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しんのすけ「いい所に、おでかけだゾ!」

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Part10
423 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 22:55:59.33 ID:puuIFOPDO
【廊下】
風間「僕らも手分けして探すよ!」
ネネ「私達には見えないし聞こえないけど、しんちゃんのママからは分かるんでしょ?」
マサオ「呼びかけて歩けば、おばさんには分かって貰えるもんね。僕は、念の為に部屋に残るけど」
ボーちゃん「…みんな」
ひろし「へえ?」

424 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 22:59:43.79 ID:puuIFOPDO
ひろし「もしかして、風間君とネネちゃんとマサオ君?いやあ、大きくなったなあ」
ボーちゃん「おじさん。心中した割には、メンタル強いですね」
風間「え?もしかして今、しんのすけのおじさんいるのか?」
ボーちゃん「死んだ事を、思い出したんだって」
ひろし「いやいや、皆さん。お手数お掛けしました」ペコリ
ボーちゃん「言っておくけど、僕以外には見えてないし、聞こえない」

425 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:03:38.72 ID:puuIFOPDO
ひろし「え…へ、へえ…」ニヤニヤ
ボーちゃん「今はいやらしい妄想をしている場合じゃ、ありませんよ」
ひろし「ば、違うよ!そういう事を考えた訳じゃ…」
ネネ「最低…」
風間「まあ、しんのすけの父親だしな」
ひろし「な、違うって!死者を冒涜するなよ!」

426 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:08:03.68 ID:puuIFOPDO
ボーちゃん「じゃあ、僕とおじさんは左。風間君達は右を探して」
風間「え?ボーちゃんとおじさんは別々の方が良いんじゃない?おばさんと話が出来るのは二人だけだろ?」
ボーちゃん「いや、確かにそうだけど…僕らは右から来た時、おばさんと会わなかった。多分、左に向かったんだ…僕達と鉢合わせたくなくて」
風間「じゃあ、まさかおばさんも…」
ボーちゃん「死んでると、気付いたのかもしれない」
ひろし「!」

427 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:09:51.98 ID:puuIFOPDO
ボーちゃん「もし、禍々しい気配を感じたら、近寄ったら駄目だからね」
風間「分からないかもしれないけど、気を付けるよ」
ボーちゃん「じゃあ」クルッ
ひろし「ま、禍々しいって、何だよ!」タタッ


428 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:17:18.64 ID:puuIFOPDO
ボーちゃん「あの家で最も精神的に不安定だったのは…おばさんだった」
ひろし「精神的にって…」
ボーちゃん「…死ぬ寸前の感情が影響してるんだと思うけど」
ひろし「死ぬ寸前?あ、俺どうやって死んだんだ?」
ボーちゃん「練炭による、無理心中」
ひろし「!」

429 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:19:10.49 ID:puuIFOPDO
ひろし「え…あれは、未遂じゃなかったか?」
ボーちゃん「換気して仲良く帰って…来られなかった」
ひろし「…」
ボーちゃん「睡眠薬を飲んで、そのまま。みんな死んだ」

430 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:21:37.04 ID:puuIFOPDO
~~~~~~~~~~
ひろし(はじめ離婚してから、俺だけ死のうと考えた)
ひろし(しかしみさえは頑として首を縦には振らなかった)
ひろし(家族でしょう?一人で抱え込まないでと、主張するみさえとは何度も言い合いになった)
ひろし(それでもみさえは譲らず、結局はみんなで仲良く心中という事になった)
ひろし(でも、これで良いのか?)
ひろし「…」

431 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:24:06.13 ID:puuIFOPDO
ひろし(良いんだ…大した人生じゃなかったし)
ひろし「…」
ひろし(酒を飲んで気が大きくなってるんだろうか?)
ひろし(不思議と死ぬのが怖くない…)

432 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:29:07.74 ID:puuIFOPDO
みさえ「…あなた?」
ひろし(…みさえ)
みさえ「…」
ひろし(すまなかった…)
ひろし(もう、嫌な目に遭わせないから)
ひろし(次、また会える時があったら…絶対に、お前のピンチを救え……)
ひろし(愛し………)



(…あなた)
ひろし「!」ぱちっ
~~~~~~~~~~

433 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:31:05.05 ID:puuIFOPDO
ひろし「ああ…あの時か…あの時に俺は死んでたのか…」
ひろし「あの時は、格好良く助けたつもりだったんだけどな…そうか」
ひろし「車から出られずに、死んだのか」
ボーちゃん「…」

434 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:34:27.76 ID:puuIFOPDO
ひろし「…ボーちゃん、悪いな」
ボーちゃん「何がです?」
ひろし「さっきから、敢えて厳しい事を言ってたのは、現実を直視させようとしてたからなんだろ?」
ボーちゃん「!」
ひろし「へへ、当たりか?そんな奴じゃなきゃ、死んだ俺らを助けようと思わないもんな」
ボーちゃん「…おじさん」

435 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:35:48.55 ID:puuIFOPDO
ひろし「よし、仲良く成仏する為に、とっととみさえを見つけ出すぞ!」
ボーちゃん「…はい!」

436 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:37:29.54 ID:puuIFOPDO
【旅館の部屋】
しんのすけ「…暇だぞ」
しんのすけ「オラ、しんのすけだけど、ヒマだぞ」
しんのすけ「…」
しんのすけ「何処行ったのかな、母ちゃん」

437 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:40:02.86 ID:puuIFOPDO
しんのすけ「ボーちゃんも父ちゃんもいるし、そんなに心配ないと思うけど…」
しんのすけ「むう…暇だぞ…」
プルルルルッ
しんのすけ「お、お電話お電話ー♪」
しんのすけ「もしもーし、オラしんのすけだぞー」
みさえ『…しんちゃん?』
しんのすけ「」ガタッ

438 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:41:56.14 ID:puuIFOPDO
しんのすけ「母ちゃん!今、何処にいるんだ!」
みさえ『…』
しんのすけ「みんな心配して、探してるんだぞ?!」
みさえ『…』
しんのすけ「…母ちゃん!」
みさえ『…ごめんね』
しんのすけ「!」

439 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:43:22.61 ID:puuIFOPDO
みさえ『ごめんね…』
しんのすけ「母ちゃん!何言ってるんだ!」
みさえ『…ずっと苦しい思いをさせて、ごめんね』
しんのすけ「!」

440 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:46:00.71 ID:puuIFOPDO
しんのすけ「違う!母ちゃんは何にも悪くない!」
しんのすけ「母ちゃん、何処にいるんだ!」
しんのすけ「あのお兄さんが、オラ達を助けてくれるんだよ!」
しんのすけ「もう、大丈夫。何にも心配ないんだぞ?」
みさえ『…』

441 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:48:00.96 ID:puuIFOPDO
みさえ『大丈夫…多分これはね、私への罰なの…』
しんのすけ「!」
みさえ『私、自分で選んだ癖に…死ぬのが怖くなったから…』
しんのすけ「違う!そんな事言うな!」
みさえ『…しんちゃん』

442 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:49:47.67 ID:puuIFOPDO
みさえ『…悪いママでごめんね』
しんのすけ「母ちゃん!ちが…」
ツー、ツー、ツー…
しんのすけ「違うんだぞ…」


443 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:53:24.81 ID:puuIFOPDO
【廊下】
♪~♪~
ピッ
ボーちゃん「しんちゃん?」
しんのすけ『母ちゃんから電話が来た!』
ボーちゃん「いつ?」
しんのすけ『さっき…何かヤバかったぞ』
ボーちゃん「何て、言ってたの?」
しんのすけ『いっぱい謝ってた。悪いママでごめんねとか、罰だとか…』

444 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/21(土) 23:56:16.42 ID:puuIFOPDO
しんのすけ『母ちゃんも死んでるなら、大丈夫だよね?これ以上、悪くならない?!』
ボーちゃん「…分からない。電話中に何か聞こえなかった?」
しんのすけ『何か?』
ボーちゃん「何でも良い。水の音とか風の音とか…誰かの声とか…」
しんのすけ『あ…それなら』

445 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:00:51.26 ID:GR6YApkVo
支援

446 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:01:34.39 ID:jc28sk8DO
しんのすけ『声が響いてた。それだけだけど…』
ボーちゃん「…分かった」
しんのすけ『何処にいるか分かったの?オラにも教えろ!オラも行くぞ!』
ボーちゃん「多分…西側の非常階段だよ」
しんのすけ『おお!母ちゃん!今行くぞお!』ドタドタドタ…
ボーちゃん「…」ピッ

447 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:10:13.12 ID:jc28sk8DO
ひろし「西側の非常階段?どうしてそこだと思うんだよ」
ボーちゃん「僕らの向かっている先にある左…西の非常階段には、非常用の電話が設置されている」
ボーちゃん「それに旅館に着いた時、入口から見上げると、西側に崖に面した屋上があるのが見えた」
ボーちゃん「おばさんは、一人で自殺をする事で…繰り返す事を止めようとしているのかも…」
ひろし「!」

448 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:11:49.63 ID:jc28sk8DO
ひろし「そんな!」
ボーちゃん「だから止めなくっちゃ…」
ひろし「みさえ!」タタタッ
ボーちゃん「風間君達に、連絡しないと…」ピッ

449 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:14:52.49 ID:jc28sk8DO



【西側非常階段】
ひろし「はあ…はあ…」
ボーちゃん「!」
ひろし「今、行くぞ…待っててくれよ、みさえ…」
ボーちゃん「僕は、行けない」
ひろし「はあ?」

450 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:17:44.71 ID:jc28sk8DO
ひろし「何でだよ!」
ボーちゃん「この先が、荷物で塞がれてる」
ひろし「荷物?荷物なんて、どこにあるんだよ?」
ボーちゃん「15年前にはなくて、自由に屋上にも出入りが出来たんですね」
ひろし「はあ?どういう事だよ」
ボーちゃん「理解しなくても、結構です。それより先に行って下さい」

451 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:20:22.08 ID:jc28sk8DO
ボーちゃん「準備出来次第、僕も直ぐに向かいます」
ひろし「分かった!」
タタタタ…
ボーちゃん「荷物は乗り越えられると…」
ボーちゃん「鍵が掛かってれば、風間君達の到着を待たなくちゃ…」

452 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:21:38.46 ID:jc28sk8DO
【屋上】
しんのすけ「母ちゃん!やめて!」
ひまわり「たゆう!」
みさえ「…」

453 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:24:02.75 ID:jc28sk8DO
ひろし「みさえ?」
みさえ「…あなた」
しんのすけ「父ちゃん!母ちゃんを止めてくれ!このままじゃ、落っこちちゃう!」
みさえ「あなた…お願い。しんのすけとひまわりに、私から手を放す様に言って」
ひろし「!」

454 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:27:04.62 ID:jc28sk8DO
みさえ「私が、私一人だけが死ねばいい。そうすればきっと、みんな助かるのよ!」
しんのすけ「うおお!全然何言ってるか、分かんないぞ!」
みさえ「お願い、あなた…子供達を…」
ひろし「!」
みさえ「私の、最後のお願いだから…」
しんのすけ「父ちゃん、早くぅ!」
ひまわり「たああああ!」
びゅおおおお!!

455 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:29:09.23 ID:jc28sk8DO
しんのすけ「お…」ふわっ
ひまわり「う?」
みさえ「…」
しんのすけ「落…ち……」

456 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:32:21.26 ID:jc28sk8DO
ひろし「馬鹿野郎!たかだか5歳児と0歳児の力で、みさえを支えきれると思ったか!」がしっ
しんのすけ「父ちゃん!見損なったぞ!」
ひろし「見直しただろ!」
みさえ「私はいいから…子供達を…」
ひろし「みさえ…」

457 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:35:11.00 ID:jc28sk8DO
ひろし「大事な女房のピンチだぞ?今度こそ、助けさせてくれ…」
みさえ「あなた…」
ひろし「…愛してる」
しんのすけ「そういうの、今はいいから!早く引き上げてくれー!」
ひろし「とは、言ったものの…三人だと重くて…」ブルブル…

458 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:38:32.53 ID:jc28sk8DO
しんのすけ「…母ちゃん、太った?」
みさえ「いや、もう死んでるし…それより死ぬ直前は、かなり痩せた筈よ!」
ひろし「うぅ…」
しんのすけ「父ちゃん、ファイトー…散髪ー!」
ひろし「それを言うなら、一発だあ!一々力が抜ける事言うな!」ブルブル…

459 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:42:32.00 ID:jc28sk8DO
がしゃーん!
ボーちゃん「おじさん!」タタッ
がしっ
ひろし「ボーちゃん!」
マサオ「はあはあ…エア綱引き?」
ボーちゃん「違う!しんちゃん達が落ちそう!」ぐっ…
風間「ボーちゃん!」がしっ
ネネ「私達には見えないんだから、ボーちゃんがしっかり掴んでてね!」がしっ
マサオ「あ、僕もー!」

460 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:44:35.03 ID:jc28sk8DO



みさえ「ふう…ふう…」
ひろし「はあ…はあ…」
しんのすけ「ああ、もう…助かったから良かったものの…」

461 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:47:07.19 ID:tZTm9r18o
すげぇ……
欝だったはずなのに……

462 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:47:12.06 ID:jc28sk8DO
しんのすけ「母ちゃん!思い詰め過ぎ!」
みさえ「!」
しんのすけ「オラは、まだ5歳だ。だけど5歳なりに、色々考えてるつもりだぞ」
しんのすけ「全然頼りにならないかもしれないけど、ちょっとは相談しろ!何でも自分で決めるなあ!」
みさえ「…しんちゃん」
ひろし「あー…」

463 :以下、新鯖からお送りいたします :2013/09/22(日) 00:51:05.08 ID:jc28sk8DO
ひろし「しんのすけに今、俺が言いたい事の殆ど言われちまったけど」
ひろし「…頼むから、自分が悪いとか思うのは止してくれ」
みさえ「…」
ひろし「俺が悪いんだ。本当に、馬鹿だった」
ボーちゃん「違いますよ」

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