キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 ヘンゼルとグレーテル編
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86 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:46:40 ID:We4
シンデレラの世界 街へと向かう馬車
パカラパカラッ ガタゴト
ラプンツェル「ねーねー、おじさん!街に付くまであとどれくらい時間かかるかなー?」ヒョコ
馬車の運転手「そうですねー…この調子なら二十分もあれば着きますよ」
ラプンツェル「そうなんだ!楽しみだなー…この世界にはどんな面白いものがあるのかなー?見た事が無いものいっぱいあるかなー?」ワクワク
シンデレラ「駄目ですよラプちゃん、馬車が動いている時は座っていないと危ないから。怪我しちゃったら大変ですよ?」
ラプンツェル「そうだった!馬車に乗る時言われてたのに忘れてたよー、馬車の中では大人しくしてないと危ないんだったよね」ストンッ
シンデレラ「そうですよ、馬車は急に揺れたりする事もあるから……さぁ、座席に座って到着するまでお話ししながら待ちまsy」
ラプンツェル「うわーっ!二人とも見て見て!あんなに遠くに見えるのにすっごく立派なお城!ねぇねぇ、あれがシンデレラの住んでるお城?」バッ
シンデレラ「ええ、国王と一緒に。でもこうして改めて見るとあの立派な城に自分が住んでいるなんて少し実感わかないなぁ……確かラプちゃんは塔に住んでr」
ラプンツェル「ねぇねぇシンデレラ!あっちにある大きな水たまりって海だよね!本で読んだことあるよ!海の水は塩っ辛い水なんだよね?」ウキウキ
シンデレラ「あれは海じゃなくて湖だね。少し街から離れているけれどこの辺りでも特に大きな湖だから観光目的の旅人で賑わっt」
ラプンツェル「あっ!向こう側からも馬車が来たよ!おーい!こーんにーちわー!あっ!手振り返してくれたよ!」ブンブン
シンデレラ「桃太郎さん……私、ラプちゃんに嫌われているのでしょうか……最後まで話聞いてもらえないんですけど……」ズーン
桃太郎「気に病む必要などあるまい…拙者ですら見慣れぬ西洋文化に心躍っているのだ、外界と隔絶された塔で生活していたラプンツェルが様々な物に興味を持つ事は詮無き事」
87 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:49:11 ID:We4
シンデレラ「確かに初めて見る世界というのはワクワクしてしまいますもんね…私も初めてお城に行った時そうだったなぁ…」
桃太郎「ゴーテル殿の話ではラプンツェルが塔の外に出たのはほんの何日か前。見る物感じる物すべてが新鮮なのだろう…少々羽目を外すくらい温かい目で見てやってもよいだろう」
シンデレラ「もちろん、ラプちゃんが楽しいなら私は良いんですけど…嫌われちゃったと思って心配しちゃいました」フフッ
桃太郎「嫌われるような事などしていないだろう…何故、そこまで気にするのか…?」
シンデレラ「えっと…恥ずかしながら私、同年代の女の子の友達って居なかったんです」エヘヘ
シンデレラ「お義母様やお姉様と暮らしている時は朝から晩まで家事に追われていて、同年代の女の子みたいにお洒落したり遊びに行ったりできなかったから…」
桃太郎「ふむ……故にラプンツェルはお主にとっては初めての同年代の友人というわけか」
シンデレラ「そうなんです。もちろんティンクちゃんやマッチ売りちゃん、赤ずきんちゃんもお友達ですけど…私にとっては妹みたいな感じなので、どちらかというとしっかりしたお姉さんしなくちゃって気持ちになっちゃうんです」フフッ
シンデレラ「だからゴーテルさんにラプちゃんを紹介された時は嬉しかったなぁ…やっと私にも一緒にお洒落したりお出かけしたりできる女の子の友達ができるんだって!そんな風に思ったら笑顔が隠せなくなっちゃいました」ウフフ
桃太郎「ふむ、ゴーテル殿がわざわざ拙者の世界に出向きこの世界へ案内した事…拙者をラプンツェルやシンデレラと引き合わせた事……その目的は察しが付くが……」
桃太郎「その本来の目的はさておき……こうして新たな出会いへ導いたくれた事、ゴーテル殿には感謝せねばなるまい」
シンデレラ「はい!もちろん、桃太郎さんとお友達になれた事も私はすごく嬉しいですよ」ニコッ
桃太郎「それは拙者とて同じ事、お主と状況は違うが……鍛錬や修行漬けであった拙者も似たようなものだ、おそらくはラプンツェルもな」
シンデレラ「それじゃあ私達は友達少ない仲間ですね」ニコッ
桃太郎「事実とはいえその呼び名はもう少し何とかならぬのか?」フフッ
88 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:50:23 ID:We4
シンデレラ「それにしても…何故なんでしょうか?」
桃太郎「何故、とは…?」
シンデレラ「魔女のゴーテルさんが娘のラプちゃんと別世界の桃太郎さんを連れて私達の世界へ来た理由です」
シンデレラ「今朝、魔法使いさんから「客人が来る、その者がお前にも用事があるようだ」と連絡があって…今日は特に重要な予定もなかったので向かってみるとそこには桃太郎さんとラプちゃんが居て…」
桃太郎「うむ、拙者も突然目の前のゴーテル殿が現れてな……事情を聴いた所キモオタ達の知り合いだという。信用できるようなので話を聞いてみたところ、力を貸してほしいと言うので着いて来た次第」
シンデレラ「でも少し一緒にお茶をしたらゴーテルさんは魔法使いさんと大事な話があるとかで……込み入った話だからその間に桃太郎さんとラプちゃんを街に案内して欲しいと言われて…」
桃太郎「こうして今、馬車なるものに揺られて街を目指しているわけだったな…」
シンデレラ「私は楽しいんですけど…ゴーテルさんは何故桃太郎さんや私も呼んだんでしょうか?魔法使いさんに用事なら一人で行くでしょうし……」
桃太郎「ゴーテル殿が拙者等を引き合わせた理由か。おそらくだが……拙者とシンデレラ、ラプンツェルの三人で街へ見物に行くことこそが真の目的ではなかろうか?」
シンデレラ「私達が街へ行く事がゴーテルさんの目的…?それってどういう事でしょうか?」
桃太郎「うむ、我らはアリスとの戦いを控えている。故に……」
ラプンツェル「ねぇねぇ桃太郎!桃太郎!」ニコニコ
桃太郎「うむ、どうした?景色を眺めていたのではなかったのか?」
ラプンツェル「あのね、桃太郎ってお菓子好きで有名なんだよね?日ノ本一のお菓子大好き桃太郎って呼ばれてるんでしょ?」ニコニコ
桃太郎「正しくは日ノ本一の侍だ。…何故そのような誤った情報が伝わっているのだ、拙者は甘味好きとして名を馳せた訳ではないのだが…」
89 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:51:54 ID:We4
ラプンツェル「えーっ?だって桃太郎は鬼っていう凄くおっきくて強い種族を退治する為に鬼ヶ島に行ったんでしょ?」
桃太郎「正しくは『悪鬼』だ、鬼の全てが悪ではないのだからな。だがしかし、悪鬼征伐の為鬼ヶ島へ上陸した事は事実」
ラプンツェル「ママに【桃太郎】のお話聞いたけど、その鬼退治って他の人がいっぱい挑戦したけど失敗したんだよね?」
桃太郎「左様、そして都に悪鬼が攻め入り…人々が困り果てたため拙者に白羽の矢が立ったのだ」
ラプンツェル「それって命懸けのすっごく大事な戦いだったんだよね?」
桃太郎「うむ、その通りだ」
ラプンツェル「でもその命懸けの戦いのときでも、桃太郎はいつでもお菓子が食べられるように腰につけてたんだよね?」
桃太郎「いや待て、ラプンツェル」
ラプンツェル「これから大事な戦いだよ!って時におやつの心配してるなんてすっごいお菓子好きだよね、でも私もお菓子好きだからその気持ちわかるよ!」ニコニコ
桃太郎「きび団子の事を言っているのだろうが……これはその様な意図で常に持ち歩いているわけではない、拙者のきび団子は空腹を満たす為だけのものに非ず」
ラプンツェル「そうなの?なーんだ、桃太郎はお菓子大好きじゃないんだー」
シンデレラ「すいません。私も桃太郎さんってすごくお菓子好きな方だと思って、美味しいお菓子屋さん案内するつもりでした……」
桃太郎「ちょ……お主らの拙者への印象どうなってるの……」
90 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:53:25 ID:We4
ラプンツェル「でも持ってるのは持ってるんでしょ?桃太郎桃太郎、お腰に付けたきび団子いっこ私にちょーだい!」ニコニコ
桃太郎「うむ、きび団子か。あるにはあるが…」
ラプンツェル「ホントはね、みんなで食べようと思ってお菓子作って来たんだけど魔法使いの家に忘れてきちゃったんだぁ。そんでね、ちょっとお腹すいたなーって思ったんだけど、桃太郎ならお菓子持ってるかなーって」ニコニコ
桃太郎「すまぬが、このきび団子はただの菓子ではないのだ。共に強敵へと立ち向かう仲間同士がその勝利を祈願し、契りとして口にする物だ」
ラプンツェル「契りって約束の事だよね?きび団子で約束するの?」
桃太郎「今の拙者等ならば強敵とはアリスになるな…数々の魔法具を使い優位に立つアリスを止める事はおそらく至難の業。しかし、拙者等は必ずそれを成し遂げねばならない。その勝利の祈願と共闘の誓いとしてきび団子を食べるのだ。その覚悟が、お主にあるか?」
ラプンツェル「うん、あるよ!だからちょーだい!」ニコニコ
シンデレラ「即答するようなものじゃないと思うよラプちゃん…?」
ラプンツェル「んー…でもね、ママが言ってたよ?アリスやドロシーは悪い事しててー…それを止める為に桃太郎やシンデレラはキモオタ達と一緒に戦うんでしょ?」
桃太郎「左様、奴らがおとぎ話を消して周っている事は聞いた。悪鬼以上の悪行…見過ごすわけにはいかぬ」
ラプンツェル「だったら私だって戦うよ!私には桃太郎みたいに強くないし、シンデレラみたいに速く走ったり跳ね上がったりできないけど、この長い長い髪の毛があるからね!」フンス
ラプンツェル「悪い奴を縛りあげたりとかー、引っ張ったりとか高いところに登ったりとかいろいろできるから私も戦えるよ!だからきび団子とか関係無くて、私は最初っからみんなと一緒に戦うつもりだよ」ニコニコ
シンデレラ「そっか…桃太郎さん、ゴーテルさんが私達にラプちゃんを紹介して下さった理由…私、わかった気がします」
桃太郎「うむ、キモオタに協力しようという思いは拙者等だけではなかったのだな」
ラプンツェル「あっ!でもお腹すいたからきび団子は欲しいかも」ニコニコ
桃太郎「うむ、ラプンツェルもまた共に闘う戦友なのだ……やらぬ理由はあるまい」フフッ
91 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:54:42 ID:We4
馬車の運転手「王妃様、もうそろそろ街へ到着いたします。御準備を」
シンデレラ「あ、はいっ……では、準備をしましょうか……」
ラプンツェル「お話してたらすぐだねー、じゃあ忘れ物しないように準備しよっとー。桃太郎もそのキラキラした武器忘れないようにね」モチャモチャ
桃太郎「問題無い…拙者の荷物といえばこの愛刀・鬼屠りくらいのものだからな」
シンデレラ「桃太郎さん、ラプちゃん。街に着く前にお願いしたい事があります」クイッ
ラプンツェル「あれ?シンデレラ眼鏡なんかかけてどーしたの?そーいえばママもたまに眼鏡かけるよ、それとおんなじ?老眼鏡?」
シンデレラ「ち、違いますよ!これは度の入っていないダテ眼鏡です、変装用の眼鏡で老眼鏡じゃないですよ!?」
桃太郎「シンデレラは王妃という立場、民衆の前に易々と姿を出す事は好ましくないのであろう」
シンデレラ「それも理由の一つですけど……二人とも私のおとぎ話知ってますよね?」
ラプンツェル「うん!イジワルなお母さん達にいじめられてたシンデレラが魔法使いに手伝ってもらって王子様と結婚する話!ガラスでできた靴とか舞踏会で恋しちゃうとかすっごくロマンチックだよぉー」ニコニコ
桃太郎「それが……どうかしたというのか?」
シンデレラ「私が国王…王子様と結婚してめでたしめでたし。で、お話は終わってますけど……実は最近困ったことになってしまって……」
ラプンツェル「困った事?なになに?私がお手伝いできる事なら手伝うよ?」
シンデレラ「他の国にまでウワサが広まりすぎてしまったんですよ……『平民でありながら王子と結婚して王妃になった娘』のウワサが……」
92 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:56:57 ID:We4
シンデレラ「この国の王妃シンデレラは平民の出でありながら、舞踏会で王子様に見染められて王妃となった……このウワサが余所の国まで広がりすぎてしまって……」
シンデレラ「『この国に住む平民の女性は王子の目に止まるほど器量良しだ』みたいに伝わってるようで、余所の貴族や王族がお忍びで結婚相手を探しに来ているみたいなんです」
ラプンツェル「…?でもお客さんがいっぱいだったら良い事じゃないの?賑やかなのは良い事だよ!」
シンデレラ「確かに…来訪者が増えて国の経済は上向きなんですけど……今度はその婚約者探しの貴族達がこの国に来ているというウワサを聞きつけた女性の観光客も多く来てしまってですね……」
桃太郎「二匹目のどじょうを狙っているのだな、シンデレラが平民でありながら王族になれた…その成功を真似て、自分も玉の輿に乗ろうという娘が多く訪れているという事か」
シンデレラ「そうなんです、私は玉の輿に乗りたくて王子様と結婚したわけじゃないんですけど……」
ラプンツェル「そんな風に思われるのは嫌だねー、私もおーじと結婚したらそんな風にいわれるのかなー?」
シンデレラ「それはまだ耐えられますけど、その女性達の間で私はなんだか伝説と化してるみたいで……この間も国王と街の視察に出かけた時にその女性達に囲まれてしまって、もう大きな騒ぎになってしまって」
桃太郎「目の前に王族との結婚という大きな成功を収めた人物が居る、あやかりたいという気持ちはわからんでもないが……」
シンデレラ「どうやって王子様に気にいられたのかとか、ドレスはどこで仕立てたのか、靴のサイズは幾つだとか質問攻めにあってしまって…」
シンデレラ「何故か『シンデレラのガラスの靴に触れると結婚できる』なんていうおまじないみたいなのも流行っているみたいで……挙句にシンデレラストーリーなんていう言葉まで作られてしまう始末でもう、私は変装なしでは街に出られないんですよ……」
ラプンツェル「触ると結婚できるんだぁ、へーっ……ガラスの靴ってそんな魔法もあるんだねぇー」ニコニコ
桃太郎「いや、無いだろう…。あまりの奇跡的な出来事に周囲が盛り上がりすぎているだけだ…拙者にも似た経験がある、桃太郎に撫でてもらうと強い子供に育つと都の母親の間でウワサになってしまってな……あの時は大変だった」
93 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:01:02 ID:We4
シンデレラ「ですから……街では私の事を大きな声で呼ばないようにしてほしいんです、大騒ぎになってしまうので。特に……ラプちゃん、お願いね?」
ラプンツェル「まかせてよ!私、絶対に大きい声でよんだりしないよ!安心してね、シンデレラ!」フンス
シンデレラ(大丈夫かな……)
桃太郎「偽名を使うというのは…?変装して居るのならば、偽名さえ使えば気づかれる事もそうそうあるまい」
シンデレラ「あっ、いいですね!それなら以前裸王様に付けてもらったシンディという偽名で……」
ラプンツェル「えーっ?シンデレラとシンディ似てるからきっとばれちゃうよ?他のにしようよー」
シンデレラ「他の…?例えばどんな?」
ラプンツェル「んーとね、シンデレラって名前は『灰かぶり』っていう意味なんだよね?」
桃太郎「確か……姉に付けられた別称だったと思うが……」
シンデレラ「ええ、元はお姉様にイジワルで付けられた名前ですけど……今は嫌いじゃないです、私は『灰かぶり』だったから今の自分があるんです」ニコッ
ラプンツェル「じゃあこうしよう!私の世界の言葉では『灰かぶり』の事をシンデレラって言わないんだよ、私の世界では『灰かぶり』の事はね……」
ラプンツェル「『アシェンプテル』っていうんだよ!だからシンデレラの偽名もそれにしたらいいよ!」ニコニコ
ラプンツェル「『灰かぶり』だけど『灰かぶり』じゃない、もうひとつのシンデレラの名前にしよ!」ニコニコ
94 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:03:23 ID:We4
シンデレラ「別の世界の言葉ならわかる人もいないし……いいかもしれないですね」
ラプンツェル「でしょ?シンディよりかっこよくてかわいいよ!」
桃太郎「拙者も良いと思う。それに偽名とはいえ、名前は神聖なものだ……適当に決めるよりはずっと良い」
シンデレラ「神聖な…ですか?」
桃太郎「うむ、拙者の世界には名前を言い当てられるとその力を失う鬼が存在したという言い伝えもある。確か……鬼六という名前だったか」
ラプンツェル「あっ、私も昔ママに聞いた事があるかも!名前を当てられたら魔法が解けちゃうおはなし!でもあのおはなしの名前何だっけ……?忘れちゃった!」ケラケラ
シンデレラ「全然別の世界なのに似たような言い伝えがあるんですね…」
桃太郎「それだけ名前というものは神聖視されているということであろう、それに名前が違うだけで印象もずいぶんと変わるものだ」
ラプンツェル「うん!シンデレラだと優しくて良い子のイメージだけど、アシェンプテルはなんか悪い子のイメージ!同じ『灰かぶり』って意味なのに不思議だね」ニコニコ
シンデレラ「悪い子のイメージの名前を友達に付けるってどうなのラプちゃん…」ズーン
ラプンツェル「大丈夫だよ!シンデレラが悪い子になっちゃっても私達が良い子に戻してあげるから!」ニコニコ
馬車の運転手「皆さん、到着しましたよ。さぁ、足元をお気をつけて」
ラプンツェル「わーい!じゃあ私が一番乗りー!」
シンデレラ「桃太郎さん…やっぱり私、ラプちゃんに嫌われてるんじゃ……悪い子になる前提って……」ズーン
桃太郎「案ずるな、おそらく悪気はないのであろう……」
95 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:05:09 ID:We4
シンデレラの世界 城下町
ザワザワ ザワザワ
ラプンツェル「わーっ!いろんなお店がいーっぱいある!あっ!今一番おしゃれな髪飾りだって!」タッタッター
シンデレラ「ラプちゃん!一人で走って行っちゃはぐれちゃいます!」
ラプンツェル「平気だよー!もしはぐれちゃっても私の髪の毛目立つから大丈夫ー!」ニコニコ
シンデレラ「もう…ラプちゃんは目をキラキラさせて子供みたいですね」フフッ
桃太郎「しかし、本当に女性が多いなこの街は……仮にシンデレラの存在がバレて騒ぎになったとして…これだけの人数に囲まれては確かに身動きが取れぬ……」
シンデレラ「はい。でも今日は変装もしてますし、ラプちゃんが考えてくれた偽名だってあります。目立たないようにしておけば見つからないはずです」ウフフ
桃太郎「確かにそうだが……しかしラプンツェルは少々天真爛漫が過ぎる、うっかり口にする可能性も無くは無いだろう。あまり離れないようにした方がいいのではないか?」
シンデレラ「いくらなんでもあれだけ言って偽名まで考えたんですから、流石に私の名前を呼ぶなんてミスしませんよ」ウフフ
ラプンツェル「おーいっ!あっちに美味しそうな食べ物売ってるよー!早く行こうよ!桃太郎ー!シンデレラー!」ニコニコ
シンデレラ「ラプちゃん!?なんで私の名前呼んじゃうんですか!?」ガーンッ
ラプンツェル「えっ?だってシンデレラはシンデレラ……あっ!言っちゃダメなんだった!」アセアセ
ザワザワ ザワザワ
桃太郎「……ラプンツェルの前では素の拙者を見せぬように気をつけた方がよさそうだ。いや、そんなことをいっている場合ではないな」ボソッ
96 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:06:44 ID:We4
「今シンデレラって聞こえたけど!?まさかこの街に!?」
「私達、婚活女子にとっては伝説の存在である王妃様に会えるなんて感激!」
「良い時に街に来たわね、王妃様に玉の輿に乗る秘訣を教えてもらわなくっちゃ!」
「うおおぉぉ!王妃様のガラスの靴に触れば私も玉の輿だあああぁぁぁ!!よっしゃああああ!!」
「シンデレラ王妃を探せぇぇぇ!!」
ザワザワ ザワザワ
ラプンツェル「ち、違うよ!間違えちゃっただけだから!この娘はシンデレラじゃないからね!?みんなー!この娘はシンデレラじゃないよ!だから人違いだよー!」アセアセ
シンデレラ「ラプちゃん!?な、なんでそんな目立つ事しちゃうんですか!」ガーン
ザワザワ ザワザワ
桃太郎「悪意が無いという事は時として悪意に満ちている事よりも恐ろしいのだな……」
「うおぉぉぉ!あの子シンデレラって呼んでたわよ!あの人が王妃様よ!きっと!」
「シンデレラ王妃ぃぃぃ!私に王族のイケメン紹介してくださいぃぃ!!」
「ずるいわよ!シンデレラ王妃!私にも、私も玉の輿に乗せてください!」
「やっぱり決め手はガラスの靴ですか!?履くならピンヒールがいいんですかね?ガラスの靴でうまいこと踏みつければ私も女王に…!」
「王妃様を捕まえろー!いろいろ聞きだすのよ!」
ドドドドド
シンデレラ「あわわ……」ガクガク
桃太郎「この人数……刀を使うわけにいかぬとなると難しいが……やむを得ん、友を守るため。桃太郎推して参る!」キリッ
97 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:08:31 ID:We4
「あーっ!あっちの路地の方にガラスの靴を履いた王妃様が凄い速さで走って行ったよー!」
「本当でござるなwwwあのガラスの靴に煌びやかなドレスwwwあれは間違いなく王妃様でござるなwww」
「なんですって!?あっちに王妃様が!?この娘がシンデレラ王妃なんじゃないの!?」
「確かによく見たら綺麗っちゃ綺麗だけど眼鏡だし洋服もそんな豪華じゃないし…まさかニセモノ!?」
「あの髪の毛長い子に騙されたって訳!?なんて人騒がせなうそつき娘かしら!キィィー!」
ラプンツェル「あーっ!うそつきって言った!私、嘘なんてついてないんだかr」モガモガ
シンデレラ(もう!ラプちゃんはちょっと黙っていてください!)ギューッ
「速く追いかけないと見失っちゃうよ!みんなあっちの路地だよ!急いで急いで!王妃に追い付けなくなっちゃう!」
「おそらくwww見事追い付けば王族のイケメンを紹介してもらえるのではwww」コポォ
「なんですって!?うおおおぉぉ!私が先だああぁぁ!!」
「させるかぁ!王妃待てぇー!逃がさないわよぉおおぉ!!」
「クッ、流石に逃げ足がはやい!でも諦めない…!」
ドドドドド
シンデレラ「な、なんとか誤魔化せました……」ギュー
ラプンツェル「んーっ!んーっ!」モガモガ
桃太郎「あの者達の鬼の様な気迫……この街、第二の鬼ヶ島と言っても過言ではあるまい……」
ティンカーベル「過言だよ!でも正直、私もちょっと怖かった…なにあれ……」
キモオタ「というかwwwお主ら一体何をしているのですかなwww危険な気配を感じたのでとりあえずあの者達を撒きましたがなwww」デゥフ
98 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:10:18 ID:We4
街の隅 隠れ家系カフェ
ラプンツェル「シンデレラごめんね…?私、ちょっと間違えちゃった」テヘヘ
シンデレラ「良いんです、私も友達とのお出かけに舞い上がってしまって……ちょっと軽率でしたね」
キモオタ「王子殿と結婚してめでたしめでたし…という訳にはいかなかったでござるかwwwまぁwwwウワサなど一過性のものでござるよwwwじきに収まりますぞwww」コポォ
ティンカーベル「私はあの騒ぎもだけど桃太郎とラプンツェルがここに居ることにびっくりしたよー!」
キモオタ「とは言ってもwwwラプンツェル殿のヒントのおかげでシンデレラ殿と一緒に居るのは予想できましたがなwww」
ティンカーベル「桃太郎の刀…本当にキラキラになってるね!なんか現実世界の女子高生とかがスマホにやってるやつみたい!」
キモオタ「デコ刀とは斬新なwww」コポォ
桃太郎「この装飾はとある友人が施した物……その友人とはもう会えぬ故、彼女が確かに世界に存在したという証。そして侍の魂を易々と手渡してはいけないという拙者への戒めだ」
ティンカーベル「よくわかんないけど……なんで桃太郎とラプンツェルはここにいるの?」
ラプンツェル「二人と友達になるためだよー、それに桃太郎にはもうきび団子も貰ったよ」ニコニコ
ティンカーベル「友達になるため……?きび団子……?えっ、本当にどーゆうこと?」
キモオタ「きび団子wwwきび団子を食べたからには拙者の家来だwwwとか言ってラプンツェル殿にwwwあんなことやwwwこんなことをwww命じるわけですなwww」コポォ
桃太郎「拙者は日ノ本の男児、その様な不埒な真似はせぬ…!」
キモオタ「冗談ですぞwwwシンデレラ殿www説明お願いできますかなwww」コポォ
シンデレラ「はい、そんなに複雑な話でもないんですが…えっとですね」
・・・
99 :名無しさん@おーぷん :2015/07/05(日)23:11:56 ID:kSG
きたきたきたきた━━━(゚∀゚*)
100 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:12:23 ID:We4
シンデレラ「ラプちゃんのお母様、ゴーテルさんが魔法使いさんのお家にいらしてですね、そのときにラプちゃんと桃太郎さんと知りあったんです」
桃太郎「拙者はゴーテル殿に力を貸してほしいと言われ、この世界へ同行した」
ラプンツェル「それでね、ママは魔法使いと大事な話があるから私と桃太郎とシンデレラで街に見物に来たんだよ」ニコニコ
ティンカーベル「そういうことなんだね!でもさ、なんで桃太郎も?ラプンツェルはまだわかるけど」
キモオタ「この世界で戦うことになる訳でもないというのにwwwボディーガードとしては気張りすぎでござるしwww」コポォ
桃太郎「その件は先ほど、シンデレラとも話したのだがな…拙者の推測だがおそらくゴーテル殿の我らに対する計らいだ」
ティンカーベル「どーゆうこと?」
桃太郎「我々は近いうちにアリスと刃を交えることになる。だが次々とおとぎ話が消えていっては戦う事が出来る人物は限られてくる」
桃太郎「拙者等ならば…おとぎ話は完結している、それに全員キモオタとも友人同士。何かしらの戦う手段を持っているという点も戦う役割を担うにはあつらえ向きだ」
シンデレラ「桃太郎さんは歴戦の戦士ですし、私も魔法のガラスの靴のおかげで多少は力添え出来ます。それに……」
ラプンツェル「私も長い長い髪の毛いーっぱい振り回してみんなと一緒に戦うからね!」フンス
キモオタ「三人とも心強いですなwww」
101 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:14:22 ID:We4
桃太郎「だが、共闘とは個々の力で戦うものではない。仲間同士の連携がうまくいかねば逆に実力すら発揮できないのだ…いくら各々が特別な力を持っていても、いざ戦闘になった際誰がどの程度どんな事が出来るのか…」
桃太郎「どういった戦局が苦手で、逆に最大限に力を発揮できるのはどういったあいての時か…それをお互いに理解していなければ難しい」
ティンカーベル「実際に戦うって段階で、ねぇねぇ君はなにができるの?なんて言ってる暇ないしねー」
桃太郎「そうだ、そしてお互いを理解するには共に行動をするしかない」
桃太郎「戦闘とは一見無関係な日常での会話、何気ないやり取りや、何という事のない生活を共にすることでお互いを理解し絆を深めあう……これこそが共闘を成功させる為に大切な事だ」
桃太郎「ゴーテル殿はそれをわかっていて拙者等が親睦を深められるように街の見物を提案したのだろう」
ラプンツェル「ママは私達の事を思って街の見物を勧めてくれたんだね!やっぱり私のママはすごい魔女だよ!」
シンデレラ「ゴーテルさんは優しいうえにそんなところにも気がきく素敵な方なんですね」フフッ
ラプンツェル「えへへー、凄いでしょ?私のママだからね!」ドヤァ
キモオタ「……しかし」
ティンカーベル「……うん、なんていうか」
桃太郎「どうした?何か解せぬ事でもあるのか…?」
キモオタ「こういうのも何なんでござるが…ゴーテル殿の真意はそこでは無いのでは……」
102 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:18:39 ID:We4
ティンカーベル「うん、私も違うと思う…」
桃太郎「あくまで拙者の推測、とはいえおそらく真実だと思うのだが…ならば二人が考えるゴーテル殿の真意とは?」
ティンカーベル「えっとね…多分だけど…ゴーテルは……」
キモオタ「ラプンツェル殿に友達を作ってあげたいだけでは……?」
一同「……」
シンデレラ「うふふっ、ティンクちゃんもキモオタさんもそんな冗談ばかりですね」クスクス
ティンカーベル「いや、冗談とかじゃなくてさシンデレラ……ゴーテルはそういう魔女だよ?」
桃太郎「フフッ、面白い冗談だが…シンデレラの言うとおりだ、何を言うかと思えば…それだけの為に我々を引き合わせたなど…フフッ、そんな魔女が居るわけないであろう」フフッ
キモオタ「二人はゴーテル殿の事そんなに知らないからそんな事を言えるんですぞwww」
桃太郎「しかしあまり失礼な事を言うのはよくないぞキモオタよ、ゴーテル殿の実力は本物だ。そのようなふざけた真似はせぬだろう」
キモオタ「まぁwww実際に聞いてみれば良いだけでござるがwwwどちらにしろ魔法使い殿に用事がありますのでwww」コポォ
ラプンツェル「じゃあさ!その前にしっかりと街で遊んでからにしよ!ママも街の見物しなさいって言ってくれたんだから遊ばなきゃもったいないよ」ニコニコ
シンデレラ「そうですね、ではもう少し念入りに変装をして…それから街を案内しますね」ニコッ
ラプンツェル「わーい!私ね、髪飾りのお店行きたいー!」ウキウキ
103 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:23:39 ID:We4
今日はここまでです
このssでは桃太郎ラプンツェルシンデレラはほぼ同い年、同年代です
なんとか素に戻らず済んだ様子の桃太郎
ヘンゼルとグレーテル。とある消滅したおとぎ話編 次回に続きます
104 :名無しさん@おーぷん :2015/07/05(日)23:34:20 ID:kSG
乙!
闘いも良いけどこういう方向の話大好きだ
シンデレラの世界 街へと向かう馬車
パカラパカラッ ガタゴト
ラプンツェル「ねーねー、おじさん!街に付くまであとどれくらい時間かかるかなー?」ヒョコ
馬車の運転手「そうですねー…この調子なら二十分もあれば着きますよ」
ラプンツェル「そうなんだ!楽しみだなー…この世界にはどんな面白いものがあるのかなー?見た事が無いものいっぱいあるかなー?」ワクワク
シンデレラ「駄目ですよラプちゃん、馬車が動いている時は座っていないと危ないから。怪我しちゃったら大変ですよ?」
ラプンツェル「そうだった!馬車に乗る時言われてたのに忘れてたよー、馬車の中では大人しくしてないと危ないんだったよね」ストンッ
シンデレラ「そうですよ、馬車は急に揺れたりする事もあるから……さぁ、座席に座って到着するまでお話ししながら待ちまsy」
ラプンツェル「うわーっ!二人とも見て見て!あんなに遠くに見えるのにすっごく立派なお城!ねぇねぇ、あれがシンデレラの住んでるお城?」バッ
シンデレラ「ええ、国王と一緒に。でもこうして改めて見るとあの立派な城に自分が住んでいるなんて少し実感わかないなぁ……確かラプちゃんは塔に住んでr」
ラプンツェル「ねぇねぇシンデレラ!あっちにある大きな水たまりって海だよね!本で読んだことあるよ!海の水は塩っ辛い水なんだよね?」ウキウキ
シンデレラ「あれは海じゃなくて湖だね。少し街から離れているけれどこの辺りでも特に大きな湖だから観光目的の旅人で賑わっt」
ラプンツェル「あっ!向こう側からも馬車が来たよ!おーい!こーんにーちわー!あっ!手振り返してくれたよ!」ブンブン
シンデレラ「桃太郎さん……私、ラプちゃんに嫌われているのでしょうか……最後まで話聞いてもらえないんですけど……」ズーン
桃太郎「気に病む必要などあるまい…拙者ですら見慣れぬ西洋文化に心躍っているのだ、外界と隔絶された塔で生活していたラプンツェルが様々な物に興味を持つ事は詮無き事」
87 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:49:11 ID:We4
シンデレラ「確かに初めて見る世界というのはワクワクしてしまいますもんね…私も初めてお城に行った時そうだったなぁ…」
桃太郎「ゴーテル殿の話ではラプンツェルが塔の外に出たのはほんの何日か前。見る物感じる物すべてが新鮮なのだろう…少々羽目を外すくらい温かい目で見てやってもよいだろう」
シンデレラ「もちろん、ラプちゃんが楽しいなら私は良いんですけど…嫌われちゃったと思って心配しちゃいました」フフッ
桃太郎「嫌われるような事などしていないだろう…何故、そこまで気にするのか…?」
シンデレラ「えっと…恥ずかしながら私、同年代の女の子の友達って居なかったんです」エヘヘ
シンデレラ「お義母様やお姉様と暮らしている時は朝から晩まで家事に追われていて、同年代の女の子みたいにお洒落したり遊びに行ったりできなかったから…」
桃太郎「ふむ……故にラプンツェルはお主にとっては初めての同年代の友人というわけか」
シンデレラ「そうなんです。もちろんティンクちゃんやマッチ売りちゃん、赤ずきんちゃんもお友達ですけど…私にとっては妹みたいな感じなので、どちらかというとしっかりしたお姉さんしなくちゃって気持ちになっちゃうんです」フフッ
シンデレラ「だからゴーテルさんにラプちゃんを紹介された時は嬉しかったなぁ…やっと私にも一緒にお洒落したりお出かけしたりできる女の子の友達ができるんだって!そんな風に思ったら笑顔が隠せなくなっちゃいました」ウフフ
桃太郎「ふむ、ゴーテル殿がわざわざ拙者の世界に出向きこの世界へ案内した事…拙者をラプンツェルやシンデレラと引き合わせた事……その目的は察しが付くが……」
桃太郎「その本来の目的はさておき……こうして新たな出会いへ導いたくれた事、ゴーテル殿には感謝せねばなるまい」
シンデレラ「はい!もちろん、桃太郎さんとお友達になれた事も私はすごく嬉しいですよ」ニコッ
桃太郎「それは拙者とて同じ事、お主と状況は違うが……鍛錬や修行漬けであった拙者も似たようなものだ、おそらくはラプンツェルもな」
シンデレラ「それじゃあ私達は友達少ない仲間ですね」ニコッ
桃太郎「事実とはいえその呼び名はもう少し何とかならぬのか?」フフッ
88 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:50:23 ID:We4
シンデレラ「それにしても…何故なんでしょうか?」
桃太郎「何故、とは…?」
シンデレラ「魔女のゴーテルさんが娘のラプちゃんと別世界の桃太郎さんを連れて私達の世界へ来た理由です」
シンデレラ「今朝、魔法使いさんから「客人が来る、その者がお前にも用事があるようだ」と連絡があって…今日は特に重要な予定もなかったので向かってみるとそこには桃太郎さんとラプちゃんが居て…」
桃太郎「うむ、拙者も突然目の前のゴーテル殿が現れてな……事情を聴いた所キモオタ達の知り合いだという。信用できるようなので話を聞いてみたところ、力を貸してほしいと言うので着いて来た次第」
シンデレラ「でも少し一緒にお茶をしたらゴーテルさんは魔法使いさんと大事な話があるとかで……込み入った話だからその間に桃太郎さんとラプちゃんを街に案内して欲しいと言われて…」
桃太郎「こうして今、馬車なるものに揺られて街を目指しているわけだったな…」
シンデレラ「私は楽しいんですけど…ゴーテルさんは何故桃太郎さんや私も呼んだんでしょうか?魔法使いさんに用事なら一人で行くでしょうし……」
桃太郎「ゴーテル殿が拙者等を引き合わせた理由か。おそらくだが……拙者とシンデレラ、ラプンツェルの三人で街へ見物に行くことこそが真の目的ではなかろうか?」
シンデレラ「私達が街へ行く事がゴーテルさんの目的…?それってどういう事でしょうか?」
桃太郎「うむ、我らはアリスとの戦いを控えている。故に……」
ラプンツェル「ねぇねぇ桃太郎!桃太郎!」ニコニコ
桃太郎「うむ、どうした?景色を眺めていたのではなかったのか?」
ラプンツェル「あのね、桃太郎ってお菓子好きで有名なんだよね?日ノ本一のお菓子大好き桃太郎って呼ばれてるんでしょ?」ニコニコ
桃太郎「正しくは日ノ本一の侍だ。…何故そのような誤った情報が伝わっているのだ、拙者は甘味好きとして名を馳せた訳ではないのだが…」
89 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:51:54 ID:We4
ラプンツェル「えーっ?だって桃太郎は鬼っていう凄くおっきくて強い種族を退治する為に鬼ヶ島に行ったんでしょ?」
桃太郎「正しくは『悪鬼』だ、鬼の全てが悪ではないのだからな。だがしかし、悪鬼征伐の為鬼ヶ島へ上陸した事は事実」
ラプンツェル「ママに【桃太郎】のお話聞いたけど、その鬼退治って他の人がいっぱい挑戦したけど失敗したんだよね?」
桃太郎「左様、そして都に悪鬼が攻め入り…人々が困り果てたため拙者に白羽の矢が立ったのだ」
ラプンツェル「それって命懸けのすっごく大事な戦いだったんだよね?」
桃太郎「うむ、その通りだ」
ラプンツェル「でもその命懸けの戦いのときでも、桃太郎はいつでもお菓子が食べられるように腰につけてたんだよね?」
桃太郎「いや待て、ラプンツェル」
ラプンツェル「これから大事な戦いだよ!って時におやつの心配してるなんてすっごいお菓子好きだよね、でも私もお菓子好きだからその気持ちわかるよ!」ニコニコ
桃太郎「きび団子の事を言っているのだろうが……これはその様な意図で常に持ち歩いているわけではない、拙者のきび団子は空腹を満たす為だけのものに非ず」
ラプンツェル「そうなの?なーんだ、桃太郎はお菓子大好きじゃないんだー」
シンデレラ「すいません。私も桃太郎さんってすごくお菓子好きな方だと思って、美味しいお菓子屋さん案内するつもりでした……」
桃太郎「ちょ……お主らの拙者への印象どうなってるの……」
90 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:53:25 ID:We4
ラプンツェル「でも持ってるのは持ってるんでしょ?桃太郎桃太郎、お腰に付けたきび団子いっこ私にちょーだい!」ニコニコ
桃太郎「うむ、きび団子か。あるにはあるが…」
ラプンツェル「ホントはね、みんなで食べようと思ってお菓子作って来たんだけど魔法使いの家に忘れてきちゃったんだぁ。そんでね、ちょっとお腹すいたなーって思ったんだけど、桃太郎ならお菓子持ってるかなーって」ニコニコ
桃太郎「すまぬが、このきび団子はただの菓子ではないのだ。共に強敵へと立ち向かう仲間同士がその勝利を祈願し、契りとして口にする物だ」
ラプンツェル「契りって約束の事だよね?きび団子で約束するの?」
桃太郎「今の拙者等ならば強敵とはアリスになるな…数々の魔法具を使い優位に立つアリスを止める事はおそらく至難の業。しかし、拙者等は必ずそれを成し遂げねばならない。その勝利の祈願と共闘の誓いとしてきび団子を食べるのだ。その覚悟が、お主にあるか?」
ラプンツェル「うん、あるよ!だからちょーだい!」ニコニコ
シンデレラ「即答するようなものじゃないと思うよラプちゃん…?」
ラプンツェル「んー…でもね、ママが言ってたよ?アリスやドロシーは悪い事しててー…それを止める為に桃太郎やシンデレラはキモオタ達と一緒に戦うんでしょ?」
桃太郎「左様、奴らがおとぎ話を消して周っている事は聞いた。悪鬼以上の悪行…見過ごすわけにはいかぬ」
ラプンツェル「だったら私だって戦うよ!私には桃太郎みたいに強くないし、シンデレラみたいに速く走ったり跳ね上がったりできないけど、この長い長い髪の毛があるからね!」フンス
ラプンツェル「悪い奴を縛りあげたりとかー、引っ張ったりとか高いところに登ったりとかいろいろできるから私も戦えるよ!だからきび団子とか関係無くて、私は最初っからみんなと一緒に戦うつもりだよ」ニコニコ
シンデレラ「そっか…桃太郎さん、ゴーテルさんが私達にラプちゃんを紹介して下さった理由…私、わかった気がします」
桃太郎「うむ、キモオタに協力しようという思いは拙者等だけではなかったのだな」
ラプンツェル「あっ!でもお腹すいたからきび団子は欲しいかも」ニコニコ
桃太郎「うむ、ラプンツェルもまた共に闘う戦友なのだ……やらぬ理由はあるまい」フフッ
馬車の運転手「王妃様、もうそろそろ街へ到着いたします。御準備を」
シンデレラ「あ、はいっ……では、準備をしましょうか……」
ラプンツェル「お話してたらすぐだねー、じゃあ忘れ物しないように準備しよっとー。桃太郎もそのキラキラした武器忘れないようにね」モチャモチャ
桃太郎「問題無い…拙者の荷物といえばこの愛刀・鬼屠りくらいのものだからな」
シンデレラ「桃太郎さん、ラプちゃん。街に着く前にお願いしたい事があります」クイッ
ラプンツェル「あれ?シンデレラ眼鏡なんかかけてどーしたの?そーいえばママもたまに眼鏡かけるよ、それとおんなじ?老眼鏡?」
シンデレラ「ち、違いますよ!これは度の入っていないダテ眼鏡です、変装用の眼鏡で老眼鏡じゃないですよ!?」
桃太郎「シンデレラは王妃という立場、民衆の前に易々と姿を出す事は好ましくないのであろう」
シンデレラ「それも理由の一つですけど……二人とも私のおとぎ話知ってますよね?」
ラプンツェル「うん!イジワルなお母さん達にいじめられてたシンデレラが魔法使いに手伝ってもらって王子様と結婚する話!ガラスでできた靴とか舞踏会で恋しちゃうとかすっごくロマンチックだよぉー」ニコニコ
桃太郎「それが……どうかしたというのか?」
シンデレラ「私が国王…王子様と結婚してめでたしめでたし。で、お話は終わってますけど……実は最近困ったことになってしまって……」
ラプンツェル「困った事?なになに?私がお手伝いできる事なら手伝うよ?」
シンデレラ「他の国にまでウワサが広まりすぎてしまったんですよ……『平民でありながら王子と結婚して王妃になった娘』のウワサが……」
92 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)22:56:57 ID:We4
シンデレラ「この国の王妃シンデレラは平民の出でありながら、舞踏会で王子様に見染められて王妃となった……このウワサが余所の国まで広がりすぎてしまって……」
シンデレラ「『この国に住む平民の女性は王子の目に止まるほど器量良しだ』みたいに伝わってるようで、余所の貴族や王族がお忍びで結婚相手を探しに来ているみたいなんです」
ラプンツェル「…?でもお客さんがいっぱいだったら良い事じゃないの?賑やかなのは良い事だよ!」
シンデレラ「確かに…来訪者が増えて国の経済は上向きなんですけど……今度はその婚約者探しの貴族達がこの国に来ているというウワサを聞きつけた女性の観光客も多く来てしまってですね……」
桃太郎「二匹目のどじょうを狙っているのだな、シンデレラが平民でありながら王族になれた…その成功を真似て、自分も玉の輿に乗ろうという娘が多く訪れているという事か」
シンデレラ「そうなんです、私は玉の輿に乗りたくて王子様と結婚したわけじゃないんですけど……」
ラプンツェル「そんな風に思われるのは嫌だねー、私もおーじと結婚したらそんな風にいわれるのかなー?」
シンデレラ「それはまだ耐えられますけど、その女性達の間で私はなんだか伝説と化してるみたいで……この間も国王と街の視察に出かけた時にその女性達に囲まれてしまって、もう大きな騒ぎになってしまって」
桃太郎「目の前に王族との結婚という大きな成功を収めた人物が居る、あやかりたいという気持ちはわからんでもないが……」
シンデレラ「どうやって王子様に気にいられたのかとか、ドレスはどこで仕立てたのか、靴のサイズは幾つだとか質問攻めにあってしまって…」
シンデレラ「何故か『シンデレラのガラスの靴に触れると結婚できる』なんていうおまじないみたいなのも流行っているみたいで……挙句にシンデレラストーリーなんていう言葉まで作られてしまう始末でもう、私は変装なしでは街に出られないんですよ……」
ラプンツェル「触ると結婚できるんだぁ、へーっ……ガラスの靴ってそんな魔法もあるんだねぇー」ニコニコ
桃太郎「いや、無いだろう…。あまりの奇跡的な出来事に周囲が盛り上がりすぎているだけだ…拙者にも似た経験がある、桃太郎に撫でてもらうと強い子供に育つと都の母親の間でウワサになってしまってな……あの時は大変だった」
93 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:01:02 ID:We4
シンデレラ「ですから……街では私の事を大きな声で呼ばないようにしてほしいんです、大騒ぎになってしまうので。特に……ラプちゃん、お願いね?」
ラプンツェル「まかせてよ!私、絶対に大きい声でよんだりしないよ!安心してね、シンデレラ!」フンス
シンデレラ(大丈夫かな……)
桃太郎「偽名を使うというのは…?変装して居るのならば、偽名さえ使えば気づかれる事もそうそうあるまい」
シンデレラ「あっ、いいですね!それなら以前裸王様に付けてもらったシンディという偽名で……」
ラプンツェル「えーっ?シンデレラとシンディ似てるからきっとばれちゃうよ?他のにしようよー」
シンデレラ「他の…?例えばどんな?」
ラプンツェル「んーとね、シンデレラって名前は『灰かぶり』っていう意味なんだよね?」
桃太郎「確か……姉に付けられた別称だったと思うが……」
シンデレラ「ええ、元はお姉様にイジワルで付けられた名前ですけど……今は嫌いじゃないです、私は『灰かぶり』だったから今の自分があるんです」ニコッ
ラプンツェル「じゃあこうしよう!私の世界の言葉では『灰かぶり』の事をシンデレラって言わないんだよ、私の世界では『灰かぶり』の事はね……」
ラプンツェル「『アシェンプテル』っていうんだよ!だからシンデレラの偽名もそれにしたらいいよ!」ニコニコ
ラプンツェル「『灰かぶり』だけど『灰かぶり』じゃない、もうひとつのシンデレラの名前にしよ!」ニコニコ
94 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:03:23 ID:We4
シンデレラ「別の世界の言葉ならわかる人もいないし……いいかもしれないですね」
ラプンツェル「でしょ?シンディよりかっこよくてかわいいよ!」
桃太郎「拙者も良いと思う。それに偽名とはいえ、名前は神聖なものだ……適当に決めるよりはずっと良い」
シンデレラ「神聖な…ですか?」
桃太郎「うむ、拙者の世界には名前を言い当てられるとその力を失う鬼が存在したという言い伝えもある。確か……鬼六という名前だったか」
ラプンツェル「あっ、私も昔ママに聞いた事があるかも!名前を当てられたら魔法が解けちゃうおはなし!でもあのおはなしの名前何だっけ……?忘れちゃった!」ケラケラ
シンデレラ「全然別の世界なのに似たような言い伝えがあるんですね…」
桃太郎「それだけ名前というものは神聖視されているということであろう、それに名前が違うだけで印象もずいぶんと変わるものだ」
ラプンツェル「うん!シンデレラだと優しくて良い子のイメージだけど、アシェンプテルはなんか悪い子のイメージ!同じ『灰かぶり』って意味なのに不思議だね」ニコニコ
シンデレラ「悪い子のイメージの名前を友達に付けるってどうなのラプちゃん…」ズーン
ラプンツェル「大丈夫だよ!シンデレラが悪い子になっちゃっても私達が良い子に戻してあげるから!」ニコニコ
馬車の運転手「皆さん、到着しましたよ。さぁ、足元をお気をつけて」
ラプンツェル「わーい!じゃあ私が一番乗りー!」
シンデレラ「桃太郎さん…やっぱり私、ラプちゃんに嫌われてるんじゃ……悪い子になる前提って……」ズーン
桃太郎「案ずるな、おそらく悪気はないのであろう……」
95 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:05:09 ID:We4
シンデレラの世界 城下町
ザワザワ ザワザワ
ラプンツェル「わーっ!いろんなお店がいーっぱいある!あっ!今一番おしゃれな髪飾りだって!」タッタッター
シンデレラ「ラプちゃん!一人で走って行っちゃはぐれちゃいます!」
ラプンツェル「平気だよー!もしはぐれちゃっても私の髪の毛目立つから大丈夫ー!」ニコニコ
シンデレラ「もう…ラプちゃんは目をキラキラさせて子供みたいですね」フフッ
桃太郎「しかし、本当に女性が多いなこの街は……仮にシンデレラの存在がバレて騒ぎになったとして…これだけの人数に囲まれては確かに身動きが取れぬ……」
シンデレラ「はい。でも今日は変装もしてますし、ラプちゃんが考えてくれた偽名だってあります。目立たないようにしておけば見つからないはずです」ウフフ
桃太郎「確かにそうだが……しかしラプンツェルは少々天真爛漫が過ぎる、うっかり口にする可能性も無くは無いだろう。あまり離れないようにした方がいいのではないか?」
シンデレラ「いくらなんでもあれだけ言って偽名まで考えたんですから、流石に私の名前を呼ぶなんてミスしませんよ」ウフフ
ラプンツェル「おーいっ!あっちに美味しそうな食べ物売ってるよー!早く行こうよ!桃太郎ー!シンデレラー!」ニコニコ
シンデレラ「ラプちゃん!?なんで私の名前呼んじゃうんですか!?」ガーンッ
ラプンツェル「えっ?だってシンデレラはシンデレラ……あっ!言っちゃダメなんだった!」アセアセ
ザワザワ ザワザワ
桃太郎「……ラプンツェルの前では素の拙者を見せぬように気をつけた方がよさそうだ。いや、そんなことをいっている場合ではないな」ボソッ
96 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:06:44 ID:We4
「今シンデレラって聞こえたけど!?まさかこの街に!?」
「私達、婚活女子にとっては伝説の存在である王妃様に会えるなんて感激!」
「良い時に街に来たわね、王妃様に玉の輿に乗る秘訣を教えてもらわなくっちゃ!」
「うおおぉぉ!王妃様のガラスの靴に触れば私も玉の輿だあああぁぁぁ!!よっしゃああああ!!」
「シンデレラ王妃を探せぇぇぇ!!」
ザワザワ ザワザワ
ラプンツェル「ち、違うよ!間違えちゃっただけだから!この娘はシンデレラじゃないからね!?みんなー!この娘はシンデレラじゃないよ!だから人違いだよー!」アセアセ
シンデレラ「ラプちゃん!?な、なんでそんな目立つ事しちゃうんですか!」ガーン
ザワザワ ザワザワ
桃太郎「悪意が無いという事は時として悪意に満ちている事よりも恐ろしいのだな……」
「うおぉぉぉ!あの子シンデレラって呼んでたわよ!あの人が王妃様よ!きっと!」
「シンデレラ王妃ぃぃぃ!私に王族のイケメン紹介してくださいぃぃ!!」
「ずるいわよ!シンデレラ王妃!私にも、私も玉の輿に乗せてください!」
「やっぱり決め手はガラスの靴ですか!?履くならピンヒールがいいんですかね?ガラスの靴でうまいこと踏みつければ私も女王に…!」
「王妃様を捕まえろー!いろいろ聞きだすのよ!」
ドドドドド
シンデレラ「あわわ……」ガクガク
桃太郎「この人数……刀を使うわけにいかぬとなると難しいが……やむを得ん、友を守るため。桃太郎推して参る!」キリッ
97 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:08:31 ID:We4
「あーっ!あっちの路地の方にガラスの靴を履いた王妃様が凄い速さで走って行ったよー!」
「本当でござるなwwwあのガラスの靴に煌びやかなドレスwwwあれは間違いなく王妃様でござるなwww」
「なんですって!?あっちに王妃様が!?この娘がシンデレラ王妃なんじゃないの!?」
「確かによく見たら綺麗っちゃ綺麗だけど眼鏡だし洋服もそんな豪華じゃないし…まさかニセモノ!?」
「あの髪の毛長い子に騙されたって訳!?なんて人騒がせなうそつき娘かしら!キィィー!」
ラプンツェル「あーっ!うそつきって言った!私、嘘なんてついてないんだかr」モガモガ
シンデレラ(もう!ラプちゃんはちょっと黙っていてください!)ギューッ
「速く追いかけないと見失っちゃうよ!みんなあっちの路地だよ!急いで急いで!王妃に追い付けなくなっちゃう!」
「おそらくwww見事追い付けば王族のイケメンを紹介してもらえるのではwww」コポォ
「なんですって!?うおおおぉぉ!私が先だああぁぁ!!」
「させるかぁ!王妃待てぇー!逃がさないわよぉおおぉ!!」
「クッ、流石に逃げ足がはやい!でも諦めない…!」
ドドドドド
シンデレラ「な、なんとか誤魔化せました……」ギュー
ラプンツェル「んーっ!んーっ!」モガモガ
桃太郎「あの者達の鬼の様な気迫……この街、第二の鬼ヶ島と言っても過言ではあるまい……」
ティンカーベル「過言だよ!でも正直、私もちょっと怖かった…なにあれ……」
キモオタ「というかwwwお主ら一体何をしているのですかなwww危険な気配を感じたのでとりあえずあの者達を撒きましたがなwww」デゥフ
98 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:10:18 ID:We4
街の隅 隠れ家系カフェ
ラプンツェル「シンデレラごめんね…?私、ちょっと間違えちゃった」テヘヘ
シンデレラ「良いんです、私も友達とのお出かけに舞い上がってしまって……ちょっと軽率でしたね」
キモオタ「王子殿と結婚してめでたしめでたし…という訳にはいかなかったでござるかwwwまぁwwwウワサなど一過性のものでござるよwwwじきに収まりますぞwww」コポォ
ティンカーベル「私はあの騒ぎもだけど桃太郎とラプンツェルがここに居ることにびっくりしたよー!」
キモオタ「とは言ってもwwwラプンツェル殿のヒントのおかげでシンデレラ殿と一緒に居るのは予想できましたがなwww」
ティンカーベル「桃太郎の刀…本当にキラキラになってるね!なんか現実世界の女子高生とかがスマホにやってるやつみたい!」
キモオタ「デコ刀とは斬新なwww」コポォ
桃太郎「この装飾はとある友人が施した物……その友人とはもう会えぬ故、彼女が確かに世界に存在したという証。そして侍の魂を易々と手渡してはいけないという拙者への戒めだ」
ティンカーベル「よくわかんないけど……なんで桃太郎とラプンツェルはここにいるの?」
ラプンツェル「二人と友達になるためだよー、それに桃太郎にはもうきび団子も貰ったよ」ニコニコ
ティンカーベル「友達になるため……?きび団子……?えっ、本当にどーゆうこと?」
キモオタ「きび団子wwwきび団子を食べたからには拙者の家来だwwwとか言ってラプンツェル殿にwwwあんなことやwwwこんなことをwww命じるわけですなwww」コポォ
桃太郎「拙者は日ノ本の男児、その様な不埒な真似はせぬ…!」
キモオタ「冗談ですぞwwwシンデレラ殿www説明お願いできますかなwww」コポォ
シンデレラ「はい、そんなに複雑な話でもないんですが…えっとですね」
・・・
99 :名無しさん@おーぷん :2015/07/05(日)23:11:56 ID:kSG
きたきたきたきた━━━(゚∀゚*)
100 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:12:23 ID:We4
シンデレラ「ラプちゃんのお母様、ゴーテルさんが魔法使いさんのお家にいらしてですね、そのときにラプちゃんと桃太郎さんと知りあったんです」
桃太郎「拙者はゴーテル殿に力を貸してほしいと言われ、この世界へ同行した」
ラプンツェル「それでね、ママは魔法使いと大事な話があるから私と桃太郎とシンデレラで街に見物に来たんだよ」ニコニコ
ティンカーベル「そういうことなんだね!でもさ、なんで桃太郎も?ラプンツェルはまだわかるけど」
キモオタ「この世界で戦うことになる訳でもないというのにwwwボディーガードとしては気張りすぎでござるしwww」コポォ
桃太郎「その件は先ほど、シンデレラとも話したのだがな…拙者の推測だがおそらくゴーテル殿の我らに対する計らいだ」
ティンカーベル「どーゆうこと?」
桃太郎「我々は近いうちにアリスと刃を交えることになる。だが次々とおとぎ話が消えていっては戦う事が出来る人物は限られてくる」
桃太郎「拙者等ならば…おとぎ話は完結している、それに全員キモオタとも友人同士。何かしらの戦う手段を持っているという点も戦う役割を担うにはあつらえ向きだ」
シンデレラ「桃太郎さんは歴戦の戦士ですし、私も魔法のガラスの靴のおかげで多少は力添え出来ます。それに……」
ラプンツェル「私も長い長い髪の毛いーっぱい振り回してみんなと一緒に戦うからね!」フンス
キモオタ「三人とも心強いですなwww」
101 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:14:22 ID:We4
桃太郎「だが、共闘とは個々の力で戦うものではない。仲間同士の連携がうまくいかねば逆に実力すら発揮できないのだ…いくら各々が特別な力を持っていても、いざ戦闘になった際誰がどの程度どんな事が出来るのか…」
桃太郎「どういった戦局が苦手で、逆に最大限に力を発揮できるのはどういったあいての時か…それをお互いに理解していなければ難しい」
ティンカーベル「実際に戦うって段階で、ねぇねぇ君はなにができるの?なんて言ってる暇ないしねー」
桃太郎「そうだ、そしてお互いを理解するには共に行動をするしかない」
桃太郎「戦闘とは一見無関係な日常での会話、何気ないやり取りや、何という事のない生活を共にすることでお互いを理解し絆を深めあう……これこそが共闘を成功させる為に大切な事だ」
桃太郎「ゴーテル殿はそれをわかっていて拙者等が親睦を深められるように街の見物を提案したのだろう」
ラプンツェル「ママは私達の事を思って街の見物を勧めてくれたんだね!やっぱり私のママはすごい魔女だよ!」
シンデレラ「ゴーテルさんは優しいうえにそんなところにも気がきく素敵な方なんですね」フフッ
ラプンツェル「えへへー、凄いでしょ?私のママだからね!」ドヤァ
キモオタ「……しかし」
ティンカーベル「……うん、なんていうか」
桃太郎「どうした?何か解せぬ事でもあるのか…?」
キモオタ「こういうのも何なんでござるが…ゴーテル殿の真意はそこでは無いのでは……」
102 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:18:39 ID:We4
ティンカーベル「うん、私も違うと思う…」
桃太郎「あくまで拙者の推測、とはいえおそらく真実だと思うのだが…ならば二人が考えるゴーテル殿の真意とは?」
ティンカーベル「えっとね…多分だけど…ゴーテルは……」
キモオタ「ラプンツェル殿に友達を作ってあげたいだけでは……?」
一同「……」
シンデレラ「うふふっ、ティンクちゃんもキモオタさんもそんな冗談ばかりですね」クスクス
ティンカーベル「いや、冗談とかじゃなくてさシンデレラ……ゴーテルはそういう魔女だよ?」
桃太郎「フフッ、面白い冗談だが…シンデレラの言うとおりだ、何を言うかと思えば…それだけの為に我々を引き合わせたなど…フフッ、そんな魔女が居るわけないであろう」フフッ
キモオタ「二人はゴーテル殿の事そんなに知らないからそんな事を言えるんですぞwww」
桃太郎「しかしあまり失礼な事を言うのはよくないぞキモオタよ、ゴーテル殿の実力は本物だ。そのようなふざけた真似はせぬだろう」
キモオタ「まぁwww実際に聞いてみれば良いだけでござるがwwwどちらにしろ魔法使い殿に用事がありますのでwww」コポォ
ラプンツェル「じゃあさ!その前にしっかりと街で遊んでからにしよ!ママも街の見物しなさいって言ってくれたんだから遊ばなきゃもったいないよ」ニコニコ
シンデレラ「そうですね、ではもう少し念入りに変装をして…それから街を案内しますね」ニコッ
ラプンツェル「わーい!私ね、髪飾りのお店行きたいー!」ウキウキ
103 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/07/05(日)23:23:39 ID:We4
今日はここまでです
このssでは桃太郎ラプンツェルシンデレラはほぼ同い年、同年代です
なんとか素に戻らず済んだ様子の桃太郎
ヘンゼルとグレーテル。とある消滅したおとぎ話編 次回に続きます
104 :名無しさん@おーぷん :2015/07/05(日)23:34:20 ID:kSG
乙!
闘いも良いけどこういう方向の話大好きだ
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 ヘンゼルとグレーテル編
Part1 Part2 Part3 Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 >>Part26
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