サシャ「味を占めちゃいましたかね?」
Part3
46 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:22:21 ID:D6Fg1C/A
サシャ「それじゃあ、ふかし芋のお礼に私がお母さんを探してきてあげますよ!」エッヘン
???「おねえちゃん、探せるの?」
サシャ「はい、大丈夫ですよ! 私に任せてください! ーーその前に、あなたのお名前教えてもらえますか?」
???「さしゃ!」ハイッ
サシャ「……すみません、もう一度お願いします」
???「だから『さしゃ』だよー」
サシャ「…………サシャちゃん?」
???「そう」コクコク
サシャ「……なるほど」
サシャ(よりにもよって同じ名前ですか……ややこしいですね)
47 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:23:00 ID:D6Fg1C/A
サシャ「ええっと、名字はわかりますか?」
???「みょうじって何? おかあさんはわたしのことさしゃって呼ぶよ?」
サシャ「あちゃー……そうですか……」
サシャ(名字がわからないのは困りましたね……なんとかなるんでしょうか?)
???「ねえ、おねえちゃんのお名前は? なんていうの?」
サシャ「私ですか? 私はーー」
サシャ(このまま名乗ったら混乱しますよね……ええっと)
サシャ「ーーミカサです。ミカサ・アッカーマン」
サシャ(すみませんミカサ、今だけ名前借りさせてもらいます……)
???「みかさか?」キョトン
サシャ「ミカサですよ、ミカサ」
???「みさかー」
サシャ「……行きましょっか」
48 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:23:37 ID:D6Fg1C/A
???「……さむい」プルッ
サシャ「ああ、薄着ですもんね……えっと、じゃあ私の上着とマフラー貸してあげますよ」ヌギヌギ
???「おねえちゃんのマフラーながいねー」ビローン
サシャ「大事なお友だちからもらったんですよ。……これでよしっと」クルクル
???「おともだちからもらったの? これ、わたしが巻いてもいいの?」
サシャ「子どもはそんなこと気にしなくていいんですよ! ……でもちゃんと後で返してくださいね?」
???「うん、わかったー」
サシャ「それじゃあ、はぐれないように手を繋いでいきましょうねー」ギュッ
???「……その耳もつけたい」ユビサシ
サシャ「はいはい、どうぞどうぞ」スッ
49 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:24:22 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・西班 待機場所
サシャ「ただいま戻りました!」バッ
モブ駐屯兵「はい、ご苦労様。……ん? その子はあなたの妹? なんだかそっくりだけど」
サシャ「いえ、迷子です。中央の広場の近くで保護しまして……」
モブ駐屯兵「じゃあ、記録するから少し待って」
サシャ(記録……そっか、他の班に知らせないとダメなんですよね)
モブ駐屯兵「それで(この子の)名前は?」
サシャ「あ、はい。(私の名前は)サシャ・ブラウスです」
モブ駐屯兵「(迷子の子の名前は)サシャちゃんね。ーー合ってるかな?」
サシャ(小)「あってるー!」
モブ駐屯兵「特徴はっと……」カキカキ...
モブ駐屯兵(ポニーテイル、黄色のマフラー……っと)
モブ駐屯兵「この耳と上着はあなたの?」
サシャ「はい、そうです」
モブ駐屯兵「そう。他の人に見つかったら怒られるかもしれないから気をつけてね」
50 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:25:03 ID:D6Fg1C/A
モブ駐屯兵「それじゃ、他の誘導係に迷子の情報回しておくから。今は仕事もないし、奥で待機してていいよ」
サシャ「いえ、できればこのまま休まないで、この子のお母さんを探しに行こうと思ってるんですけど……」
モブ駐屯兵「そう? じゃあこの子の世話は奥にいる他の訓練兵に頼むからいいや。行ってらっしゃい」
サシャ「はい、それではよろしくお願いします」ペコッ
サシャ(小)「……? おねえちゃん、どこか行くの?」
サシャ「はい。私があなたのお母さんを必ず連れてきてあげますから、ここで待っててくださいね? いいですか、動いちゃダメですよ?」
サシャ(小)「うん。わかったー」コクコク
サシャ「それでは行って参ります!」バッ
サシャ(小)「……?」バッ
サシャ「ああっ、敬礼はしなくていですよ」アセアセ
サシャ(小)「そうなの?」キョトン
51 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:25:51 ID:D6Fg1C/A
モブ駐屯兵(さてと、それじゃあ誰か手が空いてる子はーーうん、彼女たちでいいかな)キョロキョロ
モブ駐屯兵「そこの訓練兵、手は空いてる?」
クリスタ「はい、空いてます」バッ
ミーナ「仕事ですか?」バッ
モブ駐屯兵「ちょっとこの子を見ててもらえるかな。私は他の班まで出かけてくるから」
サシャ(小)「……」ヒョコッ
ミーナ(あれ? この子、なんかどこかで見たことあるような……?)
モブ駐屯兵「じゃあ、このお姉さんたちと一緒にいてね」タッタッタッ
サシャ(小)「はーい」モグモグ
ミーナ(あのマフラーと耳って、サシャが着けてたものだよね? 上着は誰のものなんだろう……ふかし芋をずっと食べてるのも気になるし……)ウーン...
クリスタ「こんにちは! あなたのお名前言えるかな?」
サシャ(小)「さしゃ!」ハイッ
52 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:26:59 ID:D6Fg1C/A
クリスタ「……サシャ?」キョトン
ミーナ「やっぱり……!」
クリスタ「やっぱり? 何がやっぱりなの? ミーナ」
ミーナ「クリスタ、落ち着いて聞いてね。ーーこの子はサシャが小さくなった姿なんだよ」
クリスタ「…………へっ?」
ミーナ「だから、この子はサシャが小さくなった姿なの! わかる!?」
クリスタ「全然わかんない」ブンブン
ミーナ「だって見てよ、このマフラーと犬耳ってサシャが着けてたものでしょう? 上着もほらっ!」ペラッ
サシャ(小)「きゃーえっちー!」ジタバタジタバタ
クリスタ「あっ……! サシャ・ブラウスって書いてある! ーーということは、本当にサシャなの……!?」
サシャ(小)「さしゃだよ?」モグモグ
クリスタ「本当だ……! えっ、こういう時ってどうしたらいいの? 救護室? 技巧室? 実験室?」オロオロ
ミーナ「私たちだけで考えても埒があかないよ! 取り敢えず、同じ班のエレンとコニーに伝えに行こう!」ダッ
53 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:27:48 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・西班 待機場所・奥
エレン「ーーだからさ、この前からライナーのこと真っ直ぐに見られなくてよ……妙に気恥ずかしいって言うか……」モジモジ
コニー「あー……なるほどな。そりゃ恋だな」キリッ
エレン「んなわけねえだろ何言ってんだ。……くそっ、考えたら頭痛くなってきた」ウーン...
コニー「悩みすぎるとハゲんぞー、エレン」
エレン「……お揃いかぁ」ジーッ...
コニー「いや俺は坊主だぞ? ハゲてねえよ?」
エレン「大体、コニーはなんであいつらと普通に話してんだよ? 罪悪感半端ねえとかこの前色々言ってただろ?」
コニー「だって俺、よくよく考えたら何度かあいつらのそういう場面見てるしな」
エレン「は? ……はぁっ!?」
コニー「そういやジャンから聞いたこともあるな。あの時はなんだったっけかなぁ……」ウーン...
エレン「……」ゴクッ
54 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:28:47 ID:D6Fg1C/A
コニー「確かありゃ春のことだったーー」
ミーナ「コニー! エレン! 大変大変!」タタタッ
コニー「おーう今行くー」スクッ
エレン「待てよ続きは!?」
コニー「忘れた」キッパリ
エレン「変なところで切るなよ余計に気になるだろ!!」
コニー「おいミーナ、何が大変だってー?」スタスタ...
エレン「……ん? クリスタも一緒か。その子どもは誰だ? 迷子か?」
クリスタ「違うの! サシャが小さくなっちゃったの!」
コニー「……」
エレン「……は?」
55 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:29:44 ID:D6Fg1C/A
コニー「お、おう…………おう?」
エレン「二人とも大丈夫か? 休憩取るか? あっちに日の当たらない木陰があったぞ?」
クリスタ「違うよ! ほら見てよ、どう見てもサシャでしょ!?」グイッ
コニー「んん……? 確かに、パッと見は似てるような気がするけどよ」ジーッ...
ミーナ「似てるも何も同じじゃない! この何も考えてなさそうな目とか! 半開きの口とか!」
エレン「ひでえ言い様だな」
クリスタ「このマフラーは私がサシャにあげたものだし、羽織ってる上着はサシャの名前が書いてるし、耳だってさっきまでサシャが着けてたものだし!」
ミーナ「そして何よりこの子は食い意地が張ってるの!! さっきからふかし芋全然離そうとしないんだから!!」
コニー「ああ、そりゃサシャだな。間違いねえ」キリッ
エレン「食い意地が張った子どもくらいその辺にいくらでもいるだろ。ただのそっくりさんじゃねえのか?」
コニー「サシャの奴、変なもん色々食いたがるからな。多少体に異常が出てもおかしくねえだろ」
エレン「多少……?」ウーン...
56 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:30:35 ID:D6Fg1C/A
クリスタ「……コニー、アルミンを呼んできて」
エレン「アルミン? あいつ北班だろ? 呼んできてどうするんだ?」
クリスタ「アルミンならきっとサシャをなんとかしてくれるって私信じてる!」グッ
エレン「おいおい、ちょっと待てって。この子どもがサシャなのは確定なのか?」
ミーナ「確定!」
エレン「根拠は?」
ミーナ「目の前にあるからそれで充分!」
エレン「お前らちょっと落ち着けよ、もう少し話を聞いてからでもーー」
コニー「よっしゃ、よくわかんねえけど俺アルミンのところ行ってくるわ」ダッ
ミーナ「じゃあ私はマルコを呼んでくる!」ダッ
クリスタ「私はライナーに声かけてくる! エレンはサシャのこと見ててね!」ダッ
57 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:31:22 ID:D6Fg1C/A
エレン「あっ……! おい、三人も一気に抜けてどうすんだよ! それにマルコは班長だし捕まらないんじゃーー」
エレン「……ダメだ、行っちまった」
エレン「……」チラッ
サシャ(小)「……」モグモグ
エレン(どう見てもそっくりさんにしか見えねえんだけどなぁ……)ウーン...
エレン「お前、本当にサシャなのか?」
サシャ(小)「うん」モグモグ
エレン「……マジ?」
サシャ(小)「ほんとう」モグモグ
エレン「…………」
58 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:32:08 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・南班 待機場所・奥
ユミル「暇だなー」ブーラブーラ
ジャン「ウォール・ローゼの門がある北に比べたら、こっち側は大分楽だよな。出店も人通りも多くねえし」
ユミル「へえ、そうなのか。ライナー、お前頑張ったなー。素晴らしいよ」パチパチ
ライナー「そりゃどうも。お前に褒められるとは、会議で粘った甲斐があったってもんだ」
ジャン「……? おいライナー、座らないのか? ずっと立ってたら疲れるだろ?」
ライナー「ケツが痛くて座れないんだ。気にしないでくれ」チラッ
アニ「……」プイッ
ユミル「素晴らしいって言えば、ベルトルさんの犬耳チョイスは素晴らしかったなー、アニ」
アニ「……どうも」
ジャン「結局ベルトルトの奴は耳どうしたんだ? 着けてったのか?」
ユミル「そうみたいだな。尻尾ぶんぶん振りながら喜んでたぞベルトルさん」
ジャン「あいつ尻尾生えてねえよ」
59 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:33:14 ID:D6Fg1C/A
ユミル「ところでさぁ、なんでベルトルさんにあんな格好させたんだ? お前らそんなに仲良かったのか?」
ライナー「……」ピクッ
ライナー(ユミルの奴、まさか俺たちの関係に気づいたわけじゃないだろうな……俺が話を逸らしたほうがいいのか?)
ジャン(普通に考えりゃ山岳訓練の時の仕返しか何かだろうなー。ーーにしても、今まで引きずってたのかよベルトルトの奴。積極性がないにも程があるだろ)
アニ「……あんたに言う必要ないでしょ」
ユミル「まあ、なんでさせたのかはミーナ辺りに聞きゃすぐわかるからな。今は追及しねえよ。他のことは聞かせてもらうけどな」
アニ「他のこと?」
ユミル「さっきのベルトルさんかわいかったよな?」
アニ「まあ…………………………………………………………………………ちょっとは」
ユミル「だろぉー?」ニヤニヤ
アニ「……」ゲシッ
ユミル「あだぁっ!?」ドサッ
ジャン「おい今一瞬ユミルの体浮いたぞ!?」
ライナー「今回はユミルが悪いな」
ユミル「くそ、最悪だ、ゴリラとお揃いになるなんて……今日椅子に座れねえかも……」ジンジン
60 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:34:04 ID:D6Fg1C/A
モブ駐屯兵(南)「訓練兵、仕事だ」パサッ
ジャン「はい! ーーおい、迷子一覧が回ってきたぞ」パラパラ
ユミル「うわっ、枚数多いなー……まさか暇そうだから親探してこいって命令か?」
アニ「……面倒臭そう」
ライナー「そう言うな。……親がいないと心細いだろう」
アニ「……それもそうだね、ごめん」
ジャン「やっぱり出入りが激しい北で迷子になる奴が一番多いみてえだなー。……ん?」ピタッ
ライナー「どうした? 知り合いでもいたか?」
61 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:34:52 ID:D6Fg1C/A
ジャン「知り合いっつーか……サシャがいるんだが。迷子一覧に」
ライナー「……なんだって?」ピクッ
アニ「同姓同名の別人じゃないの?」
ジャン「いや、特徴もまんまみてえだが……まあ、文字情報だけじゃなんとも言えねえな」
ユミル「もしくはただの誤報だろ? 紙切れと口頭伝達で回してるんだから、そういうこともあるんじゃねえの?」
ジャン「預かり場所は……西か。しっかし、名前と特徴が同じ迷子だなんて、珍しいこともあるもんだなー」パラパラ...
ライナー「……」ソワソワ
ユミル「あと十分で私ら休憩だろ。我慢しろよ」
62 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:35:45 ID:D6Fg1C/A
クリスタ「あっ、ライナー! みんな! 大変大変!」バタバタ
ユミル「おおっ! なんだぁクリスタ、私に会いに来てくれたのかー?」ダキッ
クリスタ「違うよ、それどころじゃないの! ーーあのね、サシャが小さくなっちゃったの!」
ライナー「……は?」
ジャン「クリスタ、お前……なんか悪いもんでも食ったのか?」
アニ「救護室行く?」
ユミル「眠れないなら私が横で子守歌歌ってやるよクリスタ」ポンポン
クリスタ「もうっ、本当なんだってば!」
63 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:36:45 ID:D6Fg1C/A
ユミル「あのなぁクリスタ。私はアホの子はかわいいとは思うがな、おとぎ話と現実の区別がつかない痛々しい子はどうかと思うぞ?」ナデナデ
クリスタ「真面目に聞いてよ! 冗談言ってるんじゃないんだってば!」
ジャン「んなこと言われたってよ……服じゃあるまいし、そんな簡単に人が伸び縮みしてたまるかよ。だったら人間だって巨人になれちまうだろ?」
ライナー「……」
アニ「……」
ユミル「……」
クリスタ「うっ……そう言われてみれば、そうかもしれないね……」
ジャン「だろ? 大方寝不足でおかしな妄想でも暴走させたんじゃねえか? やっぱり少し休んでいけよ、クリスタ」
クリスタ「うん、そうだね。少し休んでいこうかな。ごめんねみんな、一人で騒いじゃってーー」
アニ「……ちょっと待ってよ。その小さくなったサシャとやらを一目見てから判断しても遅くないんじゃない?」
ライナー「そうだな。服だって伸び縮みするんだから人だって伸び縮みしてもおかしくないだろう」
ユミル「第一天使が嘘を吐くわけないしな」
ジャン「なんで三人揃って手のひら返してんだよ」
64 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:37:42 ID:D6Fg1C/A
ジャン「なあ、落ち着いてよく考えてみろよ。第一こうして呼びに来られたってな、俺たちが行ったところで何もできねえだろ?」
クリスタ「それは、そうなんだけど……」
ジャン「そもそも、俺らはまだここ抜けられねえしーー」
ライナー「休憩時間を前倒ししてついでに延長してもらえるよう交渉してきたぞ」
ジャン「仕事早ぇな!?」
ユミル「でかしたライナー」
アニ「よし、早く行くよ」ダッ
ジャン「……おいおい」
クリスタ「……行っちゃったね、三人とも」
ジャン「なんであいつら急にやる気になったんだ?」
クリスタ「さあ?」
ジャン「……やっぱり休んでくか? クリスタ」
クリスタ「ううん、いいや」
65 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:38:33 ID:D6Fg1C/A
ーー 同刻 誘導・北班 待機場所
アルミン「そんなまさかぁ」アハハ
コニー「本当だって!」
ミカサ「信じがたい」
ベルトルト「うん……人が小さくなるなんて、ありえないと思うな」
アルミン「ベルトルトの言う通りだよ。そんなことが可能なら、人間は巨人にだってなれちゃうって」アハハ
ベルトルト「……」ダラダラダラダラ
ミカサ「ベルトルト、どうしたの? すごい汗」
ベルトルト「あ、いや……ほら、最近暑くなってきたからさ」
ミカサ「そんなわけない。そろそろ冬。……私は寒い」プルッ
66 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:39:27 ID:D6Fg1C/A
コニー「なあアルミン、一緒にサシャが元に戻る方法を考えてくれよ!」
アルミン「うーん……引っ張って伸ばすとか?」
コニー「おおっ! なるほどな、流石はアルミン」
ミカサ「アルミン、人は引っ張っても伸びない。ほら見て、ベルトルトを引っ張っても伸びないでしょ?」グイッ
ベルトルト「いたいいたいいたいミカサいたい」ジタバタジタバタ
ミカサ「それとももしや……ベルトルトは引っ張られて大きくなったの?」ハッ
ベルトルト「違うよ? 人は引っ張っても大きくならないからね?」
アルミン「じゃあ水に浸けたらふやけて大きくなるんじゃない?」
コニー「乾物じゃねえんだぞ」
ミカサ「いえ、アルミンには正解を導く力がある。ちょっと今不安になったけれどたぶん正しい。……ので」チャプッ
ベルトルト「ミカサ。その桶に入った水を僕にかけても大きくならないよ? ならないからね? ならないから早く桶を置いて早く」ササッ
アルミン「とにかく、行って見てみないことにはなんとも言えないね。そろそろ休憩時間だし……コニー、案内してくれる?」
67 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:40:32 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・西班 待機場所・奥
サシャ(小)「ほんとうにできるの?」
エレン「こんなの簡単だって。ほら、親指と中指と小指の部分を折りこんで……これで顔ができただろ?」ゴソゴソ
サシャ(小)「……かお」ジーッ
エレン「そんで、これを人差し指と中指と薬指に差し込むっと……よっしゃできた、うさぎの三兄弟だ!」ジャーン!!
サシャ(小)「えー……女の子がいい」
エレン「んじゃ姉妹だな……俺も耳着けてっと……」モゾモゾ
エレン・右手「うさみだよー」(裏声)
エレン・左手「うさこだよー」(低音)
サシャ(小)「わぁっ……かわいい!」
エレン「俺は何にするかなー……うさぎうさぎ……ぴょん、ぴょん吉……面倒くせえな、エレぴょんでいいか」
サシャ「それじゃあ、ふかし芋のお礼に私がお母さんを探してきてあげますよ!」エッヘン
???「おねえちゃん、探せるの?」
サシャ「はい、大丈夫ですよ! 私に任せてください! ーーその前に、あなたのお名前教えてもらえますか?」
???「さしゃ!」ハイッ
サシャ「……すみません、もう一度お願いします」
???「だから『さしゃ』だよー」
サシャ「…………サシャちゃん?」
???「そう」コクコク
サシャ「……なるほど」
サシャ(よりにもよって同じ名前ですか……ややこしいですね)
47 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:23:00 ID:D6Fg1C/A
サシャ「ええっと、名字はわかりますか?」
???「みょうじって何? おかあさんはわたしのことさしゃって呼ぶよ?」
サシャ「あちゃー……そうですか……」
サシャ(名字がわからないのは困りましたね……なんとかなるんでしょうか?)
???「ねえ、おねえちゃんのお名前は? なんていうの?」
サシャ「私ですか? 私はーー」
サシャ(このまま名乗ったら混乱しますよね……ええっと)
サシャ「ーーミカサです。ミカサ・アッカーマン」
サシャ(すみませんミカサ、今だけ名前借りさせてもらいます……)
???「みかさか?」キョトン
サシャ「ミカサですよ、ミカサ」
???「みさかー」
サシャ「……行きましょっか」
48 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:23:37 ID:D6Fg1C/A
???「……さむい」プルッ
サシャ「ああ、薄着ですもんね……えっと、じゃあ私の上着とマフラー貸してあげますよ」ヌギヌギ
???「おねえちゃんのマフラーながいねー」ビローン
サシャ「大事なお友だちからもらったんですよ。……これでよしっと」クルクル
???「おともだちからもらったの? これ、わたしが巻いてもいいの?」
サシャ「子どもはそんなこと気にしなくていいんですよ! ……でもちゃんと後で返してくださいね?」
???「うん、わかったー」
サシャ「それじゃあ、はぐれないように手を繋いでいきましょうねー」ギュッ
???「……その耳もつけたい」ユビサシ
サシャ「はいはい、どうぞどうぞ」スッ
49 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:24:22 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・西班 待機場所
サシャ「ただいま戻りました!」バッ
モブ駐屯兵「はい、ご苦労様。……ん? その子はあなたの妹? なんだかそっくりだけど」
サシャ「いえ、迷子です。中央の広場の近くで保護しまして……」
モブ駐屯兵「じゃあ、記録するから少し待って」
サシャ(記録……そっか、他の班に知らせないとダメなんですよね)
モブ駐屯兵「それで(この子の)名前は?」
サシャ「あ、はい。(私の名前は)サシャ・ブラウスです」
モブ駐屯兵「(迷子の子の名前は)サシャちゃんね。ーー合ってるかな?」
サシャ(小)「あってるー!」
モブ駐屯兵「特徴はっと……」カキカキ...
モブ駐屯兵(ポニーテイル、黄色のマフラー……っと)
モブ駐屯兵「この耳と上着はあなたの?」
サシャ「はい、そうです」
モブ駐屯兵「そう。他の人に見つかったら怒られるかもしれないから気をつけてね」
50 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:25:03 ID:D6Fg1C/A
モブ駐屯兵「それじゃ、他の誘導係に迷子の情報回しておくから。今は仕事もないし、奥で待機してていいよ」
サシャ「いえ、できればこのまま休まないで、この子のお母さんを探しに行こうと思ってるんですけど……」
モブ駐屯兵「そう? じゃあこの子の世話は奥にいる他の訓練兵に頼むからいいや。行ってらっしゃい」
サシャ「はい、それではよろしくお願いします」ペコッ
サシャ(小)「……? おねえちゃん、どこか行くの?」
サシャ「はい。私があなたのお母さんを必ず連れてきてあげますから、ここで待っててくださいね? いいですか、動いちゃダメですよ?」
サシャ(小)「うん。わかったー」コクコク
サシャ「それでは行って参ります!」バッ
サシャ(小)「……?」バッ
サシャ「ああっ、敬礼はしなくていですよ」アセアセ
サシャ(小)「そうなの?」キョトン
モブ駐屯兵(さてと、それじゃあ誰か手が空いてる子はーーうん、彼女たちでいいかな)キョロキョロ
モブ駐屯兵「そこの訓練兵、手は空いてる?」
クリスタ「はい、空いてます」バッ
ミーナ「仕事ですか?」バッ
モブ駐屯兵「ちょっとこの子を見ててもらえるかな。私は他の班まで出かけてくるから」
サシャ(小)「……」ヒョコッ
ミーナ(あれ? この子、なんかどこかで見たことあるような……?)
モブ駐屯兵「じゃあ、このお姉さんたちと一緒にいてね」タッタッタッ
サシャ(小)「はーい」モグモグ
ミーナ(あのマフラーと耳って、サシャが着けてたものだよね? 上着は誰のものなんだろう……ふかし芋をずっと食べてるのも気になるし……)ウーン...
クリスタ「こんにちは! あなたのお名前言えるかな?」
サシャ(小)「さしゃ!」ハイッ
52 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:26:59 ID:D6Fg1C/A
クリスタ「……サシャ?」キョトン
ミーナ「やっぱり……!」
クリスタ「やっぱり? 何がやっぱりなの? ミーナ」
ミーナ「クリスタ、落ち着いて聞いてね。ーーこの子はサシャが小さくなった姿なんだよ」
クリスタ「…………へっ?」
ミーナ「だから、この子はサシャが小さくなった姿なの! わかる!?」
クリスタ「全然わかんない」ブンブン
ミーナ「だって見てよ、このマフラーと犬耳ってサシャが着けてたものでしょう? 上着もほらっ!」ペラッ
サシャ(小)「きゃーえっちー!」ジタバタジタバタ
クリスタ「あっ……! サシャ・ブラウスって書いてある! ーーということは、本当にサシャなの……!?」
サシャ(小)「さしゃだよ?」モグモグ
クリスタ「本当だ……! えっ、こういう時ってどうしたらいいの? 救護室? 技巧室? 実験室?」オロオロ
ミーナ「私たちだけで考えても埒があかないよ! 取り敢えず、同じ班のエレンとコニーに伝えに行こう!」ダッ
53 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:27:48 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・西班 待機場所・奥
エレン「ーーだからさ、この前からライナーのこと真っ直ぐに見られなくてよ……妙に気恥ずかしいって言うか……」モジモジ
コニー「あー……なるほどな。そりゃ恋だな」キリッ
エレン「んなわけねえだろ何言ってんだ。……くそっ、考えたら頭痛くなってきた」ウーン...
コニー「悩みすぎるとハゲんぞー、エレン」
エレン「……お揃いかぁ」ジーッ...
コニー「いや俺は坊主だぞ? ハゲてねえよ?」
エレン「大体、コニーはなんであいつらと普通に話してんだよ? 罪悪感半端ねえとかこの前色々言ってただろ?」
コニー「だって俺、よくよく考えたら何度かあいつらのそういう場面見てるしな」
エレン「は? ……はぁっ!?」
コニー「そういやジャンから聞いたこともあるな。あの時はなんだったっけかなぁ……」ウーン...
エレン「……」ゴクッ
54 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:28:47 ID:D6Fg1C/A
コニー「確かありゃ春のことだったーー」
ミーナ「コニー! エレン! 大変大変!」タタタッ
コニー「おーう今行くー」スクッ
エレン「待てよ続きは!?」
コニー「忘れた」キッパリ
エレン「変なところで切るなよ余計に気になるだろ!!」
コニー「おいミーナ、何が大変だってー?」スタスタ...
エレン「……ん? クリスタも一緒か。その子どもは誰だ? 迷子か?」
クリスタ「違うの! サシャが小さくなっちゃったの!」
コニー「……」
エレン「……は?」
55 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:29:44 ID:D6Fg1C/A
コニー「お、おう…………おう?」
エレン「二人とも大丈夫か? 休憩取るか? あっちに日の当たらない木陰があったぞ?」
クリスタ「違うよ! ほら見てよ、どう見てもサシャでしょ!?」グイッ
コニー「んん……? 確かに、パッと見は似てるような気がするけどよ」ジーッ...
ミーナ「似てるも何も同じじゃない! この何も考えてなさそうな目とか! 半開きの口とか!」
エレン「ひでえ言い様だな」
クリスタ「このマフラーは私がサシャにあげたものだし、羽織ってる上着はサシャの名前が書いてるし、耳だってさっきまでサシャが着けてたものだし!」
ミーナ「そして何よりこの子は食い意地が張ってるの!! さっきからふかし芋全然離そうとしないんだから!!」
コニー「ああ、そりゃサシャだな。間違いねえ」キリッ
エレン「食い意地が張った子どもくらいその辺にいくらでもいるだろ。ただのそっくりさんじゃねえのか?」
コニー「サシャの奴、変なもん色々食いたがるからな。多少体に異常が出てもおかしくねえだろ」
エレン「多少……?」ウーン...
56 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:30:35 ID:D6Fg1C/A
クリスタ「……コニー、アルミンを呼んできて」
エレン「アルミン? あいつ北班だろ? 呼んできてどうするんだ?」
クリスタ「アルミンならきっとサシャをなんとかしてくれるって私信じてる!」グッ
エレン「おいおい、ちょっと待てって。この子どもがサシャなのは確定なのか?」
ミーナ「確定!」
エレン「根拠は?」
ミーナ「目の前にあるからそれで充分!」
エレン「お前らちょっと落ち着けよ、もう少し話を聞いてからでもーー」
コニー「よっしゃ、よくわかんねえけど俺アルミンのところ行ってくるわ」ダッ
ミーナ「じゃあ私はマルコを呼んでくる!」ダッ
クリスタ「私はライナーに声かけてくる! エレンはサシャのこと見ててね!」ダッ
57 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:31:22 ID:D6Fg1C/A
エレン「あっ……! おい、三人も一気に抜けてどうすんだよ! それにマルコは班長だし捕まらないんじゃーー」
エレン「……ダメだ、行っちまった」
エレン「……」チラッ
サシャ(小)「……」モグモグ
エレン(どう見てもそっくりさんにしか見えねえんだけどなぁ……)ウーン...
エレン「お前、本当にサシャなのか?」
サシャ(小)「うん」モグモグ
エレン「……マジ?」
サシャ(小)「ほんとう」モグモグ
エレン「…………」
58 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:32:08 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・南班 待機場所・奥
ユミル「暇だなー」ブーラブーラ
ジャン「ウォール・ローゼの門がある北に比べたら、こっち側は大分楽だよな。出店も人通りも多くねえし」
ユミル「へえ、そうなのか。ライナー、お前頑張ったなー。素晴らしいよ」パチパチ
ライナー「そりゃどうも。お前に褒められるとは、会議で粘った甲斐があったってもんだ」
ジャン「……? おいライナー、座らないのか? ずっと立ってたら疲れるだろ?」
ライナー「ケツが痛くて座れないんだ。気にしないでくれ」チラッ
アニ「……」プイッ
ユミル「素晴らしいって言えば、ベルトルさんの犬耳チョイスは素晴らしかったなー、アニ」
アニ「……どうも」
ジャン「結局ベルトルトの奴は耳どうしたんだ? 着けてったのか?」
ユミル「そうみたいだな。尻尾ぶんぶん振りながら喜んでたぞベルトルさん」
ジャン「あいつ尻尾生えてねえよ」
59 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:33:14 ID:D6Fg1C/A
ユミル「ところでさぁ、なんでベルトルさんにあんな格好させたんだ? お前らそんなに仲良かったのか?」
ライナー「……」ピクッ
ライナー(ユミルの奴、まさか俺たちの関係に気づいたわけじゃないだろうな……俺が話を逸らしたほうがいいのか?)
ジャン(普通に考えりゃ山岳訓練の時の仕返しか何かだろうなー。ーーにしても、今まで引きずってたのかよベルトルトの奴。積極性がないにも程があるだろ)
アニ「……あんたに言う必要ないでしょ」
ユミル「まあ、なんでさせたのかはミーナ辺りに聞きゃすぐわかるからな。今は追及しねえよ。他のことは聞かせてもらうけどな」
アニ「他のこと?」
ユミル「さっきのベルトルさんかわいかったよな?」
アニ「まあ…………………………………………………………………………ちょっとは」
ユミル「だろぉー?」ニヤニヤ
アニ「……」ゲシッ
ユミル「あだぁっ!?」ドサッ
ジャン「おい今一瞬ユミルの体浮いたぞ!?」
ライナー「今回はユミルが悪いな」
ユミル「くそ、最悪だ、ゴリラとお揃いになるなんて……今日椅子に座れねえかも……」ジンジン
60 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:34:04 ID:D6Fg1C/A
モブ駐屯兵(南)「訓練兵、仕事だ」パサッ
ジャン「はい! ーーおい、迷子一覧が回ってきたぞ」パラパラ
ユミル「うわっ、枚数多いなー……まさか暇そうだから親探してこいって命令か?」
アニ「……面倒臭そう」
ライナー「そう言うな。……親がいないと心細いだろう」
アニ「……それもそうだね、ごめん」
ジャン「やっぱり出入りが激しい北で迷子になる奴が一番多いみてえだなー。……ん?」ピタッ
ライナー「どうした? 知り合いでもいたか?」
61 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:34:52 ID:D6Fg1C/A
ジャン「知り合いっつーか……サシャがいるんだが。迷子一覧に」
ライナー「……なんだって?」ピクッ
アニ「同姓同名の別人じゃないの?」
ジャン「いや、特徴もまんまみてえだが……まあ、文字情報だけじゃなんとも言えねえな」
ユミル「もしくはただの誤報だろ? 紙切れと口頭伝達で回してるんだから、そういうこともあるんじゃねえの?」
ジャン「預かり場所は……西か。しっかし、名前と特徴が同じ迷子だなんて、珍しいこともあるもんだなー」パラパラ...
ライナー「……」ソワソワ
ユミル「あと十分で私ら休憩だろ。我慢しろよ」
62 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:35:45 ID:D6Fg1C/A
クリスタ「あっ、ライナー! みんな! 大変大変!」バタバタ
ユミル「おおっ! なんだぁクリスタ、私に会いに来てくれたのかー?」ダキッ
クリスタ「違うよ、それどころじゃないの! ーーあのね、サシャが小さくなっちゃったの!」
ライナー「……は?」
ジャン「クリスタ、お前……なんか悪いもんでも食ったのか?」
アニ「救護室行く?」
ユミル「眠れないなら私が横で子守歌歌ってやるよクリスタ」ポンポン
クリスタ「もうっ、本当なんだってば!」
63 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:36:45 ID:D6Fg1C/A
ユミル「あのなぁクリスタ。私はアホの子はかわいいとは思うがな、おとぎ話と現実の区別がつかない痛々しい子はどうかと思うぞ?」ナデナデ
クリスタ「真面目に聞いてよ! 冗談言ってるんじゃないんだってば!」
ジャン「んなこと言われたってよ……服じゃあるまいし、そんな簡単に人が伸び縮みしてたまるかよ。だったら人間だって巨人になれちまうだろ?」
ライナー「……」
アニ「……」
ユミル「……」
クリスタ「うっ……そう言われてみれば、そうかもしれないね……」
ジャン「だろ? 大方寝不足でおかしな妄想でも暴走させたんじゃねえか? やっぱり少し休んでいけよ、クリスタ」
クリスタ「うん、そうだね。少し休んでいこうかな。ごめんねみんな、一人で騒いじゃってーー」
アニ「……ちょっと待ってよ。その小さくなったサシャとやらを一目見てから判断しても遅くないんじゃない?」
ライナー「そうだな。服だって伸び縮みするんだから人だって伸び縮みしてもおかしくないだろう」
ユミル「第一天使が嘘を吐くわけないしな」
ジャン「なんで三人揃って手のひら返してんだよ」
64 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:37:42 ID:D6Fg1C/A
ジャン「なあ、落ち着いてよく考えてみろよ。第一こうして呼びに来られたってな、俺たちが行ったところで何もできねえだろ?」
クリスタ「それは、そうなんだけど……」
ジャン「そもそも、俺らはまだここ抜けられねえしーー」
ライナー「休憩時間を前倒ししてついでに延長してもらえるよう交渉してきたぞ」
ジャン「仕事早ぇな!?」
ユミル「でかしたライナー」
アニ「よし、早く行くよ」ダッ
ジャン「……おいおい」
クリスタ「……行っちゃったね、三人とも」
ジャン「なんであいつら急にやる気になったんだ?」
クリスタ「さあ?」
ジャン「……やっぱり休んでくか? クリスタ」
クリスタ「ううん、いいや」
65 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:38:33 ID:D6Fg1C/A
ーー 同刻 誘導・北班 待機場所
アルミン「そんなまさかぁ」アハハ
コニー「本当だって!」
ミカサ「信じがたい」
ベルトルト「うん……人が小さくなるなんて、ありえないと思うな」
アルミン「ベルトルトの言う通りだよ。そんなことが可能なら、人間は巨人にだってなれちゃうって」アハハ
ベルトルト「……」ダラダラダラダラ
ミカサ「ベルトルト、どうしたの? すごい汗」
ベルトルト「あ、いや……ほら、最近暑くなってきたからさ」
ミカサ「そんなわけない。そろそろ冬。……私は寒い」プルッ
コニー「なあアルミン、一緒にサシャが元に戻る方法を考えてくれよ!」
アルミン「うーん……引っ張って伸ばすとか?」
コニー「おおっ! なるほどな、流石はアルミン」
ミカサ「アルミン、人は引っ張っても伸びない。ほら見て、ベルトルトを引っ張っても伸びないでしょ?」グイッ
ベルトルト「いたいいたいいたいミカサいたい」ジタバタジタバタ
ミカサ「それとももしや……ベルトルトは引っ張られて大きくなったの?」ハッ
ベルトルト「違うよ? 人は引っ張っても大きくならないからね?」
アルミン「じゃあ水に浸けたらふやけて大きくなるんじゃない?」
コニー「乾物じゃねえんだぞ」
ミカサ「いえ、アルミンには正解を導く力がある。ちょっと今不安になったけれどたぶん正しい。……ので」チャプッ
ベルトルト「ミカサ。その桶に入った水を僕にかけても大きくならないよ? ならないからね? ならないから早く桶を置いて早く」ササッ
アルミン「とにかく、行って見てみないことにはなんとも言えないね。そろそろ休憩時間だし……コニー、案内してくれる?」
67 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/15(火) 18:40:32 ID:D6Fg1C/A
ーー 誘導・西班 待機場所・奥
サシャ(小)「ほんとうにできるの?」
エレン「こんなの簡単だって。ほら、親指と中指と小指の部分を折りこんで……これで顔ができただろ?」ゴソゴソ
サシャ(小)「……かお」ジーッ
エレン「そんで、これを人差し指と中指と薬指に差し込むっと……よっしゃできた、うさぎの三兄弟だ!」ジャーン!!
サシャ(小)「えー……女の子がいい」
エレン「んじゃ姉妹だな……俺も耳着けてっと……」モゾモゾ
エレン・右手「うさみだよー」(裏声)
エレン・左手「うさこだよー」(低音)
サシャ(小)「わぁっ……かわいい!」
エレン「俺は何にするかなー……うさぎうさぎ……ぴょん、ぴょん吉……面倒くせえな、エレぴょんでいいか」
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