毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか 2015/05/16 スレ
Part3
55 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:39:42.404 ID:EMPetudy0
Sさんが俺の持っているマグライトを見て顎をしゃくってみせ、首を傾げて井戸を覗けってジェスチャーをした。
マグライトで照らしてみたけど、最初はぼんやりとしか底まで光が届かなかった。
レンズを少し回して焦点を絞ると、小さいけど底まで光が届いた。
光の輪の中には『袋』の一部が照らし出されてる。
やっぱり枯れてるみたいで、水はほとんど無い。
そこに手が現れた。真っ白い手。さらにつるっぱげで、真っ白な頭頂部。
あれ、さっきの『袋』の人、つるっぱげじゃ無かったよな。
ワケが分かんなくて、呆然と考えていたら、また頭が現れた。
え?2人?ますます頭が混乱して、ただ眺めてたら、その頭がすっと上を向いた。目が無い。
空洞とかじゃなくて、鼻の穴みたいな小さい穴がついてるだけ。
理解不能な出来事に、俺たちは全員固まってた。
しかも2人だけじゃ無さそうだ。
奴らの周囲でも、何かがうごめいている気配がする。
何だあれ?人間なのか?なぜ井戸の中にいる?何をしている?
その時、急に扉が開いて、人が入ってきた。俺は驚いてライトを落として、立ち上がってた。SさんとKさんも。
入ってきたのは、Nさんだった。
Nさんは俺たちを見て、怪訝そうな顔をした。
「S、もう済んだのか」
Sさんは少しの間、呆然としていたけど、すぐに答えた。
「済みました」
Nさんは俺たちの様子を見て、俺たちが井戸の中身を見た事を悟ったみたいだった。
「見たのか、中を」
俺たちはうなずきもせず、言葉も発しなかったが、否定しないことが肯定になった。
「さっさと蓋閉めろ」
言われて俺は、慌てて鎖のところに行って、さっきとは反対側の鎖を引いて回した。少しずつ蓋が閉まっていく。
56 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:41:23.128 ID:EMPetudy0
「余計な事を考えるんじゃねえ。忘れろ」
そう言われた。
確かにそうなんだけど、ぐるぐる考えた。殺しちゃまずいって、Sさんは言ってた。
Sさん自身も、なぜ殺しちゃだめなのか、知らなかったんだと思う。
生きたまま落とした理由は?
生きたまま…あの化け物のような奴らがいるところへ。考えたく無くなった。
俺たちは来た道を戻り、車で道に出た。
今度はSさん、Kさんは、Nさんのベンツに乗っていった。
そしてそれが3人を見た最後になった。
俺は思い出していた。
あのとき『袋』に入っていた男の顔を。
最近出所してきた、会長の3男だった。
出来の悪い男というウワサだった。
ケチな仕事で下手を踏み、服役していたらしい。
俺は2、3回しか顔を合わせた事が無かったが、大した事無さそうなのに、威張り散らしてヤな感じだったのを覚えてる。
だからといって、会長の息子を殺すのはアウトだよ、死体を隠したっていずれバレる。
それでも出来るだけバレないように、俺を使って運んだんだろうけど。
57 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:41:34.995 ID:EMPetudy0
あの出来事から2週間くらいして、Nさんが居なくなった、お前も姿をくらませって、Sさんから電話があった。
バレたんだ。会長の息子を殺ったのを。
組から距離をおいていたのが幸いして、俺は逃げ延びる事ができた。
SさんやKさんがどうなったのかは知らない。
あれから数年、俺は人の多い土地を転々としている。
これはあるネットカフェで書いた。
もうすぐネットカフェも、身分証を見せないと書き込めなくなるらしい。
これが最後のチャンスだ。
組の人たちがこれを知れば、どこから書いたのか、すぐに突き止めると思う。
だから俺はこの街には、二度と戻ってこない。
誰かあの井戸を突き止めて欲しい。
なぜあの井戸に、暴力団なんかが鍵持って入れるのか。
そうしたら俺の追っ手は、皆捕まるかも知れない。
俺は逃げ延びたい。これからも逃げ続けるつもりだ。
58 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:42:12.329 ID:EMPetudy0
|A-) 長かった…けどいい話だ
59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 02:43:33.157 ID:mSk8Gn+A0
この話好き
久々に読めた
ありがとう
60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 02:48:51.770 ID:KmeUIK4W0
不気味話好き
廃病院に肝試しに行って友人置いてきたら友人から電話がかかってきて行ってみたら死んでた話を久々にみたいなぁ
61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 02:49:04.180 ID:xAaXEjHM0
やっぱ毒ちゃんの怖い話スレはおもしろい
62 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:50:13.654 ID:EMPetudy0
>>59
|A-) 俺も久々に読んだw
こういう謎がある話いいねw
>>60
|A-) あるだろうか…ちょっと探してみるw
>>61
|A-) むふw
良かったw
64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 02:57:47.539 ID:KmeUIK4W0
幽霊より化け物の方がぞくぞくする
65 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:03:25.000 ID:EMPetudy0
>>64
|A-) そだねえ、幽霊だと元はただの人、って感じだからかな
化け物だと出自が不明で怖い…w
さて、病院、肝試しで手持ちのを検索したら101も当たってしまった
病院、肝試し、電話で絞ってみたらたぶんこれなのかなあと思うのがあった
66 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:05:02.179 ID:EMPetudy0
私の友達の話です。
その日、彼(A君とします)は友達四人と一緒に部屋で飲んでいたんだそうです。
で、みんながほろ酔いになってきた時、B君が「おい、あの山の病院に肝試しに行こうぜ」と言い出したのだそうです。
その病院は今は使われていないのですが、山の中にある事もあってとても不気味で、幽霊が出る、とうわさされています。
みんな盛り上がって、C君が車を出して、その病院に行く事になりました。
病院に着くと、確かにぶきみだったのだそうですが、男ばかり四人ですから
「なんだ、こんなもんか」程度にしかみんな感じなかったそうで、しばらく探検をしても、
特になにがある訳ではなかったそうです。
つまらないからもうそろそろ帰ろうとしていたところB君が「トイレにいってくるわ」と言ってその場を離れ、
C君が「ちょっとBの奴脅かしてやろうぜ」と言い出し、B君をおいて先に山を下りてしまったんだそうです。
68 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:05:43.825 ID:EMPetudy0
山の麓でみんなが「Bの奴、どうしたかな?」と話していると、C君の携帯が鳴って「たぶんBだ」と携帯に出たんです。
A君もB君からの電話だと思っていたのですが、C君が「なんか男の声でさ、
『Bさんの退院が整いましたので、迎えにきていただけないでしょうか?』
てずっと言ってるんだよ」と言っているんです。
A君は「Bの奴がおれたちの事担いでんだよ、おまえが言い出したんだから迎えに行ってやれ」とC君に言い、
C君もB君を迎えに行きました。
所が、いつまでたってもC君が帰ってこなかったのだそうです。
A君ともう一人はさすがに心配になって、警察に電話をして、一緒に病院に向かうと、
途中のがけで転落しているC君の車を発見したのだそうです。
急いで運転席に行ってみると、C君はすでに死んでいたのだそうです。
後に、司法解剖をした時、C君の両足には手形がくっきりと浮かび上がっていたそうです。
B君は病院跡の霊安室で正気を失って笑いつづけているところを発見され、どこかの施設に収容されたそうです。
この話はその後、別々の記事で新聞の地方欄に載ったそうです。
興味本位でこういう所にはあまり行かないほうがいいですね。
69 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:11:10.015 ID:xAaXEjHM0
>>66
こええええ
シンプルだけど怖いわ
70 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:13:46.004 ID:mSk8Gn+A0
これは初見だ
いいね
71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:14:38.167 ID:KmeUIK4W0
なんか違う
廃病院から電話をしてきた友人は既に死んでて後日警察がそいつの死体を持ち帰ったときに事情聴取をされて去り際に警察が「流石に噛み殺すわけないよなぁ」とか言ってたやつだと思うんだけど
75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:24:19.325 ID:mSk8Gn+A0
その噛むってやつ読みたい!
80 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:29:17.892 ID:EMPetudy0
>>75
|A-) たぶん電気消せなくなったりトイレ行けなくなるよ
俺も今読んでて怖くなったし
貼ってもいいけどかなり長いんだよ
81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:30:02.566 ID:mSk8Gn+A0
そんな怖いならいいです…ありがとうございました…
83 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:33:22.214 ID:EMPetudy0
>>81
|A-) じゃあ貼りますかw
87 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:37:54.153 ID:EMPetudy0
まだ俺が大学にいた頃だからもう二、三年前になると思う。
田舎を出て県外の大学に通ってた俺に、実家から婆ちゃんが倒れたって電話があった。
昔から色々と面倒見てくれてた婆ちゃんで、俺はすぐさま実家に帰って病院に行った。
幸い、婆ちゃんは大事には到らなかったんだけど、俺はもしもの場合に備えて
一週間かそこらまでバイトも大学も休みをとっちまってた。
家にあった俺の部屋は弟に使われてたし、居間でゴロゴロしてても退屈だったから
俺は県内に残ってる友達に電話をかけた。
みんな仕事に就いてたり専門行ってたりと忙しそうだったけど、
やっぱり暇人はいるもんで、県内の大学に行った友達が三人、次の日から会うことにした。
つっても本当に実家のある町っていうか県そのものが田舎なんで、やることって言ったらカラオケとボウリング、
あとは車で三十分かかるネカフェでダーツやらビリヤード。
飲みにいこうかって話も出たんだけど一週間分の稼ぎがなくなった来月のことも考えて俺が断った。
だから俺らがやれるっていったらぶらつくのに飽きてファミレスのドリンクバーで粘るみたいなことしか出来なかった。
あと二日で俺が帰るっていう火曜の夜に、帰ってきてから
ずっとツルんでた三人のうち二人と例の如くファミレスでダベってた時だった。
俺「マジ暇じゃねぇ?相変わらず何もねぇなココ」
A「そりゃトウキョーに比べたらな。いいよなお前は県外で」
B「んじゃあさ、あそこ行ってみねぇ?」
Bが行ったあそこっていうのは地元に済んでる俺達の世代では有名な場所である廃病院のことだった。
ウワサじゃ手術室にはまだ機材やらメスやらがまんま残されてるだとか、地下にひからびた死体が
まだ残ってるとか、看護婦の幽霊が出るとか、まぁそういう場所には必ずウワサされるような話ばっかだった。
正直俺は内心ビビってて気乗りしなかったけど、AとBが盛り上がって
三人内の最後のCにまで連絡つけて、後からCは現地に来ることになった。
88 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:39:15.683 ID:EMPetudy0
その廃病院は結構昔に潰れたそうで、俺らが住んでる町よりも田んぼや畑やらが多い村の、人気の無い場所にある。
田舎は土地が安いからかどうなのかは知らないけど、三階建ての、出来た当時は結構立派だったと思わせる外見だ。
A「俺の先輩の友達がここに来てタバコぽい捨てしたら急に変になってさ、ひたすら×××町に帰る、
×××町に帰るって言いながらやべぇことになっちまったって。その人△△に住んでるのに」
そういうことは来る前に言えよと内心キレかけた俺だったが、ビビってると思われるのもイヤだったんで「へぇ」と軽く流した。
病院の周囲には少し離れたトコに田んぼとかポツポツと街灯があるだけで、
入り口の正面のガラス張りの扉には鎖と南京錠で厳重にカギがされてた。
たまに俺らみたいな暇なやつらが来るからかゴミやらイタズラ書きなんかが酷くて、
窓ガラスも一階部分のは殆ど割られてた。
俺「んじゃどうする?C待つ?」
A「いいじゃん先に行ってようぜ。どーせ車あるからわかんだろ」
B「じゃあ俺先に行くわ。こっちの窓から入れっから」
コンビニで調達した安っぽい懐中電灯をそれぞれ片手に持ち、俺らは病院の中にはいった。
今思えばマジでやめとけばよかった。
中に入って脚を地面につけると、割れたガラスを踏んでパキパキって音がした。
そん時になぜか、俺の全身が寒くなって鳥肌がヤバいくらいたった。
本気で今すぐ窓から逃げ出そうかって思ったくらいだったけど、BとAがスタスタ先に行っちまうし、
車の鍵持ってるのはAだからそうもいかなくて、俺は置いてかれないように後からついてった。
一番後ろってのは本当に怖いもんで、全然奥が見えない背後の廊下の暗闇から
なんかサダコみたいなヤツが走ってきたらどうしようとか本気でビビってた。
89 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:41:56.159 ID:EMPetudy0
受付の広い空間に出て、Bがあたりをライトで照らすと、そのまんまで放置されてた長イスとか
床に散らばったファイルなんかが土でグズグズになってて、ナースセンター?の中なんかも
棚が倒れてたり窓口が割れてたりして相当雰囲気あった。
A「うおこぉえ〜」
嬉しそうにAが喋ると、なんだか山びこみたいに奥に声が響いてくのがわかった。
A「どこ行く?」
B「やっぱ下でしょ。死体見ようぜ死体」
虫の知らせってヤツだったのかもしれない。何故か本気でイヤだって思ったんだ。
だから俺は渋るAとBを説得して、上に行こうって言った。
ホントはもう出たかったけど、馬鹿な話、ここで帰ろうなんて言ったらチキン扱いされるのが嫌だった。
俺らが途中にあった病室やら診察室なんかを覗きながら二階に上る階段を上がる途中、俺は変なもんを見た。
階段を上る途中で、俺はビビってたからちょくちょく後ろを振り返ってたら、ちょうど壁っていうか
階段の区切り?っていうのか?その角んところに足が見えた。
壁の向こうは地下に下りる階段があった。
ほんっきでビビった。足が止まって息がうまくできなかった。
先行ってたBが「どうした?」なんて声をかけたところで金縛りみたいな状態から戻って、
俺はあれは気のせいだってひたすら自分に言い聞かせて二人の後をついてった。
二階や三階は普通に怖かったが特に何もなく終わった。
休憩所やら喫煙室なんかに残ってた古い型のテレビが割られてたりするくらいで、
そのテレビを見てAが「これ多分、Y先輩がやったやつだぜ」なんて言って笑ってた。
90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:42:13.714 ID:xAaXEjHM0
ひぇっ
新聞屋のポストガタンに心臓止まった
91 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:44:37.447 ID:EMPetudy0
俺達が一階に戻ると、AとBは当たり前のように地下の階段を下りようとした。
この時ばかりは俺はマジで止めた。
俺「マジやばいってなんか。そっちはやめとこうぜ」
A「なにお前ビビッんの」
B「うっわマジチキンだわ〜コイツ」
二人にからかわれ腹も立ったので、仕方なく俺も一緒に下へ下りた。
地下はかなり暗かったのを憶えている。
月の光が入ってこないだけでこんな違うのか、なんてことを言いながら俺達はあたりを照らしてみた。
廊下に置きっぱなしにされてる長椅子や壁に掛けられてる消毒液のボトル、
車椅子なんかも全部おきっぱなしになっていた。
しかし何故か上の階に比べてやけに片付いているというかキレイで、違和感を感じた。
Aが手近な部屋のドアを開いて、Bが廊下の奥にライトを向けたときだった。
B「おい、あれが手術室じゃねぇ?」
ライトの灯りがかろうじて届くほどの距離に、ドラマなんかでお馴染みのプレートが見えた。
手術中には赤く光が灯るアレだ。
ライトに映されたそれは文字なんて全く見えなかったけど、Bはかなりテンションを上げて大またで奥へと進んでいった。
遅れてAもそれに続く。
俺はこのときから気分が悪くなってた。
耳の中に水が入ったときのようなあの感覚がずっと続き、風邪になったときに感じる、
うまく言い例えられないけど精神が不安定になるような感覚に襲われた。
92 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:49:14.635 ID:KmeUIK4W0
私怨
Sさんが俺の持っているマグライトを見て顎をしゃくってみせ、首を傾げて井戸を覗けってジェスチャーをした。
マグライトで照らしてみたけど、最初はぼんやりとしか底まで光が届かなかった。
レンズを少し回して焦点を絞ると、小さいけど底まで光が届いた。
光の輪の中には『袋』の一部が照らし出されてる。
やっぱり枯れてるみたいで、水はほとんど無い。
そこに手が現れた。真っ白い手。さらにつるっぱげで、真っ白な頭頂部。
あれ、さっきの『袋』の人、つるっぱげじゃ無かったよな。
ワケが分かんなくて、呆然と考えていたら、また頭が現れた。
え?2人?ますます頭が混乱して、ただ眺めてたら、その頭がすっと上を向いた。目が無い。
空洞とかじゃなくて、鼻の穴みたいな小さい穴がついてるだけ。
理解不能な出来事に、俺たちは全員固まってた。
しかも2人だけじゃ無さそうだ。
奴らの周囲でも、何かがうごめいている気配がする。
何だあれ?人間なのか?なぜ井戸の中にいる?何をしている?
その時、急に扉が開いて、人が入ってきた。俺は驚いてライトを落として、立ち上がってた。SさんとKさんも。
入ってきたのは、Nさんだった。
Nさんは俺たちを見て、怪訝そうな顔をした。
「S、もう済んだのか」
Sさんは少しの間、呆然としていたけど、すぐに答えた。
「済みました」
Nさんは俺たちの様子を見て、俺たちが井戸の中身を見た事を悟ったみたいだった。
「見たのか、中を」
俺たちはうなずきもせず、言葉も発しなかったが、否定しないことが肯定になった。
「さっさと蓋閉めろ」
言われて俺は、慌てて鎖のところに行って、さっきとは反対側の鎖を引いて回した。少しずつ蓋が閉まっていく。
56 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:41:23.128 ID:EMPetudy0
「余計な事を考えるんじゃねえ。忘れろ」
そう言われた。
確かにそうなんだけど、ぐるぐる考えた。殺しちゃまずいって、Sさんは言ってた。
Sさん自身も、なぜ殺しちゃだめなのか、知らなかったんだと思う。
生きたまま落とした理由は?
生きたまま…あの化け物のような奴らがいるところへ。考えたく無くなった。
俺たちは来た道を戻り、車で道に出た。
今度はSさん、Kさんは、Nさんのベンツに乗っていった。
そしてそれが3人を見た最後になった。
俺は思い出していた。
あのとき『袋』に入っていた男の顔を。
最近出所してきた、会長の3男だった。
出来の悪い男というウワサだった。
ケチな仕事で下手を踏み、服役していたらしい。
俺は2、3回しか顔を合わせた事が無かったが、大した事無さそうなのに、威張り散らしてヤな感じだったのを覚えてる。
だからといって、会長の息子を殺すのはアウトだよ、死体を隠したっていずれバレる。
それでも出来るだけバレないように、俺を使って運んだんだろうけど。
57 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:41:34.995 ID:EMPetudy0
あの出来事から2週間くらいして、Nさんが居なくなった、お前も姿をくらませって、Sさんから電話があった。
バレたんだ。会長の息子を殺ったのを。
組から距離をおいていたのが幸いして、俺は逃げ延びる事ができた。
SさんやKさんがどうなったのかは知らない。
あれから数年、俺は人の多い土地を転々としている。
これはあるネットカフェで書いた。
もうすぐネットカフェも、身分証を見せないと書き込めなくなるらしい。
これが最後のチャンスだ。
組の人たちがこれを知れば、どこから書いたのか、すぐに突き止めると思う。
だから俺はこの街には、二度と戻ってこない。
誰かあの井戸を突き止めて欲しい。
なぜあの井戸に、暴力団なんかが鍵持って入れるのか。
そうしたら俺の追っ手は、皆捕まるかも知れない。
俺は逃げ延びたい。これからも逃げ続けるつもりだ。
58 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:42:12.329 ID:EMPetudy0
|A-) 長かった…けどいい話だ
59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 02:43:33.157 ID:mSk8Gn+A0
この話好き
久々に読めた
ありがとう
不気味話好き
廃病院に肝試しに行って友人置いてきたら友人から電話がかかってきて行ってみたら死んでた話を久々にみたいなぁ
61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 02:49:04.180 ID:xAaXEjHM0
やっぱ毒ちゃんの怖い話スレはおもしろい
62 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 02:50:13.654 ID:EMPetudy0
>>59
|A-) 俺も久々に読んだw
こういう謎がある話いいねw
>>60
|A-) あるだろうか…ちょっと探してみるw
>>61
|A-) むふw
良かったw
64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 02:57:47.539 ID:KmeUIK4W0
幽霊より化け物の方がぞくぞくする
65 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:03:25.000 ID:EMPetudy0
>>64
|A-) そだねえ、幽霊だと元はただの人、って感じだからかな
化け物だと出自が不明で怖い…w
さて、病院、肝試しで手持ちのを検索したら101も当たってしまった
病院、肝試し、電話で絞ってみたらたぶんこれなのかなあと思うのがあった
66 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:05:02.179 ID:EMPetudy0
私の友達の話です。
その日、彼(A君とします)は友達四人と一緒に部屋で飲んでいたんだそうです。
で、みんながほろ酔いになってきた時、B君が「おい、あの山の病院に肝試しに行こうぜ」と言い出したのだそうです。
その病院は今は使われていないのですが、山の中にある事もあってとても不気味で、幽霊が出る、とうわさされています。
みんな盛り上がって、C君が車を出して、その病院に行く事になりました。
病院に着くと、確かにぶきみだったのだそうですが、男ばかり四人ですから
「なんだ、こんなもんか」程度にしかみんな感じなかったそうで、しばらく探検をしても、
特になにがある訳ではなかったそうです。
つまらないからもうそろそろ帰ろうとしていたところB君が「トイレにいってくるわ」と言ってその場を離れ、
C君が「ちょっとBの奴脅かしてやろうぜ」と言い出し、B君をおいて先に山を下りてしまったんだそうです。
68 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:05:43.825 ID:EMPetudy0
山の麓でみんなが「Bの奴、どうしたかな?」と話していると、C君の携帯が鳴って「たぶんBだ」と携帯に出たんです。
A君もB君からの電話だと思っていたのですが、C君が「なんか男の声でさ、
『Bさんの退院が整いましたので、迎えにきていただけないでしょうか?』
てずっと言ってるんだよ」と言っているんです。
A君は「Bの奴がおれたちの事担いでんだよ、おまえが言い出したんだから迎えに行ってやれ」とC君に言い、
C君もB君を迎えに行きました。
所が、いつまでたってもC君が帰ってこなかったのだそうです。
A君ともう一人はさすがに心配になって、警察に電話をして、一緒に病院に向かうと、
途中のがけで転落しているC君の車を発見したのだそうです。
急いで運転席に行ってみると、C君はすでに死んでいたのだそうです。
後に、司法解剖をした時、C君の両足には手形がくっきりと浮かび上がっていたそうです。
B君は病院跡の霊安室で正気を失って笑いつづけているところを発見され、どこかの施設に収容されたそうです。
この話はその後、別々の記事で新聞の地方欄に載ったそうです。
興味本位でこういう所にはあまり行かないほうがいいですね。
69 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:11:10.015 ID:xAaXEjHM0
>>66
こええええ
シンプルだけど怖いわ
70 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:13:46.004 ID:mSk8Gn+A0
これは初見だ
いいね
71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:14:38.167 ID:KmeUIK4W0
なんか違う
廃病院から電話をしてきた友人は既に死んでて後日警察がそいつの死体を持ち帰ったときに事情聴取をされて去り際に警察が「流石に噛み殺すわけないよなぁ」とか言ってたやつだと思うんだけど
75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:24:19.325 ID:mSk8Gn+A0
その噛むってやつ読みたい!
80 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:29:17.892 ID:EMPetudy0
>>75
|A-) たぶん電気消せなくなったりトイレ行けなくなるよ
俺も今読んでて怖くなったし
貼ってもいいけどかなり長いんだよ
81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:30:02.566 ID:mSk8Gn+A0
そんな怖いならいいです…ありがとうございました…
83 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:33:22.214 ID:EMPetudy0
>>81
|A-) じゃあ貼りますかw
87 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:37:54.153 ID:EMPetudy0
まだ俺が大学にいた頃だからもう二、三年前になると思う。
田舎を出て県外の大学に通ってた俺に、実家から婆ちゃんが倒れたって電話があった。
昔から色々と面倒見てくれてた婆ちゃんで、俺はすぐさま実家に帰って病院に行った。
幸い、婆ちゃんは大事には到らなかったんだけど、俺はもしもの場合に備えて
一週間かそこらまでバイトも大学も休みをとっちまってた。
家にあった俺の部屋は弟に使われてたし、居間でゴロゴロしてても退屈だったから
俺は県内に残ってる友達に電話をかけた。
みんな仕事に就いてたり専門行ってたりと忙しそうだったけど、
やっぱり暇人はいるもんで、県内の大学に行った友達が三人、次の日から会うことにした。
つっても本当に実家のある町っていうか県そのものが田舎なんで、やることって言ったらカラオケとボウリング、
あとは車で三十分かかるネカフェでダーツやらビリヤード。
飲みにいこうかって話も出たんだけど一週間分の稼ぎがなくなった来月のことも考えて俺が断った。
だから俺らがやれるっていったらぶらつくのに飽きてファミレスのドリンクバーで粘るみたいなことしか出来なかった。
あと二日で俺が帰るっていう火曜の夜に、帰ってきてから
ずっとツルんでた三人のうち二人と例の如くファミレスでダベってた時だった。
俺「マジ暇じゃねぇ?相変わらず何もねぇなココ」
A「そりゃトウキョーに比べたらな。いいよなお前は県外で」
B「んじゃあさ、あそこ行ってみねぇ?」
Bが行ったあそこっていうのは地元に済んでる俺達の世代では有名な場所である廃病院のことだった。
ウワサじゃ手術室にはまだ機材やらメスやらがまんま残されてるだとか、地下にひからびた死体が
まだ残ってるとか、看護婦の幽霊が出るとか、まぁそういう場所には必ずウワサされるような話ばっかだった。
正直俺は内心ビビってて気乗りしなかったけど、AとBが盛り上がって
三人内の最後のCにまで連絡つけて、後からCは現地に来ることになった。
その廃病院は結構昔に潰れたそうで、俺らが住んでる町よりも田んぼや畑やらが多い村の、人気の無い場所にある。
田舎は土地が安いからかどうなのかは知らないけど、三階建ての、出来た当時は結構立派だったと思わせる外見だ。
A「俺の先輩の友達がここに来てタバコぽい捨てしたら急に変になってさ、ひたすら×××町に帰る、
×××町に帰るって言いながらやべぇことになっちまったって。その人△△に住んでるのに」
そういうことは来る前に言えよと内心キレかけた俺だったが、ビビってると思われるのもイヤだったんで「へぇ」と軽く流した。
病院の周囲には少し離れたトコに田んぼとかポツポツと街灯があるだけで、
入り口の正面のガラス張りの扉には鎖と南京錠で厳重にカギがされてた。
たまに俺らみたいな暇なやつらが来るからかゴミやらイタズラ書きなんかが酷くて、
窓ガラスも一階部分のは殆ど割られてた。
俺「んじゃどうする?C待つ?」
A「いいじゃん先に行ってようぜ。どーせ車あるからわかんだろ」
B「じゃあ俺先に行くわ。こっちの窓から入れっから」
コンビニで調達した安っぽい懐中電灯をそれぞれ片手に持ち、俺らは病院の中にはいった。
今思えばマジでやめとけばよかった。
中に入って脚を地面につけると、割れたガラスを踏んでパキパキって音がした。
そん時になぜか、俺の全身が寒くなって鳥肌がヤバいくらいたった。
本気で今すぐ窓から逃げ出そうかって思ったくらいだったけど、BとAがスタスタ先に行っちまうし、
車の鍵持ってるのはAだからそうもいかなくて、俺は置いてかれないように後からついてった。
一番後ろってのは本当に怖いもんで、全然奥が見えない背後の廊下の暗闇から
なんかサダコみたいなヤツが走ってきたらどうしようとか本気でビビってた。
89 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:41:56.159 ID:EMPetudy0
受付の広い空間に出て、Bがあたりをライトで照らすと、そのまんまで放置されてた長イスとか
床に散らばったファイルなんかが土でグズグズになってて、ナースセンター?の中なんかも
棚が倒れてたり窓口が割れてたりして相当雰囲気あった。
A「うおこぉえ〜」
嬉しそうにAが喋ると、なんだか山びこみたいに奥に声が響いてくのがわかった。
A「どこ行く?」
B「やっぱ下でしょ。死体見ようぜ死体」
虫の知らせってヤツだったのかもしれない。何故か本気でイヤだって思ったんだ。
だから俺は渋るAとBを説得して、上に行こうって言った。
ホントはもう出たかったけど、馬鹿な話、ここで帰ろうなんて言ったらチキン扱いされるのが嫌だった。
俺らが途中にあった病室やら診察室なんかを覗きながら二階に上る階段を上がる途中、俺は変なもんを見た。
階段を上る途中で、俺はビビってたからちょくちょく後ろを振り返ってたら、ちょうど壁っていうか
階段の区切り?っていうのか?その角んところに足が見えた。
壁の向こうは地下に下りる階段があった。
ほんっきでビビった。足が止まって息がうまくできなかった。
先行ってたBが「どうした?」なんて声をかけたところで金縛りみたいな状態から戻って、
俺はあれは気のせいだってひたすら自分に言い聞かせて二人の後をついてった。
二階や三階は普通に怖かったが特に何もなく終わった。
休憩所やら喫煙室なんかに残ってた古い型のテレビが割られてたりするくらいで、
そのテレビを見てAが「これ多分、Y先輩がやったやつだぜ」なんて言って笑ってた。
90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:42:13.714 ID:xAaXEjHM0
ひぇっ
新聞屋のポストガタンに心臓止まった
91 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2015/05/16(土) 03:44:37.447 ID:EMPetudy0
俺達が一階に戻ると、AとBは当たり前のように地下の階段を下りようとした。
この時ばかりは俺はマジで止めた。
俺「マジやばいってなんか。そっちはやめとこうぜ」
A「なにお前ビビッんの」
B「うっわマジチキンだわ〜コイツ」
二人にからかわれ腹も立ったので、仕方なく俺も一緒に下へ下りた。
地下はかなり暗かったのを憶えている。
月の光が入ってこないだけでこんな違うのか、なんてことを言いながら俺達はあたりを照らしてみた。
廊下に置きっぱなしにされてる長椅子や壁に掛けられてる消毒液のボトル、
車椅子なんかも全部おきっぱなしになっていた。
しかし何故か上の階に比べてやけに片付いているというかキレイで、違和感を感じた。
Aが手近な部屋のドアを開いて、Bが廊下の奥にライトを向けたときだった。
B「おい、あれが手術室じゃねぇ?」
ライトの灯りがかろうじて届くほどの距離に、ドラマなんかでお馴染みのプレートが見えた。
手術中には赤く光が灯るアレだ。
ライトに映されたそれは文字なんて全く見えなかったけど、Bはかなりテンションを上げて大またで奥へと進んでいった。
遅れてAもそれに続く。
俺はこのときから気分が悪くなってた。
耳の中に水が入ったときのようなあの感覚がずっと続き、風邪になったときに感じる、
うまく言い例えられないけど精神が不安定になるような感覚に襲われた。
92 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/05/16(土) 03:49:14.635 ID:KmeUIK4W0
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