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少年「あなたが塔の魔女?」

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Part3
82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 20:29:10 ID:DJ6La7VI
魔女「僕と君ではあまり有意義な時間は過ごせない。 今日わかったでしょう? 僕は本を読んでいるだけだし」
 魔女はため息混じりに応えました。 
 きっと今、僕は情けない顔になっています。
 魔女にやんわりと拒絶されたのが胸にどうしようもない鈍痛を生み出しましたから。
少年「え……あ」
 なんとか言葉を返そうと頑張りますが、出来損ないの心は言葉を考えつきませんし、役立たずな舌は、気の利いた言葉を話したりはせず、漏れ出した空気に適当に声をつけただけです。
 いっそ泣き出したい気持ちです。 こんな気持ちは久しぶりでした。

85 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 23:05:24 ID:DJ6La7VI
魔女「……全く」
 魔女は呆れたように呟きました。
魔女「明日は、花を持ってきてくれると嬉しい」
少年「いいの?」
 聞き間違えや、幻聴でなければ魔女は明日も来て良いと言ってくれてます。
魔女「だから、野良猫や野良犬の類を連想させられるその目を止めてくれ」
 魔女は優しいですね。 その優しさにつけこんだみたいで情けないです。 でも、すごく嬉しいです。
 自分でも、なぜ魔女と仲良くしたいのかは分かりません。 なんなんでしょうね。 こんな気持ちは初めてです。

86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 23:07:34 ID:DJ6La7VI
 魔女の塔から出ました。
 明日、朝一番で魔女に花を渡したいので、摘んで帰ろうと思います。
 夜の森は静かで暗くて、でも何かが常に居るようで。
 怖くはないけど、今日の森は居心地は良いとは思えませんでした。
少年「あの花はどこで摘んだ物何だろう?」
 青年さんに聞いておけば良かったです。 でも、青年さんとはあまり仲良くしたいとは思えません。
 村のみんなは、彼を多少女癖は悪いが腕の良い狩人で頼りになる人だと言っています。
 みんなが言うならそうなのでしょう。
 でも、僕は青年さんの目が好きではないんです。 何故なのかはわかりませんが。

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 23:08:40 ID:DJ6La7VI
少年「そういえば、青年さんが狩りをする時の為の小屋があったんだ」
 どうしてひとりなのに喋ってしまうんでしょうか?
 昔、僕がお皿を割ったのを隠していたときにお母さんが『人は何かを誤魔化すとき、喋らずにはいられないものなのよ』なんて言って僕の嘘を見破りました。
 今の僕もきっと何かを誤魔化そうとしてるんでしょうね。 
 自分では分かりませんけど。
 小屋は村からも塔からも離れた森のはずれにありました。
 木を適当合わせただけの簡素な小屋です。
 青年さんは居ないみたいです。

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 23:09:29 ID:DJ6La7VI
少年「んーこの辺にあればいいけど」
 近くの茂みを探しますが、花は見あたりません。
 それになんだかこの辺りはいやな感じがします。
 そんな気持ちで辺りを探している内に夜も更けていきました。
 いつの間にか、欠けた月が真上近くにまで来てます。
 不完全で、色も黄ばんで濁っているそれは見ているだけで不快になりました。 
 今日はもう切り上げて、明日の朝早くに青年さんに尋ねようかな、とも思いましたが、あまり気が進みません。
 青年さんは、きっと教えてくれるだけじゃなく、色々聞いてくるでしょうから。
 それに、魔女が欲しいって言ってくれた花だから自分で探したいですしね。


89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 23:10:00 ID:DJ6La7VI
少年「次は、そこを探してみよ……?」
 茂みの奥から、お腹の中の物が押し上げられるような酷い臭いがしました。
 血肉の腐ったような嫌な臭いです。 それは、死の臭いでした。
 茂みを押し広げて、臭いの元を確かめようか迷います。
 見ない方が良いと思うのですが、足は臭いのする方へ動くのを止めません。
 嫌な予感はします。 見たい物はそこには無いと断言できます。
 でも、そこにある物が、自分の想像している物じゃ無いことを確認して安心したいから、僕は見ることにしました。
 見なければ良かった――。
 と思うの事になる事は分かっていたんですけど。

90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 23:11:14 ID:DJ6La7VI
 茂みを掻き分けると、そこにはありました。
 真新しい血の痕と掘り返された形跡のある地面です。
 きっとこの地面の下には僕の予想通りの物が埋まっているんだと思います。
 埋めた人は、きっとここには人が来ないと知っているんでしょうね。 じゃなければこんな雑なやり方にしないと思います。
 埋めた人も埋まっている人も、知っている人です。
 理由も何となくわかります。
 人間って、そんなものです。

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/29(火) 23:11:31 ID:DJ6La7VI
 あの人が埋まっている近くに、綺麗な花はありました。
 今の内に摘んでいこうか迷います。 きっとこの花を持っていたら、僕がこの場所に来たことに気が付くでしょうから。
 そしたら、僕もこの場所で木の栄養にされちゃうと思います。
 それは、嫌です。
少年「だからあの人の事、嫌いだったんだ」
 あの人が埋めちゃうから、花を摘むだけでも悩まなくちゃいけないなんて迷惑な話です。
 どうせなら別の所に埋めてほしかったと思いました。
 結局、バレなければ大丈夫だと自分に言い聞かせて、花は摘むことにしました。

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/30(水) 22:21:44 ID:T4ht73Gk
「ただいま」
「お母さん、女の人を喜ばせるのって難しいんだね」
「違うよ、そういうのじゃないよ」
「だから違うって、お姉ちゃんまでなに言ってるのさ」
「そういえば、お父さんはまだ帰らないの?」
「んー、大丈夫だとは思うけどちょっと心配だね」
少年「ん、朝か」

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/30(水) 22:23:23 ID:T4ht73Gk
 まだ、朝露も乾いていない明け方に家をでました。
 山に囲まれたこの村はこの時間、霧に静かに包まれます。 
 辺りはぼんやりと白く、まるでミルクの海に沈んでいるようで、 夢の中にいるような気分になります。
少年「まだ魔女は寝てたりして」
 寝起きの魔女は想像できないので、見てみたいと思いましたがきっと怒らせてしまうでしょうね。
 魔女を怒らせたくはありませんから、どこかで時間を潰さなくてはいけないです。 
 霧の中でそんな事を考えていると、どこかから見られているような感じがしました。
 周りを見渡すと、近くの民家の窓が開いています。
 でも、人は居ませんでした。

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/30(水) 22:23:42 ID:T4ht73Gk
少年「気のせいか」
 どことなく、嫌な気分です。
 こんな時は、早く魔女の塔まで行ってしまいましょう。
 石段に座りながら魔女が起きるまで待っていた方が楽しいでしょうしね。
村人3「気持ち悪い餓鬼だ……やっぱりアイツが……」

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/30(水) 22:28:43 ID:T4ht73Gk
>>96
1と2なんて存在しないのになぜか村人3が登場してしまいました(´・ω・`)。
正しくは、‘村人3’ではなく‘村人’です。
今日はここまでとなります。
明日も更新できるようにがんばります。

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/30(水) 22:28:34 ID:ZrQryI0o
怖い事になる?
(;・ω・)?

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/30(水) 22:37:46 ID:T4ht73Gk
>>97
プロットの段階でホラー的な要素はありませんが、どのような展開になるかはお答えできかねます。
ただ、読んでくださっている方が不快な思いをしないような話にはしたいと思います。
個人的には魔女をもう少し可愛い存在にしてあげたいです(`・ω・´)

101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/05/31(木) 22:35:46 ID:wQMfF6CY
 森を歩きます。 草木を踏みしめ、新緑の空気を吸い込みます。
 なんだか森がざわついているような、気がしました。
 それは、塔の近くに行っても変わりません。 むしろ強くなっていくような感じさえします。
 でも、塔に入った瞬間、その感覚は消えました。 清廉とした空気がゆったりと漂っている、いつもの塔の雰囲気にほっとします。
 螺旋状の石段をぐるぐると廻り、頂上の魔女の部屋までたどり着きました。
 魔女の為に摘んだ花ですが、いざ渡す時になると、少し恥ずかしいような、それでいて早く渡したいような不思議な気持ちで胸がなんだかおかしな感じです。
 この気持ちを、お母さんが『とっても大切な物』だと言っていたのですが、気持ちの名前は忘れてしまいました。
 思い出した方が良いんでしょうかね?

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/01(金) 20:18:59 ID:B2neORoc
少年「おはよう魔女。 起きてる?」
 扉を開けます。
 いつもの安楽椅子に、魔女の姿は在りません。
少年「魔女? 居ないの?」
 主の居ない安楽椅子が、寂しいとでも言っているみたいに、風に揺られていました。

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/01(金) 20:19:17 ID:B2neORoc
少年「早く来すぎちゃったかな……」
 とりあえず、持ってきた花を花瓶に生けようと思います。
 本当なら直接渡して、魔女の喜ぶ顔が見たかったです。 残念です。
 でも、さり気なく飾っておくのもなかなかかもしれません。
 お兄ちゃんも『気づいたらプレゼントがあるっていうのに女は弱いんだぜ?』とか言ってましたし。
 いや、魔女に対してそんな下心は無いですよ?
 ほんとにほんとです。
 神様に誓っても良いです。
 居るか居ないかなんかは知りませんけど。

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/05(火) 21:04:06 ID:xARlpzjI
 花瓶に花を生けたあと、少しの間魔女を待ちましたが、一向に魔女は現れません。
少年「うーん、どこかに出かけているのかな?」
 もし居ないとしたら、戸締まりもしないで外出するなんてちょっと不用心ですね。
 戸締まりを忘れているとしたら案外ドジっ子なんでしょうか?
少年「魔女ー? 本当に居ないの?」
 返事はありません。 よく見ると、普段は閉まっている奥の部屋の扉が開いています。
 もしかしたら奥にいるかもしれないです。
 見ても、良いんでしょうか?

109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/05(火) 21:19:54 ID:xARlpzjI
 怒らせてしまうかもしれないです。
 でも、魔女の身に何かあったのかもしれません。
 そうです。 魔女が心配なんです。
 別に、魔女の寝顔が見てみたいなんて思ったりはしていません。
少年「魔女、居るの?」
 扉から部屋を覗き込みました。
 そこに居たのは、美しい、綺麗な、可憐な、なんて言葉が全部集まったような少女がベッドで寝ていました。
 シーツよりも白い、透き通るような肌。
 上等な蜂蜜みたいな濃い色をした金髪は緩やかに波打ち、その少女を飾りたてているようでした。
 小さなベッドと小さな机と樫のタンスがあるだけの小部屋ですが、これよりも美しい光景を僕は見たことがありません。
 僕に絵の才能があればこの光景を絵にしたいですし、もしも神様だったら、時間を止めて独り占めしたくなってしまうような光景でした。
 魔女は、本当に綺麗な少女なんです。 多分都のお姫様だって魔女より綺麗じゃありません。

110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/05(火) 22:35:36 ID:xARlpzjI
 起こしてしまうのが勿体ないような気がしました。
 この光景を崩すなんてとんでもないです。
 でも、眠っている魔女とはお喋りできません。
少年「魔女、花を持ってきたよ」
 魔女の寝ているベッドの脇に立ち、声をかけます。
魔女「……んぅ……」
 魔女は僅かに声を上げて寝返りをうちました。 肩まですっぽりと隠していたシーツがめくりあがります。
少年「……ぁ」
 シーツに隠れていた部分が露わになってしまいました。


111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/06(水) 05:27:23 ID:rdG9ucIE
 透けるほど薄い生地のネグリジェは肩が丸出しで、その白い肌が目に焼き付きます。
 それと、そこに刻まれている呪文のような入れ墨も。
 それは、背中を中心にして魔法陣のように全身に施されているようでした。
 痛々しく、なんだか良くない物な感じがしました。
 そっと、指でその入れ墨に触れます。
少年「痛っ!」
 指先に針で刺したような痛みが走りました。
 恐る恐る指先を見ても、傷一つついていません。

112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/07(木) 18:04:08 ID:vAbZG7Jo
少年「何なんだろう……コレ?」
魔女「……」
 魔女の背中一面の紋様は魔女の白い華奢な背中には似合いませんよね。
 魔法に関係あるのかもしれませんが、みているだけでなんだか不安な、悲しい気持ちになります。
魔女「……」
魔女「……」
 大変なことに気が付きました。
少年「もしかして、魔女、起きてる?」
魔女「もしまだ寝ていたら、君は僕の身体にいったいどんな事をするつもりかな?」
 魔女はいつの間にか起きていました。

113 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/07(木) 18:05:17 ID:vAbZG7Jo
少年「え、あの、そーいうつもりじゃ」
魔女「じゃあ、無遠慮に淑女の寝室に上がり込んだあげくに、何の許可もなく肌に触れ、あまつさえ、起きたことにも気が付かずに僕の無防備な肢体を舐め回すかのように見たのはどういうつもりなんだい?」
少年「ごめんなさい」
魔女「謝ると言うことは、だ。 なんらかの邪な考えがあったと認めると言うことかい? それとも、怒りを露わにしている僕をどうにかなだめようという安易な考えから口に出した意味のない音の羅列かい?」
 魔女は怒っています。 それもかなり。
 怒り過ぎているせいか、いつもより頬が赤いです。

114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/07(木) 18:06:39 ID:vAbZG7Jo
少年「えと、あんまりにも魔女が、その」
魔女「なんだい? 聞くに値するだけの言い訳でなければ……そうだな」
 魔女は手をかざして何か呟きました。
 魔女の手の周りに次々と小さな火の玉が現れます。
 それは、魔女の手のひらに向かって集まっていき、最後には僕の頭くらいの大きさになりました。
魔女「さて、いま僕の手のひらにあるのは、自然界の中でも最も気性の荒い火の精霊だ。 これは僕の言葉に従い、お痛をした少年にお灸を据えてくれる可愛い奴でね」
 火の玉は魔女の手のひらで徐々に形を変え蜥蜴のような形になりました。
 チロチロと舌を出し、魔女に甘えているようにも見えます。
 僕には可愛い要素が見あたりませんでした。

115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/07(木) 18:07:02 ID:vAbZG7Jo
魔女「さぁ、言い訳をしてごらんよ。 安心して良いよ? 大火傷はするけどもその後しっかりと傷は治してあげるから。 すっごい痛いだけで許してあげるから、さぁ、言い訳してごらん?」
 魔女がこんなにも饒舌なのは初めてです。
 火の照り返しで魔女の顔は真っ赤に見えています。
 痛いのは嫌だなぁ。
 でも、しっかりと治してくれるなんて、魔女は優しいなぁ。
少年「ごめんなさい、魔女があまりにも綺麗だからつい見とれちゃったんだ。 ほんとはすぐ起こすつもりだったんだよ」
魔女「……え、ぁ?」
 魔女は変な声を上げました。

120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 21:43:55 ID:EH3yf8cM
 魔女は口をパクパクと動かして何か言おうとしていますが上手く声がでないようです。
 かざしていた手のひらに居た火の蜥蜴が小さく音を立てて消えてしまいました。
少年「魔女?」
 魔女はうなだれるようにため息を付くとベッドに腰掛けました。
魔女「はぁ、なんて言うかと思ったら」
 なんだか分からないけど、許してもらえたみたいです。
 その証拠に魔女から凄みのような物が消えていますもの。
魔女「君は卑怯だ」
 魔女は僕をじっと見つめて言いました。

121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 21:44:40 ID:EH3yf8cM
 僕は魔女と視線を合わせるのが恥ずかしいので適当に視線をずらします。
魔女「そんな分かりやすい言葉で褒められたら怒る気にもなれないじゃないか」
 魔女の声は、いつものように深くて静かな井戸の底のような調子に戻っていました。
 安心しました。 丸焦げは怖いですもんね。
少年「ねぇ魔女、聞いても良い?」
魔女「質問によるね」
 魔女はいつもの夕闇色の服を着て、安楽椅子に体を預けて言いました。
少年「背中の入れ墨についてなんだけど」
 魔女は少しの間悩みます。
魔女「これは、魔女と呼ばれる由縁かな」
 魔女は愛おしそうな、悲しそうな、そんな目をしてそう言いました。

122 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/09(土) 21:46:37 ID:EH3yf8cM
少年「それ以上の事は聞かない方が良いの?」
魔女「何日もかかるし、まず信じないと思うよ?」
 魔女ははぐらかすように応えました。
少年「それでも聞きたい!」
魔女「君は、物好きだね。 それに意外と厚かましい」
 そう言うと魔女は紅茶をティーカップをニつ用意して、静かに語り出しました。

123 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/10(日) 10:32:07 ID:E0qVI6ko
 魔女は紅茶を一口飲むと、窓辺に飾られた花を見ながら話し出しました。
魔女「君は最初に僕がいつからここに居るかを聞いたね」
 夕闇色の瞳が僕を見据えます。
少年「たしか、僕のお祖父ちゃんのお祖父ちゃんが生まれた時位には居るって」
魔女「そう、だいたい二百年くらい前だ。 その頃の事は何か知ってる?」
 僕はまだ十年くらいしか生きていないので、さっぱりです。

124 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/10(日) 10:32:38 ID:E0qVI6ko
少年「わからない」
魔女「魔王、魔物、勇者。 これだけ言えば何となくは勘付いてくれないかな」
少年「昔話で聞いたことがある」
 お祖父ちゃんが、話してくれた、昔話を思い出します。
 その昔、世界は魔王に支配されていて、魔物が溢れかえり、常に厚い雲に覆われていて、それを勇者が倒して世界に平和を取り戻したっていう話でした。
魔女「僕はその頃から人間を止めたんだ。 この入れ墨はその烙印、人を止め、太陽に背を向けた者への戒めだよ」
 やっぱり、良くないモノでした。
 でも知りたいのは入れ墨が何なのかではなく、何故そんな事をしたのか、です。

125 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/10(日) 10:33:05 ID:E0qVI6ko
少年「なんで」
 僕は魔女に聞こうと思いましたが、結局聞けませんでした。
魔女「これ以上を話す気は無いんだ。 ごめんね」
 そう言った魔女の目が、あまりにも優しくて、泣きそうなくらい悲しい目だったからです。
 魔女はたまに、そんな目をします。
 何もかもを諦めているような、何もかもを拒絶したような、何もかもを許したような。
 いったいどんな物をその瞳に写したら、こんなに美しくて、悲しい瞳になるのか僕には想像も付きません。
 だけど、いつかそんな魔女の悲しみを和らげてあげたいと思いました。

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