男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」
住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。
辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。
灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。
男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」
散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。
261: ◆b.qRGRPvDc:2011/11/24(木) 22:00:17 ID:gdsRLqBUn.
めぐの過去と罪、愛を失くした経緯をこっそり語ろうと思います。
上で言った通り、欝展開なのでご注意下さい。そして、ただの私の語りです。
とある村では昔から「双子は災いをもたらす」と言い伝えられており、後に生まれたものは処分されていました。
時代は流れ、いつしかその言い伝えは風化していきましたが、ある一族は違っていました。
その一族は代々その村で生まれ育ち、村の中でも敷居の高い所謂お金持ち。その一族に、双子の姉妹が生まれてしまいました。
262: ◆b.qRGRPvDc:2011/11/24(木) 22:16:45 ID:VCHgmReH86
言い伝えを重んじている一族ですが、既にない風習に則って処分をするのは体裁が悪いと考え、処分をしない代わりに“無きもの”として扱いました。
知識を与えず、食事もろくにとらせず、父とも母とも呼ばせず、屋敷の奥の部屋へと押し込めていました。
もうなくなった筈の風習、信じられていない筈の言い伝え。
しかし、妹を見る村人の目は差別的でした。関わりたくない、というのが本音でしょうか。表向きは姉妹分け隔てなく接し、妹とは距離を置く。知識のない妹にもそれくらいは理解出来ていました。
妹が空も明るい内に外に出る事は殆どなく、奥の部屋でただ時間が経っていくだけの毎日でした。
263: 昔語り ◆b.qRGRPvDc:2011/11/24(木) 22:43:55 ID:gdsRLqBUn.
しかし、姉と幼馴染みの少年は違いました。妹の部屋に遊びに来ては、学校での事や友達の事、近所の噂話、色んな事を話していました。
姉妹は容姿こそよく似ているものの、姉は教養も人望もありました。そんな姉が味方でいてくれる──それが妹にとってどれ程の救いになっていたのかは、はかり知れません。
月日は流れ、姉妹は美しく成長していました。まだ幼さは残るものの、体は随分と女性へと近付いていました。
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