神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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153: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:35:21 ID:XU8T3LeM
〓〓〓〓〓〓〓〓〓
女「あら、参拝者かしら? 珍しいわね」
?「気をつける也や。 彼奴は人とは異なる存在」
女「へぇ~ それはアンタと同じって事?」
?「あんなヤツと一緒になどするなど、我に対する侮辱であるぞ」
女「あらあら、そんな怖い顔なんかしてたら可愛い顔が台無しよ?」
?「無礼者め」
女「でも、これは楽しくなりそうね」フフッ
?「まさか、奴らを招き入れよう等とは考えてはおらぬよな?」
女「さぁ? でも・・・ その前に邪魔者を追っ払わないとね」
154: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:36:07 ID:XU8T3LeM
~あらすじ
神様「かわゆい女神、神ちゃんがお付きの神使と旅をする!」
155: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:36:52 ID:XU8T3LeM
■ ~ 番外編 2020年春『継々乃社之領域』~
神使「お疲れ様でした。 目的の神社に到着したようです」
神様「3時間も歩かされるとは思わなかったんだけど・・・」
神使「神様がバスを待ちたくないって言ったんじゃないですか」
神様「だって2時間待ちとか無理だろ!」
神使「途中でバスに追い抜かされましたし、待っていた方が良かったと思いますが」
神様「うるせーよ! クソ犬!」ゲシッ
神使「痛っ! いつも言っていますが、もう少し神宮の女神らしい振る舞いをですね」
神様「嫌だ! 無理!」
神使「全く・・・」
神様「それよりさぁ、疲れたしサボって温泉行こうぜ」
神使「また、そんな事を・・・ 仕事が終わったら連れて行ってあげますから」テクテク
神様「微塵も思ってねーだろ・・・ はぁ~ 仕事したくねぇな~」トテトテ
156: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:37:39 ID:XU8T3LeM
――― 継々神社(継々乃社之領域)
神様「う~ん・・・ つぎつぎじんじゃ?」
神使「つぐつぐじんじゃ、正式には“つぐつぐのやしろのりょういき”と言うようですです」
神様「センスねー名前だな」
神使「由緒のある立派な社名だと思いますが。 古い作りの神社のようですし」」
神様「マジメ過ぎなんだよ。 私なら“入拝即呪之社”とか付けるね」
神使「何でそんな近寄りがたい名前にするんですか・・・」
157: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:38:18 ID:XU8T3LeM
神様「この位パンチがないと今時神社なんかに誰も来ないって」
神使「神社に必要な物は古きを敬う心、それに見合う荘厳さと威厳です」
神様「そんな見た目とか過去ばっかり追い求め・・・・・・ ん?」チラッ
???「」コソッ
神使「どうされました?」
神様「いや・・・ 今、向こうの木の陰から誰かに見られていた気が」
神使「向こうって、バス停の先にある木ですか?」
神様「うん」
158: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:38:51 ID:XU8T3LeM
神使「村の人がバスを待っているのでは?」
神様「う~ん・・・」
神使「そうやってバス停まで行って、来たバスに乗って帰ろうとする魂胆ですね?」
神様「お前いくら私でも・・・ いや、それ良いアイデアだな」
神使「ふざけてないで社務所の方へご挨拶に行きますよ」テクテク
神様「へいへい」トテトテ
???「・・・・・・」
159: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:39:25 ID:XU8T3LeM
――― 社務所
神様「ちわ~」ガラガラ
神使「神様・・・ いきなり扉を開けちゃダメですよ」
シーン
神様「・・・・・・」
神使「誰もいませんね。 お留守でしょうか?」
神様「よし、帰ろう」
神使「今来たばかりです」
神様「いや、今回は素直に帰った方が良い気がする」
160: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:40:05 ID:XU8T3LeM
??「何かご用でしょうか?」
神様・神使「?」クルッ
少女「参拝でしたら―――」
神様「ひゃー!!」
少女「!?」ビクッ
神使「お、落ち着いて下さい! 私たち怪しいものではございませんから!」
神様「殺さないで! 何でも言うこと聞く!! 私の隠しチョコあげるから!!」
少女「あ、あの・・・ どうされたんですか?」
神使「そ、その手に持っている刀を一度置いて下さい!」
少女「刀・・・? あっ」
神様「それ日本刀だよね!? スパッっといけちゃうヤツだよね!?」ブルブル
少女「すいません! あの・・・ これは違くて!」オロオロ
神様「まだ死にたくなーい」ギャー
161: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/21(火) 21:30:27 ID:XBBjRZ3I
まってました!
162: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/22(水) 07:29:42 ID:6fQruERc
神ちゃんおかえり
163: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 19:59:19 ID:sFR/SnE.
――― 社務所内
少女「驚かせてしまい本当に申し訳ありませんでした」ペコリ
神使「こちらこそ取り乱してすみません。 お恥ずかしい限りです・・・」
少女「害獣が忍び込んだので、追っ払っていたところで」
神使「害獣?」チラッ
神様「?」
神使「確かにうちの神様はよく間違えられますが、一応知性はありますので安心して下さい」
神様「何で私なんだよ! 猿とかイノシシとかだろ普通!」ゲシッ
神使「痛っ!」
164: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:00:13 ID:sFR/SnE.
少女「え~と・・・ お社の方は参拝でしょうか?」
神使「私達こちらの神社の巫女さんに用がありまして」
少女「巫女?」
神使「申し遅れました。 私は神宮から派遣されました神使と申します」
神様「私は巫女の神ちゃん。 気兼ねなくかわゆい神ちゃんと呼んでね」
巫女「はあ」
神使「こちらの神社を管理されている巫女さんはご在宅でしょうか」
165: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:00:49 ID:sFR/SnE.
少女「お話しでしたら私の方で伺いますが」
神様・神使「?」
少女「この社の巫女で少女と言います」ペコリ
神様・神使「・・・・・・」
少女「何か?」キョトン
神使「少女さんがこの神社の?」
神様「巫女?」
少女「はい。 そうですが・・・」
166: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:01:45 ID:sFR/SnE.
神使「失礼ですがその制服は・・・ まだ学生さんですよね?」
少女「中学2年です」
神様「人手不足もここまで来たか」
少女「あっ、お茶も出さずにすみません。 今お持ちします」
神使「すぐ帰りますので、お気遣い無く」
少女「遠慮なさらず。 コーヒー・紅茶・ジュースがありますが」
神使「では、私はコーヒーを。 神様はいかがしますか?」
神様「・・・・・・」キョロキョロ
神使「神様?」
神様「ん? 私も同じで」
少女「分かりました。 少々お待ちください」スタスタ
ガチャ
167: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:02:38 ID:sFR/SnE.
神使「神様どうしたんです? 落ち着かない様子ですが」
神様「別に? なんか古そうな物がいっぱいあるな~ と思って」
神使「ブラウン管テレビに真空管ラジオ・・・ 黒電話までありますね」
神様「なんかタイムストリップ劇場した気分だ」
神使「しかし驚きましたね、神社を管理している巫女が中学生だなんて」
神様「・・・・・・。 で、何でここに来たの?」
神使「神宮からこの村で毎年行われるお祭りを調べるようにと」
神様「祭り?」
168: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:03:15 ID:sFR/SnE.
神使「はい。 神宮で神事内容が把握できないようでして」
神様「う~ん、それは密祭って事?」
神使「簡単に言えば、そのようです」
神様「別に構わないだろ。 古そうな村だし、密祭なんて他の土地にも沢山あるし」
神使「そうなんですが、実は他にも―――」
ガチャッ
少女「お待たせしました」テクテク
神様「おっ、ありがとさん」
169: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:03:58 ID:sFR/SnE.
少女「お口に合えば良いのですが」コトッ
神様「う~ん、芳醇な香り。 これはブルーマウンテンかな?」グビッ
少女「ブランデーを混ぜた特製コーヒーです」
神様「ブゥーッ!」ゲホゲホ
少女「あっ! ごめんなさい。 やっぱりおかしかったですよね」フキフキ
神様「だ、大丈夫。 ちょっと驚いただけ」ハハハ
神使「何と言いますか・・・ その・・・ だいぶアルコール分も高めですね」ハハハ
少女「都会で流行っていると聞いたもので・・・ 本当にすいません」キッ
ガタッ
神様・神使「?」
170: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:05:11 ID:sFR/SnE.
少女「あっ、古い建物なので建て付けが悪くてたまに軋みが鳴るんです」
神使「そうですか・・・」キョロキョロ
少女「それで、お話しというのは?」
神使「えーと・・・ 失礼な質問で恐縮ですが、少女さん以外に他にどなたか?」
少女「私はこれでもこの社の巫女です。 信用できませんか?」
神使「いえ、そういう意味ではなく」
少女「両親は早くに。 ですから私がこの社を一人で切り盛りしています」
神使「すみません、変な聞き方をしてしまいまして」ペコリ
神様「少女ちゃんは歳の割にしっかりしてるね。 本当に中学生?」
少女「小さい頃から巫女としてお仕えしてきましたから・・・ 自然と」
神様「ふ~ん」
少女「・・・・・・」
171: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:06:12 ID:sFR/SnE.
神使「早速ですが、こちらのお祭りの事でお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
少女「祭り、ですか?」
神使「はい。 神宮の調査命令でして」
少女「祭りと言っても、特に変わったことはしていませんが」
神様「密祭って聞いたけど」
少女「社で祝詞を上げるだけで衆人環視でもないので、そういう意味では密祭ですね」
神使「予定では今週末に神事が執り行われると聞いておりますが」
少女「はい」
172: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:07:00 ID:sFR/SnE.
神使「その神事に私達も参加させてもらう事は可能でしょうか」
少女「・・・・・・」
神使「何か不都合でも?」
少女「いえ、そういう訳では・・・ その・・・ 私の一存では今すぐにお返事は難しく」
神使「神宮から必ず調査報告を上げるようにと言われております」
少女「・・・・・・」
神使「少女さん?」
少女「電話で確認してみます。 お時間の方は大丈夫ですか?」
神使「ありがとうございます。 私たちは大丈夫です」
少女「では、こちらで少々お待ちください」スタスタ
ガチャッ
173: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:07:36 ID:sFR/SnE.
神様「なんか神使君、珍しく今回は強気じゃん」
神使「神様、何か違和感を感じませんか?」
神様「というと?」
神使「表現が難しいのですが・・・ 私たち以外に誰かの気配を感じて・・・」
神様「ん~ 気のせいじゃない?」ポチポチ
神使「そういえば、先程神様もバス停で誰かに見られていると言っていましたね」
神様「う~ん」ポチポチ
174: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:08:11 ID:sFR/SnE.
神使「神様? 仕事中は携帯で遊ぶのは禁止で―――」
ブーブー
神使「?(メール)」ゴソゴソ
FROM:神様
本文:それ以上喋るな
神使「!?」クルッ
神様「気にし過ぎじゃない?」
神使「そう・・・ ですね」
175: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:09:00 ID:sFR/SnE.
ガチャッ
少女「お待たせしました」スタスタ
神様「お帰り~」
神使「いかがでしたでしょうか?」
少女「はい。 問題ないそうです」ニコッ
ガタン! ガタン!
神様「・・・・・・。 本当に?」
176: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:09:34 ID:sFR/SnE.
少女「どちらか宿はお取りになられていますか?」
神使「宿?」
少女「もしよろしければ、こちらに泊まっていかれては?」
ガタンッ! ガタンッ! ガタンッ!
神様・神使「・・・・・・」
少女「すいません、建て付けが」フフッ
神様「もう建て付けってレベルの音じゃないよね?」
177: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:10:24 ID:sFR/SnE.
神使「えーと・・・ 神様、いかがしましょう?」
神様「どうせ宿なんか取ってないんだろ」
神使「・・・・・・まぁ」
少女「それではお部屋を用意してきますので」スタスタ
ガチャ
神使「神様、あの―――」チラッ
神様「ビローン」ベー
神使「・・・急に変顔しないで下さい。 にらめっこなんかしませんよ」
神様「お前にやったんじゃねーよ」
神使「?」
神様「はぁ~ 帰りてーな~ 面倒くせーなぁ~」
178: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/24(金) 00:38:27 ID:Brag4UEs
神ちゃんよく来てくれたなや
179: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/25(土) 09:14:50 ID:QtAsfzs.
おかえりー
〓〓〓〓〓〓〓〓〓
女「あら、参拝者かしら? 珍しいわね」
?「気をつける也や。 彼奴は人とは異なる存在」
女「へぇ~ それはアンタと同じって事?」
?「あんなヤツと一緒になどするなど、我に対する侮辱であるぞ」
女「あらあら、そんな怖い顔なんかしてたら可愛い顔が台無しよ?」
?「無礼者め」
女「でも、これは楽しくなりそうね」フフッ
?「まさか、奴らを招き入れよう等とは考えてはおらぬよな?」
女「さぁ? でも・・・ その前に邪魔者を追っ払わないとね」
154: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:36:07 ID:XU8T3LeM
~あらすじ
神様「かわゆい女神、神ちゃんがお付きの神使と旅をする!」
155: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:36:52 ID:XU8T3LeM
■ ~ 番外編 2020年春『継々乃社之領域』~
神使「お疲れ様でした。 目的の神社に到着したようです」
神様「3時間も歩かされるとは思わなかったんだけど・・・」
神使「神様がバスを待ちたくないって言ったんじゃないですか」
神様「だって2時間待ちとか無理だろ!」
神使「途中でバスに追い抜かされましたし、待っていた方が良かったと思いますが」
神様「うるせーよ! クソ犬!」ゲシッ
神使「痛っ! いつも言っていますが、もう少し神宮の女神らしい振る舞いをですね」
神様「嫌だ! 無理!」
神使「全く・・・」
神様「それよりさぁ、疲れたしサボって温泉行こうぜ」
神使「また、そんな事を・・・ 仕事が終わったら連れて行ってあげますから」テクテク
神様「微塵も思ってねーだろ・・・ はぁ~ 仕事したくねぇな~」トテトテ
156: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:37:39 ID:XU8T3LeM
――― 継々神社(継々乃社之領域)
神様「う~ん・・・ つぎつぎじんじゃ?」
神使「つぐつぐじんじゃ、正式には“つぐつぐのやしろのりょういき”と言うようですです」
神様「センスねー名前だな」
神使「由緒のある立派な社名だと思いますが。 古い作りの神社のようですし」」
神様「マジメ過ぎなんだよ。 私なら“入拝即呪之社”とか付けるね」
神使「何でそんな近寄りがたい名前にするんですか・・・」
157: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:38:18 ID:XU8T3LeM
神様「この位パンチがないと今時神社なんかに誰も来ないって」
神使「神社に必要な物は古きを敬う心、それに見合う荘厳さと威厳です」
神様「そんな見た目とか過去ばっかり追い求め・・・・・・ ん?」チラッ
???「」コソッ
神使「どうされました?」
神様「いや・・・ 今、向こうの木の陰から誰かに見られていた気が」
神使「向こうって、バス停の先にある木ですか?」
神様「うん」
神使「村の人がバスを待っているのでは?」
神様「う~ん・・・」
神使「そうやってバス停まで行って、来たバスに乗って帰ろうとする魂胆ですね?」
神様「お前いくら私でも・・・ いや、それ良いアイデアだな」
神使「ふざけてないで社務所の方へご挨拶に行きますよ」テクテク
神様「へいへい」トテトテ
???「・・・・・・」
159: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:39:25 ID:XU8T3LeM
――― 社務所
神様「ちわ~」ガラガラ
神使「神様・・・ いきなり扉を開けちゃダメですよ」
シーン
神様「・・・・・・」
神使「誰もいませんね。 お留守でしょうか?」
神様「よし、帰ろう」
神使「今来たばかりです」
神様「いや、今回は素直に帰った方が良い気がする」
160: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:40:05 ID:XU8T3LeM
??「何かご用でしょうか?」
神様・神使「?」クルッ
少女「参拝でしたら―――」
神様「ひゃー!!」
少女「!?」ビクッ
神使「お、落ち着いて下さい! 私たち怪しいものではございませんから!」
神様「殺さないで! 何でも言うこと聞く!! 私の隠しチョコあげるから!!」
少女「あ、あの・・・ どうされたんですか?」
神使「そ、その手に持っている刀を一度置いて下さい!」
少女「刀・・・? あっ」
神様「それ日本刀だよね!? スパッっといけちゃうヤツだよね!?」ブルブル
少女「すいません! あの・・・ これは違くて!」オロオロ
神様「まだ死にたくなーい」ギャー
161: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/21(火) 21:30:27 ID:XBBjRZ3I
まってました!
162: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/22(水) 07:29:42 ID:6fQruERc
神ちゃんおかえり
163: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 19:59:19 ID:sFR/SnE.
――― 社務所内
少女「驚かせてしまい本当に申し訳ありませんでした」ペコリ
神使「こちらこそ取り乱してすみません。 お恥ずかしい限りです・・・」
少女「害獣が忍び込んだので、追っ払っていたところで」
神使「害獣?」チラッ
神様「?」
神使「確かにうちの神様はよく間違えられますが、一応知性はありますので安心して下さい」
神様「何で私なんだよ! 猿とかイノシシとかだろ普通!」ゲシッ
神使「痛っ!」
164: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:00:13 ID:sFR/SnE.
少女「え~と・・・ お社の方は参拝でしょうか?」
神使「私達こちらの神社の巫女さんに用がありまして」
少女「巫女?」
神使「申し遅れました。 私は神宮から派遣されました神使と申します」
神様「私は巫女の神ちゃん。 気兼ねなくかわゆい神ちゃんと呼んでね」
巫女「はあ」
神使「こちらの神社を管理されている巫女さんはご在宅でしょうか」
165: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:00:49 ID:sFR/SnE.
少女「お話しでしたら私の方で伺いますが」
神様・神使「?」
少女「この社の巫女で少女と言います」ペコリ
神様・神使「・・・・・・」
少女「何か?」キョトン
神使「少女さんがこの神社の?」
神様「巫女?」
少女「はい。 そうですが・・・」
166: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:01:45 ID:sFR/SnE.
神使「失礼ですがその制服は・・・ まだ学生さんですよね?」
少女「中学2年です」
神様「人手不足もここまで来たか」
少女「あっ、お茶も出さずにすみません。 今お持ちします」
神使「すぐ帰りますので、お気遣い無く」
少女「遠慮なさらず。 コーヒー・紅茶・ジュースがありますが」
神使「では、私はコーヒーを。 神様はいかがしますか?」
神様「・・・・・・」キョロキョロ
神使「神様?」
神様「ん? 私も同じで」
少女「分かりました。 少々お待ちください」スタスタ
ガチャ
167: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:02:38 ID:sFR/SnE.
神使「神様どうしたんです? 落ち着かない様子ですが」
神様「別に? なんか古そうな物がいっぱいあるな~ と思って」
神使「ブラウン管テレビに真空管ラジオ・・・ 黒電話までありますね」
神様「なんかタイムストリップ劇場した気分だ」
神使「しかし驚きましたね、神社を管理している巫女が中学生だなんて」
神様「・・・・・・。 で、何でここに来たの?」
神使「神宮からこの村で毎年行われるお祭りを調べるようにと」
神様「祭り?」
168: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:03:15 ID:sFR/SnE.
神使「はい。 神宮で神事内容が把握できないようでして」
神様「う~ん、それは密祭って事?」
神使「簡単に言えば、そのようです」
神様「別に構わないだろ。 古そうな村だし、密祭なんて他の土地にも沢山あるし」
神使「そうなんですが、実は他にも―――」
ガチャッ
少女「お待たせしました」テクテク
神様「おっ、ありがとさん」
169: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:03:58 ID:sFR/SnE.
少女「お口に合えば良いのですが」コトッ
神様「う~ん、芳醇な香り。 これはブルーマウンテンかな?」グビッ
少女「ブランデーを混ぜた特製コーヒーです」
神様「ブゥーッ!」ゲホゲホ
少女「あっ! ごめんなさい。 やっぱりおかしかったですよね」フキフキ
神様「だ、大丈夫。 ちょっと驚いただけ」ハハハ
神使「何と言いますか・・・ その・・・ だいぶアルコール分も高めですね」ハハハ
少女「都会で流行っていると聞いたもので・・・ 本当にすいません」キッ
ガタッ
神様・神使「?」
170: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:05:11 ID:sFR/SnE.
少女「あっ、古い建物なので建て付けが悪くてたまに軋みが鳴るんです」
神使「そうですか・・・」キョロキョロ
少女「それで、お話しというのは?」
神使「えーと・・・ 失礼な質問で恐縮ですが、少女さん以外に他にどなたか?」
少女「私はこれでもこの社の巫女です。 信用できませんか?」
神使「いえ、そういう意味ではなく」
少女「両親は早くに。 ですから私がこの社を一人で切り盛りしています」
神使「すみません、変な聞き方をしてしまいまして」ペコリ
神様「少女ちゃんは歳の割にしっかりしてるね。 本当に中学生?」
少女「小さい頃から巫女としてお仕えしてきましたから・・・ 自然と」
神様「ふ~ん」
少女「・・・・・・」
171: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:06:12 ID:sFR/SnE.
神使「早速ですが、こちらのお祭りの事でお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
少女「祭り、ですか?」
神使「はい。 神宮の調査命令でして」
少女「祭りと言っても、特に変わったことはしていませんが」
神様「密祭って聞いたけど」
少女「社で祝詞を上げるだけで衆人環視でもないので、そういう意味では密祭ですね」
神使「予定では今週末に神事が執り行われると聞いておりますが」
少女「はい」
172: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:07:00 ID:sFR/SnE.
神使「その神事に私達も参加させてもらう事は可能でしょうか」
少女「・・・・・・」
神使「何か不都合でも?」
少女「いえ、そういう訳では・・・ その・・・ 私の一存では今すぐにお返事は難しく」
神使「神宮から必ず調査報告を上げるようにと言われております」
少女「・・・・・・」
神使「少女さん?」
少女「電話で確認してみます。 お時間の方は大丈夫ですか?」
神使「ありがとうございます。 私たちは大丈夫です」
少女「では、こちらで少々お待ちください」スタスタ
ガチャッ
神様「なんか神使君、珍しく今回は強気じゃん」
神使「神様、何か違和感を感じませんか?」
神様「というと?」
神使「表現が難しいのですが・・・ 私たち以外に誰かの気配を感じて・・・」
神様「ん~ 気のせいじゃない?」ポチポチ
神使「そういえば、先程神様もバス停で誰かに見られていると言っていましたね」
神様「う~ん」ポチポチ
174: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:08:11 ID:sFR/SnE.
神使「神様? 仕事中は携帯で遊ぶのは禁止で―――」
ブーブー
神使「?(メール)」ゴソゴソ
FROM:神様
本文:それ以上喋るな
神使「!?」クルッ
神様「気にし過ぎじゃない?」
神使「そう・・・ ですね」
175: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:09:00 ID:sFR/SnE.
ガチャッ
少女「お待たせしました」スタスタ
神様「お帰り~」
神使「いかがでしたでしょうか?」
少女「はい。 問題ないそうです」ニコッ
ガタン! ガタン!
神様「・・・・・・。 本当に?」
176: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:09:34 ID:sFR/SnE.
少女「どちらか宿はお取りになられていますか?」
神使「宿?」
少女「もしよろしければ、こちらに泊まっていかれては?」
ガタンッ! ガタンッ! ガタンッ!
神様・神使「・・・・・・」
少女「すいません、建て付けが」フフッ
神様「もう建て付けってレベルの音じゃないよね?」
177: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:10:24 ID:sFR/SnE.
神使「えーと・・・ 神様、いかがしましょう?」
神様「どうせ宿なんか取ってないんだろ」
神使「・・・・・・まぁ」
少女「それではお部屋を用意してきますので」スタスタ
ガチャ
神使「神様、あの―――」チラッ
神様「ビローン」ベー
神使「・・・急に変顔しないで下さい。 にらめっこなんかしませんよ」
神様「お前にやったんじゃねーよ」
神使「?」
神様「はぁ~ 帰りてーな~ 面倒くせーなぁ~」
178: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/24(金) 00:38:27 ID:Brag4UEs
神ちゃんよく来てくれたなや
179: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/25(土) 09:14:50 ID:QtAsfzs.
おかえりー
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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