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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 ヘンゼルとグレーテル編

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Part5
123 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:36:54 ID:mZC
しばらく後
シンデレラの世界 魔法使いの屋敷 
ラプンツェル「ただーいまーっ!ママー!魔法使いー!帰ったよぉー!」ニコニコ
ゴーテル「あぁ、おかえりラプンツェルや。街の見物は楽しかったかの?」
ラプンツェル「うん!すっごくたのしかったよ!シンデレラと髪飾りや洋服たくさん見てねー、桃太郎達が荷物持ってくれた!あとこれお土産のパンプキンパイだよ!ママと魔法使いで食べてね」ニコニコ
ゴーテル「おぉ……見たか魔法使い!?ワシらに土産じゃと!こんなに気が利く娘が他におるか?おらんじゃろ!?流石ワシの娘じゃ」バッ
魔法使い「……ああそうじゃな。ところでシンデレラと桃太郎はどうしたんだ?一緒じゃないのか?」
ラプンツェル「シンデレラと桃太郎はキッチンだよ。夕飯はシンデレラが作ってくれるって言ってた、美味しいごはん作るから楽しみにしててって!桃太郎達は買って来たお肉とかお野菜運んでたよー」
魔法使い「そうかい。シンデレラは王家に入る前は家事漬けの毎日じゃったから料理の腕はなかなかのものじゃぞ、楽しみにしてやってくれラプンツェル」
ゴーテル「シンデレラも料理得意なんじゃな…しかしまぁ、ウチのラプンツェルほどじゃないじゃろ?」
魔法使い「ほう、娘煩悩なのは結構な事じゃが……シンデレラよりお主の娘の方が勝ってるとでも言いたいのか?」
ゴーテル「シンデレラはワシの想像以上に良い娘じゃった。気が利く上に優しく品があるよくできた娘じゃ。まぁそれでもラプンツェルの方が可愛いがのぉ?」ホッホッホ
魔法使い「お主は魔法植物の権威だ。その実力は認めておる……だが、それは聞き捨てならんのぉ?『芽吹きの魔女』マザー・ゴーテル」ギロリ
ゴーテル「この地上に舞い降りた天使を目の前にしてその様な事をぬかすか、眼のかすみに効く魔法植物でも譲ってやろうかのぉ……『千変万化の魔法使い』よ」ギロッ
ゴゴゴゴゴ
ティンカーベル「もぉーっ!ゴーテルは相変わらずだしなんで二人険悪な感じなの?仲良くしなきゃだめだよ!」
キモオタ「それよりも我輩はお二人に二つ名があった事に驚きなんでござるがwww」コポォ

124 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:39:12 ID:mZC
ゴーテル「おぉ、キモオタにディンカーベル!久しい……というほどでもないが、変わりないようじゃな」ホッホッホ
魔法使い「お主ら、来ておったのか。遅かったな…その様子じゃと、シンデレラ達と街で会ったんじゃな?」
ティンカーベル「うん、そうだよ遅くなってごめんね…っていうかそれよりも!二人が喧嘩しちゃ駄目だよ!」
キモオタ「そうですぞwwwそんなことではシンデレラ殿とラプンツェル殿がwww悲しみますぞwww」
魔法使い「喧嘩などしておらん、少々意見が食い違っただけじゃ」
ゴーテル「魔法を専門にする者は我が強い事が多い、じゃから魔女の世界じゃこの程度の意見のぶつかり合いは喧嘩とは呼ばん。折角のママ友と争うのは避けたいしのぉ」ホッホッホ
キモオタ「ママ友wwwその表現正しいのでござるか?www」コポォ
魔法使い「そうじゃな、ワシはシンデレラの母親では無いのだからその表現はおかしい」
ラプンツェル「でもシンデレラがさっき言ってたよ?『魔法使いさんはとても良くしてくださって感謝してるんです、私は本当のお母さんの様に思っているんですよ』って!だからおかしくないよ」ニコニコ
魔法使い「そ、そうか……まったく、べらべらとあの娘は恥ずかしい事を……」フイッ
ティンカーベル「あーっ!魔法使いなんか照れてるー!」ニヤニヤ
魔法使い「ええい、お主らは魔法具を受け取りに来たんじゃろ!余計な事を言っておると渡すのやめてしまうぞ!」スタスタ
ティンカーベル「あっ、ごめん!もうからかわないからー!」ジタバタ
キモオタ「魔法使い殿をからかうなどwww良い度胸ですなティンカーベル殿www」コポォ
魔法使い「お主も大概じゃろうが……まぁよい、二人とも着いて来なさい。屋敷の庭で魔法具の試運転をするとしようか」

125 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:40:46 ID:mZC
魔法使い「さて……」チラッ
ゴーテル「うむ……どうやら大事な話のようじゃしワシらは席をはずすとしようかのぉ、ラプンツェル」
ラプンツェル「えーっ?私も魔法使いが作った魔法具見てみたいよ!一緒に庭に行って見学してようよ!」
ゴーテル「それも良いが…今キッチンに行けばシンデレラにこの国の料理を教えてもらえるかも知れんぞ?珍しい料理を王子に作ってやれば喜ぶと思うのじゃが、どうかの?」
ラプンツェル「それすごくいい!おーじはどんな料理でも美味しいって言ってくれるけど、見たこと無い料理ならもっと喜んでくれると思う!」ニコニコ
ゴーテル「と、いうことじゃから。あと任せたぞ魔法使い」
魔法使い「うむ、シンデレラと桃太郎にも庭には来ないように伝えとくれ」
ラプンツェル「それじゃあまたあとでね!キモオタ、ティンク!」フリフリ
ガチャッ
ティンカーベル「でも折角の魔法具だし、かっこいいところをゴーテルやラプンツェルにも見せたかったなー!」ワクワク
魔法使い「ゴーテルには前もってラプンツェルを連れて席をはずすようにワシが言っておいたんじゃよ」
キモオタ「ちょwww折角なので見てもらえばいいのではwwwゴーテル殿に助言頂けるかもしれぬのにwwwどうしてですかなwww」コポォ
魔法使い「どうしてって……お主……これからお主らの武器の試運転するんじゃぞ?」
魔法使い「巻き込んでは危険じゃからな……さぁ行こうじゃないか、時間が惜しい」スタスタ

126 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:43:38 ID:mZC
魔法使いの屋敷 庭
ティンカーベル「庭というよりほとんど森だねー」
魔法使い「では二人に頼まれていた魔法具…武器を渡すとしようかの。だがその前に……少し話をするとしようか」
キモオタ「ちょwwwここぞとばかりに焦らしますなぁwww」
魔法使い「キモオタ、ティンカーベルよ。今までお主らは多くのおとぎ話の世界を旅してきた事じゃろう。ティンカーベル、どんな世界へ行ったんだったか?」
ティンカーベル「えーっとね【シンデレラ】の世界行って【裸の王様】の世界に言ったでしょー?【泣いた赤鬼】に行ってそれからー……」
魔法使い「ふむ、どの世界でもお主らは戦いに巻き込まれる事があったじゃろう?」
キモオタ「そうですな、【マッチ売りの少女】の世界でブリキのきこり殿に歯が立たなくて、それで戦えるようになりたいと願ったんですぞ。そして武器を手にする事を決めたのでござった」
魔法使い「お主らは様々な世界で様々な敵に遭遇したじゃろう?」
ティンカーベル「思いだすといろんな敵が居たね、悪い大臣とか近くの国の兵士とか…あと鬼神になっちゃった赤鬼とか悪鬼とか……」
魔法使い「多くの敵に遭遇したじゃろう、ではここで質問じゃ……お主らは今までに何人殺した?」
キモオタ「ファッ!?こ、殺すとは穏やかではないですな……なんでござるかいきなり……」
ティンカーベル「そうだよ!なんなの突然、私達は悪い奴等を懲らしめたりはしたよ?でも殺しちゃうなんて……そんなの、違うよ。ねぇ?」
魔法使い「……ふむ、よかろう。では話を続けよう」

127 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:44:40 ID:mZC
魔法使い「少し話を変えるが……お主らはアリスとドロシーをどうするつもりじゃ?」
ティンカーベル「そんなの決まってるじゃん!すぐにでも悪い事するのをやめさせたい!だけど無理だからちょっとづつ力をためて勝てるようにする!」
キモオタ「捕えて、今までの悪行を反省させねばなりませんからなー…そしてなんとか魔法の力でおとぎ話を元に戻すとか……」
魔法使い「いや、ワシが聞きたい事はそうでは無くてだな……うーむ、それでは単刀直入に聞こうかの」
魔法使い「お前達はアリスやドロシーを殺すつもりなのか?」
ティンカーベル「ちょ、ちょっとまって!なんなの魔法使い、さっきから殺す殺すって……ちょっと落ち着こうよ」
キモオタ「そうですぞ?いくらアリス殿ドロシー殿が悪行の限りを尽くしたといえ、殺してしまってどうなるでござるか?何にも残らぬでござろう?」
魔法使い「お主らはアリス達を殺すつもりはない、というのじゃな?」
ティンカーベル「そりゃあ……あいつらは私の仇だから死んじゃえって思った事は……あるよ。でもそんなことしたって【ピーターパン】は元に戻らないし、殺しちゃうのってさ、あいつらがおとぎ話消してるのと一緒だよ?嫌だよそんなの」
キモオタ「むむむ……魔法使い殿はもしかして武器を持つ以上は殺しにかかれと言うのでは……」
ティンカーベル「そうなの!?もちろんあいつらにはお仕置きは必要だよ?罰を受けるだけの事はしてるもん、でも殺すなんて……」
魔法使い「待て待て、そうではない。お主らが殺意を持っていないことに関しては問題視していない」
キモオタ「ならば何故突然殺すだのなんだのの話を……」
魔法使い「武器を持つうえで必要な心構えの話をしているんじゃよ……わかるか、キモオタとティンカーベル」
魔法使い「お前達がこれから手のする武器は、容易く人を殺せる道具じゃ」


128 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:48:42 ID:mZC
魔法使い「殺す覚悟が出来ているから強いとか、殺す選択ができないから弱いなどという事は無いとワシは思う。強さはそんなところには存在せん、じゃからお前達の考えには口を出さぬ」
魔法使い「じゃがな、どうもお主らには武器を持つことへの自覚が無いように見える。武器を手にする事もせいぜい『アリス達に対抗する為の力』くらいの認識じゃろ?」
魔法使い「それでは駄目じゃ、武器を持つならばお主らは自覚する必要がある」
魔法使い「これから先、『自分は誰かを殺してしまう可能性がある』という事をな」
キモオタ「……」
ティンカーベル「ちょっと待ってよ!武器が欲しかったのは戦えるようになりたかっただけで……私達は誰かを殺しちゃおうなんて思ってないよ!」
魔法使い「……ティンカーベルはティーカップを割った事があるか?」
ティンカーベル「……何の話なの?」
魔法使い「あるじゃろ?あるいはグラスでも皿でも構わん。うっかり手を滑らせて割ってしまう、たんなる不注意で…自分は壊してしまうつもりなんか無くても床に落とせば食器は割れる」
魔法使い「武器を手にしているというのはな、ティーカップを手に持っているのと同じ状態じゃ。ふとしたはずみで、自分の意思とは関係なく、ちょっとした手違いで、ただの不注意でカップは壊れる」
魔法使い「それと同じように、武器は命を奪う。ふとしたはずみで、自分の意思とは関係なく、ちょっと操作を誤るだけで、ただの不注意で命を奪う、そしてそれは……味方の命かもしれない」
ティンカーベル「……」
魔法使い「武器と肉体を傷つける事に特化した道具だ、手にしていれば人の命など……ティーカップのように脆くなる」
魔法使い「ティーカップは買い直せるが、人の命はそうもいかない。だからこそお主らは自覚せねばならん、巨大な力を手に入れるという事はそれ以上の責任が圧し掛かるいう事をな」

129 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:53:40 ID:mZC
キモオタ「少し……軽く考えていましたな。そりゃそうでござるな、武器とはそういうものなんでござるから……敵を足止めしたり行動を止める為に武器を振るっても、しくじれば命を奪うに至ってしまう事も…ありますからな」
ティンカーベル「ごめん、魔法使い……私そんな事、全然考えてなかった」
魔法使い「待て待て、何を怖気づいておるんじゃ。ワシはお主らを落ち込ませる為にこの話をしたんじゃないぞ?」
ティンカーベル「そりゃそうだろうけど……なんか、ちょっと……考えちゃうよ。強くはなりたいけど……なんだか急に怖くなってきちゃったよ」
キモオタ「ティンカーベル殿www魔法使い殿は我々が軽い気持ちで武器を持って過ちを犯す前に忠告をしてくれたんでござる、ここで我輩達が落ち込んでどうするでござるかwww」
キモオタ「もう我輩たちは知ったでござるよ、うっかりしたり未熟だったりふざけていたり不注意だったりするとカップを滑り落としてしまうという事を、そうでござろう?」
ティンカーベル「そうだけど……」
キモオタ「だったらwwwうっかり手を滑らせないようにwwwしっかりとティーカップを持っていればいいのでござるよwwwそうすればカップは割れないでござるwww」
魔法使い「その通りじゃ、扱いをしっかりし注意深くしていれば問題無い。大事なのは危ない道具だと知る事、常に注意して扱う事じゃ。どうやら……少々脅かし過ぎてしまったようじゃな」
ティンカーベル「……じゃあ魔法使い、私練習しにこの屋敷に来ても良い?現実世界じゃ、あんまり武器の練習できそうにないからさ」
魔法使い「いいじゃろ、何もかまう事は出来んがこの庭は自由に使ってよろしい」
ティンカーベル「だったら頑張る!だって強くなりたいもんね!いっぱい練習してたくさん特訓して、ちゃんとした使い方が出来るようになるよ!」
魔法使い「うむ、自覚を持つ事は出来たようじゃな。じゃがなティンカーベル、今の気持ち……誰かを殺してしまうかもしれないという恐怖は大切な事じゃ、忘れないように鍛錬に励むようにな」フフッ

130 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:54:52 ID:mZC
魔法使い「まずはティンカーベルの魔法具…注文通りスリングショットと魔法弾を渡すとしようかの」
スッ
ティンカーベル「すごいね…私の手にしっかり馴染むちょうどいい大きさだよ!」ググッ
魔法使い「当たり前じゃろ、お主専用じゃからな。特に説明もいらんだろうが……いわゆるパチンコじゃな、弾をゴムの力で弾き飛ばす武器じゃ」
魔法使い「赤ずきんのマスケットの様な銃じゃないからのぅ、連射能力や単純な威力では流石に劣るが…かさ張る事は無いし何より重量をほとんど感じんじゃろ?」
ティンカーベル「うん、びっくりしてる!お花…ううん、小鳥の羽くらい軽いよ!」
魔法使い「軽いが強度の高い材質を使ったからそうそう壊れたりはしないぞ、これでお主の持ち味である機動力を落とさずに素早い遠距離の攻撃が行える」
魔法使い「肝心の弾は通常の鉛製の弾と魔法効果を付与した弾の二種類用意した。魔法弾は『高速で射出される弾』『皮膚に着弾するとかぶれる弾』『着弾すると圧縮したジャムが弾ける弾』の三つじゃ、他の弾はこれで慣れてからじゃな」
ティンカーベル「なんかズバーッ!って貫くとかボンッ!って爆発するみたいな攻撃的な弾が全然ないね……それとジャムの味って何?」
魔法使い「イチゴじゃ。慣れるまではそういう弾は避けた方がいいじゃろ」
キモオタ「我輩と戦っている敵を狙おうとして我輩に着弾してはえらい事でござるからなwww」
魔法使い「今渡した弾ではそうそうは大怪我にはならぬだろう、だが爆発やらおこす弾ではそうもいかん。そういう危険な弾は慣れてからじゃ」
ティンカーベル「うん、それは流石にちょっと困るなぁー……じゃあそうする」クスクス
キモオタ「ちょwwwっとwwwってwww大いに困っていただきたいwww」コポォ
魔法使い「なんにしろ当てられなくては意味が無い、あとはとにかく練習あるのみじゃな。では次はキモオタの魔法具じゃ」
スッ

131 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:56:15 ID:mZC
魔法使い「以前、お主が光る棒を振り回しながら珍妙な舞を見せておったじゃろ。あれから着想を得て作り出した魔法具じゃ」
ティンカーベル「あー、あのキモイ…ううん、キモチワルイ踊りでしょ?」
キモオタ「言いなおしたwwwというかまだ根に持ってるんでござるかwwwもういい加減に忘れていただきたいwww」
魔法使い「これは強力じゃぞ……?名付けて、おはなしサイリウム……!」
キモオタ「サイリウム……というよりも工事現場の作業員が振ってるアレに近いですなwww光る棒www」ピカー
魔法使い「この光を一定の動きで振ることで魔法を発動させる道具じゃ。これは魔法陣を媒介として魔法を発現させるという技法を応用したもので魔法具から放射される残光を利用して魔法を発現させるのに必要な門と発現させる魔法の情報を呼び出しそれを……」
キモオタ「ちょwwwもう少しわかり易くしていただきたいwww」
魔法使い「端的にいえば『一定の振り方をすれば特定の魔法が使える』という魔法具じゃな。呪文を唱えて魔法を放つ…という動作をサイリウムを振って魔法を放つ、という形式に置き換えただけじゃ」
キモオタ「ちょwwwつまりwwwいろんな魔法がwww使い放題www汎用性高すぎワロタwww」コポォ
魔法使い「サイリウムを握れば自然とお主の中に魔法を放つのに必要な動きが流れ込んでくるはずじゃ。そして、これがこの魔法具のキモなんじゃが……」
キモオタ「もしかしてwwwおはなしというからにはwwwおはなしウォッチと連動しているとかwww」コポォ
魔法使い「察しがいい奴だ。その通り、だからこそお前だけしかおはなしサイリウムは使えないんじゃ。お前が今までの旅で出会って来た大勢のおとぎ話の登場人物達……お主の友人達」
魔法使い「その友人との絆が、魔法の源になっているんじゃ」

132 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)22:58:36 ID:mZC
魔法使い「つまりお前の友人の数だけ魔法が扱えるというわけじゃな。シンデレラとの絆は『シンデレラ』の魔法を…同様にラプンツェルとの絆、桃太郎との絆……それぞれ別の魔法が存在する」
魔法使い「紡いだ絆の数だけお前は魔法の力を手にするわけじゃな」
ティンカーベル「絆が力になる魔法具!なんかかっこいいね!ゲームのキャッチコピーみたい!」ワクワク
キモオタ「テイルズ・オブ・なんちゃらみたいですなwww」コポォ
魔法使い「まずは脳内で『シンデレラ』の魔法をイメージしてるんじゃ、必要なサイリウムの動きが頭の中に浮かんでくるじゃろ?」
キモオタ「シンデレラ殿シンデレラ殿……おぉwwwこれはwww確かに必要な動きが頭の中に明確にwww」コポォ
魔法使い「それをまず動かせるようにイメージせよ。どういう事が出来るかも手に取るようにわかるじゃろ?」
キモオタ「なるほどwwwこういう事でござるかwww」コポォ
キモオタ「決められた動きをすることで、我輩の友人の力を借りる事が出来る……みたいな感じですなwww」
魔法使い「うむ、では早速実践に移ろうか。ワシが今からお前に向けて魔法を使う、お前はおはなしサイリウムで『シンデレラ』の魔法を使って回避するんじゃ」
キモオタ「わかりましたぞwwwちなみにwww魔法使い殿は我輩にどういう魔法を使うんですかなwww」
魔法使い「三秒後にお前の足元の地面一帯をマグマに変化させる。桃太郎の手を煩わせるのもなんじゃから失敗せんようにな。では開始じゃ、3、2……」
キモオタ「ファッ!?」ババッ

133 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)23:00:27 ID:mZC
キモオタ「ちょ、ちょっ!三秒!?余裕なさすぎでござろぉぉ!!」シュバババッ
ピカーッ
おはなしサイリウム「コード認識完了『シンデレラ』 魔法発現状態へ移行……モード『step』」
キモオタ「うおおぉぉ!間に合えでござるううぅぅ!!」グググッ
ヒュッ
ティンカーベル「あっ!キモオタが消えた!?」
魔法使い「……1、0。うむ、うまくいったじゃないかキモオタよ」ドロオォォォゴポゴポゴポ
キモオタ「ヒエッ…我輩が居た場所が赤々と燃えているのでござるが……」
ティンカーベル「キモオタが一瞬で木の上に移動してる!?ねぇねぇどういう事!?」
魔法使い「魔法の力であの高い木の枝までとび跳ねたんじゃ、シンデレラとの絆で発現した魔法『step』は舞踏を踏むような軽やかな跳躍と加速じゃからな」
キモオタ「まるでシンデレラ殿のガラスの靴のようでござるなwwwで、これどうやって降りるでござるかwww」コポォ
魔法使い「もう一度使って飛び降りれば良いじゃろ。さて、これで理解出来たじゃろ?おはなしサイリウムがどんな武器なのか」
キモオタ「わかりましたぞwwwこれは一度他の魔法も試してみる必要がありそうですなwww」コポォ
魔法使い「そうじゃが、跳躍と加速は扱いやすい基本の魔法じゃ。これを使いこなす事をまず目標にすればいいじゃろ」

134 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)23:02:43 ID:mZC
魔法使い「さて…これで説明は終了じゃが、このまま特訓へ移る。ある程度まで使いこなさねばな」
キモオタ「おおwww特訓とはいかにもですなwwwどれくらい特訓するんですかなwww三十分ですかなwww一時間ですかなwww」
魔法使い「うむ、まぁシンデレラの作る夕飯を楽しみにしておく事じゃな」
ティンカーベル「それって……夕ご飯までずっと特訓!?おやつは!?まだすんごく時間あるよ!?」
魔法使い「お主らはいつでも修行が出来るわけじゃないんじゃろ、出来るときにしっかりやっておかねばな。それともさっきの意気込みは見せかけかのぅ?ティンカーベルよ」
ティンカーベル「そんなことないよ!ちょっとびっくりしただけ!だからいくらだって特訓頑張るよ、なにしたらいい?なんでもやるから!」フンス
魔法使い「うむ、よろしい。では始めようか……デイジー、出番じゃ」
デイジー「チュウチュウ」チョロチョロ
キモオタ「おおwww今日は馬の姿ではないのですなwwwあれからここに住み着かせてもらっているのでござったかwww」コポォ
魔法使い「そやつがどうも二人の特訓に付き合いたいようなそぶりを見せていたのでな。特訓の内容じゃがデイジーと他の森の小動物達が的を持って木陰から飛び出す。ティンカーベルはひたすらその的を撃ち抜く。簡単じゃろ?練習用のもしも当たっても痛くない弾じゃ、これを使うと良い」
ティンカーベル「うん、ありがと!私の特訓は動く的を狙う練習だね!あとでお礼しなきゃ!」
キモオタ「森の動物達と特訓とはwww妖精となると特訓もファンタジーですなぁwww我輩の特訓はどのような内容ですかなwww」
魔法使い「ワシがただひたすらにお前に攻撃する。なに、くたばりかけの老人の攻撃など余裕じゃろ?どの魔法を使ってもよいからとにかく倒れぬように頑張れ」ゴゴゴゴゴ
キモオタ「ちょ……手のひらで渦巻いている明らかにヤバそうなその球体は一体……」
魔法使い「安心せい、魔力を圧縮したものじゃ…まぁ、死にはせんじゃろ。では特訓開始じゃ」ゴオォォ
ヒュン
キモオタ「ぶ、ぶひいいぃぃぃぃっ!!老人はそんな攻撃してこないでござるよぉぉぉ!!」ドタドタドタ

135 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)23:04:46 ID:mZC
数時間後… 魔法使いの屋敷 食卓
ラプンツェル「でねー、たくさんお世話になったお礼しなきゃと思ってシェヘラザードとシンドバットをお昼ご飯に誘ったんだ!」
ラプンツェル「でもシンドバットがすぐに女の子に声掛けに行っちゃってー、約束してた時間より遅くなっちゃってシェヘラザードがすっごく怒ってた!」
ラプンツェル「『あなたにはおとぎ話の主人公である自覚は無いのですかー!』って、でもシンドバット全然気にしてなかった」ニコニコ
ティンカーベル「ぷーっ!そのモノマネ似てるー」ケラケラ
桃太郎「一面砂地の国とは珍しい、拙者もまだまだ見聞を広めなければならんな……」
桃太郎「しかし、その者は見ず知らずの女性に軽々に声を掛けるなど…少々軟派が過ぎる者のようだ。拙者の国では考えられぬ」
シンデレラ「桃太郎さんはそういうの苦手そうですよね、恋愛に関して真面目そうに見えます」ニコニコ
桃太郎「うむ、男女の付き合いというのはそのような軽々しいもので無く、もっと厳かなものであるべきで……」
ティンカーベル「とか言って本当は女の子に声かける勇気が無いだけでしょ?」ニヤニヤ
桃太郎「……そんな訳があるまい、拙者は日ノ本一の侍桃太郎。我が故郷では引く手数よ」フイッ
ラプンツェル「ウソだウソだー!桃太郎ウソついてる顔だー!」ニヤニヤ
ワイワイ ガヤガヤ
ゴーテル「可愛い娘が楽しそうに友人と談笑しておる……なんとも感慨深いもんじゃなぁ……」ホロリ

136 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)23:07:29 ID:mZC
魔法使い「夕食は静かに摂るのが好みなのじゃが、たまには賑やかな食卓も悪くない物じゃな」フフッ
ゴーテル「ワシは断然賑やかに食事派じゃ。しかし若者が楽しげにしている姿は見ているだけで自分も若返っていくようじゃなぁ……それに引き換え」チラッ
キモオタ「」ゼハーゼハー
ゴーテル「なんじゃキモオタ、会話に参加せんか!少々魔法使いに稽古をつけてもらったくらいで大げさな…」
キモオタ「跳躍にしろ加速にしろ体力を使うので……しかし……身をもって体感しましたぞ、死ぬかもしれないというギリギリの戦いを……我輩もこれで歴戦の戦士の仲間入り……ドゥフ……」ゼハーゼハー
魔法使い「まぁよくついて来たもんじゃ。割と本気の攻撃を織り交ぜたりしたからな、正直なところワシも今日はくたびれた。シンデレラや、ワシはもう一杯スープを貰おう」
シンデレラ「はーい、キモオタさんは全然食べてませんけど…何か取りましょうか?」
キモオタ「ありがたいでござるが……動きすぎて正直、食べる気しないでござる……腹は減っているのに入る気がしないという……なんでござるかこれ……」ゼハーゼハー
ティンカーベル「しかたないなー!私がお水持ってきてあげるよ、私も特訓し過ぎてあんまり食べらんないから辛いのわかるよー」モグモグ
魔法使い「肉を頬張りながら何を言っているんじゃお主。しかし若いんじゃからもうちょっとタフネスを見せんかキモオタ」
ゴーテル「そうじゃな、シンドバットの様になれとは言わんが。いい若い男が浮いた話の一つもないとは……」
ピクッ
キモオタ「デゥフフwwwところがどっこい……あるんでござるよ、ゴーテル殿……」フラァ
ティンカーベル「うわぁ……また調子に乗るよキモオタ……」

137 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)23:10:01 ID:mZC
ゴーテル「ほう、意外じゃな……色恋とは無縁だと思っていたが」
キモオタ「実は我輩、先日デートに誘われましてなwwwいやはや我輩にもモテ期が来ましたぞwww」コポォ
ティンカーベル「またそんな自慢げに言ってー……」
シンデレラ「まぁ!でも当然ですよね、キモオタさんは優しい方ですから。私、応援してますよ」ニコニコ
ゴーテル「お主……そんな見栄を張ったところで空しいだけじゃぞ?」
ラプンツェル「あっ、わかった!新しい魔法具でしょ?あとでどんな魔法具使ったのか教えてよー」ニコニコ
桃太郎「友の言葉だ、拙者は嘘などと思わぬ。だがうまい話には裏があるもの……用心せよキモオタ」
キモオタ「ちょwwwある程度の予想はしていたものの酷い言われようwww」
ティンカーベル「あはははっ!シンデレラ以外誰も信じてない…!ぷぷぷっ……」バンバン
魔法使い「お前たちもう少しキモオタを信用してやれ、相手の娘が物凄い物好きなだけかもしれんだろう。そしてティンカーベルは笑いを堪えるならちゃんと堪えろ」
キモオタ「まぁいいでござるけどwwwところで魔法使い殿とゴーテル殿に相談がありましてwww」
ゴーテル「ふむ、まぁお主の言葉が事実だとして……ワシらに力を借りたいという事は魔法絡みじゃろ?」
キモオタ「そうでござるwww実は当日に着ていく服をどうするか悩んでおりましてなwww我輩としてもこのチャンスをモノにしたい故に、恥ずかしい恰好は出来ないのでござるwww」
キモオタ「ファッションセンスが向上する魔法とかないでござるかねwwwあれば使ってもらいたいのでござるがwww」

138 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)23:12:34 ID:mZC
魔法使い「んなもんあるわけないじゃろ。服装のセンスの良さなんかワシらが一番程遠いじゃろうが」
ゴーテル「まぁワシは母親としてそこそこの服装をするよう心がけてはおるが、まぁ基本仕事着はローブじゃからなぁ…ワシらは」
キモオタ「駄目でござるか……他に誰か居ないでござるか?裸王殿に頼めば筋トレからになるでござるし、シェヘラザード殿や桃太郎殿や赤鬼殿は文化が違いすぎるでござるし、赤ずきん殿には一蹴されそうでござるし…シンデレラ殿は…」
シンデレラ「すいません、私…いつも着古しでしたしあまり洋服選びのセンスは無いと思います。ごめんなさい、力になれなくて…」
キモオタ「いやいやwwwシンデレラ殿は悪くないのでwwwしかしどうしたもんですかな……」
トントン
ラプンツェル「キモオタ!大丈夫だよ!私がいるよ!私が選んであげるよ!そーいうの得意だから!」ドヤァ
キモオタ「……」チラッ
ゴーテル「なんでこっちを見るんじゃ、ワシの顔色なんか窺わずに言いたい事言えば良いじゃろ」
キモオタ「ええwwwだってラプンツェル殿は先日まで塔に籠りっきりだったでござろうwww洋服のセンスなどないのではwww」
ゴーテル「そんなわけないじゃろ!ワシの娘じゃぞ!」バンッ
キモオタ「ほらwwwやっぱり怒るでござろうゴーテル殿www」
シンデレラ「でもラプちゃんは洋服のセンス素晴らしいと思いますよ?今日買い物した時も素敵な洋服を見立ててくれましたし、確か自分で洋服作ったりもするんですよね?」
ラプンツェル「そうだよ!確かに塔の中に居たから外の世界の流行りとかそーいうのはわかんないけど、でもキモオタに似あう洋服をばっちり選ぶ自信はあるよ!」フンス

139 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/10(金)23:16:33 ID:mZC
ゴーテル「まぁラプンツェルがワシの天使だという事を置いておいてもじゃな、この娘のセンスは信用してもいいと思うぞ」
桃太郎「うむ、拙者には着物のせんすなどよくわからぬが……ラプンツェルの着物は実によく似合っている、自分に似合う着物を心得ているように思う」
ティンカーベル「料理も得意だし絵もうまいし、全体のバランスとか色の選び方とか得意なのかもね!」
シンデレラ「髪飾りも可愛いものや似合うものをすぐに選んでましたし、きっと生まれ持った才能なんですよ」ニコニコ
ラプンツェル「いやー、そんなふうにみんなに褒められると照れちゃうなぁー」テレテレ
キモオタ「そう皆がいうのならばwwwラプンツェル殿に洋服選びをお願いしたいですなwww」
ラプンツェル「まかせてよ!おーぶねに乗ったつもりでいていいよ!何倍もカッコイイキモオタを見せたげるよ!」フンス
キモオタ「では頼みますぞwww期待しているゆえにwww」コポォ
ゴーテル(ワシの娘が皆に褒められ、そして頼られている……感無量じゃなぁ)ホロリ
ラプンツェル「それじゃあそういう訳だからいいよね?私、キモオタの洋服選び手伝いに行っても良いよね?」
ゴーテル「ああ、もちろんじゃ。皆がお前のセンスを信じて信用してるんじゃ、ワシに止める権利などありゃせんからのぉ」ホッホッホ
ラプンツェル「やった!絶対ママには反対されると思ってたよー!」
ゴーテル「本来なら反対じゃがな。いいんじゃよ、お前に何かあったらキモオタとティンカーベルを塵にすると言っておけば死ぬ気で守ってくれるじゃろ」ホッホッホ
ティンカーベル「私も!?」ガーン
キモオタ「ちょwwwなんwwwでwwwさらっと恐ろしい事を言わないでいただきたいwww」コポォ
ラプンツェル「それじゃあママ!しばらくの間、現実世界に遊……」
ラプンツェル「じゃなかった、キモオタのデートがうまくいくようにお手伝いしてくるね!」ニコニコ

141 :名無しさん@おーぷん :2015/07/10(金)23:31:28 ID:uEm
乙です!!
楽しみにしてます!!

142 :名無しさん@おーぷん :2015/07/11(土)02:15:21 ID:QhF
乙です!
面白くなってきた

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