姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」
王子「ありがとうございます」
姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」
王子「は?」
姫「見せてみなさい」ガバッ
王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0
551: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:29:06 ID:6WPIlMnLYs
姫「な…、何言ってるのよ、王子から離れろ?」
ロイ「そうです!早くこちらへ来てください!」
王「これ、ロイ。お前は何を言うておる?ちゃんと説明せい」
大臣「そうですよ。それに、その血は… 一体何があったというのです」
ロイ「っ… すみません、隣国視察のご報告をします」
王子「!」
姫「隣国視察!?」
552: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:37:52 ID:l5W1Sce4Lg
ロイ「──報告。隣国は婚約パーティーに乗じて本国を攻めるつもりです」
「なっ…」
王「なんじゃと!?」
大臣「そ、そそそそれは本当なのですかっ」
ロイ「はい。この目でその軍隊を見てきましたし、実際にそうであると隣国の兵士から聞きました」
王「な、なんと…」
騒然とした空気が王間に漂う。
姫「…嘘……」
ロイ「そして王子がここにいるのは、本国を油断させ、軍の準備をさせないためです」
姫「……王子……」
姫「………王子っ!!」
553: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:42:55 ID:3MiYLEePlw
王子「……」
姫「ロイの言ってること、本当なの!?隣国がここを攻めてくるの!?」
王子「……」
姫「あんたはそれ知ってたの!?知ってて、この国に来たの!?」
王子「……」
姫「どういうつもりで、私と仲良くしたのよっ!」
王子「……」
王子の肩を掴み、揺さぶる。
姫「王子っ… 黙ってないで答えなさいよ、王子ぃっ!!」
ロイ「姫…!」
──シャキン、と剣が抜かれる音がした。
姫「…!?」
グイッと引き寄せられ、姫の喉元に剣刃が当てられる。
……氷のような瞳が、見えた。
王子「──動くな。動けば、姫を殺す」
554: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 19:55:24 ID:RCXCl5If6k
!!!!!!(;Д;)王子ぃぃぃい!!
CCCCCC
555: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 20:15:59 ID:.Km5JWzyXY
(´;д;`)王子信じてるからな……
つC
556: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 22:32:02 ID:O2Dmey52w.
BADだけは勘弁してくれ・・・
泣きそうだ(;д;)
つCCCC
557: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 23:49:17 ID:RVOhnVQ0xw
しえんしえん!
みんな大好きだが、第2王子が気になる…(´・ω・`)メロメロズッキュン
558: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 00:05:49 ID:p50CKzsejo
面白くなってきたな
っCCCCC
559: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:07:40 ID://Pq5MFqdI
……何が起こっているのか、わからなかった
だって、私に剣を当てているのが王子だったから
私が何言っても怒ったりしなくて
いつも微笑んでいてくれたから
姫、姫って名前を呼んで
傍にいてくれたから
その剣は、私を守るために使ってくれたから
王子「──…馬鹿だな」
小さく笑って、呟いた
でもそれは、いつもの優しい笑みじゃない
王子「僕が本当にこんな女と結婚すると思ってたのか?」
信じられなかった
──これは本当に、王子、なの?
560: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 20:09:45 ID:zL1WLCW5ps
更新ktkr!!
つC
561: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:14:14 ID:Ri/0Dq7liI
姫「っ…」
王子「くだらない。1週間過ごそうが1ヶ月過ごそうが、こんな乱暴な女と結婚したいなんて思わないよ」
ロイ「てめぇ…!」
王子「にしても、余計なことをしてくれたな…ロイ。このまま行けば僕たちの計画は完璧だったのに。まさか隣国視察に行っていたなんて、盲点だったよ」
ロイ「……やっと化けの皮が剥がれやがったな」
王子「化けの皮?」 クスリ
王子「──これが僕だ。それ以外の何でもない」
562: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:19:22 ID:8C0o4sgn8A
王「お、王子よ… お主はいったい」
王子「ロイの言ってることで間違いないですよ。隣国はここを攻めてくるし、僕の役目は本国に軍の準備をさせないことだ」
姫「…!」
王子「まぁ、おかげで予定が狂っちゃったけど。……他に質問はありますか?」
姫「……王子」
王子「はい」
姫「…王子が、私と結婚したいって言ってくれたこと… 私をか、可愛いって言ってくれたこと…
あれも嘘、なの?」
563: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:23:07 ID:4HN.k5LX7c
王子「……」
王子「はい、嘘です」
「!!」
姫「…呆れた… とんだ嘘つきね」
王子「はい。僕は嘘つきですから」
小さく目を細めて、グイッと刃を姫に近づける。
王間にいる兵士たちを見渡す。
王子「……姫を殺してほしくなかったら、黙って道をあけろ」
王「……何をするつもりだ」
王子「さすがの僕も城内全ての兵士を相手にしようとは思わないので。ここにいる理由ももうないし、潔く退かせてもらいます」
564: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 20:27:48 ID:uXbwh/DWnY
嘘つきってことはあれだろ!!どれだ!!っCCCC
565: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:32:13 ID:WpDpWV85XM
ロイ「……逃がすかよ」
王子「…お前は威勢がいいな。
ケガしてるくせに」
「!!」
王子「脇腹の傷。早く手当てした方がいいんじゃないのか?」
クレア「…!」
ロイ「…てめぇに心配されるほど落ちぶれてねぇよ」
王子「あ、そう」
ロイ「……」
王子「確か、お前は近衛隊長だったな。今すぐ、城内の兵士に王子には手を出すなと指示を出せ。姫を殺されたくなかったらの話だが」
ロイ「……んなことする必要ねぇ」
王子「へぇ、余裕だな」
静かに視線を動かす。
…今なら、いける。
ロイ「──ジョン!今だ!!」
566: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:35:29 ID:esacBCDh.U
次の瞬間、今まで隠れていたのか、玉座の陰からジョンが飛び出してきた。
ジョン「わんわん!わんわん!」
王子「!?」
勢いよくジャンプし、王子の腕に噛み付く。
ジョン「がううぅ―!!」ガブガブ
王子「っ、この犬は何度も何度も…!!」
振り払うと、ジョンは身を翻して床に着地した。
王子「──!?」
ジョンに気をとられた隙に、姫がするりと王子の腕から抜け出した。
王子「あ…!」
姫「この…!」
姫がくるりと王子の方を振り返る。
姫「バカ王子!!!」
勢いよく腕を振り上げた。
567: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:40:34 ID:mUCDMF7VaQ
──バシッ
…しかし、いつもの子気味良い音は鳴らなかった。
姫「…!」
王子が頬の横で、姫の平手打ちを止めていた。
姫「あ…」
王子「……残念でしたね」
小さく笑って、再び姫を拘束しようとしたとき。
「──させるかよ」
王子「!!」
ロイが王子の背後に回っていた。
568: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:45:11 ID:FsedaSvsrA
王子「く…」
腕に加速をつけ、王子に向かって剣を振りぬく───が、
ロイ「!?」
ロイの剣は空を斬っただけだった。
───シュタッ
王子が少し離れた窓際に着地する。
王子「……危なかった」
ロイ(あ、ありえね―… あのタイミングで飛んで避けやがった…)
569: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:54:59 ID:yUqErVkrqI
窓際に立つ王子に、全員の視線が集まる。
王子「…これ以上長居できないな」
ボソリと呟くと、窓に手をかけた。
ロイ「な…」
姫「王子!?」
王子「……」
ニッコリと微笑む。
王子「この際だから言いますけど、早く軍の準備をした方がいいですよ。国を失いたくなかったら」
姫「王子!」
王子「僕は隣国の軍勢に加わりますので。ひょっとしたら、また後で会えるかも」
姫「王子っ…、王子!!」
王子「──ごきげんよう」
静かに言い放つと、窓から飛び降りた。
570: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 21:04:51 ID:Kwo9hE/z3E
それでも王子を信じるよ……。゚(。ノд<)つCCCC
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