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男「異世界来た」

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Part8
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/13(水) 23:14:29.57 ID:LgDxkNDkO
波「アタシもはじめはお兄さんみたいに異世界から来たーなんて周りに言ってたけどさ、どうも口下手でなかなか信じてもらえなくて」
波「めんどくさくなっちゃって記憶混濁ってことにしちゃった。なはは」
波「んで、波岩っていう岩の近くで見つかったらしいから『波』って名乗ってんの。ホントの名前はもっとかわいーよ」
男「随分テキトーだな」
ゼブラ「お前以上かもな」
波「ひどいなぁ」
男「単刀直入に聞くが、元の世界に帰る方法…知らないか」
波「わかってりゃさっさと帰ってるよ」
ゼブラ「まあ普通そうなるよな」

177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/14(木) 00:27:58.84 ID:1lLvKfBPO
男「今から波岩に調査に行くけど、アンタも来る?」
波「無駄だと思うけどねぇ…案内もいるだろうし、着いてくよ」
ゼブラ「……」
波岩
波「ここが波岩さ」
男「鬼の洗濯板みたいだな。あれは水に浸かってるけど」
波「あら、お兄さん宮崎なの」
男「いや東京だけど」
波「なぁーんだ」
男「波さんは宮崎?」
波「いやアタシ福岡だけどね」
男「宮崎関係ない」
ゼブラ「(私に分からない話を……)」ジトーッ

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/14(木) 00:59:50.05 ID:1lLvKfBPO
波「でもお兄さん気をつけなよ?この辺はとんでもない怪物が出るとかで街の人も近づきたがらないんだってさ」
男「先に言えよそれ」
ゼブラ「周りを警戒するに越したことはない」
ガッ
男「!?」
ゼブラ「何だ今のは?」
男「……波さんどこ行った」
ゼブラ「おい!あそこに!」
男「波さん!おい!しっかりしろ!」
波「……」
ゼブラ「ひどい怪我だ…気も失ってるようだ」
男「……」
ゼブラ「おい!空にいるあれは何だ……!?とてつもない大きさだぞ!」
男「……!どうやらそう簡単に帰してくれる気はないらしいな」

179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/14(木) 05:46:31.64 ID:Tcz4Hj/3o
この異世界に来るやつ、みんなユニークやね

180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/14(木) 11:59:23.08 ID:NBkONAfS0
そういうやつを選んで転移させてるのかもしれない


181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/14(木) 17:22:51.19 ID:8FIrJV5AO
確認方法ウケる

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/14(木) 20:45:43.34 ID:4hSDClwAO
地味に男からは初だよな

183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/07/14(木) 23:44:03.87 ID:8PkAZMyS0
男「(ありゃ多分タカとかワシとか、そういう類の鳥……猛禽類だな)」
男「(……そういえば鳥はこの世界で初めて見たな)」
ゼブラ「男!男!何だあの黒い生き物は!?」
男「何?お前見たことないのか?」
ゼブラ「あんな化物見たことも聞いたこともないぞ!」
男「(どういうことだ?この世界には鳥は存在しないのか?だとすると…)」
ゼブラ「来るぞ!」
男「うおっ!あっぶねぇ!バーカ!ホークスもイーグルスも負けろオラァー!」
ゼブラ「男!波を抱えたまま逃げるのはお前の貧弱な体力的に長くは出来ないぞ!」
男「なんでちょっとディスるんだ!確かにそうだよ!そこの岩穴に置いてくる!」
ゼブラ「それが得策だと思うぞ!」

184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 00:18:03.72 ID:I6niIeKXO
男「あっこの穴結構広い。お前も来いよ!一旦隠れるぞ!」
ゼブラ「わかった!」
男「うっわー…ずっと飛んでやがる。どうにかしてあいつを撒かないと波さんが危ない」
ゼブラ「怪我も医者に診せないと私たちではどうにも…」
ゼブラ「男、あの巨大な生き物?は何だ」
男「あれは鳥っつって、虫やら小動物やらこの場合では俺たちみたいなのが大好物の生き物だ」
ゼブラ「お前の世界すごいな」
男「体長だと50mくらいあんじゃねぇか?」
ゼブラ「翼など100mをゆうに超えているぞすごいなお前の世界」
男「あんなウルトラ怪獣並のでかさじゃないけどな」

185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 01:22:48.22 ID:ccBvDrOG0
ゼブラ「で、どうする」
男「ちょっと作戦組んでみた」
ゼブラ「おお!」
男「まず俺が鳥の方へダッシュする」シュル
ゼブラ「ふむふむ」
男「そしてお前が波さんを連れて街へ戻る」シュルシュル
ゼブラ「ふむふむ」
男「以上だ」グッグッ
ゼブラ「バカだろお前」
ゼブラ「何!?手足が縛られてる!」
男「お前も大概だな」
男「じゃ、あとは任せた」
ゼブラ「待て、こんな最後認めないぞ!」
男「当て身」ドッ
ゼブラ「痛っ」
男「あ、気絶しなかった…まぁいいや。また会おうぜ」ザッ
ゼブラ「待て!男!男ォー!」

186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 01:36:34.52 ID:ccBvDrOG0
男「俺はここだあああああああああ!!!!」
鳥「!」バサーッ
男「来たな化け物サイズ。ウルトラマンの案件だろこれ」
男「速っ!」パッ
鳥「……」ガッ
男「(……鳥を見たこともないというゼブラの発言、あの鳥は俺の世界から連れてきたものを何らかの力で巨大化させたもの、そしてこの執念深さ、おそらく近くにその使役者…鷹匠みたいないて、命令しているはず)」
男「(それは異世界について嗅ぎ回るやつを排除するための存在……?それとも、ただの殺戮好きの変態……?)」
男「どちらにせよ、使役者を探してモードュラのぼうの一撃をお見舞いしないと気がすまん」

187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 01:48:54.38 ID:ccBvDrOG0
おじさん「あれ、何してんのキミ」
男「あっ?誰?」
鳥「!」バサッ
男「あ、やべっ」
おじさん「な、何だありゃあ!!」
男「あーおじさん思い出した。荒野の村にいた人ね」タタタ
おじさん「そうだよ!君に言われて気になって調べた後、特急でこの渓谷を調べに来たんだ!」タタタ
おじさん「てかあの鳥何!?」
男「オオタカかな…」
おじさん「種類聞いたわけじゃないよ!」
男「ところでおじさん」
おじさん「ん」
男「ごめん」バコッ
おじさん「ガッ……」バタッ
鳥「……?……?」キョロキョロ
男「やっぱりこいつが使役者か……急にこんなとこで出くわすとか怪しすぎるんだよな」
男「ほいさ」シバリシバリ

188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 01:57:47.42 ID:ccBvDrOG0
おじさん「ん………」
男「起きた?ほら、知ってることしゃべって」
おじさん「な、何のことだ」
男「とぼけると良くないよ」
おじさん「ふ…ぇっひっ……ひひっ………しゃべります……なんでも、しゃべります…………」ピクピク
男「おじさんをくすぐっても何も楽しくないぜ」
おじさん「俺は、雇われたんだ……この外国に連れてこられて、適当に話合わせて…荒野の街でキミをそれとなく見張れって……その後は…………その化け物みたいな鳥を操る方法を教わって、侵入者を殺せと命じられて……」
男「ここが、外国?嘘はないのか」
おじさん「そう聞いている……」
男「この巨大な虫たちや魚たちがいる外国……?」
おじさん「突然変異がなんだかんだって…」
男「突然変異、ねぇ」
男「(こいつの話は矛盾だらけだ。こういう末端には諸々隠されてたのかもしれないな)」

190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 02:05:45.56 ID:ccBvDrOG0
男「ここにいる間の拠点とかないのか」
おじさん「そこの岩にカモフラージュされた入り口があって、中に研究所みたいな施設があるんだ…俺はそこで寝泊まりしている」
男「わかった。もう一回眠ってて」ドカァッ
おじさん「そんなっ!?…グフッ…………」
男「この岩か」
男「どうすれば開くのか聞いときゃよかったな…」
男「押してみるか」
男「あ、発泡スチロールみたいなのだった。軽っ」
西の王国領 渓谷地帯 地下研究所
???『あ~あ。来ちゃったんだね』
男「……館内放送?」
男「(侵入したことはバレバレってか)」
???『後悔するよって言ったよね?まだ引き返してもいいよ?』
男「それは出来ないな」
???『強情だね。じゃあ進むがいいさ』
男「言われなくてもそうすらぁ」

191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 02:16:42.68 ID:ccBvDrOG0
地下研究所 メインルーム前
男「ここか…?」
プシューッ
男「うおっ!?自動ドア何ヶ月ぶりだろ」
???「やぁ、ついにここまでたどり着いたね」
男「砂漠の時の……お前は一体何なんだ」
観測者「そうだなぁ、いろいろ肩書があって、定まってないけど強いて言えば『観測者』……かな」
男「何かっこつけてんだお前」
観測者「はは、ピリピリしてる?」
男「ここは何だ?元の世界はどうやったら帰れる?」
観測者「質問はひとつずつだろ?まあいい。ここまで来た根気を讃えて教えてあげよう」

192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 02:40:25.60 ID:ccBvDrOG0
観測者「ここは過去や未来でも異国でも異星でも、はたまた異世界でもない。紛れもなく西暦2017年の日本だよ」
男「……は?」
男「俺にも、わかるように言ってくれよ」
観測者「君だってなんとなく気づいていたんじゃないかい?」
観測者「ここは、いわゆる小人の世界なんだよ」
男「……!」
観測者「近年、地球の人口はますます増加。途上国の発展も手伝って、世界のエネルギー消費量は増す一方だ」
観測者「地球の資源の枯渇が何を招くか。それは世界恐慌なんか比にならない程の大混乱時代……」
観測者「僕たちはそれを避けるために、エネルギー消費量削減の研究をしていた」
観測者「『ドラえもん』、読んだことあるだろ?あれでミニハウスってあるじゃないか。のび太くんたちがミニチュアの家で夏を過ごす話。僕はアレをなんとか実用化出来ないかって考えたんだ」
観測者「もともとある程度確立されていたクローン技術の応用と、ネズミとかの遺伝子を組み換えて、ヒトに限りなく近い小動物が完成……」
観測者「で、ここから大事な話なんだけど、ヒトの記憶の移動。ヒトの『心』をデータ化するのは骨が折れたよ……『心』をその小動物に移し替え、記憶を継承した小人が出来上がるわけだね」
男「…………」
観測者「ここは様々な計測のために地球に似た空間を形成して、そこにヒトガタ小動物……長いね、『ひと』って言うよ?『ひと』や虫、魚なんかを住まわせて文明の発展やらを観察するための世界なのさ。僕自身もその中で生活しながら観測していた」

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 02:54:26.48 ID:ccBvDrOG0
観測者「でも文明って他者との関係でも発展するものじゃない?そこで君だよ」
男「…………」
観測者「とりあえず現代日本国民から無作為抽出して、数名の記憶を持った『ひと』をこの世界に入れてみようという意見が出た。反対意見を唱えるものもいたが、『科学の発展に犠牲はつきものでーす』ってね」
観測者「あ、犠牲っていっても現実世界……というのがいいのかな?現実世界における君はなんとも変わってない。少しの間施設に連れ出していろいろもらった後はごく普通に生活を続けているよ」
男「………は、はは」
男「じゃあ俺は……何だ?」
男「男の記憶を持った…小動物ってことかい」
男「俺は俺であって俺じゃない…ははっ意味わかんねー」
観測者「だから言ったんだ。ここには来るなって」
観測者「オニヤンマちゃんも似た感じだよ?」
男「何!?」
観測者「僕たちでもオニヤンマをヒトに作り変えるなんて薬は出来ないからね。オニヤンマから記憶だけを抽出して、女の子の『ひと』に載せたんだ。人になれる薬なんてただの睡眠薬さ」
男「そ、そんな……」
観測者「記憶を無くした『本物』のオニヤンマはその辺を元気に飛んでるよ。さすがに記憶の共存はトンボでは難しかったね」
男「はっは、はは……はははははは!」
観測者「君、これからどうする?」
男「とりあえずお前殴って、ゼブラんとこ戻るわ」
観測者「ふふ、思ったより驚かないんだね。自暴自棄になっちゃった?」
男「ふざんけんな。お前がなんと言おうと、『本物』がいようと関係ない。俺は俺だ。それで十分だよ!」バコッ

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 02:57:48.67 ID:ccBvDrOG0
西の王国領 渓谷地帯 波岩?中央街
男「よう」
ゼブラ「お、男!お前、帰れなかったのか!?見送り行くとこだったぞ!」
男「ちといろいろあってな」
ゼブラ「……教えてくれないか?」
男「ああ、疲れっから今度な」
ゼブラ「この野郎……」
男「あ、ゼブラ」
ゼブラ「何だ」
男「結婚とかしない?」
おわり

195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 02:58:43.95 ID:ccBvDrOG0
いくらなんでも行き当たりばったりすぎた。ひどい話になってすいませんでした!!

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 04:25:05.97 ID:qBLJcOmWo
なんか惹かれる話だったな


198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 05:36:30.27 ID:iAg+YtleO
唐突に終わっちゃったなー
まあこのSS的にはすっぱりした終わりが似合ってるかも?
とにかく面白かった。乙

201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 11:02:18.72 ID:8IWV1pJ/o
SFだったとは
しかし腰を据えて住むなら、まんざら悪い世界でもないな
虫かわいいし


202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/15(金) 12:23:25.16 ID:BE/yIEpWO

プロジェクトが終了したらどうなるんだこれ

203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/07/16(土) 02:09:45.64 ID:pJJ4jUnVo
乙!
小人的なオチは途中で読めたが、まさのか展開だったわ

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