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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


650: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 21:47:00 ID:51.WaVWWTg
フィクサー「と申しましても……」

ヒメ「」ピクッ

フィクサー「陛下のお立場に沿うて案じれば易々と結論付けられるものではござらん」

ヒメ「…当然だ!」

フィクサー「そこで一つ妙案が御座います」

ヒメ「なんだ…?」

フィクサー「わたしがファルージャと婚約し、弁務官の立場より西の国の実権を預かりましょう」

ヒメ「それだと…結局、王国軍は僕の統制から外れて独立することになるじゃないか」

フィクサー「無論、これまで頂いた兵の半数は陛下の元にお返し致します。
その上で西の国は大西領と名を改め、王国が保有する領土の一部とさせれば問題ないでしょう」

ヒメ「大有りだ!名前だけ変えたって国民の理解を得られる訳がない!!」

フィクサー「理解など必要ありません」

ヒメ「なに…!?」

フィクサー「口では反対を唱えても行動に起こす気概がない。時が経てば迎合する。それが民意というものです」

ヒメ「……!」

フィクサー「そう警戒されずとも国政など予定調和に過ぎないのですから…?」ニヤリ

ヒメ「なんだと!?」カッ
651: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 21:49:06 ID:bKCYR0A6ec
ヒメ「…本気で言ってるのか!?」

フィクサー「…これは失言でございました。どうかお忘れくださいませ」

ヒメ「いいや!聞き捨てならないぞ!はっきりと言ってみろ!?」

フィクサー「差し出がましい事ですが…国政というのは所詮、内輪の出来事。よほどの愚行に走らぬ限りはどのようにでも操作可能にござる」

ヒメ「そんな甘い考えで務まるものか…!民意はあくまで大衆の意思であって総意じゃない!」ギリッ

フィクサー「ほうほう、なるほど。それは謂わば…陛下ご自身の挫折にまつわるご意見でしょうか」

ヒメ「そうだ!たった2、3年の経験しかないが…執政の厳しさは誰より学んできた!」

フィクサー「畏れながら…わたしは以前より陛下の政策に疑問を抱いておりました」

ヒメ「は…!?」

フィクサー「なぜああまで非効率な統治方法を採用されるのか……」

ヒメ「何が言いたい…!?」

フィクサー「偽りなき誠実な国家形成。謳い文句は素晴らしく地道な活動も非常に好感が持てましょう」

ヒメ「ならっ……」

フィクサー「しかしそうではないでしょう?貴方は国家というものを見誤っておられる?」

ヒメ「!?」

フィクサー「国王とは決して民の代表などではない。絶対的優位に立つ支配者です」

ヒメ「支配者…だと!?」
652: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 21:55:18 ID:51.WaVWWTg
フィクサー「情報操作し、世論を工作すれば民意などどうにでもなりましょう。
無理に誠実性を重んじなくとも国家は成り立ち、支配体制を整わせる事でより繁栄する」

ヒメ「おまえはなんにも分かってない!不誠実な政略の乱用は民衆の不満を増幅させ、内政悪化を進行させるだけだ!」

フィクサー「ですから表向きは誠実であると刷り込ませればよろしい」

ヒメ「それで裕福になれるのは、ほんの一部じゃないか!民は格差に敏感だ!偽りの安息を与えても間違っていると、すぐに気付く!」

フィクサー「格差も社会競争を促す立派な政策ではありませぬか」

ヒメ「身分に偏りがありすぎて、その競争が成り立たないんじゃ意味がないだろ!!」

フィクサー「集団的活動におきましてはある程度の線引きは必要不可欠です」

ヒメ「なら弱者は一生、弱者のままか!強者の優位性を磐石にしたいが為に押さえ付けるのが正しいのか!?」

フィクサー「そうは申しておりません。ですが陛下の政策には根本的な見直しと合理化を要すると…」

ヒメ「効率、効率って…ただ国を肥え太らせても行き渡らないから窮する民が増えるんじゃないか!」

フィクサー「でしたらホビットの基本的人権を尊重するとした法を破棄なさればいい」

ヒメ「な、なんでそこでホビットが…!」

フィクサー「かつての反王族勢が成されたように…民の苦痛はホビットに宛てがってしまえばよいのでは?」

ヒメ「またホビットに全部押し付けようと言うのか!?」

フィクサー「平たく申し上げますれば…?」

ヒメ「今までの活動を全て無駄にしろと…!?」キッ

フィクサー「時には再構築も求められましょう?」シレッ

ヒメ「おまえ…!」ギリッ
653: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 21:57:51 ID:bKCYR0A6ec
フィクサー「円滑に世の中を回していくには汚れ役というものが確実に出てくる。うってつけだとは思いませぬか?」

ヒメ「ふざけるなっ!!そんな役回りがなくてもいいように平等な国を作るのが僕の役目だ!?」

フィクサー「貧しさとは心持ちに現れる。不満を解消する材料があれば民は機能するのです」

ヒメ「それが差別か!?それこそ貧しさの象徴だ!!不満を解消するなら娯楽や職の充実でも十分に賄える!!」

フィクサー「しかしそれらには財を要します。格差とは無償で心持ちを補える唯一の法則……」

ヒメ「そんな価値観で形成された人心に正義はない!!」

フィクサー「正義…?クックッ……」プルプル

ヒメ「なっ…何がおかしい!?」

フィクサー「目に余る理想論が過ぎますな?子供の遊びと錯覚しておいでか?」

ヒメ「……!」イラッ

フィクサー「ただ甘やかし、優しく語りかけるだけの政治は民を堕落させましょう」

ヒメ「違う!!僕は民を育てる事を第一に考えてるだけだ!!」

フィクサー「育てる…?」

ヒメ「政治の内面を具体的に知らせ、農民から政治家に至るまで身分にこだわらず就けるよう育成する機関を設ける!
それが格差を取り払い、健全で平等な国に繋がる一歩だ!そして民の進歩が…いつしか国の繁栄に結び付く!」

ヒメ「誰が何を目指したっていい!どんな生き方をしたって…自由である以上に満たされる物なんかない!!」

ヒメ「決定付けられた運命がいかに不自由でやりきれないものか…僕は知ってる。
だから…生まれや貧富に嘆いて望みを捨てる者達を救ってやりたいんだ!」

ヒメ「ホビットも人間も…生い立ちや種族、身分に左右されて虚しい日常を受け入れてきた。
それが間違ってると分かってたって諦めるしかなかったのが今までの王国だ!!」

ヒメ「でも今は違う!!王族に生まれた僕でさえ諦めかけた自由を…最も辛い環境から立ち上がって手にしたヤツがいたから…!」ワナワナ

王国兵's「……」
654: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 22:02:40 ID:51.WaVWWTg
ヒメ「僕に出来る事を教えてくれた仲間に恩を返したい!
そして僕自身も自由を手にする為に……諦める訳にはいかないんだ!!」

フィクサー「…ははぁ、なるほど。それはまこと素晴らしい御言葉です。さすがは陛下」

ヒメ「バカにするなら、それでもいいさ!けど僕はこのやり方を変える気はない!」

フィクサー「ふむ…」

ヒメ「……!」キッ

フィクサー「…出過ぎた申し出を致しましたる無礼、どうかお許し願います」ペコッ

ヒメ「…命令だ!すぐに戦闘停止し、全軍を撤退させろ!西の国に対する侵略行為は一切禁ずる!」

フィクサー「しかと承りました」

ヒメ「……」ジッ

フィクサー「長引かせてしまいましたな…。今日のところはお疲れでございましょう。ひとまずお休みください」

ヒメ「……それもそうだな」

フィクサー「陛下を部屋までご案内差し上げろ?」

王国兵34「はっ!こちらへ!」スッ

ヒメ「……」スタスタ

フィクサー「ごゆるりと…」ペコッ

王国兵's「」ペコッ

ガチャッ バタンッ

フィクサー「……」
655: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 22:08:50 ID:bKCYR0A6ec
副官「いやはや…」ザッ

フィクサー「…生きていたのか?」

副官「や、ご冗談を?まさか死なされるとは思いませんでしたよ?」

フィクサー「ふっ…別の首にすげ替えてやったのだ。そう文句を言うな」

副官「文句の一つも出ましょうよ?私は単独で国王に刃向かった逆賊扱いですぞ?」

フィクサー「失敗した罰だと思えば安いものだろう」

副官「う、うぅむ…おほん!ま、まぁ…そうですな?」ヒクヒク
656: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 22:10:08 ID:51.WaVWWTg
フィクサー「ふっ…何しろ向こうから訪れてくださったのだ…。存分に利用させていただこう」

副官「…しかしなぜ背き続けた我々がこの場面で敢えて国王を立てるので?」

フィクサー「先の国境城塞での活躍は瞬く間に大陸全土に広まった。
殺戮将カカドゥーラ率いる主力軍を弱小戦力で返り討ちにした恐ろしい強者だとな」

副官「運が傾いただけでしょう。あの城は王国が誇る鉄鋼技術の粋を結集した外壁全面鉄製の強固な要塞ですからな」

フィクサー「そんなものは誰も気にせんよ。証明されるのは結果のみだ」

副官「ふむ…して総指揮の狙いは?」

フィクサー「陛下の名声が際立ってしまった以上、わたしの反逆行為はより醜悪に映る。
裏切り者の汚名を着て戦乱に身を移すのはさすがに過酷だ」

副官「…多少は信頼性を保っておかなければ、この西の国のように袋叩きにされてしまいますからねぇ」

フィクサー「うむ。だからこそ今、手にするべき物は権勢だ…。
国王の名声と権益を手中に収め、より強固な枠組みを練り上げる」

副官「や、ですがねぇ…あのお坊っちゃまは想像していたよりも遥かにやり手ですぞ?」

フィクサー「…素直に聞き入れてくだされば傀儡にでもしてやろうかと考えていたが、それも叶わぬのであればしようがあるまい」

副官「…いかがされるので?」

フィクサー「救い主を脅迫材料にし、ひとまずは華燭の典を執り行わせてもらおう…。
その後は約束通り、王国に撤退し、奴の支配体制を徐々に崩していく」

副官「……!」

フィクサー「国王派の役人や取り巻く重鎮を買収、暗殺し、徹底的に弱らせ、こちらは勢力を吸収拡大する。
そうして水面下で各国に国王の評判を貶める噂でも吹聴していけば…4、5年と保たずに陥落するだろうさ」

副官「ははぁ…?総指揮の思い描いた成り行きとはこの事でしたか…。まったく恐ろしい…?」

フィクサー「既に王政内部に仕込みは入れてある。合図さえ出せば即座に動けるようにな…」

副官「(前もってあらゆる局面に備えた準備を済ませてあった訳か…。我が主ながら余念がない…?)」

フィクサー「わたしの予言に狂いはない…」ニヤリ
657: ◆WEmWDvOgzo:2016/3/16(水) 22:14:00 ID:51.WaVWWTg
お礼が遅くなってすみません!キャラ名鑑に加えていただいた方、ありがとうございました!
これから更新が少し遅くなりそうですが頑張りますのでよろしくお願いいたします!
658: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:12:31 ID:LdYq8qibu2
〜〜〜夜〜〜〜

―――宮殿(皇族の寝室)―――

コンコン コンコン

ガチャッ

王国兵34「…お休みのところ申し訳ございません。失礼しま…す?」ギョギョッ

ヒュオオオオン………

王国兵34「……!?」

王国兵35「おい、どうした?」スタスタ

王国兵34「や、やられた!報告だ!?」アセアセ

王国兵35「はぁ?なにをだ?」

王国兵34「逃げられたんだよ!窓から!?」ビッ

王国兵35「…な、なに言ってんだ。ここ4階だぞ?下の中庭にも見回りがいるし……」

王国兵34「隣のベランダに乗り移ったかもしれんだろ!?とにかく至急、オドアイル様に報告するぞ!」

王国兵35「わ、分かったから、そう急かすなよ!」

王国兵34「これで奴をみすみす逃がしてみろ!?文字通り俺達の首が飛ぶぞ!?」

王国兵35「うっ…」ゴクリ

王国兵34「命が懸かってんだ!走れ!?城中の兵を叩き起こして絶対に見つけ出すんだ!?」

王国兵35「わ、分かった!」ダッ

王国兵34「ちくしょう!!」ダッ

ダダダダダッ………

クローゼット「」ガラッ

ヒメ「…行ったか」スッ
659: 遅くなってすみません!再開します! ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:14:01 ID:ZdCmVadIqU
―――宮殿(通路)―――

ヒメ「……」タタタッ

ザッザッ ザッザッ

ヒメ「(見回りか…。柱の影に隠れてやりすごそう)」サッ


王国兵36「ふあぁ〜…ねみぃなぁ?」

王国兵37「ぶつくさ言うな」

王国兵36「夜中に見回りなんてやってらんねーよ…。広々してて灯りもまばらだから不気味だしよ」スタスタ

王国兵37「もしもの為だろうが」

王国兵36「もしもって…ヒメを捕まえたんだろ?なんでフィクサー様はさっさと処刑しねーんだ?」

王国兵37「知るかよ。あの方が大事な話を末端の俺たちにしてくれたことがあったか?」

王国兵36「ねぇけどよ…。しっかし、なんでもヒメを国王扱いして恭しく崇めてんだって?」

王国兵37「らしいな」

王国兵36「わっかんねぇなぁ?やる事がコロコロ変わるもんだから…」

王国兵37「噂じゃ各国が戦争に向けて動き出してるんだと?
だからフィクサー様が手を下さんでも勝手に大陸総支配への道は開かれるとか?」

王国兵36「誰が言ってんだよ、それ?」

王国兵37「人づてに聞いた話だから俺も詳しくは知らんが…結局のところヒメを利用して戦力拡大を図ってんじゃないかともっぱらの噂だ」

王国兵36「噂、噂って…あてになんねぇや」


ヒメ「(……)」
660: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:15:27 ID:ZdCmVadIqU
―――宮殿(客室)―――

副官「ヒメが逃げ出したぁ!?」

王国兵34「は、はい!様子見に部屋を覗いたところ窓が開け放たれておりました!」

王国兵35「隣のベランダに飛び移るか、なんらかの方法で庭園に降りたものと思われます!」

副官「室内はよく見たのか!?」

王国兵34「は…そ、それは…その……」マゴマゴ

王国兵35「なにぶん…急な出来事だったもので…!」アセアセ

副官「このっ…バカ共が!?」シュバッ

王国兵34「ぐえっ!?」ズバッ

王国兵35「ひぃっ!?」ビクッ

副官「はぁっはぁっ…」フーッフーッ

王国兵35「も、申し訳ございません!どうか命ばかりは!」ガバッ

副官「やかましい!?」ブンッ

王国兵35「ぐふっ!?」ズンッ

副官「こんな幼稚な小細工に引っ掛かったなど絶対に報告出来ん…!
ただでさえ死人扱いされ、軍の直属部隊から外されかけてるんだ…!」ブツブツ

副官「おのれぇ…二度もおめおめと失態を演じてたまるか!今度こそ殺されてしまう…!」ギリッ

副官「…総指揮への報告は止めておくか。なんとしてもヒメを取り押さえねば…!」ワナワナ
661: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:16:45 ID:LdYq8qibu2
―――帝都(外壁前)―――

クンバヤ「さぁて…一世一代の大勝負ときた。ウズウズするなぁ!」ワクワク

団長「作戦は確実なんだろうな!?」

クンバヤ「あぁ?何度も言わせんなよ。大丈夫だって?それよりも……」チラッ

宣教師「なにか?」キョトン

クンバヤ「女が付いてこれるような戦いじゃねぇぞ?クーペと一緒に留守番してな?」

宣教師「イヤです」キッパリ

クンバヤ「……」

賊徒1「まぁまぁいいじゃねぇか!女がいた方が華やかでよ?」ヘラヘラ

賊徒2「俺、頑張っちゃうからねぇ〜?宣教師ちゃーん!」スッ

宣教師「触らないでください」ペシッ

賊徒2「って〜!たく!釣れねぇんだから?」ヒリヒリ

宣教師「あなた達…この数日間で何回、夜這いをかけてきたと思ってるんです!?
いい加減にしないと、また団長さんに懲らしめてもらいますよ!?」

団長「ふむ…か弱き女を手籠めにしようとは男の風上にもおけん」コキッコキッ

賊徒's「」ブルルッ

クンバヤ「けっ!お高く止まった王国人は貞操観念もかてーんだな?」

宣教師「国民性に関わらず嫌がる相手を強引に組み敷いていい道理などありませんよ!」

クンバヤ「ま、冗談はさておき……開くぜ」ビッ

ガララララッ

宣教師「」ハッ

団長「む…!」ジッ

護衛's「おぉ…!」ドキドキ

賊徒's「ぐしし!」ヘラヘラ
662: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:18:05 ID:LdYq8qibu2
レジスタンス11「よく来たな。イアマンの同志達よ!」スッ

クンバヤ「おうともよ!よくやってくれたな!」ゴツン

レジスタンス11「あぁ、危なかったぜ。検閲を受けさせられた時は心臓がバクバクしたが丸腰で来て正解だった!」ゴツン

団長「? なぜ拳を叩き合わせるのだ?」

クンバヤ「これが俺達の流儀でな。挨拶は拳で交わすのさ」

レジスタンス11「あ?こいつらは?」ジロッ

クンバヤ「ちょいと予定が変わってな。ま、仲間だから心配すんな」

団長「よろしく頼む」スッ

レジスタンス11「……」

団長「む?」

クンバヤ「ハハハ……いきなり異国人が現れちゃ緊張もすらぁ?ここは一つ俺の顔を立ててくれよ?」ポンッ

レジスタンス11「信用できんのか…?」ジロジロ

クンバヤ「できなきゃ連れてこねーよ」

宣教師「……」

団長「……」

レジスタンス11「ふん…」
663: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:19:30 ID:ZdCmVadIqU
クンバヤ「で、塩梅はよ?」

レジスタンス11「見張り連中にゃ酒を振る舞うと嘯いて一服盛っといた。今頃は物見櫓でグースカ寝てるだろうぜ」

クンバヤ「集められた民衆は?」

レジスタンス11「手筈通りだ。さすがに全員分の薬は用意出来ねぇから飲み水に仕込んで眠らせといた」

クンバヤ「じゃあちょっとやそっと暴れてみたって起きやしねぇな?」

レジスタンス11「少なくとも明日の昼頃まではおねんねしてるさ」

クンバヤ「都に敷かれた戦力はどうなってる?」

レジスタンス11「あぁ、それは……」ペラペラ

クンバヤ「ふんふん、まぁなんとかなんだろ」
664: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:21:27 ID:ZdCmVadIqU
宣教師「事前にお仲間を潜り込ませていたんですね?」ヒソヒソ

団長「うむ…。華燭の典を催す為に集められた群衆に混じり、帝都に忍ばせておいたそうだ」

宣教師「その方々が内側から離れの門を開けて私達を引き入れると…」

団長「そうだ。そしてここからは……二手に別れる」

宣教師「……」チラッ

護衛's「」ゴクリ

団長「そもそもこれは我々、王国の問題だ。気を引き締めてかかれ?」

護衛's「はっ…!」ググッ

団長「今夜で全てを終わらせるぞ…!」

宣教師「……!」ギュッ
665: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:22:59 ID:ZdCmVadIqU
―――宮殿(通路)―――

ダダダダダッ

「探せ探せ!草の根掻き分けてでも見つけ出せ!!」

「ヒメを捕らえたら褒美が出るぞ!」

「うらぁ!!どこだぁ!?」

「生け捕りだぁ!!間違っても殺すなよぉ!?」

「中だけじゃなく庭や広場も隈無く調べろ!!」

ワァーワァーギャーギャー

副官「ちぃっ!まだ見つからんのか?」イライラ

王国兵39「お、オドアイル様!大変です!」

副官「はぁ?なんだ、今はそれどころじゃ……」

王国兵39「て、帝都が攻め込まれております!!」

副官「な、なにぃ!?」ギョギョッ

王国兵39「い、いかがなさいましょう…?帝都に兵を送り……」

副官「ならんっ!!」ドガッ

王国兵39「ウゲェッ!?」ドタッ

副官「すぐに帝都の駐屯所へ連絡しろ!?熟練者のゲリュラ大佐ならば小蝿の奇襲ごとき物の数分で払い落とせるはずだ!!」

王国兵39「ば、ばび…!」ダラダラ

副官「くぅ〜そぉ〜……ガァァァアアアア!!!」ワシャワシャ
666: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:24:19 ID:ZdCmVadIqU
―――帝都(居住地)―――

ダダダダダッ

ワァーワァーギャーギャー!

ガキンッ ギギンッ ズガッ ギャリィィンッ

王国兵40「どはっ!?」ズブッ

賊徒's「ウヒャヒャヒャヒャ!!」ドドドッ

クンバヤ「聞いてた通りだな。指示がなけりゃからっきしだ、こんな奴ら?」ビュンッ

王国兵41「く、くそっ!貴様らどこからぶげぇっ!?」ズバッ

クンバヤ「こちとらいっぺん攻め入ってんだ。地理は頭にしっかりとあらぁ?」

王国兵42「ぬぅ…!鼠賊共めがぁ…!」ジャキッ

クンバヤ「たとえば…警備が手薄な侵入経路も伝達が遅れやすい守備領域も宮殿までの道筋も余さず把握済みさ?」ニヤリ

王国兵42「…こ、このような奇襲で浮かれるな!すぐさま騒動が宮殿にまで知れ渡り、全兵総動員で駆逐しに来るぞ!そうなれば貴様らごとき……」

賊徒1「ごちゃごちゃうるせーんだよ!?」ブンッ

王国兵42「ごはぁ!?」バキッ

クンバヤ「野郎どもっ!!俺達の国を取り戻すぞぉ!!」バッ

オォォォオオオオオ!!!
667: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:25:37 ID:ZdCmVadIqU
―――帝都(駐屯所)―――

大佐「火急を要する事態だ!総員、装備を整え、迎撃に向かえ!?」

王国兵's「おぉう!!」

王国兵?「急報!!急報!!ただちに宮殿の警備を増員せよとのお達し!」

大佐「な、なにぃ!?帝都に万を越す大軍が雪崩れ込んできたんだぞ!俺たちとて余裕はないんだ!?」

???「しからば我々にお任せあれ」

大佐「んあぁ!?なんだぁ…!?」

???「後方支援に回され、これまで燻ってきた補給班の者です」

大佐「ほ、補給班…?雑魚が進言とは大した度胸だなぁ!?」

???「このままでは我々は手柄なく戦いを終えることになります。これが最後の機会なのです…!」

大佐「雑兵にも満たない弱小戦力で何ができる?戦に関わってこなかったんだろうが?」

???「だからこそ混濁した市街戦に紛れるよりも守備隊系の整った城内に配置してもらった方が我々もやりやすい」

王国兵43「……お前、妙に詳しいな?」

???「一つでも手柄を得るべく息を潜め、虎視眈々と総指揮の戦略采配を研究してまいりましたので」

大佐「…兜を外してみろ」

???「は…?」

大佐「その訛りない饒舌さと言い、圧力を感じさせる佇まい…何より勘の鋭さが気になる?」

???「………」

大佐「俺は長年、フィクサー様の下で働いてきたが…ここまで察しよく的確な戦況把握が出来る奴は初めて見た?」

???「お褒めに預かり、光栄です」

大佐「しかも一介の民間兵が…だ?」ジロジロ

???「……」
668: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:28:40 ID:ZdCmVadIqU
大佐「囲め!」バッ

王国兵's「」ザザザッ

???「………」

大佐「貴様…何者だ?」ジロッ

???「見抜かれたか…やはり一筋縄ではいかんな。敵ながら天晴れだ!」スッ ポイッ

カランカラン

王国兵?「あっ…!?」

大佐「……!?」ハッ

団長「小細工はよそう。指揮官の首が目の前にある…成果は十分だ」スラッ

大佐「…ルフィアス!!」ギッ

団長「ほう?軍部の者がワシを見知っておったか?」

大佐「貴様は我ら軍部にとって目の上のコブだ…!」

団長「……?」

大佐「お前の成した数々の偉業が…我らを霞ませ、最大的守護者である国軍の必要性を忘れさせた!?」

大佐「6ヶ国協定などという束縛の憂き目に遭い、戦いを禁じられ、我ら軍人は税収悪化の根源だと嘲られてきたのだ!?」

大佐「許さん…!軍人を蔑ろにした国王も…我々を葬った歴史も…すべての借りは戦で返す!!」

大佐「フィクサー様は我々、軍人の夢を思い起こさせた偉大なるお方!!」

大佐「平穏など切り払い、フィクサー様と新たな時代を造り上げる!!何人たりとも邪魔はさせん!!」カッ

団長「…愚かな!独りよがりな貴様らに平和を信じる民の心は分かるまい!?」

大佐「かかれ!?」

バババババッ

団長「…ここを落とせば帝都戦は決着する!!持てる力を余さずぶつけてやれぃ!!」ジャキッ

護衛's「オォォォオオ!!!!」ジャキッ
669: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/13(水) 21:30:45 ID:LdYq8qibu2
―――宮殿(後宮)―――

ヒメ「(さすがに女王に所有権が残された城だけあって…ウチの兵が出入りしてる様子はないな)」スタスタ

西兵108「ぐぉらぁ!!ぎさまぁ!?だぁれに断って入ってぎやがっだ!?」ノソノソ

ヒメ「!」ササッ

王国兵43「い、いや、実はこちらの不手際で後宮に侵入者を入れてしまったかもしれぬのだ。悪いが捜索を……」

西兵108「ダメだ!!ごこに入っでいいなぁ女王の許したヤツだけだ!?」

王国兵43「そ、そこをなんとか…」

西兵108「ネズミはごっちで片付ける!!失せろ!?」

王国兵43「し、しかし…」

王国兵44「お、お前ら敗戦国の分際で俺達に指図すんのか!?」

西兵108「あ゙ぁ゙!?」ギロッ

王国兵44「ひっ!?」

西兵108「勘違いずんな!!俺たちゃでめぇらに手ぇ貸じてやっだだけだ!?」

王国兵43「わ、分かった…。兵も引き下げる…だが国王を見つけたら我らに報せを……」

西兵108「じゃかあしい!?ネズミは殺す!!それだけだ!?」

王国兵43「うっ…」

西兵108「消えろっでんだぁよ!!!」ガァーッ

王国兵's「ヒィー!!!」ピュー

西兵108「けっ…クソが?」ペッ

ヒメ「(警備が強化される前に辿り着かないとな…)」
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名前:
sage:


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うpろだ
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