http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10
1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10
2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10
3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)
あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)
>>2から本編になります!
380: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:52:31 ID:m4Uz9RrgRI
ヒメ「…どうか僕を信じて力を貸してください…!」ペコッ
東の高官「……」
東の召し使い「ふぐぅ……えう……」シクシク
ヒメ「お願いします!時間が無いんです!」
ミリア「断ったりしませんよ…。私供に出来る事なら、なんでもさせてください?」ニコリ
ミリア「皆さんもそうですわね?」
東の高官「…ははっ!!」
東の騎士「なんなりとお申し付けあれ!!」スラッ
東の召し使い「……!」グシグシ
ヒメ「ありがとうございます…!」パァァ
381: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:53:30 ID:m4Uz9RrgRI
ミリア「ホビット族の領地に…?」
ヒメ「はい!そこへ踏み入る許可を頂きたいのです!」
東の高官「し、しかし彼らは…」
東の騎士「んぅぅ……」
ヒメ「なにか不安が…?」
ミリア「実は…亡くなった陛下は一度、共存を求めて彼らに掛け合いましたのよ?」
ヒメ「は、はい…。以前に話されてましたね?」
ミリア「けれどホビット族は陛下に会ってもくださらなかったわ?
それだけでなく、彼らの住まう地に入る事さえ許されなかったの…」
ヒメ「……」
ミリア「…こう申し上げてはなんですがホビット族は東の国から独立した種族。互いに干渉しない掟は50年に渡って守られています。きっと…力にはなってもらえないわ?」
ヒメ「そうですか…」
ミリア「ここまで訪ねてくださって申し訳ございませんけれど…」
ヒメ「…構いません。やるだけやらせてもらいます」
ミリア「?」パチクリ
ヒメ「僕の友は…ホビットでありながら人や歴史が不変の物であると証明してきた現実を変えてみせました」
ミリア「……」
ヒメ「僕達も…いや、人も変えようとし、また変わろうとするべきです。諦めた先に変化はないのですから!」
ミリア「……」チラッ
東の高官「…これをお使いください」スッ
ヒメ「……!」パシッ
東の高官「こちらの通告許可証を提示すれば、いかなる場においても検閲を受けず、速やかに国内を行き来可能になります」
ヒメ「…恩に着る!」ゴソッ
ミリア「…頑張って?」ニコニコ
ヒメ「はい!」ペコッ
382: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:58:05 ID:m4Uz9RrgRI
ミリア「……」
東の高官「…ホビット族はどう出ると思われますか?」
ミリア「ヒメくんに一任しましたので後の事は考えておりませんわ?」
東の召し使い「な、なな、何か心配事が…?」
東の騎士「…ヒメ国王殿はお若く、感情に流されやすい。窮地に追い詰められて周りが見えておられぬやもしれん」
東の高官「…我々の窮地を知ったホビット族が果たして…味方に着くか、それとも不干渉を貫くか、はたまた…」
東の騎士「この期に乗じて東の国土を吸収しに掛かるか…でござろう?」
東の高官「最も可能性が高いのは後者だな…」
東の召し使い「え…え、えぇ…!?」
東の高官「王妃様が少々渋っておられたのは…国内の混沌を危惧された為でございましょう?」
ミリア「さぁ…どうしてでしょうね?」ニコニコ
東の高官「……しかしながら、よもや打つ手もない状況ですからな」
ミリア「なんであれ、あんな純粋な瞳で見つめられたら断れません?」
東の高官「……」
ミリア「はぁ…子供、欲しかった」
東の召し使い「お、王妃様…」
ミリア「(途中で投げ出す気はない、なんて…ふふ。本当に責任感が強くて、優しくて勇敢な子?
自暴自棄になって勝手に自己完結しようとした私とは大違いですわね?)」
ミリア「ちゃんとあの子たちを産んであげられてたら…私達も……」ボソッ
東の召し使い「……?」
ミリア「(私達は人の命を…どこか軽く考えてしまっていたのでしょうね。本当に大切と思える相手がいなかったから……もう遅いですけれど)」フッ
383: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:58:53 ID:UdCBQzYwOk
―――王国(国境防衛城塞)―――
ドッドッドッドッ ドッドッドッドッ
ガションガション ズシッズシッ ガションガション ズシッズシッ
ジルレイ「ハッハァ〜?なんだぁ、ありゃ〜!?バカ面、引っ提げて降参するかと思いきや…門を固く閉じて徹底抗戦の構えかぁ!?」
ガランガランガランガラン!
将軍「ヌハハハハハ!!虫けら共が慌てておるわ!?」
ジルレイ「鐘なんざ鳴らさんでも、この大軍の足音が響いてるだろうによぅ?」ニタニタ
将軍「ジルレイよ?」
ジルレイ「ハハッ!」
将軍「突撃だ?」ニタァァァ
ジルレイ「いよっ!待ってましたぁ!!」パシンッ
ジルレイ「てめぇらぁ!?ドカンとぶちかませぇ!!」ガガガッ
ドガガガガガガガガァァァッ
384: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:00:25 ID:UdCBQzYwOk
―――壁上―――
レーグ「き、来た…!?」ビクビク
ガンッガンッ ズダダダダダダッ
レーグ「そ、そ、そそそ総員、は…はい!はいはいはいはち…はち…あぁい!は、配置に着けぇ〜!?」ガタガタ
警備兵's「」オロオロ
レーグ「な、な、ななな…にして…だ?は、ひゃやく!」ガタガタ
団長「狼狽えるな?何を言ってるのかさっぱり分からんぞ?」ポンッ
レーグ「」ビクッ
団長「指示は正確にはっきりと伝えろ?でなければ兵も動きようがあるまい?」
レーグ「ず、すすずびばぜん…」ガタガタ
団長「(ちっ…これでは使い物にならんな)」
ヒュンッヒュンッ ドスッドスッ
ヒィィィイイイ!! ギャアアアアアア!!
団長「何をしている!?さっさと矢をつがえろ!?当てようと思わんでいい!!ただただ無心で射ち放て!?」
キリリッ ピーン
ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ
ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ
ドスッドスッ バタッバタッ
警備兵1「ひぁぁあああ!?いでぇぇぇええ!?」ブスッ
団長「痛みを感じる暇があるなら一本でも多く射ち返せ!?」
ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ
385: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:03:19 ID:UdCBQzYwOk
副長「梯子を掛けさせるなぁ!?登ってこられたらひと溜まりもないぞぉ!?」
ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ
ドスッドスッ ドスッドスッ
近衛兵1「副長!なにやら櫓のような台車がいくつも接近しておりますが…!?」ガスッガスッ
近衛兵2「な、なんだ、あれは…どでかい矢を装填してまっすぐこちらを見据えている…!?」ガスッガスッ
副長「…そ、そのまま大楯を構えて防げ!?王国の誇る鉄鋼製の分厚い楯ならばあれしき…!」
ビュンッビュンッビュンッ
ドガァァッ ゴシャアアッ バキィィンッ
副長「ば、バカな…!?あの楯は大の男が3人がかりでようやく持ち上がる重量だぞ…!?」
近衛兵's「ぐああああっ!!?」ズダダァンッ
副長「あぁ…な、成す術もなく…吹き飛ばされてしまった…!?」
ガゥンッ ガゥンッ
副長「」ハッ
近衛兵1「は、梯子が掛けられたぞぉ!?」
副長「振り落とせ!?登らせるな!?」
ダダダッ ゾロゾロ
ワァーワァーギャーギャー!
386: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:06:17 ID:m4Uz9RrgRI
ビュンッビュンッビュンッ ドガガァンッ
ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ ドスッドスッ ドスッドスッ
近衛兵1「くそ…!破壊力のあるでかい矢と無数に飛び交う小さい矢に妨害されて…!?」
近衛兵2「このままじゃ続々と登ってくるぞ!死守……」
ヒューン ゴッシャアアアアア
グワァァァアアアアアア!!!
ガラガラッ ボロボロ
副長「く、加えて投石だとぉ…!?一体どれだけの兵器を抱えているのだ…!?」
ゴゥンッゴゥンッ! ゴゥンッゴゥンッ!
副長「な、なんの音だ!?」
近衛兵3「まずい!!こうしてる間に正門を破ろうとしています!?」
副長「なっ…む、向こうには団長が控えているんじゃ…!?」
近衛兵4「ど、どこも似たような戦況らしく…!」
副長「(は、速すぎる…!?何もかもが…!?)」ゾワッ
副長「(開戦からどれほど経った…!時間にしておよそ10分にも満たない筈…!?)」
副長「(それなのに…もう我々は壁上の陣形を砕かれ、翻弄され、梯子を掛けられ、正門の突破を許そうとしている…!?)」
副長「(……強すぎる…ただただ奴らが強すぎるんだ…!?)」ガクガク
387: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:07:17 ID:UdCBQzYwOk
ヨジヨジ ザッザッ
民間兵's「の、登ってきたぞ…!」
ラキア「臆するな!?」ジャキッ
民間兵's「」ビクッ
ギャリンッ ガキンッ ザシュッ
西兵45「グワハハハハ!!くそ雑魚共がぁ!?」ブンッ ザシュッ
西兵46「ヒャァハハハ!」ブンッ ドバッ
民間兵1「あ、ひぃぃ…!」ズルッ
ラキア「」ダンッ ヒュォンッ
ズガガガガガァァッ
西兵45「ごへっ…」プシャアアアアアア
西兵46「がっ!ぎぇっ!」ドッ ゴンッ ズザァッ
ラキア「恐れずに立ち向かえ!?正義は必ず勝つ!!」ダッ
民間兵1「」ビクッ
民間兵2「あ、あの人は…!?」
民間兵3「と、とにかく強そうな、あの人に続こう!?」ダッ
ワァァァアアアアアア!!!
388: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:15:50 ID:UdCBQzYwOk
ラキア「えやぁぁぁあああ!!!」ヒュッ ズバッ
ドサッ バタッ
西兵47「な、なんだぁ!?」タジッ
ザンッザンッ ドサドサドサ
西兵47「」ハッ
ジルレイ「ゲハハハハ!おっもしろそ〜なガキがいるじゃねぇの!?」ニタニタ
西兵47「じ、ジルレイ様!!」
ジルレイ「俺を登らせちまった時点で勝負は決まったようなもんだが…ま、それなりに楽しませてくれよ?」ヒュヒュヒュヒュッ
ザンッザンッ ザンッザンッ
ギャアアアアアア!!!
ラキア「(……あいつ)」ジロッ
民間兵1「うわああああ!!こ、こここっちに来るぅぅ!?」ビクビク
ラキア「…俺が相手しておくから、みんなは登ってくる敵を食い止めるんだ!出来る事なら梯子ごと叩き落とせ!?」
民間兵1「わ、分かった!」グッ
ラキア「いくぞ…!」ダッ
ジルレイ「おっ…自分から死にに来たか。可愛い奴め…?よしよし、ズバズバっと細切れにしてやろうなぁ?」ジャキッ
ラキア「ナメるな!?」ブンッ
ガキンッ!
ラキア「っ…!?」ギギッ
ジルレイ「ゲハハハ…!俺様の見込みに狂いはねぇ!こりゃ楽しめそうだなぁ?」ギギッ
ラキア「(くそっ…早く倒さないと…登ってくる敵を食い止めなきゃ一気にやられる!)」イラッ
389: 名無しさん@読者の声:2015/11/29(日) 22:17:02 ID:YGhriUlVQg
ラキア頑張れ!死ぬなよ!
390: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:17:36 ID:UdCBQzYwOk
―――城塞(正門)―――
ゴゥンッゴゥンッ! ゴゥンッゴゥンッ!
将軍「ヌワーッハッハッハ!なかなか頑丈な造りではないか?」
西兵48「エイヤッサー!!」ガッ
西兵49「オイヤッサー!!」グッ
西兵50「あ、ソレソレソレソレ!!」グンッ
ゴゥンッゴゥンッ! ゴゥンッゴゥンッ!
将軍「ヌハハハハハ!!よいぞ、よいぞ!!その調子で音鳴らせ!?
それだけで奴らは下の正門を意識し、迷いが生じて上の守備が疎かになろう!?」
将軍「さすれば壁上を攻めている者らが内側から正門を開け放つのを待てばいい!!」
将校1「(参謀殿が不在でありながら閣下の指示は見事に的確だ…)」
将校2「(意外にも兵法への造詣が深いのだな…。正直、馬鹿力だけの暴れん坊将軍だと思っていたが…)」
ブォンッ
将校1「ぐきゅふ!?」ゴシャッ
将校2「ばぎぼっ!?」スバッ
将校3「か、閣下!何をなさって…!?」アセアセ
将軍「なんとなしにではあるが気に入らなかった。それだけだ?」ピシュッピシュッ
将校3「(す、少し距離を置こう…。でないと、いつ殺されるか分かったもんじゃない…!)」ススーッ
391: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:19:48 ID:UdCBQzYwOk
―――壁上―――
ワァァァアアアアアア
ガキンッ ガガッ ギンッ ドガァァッ
団長「ぬんっ!?」ブォンッ
西兵51「ぐはぁ!!」ザシュッ
レーグ「ひ、ひええ…!」ヘナヘナ
団長「バカモン!!隊の長が腰抜かしてどうする!?率先して戦わねば部下の士気にまで影響するぞ!?」ブォンッ
西兵52「げぁっ!!」バシュッ
レーグ「で、ですが…」ガタガタ
警備兵2「う、うぅおおお…!」バッ
西兵53「ちっ!」ガキンッ
警備兵3「わぁぁあああ!!」ブンッブンッ
西兵54「うおっとと!アホみてぇにぶんぶん振り回しやがって…!?」サッ
団長「部下が決死の覚悟で戦っているというのに恥ずかしくはないのか!?」ギンッ
レーグ「〜〜〜!!」
団長「立て!そして戦え!?逃げ場のない城内で是が非でも生き延びたくば己で命を勝ち取れ!?」シュバッ
西兵55「ごぶん!?」スパンッ ゴロッ
生首「」コロリン
レーグ「ひぃぃぃ!!!」ビクンビクン
団長「誰かが戦ってくれる!目を瞑って事なきを得る!そんな手段はもう使えんぞ!?」
団長「貴様を助けてやれるのは貴様自身だ!!」ブォンッ
ザシュッザシュッ ズダダァンッ
レーグ「……!」ガタガタ
392: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:21:11 ID:UdCBQzYwOk
レーグ「(た、戦う…!俺が…?)」ワナワナ
西兵53「うぐ…」バタッ
警備兵2「や、やった!た、倒した!やってやったぞ!」
警備兵3「こ、こここっちもだ…。ら、楽勝だぜ…」ガクガク
レーグ「(あ、あいつらが…な、なら俺も!)」ムクッ
ガシュッ ドバッ
警備兵2「あ……がふ」プシャアアアアアア
警備兵3「」ドサッ
レーグ「や、やっぱムリ!?」ダッ ドンッ
警備兵4「うっ…れ、レーグ隊長!どこへ!?」ヨロッ
団長「なっ…何をやってる!?逃げるなぁ!?」ガキンッ
レーグ「ひあああああああ!!!」ダダダッ
393: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:21:59 ID:m4Uz9RrgRI
レーグ「(し、ししし死にたくない死にたくない死にたくない)」ダダダッ
レーグ「(だってそうだろ!何人倒せば生き残れるんだよ?その間に殺られない保証がどこにあるんだよ?)」ゼェゼェ
レーグ「(目の前で人が殺されてんだぞ?切られて、刺されて、えぐられて血ぃ噴き出して!あんな痛そうなの…絶対いやだ!!)」ガチャッ
レーグ「(でもあの近衛師団長の言う通り、包囲された城に逃げ場なんてどこにもない!)」キョロキョロ
レーグ「(か、隠れられる場所…誰にも見つからない場所は…?地下?入られたら袋小路だ!怖い!)」ウルウル
レーグ「(城の中は隈無く探られそうだ…。隠し部屋も脱出用通路も用意されてない!当たり前だ!
国境関門は内外の人間を検閲する為の施設!わざわざ不審人物を脱出させてしまうような余計な経路は造らない!)」
ゴゥンッゴゥンッ! ゴゥンッゴゥンッ!
レーグ「ひあっ!?」ビクッ
レーグ「(せ、正門が破られる…?だ、ダメだ…終わりだぁ…!?)」クシャクシャ ズビッ
レーグ「(し、死ぬか?むごたらしく殺されるくらいなら自分で死んじゃおうか?)」
レーグ「(あぁでもひょっとしたら素直に降参すれば捕虜として生かしてくれるかもしれない!
い、いやでもその後に待ち受ける虐待が…!ていうかそもそも降参したって殺されるんじゃないの?拷問とかされてさぁ!?)」ハラハラ
レーグ「(は、はは、歯を抜かれたり…爪を剥がされたり…目玉をくり貫かれたり…全身に焼き印を押されるのか…!?)」
レーグ「は、はははハヒィィヤァァアアアア!!!」ペタッ ブルブル
レーグ「ど、どうしたらいい?だ、だ誰か!助けて!神様!神様ぁぁ……」ポロポロ
アリアス「バッカじゃないの?」ザッ
レーグ「え゙…?」クルッ
394: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:24:58 ID:UdCBQzYwOk
アリアス「あんた隊長よね?さっきから一人でジタバタ走り回って何やってんの?」
レーグ「……?」
アリアス「このホールは予備軍の待機場でしょう?隊長さんに縋られても困るのだけれど?」
警備兵's「」ジロジロ
民間兵's「」ヒソヒソ
レーグ「……!」サァァァ
アリアス「今さら青ざめても遅いわよ」
レーグ「ひっ…ぐ……うぇっ…えっ…」ポロポロ
アリアス「…あのねぇ?あんたの存在その物が全員を不安にさせてるの分かってる?
皆、これから戦う為に少しでも気を落ち着かせたいのに隊長が真っ先に逃げ帰って泣きじゃくってる姿なんか見たくないの?」
アリアス「そうして保身に震えて情けない醜態を晒す奴がいると、あたしらは戦う前から恐怖心が芽生えて、うまく力を発揮出来なくなるの?
つまり勝率もガクンと下がって死の秒読みを速めてるの?
いい?あんた迷惑?死ぬなら壁上の敵を一人でも蹴散らしてから死んで?
でなきゃ私達があんたを担いで壁下に群がってる連中に放り投げるわよ?分かった?」クドクド
近衛兵's「そうだ、臆病者め!!」ブーブー
警備兵's「隊長なら潔く戦って死ねぇ!?」
民間兵's「俺らと違って正規兵のクセに男らしくねぇぞ!?」
アリアス「(…なんとか中の士気は下げずに済んだわね)」
395: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:25:25 ID:m4Uz9RrgRI
レーグ「や、やべ…て…!たす…けて…!かぁみさまぁ…!」ガクガク
アリアス「一つ…神の系譜を世に伝えてきた元信仰者から助言してあげるけれど…」
レーグ「おたすけくださいおたすけくださいおたすけください…!」スリスリ
アリアス「いないわよ。神様なんて?」バッサリ
レーグ「」ピタッ
アリアス「あたしは教団の司祭に仕えていた者だけれど…なんなら教えてあげましょうか?神の作り話の誕生秘話とか?」シラー
レーグ「」ガクンッ
アリアス「行きなさいよ…」ドンッ
レーグ「」ヨロッ フラッフラッ
レーグ「」ブツブツ
フラッフラッ フラッフラッ………
アリアス「(可哀想な事したわ…。でもここで中の不安を煽る訳にはいかないのだし…それに?)」
ワァーワァーギャーギャー
アリアス「(そろそろ外からお呼びが掛かる頃合いでしょうしね…)」ジッ
396: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:37:21 ID:UdCBQzYwOk
>>389
ローレンを倒したジルレイが相手ですが、はたしてどうなるか…(笑)
感想ありがとうございます!
関係ないですけど、なんか更新内容がごちゃごちゃしてますね。読みにくかったらすみません!
余談ですがオーキド博士とクルミちゃんのラジオで4回に渡って放送していただいた当SSのCMが、ついに完結?した模様です!
毎回とても楽しみで放送される度にドキドキとワクワクが止まりませんでした!
綺麗な表現で簡潔にまとめ上げる文章がスゴく魅力的で今までのスレに自分で書いてきたあらすじを全部、CMの文に差し替えたいくらい素敵です!
クルミちゃんから感想まで頂けたサプライズには心躍りました!
本当に感謝しておりますし、放送20回目に行われる新企画の概要もかなり気になります!
これからもオーキド博士とクルミちゃんのファンとしてラジオを応援させていただきます!ありがとうございました!
乱文失礼しました!
397: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/9(水) 21:18:58 ID:MvVpHIxlN.
―――西軍の櫓(大槍砲射出地点)―――
西兵56「装填完了!合図が来たら、いつでもぶっ放せるぜ!」ジャコンッ
西兵57「へっへっへ!兵器に掛かりゃ人間なんざ脆いもんよ?」ニヤニヤ
西兵58「さっきもこいつを喰らってあたふたしてやがったのが笑え……」
ヒュンッ ヒュンッ
西兵56「ぐわっ!?」ブスッ バタッ
西兵57「んぎっ!!」ドスッ ズサッ
西兵58「あ!?な、なにぃ!?どっから…!?」アタフタ
398: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/9(水) 21:19:59 ID:gUlMLlO5yg
―――国境防衛城塞(屋上)―――
ホビット女「ふん、ヤってやったね。あれでしばらくでかい矢は射てないよ!」
ホビット男「人間はおおざっぱなのが好きだよねー。あんなん使わなくたって腕さえあれば、こっちのが楽なのに?」
ホビット女「弓術の祖はホビット族さ?人間なんかお呼びでないよ?」
ホビット男「みんな!この調子でバンバン射ち倒してやろうぜ?人間たちにホビット族の凄さを見せ付けてやるんだ!」
オォォォォオオオ!!!
ホビット女「あんな連中、屁でもないね!ブランケ!あんたも気ぃ抜くんじゃないよ!」
ホビット男(ブランケ)「お互い様だろ、シーラ?せっかくの機会だ。戦況に響かせるくらいには貢献しないとな?」
ホビット女(シーラ)「ふふん…まさかあいつらも城の屋上から壁越しに狙われてるなんて思わないでしょうしね!」
ブランケ「どんな場所からでも的を見据える超視力……」
シーラ「距離をものともしない正確無比な命中率……」
ブランケ「これぞ…」ズズズ
シーラ「ホビット族の…」ズズズ
ブランケ&シーラ「神業!!」ババンッ
シーン
ホビット's「……」ポカーン
ブランケ「……とりあえずでかい引き矢と投石砲台の射手を狙おっか」キリリッ
シーラ「歩兵とか弓兵とかチョロチョロ細かいのはキリがないし、的を外しやすいからね」ピュンッ
ホビット's「(司祭様に頼まれたしがんばろーっと)」ヒュンヒュンッ
399: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/9(水) 21:22:07 ID:gUlMLlO5yg
―――壁上―――
団長「ハァァァァッ!!!」ズガァンッ
グラッ ベシャアアアアアン!!
警備兵's「これで三つ目だ!!」
西兵59「くそっ…あのバケモンめ!梯子がどんどん落とされてくぞ!」ギリッ
西兵60「こりゃ合図出した方がよさそうだな…!」
警備兵's「やってやんぞぉぉぉおおお!!!」バババッ
西兵59「ちっ!調子付きやがって!やれぇ!?大槍砲でブッ飛ばせぇ!!?」
シーン
西兵59「……あり?」メダパニ
団長「吹き飛ぶのは貴様らだ!?」ザッ
ドガガガガァンッ
西兵60「ぎえええ!?」ドカッ
西兵59「のぺふ!?」ズバァッ
団長「(…ひとまずここはどうにかなりそうだ。彼らに援護射撃を頼んで正解だったな)」
ヒュンヒュンッ ヒュンヒュンッ
ドスッ ブスッ ドスッ ブスッ
西兵61「うぎゃっ!ど、どっかに弓兵がいるぞ!?」ブスッ
西兵62「壁上じゃ逃げ場がねぇ!?」ドスッ
団長「(シヴァとか名乗るホビット族達との戦いで痛感したが彼らの弓術は大したものだ…。
これだけ優秀な狙撃主がいれば壁上はそうそう傾かんだろう…)」
ウワアアアアアアアア!!!!
団長「む…?」ジッ
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