アホミンシリーズ
Part4
1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:52:17 ID:W/vVVIz6
エレン「――やります。穴を塞げるかどうかは分かりません。でも、やります!」
ピクシス「よう言ったの。お主は男じゃ」
アルミン「さすがはエレン! それでこそ僕の親友エレン!」
ピクシス「参謀を呼ぼう。作戦を立てようぞ」
エレン「でも……いくらなんでも皮算用ですらない思い付きなのに、いきなり実用するなんて……」
アルミン「僕もそう思ったけど、その判断を訝っても意味がないよ!」
アルミン「ピクシス司令は、今の僕たちに見えないものを見ようとしているんだよ!」
ミカサ「見えないもの?」
アルミン「そう、見えないものだよ! それに、多分作戦を実行する以前に、根本的な問題がある!」
アルミン「司令は、その現状を正しく認識しているんだ!」
エレン「つまり……?」
アルミン「敵は、巨人だけじゃないんだ! それが見えないものの正体! そうに決まっているんだ!」
エレン「えっ、つまりどういうことなの……」
ピクシス「時は一刻を争う」
ピクシス「活躍してもらうぞ。若き兵士達よ」
2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:54:27 ID:W/vVVIz6
モブ「トロスト区奪還作戦だと?」
モブ「嘘だろ、扉に空いた穴を塞ぐ技術なんかないのに……」
モブ「上はナニ考えてんだ。トロスト区に入ったって無駄死にだろ」
モブ「穴を塞げない以上、ウォール・ローゼの扉を死守するしかないってのに」
モブ「ちっくしょう、そんなに手柄が欲しいのかよ!」
アルミン「むっ、よくもあんな無責任なことを!」
エレン「え、何? 下の方から?」
ミカサ「全然聞こえない」
アルミン「このままじゃ秩序が乱れる!」
アルミン「ちょっと様子見てくる!」 パシューン
エレン「おいちょっとアルミン! あぁ、司令が後ろ向いてる隙に……」
ミカサ「大丈夫。アルミンには正解を導く力がある」
エレン「そうだけど、なんか最近のアルミンは危なっかしいんだよな」
ミカサ「大丈夫。それでも何とかなってる。大丈夫。多分」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:55:38 ID:W/vVVIz6
ダズ「また……あの地獄に……いやだ! 死にたくねええっ!」
ダズ「家族に会わせてくれええっ!!」
マルコ「おいダズ、声が大きいぞっ」
アルミン「聞こえたぞダズ!!」 パシューン
マルコ「アルミン!?」
アルミン「ダズ、君は任務を放棄する気なのか!?」
ダズ「ああそうだよ、この無意味な集団自殺には、何の価値も成果もないんだ!」
アルミン「バカ野郎ーッ!」 パーンッ
ダズ「痛!」
アルミン「ダズは人類を……規律を何だと思っている!」
アルミン「あの人には、この場で君に死刑を下す権限があるんだぞ!」
七三「えっ?」
ダズ「い、いいですよ、その方が巨人に喰い殺されるより100倍マシです!」
アルミン「何だとォ? こうなったら力づくでも分からせる! 勝負だダズ!!」
マルコ「よせ、ダズ! アルミンも! ちょやめ、アルミン、アルミンやめろ!」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:57:02 ID:W/vVVIz6
マルコ&ダズ「」K.O.
アルミン「よし! 次はどこだっ!?」
モブ子A「……ねえ、こっちにも反逆者出ないかな」
モブ子B「あたしだって、死に方ぐらい選びたい」
無精ヒゲ「おいお前ら!」
モブ子B「ひっ、今のは冗談で……」
無精ヒゲ「やれ」
モブ子B「えっ」
無精ヒゲ「派手にやれ! できるだけ大勢で!」
無精ヒゲ「我ら駐屯兵団の中にも、不満を持った者は多い。騒ぎに便乗して、ここを去る!」
アルミン「ここを去って、どこに行くというんです!!」
無精ヒゲ「な、何だお前は! 娘に会いに行くんだよ!」
アルミン「ダメだ! それなら僕と勝負だ! 逃げ道は全部僕が塞いでみせる!」
無精ヒゲ「てめえ上層部の差し金か? この野郎上等だ!!」
七三「やめんかー!!」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:58:01 ID:W/vVVIz6
ハンネス「……ん?」
ハンネス「! エレン」
ハンネス「無事だったか……ん?」
エレン「」スッ スッ
ハンネス「『任務に集中しろ』だと」
ハンネス「あいつめ、上官に向かってなんて態度だ」
ハンネス「あの調子じゃ、ミカサもアルミンも無事だろうな」
ハンネス「しかし、なぜエレンが司令の横に……」
アルミン「」パシューン スタッ
ハンネス「! アルミン。やっぱり無事だったか」
ハンネス「……ん?」
アルミン「」シーッ シュッ シュッ ヒュンッ シュバッ シュババッ
ハンネス「『黙っててくれ』だと。持ち場を離れてたわけか」
ハンネス「しかしなぜアルミンまで司令の後ろに……?」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:59:14 ID:W/vVVIz6
ピクシス「」キュッ カポッ
ピクシス「ぐびっ……ぷあぁ」
ピクシス「お主もやるか」
エレン「! 頂戴しますっ」
エレン「ぐびっ……ん!?」
エレン「」 プシュウウ
アルミン「自分も頂いてよろしいでしょうか?」
アルミン「ぐびっ……ん!?」
アルミン「なんだこれッ!? ンマイなあぁぁぁぁ」ブッチュウンン
ピクシス「お主、酒の味が分かるのか? 気に入った!」
アルミン「ンマイなああぁぁぁ」グビグビ
ピクシス「ほっほ。いい飲みっぷりじゃて」
エレン「お、おいアルミン。その辺でやめとけって」
アルミン「大丈夫だよエレン、人類はもはや勝ったも同然! あー進撃進撃!!」
エレン「アルコール回ってんじゃねーか!」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:59:59 ID:W/vVVIz6
ダズ「う……うう……ここは……」
マルコ「確かアルミンにKOされて……」
無精ヒゲ「ううぅ……」
七三「はっ」
ピクシス「おっほん」
ピクシス「「ちゅーもーーーーーーーく!!」」
ピクシス「「これより、トロスト区奪還作戦について、説明する!」」
ピクシス「この作戦の成功目標は、破壊された扉の穴を塞ぐことである」
マルコ「えぇ?」
マルコ「塞ぐって……いったいどうやって……」
ピクシス「「穴を塞ぐ手段じゃが……まず、彼らから紹介しよう!」」
ピクシス「「訓練兵所属、エレン・イェーガーとアルミン・アルレルトじゃ!」」
エレン&アルミン「」敬礼ドンッ
コニー「エ、エレン!? とアルミン!?」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:01:02 ID:W/vVVIz6
ピクシス「イェーガー訓練兵は、我々が極秘に研究してきた、巨人化生態実験の成功者である!」
ピクシス「彼は、巨人の身体を生成し、意のままに操ることが可能である!」
ピクシス「巨人と化した彼は、前門付近にある例の大岩を持ち上げ、」
ピクシス「破壊された扉まで運び、穴を塞ぐ!」
ピクシス「諸君らの任務は、彼が岩を運ぶまでの間、彼を他の巨人から守ることである!」
コニー「……ん!?」
コニー「な、なあ、いま司令がなんでアルミンを紹介したのか分かんなかったが」
コニー「それは俺がバカだからじゃねえよな?」
そばかす「ちょっと黙っていてくれ、バカ」
コニー「なあ、俺がバカだからじゃねえよな、クリスタ?」
クリスタ「……バカ」
そばかす「かああいいいよおおおおぉぉ天使っ。さすが天使っ。あたしの天使っ」ハグハグ
クリスタ「ヤメテー」
コニー「もう俺には何がバカなのかアルミンが何なのかわけわかめ」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:01:46 ID:W/vVVIz6
グスタフ「巨人と戦う必要がない?」
アルミン「すみません! がしかし! 一介の訓練兵が口を挟ませていただきます!」
グスタフ「か、構わん、話を続けたまえ」
アルミン「はい! 巨人は通常、より多数の人間に反応して迫ってくるので」
アルミン「それを利用して、大勢でおびき寄せて壁際に集めることができれば――」
アルミン「大砲を使って、駆逐できます!!」
グスタフ「うーん誰でも考えつく作戦だが分かった。そこを踏まえて練り直そう」
アルミン「ただこの作戦は、エレンが確実に岩を運んで、穴を塞ぐことが前提です」
アルミン「ですがエレンを信じてください! 僕が保証します!」
グスタフ「……しかしその根幹の部分が不確かなまま」
グスタフ「大勢を死地に向かわせることに、何も感じないわけではないが……」
グスタフ「ピクシス司令の考えも、理解できる」
アンカ「ええ、一つは時間の問題ね。今現在も、巨人が町に入り続けてる」
アルミン「くっ……それなら急がないと! 急ぎましょう!」
アンカ「落ち着きなさい。あとあなたちょっと酒臭い」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:02:23 ID:W/vVVIz6
アンカ「……町に巨人が充満するほど、奪還作戦の成功率は絶望的になるわ」
グスタフ「それに加えて、ウォール・ローゼが突破される確率も高くなっていくな」
アンカ「それともう一つ」
アンカ「人が恐怖を原動力にして進むには、限界があるわ」
七三「あの、巨大な岩を持ち上げる?」
七三「そんなことが……人類はついに、巨人を支配したのか?」
ダズ「嘘だあぁ!」ヌッ
ダズ「そんな訳の分からない理由で命を預けてたまるか!」
ダズ「俺たちを何だと思ってるんだ」
ダズ「俺たちは、使い捨ての刃じゃないぞおぉー!」
アルミン「くそーアイツまだあんなことを」
アンカ「えっ?」
アルミン「ちょっと行ってきます!!」 パシューン
11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:04:56 ID:W/vVVIz6
モブ「人間兵器だとよ」
モブ「まやかしに決まってんだろ」
モブ「バカにしやがって!」
無精ヒゲ「今日ここで死ねってよ。俺は下りるぞ!」
モブ子s「「……うんっ」」
モブ「俺もだ!」
モブ「俺も下りるぞ!」
モブ「俺もだ!」
「わいも!」「おいどんも!」「わっちも!」「やきいも!」
ダズ「人類最後の時を、家族と過ごします!!」
イアン「まずいなこれは」
リコ「ああ。このままじゃ、秩序がなくなる」
アルミン「覚悟はいいのか! 安寧の家畜ども!!」シャキーン
イアン「!?」
12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:08:37 ID:W/vVVIz6
ダズ「ま、また下りて来たのか!?」
七三「あ、あいつさっきの、なぜか司令に紹介されていた……」
無精ヒゲ「くっ、やっぱりお偉方の犬かよ!」
アルミン「みんな聞くんだ!」
アルミン「確かに、一度巨人の恐怖に屈した者は、二度と巨人に立ち向かえないかもしれない!」
アルミン「でも、その恐ろしさを自分の親や兄弟――愛する人にも味あわせていいのか!?」
無精ヒゲ「……それだけはダメだ」ピタッ
アルミン「だったら! いちかばちか、トロスト区に群がる巨人たちをやるしかないだろ!?」
アルミン「やらなければ、希望は失われる! それでもいいのか!?」
無精ヒゲ「……それだけはダメだ。娘は私の――」バッ
無精ヒゲ「最後の希望なのだから」
アルミン「分かってくれたんだね!」
ピクシス「「ワシが命ずる!」」
ピクシス「「今この場から去る者の罪を、免除する!」」
アルミン「う!?」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:09:57 ID:W/vVVIz6
ピクシス「「一度巨人の恐怖に屈した者は、二度と巨人に立ち向かえん!」」
ピクシス「「巨人の恐ろしさを知った者は、ここから去るがいい」」
ピクシス「「そして、その巨人の恐ろしさを、自分の親や兄弟――」」
ピクシス「「愛する者に味あわせたい者も、ここから去るがいい!」」
ダズ「ああ……うん……」
モブ「それさっき似たようなの聞いた……」
無精ヒゲ「うむ……」
マルコ「アルミンのせいで微妙な空気に!」
ピクシス「四年前の話をしよう。ウォール・マリア奪還作戦の話じゃ――」
アルミン「話が長くなりそうだな……これは長話になる!」
アルミン「エレンの元へ戻ろう!!」パシューン
マルコ(さっきから何がしたいんだアルミンは……)
14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:11:39 ID:W/vVVIz6
マルコ「と、とにかくみんな落ち着こう」
マルコ「別に僕達が死ぬと決まったわけじゃないさ」
マルコ「きっと安全なおとり作戦か何か立てて、犠牲は出ないように配慮して――」
ピクシス「どうかここで! ここで死んでくれ!!」
ダズ「うわあああああーっ」
マルコ「ご、ごめん! 今のは司令の話を遮った僕が悪かった!」
ダズ「こここ、こんなところで死んでたまるかー!!」ダバダバ
マルコ「落ち着けダズー!」ダバダバダバ
エレン(あの巨人の力で、岩を持ち上げられるかどうかは分からない)
エレン(でも、俺の役割は理解している)
エレン(偽物かもしれないけど、それでも、成功させなければならない)
エレン(俺は、ならなきゃいけないんだ。みんなの、希望に!)
アルミン(↑って顔だ、さすがエレン! 僕も全力で支援するぞ!!)
15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:12:16 ID:W/vVVIz6
うー眠いー続きは明日ー(^q^)
20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 12:09:04 ID:p0klvv0U
アホミンの補給所奪還とか書いた人かな このシリーズすき
21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 13:51:03 ID:MZyz2ULc
暴走しとるな~www
22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 21:54:03 ID:V0ZGqwNY
またお前か!
支援しよう!
24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:14:48 ID:uQl.FsqM
アルミン「エレン、すまない」
アルミン「結局、エレンにすべての責任を負わせることになってしまった!」
エレン「お前絶対すまないとか思ってない」
アルミン「でも僕は、僕には正解を導く力があるっていったエレンの言葉を信じるよ!」
エレン「今のアルミンは導くっていうか目茶苦茶やってこじ開けるというか」
ミカサ「エレン、やはり私も」
エレン「ついてくるなんて言うなよ」
ミカサ「えっ」
エレン「お前はおとり部隊に配属されたんだろ」
ミカサ「でも、エレンを一人にはできない。一人になったらまた――」
エレン「いい加減にしろ!」スカッ
エレン「俺はお前の弟でも子供でもねえ! そう言ったはずだ!」
ミカサ「じゃあ……何?」
エレン「そ、それは」
アルミン「仲間味方同胞そして戦友さ!!」
25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:15:57 ID:uQl.FsqM
イアン「アッカーマン」
ミカサ「!」
イアン「お前もイェーガーを守る精鋭班に入れ。お前の腕が必要だ」
ミカサ「」パァァ
アルミン「自分も精鋭班に入ります!」
イアン「お前の腕は必要ではない」
アルミン「ええぇそんなの分かりませんよ!」
イアン「これはお前のためでもある。今はそれぞれができることをやるんだ。行くぞ」
エレン「じゃあなアルミン。死ぬなよ」
ミカサ「エレンと一緒。るんるん」
アルミン「おとり部隊。それじゃ巨人を駆逐できないじゃないか!」
アルミン「ピクシス司令!」
ピクシス「だーめじゃ」
アルミン「もうー!」
26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:16:48 ID:uQl.FsqM
――
ウジャウジャ ワラワラ
七三「いいかぁ! 町の隅に誘導するだけでいい!」
七三「無駄な戦闘は避けろぉ!」
モブ「壁にぶらさがってるだけでいいなんて楽チンチン」
モブ「もう巨人と戦うだなんてこりゴリゴリ」
アルミン「ううー……こんなに巨人共が集まってる」
アルミン「もうすぐそこで手を伸ばしているのに」
アルミン「こんなセミみたいに壁にへばりつくことしかできないだなんて!」
アルミン「おとり役じゃなかったら今ごろ……ん、待てよ?」
アルミン「おとりって、要は敵を陽動すればいいわけだから」
アルミン「あの巨人たち、別に倒してしまっても構わないんだろう!?」
アルミン「」パシューン
モブ「はん?」
27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:17:47 ID:uQl.FsqM
プシュウウウウウー
アルミン「うおおおおっ!!」
モブ「うわあぁぁ大変だ! 一人壁から転落したぞ!!」
モブ「た、助けに行くか!?」
モブ「だ、だめだ、ありゃもう無理だ!」
モブ「うわああオレもう上がる、上がる! アンカー切れるの怖い!」
七三「落ち着け! 落ち着くのだ! 冷静に立体機動を制御しろ!」
七三「くっ……落ちたのはあの訳ワカランレルトか……残念だがもう……」
七三「……んん?」
ザンッ ザンッ ザザンッ ザンボッ トッ
アルミン「うおおああおおああああああぁぁっ!」パシューン パシューン
七三「なななんと……あのメチャクチャな中で、神がかった掻い潜りを繰り返している!」
七三「そして……次々に巨人を仕留めている! ものすごいペースだ!!」
28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:18:23 ID:uQl.FsqM
ズシーン……
ズズ…… ズシーン……
ズシーン
ブスブスブス…
アルミン「半分は片付いたな!」
アルミン「むっ」カチッ カチッ
アルミン「替え刃が無くなったか! ガスもふかし過ぎてるな!」
アルミン「一時帰投だ!!」 パシューン
モブ「う、うわっ、帰ってきた!」
アルミン「刃を下さい! あとガス!!」
七三「ひいー用意してやれ」
モブ「ど、どうぞ!」
アルミン「うん!」 カチカチ ガチンッ カランカラン スチャッ
アルミン「いってきます!!」 パシューン
モブ「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」
29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:20:23 ID:uQl.FsqM
アルミン「――よし! これで」
アルミン「壁際の巨人は全滅だッッ!」 バスッ
ズズズズ…
ズシーン
モブ「あ、あいつまじで全部倒しやがった。一人で何十体片付けたんだ」
モブ「おれら補給やっただけ」
七三「し、信じられん。司令が一目置くわけだ……」
アルミン「まだだ! まだこんなんじゃトロスト区奪還とは言えない!」
七三「!?」
アルミン「市中にも巨人が残っているはず!」
アルミン「そいつらも片付けよう!」 パシューン
アルミン(エレンもミカサも頑張ってる! 僕だって負けないぞ!!)パシューン
七三「ま、待てっ! 勝手にどこへ――くっ、何というスピード」
モブ「あのー、もう大砲いらなくなったんで配置戻しておきますね……」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:21:02 ID:uQl.FsqM
――
巨人「」ズシーン
巨人「」ズシーン
無精ヒゲ「待て……」
無精ヒゲ「まだだ……」
無精ヒゲ「もう少し……」
巨人「」ズシーン
無精ヒゲ「離だt」
アルミン「イェエエエガァーー!!」 ヒュンヒュン
スパーン!!
巨人「」ズーン…
無精ヒゲ「なっ……一撃!」
アルミン「大丈夫ですか!? ってあっ、お前はさっきの逃亡未遂反逆者!」
無精ヒゲ「お、お前はさっきのキチガイ暴走小僧!」
31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:23:39 ID:uQl.FsqM
サシャ「アルミン、無事でしたか!」
ダズ「い、いまお前がこの巨人を倒したのか……?」
アルミン「詳しい話はあとだ! とにかくここは僕に任せてくれ!」
無精ヒゲ「任せるってお前はどうするんだ?」
アルミン「トロスト区を巣くう巨人を殲滅する!」
ダズ「そ、そんなの無茶だ!」
無精ヒゲ「んなことは穴を塞いでからでも遅くはないだろう!?」
サシャ「そ、そうです、先にエレンを信じましょう!」
アルミン「そうだ! エレンだった! すっかり忘れていた!」
アルミン「あれから時間が経ってる! エレンは何をしているんだ!」
アルミン「みんな、ここは任せたよ!!」パシューン
ダズ「な、なんなんだよ一体……」
無精ヒゲ「と、とにかく俺達は、ここいらの巨人を引きつけて……ハッ! 全滅してる!?」
ブスブスブス……
サシャ「これを全部……アルミンがやったってことですか……」
32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:24:15 ID:uQl.FsqM
――
アルミン「」 バシューン パシューン
ピクシス「巨人が出現して以来、人類が巨人に勝ったことは一度もない」
ピクシス「巨人が進んだ分だけ、人類は後退を繰り返し、領土を奪われ続けてきた!」
アルミン「くっ」 パシューン クルクルクル パシューン
ピクシス「しかし! この作戦が成功したとき」
ピクシス「人類は初めて、巨人から領土を奪い返すことに成功する!」
アルミン「んぅっ」 スタッ タタタタタ パシューン ギュウウーン
ピクシス「その時が、人類が初めて、巨人に勝利する瞬間であろう!」
ピクシス「それは、これまで人類が奪われてきたものに比べれば」
アルミン「ぇんっ」 パシュパシューン ガガガガガガガ ギュウウーン
ピクシス「例えようもなく、小さなものかもしれん」
ピクシス「しかし、その一歩は、我々人類にとっての、大きな進撃となる!」
アルミン「うおおおおぉぉぉっ!!」 ビヨーン
ピカーッ
33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:24:45 ID:uQl.FsqM
――
ミカサ(人間の比率で考えれば、あの岩を持ち上げられるとは思えないけど)
ミカサ(きっとエレンには、私たちを導く強い力がある)
ミカサ「……」
ミカサ「?」
巨人「」フシュウウウ…
ミカサ(……エレン?)
ミカサ「!!」
ドゴオオオオオッ!!
アルミン「間一髪だったね、ミカサ!」スタッ
ミカサ「アルミン!?」
34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:25:21 ID:uQl.FsqM
ミカサ「アルミン、エレンが!」
アルミン「大丈夫! 僕が何とかする!」
アルミン「ここは僕が何とかするから、ミカサは早くエレンを!」
ミカサ「えっ? だからエレンが――!」
アルミン「とうっ!」パシューン
巨人「グルルル……」
アルミン「よう……」
スタッ
アルミン「3時間ぶりだな……!」
35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:25:53 ID:uQl.FsqM
巨人とアルミンの死闘は 日没まで続いた
両者一歩も譲らぬ漢の戦いが そこにはあった
荒ぶる魂の削り合い 高雅な意地の張り合い
力と技のせめぎあい いずれの傷でか分からぬ血飛沫
門から入ってくる巨人たち 頑張るイアン
さあ戦えアルミン その双肩に人類の未来を負いながら
我らの勝利は そこにある
さあ飛べアルミン 今こそその魂を焼き付けろ!
戦えアルミン 勝てアルミン勝て!!
終わり
36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 06:55:54 ID:VWxT3eUA
駆逐系アルミン
もうワケワカランレルトww
39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 08:15:45 ID:lodkUECY
相変わらずの強さだ…
乙ー
エレン「――やります。穴を塞げるかどうかは分かりません。でも、やります!」
ピクシス「よう言ったの。お主は男じゃ」
アルミン「さすがはエレン! それでこそ僕の親友エレン!」
ピクシス「参謀を呼ぼう。作戦を立てようぞ」
エレン「でも……いくらなんでも皮算用ですらない思い付きなのに、いきなり実用するなんて……」
アルミン「僕もそう思ったけど、その判断を訝っても意味がないよ!」
アルミン「ピクシス司令は、今の僕たちに見えないものを見ようとしているんだよ!」
ミカサ「見えないもの?」
アルミン「そう、見えないものだよ! それに、多分作戦を実行する以前に、根本的な問題がある!」
アルミン「司令は、その現状を正しく認識しているんだ!」
エレン「つまり……?」
アルミン「敵は、巨人だけじゃないんだ! それが見えないものの正体! そうに決まっているんだ!」
エレン「えっ、つまりどういうことなの……」
ピクシス「時は一刻を争う」
ピクシス「活躍してもらうぞ。若き兵士達よ」
2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:54:27 ID:W/vVVIz6
モブ「トロスト区奪還作戦だと?」
モブ「嘘だろ、扉に空いた穴を塞ぐ技術なんかないのに……」
モブ「上はナニ考えてんだ。トロスト区に入ったって無駄死にだろ」
モブ「穴を塞げない以上、ウォール・ローゼの扉を死守するしかないってのに」
モブ「ちっくしょう、そんなに手柄が欲しいのかよ!」
アルミン「むっ、よくもあんな無責任なことを!」
エレン「え、何? 下の方から?」
ミカサ「全然聞こえない」
アルミン「このままじゃ秩序が乱れる!」
アルミン「ちょっと様子見てくる!」 パシューン
エレン「おいちょっとアルミン! あぁ、司令が後ろ向いてる隙に……」
ミカサ「大丈夫。アルミンには正解を導く力がある」
エレン「そうだけど、なんか最近のアルミンは危なっかしいんだよな」
ミカサ「大丈夫。それでも何とかなってる。大丈夫。多分」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:55:38 ID:W/vVVIz6
ダズ「また……あの地獄に……いやだ! 死にたくねええっ!」
ダズ「家族に会わせてくれええっ!!」
マルコ「おいダズ、声が大きいぞっ」
アルミン「聞こえたぞダズ!!」 パシューン
マルコ「アルミン!?」
アルミン「ダズ、君は任務を放棄する気なのか!?」
ダズ「ああそうだよ、この無意味な集団自殺には、何の価値も成果もないんだ!」
アルミン「バカ野郎ーッ!」 パーンッ
ダズ「痛!」
アルミン「ダズは人類を……規律を何だと思っている!」
アルミン「あの人には、この場で君に死刑を下す権限があるんだぞ!」
七三「えっ?」
ダズ「い、いいですよ、その方が巨人に喰い殺されるより100倍マシです!」
アルミン「何だとォ? こうなったら力づくでも分からせる! 勝負だダズ!!」
マルコ「よせ、ダズ! アルミンも! ちょやめ、アルミン、アルミンやめろ!」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:57:02 ID:W/vVVIz6
マルコ&ダズ「」K.O.
アルミン「よし! 次はどこだっ!?」
モブ子A「……ねえ、こっちにも反逆者出ないかな」
モブ子B「あたしだって、死に方ぐらい選びたい」
無精ヒゲ「おいお前ら!」
モブ子B「ひっ、今のは冗談で……」
無精ヒゲ「やれ」
モブ子B「えっ」
無精ヒゲ「派手にやれ! できるだけ大勢で!」
無精ヒゲ「我ら駐屯兵団の中にも、不満を持った者は多い。騒ぎに便乗して、ここを去る!」
アルミン「ここを去って、どこに行くというんです!!」
無精ヒゲ「な、何だお前は! 娘に会いに行くんだよ!」
アルミン「ダメだ! それなら僕と勝負だ! 逃げ道は全部僕が塞いでみせる!」
無精ヒゲ「てめえ上層部の差し金か? この野郎上等だ!!」
七三「やめんかー!!」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:58:01 ID:W/vVVIz6
ハンネス「……ん?」
ハンネス「! エレン」
ハンネス「無事だったか……ん?」
エレン「」スッ スッ
ハンネス「『任務に集中しろ』だと」
ハンネス「あいつめ、上官に向かってなんて態度だ」
ハンネス「あの調子じゃ、ミカサもアルミンも無事だろうな」
ハンネス「しかし、なぜエレンが司令の横に……」
アルミン「」パシューン スタッ
ハンネス「! アルミン。やっぱり無事だったか」
ハンネス「……ん?」
アルミン「」シーッ シュッ シュッ ヒュンッ シュバッ シュババッ
ハンネス「『黙っててくれ』だと。持ち場を離れてたわけか」
ハンネス「しかしなぜアルミンまで司令の後ろに……?」
ピクシス「」キュッ カポッ
ピクシス「ぐびっ……ぷあぁ」
ピクシス「お主もやるか」
エレン「! 頂戴しますっ」
エレン「ぐびっ……ん!?」
エレン「」 プシュウウ
アルミン「自分も頂いてよろしいでしょうか?」
アルミン「ぐびっ……ん!?」
アルミン「なんだこれッ!? ンマイなあぁぁぁぁ」ブッチュウンン
ピクシス「お主、酒の味が分かるのか? 気に入った!」
アルミン「ンマイなああぁぁぁ」グビグビ
ピクシス「ほっほ。いい飲みっぷりじゃて」
エレン「お、おいアルミン。その辺でやめとけって」
アルミン「大丈夫だよエレン、人類はもはや勝ったも同然! あー進撃進撃!!」
エレン「アルコール回ってんじゃねーか!」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 05:59:59 ID:W/vVVIz6
ダズ「う……うう……ここは……」
マルコ「確かアルミンにKOされて……」
無精ヒゲ「ううぅ……」
七三「はっ」
ピクシス「おっほん」
ピクシス「「ちゅーもーーーーーーーく!!」」
ピクシス「「これより、トロスト区奪還作戦について、説明する!」」
ピクシス「この作戦の成功目標は、破壊された扉の穴を塞ぐことである」
マルコ「えぇ?」
マルコ「塞ぐって……いったいどうやって……」
ピクシス「「穴を塞ぐ手段じゃが……まず、彼らから紹介しよう!」」
ピクシス「「訓練兵所属、エレン・イェーガーとアルミン・アルレルトじゃ!」」
エレン&アルミン「」敬礼ドンッ
コニー「エ、エレン!? とアルミン!?」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:01:02 ID:W/vVVIz6
ピクシス「イェーガー訓練兵は、我々が極秘に研究してきた、巨人化生態実験の成功者である!」
ピクシス「彼は、巨人の身体を生成し、意のままに操ることが可能である!」
ピクシス「巨人と化した彼は、前門付近にある例の大岩を持ち上げ、」
ピクシス「破壊された扉まで運び、穴を塞ぐ!」
ピクシス「諸君らの任務は、彼が岩を運ぶまでの間、彼を他の巨人から守ることである!」
コニー「……ん!?」
コニー「な、なあ、いま司令がなんでアルミンを紹介したのか分かんなかったが」
コニー「それは俺がバカだからじゃねえよな?」
そばかす「ちょっと黙っていてくれ、バカ」
コニー「なあ、俺がバカだからじゃねえよな、クリスタ?」
クリスタ「……バカ」
そばかす「かああいいいよおおおおぉぉ天使っ。さすが天使っ。あたしの天使っ」ハグハグ
クリスタ「ヤメテー」
コニー「もう俺には何がバカなのかアルミンが何なのかわけわかめ」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:01:46 ID:W/vVVIz6
グスタフ「巨人と戦う必要がない?」
アルミン「すみません! がしかし! 一介の訓練兵が口を挟ませていただきます!」
グスタフ「か、構わん、話を続けたまえ」
アルミン「はい! 巨人は通常、より多数の人間に反応して迫ってくるので」
アルミン「それを利用して、大勢でおびき寄せて壁際に集めることができれば――」
アルミン「大砲を使って、駆逐できます!!」
グスタフ「うーん誰でも考えつく作戦だが分かった。そこを踏まえて練り直そう」
アルミン「ただこの作戦は、エレンが確実に岩を運んで、穴を塞ぐことが前提です」
アルミン「ですがエレンを信じてください! 僕が保証します!」
グスタフ「……しかしその根幹の部分が不確かなまま」
グスタフ「大勢を死地に向かわせることに、何も感じないわけではないが……」
グスタフ「ピクシス司令の考えも、理解できる」
アンカ「ええ、一つは時間の問題ね。今現在も、巨人が町に入り続けてる」
アルミン「くっ……それなら急がないと! 急ぎましょう!」
アンカ「落ち着きなさい。あとあなたちょっと酒臭い」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:02:23 ID:W/vVVIz6
アンカ「……町に巨人が充満するほど、奪還作戦の成功率は絶望的になるわ」
グスタフ「それに加えて、ウォール・ローゼが突破される確率も高くなっていくな」
アンカ「それともう一つ」
アンカ「人が恐怖を原動力にして進むには、限界があるわ」
七三「あの、巨大な岩を持ち上げる?」
七三「そんなことが……人類はついに、巨人を支配したのか?」
ダズ「嘘だあぁ!」ヌッ
ダズ「そんな訳の分からない理由で命を預けてたまるか!」
ダズ「俺たちを何だと思ってるんだ」
ダズ「俺たちは、使い捨ての刃じゃないぞおぉー!」
アルミン「くそーアイツまだあんなことを」
アンカ「えっ?」
アルミン「ちょっと行ってきます!!」 パシューン
11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:04:56 ID:W/vVVIz6
モブ「人間兵器だとよ」
モブ「まやかしに決まってんだろ」
モブ「バカにしやがって!」
無精ヒゲ「今日ここで死ねってよ。俺は下りるぞ!」
モブ子s「「……うんっ」」
モブ「俺もだ!」
モブ「俺も下りるぞ!」
モブ「俺もだ!」
「わいも!」「おいどんも!」「わっちも!」「やきいも!」
ダズ「人類最後の時を、家族と過ごします!!」
イアン「まずいなこれは」
リコ「ああ。このままじゃ、秩序がなくなる」
アルミン「覚悟はいいのか! 安寧の家畜ども!!」シャキーン
イアン「!?」
12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:08:37 ID:W/vVVIz6
ダズ「ま、また下りて来たのか!?」
七三「あ、あいつさっきの、なぜか司令に紹介されていた……」
無精ヒゲ「くっ、やっぱりお偉方の犬かよ!」
アルミン「みんな聞くんだ!」
アルミン「確かに、一度巨人の恐怖に屈した者は、二度と巨人に立ち向かえないかもしれない!」
アルミン「でも、その恐ろしさを自分の親や兄弟――愛する人にも味あわせていいのか!?」
無精ヒゲ「……それだけはダメだ」ピタッ
アルミン「だったら! いちかばちか、トロスト区に群がる巨人たちをやるしかないだろ!?」
アルミン「やらなければ、希望は失われる! それでもいいのか!?」
無精ヒゲ「……それだけはダメだ。娘は私の――」バッ
無精ヒゲ「最後の希望なのだから」
アルミン「分かってくれたんだね!」
ピクシス「「ワシが命ずる!」」
ピクシス「「今この場から去る者の罪を、免除する!」」
アルミン「う!?」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:09:57 ID:W/vVVIz6
ピクシス「「一度巨人の恐怖に屈した者は、二度と巨人に立ち向かえん!」」
ピクシス「「巨人の恐ろしさを知った者は、ここから去るがいい」」
ピクシス「「そして、その巨人の恐ろしさを、自分の親や兄弟――」」
ピクシス「「愛する者に味あわせたい者も、ここから去るがいい!」」
ダズ「ああ……うん……」
モブ「それさっき似たようなの聞いた……」
無精ヒゲ「うむ……」
マルコ「アルミンのせいで微妙な空気に!」
ピクシス「四年前の話をしよう。ウォール・マリア奪還作戦の話じゃ――」
アルミン「話が長くなりそうだな……これは長話になる!」
アルミン「エレンの元へ戻ろう!!」パシューン
マルコ(さっきから何がしたいんだアルミンは……)
14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:11:39 ID:W/vVVIz6
マルコ「と、とにかくみんな落ち着こう」
マルコ「別に僕達が死ぬと決まったわけじゃないさ」
マルコ「きっと安全なおとり作戦か何か立てて、犠牲は出ないように配慮して――」
ピクシス「どうかここで! ここで死んでくれ!!」
ダズ「うわあああああーっ」
マルコ「ご、ごめん! 今のは司令の話を遮った僕が悪かった!」
ダズ「こここ、こんなところで死んでたまるかー!!」ダバダバ
マルコ「落ち着けダズー!」ダバダバダバ
エレン(あの巨人の力で、岩を持ち上げられるかどうかは分からない)
エレン(でも、俺の役割は理解している)
エレン(偽物かもしれないけど、それでも、成功させなければならない)
エレン(俺は、ならなきゃいけないんだ。みんなの、希望に!)
アルミン(↑って顔だ、さすがエレン! 僕も全力で支援するぞ!!)
15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 06:12:16 ID:W/vVVIz6
うー眠いー続きは明日ー(^q^)
20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 12:09:04 ID:p0klvv0U
アホミンの補給所奪還とか書いた人かな このシリーズすき
21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 13:51:03 ID:MZyz2ULc
暴走しとるな~www
22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/22(土) 21:54:03 ID:V0ZGqwNY
またお前か!
支援しよう!
24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:14:48 ID:uQl.FsqM
アルミン「エレン、すまない」
アルミン「結局、エレンにすべての責任を負わせることになってしまった!」
エレン「お前絶対すまないとか思ってない」
アルミン「でも僕は、僕には正解を導く力があるっていったエレンの言葉を信じるよ!」
エレン「今のアルミンは導くっていうか目茶苦茶やってこじ開けるというか」
ミカサ「エレン、やはり私も」
エレン「ついてくるなんて言うなよ」
ミカサ「えっ」
エレン「お前はおとり部隊に配属されたんだろ」
ミカサ「でも、エレンを一人にはできない。一人になったらまた――」
エレン「いい加減にしろ!」スカッ
エレン「俺はお前の弟でも子供でもねえ! そう言ったはずだ!」
ミカサ「じゃあ……何?」
エレン「そ、それは」
アルミン「仲間味方同胞そして戦友さ!!」
25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:15:57 ID:uQl.FsqM
イアン「アッカーマン」
ミカサ「!」
イアン「お前もイェーガーを守る精鋭班に入れ。お前の腕が必要だ」
ミカサ「」パァァ
アルミン「自分も精鋭班に入ります!」
イアン「お前の腕は必要ではない」
アルミン「ええぇそんなの分かりませんよ!」
イアン「これはお前のためでもある。今はそれぞれができることをやるんだ。行くぞ」
エレン「じゃあなアルミン。死ぬなよ」
ミカサ「エレンと一緒。るんるん」
アルミン「おとり部隊。それじゃ巨人を駆逐できないじゃないか!」
アルミン「ピクシス司令!」
ピクシス「だーめじゃ」
アルミン「もうー!」
――
ウジャウジャ ワラワラ
七三「いいかぁ! 町の隅に誘導するだけでいい!」
七三「無駄な戦闘は避けろぉ!」
モブ「壁にぶらさがってるだけでいいなんて楽チンチン」
モブ「もう巨人と戦うだなんてこりゴリゴリ」
アルミン「ううー……こんなに巨人共が集まってる」
アルミン「もうすぐそこで手を伸ばしているのに」
アルミン「こんなセミみたいに壁にへばりつくことしかできないだなんて!」
アルミン「おとり役じゃなかったら今ごろ……ん、待てよ?」
アルミン「おとりって、要は敵を陽動すればいいわけだから」
アルミン「あの巨人たち、別に倒してしまっても構わないんだろう!?」
アルミン「」パシューン
モブ「はん?」
27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:17:47 ID:uQl.FsqM
プシュウウウウウー
アルミン「うおおおおっ!!」
モブ「うわあぁぁ大変だ! 一人壁から転落したぞ!!」
モブ「た、助けに行くか!?」
モブ「だ、だめだ、ありゃもう無理だ!」
モブ「うわああオレもう上がる、上がる! アンカー切れるの怖い!」
七三「落ち着け! 落ち着くのだ! 冷静に立体機動を制御しろ!」
七三「くっ……落ちたのはあの訳ワカランレルトか……残念だがもう……」
七三「……んん?」
ザンッ ザンッ ザザンッ ザンボッ トッ
アルミン「うおおああおおああああああぁぁっ!」パシューン パシューン
七三「なななんと……あのメチャクチャな中で、神がかった掻い潜りを繰り返している!」
七三「そして……次々に巨人を仕留めている! ものすごいペースだ!!」
28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:18:23 ID:uQl.FsqM
ズシーン……
ズズ…… ズシーン……
ズシーン
ブスブスブス…
アルミン「半分は片付いたな!」
アルミン「むっ」カチッ カチッ
アルミン「替え刃が無くなったか! ガスもふかし過ぎてるな!」
アルミン「一時帰投だ!!」 パシューン
モブ「う、うわっ、帰ってきた!」
アルミン「刃を下さい! あとガス!!」
七三「ひいー用意してやれ」
モブ「ど、どうぞ!」
アルミン「うん!」 カチカチ ガチンッ カランカラン スチャッ
アルミン「いってきます!!」 パシューン
モブ「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」
29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:20:23 ID:uQl.FsqM
アルミン「――よし! これで」
アルミン「壁際の巨人は全滅だッッ!」 バスッ
ズズズズ…
ズシーン
モブ「あ、あいつまじで全部倒しやがった。一人で何十体片付けたんだ」
モブ「おれら補給やっただけ」
七三「し、信じられん。司令が一目置くわけだ……」
アルミン「まだだ! まだこんなんじゃトロスト区奪還とは言えない!」
七三「!?」
アルミン「市中にも巨人が残っているはず!」
アルミン「そいつらも片付けよう!」 パシューン
アルミン(エレンもミカサも頑張ってる! 僕だって負けないぞ!!)パシューン
七三「ま、待てっ! 勝手にどこへ――くっ、何というスピード」
モブ「あのー、もう大砲いらなくなったんで配置戻しておきますね……」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:21:02 ID:uQl.FsqM
――
巨人「」ズシーン
巨人「」ズシーン
無精ヒゲ「待て……」
無精ヒゲ「まだだ……」
無精ヒゲ「もう少し……」
巨人「」ズシーン
無精ヒゲ「離だt」
アルミン「イェエエエガァーー!!」 ヒュンヒュン
スパーン!!
巨人「」ズーン…
無精ヒゲ「なっ……一撃!」
アルミン「大丈夫ですか!? ってあっ、お前はさっきの逃亡未遂反逆者!」
無精ヒゲ「お、お前はさっきのキチガイ暴走小僧!」
31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:23:39 ID:uQl.FsqM
サシャ「アルミン、無事でしたか!」
ダズ「い、いまお前がこの巨人を倒したのか……?」
アルミン「詳しい話はあとだ! とにかくここは僕に任せてくれ!」
無精ヒゲ「任せるってお前はどうするんだ?」
アルミン「トロスト区を巣くう巨人を殲滅する!」
ダズ「そ、そんなの無茶だ!」
無精ヒゲ「んなことは穴を塞いでからでも遅くはないだろう!?」
サシャ「そ、そうです、先にエレンを信じましょう!」
アルミン「そうだ! エレンだった! すっかり忘れていた!」
アルミン「あれから時間が経ってる! エレンは何をしているんだ!」
アルミン「みんな、ここは任せたよ!!」パシューン
ダズ「な、なんなんだよ一体……」
無精ヒゲ「と、とにかく俺達は、ここいらの巨人を引きつけて……ハッ! 全滅してる!?」
ブスブスブス……
サシャ「これを全部……アルミンがやったってことですか……」
32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:24:15 ID:uQl.FsqM
――
アルミン「」 バシューン パシューン
ピクシス「巨人が出現して以来、人類が巨人に勝ったことは一度もない」
ピクシス「巨人が進んだ分だけ、人類は後退を繰り返し、領土を奪われ続けてきた!」
アルミン「くっ」 パシューン クルクルクル パシューン
ピクシス「しかし! この作戦が成功したとき」
ピクシス「人類は初めて、巨人から領土を奪い返すことに成功する!」
アルミン「んぅっ」 スタッ タタタタタ パシューン ギュウウーン
ピクシス「その時が、人類が初めて、巨人に勝利する瞬間であろう!」
ピクシス「それは、これまで人類が奪われてきたものに比べれば」
アルミン「ぇんっ」 パシュパシューン ガガガガガガガ ギュウウーン
ピクシス「例えようもなく、小さなものかもしれん」
ピクシス「しかし、その一歩は、我々人類にとっての、大きな進撃となる!」
アルミン「うおおおおぉぉぉっ!!」 ビヨーン
ピカーッ
33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:24:45 ID:uQl.FsqM
――
ミカサ(人間の比率で考えれば、あの岩を持ち上げられるとは思えないけど)
ミカサ(きっとエレンには、私たちを導く強い力がある)
ミカサ「……」
ミカサ「?」
巨人「」フシュウウウ…
ミカサ(……エレン?)
ミカサ「!!」
ドゴオオオオオッ!!
アルミン「間一髪だったね、ミカサ!」スタッ
ミカサ「アルミン!?」
34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:25:21 ID:uQl.FsqM
ミカサ「アルミン、エレンが!」
アルミン「大丈夫! 僕が何とかする!」
アルミン「ここは僕が何とかするから、ミカサは早くエレンを!」
ミカサ「えっ? だからエレンが――!」
アルミン「とうっ!」パシューン
巨人「グルルル……」
アルミン「よう……」
スタッ
アルミン「3時間ぶりだな……!」
35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 05:25:53 ID:uQl.FsqM
巨人とアルミンの死闘は 日没まで続いた
両者一歩も譲らぬ漢の戦いが そこにはあった
荒ぶる魂の削り合い 高雅な意地の張り合い
力と技のせめぎあい いずれの傷でか分からぬ血飛沫
門から入ってくる巨人たち 頑張るイアン
さあ戦えアルミン その双肩に人類の未来を負いながら
我らの勝利は そこにある
さあ飛べアルミン 今こそその魂を焼き付けろ!
戦えアルミン 勝てアルミン勝て!!
終わり
36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 06:55:54 ID:VWxT3eUA
駆逐系アルミン
もうワケワカランレルトww
39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 08:15:45 ID:lodkUECY
相変わらずの強さだ…
乙ー
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