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サシャ「落ち着く味だといいですね」

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Part2
25 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:33:58 ID:wxlWBLdw
ーー 深夜 男子寮 エレンたちの部屋
ライナー「……」
ライナー(寝られん……)ギンギンギンギン
ライナー(ベルトルトと話す予定が、すっかりタイミング見失ったな……あの騒ぎでも起きないなんてな)ゴロン
ライナー(明日でかけるのは、コニーとエレンとアルミン……まあ、色気も何もない奴らだし、気にしなくても……いや違うぞ。あの三人にサシャの面倒が見れるかどうかが心配なだけだ。変な意味はない)ゴロゴロ
ライナー(そうだ、誘われなかった俺には関係ない。んなことより、次の班会議までにいろいろまとめておかないと……)ゴロゴロゴロゴロゴロ
ライナー(……俺に黙って、他の男子と遊びに行く気だったんだよな。サシャの奴)
ライナー「……」
ライナー(ダメだ、考えがまとまらん……便所にでも行ってくるか)ムクリ スタスタ...
ライナー「……」ガチャッ
ミカサ「」ビクッ

26 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:35:44 ID:wxlWBLdw
ライナー「……」
ミカサ「……お、おはよう」ギクシャク
ライナー「今は夜だ」
ミカサ「……どうしてまだ起きているの?」
ライナー「寝られなくてな。お前は何の用だ?」
ミカサ「寝顔ウォッチング in 男子寮。なので、そこを通してほしい」ニンニン
ライナー「……五分だけな。後は知らん」
ミカサ「協力に深く感謝する」スタスタ...

27 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:36:56 ID:wxlWBLdw
ライナー「お前、毎回律儀に扉から入ってきてたのか」
ミカサ「人様のおうちを訪問する時は扉から入る。これは世界の常識」
ライナー「非常識な奴に言われても説得力ないな」
ミカサ「何かを変えることができるのは何かを捨てることができる者」キリッ
ライナー「……もういいからさっさと済ませろ」
ミカサ「わかった。それでは失礼する」ゴソゴソ
ライナー「……」
ミカサ「……」ゴソゴソ
ライナー(便所……に行く前に色々引っ込んじまったな。やっぱりベッドに戻るか)
ミカサ「ライナー」
ライナー「なんだ。何かおかしいところでもあったのか?」
ミカサ「あった。ーーいつもならば今日は『明日は休みだ! わーい』という寝顔であるべきなのに、今回は『明日はお出かけ! わーい』という表情をしている。これはどういうこと? エレンは誰かとでかけるの?」

28 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:37:49 ID:wxlWBLdw
ライナー「ああ、それか。明日……じゃなくて今日だな。釣りに行くって言ってたぞ。サシャとコニーとアルミンの四人で」
ミカサ「……私に黙って?」
ライナー「ああ。俺に黙ってな」
ミカサ「そう。そうなの…………なるほど………………へえ………………………………」
ライナー「……」
ミカサ「貴重な情報をありがとう、ライナー。ちなみに昨日のサシャのパンツの色は白と青のストライプ。参考にしておいて」
ライナー「何の参考にすりゃいいのかわからんが有益な情報ではあるな。ありがたくメモっておこう」カキカキ
ミカサ「ギブアンドテイクッ!」パンッ!!
ライナー「……夜更かしするなよ、ミカサ」
ミカサ「お互い様。それでは、私は明日に備えてもう帰る。あなたも早く寝たほうがいい」
ライナー「そうしたいのは山々だが、どうも寝られないんだよなぁ……」ウーン...
ミカサ「なるほど……では、筋トレでもするといい。私はエレンのことを考えながらしているといつの間にか寝ている。考え事するには筋トレは便利」
ライナー「……そうだな、やるか」

29 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:38:52 ID:wxlWBLdw
ーー 翌日朝 食堂
ベルトルト「え……じゃあライナー、一晩中筋トレしてたの……?」
ライナー「気がついたら朝だったんだよ……体もだりぃし、何より眠い……」ウツラウツラ
ベルトルト「君と同じ筋肉族のミカサの意見なんか聞いたらそうなるでしょ。……あれ? ちょっと待って、昨日のいつミカサに会ったの?」
ライナー「……眠れなくて、夜中に外を散歩してた時だな。偶然会った」
ベルトルト「ふぅん……まあいいけど、今日は休みだし寮で寝てたら?」
ライナー「……けどなぁ」
ベルトルト「今度は何の心配事だよ」
クリスタ「おはよう、ベルトルト! ライナー!」
サシャ「ご一緒してもいいですか? 今日はユミルがいないので、二人だけだと寂しくて」
ベルトルト「……」チラッ
ライナー「……」ソワソワ
ベルトルト「いいよ。一緒に食べようか」


30 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:39:49 ID:wxlWBLdw
クリスタ「ありがとう、じゃあ座るね! ……あれ? ライナー、なんだか目が虚ろだね」
サシャ「言われてみればそうですね。寝不足なんですか?」
ベルトルト「昨日の晩に筋トレしすぎちゃったんだって。それでこの顔」
クリスタ「そうなんだ……体を鍛えるのもいいけど、休める時にちゃんと休まないとダメだよ? 体調管理も兵士の仕事のうちなんだからね?」
サシャ「クリスタの言う通りですよ。今日は一日寝てたらどうですか?」
ライナー「……今日、どこか行くんだろ」
サシャ「はい。コニーとエレンと、あとクリスタも一緒に。川釣りなんですけどーー」
ライナー「俺も行く」

31 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:40:48 ID:wxlWBLdw
ベルトルト「……」
クリスタ「……」
ベルトルト(……なるほどね。サシャと他の男子が一緒に出かけるのが嫌だってわけか。こっちはアニと気まずいってのに、お気楽だなぁ……)
クリスタ(ええっと、これは流石に止めたほうがいいよね……? ライナー、明らかに体調悪そうだもん)
サシャ「……ライナーも魚食べたいんですか?」
ライナー「! ……ああそうだ。食いたくてたまらん」
サシャ「わかりました。じゃあ一緒に行きましょうか」
クリスタ「……サシャ、いいの?」
ベルトルト「そうだよ、僕はついていけないよ? みんな小さいのに大丈夫? ライナーが倒れたら誰が担ぐの?」
サシャ「もし倒れたら私とエレンで連れて帰りますから大丈夫ですよ。ーーでも、本当に具合が悪そうに見えたらすぐ帰らせますからね? いいですか?」
ライナー「ああ、それでいい」

32 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:41:47 ID:wxlWBLdw
ベルトルト「……僕、もう行くね。ライナーはもう少しゆっくりしてから来なよ」ガタッ
ライナー「そうか? じゃあまた後でな、ベルトルト」
サシャ「また夜に会いましょうねー、ベルトルト」フリフリ
クリスタ「……」
ベルトルト「うん、じゃあね」スタスタ...
サシャ「ベルトルトって食べるの早かったんですねー。喫茶店でご一緒した時はそんな感じしませんでしたけど」
ライナー「あの時は色々味わってたんだろ。ここのメシは味わうって言うより詰め込むってほうが正しいからな。自然と食うのも早くなる」
クリスタ「……ごめん、二人とも。ちょっと私、用事を思い出したから行ってくるね。ここで待っててくれる?」ガタッ
サシャ「いいですよー。クリスタのご飯は帰ってくるまで私が死守します!」グッ
ライナー「任せとけ。サシャが食わないように見張っておく」
サシャ「たっ、食べませんよ! ……食べませんよ」
ライナー「二回言うところが怪しいよな」ニヤニヤ
サシャ「ううっ……」
クリスタ「大丈夫だよ、サシャはそんなことしないって私は信用してるから! ーーじゃあ行ってくるね!」テクテク...

33 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:42:41 ID:wxlWBLdw
ライナー「クリスタは……ベルトルトに用事か?」ヒソヒソ
サシャ「おおっ、よくわかりましたね。ーーベルトルトの元気がないので、できたら相談に乗ってあげたいって言ってました」ヒソヒソ
ライナー「元気がない、か……そんなにわかりやすかったか? あいつ」
サシャ「理由までお見通し、というわけにはいきませんが……ベルトルトは大きいですからね。いつもはそんなに目立ってませんけど、ちょっと変化があればわかりますよ」
ライナー「そうか? 俺が言うのもあれだが、影薄いだろ? ベルトルトの奴」
サシャ「私も、話してみる前は正直そういう印象でしたけど……いざ意識してみると結構存在感ありますよ。身長もありますしね。むしろ今まで気にならなかったのが不思議なくらいです。なんででしょうね?」
ライナー(……それは、そもそも影が薄くなるようにベルトルトが振る舞ってたからだな)
ライナー「さあな。俺にもわからん」

34 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:43:39 ID:wxlWBLdw
サシャ「親友のライナーにもわからないなら、私がわかるわけないですね……あっ、でもさっき、ベルトルトが私たちのこと気にかけてくれましたよね?」
ライナー「ああ、誰が俺を担いでくるのかって話か」
サシャ「本当はライナーのことを心配して言ったんでしょうけどね。そういうちょっとした気遣いが嬉しいですよね」
ライナー「……」
サシャ「それに最近、訓練で一緒の班になると少し雑談したりもするんですよ。今までは最低限のやりとりしかしてこなかったんですけどね。ベルトルトとも少し仲良くなれて、嬉しいです」
ライナー「……仲良くなれてよかったな」ムスッ
サシャ「はい。ーーライナーのおかげですよ」
ライナー「……冷めるぞ。スープ」
サシャ「もう冷めてますよ」

35 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:44:43 ID:wxlWBLdw
ーー 同刻 兵舎廊下
クリスタ(ベルトルトは……あっ、いた)
クリスタ「ベルトルト! 待って!」タッタッタッ...
ベルトルト(あーあ、ライナーに昨日のこと聞き忘れちゃったな……まあ、あの場じゃ話せないか)スタスタ...
クリスタ「もうっ、ベルトルト! 待ってってば!」ピョンピョン
ベルトルト(任務のことは忘れてないみたいだからいいけど、この調子じゃまた体調崩すんじゃないかな。だいたいーー)
クリスタ「ベールートールーーとぅっ!」ドンッ
ベルトルト「いたっ! ……え? 何? 誰??」サスサス
クリスタ「……」ヒリヒリ
ベルトルト「……クリスタ? 大丈夫? なんでしゃがみ込んで頭押さえてるの? 今何をしたの?」オロオロ

36 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:45:55 ID:wxlWBLdw
クリスタ「ベルトルト、足速い!」プンスカ
ベルトルト「え? ご、ごめん……」
ベルトルト(背中に頭突きされたのになんで怒られてるんだろ、僕……)
ベルトルト「それで、僕に何の用? クリスタ」
クリスタ「……元気注入?」
ベルトルト「僕に聞かれてもわからないよ……。それに、元気を分けるなら相手を間違ってない?」
クリスタ「間違ってないよ! 今日二人と一緒に食べようって思ったのは、ライナーよりもベルトルトのほうが気になったからだよ?」
ベルトルト「……僕のこと?」
クリスタ「この前の山岳訓練からずっと元気ないから気になってたの。ーーあっ、お節介だったらごめんね?」

37 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:47:06 ID:wxlWBLdw
ベルトルト「……だから、元気注入?」
クリスタ「うん。元気注入! ーーほら、男の子とか『気合いだー!』って言いながら背中叩き合ったりするでしょ? あれと同じ!」エッヘン
ベルトルト「ええっと………………どうも、ありがとう。気にかけてくれて」
クリスタ「こちらこそ。さっきのは、私たちのことを心配してくれたんだよね?」
ベルトルト「さっきの……? ああいや、僕はライナーのことを心配してーー」
クリスタ「ありがとうね、ベルトルト!」ニコッ
ベルトルト「……どういたしまして」
ベルトルト(……ユミルがもてはやす気持ちが、ちょっとわかったかも)

38 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:49:55 ID:wxlWBLdw
ーー 食後 兵舎から男子寮に移動中
ライナー(さてと、午前中のうちに少しでもやることやっておくか……ん?)
ユミル「……」ブチブチッ
ライナー(ユミルの奴、なんで雑草むしってるんだ? ……関わらないようにしよう)スタスタ...
ユミル「ライナー」
ライナー「」ビクッ
ユミル「お前、私を無視したろ。今」
ライナー「お、おおユミル。いたのかー。気づかなかったなー」ハッハッハ
ユミル「嘘が下手くそだな」
ライナー「……」イラッ

39 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:50:38 ID:wxlWBLdw
ライナー「……で、何の用だ? 俺も暇じゃないんだ。手短に頼む」
ユミル「私も忙しいからな、すぐ終わる。ーー今日はクリスタのことよろしく頼むな。どうせお前も行くんだろ」ブチブチッ
ライナー「よろしく頼むって……お前も来ればいいだろ?」
ユミル「それができないからここでこうしてるんだろうが……ちくしょうめ……」ブチブチブチブチ
ライナー「お、おい、あまり草をむしるなよ。ちょっと落ち着け。な?」
ユミル「ライナー……本当に頼むぞ? ほんっっっっっっっとに頼むぞ!?」ブチブチブチブチィッ!!
ライナー「わかった、わかったから! 顔怖いぞお前!!」

40 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:51:28 ID:wxlWBLdw
ユミル「……そろそろ時間だ。私は教官のところに行かなくちゃならない」ピタッ
ライナー「は? その草むしりが用事じゃなかったのか? どうすんだその草の山」
ユミル「片付けておいてくれ。じゃあな」スタスタ...
ライナー「片付けておけって……おい、ユミル!」
ライナー「……行っちまった」
ライナー(今のはなんだったんだ……? いや、それより……)チラッ
ライナー(やることが増えたな……仕方がない。ほうきで適当に掃いておくか)
ライナー(クリスタが来るなら、てっきりユミルも来ると思ったんだがな……今回は参加しないのか)
ライナー(ということは、面子は俺とエレンとコニーとアルミン、それにクリスタとサシャか……)
ライナー「……」
ライナー(不安だ……大丈夫か? この六人で)ズーン...

41 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/04(金) 23:52:28 ID:wxlWBLdw
ライナー(せめてもう一人、女子の側にしっかりした奴がいればいいんだがーー)
ミカサ「……」ドヤァ
ライナー「……」
ミカサ「ねえライナー。私ならあなたの悩みを解決できる。……違わない?」
ライナー「……はいはい、お前も行きたいんだな」
ミカサ「行きたい、という解釈は間違っている。ーーイェーガーあるところにアッカーマンあり。これは世界の常識」キリッ
ライナー「まあ、お前が他の奴らのストッパー役になってくれるなら、こちらとしても助かるんだが」
ミカサ「任せておいて。私は有能。とても有能」キリッ
ライナー「有能なのは知ってるんだけどなー、何故か知らんが不安が増したなー」

47 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:47:35 ID:zUVEe6QU
ーー 数時間後 女子寮 廊下
クリスタ「ねえ二人とも、川沿いが寒いのはわかるけど……マフラーにカーディガンって暑いんじゃない?」
ミカサ「うん、間違えた」モコモコ
サシャ「ですね」モコモコ
ミカサ「……でもお揃い」
サシャ「そうです! お揃いなんですよお揃い! このカーディガン、この前二人で街に出かけた時に揃えたんです!」エッヘン
クリスタ「お揃い……」ジッ...
ミカサ「……」ドヤァ
サシャ「……」フーッ
クリスタ「……私も着替えてくる!」ダッ
サシャ「はーい、待ってますねー」フリフリ

48 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:48:26 ID:zUVEe6QU
サシャ「……あの、ミカサ。クリスタを待ってる間に相談があるんですが」
ミカサ「ライナーのパンツの色は流石に把握していない」
サシャ「ぱっ……!? ち、違いますよ、そういうことじゃありません!」ブンブン
ミカサ「そう? ……早とちりしてごめんなさい。それで、何の相談?」
サシャ「えっとですね、手鏡がほしいんですけど、今度一緒に街で探してくれませんか? 食べ物屋は色々知ってるんですけど、そっち方面は髪ゴム買う店しか知らなくて……」
ミカサ「なるほど……デートの誘いなら喜んで行こう」ホクホク
サシャ「ライナーにはないしょですからね? こっそり買って、こっそり使いたいので」
ミカサ「いえ、ここは存分に自慢するべき。そして反応を楽しむべき」ニヤニヤ
サシャ「ミカサ、悪い笑顔になってますよー……?」
クリスタ「おまたせー! それじゃあ行こうか!」

49 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:49:23 ID:zUVEe6QU
ーー 道中
コニー「お前らやけに準備が遅いと思ったら……なんかモコモコしてんぞ?」
クリスタ「ふっふっふ……それだけじゃないんだよ? ちょっと見ててね? ーーミカサ!」
ミカサ「わかった。ーーあーかー」ユラユラ
クリスタ「しーろー」ユラユラ
サシャ「きーいーろー」ユラユラ
クリスタ「なーんちゃって」エヘヘ
エレン「……ああそっか、チューリップの歌だな?」
コニー「おおっ!? すげえや、これ計算してたのか!?」
クリスタ「まあねー♪」エッヘン
アルミン(かわいい……)キュンッ...
エレン「女子って誰かと何かを揃えるの好きだよなー」
コニー「そうだなー。言われて見りゃあ、サニー……妹もそうだった気がすんな」
サシャ「……」チラッ


50 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:50:12 ID:zUVEe6QU
ライナー(結婚しよ)ボーッ...
サシャ「ライナー? 大丈夫ですか? 目の焦点合ってませんけど」
ライナー「……なんでもない。そっちの荷物持つか?」
サシャ「これくらい平気ですよ。それよりも、体力は温存しておいてくださいね? 釣りって結構走り回りますから。そういえばライナーは釣りってやったことあります? エレンたちはあるみたいですけど」
ライナー「釣りはやったことないが、小さい頃に手掴みで捕まえたことなら何度かあるな。小魚だったが」
サシャ「あはは、そういうところは男の子ですね。私は逆に道具を使って捕まえたことしかないんですよね。……あっ、でもコニーなら両方やったことありそうですね」
ライナー「……」ピクッ
サシャ「今日は私とコニーでみんなが食べられる分は確保するつもりですけど、時間帯もあまりよくないですし、釣りって時の運も関係してきますからね。空振りにならなきゃいいんですが……」ブツブツ

51 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:51:00 ID:zUVEe6QU
ライナー「お前、コニーと仲いいよな」
サシャ「まあ、なんだかんだで話が合いますからね。一緒にいると楽しいですよ」
ライナー「……ほう」イラッ
サシャ(……コニーといるのは楽しいですけど、ライナーといる時は楽しいだけじゃなくて幸せなんですよ?)
サシャ(……なーんて、言えたら楽なんですけどね)チラッ
ライナー「……」ムスッ
サシャ(……あれっ?)
サシャ「ライナー、なんか怒ってません?」
ライナー「……別に」
サシャ「?」キョトン

52 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:52:06 ID:zUVEe6QU
ーー 午後 川原
エレン「到着! ーーどうだ、結構広いだろ?」
ライナー「おお……こんなところがあったんだな」
クリスタ「でも、葉っぱが大分散っちゃったからさみしいな。この前来た時は綺麗な色だったのに……」
アルミン「そっか、そろそろ冬だもんね」
ミカサ「……」チラッ
サシャ「コニー、糸は持ってきました?」テキパキ
コニー「あたぼうよ。ナイフもあるぞ」テキパキ
サシャ「罠も張っておきますか? 何もやらないよりマシですよね」
コニー「そうだな。時間帯が微妙だけど捨てバリ仕掛けとくか」
サシャ「あー、でも針ないですよね。枝を削って作りますか? なんなら探してきますけど」
コニー「そうだな、その辺はお前に任せるわ」
サシャ「じゃあ、私とミカサとエレンでちょうどいい枝を探してきますから。コニーは他のみんなと餌を探しておいてください」
コニー「おう、よろしく」

53 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:53:06 ID:zUVEe6QU
サシャ「さあ、エレンにミカサ! 枝を探しに行きましょう!」スタスタ...
エレン「へ? おっ、おう! ーー駆逐してやる……! 一匹残らず!」ギリッ...
ミカサ「エレン、駆逐したら食べられない」スタスタ...
ライナー「……あっという間だったな」
クリスタ「そうだね。コニーもサシャも、二人とも手際がいいんだねぇ」
コニー「モタモタしてらんねえからな。ーーほら、お前らもぼさっと突っ立ってないで手伝えよ」
アルミン「コニー、今の時期はパイクが釣れるって本当?」パラパラ
コニー「運さえよけりゃなんだって釣れるよ。今は荒食いの時期だからな」
ライナー「? アルミン、何を読んでるんだ?」
アルミン「『世界の魚~その系譜と歴史~』だよ」パラパラ...
ライナー「……どうしてそんないろんな意味で重苦しい本を持ってきたんだ」
アルミン「役に立つかなぁって思って」エヘヘ

54 : ◆H4iwFNXQsw:2013/10/05(土) 09:53:57 ID:zUVEe6QU
クリスタ「ねえねえコニー、餌はどうするの? パンとかつけるの?」
コニー「んなわけねえだろ。魚に食わせるぐらいなら自分で食うって」
クリスタ「……? じゃあどうやって魚を釣るの?」
コニー「その辺の石の下にいる虫を使うんだよ。ーーよっと」ゴロン
クリスタ「」
コニー「うーん、あんまりいねえなぁ」ホジホジ
クリスタ「むっ……むっ、むむむ、虫っ……虫がいっぱい……びっしり……」ガタガタガタガタ
コニー「よっしゃクリスタ、その辺に落ちてる枯れ枝使って地面掘れ」ホジホジ
クリスタ「じ、地面? 地面を掘ってどうするの? 何をするの? 埋めるの?」オロオロ
コニー「ミミズをほじくり出す」ホジホジ
クリスタ「……みみず」
コニー「どうせなら鮭食いてえし太いほうがいいよなー。……? どうしたクリスタ。早く掘れって」ホジホジ
クリスタ「ーーあのね、生き物の命をみだりに奪っちゃいけないと思うの」キリッ
コニー「何しにきたんだお前」

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