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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part142
153: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:35:21 ID:XU8T3LeM

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女「あら、参拝者かしら? 珍しいわね」

?「気をつける也や。 彼奴は人とは異なる存在」

女「へぇ~ それはアンタと同じって事?」

?「あんなヤツと一緒になどするなど、我に対する侮辱であるぞ」

女「あらあら、そんな怖い顔なんかしてたら可愛い顔が台無しよ?」

?「無礼者め」

女「でも、これは楽しくなりそうね」フフッ

?「まさか、奴らを招き入れよう等とは考えてはおらぬよな?」

女「さぁ? でも・・・ その前に邪魔者を追っ払わないとね」


154: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:36:07 ID:XU8T3LeM

~あらすじ

神様「かわゆい女神、神ちゃんがお付きの神使と旅をする!」


155: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:36:52 ID:XU8T3LeM

■ ~ 番外編 2020年春『継々乃社之領域』~


神使「お疲れ様でした。 目的の神社に到着したようです」

神様「3時間も歩かされるとは思わなかったんだけど・・・」

神使「神様がバスを待ちたくないって言ったんじゃないですか」

神様「だって2時間待ちとか無理だろ!」

神使「途中でバスに追い抜かされましたし、待っていた方が良かったと思いますが」

神様「うるせーよ! クソ犬!」ゲシッ

神使「痛っ! いつも言っていますが、もう少し神宮の女神らしい振る舞いをですね」

神様「嫌だ! 無理!」

神使「全く・・・」

神様「それよりさぁ、疲れたしサボって温泉行こうぜ」

神使「また、そんな事を・・・ 仕事が終わったら連れて行ってあげますから」テクテク

神様「微塵も思ってねーだろ・・・ はぁ~ 仕事したくねぇな~」トテトテ


156: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:37:39 ID:XU8T3LeM

――― 継々神社(継々乃社之領域)


神様「う~ん・・・ つぎつぎじんじゃ?」

神使「つぐつぐじんじゃ、正式には“つぐつぐのやしろのりょういき”と言うようですです」

神様「センスねー名前だな」

神使「由緒のある立派な社名だと思いますが。 古い作りの神社のようですし」」

神様「マジメ過ぎなんだよ。 私なら“入拝即呪之社”とか付けるね」

神使「何でそんな近寄りがたい名前にするんですか・・・」

157: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:38:18 ID:XU8T3LeM

神様「この位パンチがないと今時神社なんかに誰も来ないって」

神使「神社に必要な物は古きを敬う心、それに見合う荘厳さと威厳です」

神様「そんな見た目とか過去ばっかり追い求め・・・・・・ ん?」チラッ


 ???「」コソッ


神使「どうされました?」

神様「いや・・・ 今、向こうの木の陰から誰かに見られていた気が」

神使「向こうって、バス停の先にある木ですか?」

神様「うん」



158: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:38:51 ID:XU8T3LeM

神使「村の人がバスを待っているのでは?」

神様「う~ん・・・」

神使「そうやってバス停まで行って、来たバスに乗って帰ろうとする魂胆ですね?」

神様「お前いくら私でも・・・ いや、それ良いアイデアだな」

神使「ふざけてないで社務所の方へご挨拶に行きますよ」テクテク

神様「へいへい」トテトテ


 ???「・・・・・・」


159: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:39:25 ID:XU8T3LeM

――― 社務所


神様「ちわ~」ガラガラ

神使「神様・・・ いきなり扉を開けちゃダメですよ」


 シーン


神様「・・・・・・」

神使「誰もいませんね。 お留守でしょうか?」

神様「よし、帰ろう」

神使「今来たばかりです」

神様「いや、今回は素直に帰った方が良い気がする」


160: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/21(火) 20:40:05 ID:XU8T3LeM


 ??「何かご用でしょうか?」


神様・神使「?」クルッ

少女「参拝でしたら―――」

神様「ひゃー!!」

少女「!?」ビクッ

神使「お、落ち着いて下さい! 私たち怪しいものではございませんから!」

神様「殺さないで! 何でも言うこと聞く!! 私の隠しチョコあげるから!!」

少女「あ、あの・・・ どうされたんですか?」

神使「そ、その手に持っている刀を一度置いて下さい!」

少女「刀・・・? あっ」

神様「それ日本刀だよね!? スパッっといけちゃうヤツだよね!?」ブルブル

少女「すいません! あの・・・ これは違くて!」オロオロ

神様「まだ死にたくなーい」ギャー


161: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/21(火) 21:30:27 ID:XBBjRZ3I
まってました!


162: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/22(水) 07:29:42 ID:6fQruERc
神ちゃんおかえり


163: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 19:59:19 ID:sFR/SnE.

――― 社務所内


少女「驚かせてしまい本当に申し訳ありませんでした」ペコリ

神使「こちらこそ取り乱してすみません。 お恥ずかしい限りです・・・」

少女「害獣が忍び込んだので、追っ払っていたところで」

神使「害獣?」チラッ

神様「?」

神使「確かにうちの神様はよく間違えられますが、一応知性はありますので安心して下さい」

神様「何で私なんだよ! 猿とかイノシシとかだろ普通!」ゲシッ

神使「痛っ!」


164: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:00:13 ID:sFR/SnE.

少女「え~と・・・ お社の方は参拝でしょうか?」

神使「私達こちらの神社の巫女さんに用がありまして」

少女「巫女?」

神使「申し遅れました。 私は神宮から派遣されました神使と申します」

神様「私は巫女の神ちゃん。 気兼ねなくかわゆい神ちゃんと呼んでね」

巫女「はあ」

神使「こちらの神社を管理されている巫女さんはご在宅でしょうか」


165: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:00:49 ID:sFR/SnE.

少女「お話しでしたら私の方で伺いますが」

神様・神使「?」

少女「この社の巫女で少女と言います」ペコリ

神様・神使「・・・・・・」

少女「何か?」キョトン

神使「少女さんがこの神社の?」

神様「巫女?」

少女「はい。 そうですが・・・」


166: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:01:45 ID:sFR/SnE.

神使「失礼ですがその制服は・・・ まだ学生さんですよね?」

少女「中学2年です」

神様「人手不足もここまで来たか」

少女「あっ、お茶も出さずにすみません。 今お持ちします」

神使「すぐ帰りますので、お気遣い無く」

少女「遠慮なさらず。 コーヒー・紅茶・ジュースがありますが」

神使「では、私はコーヒーを。 神様はいかがしますか?」

神様「・・・・・・」キョロキョロ

神使「神様?」

神様「ん? 私も同じで」

少女「分かりました。 少々お待ちください」スタスタ


 ガチャ


167: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:02:38 ID:sFR/SnE.


神使「神様どうしたんです? 落ち着かない様子ですが」

神様「別に? なんか古そうな物がいっぱいあるな~ と思って」

神使「ブラウン管テレビに真空管ラジオ・・・ 黒電話までありますね」

神様「なんかタイムストリップ劇場した気分だ」


神使「しかし驚きましたね、神社を管理している巫女が中学生だなんて」

神様「・・・・・・。 で、何でここに来たの?」

神使「神宮からこの村で毎年行われるお祭りを調べるようにと」

神様「祭り?」


168: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:03:15 ID:sFR/SnE.

神使「はい。 神宮で神事内容が把握できないようでして」

神様「う~ん、それは密祭って事?」

神使「簡単に言えば、そのようです」

神様「別に構わないだろ。 古そうな村だし、密祭なんて他の土地にも沢山あるし」

神使「そうなんですが、実は他にも―――」


 ガチャッ


少女「お待たせしました」テクテク

神様「おっ、ありがとさん」


169: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:03:58 ID:sFR/SnE.

少女「お口に合えば良いのですが」コトッ

神様「う~ん、芳醇な香り。 これはブルーマウンテンかな?」グビッ

少女「ブランデーを混ぜた特製コーヒーです」

神様「ブゥーッ!」ゲホゲホ

少女「あっ! ごめんなさい。 やっぱりおかしかったですよね」フキフキ

神様「だ、大丈夫。 ちょっと驚いただけ」ハハハ

神使「何と言いますか・・・ その・・・ だいぶアルコール分も高めですね」ハハハ

少女「都会で流行っていると聞いたもので・・・ 本当にすいません」キッ


 ガタッ


神様・神使「?」


170: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:05:11 ID:sFR/SnE.

少女「あっ、古い建物なので建て付けが悪くてたまに軋みが鳴るんです」

神使「そうですか・・・」キョロキョロ


少女「それで、お話しというのは?」

神使「えーと・・・ 失礼な質問で恐縮ですが、少女さん以外に他にどなたか?」

少女「私はこれでもこの社の巫女です。 信用できませんか?」

神使「いえ、そういう意味ではなく」

少女「両親は早くに。 ですから私がこの社を一人で切り盛りしています」

神使「すみません、変な聞き方をしてしまいまして」ペコリ

神様「少女ちゃんは歳の割にしっかりしてるね。 本当に中学生?」

少女「小さい頃から巫女としてお仕えしてきましたから・・・ 自然と」

神様「ふ~ん」

少女「・・・・・・」


171: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:06:12 ID:sFR/SnE.

神使「早速ですが、こちらのお祭りの事でお話を伺ってもよろしいでしょうか?」

少女「祭り、ですか?」

神使「はい。 神宮の調査命令でして」

少女「祭りと言っても、特に変わったことはしていませんが」

神様「密祭って聞いたけど」

少女「社で祝詞を上げるだけで衆人環視でもないので、そういう意味では密祭ですね」

神使「予定では今週末に神事が執り行われると聞いておりますが」

少女「はい」


172: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:07:00 ID:sFR/SnE.

神使「その神事に私達も参加させてもらう事は可能でしょうか」

少女「・・・・・・」

神使「何か不都合でも?」

少女「いえ、そういう訳では・・・ その・・・ 私の一存では今すぐにお返事は難しく」

神使「神宮から必ず調査報告を上げるようにと言われております」

少女「・・・・・・」

神使「少女さん?」

少女「電話で確認してみます。 お時間の方は大丈夫ですか?」

神使「ありがとうございます。 私たちは大丈夫です」

少女「では、こちらで少々お待ちください」スタスタ


 ガチャッ



173: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:07:36 ID:sFR/SnE.


神様「なんか神使君、珍しく今回は強気じゃん」

神使「神様、何か違和感を感じませんか?」

神様「というと?」

神使「表現が難しいのですが・・・ 私たち以外に誰かの気配を感じて・・・」

神様「ん~ 気のせいじゃない?」ポチポチ

神使「そういえば、先程神様もバス停で誰かに見られていると言っていましたね」

神様「う~ん」ポチポチ


174: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:08:11 ID:sFR/SnE.

神使「神様? 仕事中は携帯で遊ぶのは禁止で―――」

 ブーブー

神使「?(メール)」ゴソゴソ


FROM:神様
本文:それ以上喋るな


神使「!?」クルッ

神様「気にし過ぎじゃない?」

神使「そう・・・ ですね」


175: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:09:00 ID:sFR/SnE.


 ガチャッ


少女「お待たせしました」スタスタ

神様「お帰り~」

神使「いかがでしたでしょうか?」

少女「はい。 問題ないそうです」ニコッ


 ガタン! ガタン!


神様「・・・・・・。 本当に?」

176: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:09:34 ID:sFR/SnE.

少女「どちらか宿はお取りになられていますか?」

神使「宿?」

少女「もしよろしければ、こちらに泊まっていかれては?」


 ガタンッ! ガタンッ! ガタンッ!


神様・神使「・・・・・・」

少女「すいません、建て付けが」フフッ

神様「もう建て付けってレベルの音じゃないよね?」


177: ◆8YCWQhLlF2 :2020/04/23(木) 20:10:24 ID:sFR/SnE.

神使「えーと・・・ 神様、いかがしましょう?」

神様「どうせ宿なんか取ってないんだろ」

神使「・・・・・・まぁ」

少女「それではお部屋を用意してきますので」スタスタ


 ガチャ


神使「神様、あの―――」チラッ

神様「ビローン」ベー

神使「・・・急に変顔しないで下さい。 にらめっこなんかしませんよ」

神様「お前にやったんじゃねーよ」

神使「?」

神様「はぁ~ 帰りてーな~ 面倒くせーなぁ~」


178: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/24(金) 00:38:27 ID:Brag4UEs
神ちゃんよく来てくれたなや


179: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/04/25(土) 09:14:50 ID:QtAsfzs.
おかえりー

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