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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


437: 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 16:38:29 ID:vJ5YwfnO9A
ジョンのアフォwwwwwいいところだったのにwwwww
438:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:40:04 ID:oXJpTUulPQ

──翌日、朝4時

ロイ「……」

クレアが寝ているのを確認しつつ、身支度を整えて腰に剣をさす。

クレア「…zzZ」


ロイ「……」

ロイ「……ま、縁があったらまたどこかで」

ふわりと外套を翻すと、静かに小屋を後にした。
439:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:42:50 ID:OEv/Nma8qg

──馬を走らせて、2時間弱。

ロイ「……着いたな」

馬「ヒヒーン」

隣国は頑丈な鉄壁に囲まれており、外からは国の中は見えない。

ロイは入国手続きをするために門番のところへ行った。


ロイ「──どうも」

門番「ん?なんだお前は」

ロイ「ただの旅人です。観光に来たんですけど、入国してもいいですか?」

門番「ほう。入国料は2万ゼニーだ」

ロイ「高いですね」

門番「文句を言うなら帰れ。あと、お前の持ち物を全てチェックさせてもらおう」
440:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:45:17 ID:QP6X0Gynu.

門番「……ふむ。そこの腰に下げている剣以外は、特に怪しいものはないな」

ロイ「旅をしていれば、護身用に剣を持ち歩くのは当然ですよ」

門番「そんなことは聞いていない。その剣は、こちらで預からせてもらおう」

ロイ「はぁ」

門番「なんだ、文句があるのか?」

ロイ「いいえ、何も」

涼しげな表情をして、ロイは剣を門番に手渡した。


門番「──よし。入国料も貰ったし、入国を許可しよう。入れ」

ギイイイィ、と音を立てて灰色の門が開いた。
441:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:47:38 ID:apt6p77LGE


ロイ「……」

歩きつつ、ぐるりと周りを見渡す。

ロイ「……息がつまりそうだ」

無機質な光景。
木や草花がほとんどなく、あるのは質素な家屋と農地。

それが東西南北飽きることなく続いていた。

ロイ「…あの女が言っていたことは本当みたいだな」

黙々と農作業をする人々。
その目は曇り、諦めに似た色が見えた。
442:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:49:52 ID:nylk54VH.6

ロイ「……」

だが、予想とは違い農民が過酷な重労働を強いられているようには見えなかった。

鞭をもった役人もいなければ、剣をもった兵士もいない。

ロイ「……静かだな」

ロイ(ひょっとして、案外治安は保たれているのか?)


畑仕事をする一人の老人に歩みよる。

ロイ「……よう、爺さん」
443:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:52:40 ID:oaV8sFVAmA

老人「ん…?」

ロイ「ちょっと聞きたいことがあるんだが」

老人「……見ない顔だな。外の人間かい」

ロイ「あぁ。観光にきた」

老人「この国に観光とは珍しいことだ。何も面白いものはなかろう」

ロイ「んー、まぁな。ところで爺さん、この国は今どういう状況なんだ?」

爺さん「……」
444:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:54:25 ID:6ryzL53E0I

ロイ「あと、この国の王とか王子のこととかも知りたいんだが」

老人「……」

ロイ「……?」

老人「……」

ロイ「……なんだよ、教えてくれねぇのか?」

老人「…部外者に余計なことを言わないというのがこの国の決まりだ。何も言うことはない」

ロイ「……あ、そう…」
445:
◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:56:59 ID:apt6p77LGE

…他の国民に尋ねても、結果は同じだった。
誰も何も教えてくれない。


ロイ(……怪しいな)

ロイ(いっそ、本国の近衛隊長と名乗って城に入れてもらうか)

ロイ(……あ。隊長バッジ忘れた)


ロイ「……つーか、こうまで面白みの無い国じゃ、調べるものもねぇな」

ロイ「あるのは農地と住宅地と小さな商店街、か…」
446:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 00:00:48 ID:eaK745q2DQ

ロイ(……待てよ。確か、隣国は内乱を鎮圧するだけの軍事力があるんだよな)

再び周りを見渡す。

ロイ「……軍事施設はねぇ、な…」

考える。
地上には何もない、それならば──




ロイ「─……地下」
447: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 00:02:55 ID:JP3KYIqJtA
>>262からすると2万ゼニーは20万か
ロイは金たくさん持ってんだな
448:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 00:15:52 ID:sv4nAwFHwA
>>447
ロイ「ちげぇよ、入国料が高すぎんだよ」

ロイ「見ろよ、俺の財布… 多めに持ってきたのにもう小銭しかないとかどんだけ」 グスン 

ロイ「…まぁ、確かに金には困ってないけど。近衛隊長だから」
449:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 00:55:53 ID:6WPIlMnLYs

ロイ「………あ」

不意に、城門から出てくる一人の兵士を見つけた。
農民の様子を見るつもりなのか、引き締まった表情で農地の周りを歩きはじめた。


ロイ「……」

まじまじとその兵士を見つめて、気づく。

ロイ「……女か」

顔や体型から察するに、どうやら女兵士のようだ。


ロイ「ふーん…」

ロイ「色仕掛けでもやるか」 ニヤリ
450: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 17:32:52 ID:LMpZijVXKE
い、い色仕掛けだと………。



ゴクリ
451:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 20:50:02 ID:v61gFz7xyw

読んでくださっている方、本当にありがとうございます!
雰囲気を壊さないために読者さんのコメにはレスをしたりしなかったりですが、ひとつひとつありがたく受け取ってます!(´∀`)

最近は新しいSSに勢いが負けちゃいそうですが(笑)、もう少しお付き合い頂けたら幸いですm(*__)m
452:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 20:56:10 ID:MIZQN488hg

女兵士「──はぁ、だっるぅ…」

女兵士「女は役に立たないから巡回でもしてろなんて。あんまりだわ」

女兵士「農民なんか見てても面白くないのよー!真面目な顔して歩くだけとか!暇!暇すぎ!」

「ねぇ、」

女兵士「あー、こうなったらサボってやる!どうせ女の私には仕事なんてないんだし!」

ロイ「ねぇ、君」

女兵士「どっかにイイ男いないかなぁ!軍人の男なんて汗臭くてたまんない!」

ロイ「うーん、俺は別に臭くないけどなぁ」

女兵士「そりゃ個人差あるけど、」

女兵士「………え?」
453:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 20:59:24 ID:zrmPsL1RCc

ロイ「こんにちは」 ニッコリ

女兵士「へ…?」

ロイ「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

女兵士(なっ… なにこの超イケメン!!こ、こここんなイケメンがこの国にいたっけ!?)

女兵士(ハッ!だめだめ、私は兵士なんだからピシッとしないと!)

女兵士「……コホン、何かしら。見ない顔だけど、どこから来たの?」

ロイ「んー、俺ただの旅人なんで。出身とかないかな」

女兵士(タメ口…)

女兵士「そ、そう。じゃ、聞きたいことっていうのは?」
454:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:01:58 ID:T77F4lTOsc

ロイ「長旅で疲れちゃって。どこか一息つけるとこない?」

女兵士「…カフェなら近くにあります」

ロイ「え」

女兵士「? なにか」

ロイ「いや、殺風景なこの国にずいぶん不似合いだなと思って」

女兵士「……」

女兵士(ど、どうでもいいけど、いちいち仕草がカッコいいわね…)

ロイ「んじゃ、案内してもらってもいいかな」

女兵士「は、はぁ!?」

ロイ「別にいいでしょ。君、暇そうだったし」 ニッコリ
455:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:06:19 ID:swnM2r.2YI

───カフェ


女兵士「ここです」

ロイ「へぇ、案外お洒落だな」

女兵士「このカフェは軍人や地主とか、階級の高い人間が入るところなので」

ロイ「ふーん」

女兵士「…では、私は仕事に戻ります」 スッ

ロイ「あ、待って」

女兵士「?」

ロイ「せっかく案内してくれたんだから、奢るよ。一緒に飲もうぜ」
456:
◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:09:38 ID:k81ksGofh2

ロイ「──あ、酒よろしく」

店員「かしこまりました」 ペコリ

女兵士「……」

女兵士(……乗せられちゃった。私、ホントにイケメンに弱い。情けない…)

ロイ「どうしたの、難しい顔して」

女兵士「……これでも勤務中ですので。お酒は遠慮します」

ロイ「はは、一口や二口ならいいんじゃねーの」

女兵士「ダメです」

ロイ「ずっと堅い顔してっともったいないぜ?せっかく可愛い顔してんのに」

女兵士「は…?」
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