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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


935: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:24:20 ID:7TPSqG30CI
『あぁ……くるしぃ…』

『たすけて…おねえちゃん……』

『かえり、たい……ママ、パパ……あいたいよぅ』

魔導師「!!!」ゾワァッ

『わたしとおねえちゃん、ふたりになっちゃったね……ごほっ』

魔導師「……!」ゾクゾク

『ねぇ、だいじょうぶって言って…?いつもみたいに優しく撫でて…?』

魔導師「(やめ、ろ。思い出させるな…!)」ガリッ

『ナニゴレ!?ぎぼぢわるい!ごんなの!ワダシじゃナイ!!げほっう゛ぇぶぅごぼはっ』

魔導師「聞きたくない!イヤだ!やめてくれっ!!」ボリボリ

ヒメ「お、おい!どうした!?」アセアセ

『ヴゾヅギィ!!ガエレルッデ!!イッダノニィ!!?』

魔導師「あっあっひやぁ!うやぁぁああああ!!!?」バリボリ

カロル「」パシッ

魔導師「!!?」ビクッ

カロル「血が出てる…」ギュッ

魔導師「へ、あ……」フワッ

カロル「大丈夫」ニコッ

魔導師「あ、あぁ……」ブルブル

カロル「大丈夫だよ」ニコニコ

魔導師「ふ、う……」ジワァァ
936: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:25:59 ID:7TPSqG30CI
魔導師「…自分には、なにもない」グシッ

魔導師「特別だった物を失ってきた…。助けられなかった…!」ググッ

魔導師「女王だけなんだ…。どんなに醜くなっても…愛してくれたのは…」

カロル「…だからホビットの里を襲ったの?」

魔導師「……?」

カロル「あの日、たくさんの人が大切な物を奪われたんだよ…?」

魔導師「なんの…はな、し」

カロル「ボクは覚えてるよ。パカラーロさんがボクを探しに来た時のこと」

魔導師「あ……」ハッ

カロル「悲しむ人。怒る人。我慢する人。復讐しようとする人。耐えられなくて、おかしくなっちゃう人…いろんな人がいた」

魔導師「……」

カロル「誰かの為にしたことなら、誰かを不幸にしてもいいの?」

魔導師「っ…そうやって成り立つもんさ。イヤって言うほど経験してきた…!」

カロル「……」

魔導師「自分の為に生きてるヤツなんか一握りさ!みんな誰かに使われて生きてるんだ!その中で意味を探すのが大変だから…愛を求めるんだ!」
937: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:26:50 ID:7TPSqG30CI
魔導師「女王の為なら、いくらでも手を汚す…!全ては献身……愛がそうさせるんだ!」

カロル「…とっても怯えてたね。なにを思い出したの?」

魔導師「」ビクッ

カロル「…パカラーロさんがしてきたこと?それともされてきたこと?」

魔導師「言うな…!」ブルッ

カロル「悲しいね。憎んできた人たちと同じことをしてるなんて」

魔導師「言うなぁ!!!」

カロル「お母さまがいつも言ってた。自分たちもいつそうなるか分からないって…」

カロル「だから大切な人を愛するんだ。愛情は心の拠り所なんだって…そう言ってたよ」

魔導師「〜〜〜!!」

カロル「愛にもいろんな形があるんだね。でも人を繋げて希望になる。そういう愛をボクは知ってるよ」

ヒメ「……」

カロル「…きちんと伝えた方がいいと思う。ホントに好きで一緒にいたいなら」

魔導師「っ…だったら死んでくれ!めんどくさいんだ、説教なんていらないんだよ!自分はただ女王の役に立ちたいだけなんだ!」

ヒメ「ここで死んでも無駄だぞ」

魔導師「!?」

ヒメ「おまえが二度とあいつの役に立つことはなくなる。死んだら、そこで終わりなんだよ」

魔導師「……!」ギリッ

カロル「お互いに、だよ」

ヒメ「……」

カロル「愛は人と人を結ぶものでしょう。欠けてしまったら、どうして喜べばいいの?」

魔導師「ぐ、ぐ……」プルプル
938: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:27:37 ID:u8oh19UNDM
カロル「行こ?」

魔導師「ど、こ…?」

カロル「本当の気持ちを聞いてみたらいいよ。ファルージャさんに」

魔導師「女王に…今の自分をさらけ出せって言うのかい…!?」

カロル「…本当に特別なら関係ないよ。どんな形でも好きになってくれる」

魔導師「……!」ブルッ

カロル「平気だよ。信じて?」

魔導師「なにを…!?」

カロル「ファルージャさんと自分の気持ちを」

魔導師「っ……」ギュッ

カロル「ヒメくん、いいかな…?」

ヒメ「良い訳ないだろ。そいつは何度も僕たちを殺そうとしてきたんだぞ。なんの利もないし時間の無駄だ」

カロル「そんな……」シュン

ヒメ「…けど、東国の民だと分かった以上、手出しは出来ないな」フー

カロル「!」

ヒメ「亡きブルードル陛下への義理を果たす意味でも、この場は不問にしておいてやる」ニコッ

カロル「〜〜〜!」パァァ

ヒメ「さ、皆を起こして行くぞ」

カロル「うん!」
939: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:28:21 ID:7TPSqG30CI
カロル「宣教師さま!ラムくん!へいき?」ユサユサ

ヒメ「おーい団長生きてるかー?国王命令だ、起きて働けー」ゲシゲシ

カロル「(ふ、踏みつけてる…)」ハラハラ

魔導師「(なんなんだ、こいつらは……)」

魔導師「(敵だ…女王を否定し、憎まれた敵……)」

魔導師「(あんな戯れ言に動じるような自分じゃなかった…)」

魔導師「(なのになんで……自分は……)」

『そなたの命は妾の為に使え……』

魔導師「……」チラッ

フィクサー「」スースー

『妾はそなたを愛しておる……』

魔導師「(女王……)」スッ

魔導師「(大丈夫…自分もだよ)」クスッ
940: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:29:57 ID:u8oh19UNDM
ドバッ

プシャアアアアア

カロル「へ?」クルッ

ヒメ「なっ…!?」ハッ

フィクサー「ちっ…」ザッ

魔導師「ぁ……ふ」ドシャッ

フィクサー「下衆が…」ヒュンッ ピシュッ

カロル「パカラーロさん!」ダッ

ヒメ「やめろ!行くな!」ガッ

カロル「な、なにするの!パカラーロさんが!?」ジタバタ

ヒメ「おまえ…なんでもかんでも助ければいい訳じゃないんだぞ!ラムにも叱られただろ!?」カッ

カロル「」ビクッ

ヒメ「下がってろ!」バッ

カロル「……!」サッ

ヒメ「フィクサー!!」ジャキッ

フィクサー「ふっ…」ニィィ
941: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:30:57 ID:u8oh19UNDM
ヒメ「どうあっても僕とおまえの間には決着が必要らしいな!」キッ

フィクサー「…傍らには救い主、か」ジロッ

カロル「……!」キュッ

フィクサー「……なるほど、これが……ずいぶんと研ぎ澄まされた心地だ」グッパッ

魔導師「ん、ふふふ……」ダラァァン

カロル「っ……どうして!」

魔導師「なにも…自分じゃなくても、いい。守れたら…それで……」ジャリッ

カロル「……!?」

魔導師「あいし、てる」ズズッ

カロル「死なないで…!死んじゃダメだよ!!」

魔導師「あい…てるよ、じょ……」ズリズリ

ドスッ!

魔導師「ぶっ…!」ゴフッ

フィクサー「耳障りだ。黙っていろ」グリィッ

魔導師「んぅ!!」ブシュッ

ヒメ「……!?」

カロル「!!!」ダッ

ヒメ「お、おい!カロル!」アセアセ

カロル「……!」タタタッ

フィクサー「迷信だとばかり考えていたが、いざ体感すると疑いようもないな」ズボッ

魔導師「」ピクピク

カロル「〜〜〜!!」バッ

フィクサー「」ヒュンッ

カロル「あつっ!?」バシンッ
942: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:32:04 ID:u8oh19UNDM
カロル「くぁっ…」ズサッ

ヒメ「カロル!?」

フィクサー「心配するな。刃は当てていない」ザッ

ヒメ「このっ…!」ザッ

フィクサー「が、懲らしめる必要がありそうだ」ズシッ

カロル「ぐっき…ぁぁあああ!!!」バタバタ

ヒメ「やめろぉ!!足をどかせ!?」

フィクサー「手は痛みの宝庫だ。与えるにも受けるにも関わらず、ほとんどの痛みは手から生み出される」グリグリ

カロル「ひあぁっ!ひっ…いぎゃああああ!!!」バタバタ

フィクサー「だが貴様はその手で人を癒し、痛みを取り除く。酔狂なものだ」グリグリ

カロル「う゛っ!!はぁ!はぁ!」ゼェゼェ

フィクサー「空いた手をなおも伸ばすか。貴様を脅かす敵の為に……」パッ

カロル「いま…いや、すから」ピトッ

魔導師「」フワッ

カロル「」ホッ

魔導師「」ダラン

カロル「……!?」パチクリ

フィクサー「」ズシッ

カロル「うっ!あぐぅ…!」ズシャッ

フィクサー「遅かったな」グリグリ

カロル「そん…な……いや…ぁぁあああ!!!」バタバタ

ヒメ「!!」ダッ ブンッ

フィクサー「」ヒュンッ

カァァァンッ
943: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:38:06 ID:u8oh19UNDM
フィクサー「激昂しているのか?」ギギギッ

ヒメ「…!?」グググッ

フィクサー「」シュッ

ヒメ「おぅっ…」ドフッ

フィクサー「剣に集中しすぎだ。胴ががら空きだったぞ」ニヤッ

ヒメ「うっ…」ゲホゲホ

フィクサー「…わたしもだ。とてつもなく憤怒に駈られたよ」

ヒメ「…うぅ!」ジャリッ

フィクサー「誤算ばかりだった。予測し得る対策はほぼほぼ講じていた筈なのにだ」

フィクサー「ファルージャの……我が妃の魅力。このわたしがもはや恋に堕ち、情欲に溺れるとは……思えばアレが全てだったか。
本来の目的にズレが生じるほどに…単なる男女の営みではない未知の感覚に支配されたのだ」

フィクサー「西国の統治、長期作戦による王国の権威剥奪。どれも予定していた計画とは違う。だが妃を手に入れる為には必要だった。だからこそ杜撰(ずさん)なものになってしまった」

フィクサー「わたしは彼女に踊らされた道化に過ぎないのかもしれん」フッ

フィクサー「彼女はまさしく……魔性の女だ」

ヒメ「はぁっ…!」ムクッ

フィクサー「どうやらこいつもわたしも取り憑かれていたらしい」ゲシッ

魔導師「」ゴロン

フィクサー「しかし頂けないな。愛の為に命を捧ぐなど、まったく愚かな決断だ」

ヒメ「ふん!女に溺れたヤツが言っても説得力がないな…!」ヨロッ

フィクサー「愛も野望も手に入れればいい。欲望がある限り、夢は見られるのだから」

ヒメ「…じゃあおまえの目的ってなんなんだよ!国の未来も見ていないのに争いを望む理由はなんだ!?」ジャキッ

フィクサー「…いろいろあるさ。その時々に感じた物の積み重ねだ」

ヒメ「僕はこの戦いを通して何一つ意味なんか感じられなかった!なぜこんな事をしてるのか自分でも分からない!」

フィクサー「そうか…」

ヒメ「やめる気はないのか…!もうたくさんだ…!」ググッ
944: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:39:46 ID:u8oh19UNDM
フィクサー「やめる気など毛頭ない。思考を取り戻した今となってはむしろ本来の目的を果たすのが最優先だ」

ヒメ「なに…!?」

フィクサー「ここまでの犠牲を踏まえても有り余る成果が…ここにあるからな」ズシッ

カロル「ひぐ…!」ググッ

フィクサー「圧倒的な暴力と死者を産み出す技術……近代までの軍事はそればかりに費やし、同様に戦略も組み立てられた。その真逆をいく発想がコレだ……」チラッ

カロル「はっ…あぁぐ…」ピクピク

フィクサー「生命を保管し、不死を完成させる魔力……ふ、はは。なんたる嘘めいた絵空事だ!想像の域を遥かに越えている!」ワナワナ

フィクサー「かつての教団が起こした国家反逆……あの鼻白む愚行の意味がようやく分かった。
妃をして欲望に狂わせたのも頷ける。わたしも今、果てしない野心に埋もれそうだ…!」

ヒメ「……!」ブチィッ

フィクサー「不死の兵、不死の民、不死の帝国!!不死の軍による戦乱!!」

フィクサー「まさに終わらない!終わりようのない争いだ!比喩でない血の海をじかに見られるぞ?はっははは!!」ゲラゲラ

ヒメ「喋るな!!」バッ

フィクサー「っ…」ギィィンッ

ヒメ「なんなんだ、なんなんだよ、おまえは!?」ビュバッ

フィクサー「……」ガィンッ ギギンッ

ヒメ「争い、争い、争い…!なにがしたいんだよ!今もその先もぶち壊してどうしたいんだ!?」ガァンッ ギャリンッ

フィクサー「」サッ

ヒメ「!?」ズザッ
945: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:42:24 ID:7TPSqG30CI
フィクサー「わたしはただ…持て余していたんだ」

ヒメ「はぁ…!?」

フィクサー「今の時代はあまりに刺激が無さすぎる。憂いているんだよ、わたしは」

ヒメ「憂いてるだと…!」

フィクサー「冷戦と呼べる駆け引きもさほど無く、国々は自己保身に積極的だ。何も進展しない。誰も大志を抱かない。流されるままありふれた日常にのめり込む」

フィクサー「果てしない静けさがわたしの胸をざわつかせるんだ。このままでは何一つ残せない。ただ生きてみただけだとな」

ヒメ「おまえは夢でも語ってるつもりか…!そんなくだらない理由でこの惨劇を引き起こしたのか!?」

フィクサー「極めた分野による優秀な能力を遺憾無く発揮し、望む結果を勝ち取る。一種の遊戯だよ」

ヒメ「遊戯…!?遊びで、こんなことを…!?」

フィクサー「大袈裟に言えばな。根本にあるのは挑戦とも言える好奇心だ。
誰もが一度は夢に向かい目標を立て、到達点を目指すだろう?それの延長といった具合か?」

ヒメ「馬鹿な…!狂ってるとしか思えない!」

フィクサー「正常さ。わたしもおまえもここにいる全ての者が普通ではないことをしている」

ヒメ「これが正常だと…!?」
946: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:43:49 ID:7TPSqG30CI
フィクサー「なにも不思議な事はない。我々は自由なのだ。全ては許容される」

ヒメ「許される筈がないだろ!こんなのが正常だって言うなら何を信じればいいんだ!?」

フィクサー「何かを信じればいい。結果次第では偉業とも過ちとも捉えられる。
本当に狂っているのは…許容も拒絶もせず、ただ与えられた日常に甘んじる民衆なのかもしれんな」

ヒメ「ふざけるな…!おまえの起こした事で悲鳴を上げる人々は今も平和を待ちわびてるんだ!修正しようと戦う皆が…日常に帰りたいと願ってる!」

フィクサー「救い主に振り回され、視野の狭い行動を繰り返しているだけだろう」

カロル「……!」ピクッ

フィクサー「ここに集まった者は全て、このホビットによって巡り会った。修正すべきと言うのなら"因果"から断つのが筋ではないのか?」

ヒメ「そんな理屈が…まかるかぁ!?」バッ

フィクサー「」ヒュオンッ

ガァンッ

ヒメ「ぐあっ!」ドサッ

フィクサー「救い主よ。罪深きは貴様だ。貴様が争いを呼び、皆を死に向かわせたのだ」

カロル「………」

フィクサー「貴様もだ。国王という重責を負い、全うな政治に尽くそうというのなら、いずれ知るだろう」

ヒメ「うる、さい…!」ググッ

フィクサー「利用するか、始末するか、二つに一つの選択を迫られる」

ヒメ「どちらも選ばない!こいつは普通に生きたいだけだ!」

フィクサー「だから…こうなった」シュッ

ヒメ「ぎゃっ!?」バキッ

フィクサー「…選べないのならわたしが代わろう。"魔性"も"癒しの力"も…この才知に委ねるがいい」
947: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:50:31 ID:u8oh19UNDM
カロル「ヒメくん…!」ムクッ

フィクサー「……」ジロッ

カロル「もう、やめて……おねがい」ヨロッ

フィクサー「」シュッ

カロル「うぶっ!」バキッ ズダァァン

フィクサー「かよわいものだな」ガッ

カロル「いたっ…」グイッ

フィクサー「いいか。貴様は道具だ。わたしの意思のままに力を行使すればいい」ブンッ

カロル「ひぐっ!」ビタンッ

フィクサー「貴様を尊重してやる気はない。管理から外れた言動をするな」

カロル「は、ふ……」ボタボタ

フィクサー「癒しの力が実在するとなれば永遠の命も見込める訳か。妃が大樹に赴いたのなら既に…ふっ」ニヤリ

カロル「」ズズッ

フィクサー「嬉しい誤算だ…。また一から組み立てねばな」ニヤニヤ
948: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:51:01 ID:u8oh19UNDM
カロル「うっ……」フワッ

フィクサー「…そうか。自身の傷も癒せるんだったな」

カロル「……」ムクッ

フィクサー「まずは軽く耳でも削ぎ落とすか。少しは従順になるだろう」ジャキッ

カロル「ごめんなさい…」スッ

フィクサー「クックッ…物分かりは良さそうだ。素直にしていれば……」ニィィ

カロル「助けられなくて…ごめんなさい」サワサワ

フィクサー「……?死体などまさぐって何をしている?」

カロル「…なにもできなくてごめんなさい…」パシッ

フィクサー「……!?」ハッ

カロル「あなたにも…ごめんなさい。ボク…悪いことをします」キュッキュッ

フィクサー「!!!」ザウッ

ガキィィンッ!

ヒメ「ぐっ…うぅ!やれ!こいつを退けるには…もうそれしかない!」ギギギッ

フィクサー「ヒメぇ……!?」ギギギッ

カロル「こんなことしたくなかった…。誰も傷付けたくなかった…。ホントだよ?」グッ

フィクサー「やめっ……」

カロル「だけど…ごめんなさい」キュポッ

シュコォォォオオ
949: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:52:58 ID:u8oh19UNDM
カロル「」ピトッ

ヒメ「」フワッ

カロル「…これでみんな」パッ

宣教師「」スースー

団長「」スースー

ラム「」スースー

カロル「……」

フィクサー「ヴボゥッ!オゲッグフゥッ!」ゴボッ

カロル「……!」ギュウ

フィクサー「がっふ!がはっ!うっ……あ゛は」フッ

カロル「」スッ

フワッ

フィクサー「」スースー

カロル「(やっぱりできないや…。また叱られちゃうかな)」ズーン

カロル「……」スッ

魔導師「」フワッ

カロル「〜〜〜!」プルプル

カロル「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめ、なさい」ポロッ

カロル「ふっ…うぅ……ぅぅ……」ポロポロ
950: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:00:16 ID:8RM3./Nalk
―――宮殿―――

ファルージャ「ふあぁ…誰もおらぬのか。玉座で寝こけてしまいそうじゃ」クタァァ

スタスタ スタスタ

ファルージャ「ンゥ…」クルッ

ピタッ

ファルージャ「クスス…待ちくたびれたぞ?」スクッ

魔導師「……」

ファルージャ「地下の始末は済んだのか?」ジッ

魔導師「」コクリ

ファルージャ「ふむ、しからば残る者共の選別に参るとしようか」

魔導師「せん…べつ?」

ファルージャ「…さよう。渡り廊下の向こうにおる兵らに妾を愛し、命を捧げる覚悟を問うのよ」

魔導師「……どうやって?」

ファルージャ「フフ…!そなたの術にかけ、生死をさまよわせるのじゃ」ニタァァ

魔導師「……」

ファルージャ「その中で生き延び、なおも妾の寵愛を望むとあらば飼ってやってもよい」ニヤニヤ

魔導師「どうして…?」

ファルージャ「ン?」キョトン

魔導師「どうして…そんなことするの?」

ファルージャ「愉快であろうな?」ニヤァァ

魔導師「ゆかい…?」

ファルージャ「妾欲しさに命を賭ける卑しい男共の狂宴じゃ。そなたも見たいと思わぬか…?」ニヤニヤ

魔導師「イヤだって…言ったら?」

ファルージャ「」ピクッ
951: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:01:04 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「…それはどういう意味じゃ?」

魔導師「……」

ファルージャ「よもやそなたまでもが……」

魔導師「……」

ファルージャ「フッ…戯れるでない。そなたの一途さを妾はよう知っておる」クスッ

魔導師「……」

ファルージャ「拗ねておるのかえ?ここ最近は構ってやれなかったものなァ?」ニヤニヤ

魔導師「……」

ファルージャ「フフン…おいでなさいな。よく働いてくれた褒美じゃ」ヌギッ

魔導師「ファルージャさま」

ファルージャ「ンゥ?」スラリ

魔導師「ボクが…見えてますか?」

ファルージャ「ボク…?」キョトン

魔導師「どんな形をしていても…好きでいてくれますか?」

ファルージャ「妾とそなたの間じゃ。口にせずとも察しておろう?」クスッ

魔導師「……」

ファルージャ「ふむ、様子が変わっておるな。どれ、久しぶりに顔を見せておくれな」

魔導師「」カパッ

ファルージャ「醜くも…二つとない特別なる容姿。妾に興奮を覚えさせた愛しきそなたを?」ニヤニヤ

仮面「」カランカラン

ファルージャ「そうそ……う」ピタッ
952: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:03:25 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「そ、そなたは……」

ファルージャ「いつから……」

ファルージャ「………」

魔導師?「騙してごめんなさい」バサッ

ローブ「」ファサッ

ファルージャ「……!」

カロル「…脱いだら、ちょっぴり肌寒いや。パカラーロさん、ずっと暑いの我慢してたのかな」

ファルージャ「なぜ……パカラゥロは……」

カロル「……死んだよ。金色の鎧を着た人間に斬られて」

ファルージャ「!……では、そやつは」

カロル「パカラーロさんの服に入ってたお薬を使って寝かせた…」

ファルージャ「…その服はパカラゥロが着てた物かえ?」

カロル「そう、だよ…」ブルッ

ファルージャ「なにゆえ…?」ジッ

カロル「ファルージャさんの気持ちが知りたかったから……」ブルブル

ファルージャ「……」

カロル「……!」ガチガチ

ファルージャ「……」

カロル「う、うぅ…」ブワッ

ファルージャ「……」

カロル「ふっぅ…もう、パカラーロさんに…えぐ…知らせてあげられないのに…うっ…なにがしたいんだろ」グシグシ

ファルージャ「…フゥ〜」ポスンッ
953: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:04:38 ID:8RM3./Nalk
カロル「ひっく…ごめ、なざい」グズッ

ファルージャ「…あやつはなんと?」

カロル「ボクが…癒したから、化け物じゃなくなったって……よく、わかんなかった…」ズビッ

ファルージャ「……ほう」

カロル「ど、ゆうことなの…?」ジッ

ファルージャ「他人が知るものではない。二人だけの秘め事よ」

カロル「……ファルージャさんは、それでキライになった?」

ファルージャ「はて、な」

カロル「はてな…?」ウルウル

ファルージャ「あやつは妾の愛を疑い、妾はそなたの変装を見抜けなかった」

カロル「う……」タジッ

ファルージャ「少し前まではあやつの仮面の内にある表情も見えたものじゃが…なぜであろうな?」

カロル「愛してるって言ってたよ…」

ファルージャ「……」

カロル「苦しそうにしてても…最後まで言ってた」

ファルージャ「さようか…」
954: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:05:47 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「クスス……」

カロル「?」キョトン

ファルージャ「パカラゥロ、シャルウィン、カカドゥーラ……」

カロル「(???)」

ファルージャ「妾の為の帝国を築き上げた忠実なしもべ。三銃士と名付け、格別に愛でた者たちよ」

ファルージャ「よく尽くし、持て囃してくれたわ。女として、これほど悦ばしいことはない」

ファルージャ「果ては命を差し出してまで…気に入られようと健気に…く、」

カロル「……?」

ファルージャ「キャハハハハハ!あーっははははは!」ケラケラ

カロル「ど、どうしたの?なんで笑うの?」オロオロ

ファルージャ「これが魅力よ。愛の成せる業よ!」クスクス

カロル「……?」

ファルージャ「あやつらは所詮、妾を伸し上げる奴隷に過ぎぬ。いくら貢がれ、愛を伝えられようと情など沸くものか!馬鹿馬鹿しい!」ケラケラ

カロル「…ホントに言ってるの?」

ファルージャ「ハァン?」ジロッ

カロル「あんなに思ってくれてたんだよ?ファルージャさんの為に必死になって……」

ファルージャ「クスス…嬉しいぞ?来世でもまた存分に可愛がってやろうでないか?」

カロル「…来世なんてないよ。生まれてくる人たちは死んだ人の代わりにはなれないもの」

ファルージャ「代わりなど、どこにでもおろう」

カロル「……!」

ファルージャ「この魅力が永遠にある限り、妾の未来に滅びはない。新しい奴隷がそこかしこに群がるわ」ニタァァァ
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名前:
sage:


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