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( ^ω^)豚肉のようです
[8] -25 -50 

1:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:39:29 ID:MreiM5x5Co

ある所に1匹の豚がいました
その豚の名前は内藤ホライゾン
仲間内ではブーンと呼ばれていました
彼は養豚場の中で何不自由なくすくすくと育ちました
しかしそんな幸せな日々は長くは続きません
そう、ついにあの日が来たのです
豚肉に加工され出荷されるあの日g

( ^ω^)「なんだおこれ」

川 ゚ -゚)「途中で割り込むな、話が止まってしまったじゃないか」

( ^ω^)「割り込みたくもなるお!なんで豚肉なんだお!意味わかんないお」

川 ゚ -゚)ノシ「いいから続けさせろ」ベシッ

(;^ω^)「痛いお痛いお」

川 ゚ -゚)「今の所はカットで頼む」



19:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 21:18:05 ID:MreiM5x5Co

( ^ω^)「最後に一言いいかお」

('A`)「なんだよ」

( ^ω^)「カレーには牛肉だお」

そう言うとブーンの姿はふっと消えました
後に残ったのは2人で作ったカレーと大きな豚肉の塊

(;'A`)そ「これ本体じゃなかったのかよ」


第1話
「引きこもりと豚肉のようです」‐完‐


20:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:42:02 ID:/l4/mI4fPY

第2話
「リア充と豚肉のようです」


21:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:42:52 ID:/l4/mI4fPY

空気の澄んだ森の広場に2人の若者がいました
おおよそ友人と呼ぶには不釣り合いな雰囲気を醸し出す彼らはまさに幸せそうなリア充です
爆発してしまえ

(*゚ー゚)「ねえギコ君」

(,,゚Д゚)「なんだ?」

(*゚ー゚)「そろそろお昼にしない?私お弁当作ってきたの」

(,,゚Д゚)「しぃは料理がうまいから楽しみだ」

(*゚ー゚)「はい、いっぱい食べてね」

(;^ω^)「ふぅ…やっと開いたお」

(;゚ー゚)「きゃああああ!?」


22:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:43:55 ID:/l4/mI4fPY

しぃがお弁当箱を開くと突然不思議な声が聞こえたのです

(;゚ー゚)「ギ、ギコ君…今の聴こえた?」

(,,゚Д゚)「いや、俺は何も」

( ^ω^)「突然叫ぶなんて失礼だお」

(;゚ー゚)「やっぱり声が…」

(,;゚Д゚)「今のは俺も聞こえたぞ」

( ^ω^)「2人共落ち着くお、僕は無害だお」

(,;゚Д゚)「そんなの信じられるかゴルァ」

( ^ω^)「僕は豚肉の内藤ホライゾンだお、ブーンって呼んでくれお」

(*;ー;)「怖いよギコ君」

(,;゚Д゚)「俺が守るから大丈夫だ」

(;^ω^)「ここでも妖怪扱いかお」


23:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:44:48 ID:/l4/mI4fPY

しぃはギコの後ろに隠れ、ギコはブーンを睨みつけています
しかしはたから見ればお弁当を睨みつけているだけ、なんと滑稽な風景でしょうか

( ^ω^)「僕は何もしないお!だから話を聞いて欲しいお!」

(,,゚Д゚)「本当に何もしないのかゴルァ」

( ^ω^)「豚肉に二言はないお」

(,,゚Д゚)「その目、信じてやるぞ」

( ^ω^)「よかったお」

(;゚ー゚)「本当に大丈夫なの?」

(,,゚Д゚)「大丈夫だ、それによく考えたらこいつはただの豚肉料理だぞ」

(*゚ー゚)「あ、そっかぁ」

( ^ω^)「ずいぶんあっさりだおね」


24:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:45:47 ID:/l4/mI4fPY

( ^ω^)「実は2人に大変なお知らせがあるんだお」

(*゚ー゚)「大変なお知らせ?」

(,,゚Д゚)「なんだゴルァ」

( ^ω^)「このお弁当不味いお」

(*゚ー゚)そ「!?」

(,,゚Д゚)「何言ってんだゴルァ!しぃの料理が不味いわけないだろ!」

(*゚ー゚)「も、もしかして…」

( ^ω^)「おっおっ、心辺りがあるんだお?」

(;゚ー゚)「う、うん…」

(;゚ー゚)「実はね…ー」


25:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:47:04 ID:/l4/mI4fPY

そう言うとしぃは静かに今朝あった事を話し始めました

(* ー )「今朝寝坊しちゃったの、焦って私うっかり調味料を間違えちゃったかもしれないの」

(* ー )「昨日キッチンを片付けた時に調味料の位置を変えたのが悪かったのかな」

(*;ー;)「ごめんね、美味しいお弁当作れなくて」

(,,゚Д゚)「しぃ…、大丈夫だ俺はそんなの気にしないから」

( ^ω^)「そっちじゃないお」

(*゚ー゚)「え?」


26:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:48:15 ID:/l4/mI4fPY

ブーンは深い溜め息を吐くとお弁当をちゃんと見るように言いました

( ^ω^)「この玉子焼きを見るお」

(*゚ー゚)「普通の玉子焼きだよ?」

(,,゚Д゚)「普通だゴルァ」

(;^ω^)「普通じゃないお!真っ黒だお!なんだおダークマターかお!?」

(*゚ー゚)そ「普通じゃないの!?」

(,,゚Д゚)「知らなかったぞ…」

(;^ω^)「あとこれ、なんだお?炒飯の出来損ないかお?」

(*゚ー゚)「ひどい…、どこから見てもお握りなのに」

( ^ω^)「僕はそこまで目は悪くないお」

( ^ω^)「最後にこれ、僕豚肉だお」

(,,゚Д゚)「美味しいだぞゴルァ」

( ^ω^)「生焼けだお、お腹壊すお」

(*゚ー゚)「レアってやつなの」

( ^ω^)「違うお、生焼けだお」


27:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:49:20 ID:/l4/mI4fPY

それから小一時間ブーンは料理の何たるかを2人に指南しました
2人は自分達の料理知識が間違っていた事に始めは戸惑っていましたが次第に落ち着きを取り戻し真剣にブーンの話を聞くようになりました
それと共にブーンの指導にも熱が入り気が付けばもう夜です

( ^ω^)「お!もうこんな時間だお」

(*゚ー゚)「真っ暗だね」

(,,゚Д゚)「時間が経つのは早いぞゴルァ」

( ^ω^)「とりあえず2人ともちゃんとした料理がわかったかお?」

(*゚ー゚)「はい!」(゚Д゚,,)

( ^ω^)「ならよかったお、じゃあ僕はもう帰るお」

(*゚ー゚)「もう行っちゃうの…?」

( ^ω^)「リア充を見てるのは辛いんだお、察してくれお」

(,,゚Д゚)「そうか、世話になった」


28:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/6(日) 22:50:23 ID:/l4/mI4fPY

(*゚ー゚)「次料理を失敗した時も来てね」

(,,゚Д゚)「待ってるぞ」

( ^ω^)「呼ばれない事を願うお…、さよならだお!」

(*゚ー゚)「…行っちゃったね」

(,,゚Д゚)「…よし、帰って復習だゴルァ」

(*゚ー゚)「うん!…このお弁当はどうしようか?」

(,,゚Д゚)「食べるのは嫌だゴルァ…」

(*゚ー゚)「だよね…」


第2話
「リア充と豚肉のようです」‐完‐


29:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:02:04 ID:QxVPOrBXk2

第3話
「おっぱいと豚肉のようです」


30:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:02:40 ID:QxVPOrBXk2

闇に包まれた港、独り佇む青年
何者かに追われているのか頻りに辺りを気にしています
しかし何の気配もないとわかるとその場に座り込みました

(;゚∀゚)「はぁ…はぁ…、ここまで来れば奴らも…はぁ…はぁ…」

その息遣いは荒く、彼の体力が限界である事を示しています

(;゚∀゚)「ったく、何でこんな事に…」

(;゚∀゚)「しかし着の身着のまま逃げてきたせいで手元にあるのは僅かな金と…」

(;゚∀゚)「…なんで豚肉?」

( ^ω^)「呼んだかお?」

(;゚∀゚)「え?うわあああああ!?」


31:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:03:18 ID:QxVPOrBXk2

静かな港に彼の絶叫が響きます

(;゚∀゚)「し、しまった」

( ^ω^)「どうしたお?」

( ゚∀゚)「静かに」

そういうと神経を研ぎ澄ませ周りの気配を探ります

( ゚∀゚)「よかった、誰もいない」

( ^ω^)「状況がわからないお」

( ゚∀゚)「すまない、ところでお前は一体…?」

( ^ω^)「僕は内藤ホライゾン、豚肉だお。ブーンと呼んで欲しいお」

( ゚∀゚)「そうか、俺はジョルジュ長岡だ。ジョルジュって呼んでくれ」


32:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:03:43 ID:QxVPOrBXk2

( ^ω^)「それでジョルジュ、これはどういう状況だお」

( ゚∀゚)「…話せば長くなるが…ー」

ジョルジュの話しはこうでした
彼はとある組織に属していました
しかしひょんな事から組織の重大な秘密を知ってしまったのです
そのせいで彼は命を狙われるようになりました

( ゚∀゚)「…と、言うわけなんだ」

(;^ω^)「大変だお、いったいどんな組織なんだお?」

( ゚∀゚)「ああ、組織の名前は“おっぱい教団”世界中のおっぱいを愛でる会だ」

( ^ω^)「一気に下らなくなったお」

33:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:04:13 ID:QxVPOrBXk2

ジョルジュはブーンの言葉に怒りました

(♯゚∀゚)「下らないとはなんだ!?おっぱいはな、おっぱいは凄いんだ!!」

(;^ω^)「落ち着くお!大声を出したら見つかるお!」

(;゚∀゚)そ「!?…悪い」

( ^ω^)「それで秘密ってなんだお」

(;゚∀゚)「それは…」

( ^ω^)「どうせ僕は豚肉だお。話したって構わないお」

( ゚∀゚)「それもそうだな」

34:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:04:43 ID:QxVPOrBXk2

それからジョルジュは静かに組織の秘密とどうやって知ったのか話しました

( ゚∀゚)「あれはつい数時間前」

( ゚∀゚)「俺は組織の食事係だった」

( ゚∀゚)「あの時もいつものようにボスに食事を持って行ったんだ、ちなみに暑いからってそうめんと冷しゃぶを」

( ゚∀゚)「そして気付いたんだ」

( ゚∀゚)「豚肉を忘れていたと」

( ゚∀゚)「まあそこからは単純だ。食事をしながら秘密の会話をしていたのを盗み聞きしてしまったってわけだ」

( ^ω^)「それで秘密ってなんだお」

(;゚∀゚)「思い出すのも恐ろしい…、全世界のおっぱいをちっぱいに変えるって計画だ…」

( ^ω^)「やっぱ下んないお」

35:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:05:12 ID:QxVPOrBXk2

(♯゚∀゚)「下らないとは」

( ^ω^)「見つかるから黙れお」

( ゚∀゚)「すまん」

( ^ω^)「で、豚肉を持ったまま逃げ出したのかお?」

( ゚∀゚)「今考えてもおかしいよな、豚肉持って逃げるとか」

( ^ω^)「まあ普通じゃないお」

( ;∀;)「…俺はいったいどうすれば」


36:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:05:45 ID:QxVPOrBXk2

ジョルジュは突然泣き出しました
たとえ下らない組織の下らない秘密とはいえ命を狙われる身です
恐ろしくないわけ無いでしょう
ブーンは今さらながらに自分を責めました

( ^ω^)「ごめんお、僕にとっては下らなくてもジョルジュからしたら大変な問題なのにお」

( ;∀;)「いや、いいんだ…。他の奴からしたら下らない問題だし…」

( ^ω^)「元気だすお。僕も逃げるのに協力するからお」

( ぅ∀;)「ありがとなブーン」

僅かながらもさっきよりジョルジュの目に希望の色が見えました

( ゚∀゚)「俺頑張ってアイツらの計画を阻止してみせる!」

( ^ω^)「逃げるんじゃなかったのかお?」

( ゚∀゚)「こんな事態、おっぱい好きとしては逃げてなんかいられねぇよ」

( ^ω^)「残念なイケメンだお」

37:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:07:19 ID:QxVPOrBXk2

( ゚∀゚)「残念ってなんだよ。普通にイケメンって言っとけよ」

決意を新たにしたジョルジュはブーンと笑い合えるようになりました

( ゚∀゚)「よし、まずは一緒に闘ってくれる仲間でも探すか」

( ^ω^)「ジョルジュならできるお」

( ゚∀゚)「ああ、これからよろしくな、ブーン」

( ^ω^)「」

( ゚∀゚)「どうしたブーン?」

( ^ω^)「僕には無理だお」

( ゚∀゚)「どうして!?お前が豚肉だからか?」

( ^ω^)「常識的に考えてそれしかないお」


38:🎏 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:07:51 ID:QxVPOrBXk2

ジョルジュは悲しみました
自分にやる気を与えてくれた相手と一緒にいられない
それは静かに、けれど確実にジョルジュの心を蝕みます

( ゚∀゚)「別に豚肉だからって問題は」

( ^ω^)「腐るお」

(;゚∀゚)「ちゃんと保存すれば…」

( ^ω^)「時の流れは無情なんだお」


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