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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
[8] -25 -50 

1: :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


437: :2012/10/18(木) 22:56:23 ID:6xWpg1Pyas
ハーピー「側近、入るよ」ガチャッ

側近「……ハーピーか」

ハーピー「側近、横……座ってもいい?」

側近「いいよ」

ハーピー「ありがとう。座るね」

側近「……」

ハーピー「……ねえ、側近。世界が大変なことになってるよ。側近は頑張らなくていいの?」

側近「頑張っても仕方ないんだよ。俺に世界をどうこうする力はないからな」

ハーピー「私はそうは思わないよ。側近なら出来るよ!私も支えるから、一緒に頑張ってみようよ!」

ハーピー「新しい魔王になった側近の助けを信じて待ってる弱い種族の魔物もいっぱいいるよ!お願い、魔界を助けてあげて!」

側近「俺は魔王様のようなことはできない。魔王様にはなれない。魔王の器じゃないんだよ」

側近「魔界の魔物達が望んでるのは魔王様だろう。魔王様を越せない俺が頑張ったところで、そんな魔物達の助けにはなれないんだよ」

ハーピー「そんなことないよ!側近なら皆の力になれるよ!」

側近「いや、俺には出来ないよ」

女勇者「……ああもうめんどくさい!」ドアバーン

側近「っ!?」
438: :2012/10/18(木) 22:57:53 ID:6xWpg1Pyas
側近「……女勇者?」

ハーピー「女勇者さん……しばらく様子見をするのではなかったのですか?」

女勇者「そのつもりだったけど、ちょっともう言っちゃおうかなって思って」

女勇者「側近!……少し前まであんたと同じように塞ぎ込んでた私が言うのもあれなんだけどさ」

女勇者「いつまでうじうじしてんのよ!世界を助けるべく一緒に頑張るわよ!」

側近「女勇者、俺は……」

女勇者「魔王のようなことはできない!魔王にはなれない!魔王の器じゃない!当たり前でしょ!!」

側近「……っ!」

女勇者「魔王と比較しちゃったら皆駄目だよ!私だって器じゃないよ!でも、それでも頑張るの!」

女勇者「魔王と比べて……過程が違っても、時間がかかっても、一人じゃ出来なくても!それでも、魔王の描いた理想に近づくことはできる!」

女勇者「そのために、一人一人が頑張る必要があるのよ!そしてあんたも必要な一人なのよ!」

側近「俺なんかを必要としてる奴なんかいるのか?」

女勇者「いる!ここに既に二人いるし、世界に目を向ければもっとたくさんいるわよ!」

側近「……」
439: :2012/10/18(木) 23:01:10 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「私ね、世界に平穏を取り戻すための作戦を考えたんだけど、私一人じゃどうしようもないのよ。器じゃないから」

女勇者「だから側近の力を借りに来たのよ」

側近「……その作戦というのは?」

女勇者「共存の街をやり直す!」

側近「共存の街を……」

女勇者「こないだのは魔道師が悪事に利用しただけだったけど、今度は私達で真剣に共存の街を造るの」

側近「それをして何になる?」

女勇者「……魔王が死んで、民はショックを受け、秩序が崩れた。そしてそれを機に戦争派の活動が活発になったわ」

女勇者「でもそれは、秩序だけのせいじゃない。魔王という強大な抑止力がなくなったことで、これなら勝てるかもって連中が思ったからよ」

女勇者「それらを共存の街で解決するの!」

女勇者「各地で争いが起き、別たれつつある人と魔物の心を、一緒に共存の街を造ることで繋ぐの!私達は敵じゃなくて、やっぱり味方なんだと再認識させるのよ!」

女勇者「共に未来を見据えて、共に行動できる……それは、とても素晴らしいことよ!絶望してる皆の心に活力を与えることができるわ!」

側近「確かに大きなことをやり遂げると達成感がある。それを共に達成することで仲間意識も芽生える。共存派の士気を高めるにはいいかもしれない」

側近「だが、それをわかってて見逃すほど戦争派は甘くないだろう。共存の街に戦力を集めてくると予想できる」

側近「それに合わせてこっちも共存の街に戦力を集めたら、手薄になった要所を攻められる可能性もある。そうして裏をかきはじめたらきりがないぞ」
440: :2012/10/18(木) 23:03:18 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「そこで魔物の力を借りたいの!」

側近「魔物……」

女勇者「はっきり言うけど、戦闘力じゃ人間は魔物に勝てないわ。ほとんどの種族が脅威的な強さを持ってるでしょ」

女勇者「ハーピーさんから訊いたけど、魔物は種族ごとに集落をつくって過ごしているそうね」

女勇者「種族もばらばらで、もちろん価値観も色々あるわ。種族ごと戦争派っていうのもあれば、共存派だっているはずよ」

女勇者「側近には、強い共存派である魔物達をまとめてほしいの!種族の垣根を越えて活動すれば、きっと各界の要所も共存の街も守れるわ!」

女勇者「そして戦争派にわかってもらうの!たとえ魔王がいなくても、暴力で訴えかける限り私達には勝てないって!」

女勇者「人と魔物が協力し合って生まれる強さは、戦争派にとって脅威的な抑止力になる!」

側近「種族の垣根を越えて魔物をまとめる……そんなことが俺に出来るか?」

女勇者「出来る!」

側近「……じゃあ質問を変えるが、強さで戦争派を黙らせて何になる?戦争派の考えが変わらぬなら根本的な解決には繋がらない」

女勇者「……魔王ならきっとこう言うよ。考えを変える必要はない。それでいて共に生きていける方法を探そうって」

側近「っ!」

女勇者「暴力を用いないなら私達も戦争派と向き合える。言葉を交えることが出来る」

女勇者「平穏さえ取り戻せば、私達には時間がある。彼らの意見を尊重しながら共に生きる方法をゆっくり探して行けばいんだよ」

女勇者「それを私達ならできるんだよ。だから側近、ちっぽけな私に力を貸して!お願い!」
441: :2012/10/18(木) 23:05:10 ID:6xWpg1Pyas
側近「考えを変える必要はない、か。そうか、そうだよな……」

側近「……わかったよ。俺でよければ協力しよう」

女勇者「っ!」

ハーピー「側近……!」

側近「器じゃない……でも、そんな俺でも出来ることがあるんだな」

側近「こんな俺でも魔王様を支えてこれたんだ。なら……これからの世界を担う新しい力も、俺なら支えていけるかもしれない」

側近「魔王様のようになれなくても、それでいいんだ。俺は俺でいい、変わる必要はないんだ」

側近「……ありがとう、女勇者。何だか気が楽になった。長らく自分を見失っていたみたいだ」

側近「だけどもう大丈夫だ。魔王様に成り代わる等という出来もしない幻想にはもう惑わされない」

側近「俺は側近だ。俺は俺に出来ることで魔王様の遺志を継ごうと思う」

ハーピー「よかった……側近……!」ウルウル

側近「ただいま、ハーピー。ごめんな、いっぱい心配かけちゃったな」

ハーピー「ううん、大丈夫だよ。側近、これから一緒に頑張っていこうね!」

側近「……ああ!」
442: :2012/10/18(木) 23:07:25 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「側近も復活したことだし、共存の街再生計画を始動しよう!」

女勇者「……でも、具体的にどうしたらいいんだろ?」

側近「俺は移動魔法で魔界の共存派に呼び掛ける。ハーピーは飛びまわって人間界の方で呼び掛けをしてくれ」

ハーピー「うん、わかった」

女勇者「……あれ?私は?」

側近「女勇者は共存の街で待ってて、やってきた賛同者に指示を出してくれ。移動に関する能力は俺やハーピーの方が勝ってるからな」

女勇者「側近は大丈夫だとして、今の御時世にハーピーさんを一人で活動させるのは危なくない?」

側近「大丈夫だろ。人間界の街は今、勇者達が守ってくれてるんだろう?問題ないさ」

側近「復興の作業のためには寝床や食料の確保も必要だな。女勇者、まずは作業環境を整えるよう活動してくれ」

側近「損傷の少ない建物もそこそこあるからそれを利用するのもいいが、限界はあるだろう。簡易的にでも居住スペースを造った方がいいかもな」

側近「移動魔法で送り迎えが出来るなら不安もないが、その場合は使い手の魔力が心配だ。魔法に精通した者が多く集まると助かるな」

側近「食料は魔界側がどうにかしよう。お飾りでも、一応今は俺が魔王だからな。どうにかしてみせるさ」

女勇者「……側近って本当に頼りになるね」

側近「そうか?」

女勇者「そうだよ。魔王が側近を頼ってたのも頷けるよ」
443: :2012/10/18(木) 23:10:34 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「じゃあとりあえずはそんな感じで行動だね!」

側近「共存の街まで送ってやるよ。女勇者、俺に触れろ」

女勇者「うん、わかった」ピトッ

側近「それじゃ……ハーピー、よろしく頼むぞ」シュンッ

ハーピー「任せて!……行っちゃった。私も活動頑張ろう!」ガチャッ

龍人「うおっと!ハーピー、来てたんか」

ハーピー「あ、龍人さん、すみません!私、急いでるんで!」

龍人「急ぐって、何でだよ?」

ハーピー「側近に頼まれて、共存の街の復興を人間界で呼び掛けてくるんです!」

龍人「側近って……あいつ、復活したんか!長い間待たせやがって……で、俺はどうすればいい!?」

ハーピー「……すみません、特には聞いてません」

龍人「……マジで?」

ハーピー「側近は城の外で活動するみたいなので、龍人さんは城の警備を担当すればいいんじゃないでしょうか?」

龍人「……結局今まで通りかよ」

ハーピー「すみません……あの、それじゃ私、行きますね!」バッサバッサ

龍人「おう、気を付けてなぁ」

龍人「……なんかさあ、今作での俺の扱い、ずさんじゃねえか?」
444: 本編じゃないですよ:2012/10/18(木) 23:12:41 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよー!」

魔王「側近、立ち直ったっぽいね!ほんとよかったよ!」
魔王「それでなんかさ、でっかいことやろうとしてるんだよね!」
魔王「さすが女勇者ちゃん!可愛いだけじゃなくて、自ら行動して切り開く強さを持ってるよね!」
魔王「あ〜本当に女勇者ちゃんは素敵だなあ!一回、一回だけでもいいから鞭で打たれたいよね!」
魔王「女勇者ちゃんにそうしてもらえたらどこまで気持ちいいんだろうね?ちょっともう想像できないよね!」
魔王「あーそんな日が来るといいなあ。ほんと俺本編に戻れるように祈っとかないとね!」

魔王「今回の更新のまとめだよ。はい!>>436-443
魔王「今回俺がこんな感じでしたけど、今後も続けるかどうかは未定だよ!」
445: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 00:23:22 ID:sF1XQdlJCo
魔王w続けてよw
側近復活したー!
女勇者ちゃんはやっぱり凄いな。

つ支援
446: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 06:12:57 ID:E4SxfhN7f.
魔王w
やっぱり、魔王が本編に出る気配なし…
ど阿呆ー!1のど阿呆ー!

魔王にプレゼント for you.

つウィンドウズ7

つ読者の声
 「女勇者ちゃん泣かしたな!しばくぞコラ!」
 「魔王!早く戻ってこい!」
447: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 06:48:34 ID:Kdq9gRzEHc
この流れで急に出てくるのも無理があるww
1を責めるのは駄目ですお・ω・`

置いていきますねつC
448: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 09:06:55 ID:unJqJWEXgw
女勇者ちゃんハーピーちゃんでかしたッ!
側近立ち直ってよかった…


1大好きだぞ愛してるぞ
だから女戦士ちゃんと嫁に来ないか(キリッ
結納つCCCCCC
449: 名無しさん@読者の声:2012/10/19(金) 21:02:27 ID:3sSZgA1a16
ああすばらしい
前作からたのしませてもらってます
C
450: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/19(金) 22:37:17 ID:6xWpg1Pyas
>>445
魔王様の更新まとめは好評なんでしょうか。だったら続けてもいいかもしれませんね。
ただ、魔王様の性格上、話題は女性かゲームかくらいなので、その辺は了承いただきたいところですね。
……あれ、俺の時と大して変わってない……?

>>446
「魔王どうなるんだエーコラ!」っていう声は思いの外多いんですよね。
一体全体どうなるんだって気になる方がけっこういらっしゃるようで。
そんな人でネタバレOKな人にオセロとかで言っちゃうのも一つの手かなーって最近思うようになりました。
もちろんその場合は他言は無しの方向で。ネタバレOKでいいから現段階で先を知りたいって人、います?

>>447
庇ってくれてありがとうございます。いや、そんな責められてた気もしていませんけども。
生死もわからぬまま異世界に渡って、その通り道はなくなってしまいました。
そんな状況で、こっちの世界がメイン舞台なので、異世界側の様子を書く機会って本当にないんですよね。
どうにかならないんでしょうかね、これ。

>>448
女戦士「最近さあ、二人同時に嫁もらおうとしてる奴多くねえか?」
女勇者「一夫多妻って言うんだよね、こういうの」
魔王「卑怯だよ!俺だって一夫多妻が可能なら、世界中の美女を嫁にしたいよ!」
女戦士「……まあでも、形はどうあれ、女勇者達みたいな綺麗なのがごろごろいる中で、私を選んでくれるのは正直嬉しいよな。ありがとな!」

1「私、男なんだけど……本当に私でいいの?」

>>449
前作からお世話になってるようで、ありがとうございます。
褒めてもらえるのは素直に嬉しいです。やる気が上昇していく感じですよ。
書き溜め頑張ってスムーズな更新を心掛けていきたいです。
451: 1「後者の二匹はたぶん今後出番ないww」:2012/10/19(金) 22:39:28 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……共存の街で待ってるけどさあ」

女勇者「人や魔物は来てくれるのかなあ……」

女勇者「来てくれなかったらどうしよう……」

女勇者「元々は悪人の造った街で、移住者もいないような街の復旧だもんなあ……」

側近「何をネガティブになってんだよ、お前は?」

女勇者「あ、側近」

側近「そんなもんは杞憂だって教えてやるよ。ほら、賛同者だ」

女勇者「え?」

ゴーレム「女勇者さん、我々も協力いたします」

ビッグフット「我々なら力仕事も、戦争派からの防衛もしっかりこなせますよ」

サイクロプス「前魔王様の遺志を継ぎ、平和の象徴を完成させましょう!」

側近「とりあえずゴーレム族、ビッグフット族、サイクロプス族から協力してもらえることになった」

女勇者「……皆さん、いいんですか?」

ゴーレム「いいんですよ。こう言う時こそ種族の壁を越えて協力することが大切でしょう」

ビッグフット「女勇者さんの考えに感動しました。今こそ世界に平和を取り戻しましょう!」

女勇者「皆さん……ありがとうございます」
452: :2012/10/19(金) 22:40:39 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「さっそく作業に移りましょうか!」

サイクロプス「……しかし、我々には建設に関する知識はありませんよ」

女勇者「で、でも……瓦礫をどかすとか、それくらいのことは出来ますよ!」

ビッグフット「そうですね。出来ることだけでも確実にやっておきましょう」

ハーピー「……あ、魔界の方でも賛同者がいたんですね!」バッサバッサ

女勇者「あ、ハーピーさん。魔界の方でもってことは……」

ハーピー「はい!人間界の各地でも賛同者がたくさんいらっしゃいましたよ!」

ハーピー「……ちょっと多すぎて、連れて飛べなかったんですけど」

側近「大丈夫だ。そいつらは俺が移動魔法で連れてこよう。……魔力がちょっと心配だが」

ゴーレム「ハーピー族の娘さん、協力してくれる人の中で建設業に詳しい者はいませんか?」

ハーピー「え?うーん……すみません、ちょっとそこまで訊いてませんのでわかりません」

女勇者「そういうのは……工学の街ってとこだとそういう技術者がいると思うから、そこで呼び掛けするといいかも」

ハーピー「工学の街ですね、わかりました!」

側近「じゃあハーピーはそこに向かってくれ。俺は移動魔法で人間の協力者を迎えに行く」

ゴーレム「……女勇者さん、共存の街、どうにかなりそうですね」

女勇者「……そうですね!」
453: :2012/10/19(金) 22:42:08 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「……共存の街をやり直してる?」

獣人弐「ああ。一部の魔物と人間が一緒になってやってるらしい」

獣人壱「共存の街ってあれだろ?戦争派の中の馬鹿が騙されて無駄死にしたやつだろ?何でそんなもん連中が直してんだよ?」

獣人弐「何でも今回は本当に平和の象徴として蘇らせるつもりらしい」

獣人壱「ふーん……前魔王の時のような平和も、協力し合えば実現できる!っていうアピールか」

獣人壱「そんな共存派の健気な行動……壊す以外の選択肢があるか?」ニヤリ

獣人弐「魔物と人間が手を取り合っても結局は無駄だと世界中にアピールする大チャンスだな」ニヤリ

獣人壱「魔界の魔物共は自分の一族を守るのに手一杯、人間界で驚異的な勇者一行は要所を守るので手一杯……」

獣人壱「つまり、共存の街を潰すのは容易い……!」

獣人弐「行くしかねえな。皆殺しにしてぶっ壊して、魔物と人は憎み合うべき関係だと気付かせてやろうぜ」
454: :2012/10/19(金) 22:43:19 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「おらおらぁ!死にてえ奴から前に出ろぉ!」

ハーピー「側近、女勇者さん、大変です!獣人族の方々が攻めてきました!」

側近「そうか……戦闘の心得がある者は作業中断して、応戦してくれ」

女勇者「了解!」



獣人弐「おらおら……え?」

ゴーレム「獣人の方、この街の破壊を企むのであれば、我々がお相手致しますよ」

女勇者「死なせはしないから安心して。ただ、痛いのは我慢してよね」

側近「さあ、怪我したい奴から前に出るんだな」

獣人壱「側近!?それに他の魔物も強い奴ばかり……!」

獣人弐「側近!てめえ、引き籠ってたんじゃねえのかよ!?」

側近「悪いな、こないだ立ち直ったんだよ。女勇者の言葉でな」

獣人弐「女勇者だと?……っ!じゃあその女が……!」

女勇者「そうだよ、女勇者さんその人だよ」

獣人壱「何だよ、これ!この戦力差じゃ到底……!」

側近「このまま戦うか?それとも退くか?それくらいは選ばせてやるよ」

獣人弐「……失礼しました」スタコラサッサ
455: :2012/10/19(金) 22:45:07 ID:6xWpg1Pyas
獣人壱「何だよ!何で共存の街にあんだけ戦力集まってんだよ!」

獣人弐「側近が復活してやがったとは……くそ!」

獣人壱「でも落ちつけよ。あれだけの戦力が集まってるってことは、他の場所の戦力は落ちてるだろう」

獣人弐「……そうか!今こそ魔物の集落や人間界の要所を落とすチャンス!」

獣人壱「そういうことだ。俺達は遠征組の良い知らせを待っとけばいいんだよ」

獣人下っ端「失礼します!各地の襲撃状況について報告します!」

獣人壱「それ来たぁ!何だ、報告してみせろ!」

獣人下っ端「……人間界、魔界の両部隊とも、撃退されているようです」

獣人壱「……はい?」

獣人下っ端「また、同じく戦争派の機人族も、襲撃は成功してないようです」

獣人壱「何でだよ!?共存派の連中、共存の街に戦力割いてんじゃねえのかよ!?」

獣人下っ端「情報によりますと、側近が共存派の各種族に協力を仰いでうまくやってるみたいです」

獣人下っ端「それぞれの戦力を精密に把握し、各種族の集落の防衛、共存の街の防衛が両立できるように絶妙に戦力を分けているそうで……」

獣人壱「くそっ!側近めぇっ!前魔王の犬が調子に乗りやがってぇ!」
456: :2012/10/19(金) 22:46:22 ID:6xWpg1Pyas
獣人弐「前魔王が死んだことで革命の時が来たと思ったが、こんな調子じゃあ……」

獣人下っ端「……人間界侵攻の方も、各街の住民が落ち着きを取り戻し、襲撃が難しい状況になってるとのことです」

獣人下っ端「正直……各地の戦争派の戦意は落ちるとこまで落ちてます」

獣人壱「……前魔王さえいなくなれば、どうにかなると思っていた」

獣人壱「奴の戦闘力さえなくなれば、やり方次第で世界を争いに染めることができると信じていたのに……」

獣人壱「なのに!どうして奴のいない世界でこうも共存派がまとまる!?」

獣人弐「……魔物と人が手を取り合って生まれる力か」スッ

獣人壱「お、おい!どこに行くんだ!?今後どうするか決めなきゃ……」

獣人弐「俺はもう降りるよ……前魔王がいなくてこれじゃ、到底勝ち目はない」

獣人弐「連中の思想を認めるわけじゃないが、負け戦で自らを危険に晒す気もない」

獣人弐「平和ボケした世界の片隅で、仲良しごっこから離れて孤独に生きていくことにするよ」

獣人壱「お前……お前ぇ!いいのかそれでぇ!?そんなんだったら、獣人族にお前の居場所なんてないぞ!」

獣人弐「覚悟の上さ。今までありがとな。お前も思想を追い求め過ぎて無駄に命を削るのは避けろよ」

獣人下っ端「あの……その……どうしましょう?」オロオロ

獣人壱「ふざけやがって……俺は諦めないぞ……!」
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