神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part4
85 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 21:55:42 ID:/ejTu7VM
ーーー 駅前
神様「気持ちわる〜」
神使「中々豪快な運転でしたね」
少女「大丈夫?」
神様「大丈夫。 神使、コーラ買ってきて」
神使「お茶とかの方が良いんじゃないんですか?」
神様「どうせ買うなら、甘くて炭酸入っている方が得した感じじゃね?」
神使「・・・お茶買ってきます」
少女「あっ、ATMはそこの角にあります」
神使「電車の時間は大丈夫ですか?」
少女「まだ大丈夫です」
神使「では行って参ります。 神様? 大人しくしていて下さいよ」タッタッ
神様「だから、私は子供じゃないっつてんだろーが」
86 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 21:57:11 ID:/ejTu7VM
少女「神使さんいい人ですね」
神様「騙されちゃダメ、あれは腐れ犬ころだからね? 悪の使いだから。 邪犬だから」
少女「そうは見えないんだけど・・・」
神様「それより、おじいさまの具合はどうなの?」
少女「あんまり良くないかも」
神様「そっか」
少女「うん・・・」
神様「すまないな。 わざわざ神宮まで来てお参りしてもらったのに・・・」
少女「元々気休め程度だったし」
神様「役立たずでごめん・・・」
少女「・・・・・・」
87 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 21:59:34 ID:/ejTu7VM
タッ タッ タッ
神使「お待たせいたしました。 はい神様お茶です」
神様「ありがとう」
神使「!? どうしたんです? そんなに体調悪いんですか?」
神様「は?」
神使「神様が素直にお礼を言うなんて・・・」
神様「うっさい、犬ころ!」
神使「? 少女さんもお茶どうぞ」
少女「ありがとうございます」
88 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 22:00:39 ID:/ejTu7VM
神使「それと、これ家賃ですのでお納め下さい」スッ
少女「でもこんなに・・・」
神様「気にする必要ナッシング。 正当なお金だ」
少女「・・・・・・」
神様「受け取ってもらわないとこっちが困る」
少女「・・・じゃぁ、お預かりします」
神使「では駅に行きましょうか」
少女「はい」
89 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 22:01:51 ID:/ejTu7VM
ーーー 電車内
ガタンゴトン
神様「Zzz・・・」カックン カックン
少女「なんか、全然神様って感じしませんね」
神使「お恥ずかしい限りです」
少女「でも、本物なんですよね?」
神使「神力がゼロで姿も見えてますけど、間違いなく神籍を有した神様ですね」
少女「なんだか不思議」
神使「私も思います」
90 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 22:03:43 ID:/ejTu7VM
少女「神使さんもそう思ってるんですか?」
神使「私は神宮に3年前に赴任したのですが・・・ 初めてお目にかかったときは、びっくりしました」
少女「?」
神使「巫女の格好でお守りを売っていたんですから。 しかも他の巫女さんと一緒になって」
少女「他の神様はしないんですか?」
神使「ありえませんね。 人や神使と普通に会話をする神なんてこの方くらいかと」
少女「へー、意外です」
91 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 22:04:50 ID:/ejTu7VM
神様「Zzz・・・」コテッ
少女「あっ」
神使「神様? 少女さんに寄りかかっちゃダメですよ?」ユサユサ
神様「んぁっ・・・ ごめん」ボー
少女「気にしないで」
神様「ん〜 あとどのくらい?」
少女「次の駅かな」
神様「そう。 ふあぁ〜〜」ノビー
神使「神様? 人前でそんな大あくびなんて、はしたないですよ?」
神様「一々うるさいな〜 少女も何か言ってやってくれ」
少女「私も神使さんと同じ意見かな」
神様「・・・・・・」
92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/22(月) 16:50:54 ID:NfQEKe.o
乙乙
93 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:28:53 ID:GQpgFhWg
ーーーうめうめ病院
神様「大きな病院だな〜」
少女「ここら辺では一番大きいかな」
神様「おっ、看護師さんだ。 ナース服かわゆいな〜」
神使「神様? あんまり恥ずかしいことはしないで下さいね」
神様「わかってるよ。 なんだよその言い方」
神使「そこの売店でお見舞いの果物でも買っていきましょう」
少女「あっ、気になさらないで下さい」
神様「私はあの大きい網々のメロンが良いな」
神使「神様が食べるものじゃないんですけど」
94 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:29:49 ID:GQpgFhWg
スタスタ
少女「この部屋です」
神様「あ〜 念のため私達が神と神使って言うことは秘密にしておこう」
神使「そうですね」
少女「わかりました」
ガラガラ
少女「おじいちゃん? 起きてる?」
宮司「少女ちゃんか?」
少女「うん、どう? 体の具合は」
宮司「あ〜、天気が良い分いくらかマシだな。 ん? そちらの方は?」
95 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:31:00 ID:GQpgFhWg
神様「神社の方から来ました」
神使「なんですか、その胡散臭い言い方は・・・」
少女「・・・・・・」
神使「すいません。 神宮から使いで参りました」
宮司「神宮? これはわざわざ」ヨイショ
神使「あっ、そのままで」
宮司「可愛らしいお嬢ちゃんも神宮の方ですか?」
神使「え〜と・・・ うちの巫女です」
神様「可愛いだなんて///」クネクネ
96 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:32:06 ID:GQpgFhWg
神使「この度は大変でしたね」
宮司「大切な社を申し訳けない」
神様「社のことなど気にする必要は無いぞ? 神宮の方でなんとかする」
神使「そんな上から目線なしゃべり方したらバレちゃうじゃないですか」ボソッ
神様「うっ・・・」
少女「この果物お二人からもらったんで台所で切ってくるね」スタスタ
97 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:33:33 ID:GQpgFhWg
宮司「お嬢さんの方は、もしかして神宮の神様ですかな?」
神様「あっ、バレた?」
宮司「やはりそうですか。 50年ほど前、神宮で5年間奉職していましたので」
神使「そうなんですか!?」
神様「もしかして、私の事知ってたりする?」
宮司「私は事務方でしたので、でも何度かお見かけしました」
神使「神様って、そんなに前から巫女のバイトしてたんですか?」
宮司「巫女? とんでもない! 大変立派な神様でしたよ?」
神使「え?」
神様「うわー! 昔の話はダメ! 絶対!」ゲシッ
神使「痛っ! え? なんで私蹴られたんですか??」
98 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:35:04 ID:GQpgFhWg
宮司「こんな老いぼれのためにわざわざ・・・ お忙しいのに申し訳ございません」
神使「お気になさらず」
神様「そうそう、全然忙しくないし。 あっ、こいつは犬ころ神使」
神使「申し遅れました。 私、神様の使いで狛犬の神使と申します」
宮司「おや、神使さんまで来て頂けるなんて。 ありがとうございます」
神様「あまり体調がすぐれないようだな」
宮司「正直・・・ 入院前はピンピンしていたのですが。 やはり年ですので一度体を壊すと・・・」
神使「そんなことおっしゃらずに」
99 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:36:19 ID:GQpgFhWg
宮司「神様と神使様に会えたんですから、いつお迎えが来ても思い残すことありません」
神様「私達なんかに会っても冥土の土産にもならないぞ? そこら辺歩ってるし」
神使「そうですよ、少女さんだってまだ若いんですから」
宮司「ありがとうございます」
神様「すまないな〜 にょろにょろ神社は100年以上神の立ち寄りがなかったそうだな」
神使「神宮からの達しで立ち寄りを行うために来たのですが・・・」
宮司「そうだったのですか」
神様「もう少し早く来ていればなぁ」
宮司「いいえ。 跡取りもいませんし・・・ きっとこうなる定めだったのでしょう」
神使「少女さんはお継ぎにならないのですか?」
宮司「あの子には、こんな田舎で一生を終えて欲しくは無いのです」
神様「・・・・・・」
100 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:37:32 ID:GQpgFhWg
ガラガラ
少女「おじいちゃん、果物切ってきた」
神様「うまそ〜! メロン一切れもらって良い?」
宮司「どうぞ、どうぞ」
神使「神様? さすがにそれはどうなんですか?」
神様「だから遠慮して一切れって言ったじゃん」
宮司「神様と一緒に食べるだなんて、なんだか不思議ですな」
少女「あれ? バレてる?」
神使「はい、バレた原因は神様です」
神様「肝心な部分を端折って話すなよ。 あむっ」モグモグ
101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/23(火) 17:44:22 ID:qBwK9Cww
乙乙
102 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:12:47 ID:bo0GfM2I
ーーー 病院帰り道
テクテク
神使「宮司さんお元気そうでよかったですね」
神様「お前の目は節穴だな」
神使「え?」
神様「かなり無理してたぞ?」
神使「すいません、気がつきませんでした」
少女「・・・・・・」ギュッ
神様「・・・・・・」チラッ
神使「? あっ、それ神宮のお守りですね」
少女「え? ・・・はい」
神様「私が売ったやつ〜」
103 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:15:26 ID:bo0GfM2I
神使「神様が直々にお授けされたお守りですから御利益満点ですね」
神様「・・・・・・」ゲシッ
神使「痛っ」
神様「空気読めよ神使」
神使「すいません・・・」
神様「謝るくらいなら私と少女にステーキご馳走しろ」
神使「またですか?」
神様「お店でステーキが食べたいんだよ!」
104 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:16:09 ID:bo0GfM2I
神使「はぁ・・・ 少女さん、お昼はステーキでも良いですか?」
少女「私はなんでも・・・」
神様「犬ころの奢りだ。 国産黒毛和牛のサーロイン400gとか注文しような」
神使「どんな胃袋してるんですか・・・」
神様「神様なもので///」ゲシッ
神使「痛っ!」
105 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:17:52 ID:bo0GfM2I
ーーー数日後
ジリリリ ジリリリ
少女「はい、もしもし・・・ えっ・・・」
神使「?」
少女「そんな・・・」
106 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:20:02 ID:bo0GfM2I
神様「燃えろっ! いい女〜♪ 燃えろっ! ナッツコ〜〜♪」テクテク
神様「はぁ・・・ スーパーまで往復1時間って拷問だろ」テクテク
神様「ただいま〜」ガラガラ
スタスタ
神様「みんなが大好きなかわゆい神様がお帰りですよっと」ガチャ
バタンッ!
神様「ぐへっ!」ビタン
少女「はっ、はっ、はっ」ダッ ダッ ダッ
107 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:21:32 ID:bo0GfM2I
神使「少女さん!!」
神様「痛い・・・」
神使「神様! 大変です!」
神様「ほんとだよ・・・ 痛つつ」
神使「宮司さんの容体が!」
神様「!!」
108 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:22:35 ID:bo0GfM2I
神使「先ほど病院から電話があって宮司さんが危篤状態になったと」
神様「・・・お守りがないな」
神使「お守り?」
神様「少女の鞄に着いていたお守りだ」
神使「そういえば飛び出す前に鞄をゴソゴソしてました」
神様「・・・・・・」
神使「私達も向かいますか?」
神様「ここで待とう」
神使「・・・分かりました」
109 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:25:21 ID:bo0GfM2I
ーーー翌日
ガラガラ
神使「少女さん!?」
神様「」
タッ タッ タッ
少女「・・・・・・」
神使「少女さん! 宮司さんの御容体は?」
110 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:26:59 ID:bo0GfM2I
少女「意識・・・ 不明です・・・」ギュッ
神様「・・・・・・」
神使「取りあえず家の中へ」
神様「少女・・・ その・・・」
少女「何が・・・」
111 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:28:10 ID:bo0GfM2I
少女「何が神様よ! こんなお守り効きもしないじゃない!」バンッ
神様「・・・・・・」
少女「神社は取り壊されて、おじいちゃんは意識不明に・・・ なんでよ・・・」
神様「・・・・・・」
神使「少女さん、落ち着いて下さーーー」
少女「出て行って!」
神使「・・・・・・」
少女「何も守ってくれないじゃない! 嘘・・・つき・・・」タッ タッ タッ
神使「少女さん!」
ーーー 駅前
神様「気持ちわる〜」
神使「中々豪快な運転でしたね」
少女「大丈夫?」
神様「大丈夫。 神使、コーラ買ってきて」
神使「お茶とかの方が良いんじゃないんですか?」
神様「どうせ買うなら、甘くて炭酸入っている方が得した感じじゃね?」
神使「・・・お茶買ってきます」
少女「あっ、ATMはそこの角にあります」
神使「電車の時間は大丈夫ですか?」
少女「まだ大丈夫です」
神使「では行って参ります。 神様? 大人しくしていて下さいよ」タッタッ
神様「だから、私は子供じゃないっつてんだろーが」
86 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 21:57:11 ID:/ejTu7VM
少女「神使さんいい人ですね」
神様「騙されちゃダメ、あれは腐れ犬ころだからね? 悪の使いだから。 邪犬だから」
少女「そうは見えないんだけど・・・」
神様「それより、おじいさまの具合はどうなの?」
少女「あんまり良くないかも」
神様「そっか」
少女「うん・・・」
神様「すまないな。 わざわざ神宮まで来てお参りしてもらったのに・・・」
少女「元々気休め程度だったし」
神様「役立たずでごめん・・・」
少女「・・・・・・」
87 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 21:59:34 ID:/ejTu7VM
タッ タッ タッ
神使「お待たせいたしました。 はい神様お茶です」
神様「ありがとう」
神使「!? どうしたんです? そんなに体調悪いんですか?」
神様「は?」
神使「神様が素直にお礼を言うなんて・・・」
神様「うっさい、犬ころ!」
神使「? 少女さんもお茶どうぞ」
少女「ありがとうございます」
88 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 22:00:39 ID:/ejTu7VM
神使「それと、これ家賃ですのでお納め下さい」スッ
少女「でもこんなに・・・」
神様「気にする必要ナッシング。 正当なお金だ」
少女「・・・・・・」
神様「受け取ってもらわないとこっちが困る」
少女「・・・じゃぁ、お預かりします」
神使「では駅に行きましょうか」
少女「はい」
89 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 22:01:51 ID:/ejTu7VM
ーーー 電車内
ガタンゴトン
神様「Zzz・・・」カックン カックン
少女「なんか、全然神様って感じしませんね」
神使「お恥ずかしい限りです」
少女「でも、本物なんですよね?」
神使「神力がゼロで姿も見えてますけど、間違いなく神籍を有した神様ですね」
少女「なんだか不思議」
神使「私も思います」
少女「神使さんもそう思ってるんですか?」
神使「私は神宮に3年前に赴任したのですが・・・ 初めてお目にかかったときは、びっくりしました」
少女「?」
神使「巫女の格好でお守りを売っていたんですから。 しかも他の巫女さんと一緒になって」
少女「他の神様はしないんですか?」
神使「ありえませんね。 人や神使と普通に会話をする神なんてこの方くらいかと」
少女「へー、意外です」
91 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/21(日) 22:04:50 ID:/ejTu7VM
神様「Zzz・・・」コテッ
少女「あっ」
神使「神様? 少女さんに寄りかかっちゃダメですよ?」ユサユサ
神様「んぁっ・・・ ごめん」ボー
少女「気にしないで」
神様「ん〜 あとどのくらい?」
少女「次の駅かな」
神様「そう。 ふあぁ〜〜」ノビー
神使「神様? 人前でそんな大あくびなんて、はしたないですよ?」
神様「一々うるさいな〜 少女も何か言ってやってくれ」
少女「私も神使さんと同じ意見かな」
神様「・・・・・・」
92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/22(月) 16:50:54 ID:NfQEKe.o
乙乙
93 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:28:53 ID:GQpgFhWg
ーーーうめうめ病院
神様「大きな病院だな〜」
少女「ここら辺では一番大きいかな」
神様「おっ、看護師さんだ。 ナース服かわゆいな〜」
神使「神様? あんまり恥ずかしいことはしないで下さいね」
神様「わかってるよ。 なんだよその言い方」
神使「そこの売店でお見舞いの果物でも買っていきましょう」
少女「あっ、気になさらないで下さい」
神様「私はあの大きい網々のメロンが良いな」
神使「神様が食べるものじゃないんですけど」
94 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:29:49 ID:GQpgFhWg
スタスタ
少女「この部屋です」
神様「あ〜 念のため私達が神と神使って言うことは秘密にしておこう」
神使「そうですね」
少女「わかりました」
ガラガラ
少女「おじいちゃん? 起きてる?」
宮司「少女ちゃんか?」
少女「うん、どう? 体の具合は」
宮司「あ〜、天気が良い分いくらかマシだな。 ん? そちらの方は?」
95 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:31:00 ID:GQpgFhWg
神様「神社の方から来ました」
神使「なんですか、その胡散臭い言い方は・・・」
少女「・・・・・・」
神使「すいません。 神宮から使いで参りました」
宮司「神宮? これはわざわざ」ヨイショ
神使「あっ、そのままで」
宮司「可愛らしいお嬢ちゃんも神宮の方ですか?」
神使「え〜と・・・ うちの巫女です」
神様「可愛いだなんて///」クネクネ
96 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:32:06 ID:GQpgFhWg
神使「この度は大変でしたね」
宮司「大切な社を申し訳けない」
神様「社のことなど気にする必要は無いぞ? 神宮の方でなんとかする」
神使「そんな上から目線なしゃべり方したらバレちゃうじゃないですか」ボソッ
神様「うっ・・・」
少女「この果物お二人からもらったんで台所で切ってくるね」スタスタ
97 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:33:33 ID:GQpgFhWg
宮司「お嬢さんの方は、もしかして神宮の神様ですかな?」
神様「あっ、バレた?」
宮司「やはりそうですか。 50年ほど前、神宮で5年間奉職していましたので」
神使「そうなんですか!?」
神様「もしかして、私の事知ってたりする?」
宮司「私は事務方でしたので、でも何度かお見かけしました」
神使「神様って、そんなに前から巫女のバイトしてたんですか?」
宮司「巫女? とんでもない! 大変立派な神様でしたよ?」
神使「え?」
神様「うわー! 昔の話はダメ! 絶対!」ゲシッ
神使「痛っ! え? なんで私蹴られたんですか??」
98 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:35:04 ID:GQpgFhWg
宮司「こんな老いぼれのためにわざわざ・・・ お忙しいのに申し訳ございません」
神使「お気になさらず」
神様「そうそう、全然忙しくないし。 あっ、こいつは犬ころ神使」
神使「申し遅れました。 私、神様の使いで狛犬の神使と申します」
宮司「おや、神使さんまで来て頂けるなんて。 ありがとうございます」
神様「あまり体調がすぐれないようだな」
宮司「正直・・・ 入院前はピンピンしていたのですが。 やはり年ですので一度体を壊すと・・・」
神使「そんなことおっしゃらずに」
99 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:36:19 ID:GQpgFhWg
宮司「神様と神使様に会えたんですから、いつお迎えが来ても思い残すことありません」
神様「私達なんかに会っても冥土の土産にもならないぞ? そこら辺歩ってるし」
神使「そうですよ、少女さんだってまだ若いんですから」
宮司「ありがとうございます」
神様「すまないな〜 にょろにょろ神社は100年以上神の立ち寄りがなかったそうだな」
神使「神宮からの達しで立ち寄りを行うために来たのですが・・・」
宮司「そうだったのですか」
神様「もう少し早く来ていればなぁ」
宮司「いいえ。 跡取りもいませんし・・・ きっとこうなる定めだったのでしょう」
神使「少女さんはお継ぎにならないのですか?」
宮司「あの子には、こんな田舎で一生を終えて欲しくは無いのです」
神様「・・・・・・」
100 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/23(火) 01:37:32 ID:GQpgFhWg
ガラガラ
少女「おじいちゃん、果物切ってきた」
神様「うまそ〜! メロン一切れもらって良い?」
宮司「どうぞ、どうぞ」
神使「神様? さすがにそれはどうなんですか?」
神様「だから遠慮して一切れって言ったじゃん」
宮司「神様と一緒に食べるだなんて、なんだか不思議ですな」
少女「あれ? バレてる?」
神使「はい、バレた原因は神様です」
神様「肝心な部分を端折って話すなよ。 あむっ」モグモグ
101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/23(火) 17:44:22 ID:qBwK9Cww
乙乙
102 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:12:47 ID:bo0GfM2I
ーーー 病院帰り道
テクテク
神使「宮司さんお元気そうでよかったですね」
神様「お前の目は節穴だな」
神使「え?」
神様「かなり無理してたぞ?」
神使「すいません、気がつきませんでした」
少女「・・・・・・」ギュッ
神様「・・・・・・」チラッ
神使「? あっ、それ神宮のお守りですね」
少女「え? ・・・はい」
神様「私が売ったやつ〜」
103 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:15:26 ID:bo0GfM2I
神使「神様が直々にお授けされたお守りですから御利益満点ですね」
神様「・・・・・・」ゲシッ
神使「痛っ」
神様「空気読めよ神使」
神使「すいません・・・」
神様「謝るくらいなら私と少女にステーキご馳走しろ」
神使「またですか?」
神様「お店でステーキが食べたいんだよ!」
104 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:16:09 ID:bo0GfM2I
神使「はぁ・・・ 少女さん、お昼はステーキでも良いですか?」
少女「私はなんでも・・・」
神様「犬ころの奢りだ。 国産黒毛和牛のサーロイン400gとか注文しような」
神使「どんな胃袋してるんですか・・・」
神様「神様なもので///」ゲシッ
神使「痛っ!」
ーーー数日後
ジリリリ ジリリリ
少女「はい、もしもし・・・ えっ・・・」
神使「?」
少女「そんな・・・」
106 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:20:02 ID:bo0GfM2I
神様「燃えろっ! いい女〜♪ 燃えろっ! ナッツコ〜〜♪」テクテク
神様「はぁ・・・ スーパーまで往復1時間って拷問だろ」テクテク
神様「ただいま〜」ガラガラ
スタスタ
神様「みんなが大好きなかわゆい神様がお帰りですよっと」ガチャ
バタンッ!
神様「ぐへっ!」ビタン
少女「はっ、はっ、はっ」ダッ ダッ ダッ
107 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:21:32 ID:bo0GfM2I
神使「少女さん!!」
神様「痛い・・・」
神使「神様! 大変です!」
神様「ほんとだよ・・・ 痛つつ」
神使「宮司さんの容体が!」
神様「!!」
108 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:22:35 ID:bo0GfM2I
神使「先ほど病院から電話があって宮司さんが危篤状態になったと」
神様「・・・お守りがないな」
神使「お守り?」
神様「少女の鞄に着いていたお守りだ」
神使「そういえば飛び出す前に鞄をゴソゴソしてました」
神様「・・・・・・」
神使「私達も向かいますか?」
神様「ここで待とう」
神使「・・・分かりました」
109 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:25:21 ID:bo0GfM2I
ーーー翌日
ガラガラ
神使「少女さん!?」
神様「」
タッ タッ タッ
少女「・・・・・・」
神使「少女さん! 宮司さんの御容体は?」
110 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:26:59 ID:bo0GfM2I
少女「意識・・・ 不明です・・・」ギュッ
神様「・・・・・・」
神使「取りあえず家の中へ」
神様「少女・・・ その・・・」
少女「何が・・・」
111 : ◆8YCWQhLlF2:2016/02/24(水) 00:28:10 ID:bo0GfM2I
少女「何が神様よ! こんなお守り効きもしないじゃない!」バンッ
神様「・・・・・・」
少女「神社は取り壊されて、おじいちゃんは意識不明に・・・ なんでよ・・・」
神様「・・・・・・」
神使「少女さん、落ち着いて下さーーー」
少女「出て行って!」
神使「・・・・・・」
少女「何も守ってくれないじゃない! 嘘・・・つき・・・」タッ タッ タッ
神使「少女さん!」
ショートストーリーの人気記事
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む
魔法使い「メラしか使えない」
→記事を読む