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出会う感情の名は、
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1: 1 ◆b.qRGRPvDc:2011/10/16(日) 19:19:06 ID:f4A63ChN1o
男「あれ?何してたんだっけ?…なんで此処に居たんだっけ?」

住宅街の路地にポツリと立つ青年。見たところ、学生のようだ。

辺りを見渡しても、まるで自分以外の人間が魔法にでも掛けられたかのように姿を見せない。

灰色に染まった空は雨を降らせてパタパタと音を立てながらアスファルトを濡らしていく。

男「うわ!財布の中身散乱してるし!お札が濡れる!」

散乱しているお金を慌てて掻き集め、乱暴に財布に押し込んだ。


163:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/10(木) 23:40:22 ID:A8T..sH7VM
少女は語り続けた。


――過去に何らかの罪を犯した私達は死後、死者となる事は許されなかった。真っ白い空間に私は居て、これからすべき事を知った。

私達は、こうして“生まれた”。

死期が訪れた人を送り届ける。
それが罪人である私達の償いであり、存在意義なんだそうだ。人は天使や死神と呼んだりするけれど、実際そんなものは居ない。

送り届ける。ただ、それだけの役割なんだよ。
164:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/11(金) 00:23:12 ID:L9VHa.zPfY
人だった頃の自分の事は覚えていない。自分が犯した罪も、分からない。この容姿だって、私であって私じゃない。

そして、本来人に見えるものでもない。君のような人は初めてだったよ。私も、彼女も。

彼女が犯したタブーは、君という人間に出会い、共に過ごしてしまった事。君と触れ合い、存在してしまった事。

それから――
165:
◆b.qRGRPvDc:2011/11/11(金) 00:51:11 ID:A8T..sH7VM
少女は頭を左右に振ると言葉を紡ぐのを止めた。

少女「…これは、私が語るべき事ではないね」

青年は全身がドクンと脈打つのを感じた。こんなにも現実味のない話を信じる人は居ないだろう。そう思えるのに、目の前の少女の瞳が真実だと語り掛けている。

男「俺が……俺が、めぐの存在意義を奪ったのか?俺が一緒に居たいって言ったから?俺がめぐと出会ってしまったから?」

少女「それは違う。彼女は私の忠告を無視してまで“めぐ”である事を選んだんだよ」
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