ディオ「君はジョナサン・ジョースターだね?」
Part4
78 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:15:01.21 ID:Ua85GgGZ0
スピードワゴン「『誰だ?』って聞きたそうな表情してるんで、自己紹介させてもらうがよ」
スピードワゴン「おれぁ、おせっかい焼きのスピードワゴン!」
スピードワゴン「ロンドンの貧民街からブランドーさんが心配なんでくっついて来た!」
スピードワゴン「ブランドーさん! 甘ちゃんのあんたが好きだからひとつ教えてやるぜ!」
スピードワゴン「おれぁ生まれてからずっと暗黒街で生き、いろんな悪党を見て来た」
スピードワゴン「だから悪い人間といい人間の区別は『におい』で分かる!」
スピードワゴン「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーッ!!」
スピードワゴン「こんな悪には出会ったことがねえほどになァーーーーッ」
スピードワゴン「傲慢さが自分を悪人にしただと? ちがうねッ!!」
スピードワゴン「こいつは性根からずぶずぶの悪ってヤツだッ!」
スピードワゴン「ジョースターさん、早えとこ警察に渡しちまいな!」
79 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:25:04.71 ID:Ua85GgGZ0
スピードワゴン「こいつの顔に見おぼえがあるだろッ!!」グイン
ワンチェン「……」
ディオ「ジョジョ、この東洋人が君に毒薬を売った証言をとってある」
ジョージ「話はすべて聞いたよ」
ジョナサン「父さん!」
ジョージ「ジョジョ残念で……ならない…お前にはたくさんの愛情と期待をそそいだつもりだったが…」
ジョナサン「すでにここまでとりかこまれていたとはな……もう、おしまいか…」
ジョナサン「父さん、今日ぼくが逮捕されるって事は、みなが知っているのですか?」
ジョージ「いや、使用人たちにはいっとらんよ…………息子がつかまる姿はみせたくない……」
ジョージ「ここにいる者たちだけだ」
ジョナサン「そうですか……」ニヤリ
ジョナサン「ディオ、逮捕されるよ……だが最後に一つ頼みをきいてくれないか?」
ジョナサン「母の形見の石仮面を君に受けとってほしいんだ……」
スピードワゴン「ブランドーさん、気をつけなせえ…」
ディオ「わかった…受けとろう!」
80 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:35:05.95 ID:Ua85GgGZ0
ジョナサン「ディオ、人間ってのは能力に限界があるなあ」
ディオ「?」
ジョナサン「おれが短い人生で学んだことは…………」
ジョナサン「人間は策を弄すれば弄するほど、予期せぬ壁にぶつかり策が崩れさるってことだ!」
ジョナサン「壁をぶちやぶるには、人間を超えた力が必要になってくる…………」
ディオ「なんのことだ? なにを言っているッ!」クワッ
ジョナサン「おまえが人間をやめるって事だ! ディオーーッ!!」
警部「仮面をディオ・ジョースターに押し付けたッ!!」
ディオ「こ……これは石仮面!!」
スピードワゴン「なんでもいいからヤツをブランドーさんから離すんだッーーッ」
ジョナサン「光栄に思え! おれの血でおまえは人間を超越するッ!!」ベットリ
ファゴオォ
警官A「はっ!? ……光がっ!?」
スピードワゴン「こ…この光はいったいなんだァ!?」
81 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:45:09.73 ID:Ua85GgGZ0
警部「い、いったい何がおこったんだ……」
警官B「見ろ! ディオ・ジョースターが倒れているッ」
ジョージ「ディオ……!」
スピードワゴン「ジョナサン・ジョースター! 一体どこまで腐りきってやがるんだァ!!」
ジョナサン「落ち着けよ、おれはただディオに『仮面』をかぶせただけだ」
ジョナサン「捕まる腹いせにちょいとばかし転ばしちまったかもしれんが、他に何もしちゃいないさ」
警部「おい、確認を急げ」
警官B「はい!」
警部「ジョナサン・ジョースター、これ以上抵抗するようなら貴様をこの場で射殺する!」
ジョナサン「心配しなくても今更抵抗はしないし、お前たちに危害を加えたりもしない」
ジョナサン「『おれは』な」
警官B「生きています! ディオ・ジョースターは生きています!」
ジョージ「…」ホッ
ディオ「……」ムクッ
スピードワゴン「…………まて、様子が、ブランドーさんの様子が変だ!!」
警官B「大丈夫ですか? 転んだひょうしに頭などうってませんか?」
ディオ「……」ググ...
スピードワゴン「警察のあんちゃん、彼から離れろーッ!!」
ドパァ ブシーーッ
82 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:55:04.34 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「…………UREEYYY」
ジョージ「ディオ……」
スピードワゴン「な……なんだこいつはァーーッ、本当にブランドーさんなのかぁッ!?」
ジョナサン「……くくく」
スピードワゴン「てめぇ、何がおかしいィ!」
ジョナサン「あのお人よしが自ら警官を殺している…これが笑わずにいられるか」
スピードワゴン「黙れ! 彼はあんな事をする人じゃなかった…さっきの仮面が原因としか思えねぇぜ!」
ジョナサン「おれはプレゼントしただけさ…人を超えた力を……素晴らしき石仮面の力をなぁッ!!」
スピードワゴン「石仮面の力だとぉ!?」
ジョナサン「せいぜい気を付けることだ…おれは何人かにあの石仮面を試したが…」
ジョナサン「仮面の力を得たものは例外なく飢えに負け狂暴化するッ!」
警官C「うっ、うわあああーっ!!」ドオーーン
ビス バゴッ
スピードワゴン「なんてこったッ、ブランドーさんが…………い、生きている! 頭を撃たれたのに……」
スピードワゴン「おれにはわからねえ……今…なにが起こっているのか、さっぱりわからねえ」
ジョナサン「いいぞ、もっとだ…もっと欲望を解放するんだディオォ!」
ディオ「……渇くんだ」
ディオ「自分でもよくわからない…が…………渇いて渇いて仕方がないんだ」
83 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:05:26.42 ID:Ua85GgGZ0
警部「ぎゃああああ」ドス ドス
ディオ「UUURRRRYYYY!!」ズギュン ズギュン
スピードワゴン「ひ…ひょっとして、人間の中の精気を吸いとっているのか!?」
スピードワゴン「ブランドーさんは人間じゃあないのか? な、何者になってしまったんだ!?」
警官A・C・D・E「うああああああああ」バッ
ディオ「フン」ブオン
警官A・C・D・E「ぎぃああーーっ!!」ドバァ
スピードワゴン「なんてこった……一瞬で警官どもがバラバラにふっ飛ばされちまったぁ……」
スピードワゴン「おれは! 今までの人生で世界各国を放浪しいろんな物を見て来たッ!」
スピードワゴン「だが、こんな化け物はみたこともねえッ!!」
スピードワゴン「頭を拳銃で撃っても死なねえッ! 人間をグチャグチャにする力を持った魔物はよオッ!」
ジョージ「魔物なんかではないさ」
スピードワゴン「に……逃げろッ、ジョースターの旦那!」
スピードワゴン「今のブランドーさんはあんたの息子じゃねえッ! ただの化け物だ!!」
ジョージ「それは違う…どんな姿になってもあの子はディオだ……ディオ・ジョースターだ」
ジョージ「わたしの息子だ」
84 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:15:13.42 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「KUWAAAA」ガオン
スピードワゴン「あぶなァーーい! 上から襲ってくるッ!」
グボア!
ジョナサン「やった!」
スピードワゴン「ジョースターの旦那ァーーッ!!」
ジョージ「ぐ……ディオ…おまえは誰よりもやさしい子だった…………」
ジョージ「こんな事になって一番つらいのはおまえ自身のはず…だ……だが、な…ディオ……」
ジョージ「だから…こそ…立ち上がるんだ……おまえは…誇りたかきジョースター家の男なのだから」
ディオ「お…とう……さ…ん」
スピードワゴン「あの顔は! さっきまでの飢えた野獣のような顔ではないッ!」
スピードワゴン「父親との会話によって、彼本来のやすらぎの顔をとりもどしたんだ!」
ディオ「お父さん……やっと元気をとりもどしたばかりなのに……ぼくはなんてことを…………!!」
ジョージ「ディオ……」ニコリ
ジョージ「自分を…恨まないでやってくれ……わたしが悪かったのだ…………」
ジョージ「ジョジョの優秀さに甘え、しかるという事をしな…かった……」
ジョージ「それ…が、このような惨劇を…うむ結果になった…の…………だろう」
ディオ「お父さん」ウゥ
ジョージ「悪くないぞディオ…息子の腕の中で死んでいくと…………いう……のは」
ジョージ「」
スピードワゴン(おれは家族間の愛情なんて信じてないがよォ!)
スピードワゴン(この二人は違う……たとえ血のつながりはなくとも、最高の親子ってやつだぜ!)
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 07:24:14.85 ID:dIImgq26O
こうきたか
86 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:25:20.91 ID:Ua85GgGZ0
ジョナサン「別れはすんだか、ディオ」
ディオ「……ジョジョ!」キッ
ディオ「おまえのくだらない企みが今の状況を狙っていたのなら、予想以上の効果をあげたぞッ!」
ジョナサン「人のせいにするなよな……父さんを殺したのはおまえじゃないか」
ジョナサン「警官を殺したのもおまえだ」
ジョナサン「今日、ジョースター家でおこった全ての出来事の犯人はおまえなんだよ、ディオォ!」
ディオ「…………」
ディオ「たしかにこの惨状はぼくがおこしたことだ」
ディオ「ならば」
ディオ「全てぼくの手で終わらせよう! ジョジョ、おまえを葬るのに罪悪感なし!」
ジョナサン「できるものならやってみるがいい」
モゾモゾ
スピードワゴン「なんだぁ!? 死体がッ! ブランドーさんに精気を吸いとられた死体が生き返った!」
ガボオン
亡者「ガヴォ、ガヴォ~、血……あったけェ~~血ィィイイ!」
ジョナサン「だがな」ブン
亡者「ぐべェッ」グシャ
ジョナサン「おれはこいつらのように、なまっちょろくはないぞ」ニィ
87 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:35:04.91 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「KUWAAAAA!!」ギュオッ
ジョナサン「ムン!」ドン
グボァ!
スピードワゴン「なんてやつだッ……ブランドーさんの攻撃を串刺しにして止めやがった!!」
ディオ「今の攻撃を防いだのは、さすがのパワーだとほめてあげたいところだけど……」
ジョナサン「…………」ビシビシ ベシ ベキ
ディオ「無理をしているのはバレバレだぞ、ジョジョォォォ!」
グニア
ジョナサン「チっ」ガク
ディオ(それにしても、なんておぞましい力だ……自分でも自分の底がわからない……)
ディオ(だが、彼のあの落ち着きよう……明らかになにか策があるって感じだ)
ディオ(ジョジョは怪物になったぼくをどうやって始末するつもりなんだ?)クルッ
ディオ「あの一瞬でスピードワゴンを連れて隠れたか……けど」クン クン
ディオ「そこにいるのは分かっているぞ、カーテンの影なんかにいないで出てきなよ」
ディオ「ぼくたちはもう生きていていい存在ではない…お父さんのもとへ共にいこう」グッ
スピードワゴン「危ねぇ、ブランドーさん!!」
ボオッ
ディオ「UUOOoooooo!!」ゴオオァァ
ジョナサン「父さんのところへ行きたいなら、ひとりで行け」
88 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:45:05.62 ID:Ua85GgGZ0
バァリィ
ディオ「オウゥ! フアアアアアッ」ボッ
ジョナサン「やはりこの火では倒せないか…体を燃やしながらもつっ込んでくるッ!」
シュゴォ
ジョナサン「ぬおぉ」グィ
ディオ「くっ…スピードワゴンを盾に!」
スピードワゴン「ブランドーさぁぁん! かまうこたぁねぇッ、おれごとこいつをやっちまってくれぇぇぇ!!」
ディオ「……ッ」ギリリ
ジョナサン「やさしいやさしいおまえに、お友達を見捨てるなんてできるわけないよなぁディオォォォ」
ジョナサン「しょせん不死身の肉体を手に入れようと、きさまの精神は青二才のままッ!」
ジョナサン「貧弱! 貧弱ゥ!」
スピードワゴン(ジョナサン・ジョースター、こいつはなにを考えてんだ)
スピードワゴン(戦うでも逃げるでもない……まるで…まるで『時間をかせいでいる』かのような……)
ジョナサン「さぁ、上がって来るんだ! ディオ!!」ドン
ディオ「罠なのは百も承知……だが!」
ディオ「ジョジョ! 君を! 君のその野望を! 世の中に放つわけにはいかない!!」ババン
89 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:55:06.36 ID:Ua85GgGZ0
スピードワゴン「ジョナサン・ジョースターッ、おめぇ一体どういうつもりだ!」
スピードワゴン「なぜ、わざわざ脱出不可能な階上へ行くッ!?」
ジョナサン「教える義理はない」
ジョナサン「ディオを始末した後しっかりきさまも殺してやる! そこでおとなしくしていろ」バッ
ジョナサン「皆殺しだ! 館も全焼!! すべての証拠は残さんッ!!」
ジョナサン「残るのは『殺人犯ディオ・ジョースター』という事実のみよ!」
ゴゴオオオオォ
ジョナサン「さぁ、来いッ!!」
ビキビキ ゴバッ
ディオ「URRRRRRY!」メキャン
ジョナサン「ぐぅっ」バギ バギバギ
ディオ「肋の5~6本も折れたか……もうあきらめるんだジョジョ」
ジョナサン「……っ、……ハハ、フフフハフハフハ」
ディオ「なにがおかしい」
ジョナサン「きさまがノコノコきてくれたからだ、ディオぉ…」グッ
ジョナサン「時間だ…時間だけが問題だった……だが、もうその心配すらする必要がなくなった」
ジョナサン「おれがなぜ、上を目指したと思う! おれがなぜ、夜明け前に帰って来たと思う!」
ジョナサン「おれがなぜ、自分も殺されるかもしれないのにきさまを不死身の怪物にしたと思う!!」
ディオ「!!」
ジョナサン「青ざめたな…勘のいいきさまは悟ったようだな…そう……」
ジョナサン「その体の弱点は太陽だ」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 07:56:59.99 ID:wqEYdMTrO
面白い改変だな
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 07:59:51.39 ID:qYZbaVYR0
やってることほぼ一緒なのに立場が変わるとこうも変わるんだな
92 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 08:05:03.94 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「WOOOOOOOOOOOO!!」
ディオ「太陽の光が当たった部分からぼくの体がきえていくッ!」
ディオ「こ…この激痛! この熱さッ!!」
ジョナサン「フン! 逃れることはできん!」
ジョナサン「きさまはチェスや将棋でいう『詰み』にはまったのだッ!」
ディオ(あ…頭をうごかせ…光が、体を消し去ってしまっても…………下へ…落ちる…よう…に」
ゾバァ
ゴゴゴゴゴゴ
ジョナサン「ちっ、首から上は消しそびれたか……だがどのみち猛火の中では助からん」
スピードワゴン「そんなバカな…………」
スピードワゴン「ブ…ブランドーさん…」
スピードワゴン「そんなバーーー」ザシュ
ジョナサン「そういえばカスの掃除がまだだったな…よろこべ、ディオと同じ場所へおくってやろう」トン
スピードワゴン「ジョナサン・ジョースターああぁぁぁ……!!」
ブオオォォ
ドン
スピードワゴン「」
ーーーー「……」ザッ
93 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 08:08:08.18 ID:Ua85GgGZ0
今日はここまで
ジョナサン勝利ッ! 第1部完!
いえいえ、もうちょっとだけ続くんじゃ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 10:04:22.67 ID:J6kKtsTDO
なんという人間惨歌
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 10:13:12.49 ID:GkG9z7xuo
面白いぞ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 13:08:37.94 ID:b/qmTrhdo
乙
期待
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 13:17:17.99 ID:jlwdQsa4o
ジョジョの根底を蹴飛ばすような作品だな………ディオはディオらしさがまだあるけど……ジョナサンらしさはどこに消えてしまわれたのか
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 13:22:29.32 ID:klTUhMPwo
全く立場が入れ替わるわけじゃないのが最高に面白い
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 13:23:08.35 ID:b4nOlrg3o
これはこれで面白いな
罠にハメられて人間やめる羽目になってしまった主人公の復讐譚とかいい感じ
スピードワゴン「『誰だ?』って聞きたそうな表情してるんで、自己紹介させてもらうがよ」
スピードワゴン「おれぁ、おせっかい焼きのスピードワゴン!」
スピードワゴン「ロンドンの貧民街からブランドーさんが心配なんでくっついて来た!」
スピードワゴン「ブランドーさん! 甘ちゃんのあんたが好きだからひとつ教えてやるぜ!」
スピードワゴン「おれぁ生まれてからずっと暗黒街で生き、いろんな悪党を見て来た」
スピードワゴン「だから悪い人間といい人間の区別は『におい』で分かる!」
スピードワゴン「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーッ!!」
スピードワゴン「こんな悪には出会ったことがねえほどになァーーーーッ」
スピードワゴン「傲慢さが自分を悪人にしただと? ちがうねッ!!」
スピードワゴン「こいつは性根からずぶずぶの悪ってヤツだッ!」
スピードワゴン「ジョースターさん、早えとこ警察に渡しちまいな!」
79 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:25:04.71 ID:Ua85GgGZ0
スピードワゴン「こいつの顔に見おぼえがあるだろッ!!」グイン
ワンチェン「……」
ディオ「ジョジョ、この東洋人が君に毒薬を売った証言をとってある」
ジョージ「話はすべて聞いたよ」
ジョナサン「父さん!」
ジョージ「ジョジョ残念で……ならない…お前にはたくさんの愛情と期待をそそいだつもりだったが…」
ジョナサン「すでにここまでとりかこまれていたとはな……もう、おしまいか…」
ジョナサン「父さん、今日ぼくが逮捕されるって事は、みなが知っているのですか?」
ジョージ「いや、使用人たちにはいっとらんよ…………息子がつかまる姿はみせたくない……」
ジョージ「ここにいる者たちだけだ」
ジョナサン「そうですか……」ニヤリ
ジョナサン「ディオ、逮捕されるよ……だが最後に一つ頼みをきいてくれないか?」
ジョナサン「母の形見の石仮面を君に受けとってほしいんだ……」
スピードワゴン「ブランドーさん、気をつけなせえ…」
ディオ「わかった…受けとろう!」
80 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:35:05.95 ID:Ua85GgGZ0
ジョナサン「ディオ、人間ってのは能力に限界があるなあ」
ディオ「?」
ジョナサン「おれが短い人生で学んだことは…………」
ジョナサン「人間は策を弄すれば弄するほど、予期せぬ壁にぶつかり策が崩れさるってことだ!」
ジョナサン「壁をぶちやぶるには、人間を超えた力が必要になってくる…………」
ディオ「なんのことだ? なにを言っているッ!」クワッ
ジョナサン「おまえが人間をやめるって事だ! ディオーーッ!!」
警部「仮面をディオ・ジョースターに押し付けたッ!!」
ディオ「こ……これは石仮面!!」
スピードワゴン「なんでもいいからヤツをブランドーさんから離すんだッーーッ」
ジョナサン「光栄に思え! おれの血でおまえは人間を超越するッ!!」ベットリ
ファゴオォ
警官A「はっ!? ……光がっ!?」
スピードワゴン「こ…この光はいったいなんだァ!?」
81 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:45:09.73 ID:Ua85GgGZ0
警部「い、いったい何がおこったんだ……」
警官B「見ろ! ディオ・ジョースターが倒れているッ」
ジョージ「ディオ……!」
スピードワゴン「ジョナサン・ジョースター! 一体どこまで腐りきってやがるんだァ!!」
ジョナサン「落ち着けよ、おれはただディオに『仮面』をかぶせただけだ」
ジョナサン「捕まる腹いせにちょいとばかし転ばしちまったかもしれんが、他に何もしちゃいないさ」
警部「おい、確認を急げ」
警官B「はい!」
警部「ジョナサン・ジョースター、これ以上抵抗するようなら貴様をこの場で射殺する!」
ジョナサン「心配しなくても今更抵抗はしないし、お前たちに危害を加えたりもしない」
ジョナサン「『おれは』な」
警官B「生きています! ディオ・ジョースターは生きています!」
ジョージ「…」ホッ
ディオ「……」ムクッ
スピードワゴン「…………まて、様子が、ブランドーさんの様子が変だ!!」
警官B「大丈夫ですか? 転んだひょうしに頭などうってませんか?」
ディオ「……」ググ...
スピードワゴン「警察のあんちゃん、彼から離れろーッ!!」
ドパァ ブシーーッ
82 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:55:04.34 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「…………UREEYYY」
ジョージ「ディオ……」
スピードワゴン「な……なんだこいつはァーーッ、本当にブランドーさんなのかぁッ!?」
ジョナサン「……くくく」
スピードワゴン「てめぇ、何がおかしいィ!」
ジョナサン「あのお人よしが自ら警官を殺している…これが笑わずにいられるか」
スピードワゴン「黙れ! 彼はあんな事をする人じゃなかった…さっきの仮面が原因としか思えねぇぜ!」
ジョナサン「おれはプレゼントしただけさ…人を超えた力を……素晴らしき石仮面の力をなぁッ!!」
スピードワゴン「石仮面の力だとぉ!?」
ジョナサン「せいぜい気を付けることだ…おれは何人かにあの石仮面を試したが…」
ジョナサン「仮面の力を得たものは例外なく飢えに負け狂暴化するッ!」
警官C「うっ、うわあああーっ!!」ドオーーン
ビス バゴッ
スピードワゴン「なんてこったッ、ブランドーさんが…………い、生きている! 頭を撃たれたのに……」
スピードワゴン「おれにはわからねえ……今…なにが起こっているのか、さっぱりわからねえ」
ジョナサン「いいぞ、もっとだ…もっと欲望を解放するんだディオォ!」
ディオ「……渇くんだ」
ディオ「自分でもよくわからない…が…………渇いて渇いて仕方がないんだ」
警部「ぎゃああああ」ドス ドス
ディオ「UUURRRRYYYY!!」ズギュン ズギュン
スピードワゴン「ひ…ひょっとして、人間の中の精気を吸いとっているのか!?」
スピードワゴン「ブランドーさんは人間じゃあないのか? な、何者になってしまったんだ!?」
警官A・C・D・E「うああああああああ」バッ
ディオ「フン」ブオン
警官A・C・D・E「ぎぃああーーっ!!」ドバァ
スピードワゴン「なんてこった……一瞬で警官どもがバラバラにふっ飛ばされちまったぁ……」
スピードワゴン「おれは! 今までの人生で世界各国を放浪しいろんな物を見て来たッ!」
スピードワゴン「だが、こんな化け物はみたこともねえッ!!」
スピードワゴン「頭を拳銃で撃っても死なねえッ! 人間をグチャグチャにする力を持った魔物はよオッ!」
ジョージ「魔物なんかではないさ」
スピードワゴン「に……逃げろッ、ジョースターの旦那!」
スピードワゴン「今のブランドーさんはあんたの息子じゃねえッ! ただの化け物だ!!」
ジョージ「それは違う…どんな姿になってもあの子はディオだ……ディオ・ジョースターだ」
ジョージ「わたしの息子だ」
84 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:15:13.42 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「KUWAAAA」ガオン
スピードワゴン「あぶなァーーい! 上から襲ってくるッ!」
グボア!
ジョナサン「やった!」
スピードワゴン「ジョースターの旦那ァーーッ!!」
ジョージ「ぐ……ディオ…おまえは誰よりもやさしい子だった…………」
ジョージ「こんな事になって一番つらいのはおまえ自身のはず…だ……だが、な…ディオ……」
ジョージ「だから…こそ…立ち上がるんだ……おまえは…誇りたかきジョースター家の男なのだから」
ディオ「お…とう……さ…ん」
スピードワゴン「あの顔は! さっきまでの飢えた野獣のような顔ではないッ!」
スピードワゴン「父親との会話によって、彼本来のやすらぎの顔をとりもどしたんだ!」
ディオ「お父さん……やっと元気をとりもどしたばかりなのに……ぼくはなんてことを…………!!」
ジョージ「ディオ……」ニコリ
ジョージ「自分を…恨まないでやってくれ……わたしが悪かったのだ…………」
ジョージ「ジョジョの優秀さに甘え、しかるという事をしな…かった……」
ジョージ「それ…が、このような惨劇を…うむ結果になった…の…………だろう」
ディオ「お父さん」ウゥ
ジョージ「悪くないぞディオ…息子の腕の中で死んでいくと…………いう……のは」
ジョージ「」
スピードワゴン(おれは家族間の愛情なんて信じてないがよォ!)
スピードワゴン(この二人は違う……たとえ血のつながりはなくとも、最高の親子ってやつだぜ!)
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 07:24:14.85 ID:dIImgq26O
こうきたか
86 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:25:20.91 ID:Ua85GgGZ0
ジョナサン「別れはすんだか、ディオ」
ディオ「……ジョジョ!」キッ
ディオ「おまえのくだらない企みが今の状況を狙っていたのなら、予想以上の効果をあげたぞッ!」
ジョナサン「人のせいにするなよな……父さんを殺したのはおまえじゃないか」
ジョナサン「警官を殺したのもおまえだ」
ジョナサン「今日、ジョースター家でおこった全ての出来事の犯人はおまえなんだよ、ディオォ!」
ディオ「…………」
ディオ「たしかにこの惨状はぼくがおこしたことだ」
ディオ「ならば」
ディオ「全てぼくの手で終わらせよう! ジョジョ、おまえを葬るのに罪悪感なし!」
ジョナサン「できるものならやってみるがいい」
モゾモゾ
スピードワゴン「なんだぁ!? 死体がッ! ブランドーさんに精気を吸いとられた死体が生き返った!」
ガボオン
亡者「ガヴォ、ガヴォ~、血……あったけェ~~血ィィイイ!」
ジョナサン「だがな」ブン
亡者「ぐべェッ」グシャ
ジョナサン「おれはこいつらのように、なまっちょろくはないぞ」ニィ
87 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:35:04.91 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「KUWAAAAA!!」ギュオッ
ジョナサン「ムン!」ドン
グボァ!
スピードワゴン「なんてやつだッ……ブランドーさんの攻撃を串刺しにして止めやがった!!」
ディオ「今の攻撃を防いだのは、さすがのパワーだとほめてあげたいところだけど……」
ジョナサン「…………」ビシビシ ベシ ベキ
ディオ「無理をしているのはバレバレだぞ、ジョジョォォォ!」
グニア
ジョナサン「チっ」ガク
ディオ(それにしても、なんておぞましい力だ……自分でも自分の底がわからない……)
ディオ(だが、彼のあの落ち着きよう……明らかになにか策があるって感じだ)
ディオ(ジョジョは怪物になったぼくをどうやって始末するつもりなんだ?)クルッ
ディオ「あの一瞬でスピードワゴンを連れて隠れたか……けど」クン クン
ディオ「そこにいるのは分かっているぞ、カーテンの影なんかにいないで出てきなよ」
ディオ「ぼくたちはもう生きていていい存在ではない…お父さんのもとへ共にいこう」グッ
スピードワゴン「危ねぇ、ブランドーさん!!」
ボオッ
ディオ「UUOOoooooo!!」ゴオオァァ
ジョナサン「父さんのところへ行きたいなら、ひとりで行け」
88 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:45:05.62 ID:Ua85GgGZ0
バァリィ
ディオ「オウゥ! フアアアアアッ」ボッ
ジョナサン「やはりこの火では倒せないか…体を燃やしながらもつっ込んでくるッ!」
シュゴォ
ジョナサン「ぬおぉ」グィ
ディオ「くっ…スピードワゴンを盾に!」
スピードワゴン「ブランドーさぁぁん! かまうこたぁねぇッ、おれごとこいつをやっちまってくれぇぇぇ!!」
ディオ「……ッ」ギリリ
ジョナサン「やさしいやさしいおまえに、お友達を見捨てるなんてできるわけないよなぁディオォォォ」
ジョナサン「しょせん不死身の肉体を手に入れようと、きさまの精神は青二才のままッ!」
ジョナサン「貧弱! 貧弱ゥ!」
スピードワゴン(ジョナサン・ジョースター、こいつはなにを考えてんだ)
スピードワゴン(戦うでも逃げるでもない……まるで…まるで『時間をかせいでいる』かのような……)
ジョナサン「さぁ、上がって来るんだ! ディオ!!」ドン
ディオ「罠なのは百も承知……だが!」
ディオ「ジョジョ! 君を! 君のその野望を! 世の中に放つわけにはいかない!!」ババン
89 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 07:55:06.36 ID:Ua85GgGZ0
スピードワゴン「ジョナサン・ジョースターッ、おめぇ一体どういうつもりだ!」
スピードワゴン「なぜ、わざわざ脱出不可能な階上へ行くッ!?」
ジョナサン「教える義理はない」
ジョナサン「ディオを始末した後しっかりきさまも殺してやる! そこでおとなしくしていろ」バッ
ジョナサン「皆殺しだ! 館も全焼!! すべての証拠は残さんッ!!」
ジョナサン「残るのは『殺人犯ディオ・ジョースター』という事実のみよ!」
ゴゴオオオオォ
ジョナサン「さぁ、来いッ!!」
ビキビキ ゴバッ
ディオ「URRRRRRY!」メキャン
ジョナサン「ぐぅっ」バギ バギバギ
ディオ「肋の5~6本も折れたか……もうあきらめるんだジョジョ」
ジョナサン「……っ、……ハハ、フフフハフハフハ」
ディオ「なにがおかしい」
ジョナサン「きさまがノコノコきてくれたからだ、ディオぉ…」グッ
ジョナサン「時間だ…時間だけが問題だった……だが、もうその心配すらする必要がなくなった」
ジョナサン「おれがなぜ、上を目指したと思う! おれがなぜ、夜明け前に帰って来たと思う!」
ジョナサン「おれがなぜ、自分も殺されるかもしれないのにきさまを不死身の怪物にしたと思う!!」
ディオ「!!」
ジョナサン「青ざめたな…勘のいいきさまは悟ったようだな…そう……」
ジョナサン「その体の弱点は太陽だ」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 07:56:59.99 ID:wqEYdMTrO
面白い改変だな
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 07:59:51.39 ID:qYZbaVYR0
やってることほぼ一緒なのに立場が変わるとこうも変わるんだな
92 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 08:05:03.94 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「WOOOOOOOOOOOO!!」
ディオ「太陽の光が当たった部分からぼくの体がきえていくッ!」
ディオ「こ…この激痛! この熱さッ!!」
ジョナサン「フン! 逃れることはできん!」
ジョナサン「きさまはチェスや将棋でいう『詰み』にはまったのだッ!」
ディオ(あ…頭をうごかせ…光が、体を消し去ってしまっても…………下へ…落ちる…よう…に」
ゾバァ
ゴゴゴゴゴゴ
ジョナサン「ちっ、首から上は消しそびれたか……だがどのみち猛火の中では助からん」
スピードワゴン「そんなバカな…………」
スピードワゴン「ブ…ブランドーさん…」
スピードワゴン「そんなバーーー」ザシュ
ジョナサン「そういえばカスの掃除がまだだったな…よろこべ、ディオと同じ場所へおくってやろう」トン
スピードワゴン「ジョナサン・ジョースターああぁぁぁ……!!」
ブオオォォ
ドン
スピードワゴン「」
ーーーー「……」ザッ
93 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 08:08:08.18 ID:Ua85GgGZ0
今日はここまで
ジョナサン勝利ッ! 第1部完!
いえいえ、もうちょっとだけ続くんじゃ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 10:04:22.67 ID:J6kKtsTDO
なんという人間惨歌
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 10:13:12.49 ID:GkG9z7xuo
面白いぞ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 13:08:37.94 ID:b/qmTrhdo
乙
期待
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 13:17:17.99 ID:jlwdQsa4o
ジョジョの根底を蹴飛ばすような作品だな………ディオはディオらしさがまだあるけど……ジョナサンらしさはどこに消えてしまわれたのか
全く立場が入れ替わるわけじゃないのが最高に面白い
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 13:23:08.35 ID:b4nOlrg3o
これはこれで面白いな
罠にハメられて人間やめる羽目になってしまった主人公の復讐譚とかいい感じ
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