそもこれも書きたいことがあって、それをやるためだけに立てましたので、自分の感覚としては一作目の番外編の延長のように捉えています。
なので、もう本当に今は話が浮かばないです。一年後の九月十四日に関連スレが立たなかったその時は……察して上げて下さい。

言いたいのはそれくらいです。このスレ内で何か番外編的小話を投下する予定はもうないので、1000を目指して埋める作業を手伝ってくれたら助かります。
俺ももうちょっと後から埋める作業に入る予定です。
それでは後は自由奔放に1000まで進みましょう。
最後に、皆さん、本当にここまで支えてくださってありがとうございました!

以下、自由行動!
986: 名無しさん@読者の声:2012/11/23(金) 22:12:23 ID:GlzETAUq3E
うわぁぁぁおわったぁぁぁ!

お疲れ様です!


くそっ!やっぱり続編やって(・_・;)
987: 名無しさん@読者の声:2012/11/23(金) 22:25:59 ID:HZWQXcGV/Y
お疲れ!!!!!!!

個人的には今まで読んだSSの中で一番好きです


次回作にも期待!



魔王も側近も爆発してしまえ!
龍人は女戦士に手を出したらコロス

>>1さんへ
つ一人のクリスマス
988: 名無しさん@読者の声:2012/11/23(金) 22:42:42 ID:aHlvZ2IFDU
ハーピーはいいお母さんになるんだろうなぁ…怒られてる側近かわいいww

女戦士タンは龍人には渡さないよ!?俺がパフパフするんだからね!?

1さんはお疲れさんでした。毎日楽しみにしてました。お陰でたくさんニヤニヤほろりワクワクできました。

続 編 も 待 っ て ま す
989: :2012/11/23(金) 23:58:07 ID:7RuR6mIcnA
今日カイジあるの忘れてたぜぇ……!

>>986
続編は厳しいかもしれませんね。
今のとこ立てたいと思ってるのは、短編集的なのと、絶望的に邪悪にまみれた話と、糞ほどくだらないギャグのうちどれかを立てたいなーって思ってます。
それらもほとんど書き溜めが済んでないので、立てるのはいつになるやらって感じです。ましてやこれの続編なんて、あっても遙かな未来ですよ。

>>987
一番好きって言ってもらえて、なんていうか救われました。
そういう発言に手を差し伸べてもらえて、その手を掴みまして。
一人のクリスマスを突きつけられて手を放された感じになりました。ちくしょう!魔王も側近も爆発しろ!

>>988
ハーピーが魔王城勤務になってから、城の男どもは頭が上がらない感じになりました。
基本は優しくて、でも不正を前にするとちゃんと怒れる、いいお母さんになるんでしょうね。
そして龍人と女戦士はどうなるのでしょうか。続編は本当にあるのでしょうか。その辺はもうミステリーですね。
990: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 00:08:33 ID:pubU3e6YIw
龍人と女戦士をこの前書いてみたら今回の話で出てきてびっくりしました。

あと1さんお疲れさまです。
絵に関しては下手なんでうpするつもりはあまりないです。 
991: :2012/11/24(土) 00:21:14 ID:7RuR6mIcnA
>>990
絵に関しては了解しました。誰かに無理強いする権限は俺にはないですからね。
そういうのは自分がしたいようにするのが一番だと思いますので、どうするかは自分で決めてください。

……ただ、個人的に意見していいならやっぱり見たいですよね。
でも俺が言うからって無理しなくていいですよ。いや、別にフリじゃないですよ。マジですよ!



そろそろ寝ます。明日には埋まるといいですね。厳密には既に今日ですけど。
埋まるよう祈りつつ、俺は寝ますよ。おやすみなさい!
992: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 00:30:43 ID:UnOQWjueGw
乙!
前作も今作も面白かったよ!
続編楽しみにしてるよ〜
…魔王と女勇者は早く結婚しなさい!
おやすみ!

つ寝具カバー一式

993: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 01:04:51 ID:pubU3e6YIw
結局うpしました。

処女作です。 
994: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 01:37:56 ID:ALUchwkIf6
お疲れ様でした!
最近嫌な事が立て続けにあったけど、ここでによによして癒されてました

女戦士と龍人はいい飲み仲間
実は女戦士と戦士が良い感じ
相変わらずモテない龍人は子゛ーレムに慰められる
三バカも相変わらず
こんな感じの事を妄想しときますw

ちょっと不憫な龍人が好きなんて言えない///

でも龍人は頂いていきますね!

また遭遇するの楽しみにしてます
おやすみなさーい
995: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 09:22:04 ID:kICLtu6yQg
いつもロムるのみだった私が初めて書き込みしたのがこのSSでした。
いてもたってもいられなくて…!
たくさんのニヨニヨをありがとうございました。

続編は、あったらあったで飛び付きますが1さんの書きたいときに書けばよいと思います。
いつか遭遇できたら大変幸せです(´∀`)

日々の楽しみを、素敵なSSを送り出してくれてありがとうございました!

お疲れさまでした( ・ω・)つ【花束】
996: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 13:38:21 ID:ifyv3wwCGQ
記念真紀子
(・∀´)⊃こいこい
997: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 16:11:01 ID:/sD2uSZTxQ
いつも読ませてもらってます
本当におもしろかったです
ありがとうございました
998: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 19:23:46 ID:5j15m2A/Rg
続編やってぇぇぇ!
魔王と女勇者ちゃんが結婚するまでの話!
あ、あと1さん、マトリョシカ完成したら絵スレに上げさせていただきます。時々みてください
999: 名無しさん@読者の声:2012/11/24(土) 20:06:40 ID:cQ3B0ziycw
1さんお疲れさまでした!
今更ですが、エキサイトトラックはようつべとか見るのをオススメします。
では、自分も受験頑張ります!!
1000: :2012/11/24(土) 21:44:30 ID:7RuR6mIcnA
これ俺が1000とっていいんですかね?
1000取りたい人が他に居ても勘弁願いたいです。

皆さん、ここまでありがとうございました!
多くの方々に楽しんでもらえたようで、よかったです!
続編はどうなるんでしょうね!?
マトリョシカはもちろん楽しみに待ってます!
ゲームはどうなったんでしょう!?いけそうなら、気長に待ってます!
皆さんが支えてくれて、ここまでこれました!
もう本当にいろいろありがとうございました!

1000ならSS板繁栄!
1001: 1001:Over 1000 Thread
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ニニニ(゚Д゚∩コ
|_|⊂  ノ
   / 0
   し´

えっ…と、
1001はここかな…と
 ∧∧ ∧∧
∩゚Д゚≡゚Д゚)| ̄|
`ヽ   /)ニニニコ
  |_=`  |_|
  ∪ ∪


  ∧∧ ミ ドスッ
  (  ) _n_
  /  つ 終了|
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