高校生の馬鹿馬鹿しくて、
ちょっぴりセンチメンタルな
青春グラフィティ───続行。
【前スレ目次】
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1327757079/993-995
【登場人物】
>>2-3
【当スレ目次】
>>768-769
216:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/13(木) 20:07:04 ID:K10GU5Lrdo
うわぁぁぁ!超気になる!超気になる!
一時間毎に見に来てるのは自分だけじゃないはず!
つCCCCCCCCCCCC
217:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/13(木) 20:36:28 ID:JrojPTr4RQ
>>216 ナカーマ
ちゃんと投下終了宣言してくれてるからわかってるのに何度もスレ開いて読み返してるわw
次は篠原の憂鬱か?気になりすぎてそわそわする!
スペシャル支援!
っCCCCCCCC
218:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/15(土) 09:07:02 ID:zFkWfYhEvQ
200突破おめ(^O^)
続きwktk
鈴木△
CCCC
219:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/15(土) 16:19:26 ID:Dg6rMT18X.
うわぁぁぁぁぁ篠くんんんん(´;ω;`)
これからも楽しみにしてます!!
全力で支援!!
>>195
194のものですー(*´∇`*)
ちなみに77ですwwすごく前でしたねΣ(ノд<)
220:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/16(日) 01:07:35 ID:gR2kpF6x4k
お目でとおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
221:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/16(日) 08:48:18 ID:wa6Mts80oY
めっちゃくちゃ気になります!!
CCCC
つコーヒー牛乳
222:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/18(火) 23:22:11 ID:Lv8yngrSi6
>>213
久々に来て下さったのに随分と間を空けてしまって申し訳ございません……!
213さん\ モエモエビィィィム! /
※物凄く感謝しているようです。
>>214
焦らしておいてなかなか投下せず、申し訳ない気持ちで一杯です。
続きを気にして頂けて嬉しいです!
>>215
まったりして頂きすぎて……orz
少しでもペースを上げられるように精進します!
>>216
一時間毎ですと!?
うわわわ、216さんの時間をどれ程無駄にしてしまった事でしょう。それでもそんなに気に掛けて頂けて、とても幸せです。
>>217
何度も読み返して頂けるなんて、これ程嬉しい事はないです……!
お察しの通り、やっと篠原のセンチメンタルに突入です。暇潰し程度に覗いて頂ければ幸いです。
>>218
ありがとうございます!これもこうして支援を下さる皆さん、読んで下さっている皆さんのお陰です。
鈴木はクールと思わせて案外脳内お花畑ですよw
>>219
わー、勘違いしてしまって申し訳ございません!154さんと77さんの事を同じ方だと思ってしまっていました……orz
改めまして77さんありがとうございます。そんなにも前から見守っていて下さって嬉しいです!
>>220
ありがとうございますうううううう!テンションおかしくなりそうですわっしょいわっしょい!!!
>>221
そのコーヒー牛乳は私が頂きますね!例えメガネ宛てだったとしても221さんのコーヒー牛乳は渡さん!
支援感謝です。投下します。
223:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/18(火) 23:26:00 ID:9GU9MSkZro
春。冷たい雪が溶けて、植物は芽吹き、生物は目を覚ます。
世界中に色を塗る、暖かい季節。
一足早く光を浴びた赤ん坊は、その名の如く温もりに包まれた春のような男の子だった。
──ハル。
世界でたった一人の、俺の双子のお兄ちゃん。
【篠原少年の憂鬱】
224:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/18(火) 23:27:27 ID:Lv8yngrSi6
「もう、アキったら。そんなに急がなくったっていいじゃない」
紺色のプリーツスカートを風に揺らしながら、ナツは溜め息混じりに洩らした。
「だって俺、日直なんだよ?ナツ達はゆっくり来たらいいじゃん」
首だけ振り返ってそう言うと、
「アキってば冷たい。別に遅刻する訳じゃあるまいし……」
ナツは不満げに唇を尖らせて、ぶつぶつと独りごちる。
わざわざ一緒に登校しなくても、と内心思いながらも歩を緩めるあたり、俺も万更でもないんだろうけど。
すっかりナツのペースに合わされた俺の歩幅に満足気に笑みを浮かべるナツと、少し遅れて後に続くもう一人。
「見て、赤い葉っぱ見付けたよ。もうすっかりアキの季節だねー」
へらり、間抜けな笑顔で語尾を伸ばしながら、ハルは道端に落ちていた葉っぱに手を伸ばした。
225:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/18(火) 23:34:15 ID:9GU9MSkZro
「もー……そんなのいいから。ばっちいですよ、ハルくん」
「汚なくないよー。ほら見てよアキ、綺麗な色してる。俺、秋って好きなんだよね」
「それはどうも。そんな事より俺、日直だから早く行きたいんだけど……」
「あ、あきって言うのは季節の秋の事で、アキじゃなくて秋の事が……あれ?なんかこんがらがっちゃった」
はーあ、とあからさまな態度で長めの溜め息を吐いてみせると、ハルは笑顔のままで首を傾けた。
ふんわり柔らかい、お月様のような優しい笑顔。これがハルの最大の武器である。
大抵の人はこんなにも屈託のない笑顔を向けられれば、小さい事はどうでもよくなるんじゃないかと俺は思う。
いつもより早く家を出なきゃいけない日直は、決してどうでもよくはないけれど。
口煩いお向かいさんのナツとのんびり屋のハル、そして俺。
小学生の時から俺達三人にとっては、これがお決まりの登校風景で当たり前の日常だった。
226:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/18(火) 23:44:23 ID:Lv8yngrSi6
「明日も日直らしいじゃん、アキちゃん」
ふふん、と鼻を鳴らして、廊下から窓越しにナツが笑う。
「……誰の所為でだと思ってんの」
放課後の教室で一人、日誌を放って突っ伏したまま返すと、ナツはどっと声を上げてお腹を抱えた。
朝からマイペースな二人に付き合ったお陰で、担任の先生から食らったアンコール。
部活があるからと相方の日直さんにはそそくさと逃げられ、一人虚しく日誌を書く。
一体、これの何処が面白いと言うのか。
「明日は置いてくからね。綺麗な葉っぱがあっても可愛い猫が居ても、二人の事置いてくから」
じと、とナツを睨み付けてから、まだ何も手を付けていない日誌を開く。
「別にいいよ、ハルと二人で行くもんね」
気にも止めない様子で、ナツがふいと外方を向いた。
227:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/18(火) 23:53:09 ID:Lv8yngrSi6
ちくり、と胸に何かが刺さったような痛みが走る。
シャーペンを握る手が僅かに震えるのを感じて、俺はそっとその手を離した。
「アキは男の子の字だね。ハルは綺麗な字書くのに」
いつの間にか教室に入っていたナツが、前の席に後ろ向きで腰掛ける。
日誌を覗き込んだナツの、シャンプーの香りが俺の鼻先をふわりと掠めた。
「双子なのに、全然違うね」
日誌に書かれた“篠原”の文字を指でなぞりながら、ナツは言う。
当たり前だという俺の反論に適当に相槌を打つと、まじまじと俺の顔を覗き込んだ。
「本当にそっくりだよね、顔だけは」
「ナツ……?」
様子がおかしい事にはすぐに気が付いた。ナツの瞳がうるうると揺れている。
「ナツ、何かあったの?」
228:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/18(火) 23:58:09 ID:Lv8yngrSi6
白々しく問い掛ける自分が憎らしい。
ナツにこんな顔をさせる事が出来るのは誰なのか、分かり切っている事なのに。
「ハル、ね……また告白されてた。三年生の人だって」
ああ、ほら。やっぱりそうだ。
分かり切っていたのに、どうしてこんなに胸が痛むんだろう。
「俺だって、」
ナツが見ているのは、いつだってハルなんだ。
「俺だって昨日、一年生の子に告白されたんだよ。断ったけど……」
「あはは、そっか。篠原兄弟はモテるなあ」
好きな人がいるから。
俺がそう言って断っている事を、ナツは知らない。
「モテモテ篠原兄弟のハルとアキに関われて、ナツは幸せだね」
「それ、自分で言っちゃう?」
「ハルは言わなくても、俺は言っちゃう!」
それでもただ、ナツが笑っていてくれるなら。
それだけでいいと、そう思えてた。
229:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/19(水) 00:04:01 ID:Lv8yngrSi6
***
「向かいに越してきた長谷川です。暫く煩くしてしまうと思いますが──」
小学一年生の夏休み、けたたましい蝉の鳴き声と刺すような日差しの中、ナツは突然俺達の前に現れた。
「ナツです。小学一年生です」
母親の後ろに隠れて、恥ずかしそうに身を捩っていた女の子。それがナツだった。
「あら、うちの子達と同級生ね。男の子の双子なんですよ」
ほら、と母さんに背中を押されて、俺とハルが前に出る。
「ハルだよ。宜しくねー」
「あ、アキです」
物珍しそうに俺達を交互に見るナツを余所に、ハルは思い付いたようにあっと声を上げた。
「フユが居たら、季節が揃うね」
その一言で、ナツの緊張も解けたんだろう。
「あのね、前の学校にユキちゃんなら居たよ!」
今も変わらない、向日葵のような笑顔を咲かせてナツは笑った。
その名に恥じない夏の太陽のような、眩しい眩しい笑顔だった。
230:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/19(水) 00:12:25 ID:Lv8yngrSi6
いつからナツにこんな感情を抱いていたのか分からない。
もしかすると、あの日から。
***
「何ぼーっとしてんのよ、もう」
頭を小突かれて、はっと我に返る。
窓から射し込む日差しは、もうすっかりオレンジ色に染まっていた。
「そろそろハルも委員会終わるだろうし、ちゃっちゃと終わらせて帰ろ!」
「……ああ、ハルが居ないと思ったら、委員会か」
そういえば、ハルは図書委員だっけ。二学期は体育祭があるから体育委員の方が、なんて事をナツと二人で言ったのに拒否されたんだった。
昔から身体の弱いハルの事だ。体育祭に楽しみなんて見出だせなかったんだろう。
「本当、俺とハルって似てないや」
231:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/19(水) 00:13:27 ID:9GU9MSkZro
ふと、口を突いて出た言葉に、ナツは訝しげに首を傾げた。
「何よ、突然」
「ナツが言ったんじゃん。顔だけは、って」
身体が弱くてのんびり屋。好きなものは本を読む事と、季節の移り変わり。それからピーマン。嫌いなものは椎茸。
感受性豊かなハルは、穏やかで聡明と呼ぶに相応しいと思う。
「改めて似てないなーって思っただけだよ」
「ごめんごめん、似てるところもちゃんとあるよ」
「顔とか?」
「そう、顔とか。あとは顔とか、顔とかかな」
当然の答えだった。俺とハルじゃ、余りにも違いすぎる。
病弱じゃなければ、本もあまり読まない。ピーマンは嫌いだけど、椎茸は好きでも嫌いでもない。
勉強は得意じゃないけどクラスで一番足が速くて、リレーなんかじゃ殆んどアンカーを任される。
ハルとはまるで正反対。それが俺。
「結局顔だけじゃんか」
ちくり。ちくり。笑っているのに、胸が痛い。
双子なのに、顔は似ているのに、どうして俺はハルみたいになれないんだろう。
──どうして俺じゃ、駄目なんだろう。
232:🎏 ◆UTA.....5w:2012/9/19(水) 00:20:25 ID:9GU9MSkZro
>>223-231
少なめですが、これにて投下終了します。
後れ馳せながらランキング1位、ありがとうございます!
本当に自分でも思う程に長々と続いていて、いい加減もう飽きられるのでは、と内心不安でした。不完全燃焼でも何でもいいから早く終わらせるのが吉じゃなかろうかとか、色々考えていて。
投げ遣りになろうとしていた自分が恥ずかしい。投票して下さった皆さん、本当にありがとうございます。頑張ります!
これからも皆さんに楽しんで頂けますように。今日も読んで下さった皆さんに、最大級のありがとうを!
233:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/19(水) 03:11:29 ID:uRNELsxdMU
全然飽きない!!寧ろますます面白い!!
篠原やばい切ないです
ハルくん死んじゃってるんだもんな…
っCCCCCCCCCC
234:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/19(水) 10:28:22 ID:89UjQmB8So
もうこれアニメになればいいのに……w
支援
235:🎏 名無しさん@読者の声:2012/9/19(水) 14:33:26 ID:AonpS3MhV2
切な過ぎて涙目継続中
じっくり書いてね、未完で終わったら………ねw
くふふ。
無理しない程度に継続してくれたら嬉しいです☆
/
shien!
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