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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


960: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:24:55 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「……!」ドキドキ

ザワザワ ザワザワ

ファルージャ「…誰ぞ」ポツリ

レジスタンス11「……!?」

ファルージャ「妾の前に剣を突き立てたのは誰ぞ!?」カッ

西兵108「ひ、ヒィッ!?」タジッ

王国兵78「わ、私は知らん!知らんぞ!」アワアワ

賊徒33「あ、あっちから飛んできたぞ!?」アタフタ

護衛13「陛下!!」

レジスタンス11「なにぃ!?」

ヒメ「遅れてすまない!」ザッ

カロル「…わ」クラッ

宣教師「改めて見ると…なんて悲惨な…」ジッ

ラム「独房と違って真新しい匂いだね。これはこれでキツいなぁ」ツーン

ファルージャ「また、そなたらか…!!」ワナワナ
961: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:25:32 ID:Z3/ar.vMUI
ヒメ「王国軍に告ぐ!ただちに武器を捨て、投降しろ!」

王国兵's「なに…!?」

ヒメ「憎き国賊、アーディス・フィクサー総指揮の身柄はこちらで拘束した!もはや勝敗は決している!」

王国兵's「バカな!総指揮が!?」

護衛's「か、勝った…ということか?」

ヒメ「そうだ!この戦い、国王直属近衛師団の勝利は揺るぎない!
西国反乱軍及び西国帝国軍の代理戦争からは手を引き、我々は帰還する!
沙汰は王国領内王都議事堂にて下す物とする!速やかに降伏を受け入れろ!」

王国兵78「そん…な」

王国兵79「我々の…我々による新時代が……」

ヒメ「夢から覚めろ!おまえ達の行き先はその手で汚した現実だ!!」

王国兵's「あ…うあ……」ガクッ

護衛's「やった…やったぞ!勝ったんだ!」プルプル

ウオオォォォオオオァァァアアアアアア!!!!!

ヒメ「ふぅ…なんとか間に合ったな」

宣教師「…立派になりましたね」ニコッ

ラム「ホント!王様の風格ってやつ?」クスッ

ヒメ「まぁな!」ニィッ
962: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:26:19 ID:Z3/ar.vMUI
ワァーワァーギャーギャー

宣教師「さて、残るは…」

ラム「ファルージャがどう出るかだね」

ヒメ「いや、もう大丈夫だ」

宣教師「へ?」

ヒメ「4つの戦力には偏りがある」

ラム「……?」

ヒメ「僕らの陣営となる近衛師団が約100。レジスタンスの反乱軍が約3万。
ファルージャ配下の西国帝国軍は6000弱。フィクサーが引き抜いた王国軍が約10万。これが初期の戦力図だ」

ヒメ「この中でファルージャが動かせる戦力は西国帝国軍だが…以前の戦いで主力を欠いている帝国軍だけでは反乱軍と戦う余力さえない」

ヒメ「頼みの綱の王国軍は総指揮のフィクサーを失い、僕の呼び掛けで完全に停止した」

ヒメ「つまりファルージャに残された手は強引に負け戦を続けるか、降伏に応じて反乱軍との交渉に移るかの二つだ」

宣教師「……へぇ」ニコッ

ラム「……そうなんだ」ニコッ

ヒメ「おまえらなんとなく頷いてるだろ」
963: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:27:44 ID:8RM3./Nalk
西兵108「じょ、女王!どうじまじょう!」アセアセ

ファルージャ「フゥ〜…なにを慌てふためいておるか」

西兵108「ず、ずいやぜん!」

カロル「ファルージャさん!」

ファルージャ「!」ピクッ

カロル「…終わらせよう?」

ファルージャ「……」

カロル「もう十分でしょう?やめようよ!」

ファルージャ「クッ…」ギリッ

カロル「ファルージャさん…!」

ファルージャ「煩い!!妾に指図するでないわぁっ!!」キッ

カロル「」ビクッ

レジスタンス11「!?」ギョギョッ

西兵's「ヒィッ!?」ズサッ

ファルージャ「……そこのホビットを殺した者に褒美を取らす」

ザワッ

ファルージャ「誰でも構わぬ!妾を抱きたければ、あの童の首を跳ねてまいれ!!」シュルッ ボインッ

西兵's「う……」ワナワナ

賊徒's「お……」ググッ

王国軍's「おぉぉ……」ズズズッ

オォォオオオオオ!!!!!
964: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:28:58 ID:Z3/ar.vMUI
ラム「ちょっと!話が違うじゃないか!あいつの一声で暴動が起こってるよ!」アセアセ

ヒメ「そんなバカな…!?」ガクガク

宣教師「えぇ、バカですよ!男というのは本当に…!」イライラ

ラム「どうするんだよ!なにか秘策はないの!?」

ヒメ「冗談じゃない…!こんな……これ以上どうしろって言うんだ!」

宣教師「ひとまずカロルくんを避難させましょう!ここでは危険です!」

ラム「そ、そうだね!また地下に潜ればなんとか…」

ヒメ「くそっ!僕は残って食い止める!団長を呼んでくれ!」

宣教師「分かりました!」コクッ

ラム「カロルくんを逃がさないと!」ダッ

宣教師「では私も!」ダッ

ヒメ「頼んだぞ!」

「イアアァァアアアマァァァン!!!!」

宣教師、ヒメ、ラム「!!!」ビクッ
965: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:29:54 ID:8RM3./Nalk
アアァァァン………

宣教師「い、今の声は…!?」

ラム「あ、あれ!」

ヒメ「あいつ…!」


クンバヤ「ぐぅ…はあ!イアマンよ…おれに…ちか、らを」ズルズル

レジスタンス11「クンバヤ…!生きてたのか!?」

賊徒's「アニキ!!」

ファルージャ「なんじゃ…!?」ギロッ

クンバヤ「あくまを…たおす力を…!おれたちの自由を…とりもどす力をぉぉ…!!」ギンッ

ファルージャ「!?」ゾワッ

クンバヤ「ウガァァアアアアア!!!」バッ

ファルージャ「だ、誰ぞ!こやつを止めっ……」

ドシュッ!
966: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:31:23 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「ぐ……」ボタボタ

クンバヤ「」バタッ

ファルージャ「いっ……あっぐぅ!」ペタン

西兵108「じょ、女王!大丈夫ですがぁ!!」ハラハラ

ファルージャ「か、顔に……妾の、妾の美しき顔に…傷が…!?」ハァハァ

西兵's「」ハッ

ファルージャ「よ、くも…よくも…!!」ブチィッ

西兵108「女王…!」

ファルージャ「殺せっ!!そやつをなぶり殺しにせよ!!妾の顔を傷付けた罪、とくと思い知らせるのじゃ!?」ガァーッ

賊徒's「なんだ、ありゃ…!?」

王国兵's「ひ、ひでぇ…」

ファルージャ「なにをしておる!はよう!はよう殺さぬか!?」

西兵's「……」

ファルージャ「き、貴様らまで…!なぜ黙っておる!命令じゃ!」

「ひどい醜態ですね」

ファルージャ「なにぃ…!?誰じゃ!妾にかような……」クルッ

宣教師「目元から鼻にかけて顎先まで一文字が刻まれ、怒りを露にわめき散らす姿は誰の目から見ても醜いでしょう」ザッ

ファルージャ「そなた…!またしても…!?」

宣教師「その顔ではもはや誰も誘惑出来ませんね。魔性のファルージャさん…でしたっけ?」クスッ

ファルージャ「小娘がぁ…!」ワナワナ
967: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:34:05 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「たかが傷一つで…!?」ズキズキ

宣教師「完璧に清潔を保った部屋ほど埃が目立つものですよ。あなたのそれは致命的ですが」

ファルージャ「ありえぬ…!こんな、こんなもの……いっ!」ズキンッ

宣教師「無闇に触ると痛みますよ」

ファルージャ「う、ふぅ。ぐ……」ズキズキ

宣教師「"魅力"さえ失ったあなたに人の心を動かす力はありません」

ファルージャ「ほざくな…!小娘がぁぁ…!!!」ブシュッ

宣教師「敗北を認めなさい。そして…あなたに狂わされた人々の命に償うのです」

ファルージャ「だ、れが…グホッ!ゴフッ!」ブバァッ

ザワザワ ザワザワ

ファルージャ「(痛い…!黒魔術による苦悶とも無造作に抱かれる屈辱とも違う……純粋な激痛!)」ボタボタ

ジロジロ ヒソヒソ

ファルージャ「(なんじゃ、その目は…!なぜそんな目で見る…!?これしきで妾の美貌が霞むとでも…!?)」ブルッ
968: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:44:15 ID:8RM3./Nalk
ワラワラワラ

賊徒29「ヒヒヒ!あ〜やうく騙されんとこだったぜ!」ニヤニヤ

賊徒30「おう!こんなブスに従う俺らじゃねぇ!今こそアニキの意思を継ぎ、イアマンの鉄槌を降す時だ!」ジャキッ

ファルージャ「……!ふ、不埒者め!親衛隊!こやつらから妾を守れ!?」バッ

シーン

ファルージャ「守れと言うのが分からぬか!二度言わすな!?」キッ

西兵's「へ、へい……」シブシブ

ヒメ「やめておけ。勝ち目はないぞ」ザッ

ファルージャ「……!?」ビクッ

ヒメ「帝都や近隣の諸侯から全兵を召集したとしてもレジスタンスの勢力には到底及ばない。
しかもこの城内を占める兵の半数以上はレジスタンスと王国軍だ」

レジスタンス11「言っとくが俺達は一歩たりとも退かねぇぞ。やるならとことんやってやらぁ!?」ズイッ

ヒメ「帝都も事前の仕掛けで、ほぼ反乱軍が占拠した。
増援、補給等の後方支援も見込めない上、おまえ達をまとめられる指揮官級は不在と来ている」

西兵's「」ゾクッ

ヒメ「忠告はした。まだやるなら受けて立つぞ」ジッ

西兵's「」タジッ

ヒメ「その女と心中する覚悟があるなら話は別だが」

西兵's「」ポイッポイッ

カランカランカラン
969: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:46:26 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「な、なんの真似じゃ…!?なぜ武器を捨てる…!?」

宣教師「国王の説明を聞いたでしょう。彼らは敗北を認めたんです」

ファルージャ「馬鹿な!妾は帝ぞ!下僕は帝に尽くすが道理!!そのような小僧の戯れ言に耳を貸すなどありえぬわ!?」

ヒメ「おまえもそうやって地位を勝ち取ったんだろ」

ファルージャ「!?」

ヒメ「なんせ情婦の身でありながら皇帝一族を一人残らず抹殺した悪女だ。
裏切りと報復の恐ろしさを最もよく知るのはおまえじゃないのか?」

ファルージャ「わ、わら、妾が…棄てられると…!?」ガクガク

宣教師「あなたは長年、この国の女帝に君臨してきたそうですが…家臣の方々との信頼は稀薄だったのですね」チラッ

西兵's「………」

宣教師「どうやらこの方々はあなたの外見にしか興味が無かったようです」

ファルージャ「〜〜〜!!」ワナワナ

宣教師「内面も愛されていれば…結末は違ったかもしれませんね」

ファルージャ「あ、あぁアアアアア!!!アァァアアアアアア!!!」ワシャワシャ

宣教師「可哀想に……」ジッ

ヒメ「……終わったな。ようやく。全てが」

スタスタ

ラム「あっ!」

ヒメ&宣教師「!?」ピクッ
970: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:47:47 ID:Z3/ar.vMUI
カロル「」スッ

ファルージャ「」ビクッ

カロル「」ピトッ

宣教師「カロルくん!?」

ヒメ「な、何してるんだ!よせ!?」アセアセ

ラム「そうだよ!せっかく苦労して倒したのに!?」

カロル「……」

ファルージャ「お、おぉ…」ガッ

カロル「……」

ファルージャ「そなた……そなたじゃ!そなたの力を使えば、この忌々しい傷も…!」パァァ

ヒメ「カロル!!!」

カロル「……」チラッ

ヒメ「その傷はさっきの男が命懸けで託した最後の希望だ!何もするな!絶対にだ!!」

ラム「そうだよ!犠牲を無駄にしない為にも、このままにしておくんだ!」

宣教師「手負いの彼女を見過ごせない気持ちは分かります!ですが…それは今でなくてもいい筈です!」

カロル「……」
971: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:48:13 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「み、見捨てまいな…?よもや……妾にはそなたしかおらぬ?」ブルブル

カロル「……」

ファルージャ「そなたは妾を救ってくれる…。そうであろう!?」ギュッ

カロル「昔ね、お母さまと約束したんだ」

ファルージャ「!?」

カロル「やりきれなくなったらやめなさいって」

ファルージャ「ハァ…!?」

カロル「人間の世界に入って、たくさんのことを知れて楽しかったよ」

カロル「もし諦めてたら出会えなかった人がこんなにいるなんて嬉しくて…ホントにしあわせだった」

カロル「それでも…同じくらいやりきれないこともあったんだ」

カロル「だから全部やめて元通りに暮らそうとしたけど……やっぱりできなかった」

ファルージャ「……!!どうでもよいわ!!はよう癒さぬか!?」カッ

カロル「…ともだちがボクを見捨てないでいてくれたから」ニコッ

宣教師「……!」

ヒメ「っ…!」

ラム「カロルくん…」
972: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:49:53 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「長々とくだらぬ話を…!無駄に時間を取らすな!!」

カロル「……」

ファルージャ「妾の美を返せ!!この激しい痛みから解放するのじゃ!?」ドクンドクン

カロル「…その痛みは今までファルージャさんの為に死んできた人たちの痛みだよ」

ファルージャ「うぐぁぁあ!!痛い!痛い痛い痛い!早く!早くしろぉ!?」ガシッ

カロル「傷付いて、動けなくなって、見捨てられて、それでもあなたを信じてひとりぼっちになった人たちの」

ファルージャ「コワッパァァァアア!!!」ググッ

カロル「っ…!」ズキッ

宣教師「(つ、爪を立てて…!?)」

ファルージャ「あたかも己が正しいように…!虫酸が走る!たかだか…ホビットの分際でぇ…!?」クワッ

カロル「…う……」タラー

ファルージャ「そなたは!石にかじりつき、泥を貪って飢えを凌いだことがあるかえ!?」

ファルージャ「襤褸を纏い、骨張った手足をひくつかせ、媚びへつらい、嘲られても!」

ファルージャ「粛々と野獣のように抱かれ、汚濁にまみれた肌を固く冷たい地べたに打ち捨てられる女の気持ちが分かるのか!?」

カロル「………」

ファルージャ「く、くす…クスス!笑えるであろう…?魔性と謳われた美姫の正体が薄汚い枯木のごとき不細工だったなど……」ガタガタ

カロル「笑わないよ…」

ファルージャ「じゃが妾はこうして登り詰めたっ…!悪罵にさらされ、陵辱を受け、絶望に満ちた苦痛の内にあろうとも死に物狂いで…!」

ファルージャ「生きる者を喰らい、死人をも喰らい、喰らえない物にさえかじりつき……生き抜いてきたのじゃ!」ギリッ

ファルージャ「銅貨一枚で身体を売り歩く貧民窟の遊女が……愛され、羨まれ、帝国の頂にさえ君臨してみせるには……どれほどの惨憺たる現実を見なければならなかったか分かるかぁ!!!」

カロル「……」シュン
973: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:52:05 ID:8RM3./Nalk
賊徒30「ゲヘへ!おい、聞いたかよ?」ニヤニヤ

賊徒31「おうよ。なっさけねぇ〜わ」ニタニタ

賊徒32「さんざんでけぇツラしてのさばってくれた割にはなぁ?」ププッ

賊徒33「女帝様はくっせぇ〜穴蔵育ちのあばずれ女だったってかぁ?グヒャヒャヒャヒャ!!!」

賊徒34「こいつぁ〜いいや!ほれ!」ピンッ

チャリンチャリン

ファルージャ「〜〜〜!!!」プルプル

賊徒34「銅貨一枚くれてやらぁ?さっさと股ぁ開けよビッチが?」ニタニタ

ファルージャ「なん、じゃと…キサマ…!?」ギロッ

賊徒35「俺も俺も〜」ピンッ

賊徒36「こんな傷物とヤるのかよ〜?俺は勘弁っすわ〜?」

賊徒37「顔なんざ布切れ被して隠しときゃいいだろ。腐っても身体は上等だ!ギャハハ!」ゲラゲラ

賊徒38「それもそうだなぁ!んじゃ俺も一枚投じてやっか!」ピンッ

賊徒39「おいおい、いったい何人でマワす気だよ〜!後に抱くヤツがバッチぃじゃねぇか?」

賊徒40「うしし…いいじゃねぇか。堕ちた女を汚すってのも乙なモンよ」ピンッ

ピンッ ピンッ ピンッ ピンッ

ファルージャ「お、のれ…!やめろ!小銭を投げつけるなぁ!?」ビシビシッ

賊徒30「ギャハハハハ!見ろよ!あの必死なツラ!血と涙で崩れた化粧がどろどろになってらぁ!」ゲラゲラ

ファルージャ「アァ…!ウアァァアアア!!」ボロボロ
974: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:53:09 ID:8RM3./Nalk
カロル「」バッ

ファルージャ「」ビクッ

カロル「……!」ビシビシッ

賊徒30「あぁ?なんだぁこのガキぃ?」

賊徒31「どけよ!邪魔だろうが!」

カロル「やめなよ…。男の人なのに女の人をいじめるなんてかっこ悪いよ!」キッ

賊徒32「てめぇ…!なんだその生意気な目ぇ?ぶっ殺すぞウラァ!!」

バキィッ

賊徒32「ぎゃふ!?」ズダァァ

レジスタンス11「みっともねぇんだよ。バカヤロウ」コキコキ

賊徒's「……!?」

レジスタンス11「リーダーのクンバヤが命を振り絞って掴んだ勝利に女を抱いて祝福ってか?意地きたねぇにも程があんだろうがよ!?」カッ

賊徒's「」ブルッ

レジスタンス11「王国人も見てる前でなんだ、このひでぇ有り様は?馬鹿にすんじゃねぇ!俺たちはイアマンだぞ!?」

レジスタンス11「この聖戦を勝利に導いた英雄だ!神に愛された戦士だ!路上でくだ巻くならず者じゃねぇ!誇りはねぇのかクソヤロウ共!?」ガァーッ

賊徒's「」ズーン
975: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:54:50 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「ひっ…ヒィ……」ボロボロ

カロル「怖かったよね。ごめんなさい」ダキッ

ファルージャ「!?」ギュッ

カロル「ボクも知ってるよ…」ナデナデ

ファルージャ「……!?」ブルブル

カロル「ボクたちに石を投げつける人たちは何を言ってもやめてくれなかった」

カロル「誰も止めようとしないし助けてくれることもなかった」

ファルージャ「……!」

カロル「だからボクは見捨てたくない。あんな苦しみは知らなくていいんだ」

ファルージャ「やかましい!!」バッ

カロル「!」

ファルージャ「そなたは…何がしたい…!?なにゆえ、庇おうとする…!?」ポロッ

カロル「……」

ファルージャ「落ちぶれる妾を見下しておるのであろうが…!?癒す気もないのなら、妾に情けなど…!」ググッ

カロル「ううん」フルフル

ファルージャ「はぁ…そうかっ…!味方のふりをし、欺くのだな…!?誰がそなたなどに振り回されるか!」

カロル「ちがうよ」

ファルージャ「なんなんじゃ…!魅力を無くした妾に…何を望む…!?」ポロポロ

カロル「なにも望んでないよ」ナデッ

フワッ

ファルージャ「!!!」

ファルージャ「……!」

ファルージャ「ふ、う」ポロポロ
976: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:38:50 ID:8RM3./Nalk
ラム「あ〜あ、またやっちゃったね」

ヒメ「よせって言うのに…」

ラム「でもいいんじゃない?あの様子なら大丈夫だよ。たぶん」

宣教師「……」

ラム「どうかしたの?」

宣教師「これで済むような相手でしたら最初から苦労していませんよ」

ラム「どういうこと?」

ヒメ「さすがに女の方が鋭いな」

宣教師「キミも?」

ヒメ「…あぁ、女心は分からないがヤツとは浅からぬ因縁がある。簡単に覆せるタマじゃない」

ラム「な、なにさ!二人だけで納得して!」

宣教師「キミも半年以上、この城で彼女を見てきたのなら、なんとなく察しませんか?」

ラム「……?」

ヒメ「成り上がりとはいえ、仮にも大国の支配者まで登り詰めたんだ。その自我は強いってことさ」

ラム「……!」
977: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:40:16 ID:Z3/ar.vMUI
カロル「へいき?」ナデナデ

ファルージャ「う、うっ…」ポロポロ

カロル「」ナデナデ

ファルージャ「(なんという屈辱…!ホビット風情に涙を見せ、懇願させられるなど…あるまじき醜態!)」ジワァァ

カロル「……」ナデナデ

ファルージャ「(なぜじゃ…なぜこやつには妾の魅力が通じぬ…!)」

ファルージャ「(ひとたび誘惑すれば皇族もその臣下も民衆さえも平伏した…)」

ファルージャ「(童の仲間とて初めは我が美に揺れていた…!)」

ファルージャ「(じゃがこやつは…こやつだけは!)」キッ

カロル「?」ニコッ

ファルージャ「(最初から靡かなかった!凪のごとく、なにも望まぬと言い切った…!無償で傷を癒した!)」

ファルージャ「(敵対した妾を愛するでもなく救った…!)」ギリッ

ファルージャ「(まるで妾を女とも見ておらぬかのように…!)」フーフー

ファルージャ「(侮辱じゃ…かつてない…!)」ググッ
978: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:41:19 ID:8RM3./Nalk
西国兵108「うへへ!じょ、女王の美貌が戻っだぞ!」

西国兵's「ぐしし…!やはり女王が一番だ!」ジュルリ

ファルージャ「……!」ジャリッ

西国兵108「さぁ女王!今度こそ、ごのネズミどもを一網打尽にしてやりやしょうや!」

ファルージャ「痴れ者めっ!?」カッ

西国兵's「ひっ!」タジッ

ファルージャ「ようも黙っておったものよ…!下僕の分際で高みの見物か!?」ジロッ

西国兵's「〜〜〜!」モゴモゴ

ファルージャ「…自害せよ」

西国兵's「え…?」

ファルージャ「互いに心臓を刺し合え…!妾を裏切った罪、死を以て償うのじゃ!!」

西国兵's「」オロオロ

ファルージャ「どうした!命令じゃ!やらぬかぁっ!?」

カロル「ふぁ、ファルージャさん…!やめなよ!」オロオロ

ファルージャ「そなたもじゃ…!」

カロル「え…?」

ファルージャ「価値の分からぬホビット風情が妾の心を手に入れたつもりか…!?」

カロル「な、なんのこと…?」

ファルージャ「こやつの心臓に剣を突き立てよ!無価値な愚か者はまとめて死ぬがいいわさ!」

パシンッ!

ファルージャ「ッ……」ヒリヒリ
979: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:42:01 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「……!?」マジマジ

宣教師「……」

ファルージャ「キ、サマ……わ、妾の顔を張ったな…?」ワナワナ

宣教師「いい加減にしなさい!!」

ファルージャ「」ビクッ

宣教師「まだ分からないのですか!もう終わったんですよ!」

ザワザワ ザワザワ

宣教師「いつまでも喚いてないで現実を受け止めなさい!」

ファルージャ「……!」プルプル

宣教師「少しは改心するかと思いましたが手の尽くしようがありませんね」

ファルージャ「改心…!?妾が何を改める必要が…!?」

宣教師「それから!」ピシャリッ

ファルージャ「!」

宣教師「私はカロルくんのように無条件であなたを許す気にはなれません…。それだけの罰を覚悟なさい」

ファルージャ「ふ、ふざ…!」イラッ

宣教師「ふざけるな、は私のセリフです!」

ファルージャ「」ムグッ

宣教師「幾度となく差し伸べられた手を払ってきた…掴む手を失ってからでは遅いんですよ」

宣教師「犯した過ちもそうですが…自分の心に問いかけなさい。何が間違っていたのか、なぜ最後の最後で見捨てられたのか」

宣教師「それが分かる時まで…あなたに愛を語る資格はありません」

カロル「宣教師さま…」

宣教師「キミもやりすぎです!この女から離れなさい!」グイッ

カロル「あっ…」グンッ
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名前:
sage:


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