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妹「マニュアルで恋します!」

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Part9
165 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:20:27 ID:6yRAHOTk
応援ありがとうございます

とりあえず時は遡り、兄が葛藤している所から始まります…


兄(…俺は最低だ)

兄(それに…無力だ)

兄(…どうすればいい?)

兄(俺は…どうすれば…)

兄(俺は…どうしたいんだ…?)

兄(俺は…)

166 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:20:47 ID:6yRAHOTk
―――――力が欲しいか?

167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:22:46 ID:6yRAHOTk
兄(!?)


力が欲しいのか?


兄(誰…だ?)


そんな事はどうでもいい


力を求めるか…求めないか


それだけを答えろ


兄(俺は…)

168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:25:42 ID:6yRAHOTk
兄(俺は…力が欲しい…)

兄(妹をどうにもしてやれない…こんな無力な俺じゃ…)


クハハ…ならば叫ぶが良い


ただ"力が欲しい"と…


兄「…」

兄「俺は…」

兄「俺は…力が欲しい!!!」ゴォッ

169 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:25:55 ID:6yRAHOTk
ーーーーー承った


170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:28:07 ID:6yRAHOTk
ガチャ

兄「…」

妹「あ、お、おかえりなさい!」オドオド

兄「ああ、ただいま」

妹「ご飯出来てますので…」

兄「いつもありがとう」ニコッ

妹「え…?」

兄「戴くよ」

妹「あ、はい!」カチャカチャ

171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:32:07 ID:6yRAHOTk
………


妹「はい、どうぞ」

兄「うん、美味しそうだ」

妹「あ、ありがとうございます…」

兄「いただきます」

妹「はい…」

兄「…」パクパク

妹「あ…わ、私…部屋に居ますので…」スタスタ

兄「…待て」

妹「!?」ビクッ

172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:32:20 ID:6yRAHOTk
兄「一緒に食べないのか?」モグモグ

妹「え…で、でも私は…」オドオド

兄「構わない、一緒にたべよう」

妹「…に、兄さんがそう言うのなら」

兄「うん、俺が用意しよう」

妹「あ、ありがとうございます…?」

……


173 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 17:35:40 ID:6yRAHOTk
兄「ごちそうさまでした」

妹「ごちそうさまでした…」

兄「どうした、浮かない顔して」

妹「だ、だって…」

兄「…先刻の件か」

妹「え?あ…はい」

兄「あれは…俺が悪かった」

妹「え…ええ?」

兄「勇気を出して愛を伝えてくれたと言うのに…それを踏みにじるようにしてしまい、申し訳なかった」

妹「ええ…はぁ…?」

174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/14(木) 22:45:07 ID:GjTzurgk
わろた

175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 12:45:07 ID:YGHAp.6k
兄「そして…考えたんだ」

妹「…」

兄「お前が如何に悩み、苦しみ、そして、想いを伝えてくれたのか…と」

兄「それを考えるだけで…俺の心はまるで森の木々のようにザワザワと音を立てるんだ」

妹「…」

兄「…」

兄「…一つの結論に辿り着いた」

兄「俺達は…相思相愛だと」

妹「はあ…?」

176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 12:46:26 ID:YGHAp.6k
兄「俺は自分の気持ちに嘘をついてきた」

兄「家族だから…親族だから我慢しなければと」

兄「でもそんな事はなかったんだ」

兄「お前の想いが…俺を動かしたんだ」

兄「長くなってしまったな…」

兄「改めて、俺から言わせて欲しい」

兄「俺は…お前の事が好k」

妹「お断りします」ビシッ

兄「…なんだその奇怪なポーズは」

妹「…」

177 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 12:46:37 ID:YGHAp.6k
妹「…あなたは兄さんじゃない」

兄「なにを言っている?」

妹「兄さんの格好をしてるだけ」

妹「兄さんは…そんなふうじゃない」

妹「兄さんはそんな臭いこと言えない」

妹「そしてなにより、さっきの私のポーズに突っ込みを入れるはず」

兄「…」

妹「あなたは誰?兄さんはどこへ行ったの?」

179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:13:55 ID:YGHAp.6k
兄「俺はお前の兄だ」

妹「嘘、少なくとも中身は違う」

兄「嘘ではない」

妹「兄さんを返して」

兄「我が兄だ」

妹「兄さんは我なんて言わない」

兄「…」

妹「いい加減白状して」

兄「…」

妹「…」

兄「ククククク…」

妹「…」

180 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:18:54 ID:YGHAp.6k
「クハハハハ!見事よ人間!よくぞ正体を見破った!」

妹「あなたは誰?」

「我輩か?我輩は…世間一般で言う魔王」

魔王「こことは違う次元より参上した」

妹「魔王…」

魔王「貴様の兄は今頃先ほどの施設で彷徨っている事だろう」

妹「なんのためにこんな事を?」

魔王「なに、来れたついでに少々愉しもうかと思うてな」

妹「愉しむ?」

魔王「いかにも、我輩と姿形がそっくりな男を見つけたのであとをつけて見たら…なにやら愉快な事になっておったのでな」

妹「…つまり、その姿は変身とかしていないと?」

魔王「うむ」

魔王「我輩、一度転生した際に人の姿になってしまったのだ」

魔王「そしてその姿が貴様の兄にそっくりだったと」

妹「…」

181 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:19:21 ID:YGHAp.6k
魔王「…先ほど」

魔王「先ほど我輩が述べた言葉だが、あの男の真相心理を読み取った言葉だ」

魔王「口調がおかしかったかも知れないが、あくまで奴の本心だ」

妹「兄さんが…あんな事を?」

魔王「貴様に対する愛が溢れておった」

妹「…///」

魔王「クハハ!そろそろ奴にかけた呪いも解ける頃…帰ってくるはずだ」

妹「兄さん…」

魔王「我輩の居た次元でも、兄弟間の恋と言うのは禁断とされておる」

魔王「だが、人の想いとはそんな物に縛られるほど軽くはない」

魔王「好きに生きれば良い」

魔王「気持ちを抑え苦しむよりも、世間に後ろ指さされながら好きに生きれば幸せであろう」

妹「…ありがとう」

182 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:21:06 ID:YGHAp.6k
魔王「なに、礼には及ばん」

魔王「…さて、奴もそろそろ来る…」

魔王「帰るか」

妹「あなたには好きな人が居るの?」

魔王「…明確にはわからん」

魔王「しかし、共に過ごすと安心出来る者はおる」

魔王「勇者…戦士…魔法使い…僧侶」

魔王「それに、魔族達」

魔王「それらと過ごせるだけで、我輩は幸せだ」

妹「…答えになってないよ」

魔王「クハハ!好きにも種類があるという話よ」

妹「ふふっ」

魔王「貴様もいい笑顔で笑う」

魔王「兄を愛する気持ち、その笑顔!忘れるでないぞ」

シュウウウウウウッ!
ポンッ

183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:21:26 ID:YGHAp.6k
妹「…夢?」

ガチャ

兄「ただいま!」

妹「あ、おかえりなさい!」

兄「妹!実はお前に話があr…」

妹「…」シーッ

兄「…?」


チュッ


兄「!!?」

184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:22:05 ID:YGHAp.6k
妹「全部知ってます」

兄「…お前も…魔王に?」

妹「ええ、さっきまでここに居ました」

兄「俺は…奴に教えてもらったんだ」

兄「他人の目じゃなく、自分の気持ちが大事なんだって」

兄「改めて言わせて欲しい」

兄「妹、お前が好きだ」

兄「何よりも、誰よりも好きだ」

妹「兄さん…」

185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:22:20 ID:YGHAp.6k
兄「傷つけてごめんな…」ギュッ

妹「…謝らないで下さい」ギュッ

妹「大好きですよ、兄さん」

兄「俺も…大好きさ」ギュウウ

妹「えへへ…」

妹(魔王さんも…ありがとう)

魔王「クハハ、礼には及ばん」

妹&兄「帰れよ!!」


fin


186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 13:23:54 ID:YGHAp.6k
以上終了
お疲れ様でした

実はこの魔王、以前書いた別作品からのゲストです
ピンとくる作品があったら多分それです

本当に長い間ありがとうございました

187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/15(金) 22:56:09 ID:pM8xrgM6
乙!
おもしろかったよ

188 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/17(日) 11:33:37 ID:CsPF1w6U
乙!


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