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( ^ω^)豚肉のようです
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1:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:39:29 ID:MreiM5x5Co

ある所に1匹の豚がいました
その豚の名前は内藤ホライゾン
仲間内ではブーンと呼ばれていました
彼は養豚場の中で何不自由なくすくすくと育ちました
しかしそんな幸せな日々は長くは続きません
そう、ついにあの日が来たのです
豚肉に加工され出荷されるあの日g

( ^ω^)「なんだおこれ」

川 ゚ -゚)「途中で割り込むな、話が止まってしまったじゃないか」

( ^ω^)「割り込みたくもなるお!なんで豚肉なんだお!意味わかんないお」

川 ゚ -゚)ノシ「いいから続けさせろ」ベシッ

(;^ω^)「痛いお痛いお」

川 ゚ -゚)「今の所はカットで頼む」



2:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:40:45 ID:MreiM5x5Co

川 ゚ -゚)「さて、どこまで話したか…」

('A`)「加工されるシーンまで書く気か?さすがにグロテスクだろ」

川 ゚ -゚)「それもそうだ、豚肉になってからの話にしよう」

(♯^ω^)「勝手に話を進めんなお」

('A`)「始まり始まりー」


第1話「引きこもりと豚肉のようです」


3:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:41:43 ID:MreiM5x5Co

とある1日は男の絶叫と共に幕を開けた

('A`)「カーチャンがいねえええええ!?」

彼はドクオ
あと数日で魔法使いになる独身で引きこもりニートのマダオです

('A`)「なんでカーチャンいねぇんだよ!?俺の食事はどうなんだよ!?…ん?これは」

┏━━━━━━━━━┓
┃ドクオへ      ┃
┃町内会の慰安旅行で┃
┃2泊3日熱海に行き┃
┃ます。      ┃
┃なので食事は自分で┃
┃準備してください。┃
┃冷蔵庫の中身を自由┃
┃に使っていいので。┃
┃それぐらいならドクオ┃
┃もできると信じてい┃
┃ます。      ┃
┃     カーチャンより┃
┗━━━━━━━━━┛

('A`)「…俺終了のお知らせ…か…」


4:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:42:56 ID:MreiM5x5Co

ドクオの心は恐怖に支配されました
それもそのはず、彼は生まれてこの方自炊をしたことがないのです
キッチンに近付く事すらしてこなかった彼に1人で料理など出来るのか

(#'A`)「できるわけねぇだろ!!」グー

('A`)「…腹減ったな」

('A`)「残り物でもないかな?」ガチャッ

( ^ω^)「寒いお寒いお助けてお」

('A`)「」バタン

('A`)「幻覚に幻聴、そんなに腹が減ってるのか俺は」ガチャッ

(♯^ω^)「何で閉めるんだお!?早くここから出してくれお!」

(;'A`)「」

(;'A`)「ええええええ!?」


5:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:43:50 ID:MreiM5x5Co

ドクオの困惑をよそに冷蔵庫内のそれは声を荒らげます

( ^ω^)「さっさと出してくれお!このままだと凍るお!そんなの嫌だ…お…」

だがしかしそれの声は次第に力を失い、最後の言葉は聞こえるかどうかすら怪しいほど小さくなっていきます

(;'A`)「え?ちょっと?」

〔 ‐ш‐〕「」カチーン

(;'A`)「凍ってるうううう!?」

ドクオの叫びは誰に届く事もなくキッチンの中でただただ虚しく響くだけでした

('A`)「なにこれもう嫌…」


6:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:45:49 ID:MreiM5x5Co

あれから数時間、ドクオは非力な自分を呪いながら凍ってしまったそれを取り出しました

('A`)「つ、疲れた…」グーグー

('A`)「くそっ、余計に腹が減ってきた」

('A`)「早いとこ調理なしで食べれる物探して食う…か…?」

(;'A`)そ「中身がない!?」

恐ろしい事態に陥りました
冷蔵庫の中に何もないのです

(;'A`)「どうして…、カーチャン冷蔵庫の中身入れ忘れたのか?」

(;'A`)「いや、カーチャンがそんな事するはずないし…」

(;'A`)「…まさかこいつ食えって?」

〔 ‐ш‐〕「」カチーン

(;'A`)「まさかな、まさか…」


7:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:46:36 ID:MreiM5x5Co

(;'A`)「とりあえず溶かすか」

そう言うとドクオはガスバーナーを用意しました
もちろん焼くつもりはありません
ただ少し彼の頭が弱かったのです

('A`)「ファイヤー!」

…再度言います、焼くつもりはありません

〔 ‐ш‐)「」

(*'A`)「お?溶けてきた」

〔 ‐ω‐)「…ん」

( ^ω^)「はっ!僕はどうしてたんだお…」

(*'A`)「うまくできた…フヒヒ…」


8:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:47:24 ID:MreiM5x5Co

( ^ω^)「僕は凍っていたのかお…。助かったお、ありがとうだお」

(*'A`)「ど、どういたしまして」

凍っていたそれは助かった事に、ドクオは初めて感謝された事に喜びました
しかしそんな喜びも束の間
ドクオは本来の目的を思い出しました

('A`)「あ、食べ物」

(;^ω^)そ「!?」

('A`)「なんでお前が驚くんだよ、つかお前何なんだよ」


9:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:48:12 ID:MreiM5x5Co

(;^ω^)「僕を食べるのかお…?」

('A`)「え?お前食べ物なの?」

(;^ω^)「当たり前だお!豚肉だって見ればわかるお!」

なんという事でしょう、あれは豚肉だったのです

('A`)「豚肉が喋るわけねぇだろ」

(;^ω^)「それもそうだお、正しくは豚肉の妖精だお」

('A`)「…妖怪の間違いじゃないのか?」

ドクオがそう思うのも無理はありません
見た目はただの肉塊、それなのに話ができる
本当にもう妖精というより妖怪です


10:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:49:08 ID:MreiM5x5Co

(♯^ω^)「この際妖精でも妖怪でもどっちでもいいお!」

(;'A`)そ「ゴ、ゴメンナサイ…」

( ^ω^)「あ、怒鳴ってごめんだお」

(;'A`)「キニシテナイヨ」

(;^ω^)「怯えてるお…」

( ^ω^)「そうだお、自己紹介がまだだったお!僕は内藤ホライゾン、ブーンって呼んで欲しいお」

(;'A`)「え、あ、ドクオです」

('A`)(豚肉にも名前ってあるんだ)


11:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:49:46 ID:MreiM5x5Co

それから2人は話をし、すっかり打ち解けました

( ^ω^)「29にもなって童貞かおww魔法使い決定だおwww」

('A`)「うるせー、どうせお前だって童t」

( ^ω^)「残念でしたお。僕は卒業してるお」

(;'A`)そ「嘘だ!?」

2人の会話はどんどん進みます
時間も忘れていつまでも


12:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:50:45 ID:MreiM5x5Co

('A`)「なんでかわかんないけどお前とは気が合うな、豚肉なのに」

( ^ω^)「本当だお、ところで…」

('A`)「ん?どうした?」

( ^ω^)「お腹、空いてるかお…?」

('A`)「え?あぁ、たしかにお腹ペコペコだな」

( ^ω^)「冷蔵庫にあった食材は僕だけなんだおね?」

(;'A`)「まさかお前!?俺はお前を食べたりしたくなi」

( ^ω^)「さっそく買い物に行くお」

('A`)「デスヨネー」

豚肉に仕切られるのは癪でしたがドクオの空腹もそろそろ限界です
なのでおとなしく彼に従う事に決めました

( ^ω^)「料理には詳しいから任せて欲しいお!」


13:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:52:25 ID:MreiM5x5Co

こうしてドクオは何年ぶりかわからない外へと出て行きました、1人で

('A`)「ソト、コワイ」

( ^ω^)『大丈夫だお!スーパーに行って買い物するだけだお!』

(;A;)「なんでお前は来ないんだよ」

( ^ω^)『豚肉だから仕方ないお』
ブーンは豚肉なので家から出られません
ドクオは泣く泣く1人で買い物に来ました
そんな彼の唯一の救いは妖怪の力によるテレパシーです
会話できる相手がいる、それがすぐにでも逃げ出したいドクオの心を支えるのです

( ^ω^)『ドクオならできるお!頑張るんだお!』

(うA;)「オレ、ガンバル」


14:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 21:07:30 ID:MreiM5x5Co

それから数時間、ドクオは神経をすり減らせながらも見事1人で買い物を成功させました

( A )「モウ、ダメポ…」

( ^ω^)「ドクオおかえりだお!よくやったお!」

( A )「オレ、ガンバレタ…?」

( ^ω^)「頑張れたてお!ドクオはすごい男だお!」

(*'A`)「ありがとな」

( ^ω^)「じゃあさっそく料理を始めるお!おー!」

(*'A`)「おー」


15:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 21:08:08 ID:MreiM5x5Co

今回の買い物でドクオが買ってきたものは人参、ジャガイモ、玉ねぎなど
これを使い料理初心者でもある程度作れるものと言えばあれしかないでしょう

( ^ω^)「肉無しカレーを作るお」

('A`)「人参嫌い…玉ねぎ嫌い…」

( ^ω^)「好き嫌いはだめだお!」

('A`)「ハイ…」

( ^ω^)「まずは野菜を洗ってー…」

それからしばらく経ちキッチンは胃を刺激する美味しそうな匂いで満ちていました

(*'A`)「まだ?」

( ^ω^)「まだだお。ご飯が炊けるまでの辛抱だ…お?…ご飯?」


16:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 21:08:45 ID:MreiM5x5Co

(*'A`)「どした?」

(;^ω^)「僕らは重大なミスを犯してしまったお」

('A`)「なんだよ」

(;^ω^)「ご飯を炊き忘れたお」

(;'A`)そ「!?」

大変な事になりました
カレーライスのライスを忘れてしまうなんて、まさかの事態です


17:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 21:16:22 ID:MreiM5x5Co

(;^ω^)「こうなったら奥の手だお」

('A`)「なんだよ奥の手って」

( ;ω;)「僕をお米の代わりにしてカレーを食べるんだお」

('A`)「いや無理だろ」

( ^ω^)「やっぱ無理かお」

('A`)「たしかチンするご飯が戸棚に…」

('A`)「あった!これで大丈夫だろ」

(*^ω^)「おっおっ、よかったおね」


18:🎏 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 21:17:21 ID:MreiM5x5Co

こうして無事ドクオは食事をとることができました

('A`)「ふぅ、美味しかった」

( ^ω^)「それはよかったお、じゃあ僕はそろそろ行くお」

('A`)「?行くってどこに?」

( ^ω^)「豚肉として食事に困ってる人を助けにだお」

('A`)「アン○ン○ン的な感じか」

( ^ω^)「そんな感じだお。でも自分を食べさせる気はないお」

('A`)「そっか、頑張れよ」

( ^ω^)「ありがとだお、ドクオも頑張れお」

('A`)「ああ」


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