http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10
1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10
2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10
3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)
あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)
>>2から本編になります!
310: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/3(火) 20:35:57 ID:zZ0LLNhnzs
参謀「矢の残数は気にせず撃ち込みなさい」
ビュビュビュビュビュッ
参謀「意外とあっけなかったですね。北東防衛線を突破したというので多少は善戦を期待したのですが…」
ワァァァアアアアアア ギャアアアアアアアア
参謀「…まぁそれもひとえに貴方の助力があったからでしょうがね?」チラッ
魔導師「それはどうも…」
参謀「あれだけの手勢を見事に封じ込めてみせるとは大したものですね。
あんな強力な毒兵器、いつの間に開発なされてたんですか?」
魔導師「毒兵器じゃないよ…。黒魔術さね?」
参謀「黒魔術、ですか?」クスッ
魔導師「そうそう。呪文をぶつぶつ呟きながら煮えたスープを混ぜてたら出来たのさ?」
参謀「なるほど?」クスクス
ギャーギャー ギャーギャー
参謀「怖い、怖い。彼らはおぞましいほどに声を枯らしながら何を訴えているのでしょうね?」
魔導師「つまんない怨み言さ。人の本質は傲慢と強欲…正義だのなんだの、あざとい綺麗事を吐く奴に限って追い詰められると醜い本性を露にするものだ?」
参謀「本質…ですか。なんとも業の深そうなお話ですねぇ?」
魔導師「……」
参謀「正直に申しますとパカラゥロ様が協力くださるとは思いませんでしたよ。実は貴方も戦争に興味がおありなのでは?」ニヤリ
魔導師「…ないない。女王以外はどうだっていい」
参謀「ではなぜ女王のそばを離れてまで、こちらの戦場に足を運ばれたので?」
魔導師「女王に仇成す連中は生かしておけない。それだけ」
参謀「それでしたら、なおのこと城に残ってお守りして差し上げた方がよろしかったのでは?」
魔導師「……何が言いたいの?」ギラッ
参謀「睨み付けないでくださいよ。貴方、見た目も雰囲気も物々しいんですから?」
魔導師「ふん…」プイッ
311: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/3(火) 20:39:36 ID:zZ0LLNhnzs
参謀「僕はただ…貴方がここに来なければならない理由があったんじゃないかと推測してみただけです?」ニコッ
魔導師「……」
参謀「東の国との遺恨…少しは晴れましたか?」ニコニコ
魔導師「あいにく自分はつまらない怨み辛みなんかとは無縁でね。
あんな奴らに向ける情なんて持ち合わせちゃいないよ…?」
参謀「乾いてますねぇ…。貴方を見捨てた憎き郷国に思う存分、復讐してやれる好機ですのに?」クスクス
魔導師「でもねぇ…あまりいい気分じゃないんだ」グッパッ
参謀「……?」
魔導師「昔のことなんか、とっくのとうに忘れてた。どうだってよかったんだ。本当に…どうだって…」
参謀「……」
魔導師「なのにあいつらは今になって、うざったい記憶を呼び起こさせる…。女王がくれた幸せを…ぶち壊しにしようとする」
参謀「彼らは貴方と…かつてのお仲間を助けたくて、ここへやってきたのですよ?」
魔導師「……」
312: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/3(火) 20:39:57 ID:0fd8NEJ9sQ
〜〜〜回想(パカラゥロ)〜〜〜
子供1「ここ…どこ…?」
子供2「暗いよぉ…あぁぁぁあああん……」
子供3「ママぁぁ……パパぁぁ……」
少女「み、みんな…大丈夫だよ…。絶対、助けに来てくれる…」
子供4「わぁぁん…こわぁぁい……」
子供5「かえりたいよぉぉ……」
少女「大丈夫…大丈夫…大丈夫だから…」
子供6「なんで大丈夫なの…?」
少女「パパもママも言ってたもん…。東の国は日いずる国……暖かな光が優しく包み込んで、みんなを照らしてくれるの」
子供6「…じゃあ…はやくかえれるの?」
少女「帰れるよ…?だってわたしたちは…やさしい、やさしい国に生まれたんだもの」
少女「パパとママも心配して王様にお願いしてるよ。そうしたらお城の兵士さんたちが来てくれるから大丈夫?」
子供's「〜〜〜!」ウルウル
少女「だから泣かないで…待とう?みんな帰れるからね…?」
子供's「ゔん…」コクリ
少女「大丈夫……大丈夫……大丈夫……」
………………………
313: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/3(火) 20:41:34 ID:zZ0LLNhnzs
魔導師「大丈夫……大丈夫……助けに来てくれる……守ってくれる……。
家族を信じよう……国はきっと見捨てない……それでもダメなら神に祈ろう……」
参謀「……」
魔導師「大丈夫……大丈夫……大丈夫……だい、じょうぶ……」
参謀「…大丈夫には見えませんけど」
魔導師「…どれだけ待ったかな。そうしてる内にみんな死んだよ」
参謀「おかわいそうに?」
魔導師「いいんだ…。そんなの…女王が愛してくれるから…女王が自分を見ていてくれたから……」
参謀「ははぁ…なるほど」
魔導師「過去に愛着もないし哀愁もない…。だけど…今さら乗り込んできて助けに来たなんて息巻かれちゃ…腹が立つよねぇ?」
参謀「嬉しくはなりませんか?10数年越しにはなりますが…あなた方を忘れずにいてくれた証拠ですよ?」
魔導師「自分らをダシに甘い汁を啜りたがってるのさ…」
参謀「無謀な戦いを挑んでまで?」
魔導師「じゃなかったら自己満足…助けに向かった事実が欲しいだけ……助けてほしい時には何もしなかったクセに……」
参謀「機を伺っていたんですよ?」
魔導師「…女王だけが自分の道標。あいつらはそれさえ奪おうとする」
参謀「悪逆非道な独裁者を打ち倒し、拐われた民を救い出す…なんとも麗しい美談ではありませんか?」
魔導師「悪いのは全部、女王?かわいそうな被害者は自分?英雄はあいつら?バカ言ってんじゃないよ…?」
参謀「ふふ……」クスクス
314: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/3(火) 20:46:07 ID:0fd8NEJ9sQ
魔導師「だいたいさ…今さら助けたからってどうなんの?自分が喜ぶとでも思ってんの?」グッ
魔導師「こんな醜い化け物になって…さんざん痛め付けられて、女王以外に自分を認めてくれる人はいない…!」ギュウウウ
魔導師「奴らが自分らを放って平和とかいう気色の悪い日々を貪っていた間に…。
…もう、もう取り返しの付かない事になってるじゃないのさ…!?」ワナワナ
魔導師「拐われた可哀想な子供が10数年で化け物になってました…。
これからは見も知りもせず事情もなんにも理解しない素敵な国の人達と幸せに暮らしましょうって?」
魔導師「そもそも分かるの…?誰の子か…誰の家族か…本当に東国の人間だって認められるかい…?」
魔導師「こんな化け物を…誰が愛してくれるって言うんだい…!?」ギラッ
参謀「はぁ…僕に言われましても?」シラー
魔導師「自分を救ってくれたのは女王さ…。だから…女王を狙う奴は許さない…!
永遠の命が欲しいなら作ってやる…!女王の望みは…自分が叶える!」ググッ
参謀「心酔しておられるのですね…?」
魔導師「女王を傷付ける奴は皆殺しさね…!」
魔導師「自分の命は…女王の為に使うって決めたんだからさ……」
参謀「…そろそろ鞍替えしてもいいのでは?」
魔導師「は…?」
参謀「大事な…とても大事なお話があります。聞いてくれますか?」
魔導師「……?」
315: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:16:00 ID:uI2Wh2UJdg
参謀「実は先ほど…ある訃報が届きました」
魔導師「いいね…。将軍あたりが死んだのかい?」
参謀「まさか?閣下はご健在ですよ。南国軍も全滅させたとの事で素晴らしい快進撃を見せておられます?」
魔導師「ちっ……あーそう。死んでないのね…」ムスッ
参謀「帝都が陥落されたそうです」
魔導師「」ピクッ
参謀「イアマンに籠絡せしめられた民衆が大挙して城に攻め入り、女王を……」
魔導師「」バッ
参謀「」ビクッ
魔導師「冗談でも殺すよ…?」ギラッ
参謀「…冗談なんかじゃありませんよ」
魔導師「……!」ワナワナ
参謀「だから言ったじゃありませんか?そばでお守りした方が良かったのではないかと?」
魔導師「何かの間違いだろ…?」
参謀「間違いなどでは…?」
魔導師「間違いだって言え…!?」ズイッ
参謀「僕を殺すのは構いませんが…そうしたって女王は蘇ったりしませんよ?」
魔導師「っ…!」ギリィッ
316: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:21:11 ID:k81ksGofh2
魔導師「じゃあ…なんで東国軍を後回しにしなかったんだい…!?」カッ
参謀「…戦ってる最中に報せが届いたものでして」
魔導師「ざけるな…ざけるな…ふ、ざけるなぁ!!」ガリガリ
魔導師「そん…そんな筈ない…!女王が…女王は死んだりしない…!
癒しの力を手に入れたら…永遠の命を授かって…じ、自分も……女王と、いっしょにぃい……」ボリボリ
参謀「」パシッ
魔導師「!?」ピタッ
参謀「僕と共に報復しませんか?」
魔導師「ほう…ふく…?」
参謀「貴方と女王の間にはただならぬ信頼関係があるのも知ってます?許せませんよね?」
魔導師「……」
参謀「今から帝都に向かいましょう…。暴動を起こした反乱者共を駆逐し、女王の仇を取るのです…!」
魔導師「……」
参謀「現在、王国軍は僕の寄越した援軍が足止めしていますが…もしもこの事実が知れれば大変な事態に陥ります。
戦争の最中に反乱を許した上に女帝の権威を失ったとあれば付け入る隙ありと見られてしまう。
そうなれば諸国は王国軍側に靡くか…王国、西国の対立そのものに介入しようとするやもしれません」
魔導師「……」
参謀「早く帝都を奪還しなければ、もはや西の国に未来はありませんよ?」
317: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:24:23 ID:k81ksGofh2
魔導師「痒い…」ボリボリ
参謀「パカラゥロ様…!」
魔導師「女王がいない世界に…自分の未来なんかない」ボソッ
参謀「は…!?」
魔導師「鬱だ。死のう…」ボーッ
参謀「(こいつ…)」チッ
魔導師「女王…すぐそっちに行くよ…」ヒタヒタ
参謀「どこへ行くのですか!?」
魔導師「」ヒタヒタ
参謀「(こいつの毒兵器は強力だが…物が物だけに生身の人間じゃ扱えない…。
実際に試してそれが分かった…。けど、それだけに自在に使えれば1国の軍も容易く蹂躙出来る殺傷力があると証明されている…)」
参謀「(今回の戦いで我が軍も多大な犠牲を負った…。
次の段階で北国、他2国の平和協定加盟国と戦い抜く体力は残ってない…。
ともなると、こいつの毒兵器と高い暗殺能力は勝負の分かれ目を左右する決め手となるでしょうね…)」
参謀「(なんとしてでも取り込まないと……)」ギリッ
318: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:33:21 ID:k81ksGofh2
参謀「聞いてください!パカラゥロ様!」スタスタ
魔導師「……」ヒタヒタ
参謀「女王をお救いする方法があります!」スタスタ
魔導師「」ピタッ
参謀「癒しの力です!永遠の命を実らせる程の力ならば…女王を蘇生させられるに違いありません!」
魔導師「……」
参謀「癒しの力は閣下が奪取されるでしょう!我々は女王の御遺体を取り戻すのです!」
魔導師「……」
参謀「そうすれば、また…」
魔導師「」シュコォォォウ
参謀「」ビクッ
参謀「」ガタガタブルブル
参謀「(な、なんだ…この悪寒…!さ、寒いのに汗が噴き出て…!?)」
魔導師「余計な話はいらないよ…。最初から必要な事だけ教えておくれ…」パッ
参謀「は…ははふはふひは……」ガタガタブルブル
魔導師「あ、そうそう…次、回りくどい言い方して利用しようとしたら殺すから。いい?」ギラッ
参謀「(お、悪寒が…止まった…!)」ダラダラ
魔導師「行こうか。指揮はお願いするよ」スタスタ
参謀「(どいつもこいつも女王、女王と…あの妾のどこにそんな求心力が…!)」イライラ
参謀「(……まぁいい。師匠殿が女王を始末し、レジスタンス共を取り込んで帝都を占拠している筈…これでようやく僕は西の皇帝に返り咲ける。そうすれば後は…どうにでもなるさ)」クスッ
319: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:36:28 ID:uI2Wh2UJdg
〜〜〜数日後〜〜〜
―――王都(王宮)―――
ヒメ「ローレン様と宰相殿が……戦死した…!?」ガタッ
政務官「事実なのか!?」
伝者1「はっ…残念ながら南国軍、東国軍、共に全滅……。
フィクサー総指揮率いる王国軍は西国内部にて6万の残党軍と交戦中…事実上、敵の領内で孤立無援の状態となっております」
ヒメ「……よくも…!よくもローレン様と宰相殿を…!?」ブチィッ
政務官「落ち着いてください!まだ報告を聞き終えておりますまい!」
伝者2「幸いにして南国軍は国王を討ち取られた事に気付かず士気を保ったまま戦い続けたそうなのですが…」
政務官「おぉ…!そうか…!」
伝者2「殺戮将カカドゥーラが戦場を荒らし回り、とてつもない勢いで南国軍の陣形を崩壊させ、あえなく惨敗といった形で……ぐえっ!」グンッ
ヒメ「惨敗…!?ふざけるなよ、おまえ…!?」ググッ
伝者2「……!?」プルプル
ヒメ「…決死の覚悟で戦い抜いた英雄達の勇姿を"惨敗"なんて無粋な言葉で締め括ろうとするな!?」ドンッ
伝者2「うぐっ!も、申し訳ございません…」ドサッ
ヒメ「……!」イライラ
政務官「カカドゥーラの軍は侵攻してきておるのか?」
伝者2「はっ!それが勝利の祝杯を挙げており、三日以上経った今も宴を続けております!」
政務官「…ずいぶんとナメられたものだな」ギリッ
ネバル「大変です!」バァンッ
政務官「ど、どうした!?」
ヒメ「……」ジロッ
320: 名無しさん@読者の声:2015/11/4(水) 21:37:28 ID:y5m8SzNMlo
師匠殿はアテにならんが参謀頑張れ
参謀と女王のガチバトルに期待
321: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:39:30 ID:k81ksGofh2
ネバル「救い主様が…拐われました!?」
ヒメ「はぁ!?」ギョギョッ
政務官「拐われたぁ!?」ギョギョッ
ネバル「東の国領内から山岳地帯を通って辺境地に回り込んだ西国の刺客が拐っていったそうです!」
ヒメ「ま、待てよ…!なんであいつがあそこにいるって西の国の人間が知ってたんだ…?
救い主の存在も居場所も僕と親い城内の人間にしか伝わってない筈……」
ネバル「分かんないです!教団のミシングさんっていうシスターから伝書鳩が届いて慌てて知らせたです!」アセアセ
ヒメ「ミシング…?あぁ…宣教師の友人か…!」
政務官「辺境地から、ここまで…おい!いったい誘拐から何日経っているのだ!?」
ネバル「わ、分かんないです!最低でも1週間は……」
ヒメ&政務官「1週間!?」ギョギョッ
ネバル「あ、あと…ラムっていう子も拐われたって書いてあるです!」
ヒメ「あ、あいつまで…!?」
政務官「(な、内乱で大いに暴れまわったホビットか…!?)」ゾクッ
322: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:44:23 ID:k81ksGofh2
ネバル「ど、どうするです!助けなきゃですよね!」アワアワ
政務官「い、いや…まずは事実を確認しなくては…それにカカドゥーラの軍勢への対策も検討せねばならない…」
ヒメ「そんなダラダラしてられるか!!」ダッ
政務官「へ、陛下!!どこへ行こうとしている!?」ガッ
ネバル「も、もしかして助けに行くです!?」アワアワ
ヒメ「離せよ…。もうジッとしてるのはたくさんだ!」バッ
政務官「貴方は事態の重さを理解しておられないのか!?」カッ
ヒメ「分かってるよ!僕が倒れたら…その時点で、この戦争の敗北が決まる!!」
政務官「それだけではございません!王国は侵略され、土地や街々を汚されるだけでなく民も虐殺の憂き目に遭います!
残された南国、東国も同様に蹂躙され尽くすでしょう!その意味が分かっておられるのか!?」
ヒメ「……僕がここにいたって遅かれ早かれ侵略されるだけだ!!」
政務官「まだフィクサー総指揮の軍が戦っております!団長も国境に防衛陣を敷いて迎撃体勢を取っている!貴方が出向く必要はない!!」
ヒメ「性に合わないんだよ!!」
政務官「は…!?」
ヒメ「誰かをあてにして待つなんて…!」
政務官「だ、駄々をこねるのもいい加減に……」
ヒメ「…カロルとラムだって、どんな目に遭うか分からない!早く救出しないと拉致された東国民の二の舞だ!」
政務官「ですから…今は堪えよと…!」
ヒメ「ただ待つのが国王の役目なら、こんな冠、いつだって捨ててやるさ!!」
政務官「なっ…」タジッ
ヒメ「自分の力で守れる物も無くて何が国王だ!?」
ネバル「……!」
ヒメ「国の向かう先が王の歩みに懸かっているのなら僕の手で道を切り開かなきゃ意味がない!!」
政務官「っ…!」パチクリ
ネバル「へ、陛下…おいら、ジーンときたですぅ…!」ウルウル
323: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 21:47:41 ID:uI2Wh2UJdg
政務官「お、お待ちくだされ!!絶対になりません!!」
ヒメ「…国王として奴らの侵略を見過ごす気など毛頭ない!!強行してでも僕は行くぞ!?」キッ
ネバル「おいらも付いてくです!」
ヒメ「ダメだ!リルラとネバルはここに残れ!領内の安寧を保てる役人が城には必要だ!」
ネバル「う…そ、それならしょうがないです」シュン
政務官「どうしても行かれるおつもりか!?」
ヒメ「あぁ、そうだ!何度も言わすな!?」
政務官「〜〜〜!!」ワナワナ
ヒメ「ネバル!城内の兵士をありったけかき集めろ!!
城下の領民にも召集をかけて戦えそうな大人達を募るんだ!」
ネバル「はいです!」
政務官「〜〜…わ、私が掛け合ってみましょう!!」
ヒメ「リルラ……」
政務官「お止めしたとて聞き入れはしないのでしょう!
ならば勝利を掴んでいただくべく全力をあげてみせます!!」
ヒメ「あぁ、頼りにしてるぞ!」パァァ
政務官「身支度を整え、正門でお待ちいただけますか!10分で用意を済ませます!」
ヒメ「恩に着る!」ダッ
ネバル「頑張ってくださいですぅー!」フリフリ
ごつんっ!
政務官「我々も急ぐのだ、バカ者!」プシュー
ネバル「は、はいですぅ…」ヒリヒリ
324: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/4(水) 22:15:20 ID:k81ksGofh2
>>320
そう言っていただけて嬉しいです!
参謀vsファルージャは明日の更新で決着させます!
感想ありがとうございました!
325: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/5(木) 22:42:10 ID:1.PrppOx/o
―――帝都(市街地)―――
ダダダダダダダダッ
ガガガッ ガガガッ
ウガアアアアアアア!!!
ザシュッ ドバッ ゴカァンッ ズシャアッ
レジスタンス6「我らイアマンの加護を授かりし勇者なり!
女神ファルージャの導きたもうた答えを解し、真の敵を見つけたり!!」ダダダッ
レジスタンス7「怯むな!この手で悪魔を滅するのだ!?」ダダダッ
ヒュンッヒュンッ ドスッドスッ
レジスタンス's「」バタタッ
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ
ドスドスドスドスドスッ
レジスタンス8「な、なんだ、この矢はぁ!?」アセアセ
レジスタンス9「どこから飛んできやがる!?」
レジスタンス10「さ、刺さった奴らがバタバタ倒れてくぞ!」
ワァァァアアアア!!! バラバラ バラバラ
326: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/5(木) 22:44:30 ID:1.PrppOx/o
―――市街地(物見櫓)―――
参謀「へぇ〜…さすが効きますね。大魔導師様お手製の毒矢は?」シゲシゲ
西兵44「(まさに即死だな…。呻き声さえ聞かなかった…)」ブルッ
参謀「散らばった雑魚は騎兵を投入して殲滅、建物を次々に占拠して更に毒矢を浴びせなさい」
西兵45「はっ!各部隊に伝達して参ります!」
参謀「突入地点は、あの商店の密集地を抜けた大通りがいいでしょう…」
西兵46「ははっ!」
参謀「…ふふ。それにしても師匠殿も人が悪い?
僕が到着する頃合いに開門し、無血開城させる手筈が…レジスタンスを使って市街戦を仕掛けてくるなんて?」クスクス
西兵44「老師殿め…ここにきて裏切るとはな…!」
参謀「違いますよ。あの方は温厚に見えて存外、厳しいのです。こうして戦う事で僕を試しているのでしょう」
西兵44「ですが王国軍の始末も残っているというのに兵を削らずとも…」
参謀「それは同感ですが…難局を乗り越える力が僕にあるか見定めようとなさっているのかと」キョロキョロ
西兵44「しかし…なかなか城に近寄らせてもらえませんぞ」
参謀「えぇ。市街の建物や通路に合わせて必要な数の人員が配置されてますからね。
模擬戦では、まず見られない高度な守城戦術を展開しておられます。さすがは師匠殿?」
327: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/5(木) 22:47:09 ID:1.PrppOx/o
西兵44「なんにせよレジスタンスの数が多すぎる…。集めすぎたのでは?」
参謀「面倒な作業ですが難しい戦局ではありませんよ」
西兵44「なっ…こちらの倍以上の数が押し寄せているのですぞ…?」
参謀「各地点の戦力図をよくご覧なさい」
西兵44「」ジッ
参謀「数の上では劣勢ですが…半分以下の人員で敵を押しています。いくつか誘いもありますが…」
参謀「軍の正規兵と痩せ細った民兵では個の力が明らかに割れるのですよ」
西兵44「な、なるほど」
参謀「彼らが勢い任せに城を攻め落とせたのは僕が帝都の兵力を意図的に弱体化させ、師匠殿が上手に誘導した結果でしかありません」
参謀「まともに衝突させれば、あのような泥臭い連中は人溜まりもありませんよ…?」ニヤリ
西兵44「」ゴクリ
参謀「…各布陣に穴も空いてきましたし、この程度の余興はあっさり終わらせるとしますかね」
参謀「尊敬する師匠殿に弟子の成長も見せてあげたいですし…?」クスッ
328: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/5(木) 22:48:55 ID:1.PrppOx/o
―――帝都(宮殿)―――
バカァンッ
ザッザッザッ ザッザッザッ
軍師「…早かったですな」
参謀「失礼のないよう正門から入らせてもらいましたよ?」クスッ
軍師「……」
参謀「さぁ…余興は締めましょう。ファルージャの首をこちらへ?」
バサッ
ファルージャ「妾の首ならば、ここにあろうが?」ヒタヒタ
参謀「」ビクッ
ファルージャ「そなたにくれてやる気はないがのう…クスス?」ニヤニヤ
参謀「…師匠殿。どういう事ですか?」キッ
軍師「…故あって正式にファルージャ様を主とし、忠誠を誓う次第と相成りました」
参謀「はい…?」
ファルージャ「クスス…」ピトッ
軍師「はぅっ…」ビクンッ
参謀「……」ジロッ
ファルージャ「もたれ掛かるのに丁度よい肘掛けを探しておったのじゃ?」ニヤニヤ
軍師「はぁ…はぁ…」ハァハァ
参謀「女王陛下。師匠殿に何をされたので?」
ファルージャ「…さぁ?何をしたのやら?」ニヤニヤ
参謀「……!」
329: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/5(木) 22:54:27 ID:DhzqO8ss.s
参謀「お戯れもほどほどにしてもらえませんかね?」
軍師「還暦を過ぎた今になって…私は真の絶頂に辿り着いたのでございます」ハァハァ
参謀「なんの話ですか?いいですから、その女を引き渡しなさい?」
軍師「」ハァハァ
参謀「僕と共に覇道を行こうと誓い合ったのをお忘れか?」
軍師「はい」キッパリ
参謀「」ポカーン
軍師「どうでもよい過去は捨て申した」
参謀「……」
軍師「これからはファルージャ様のお役に立てる事のみに余生を費やす所存」
参謀「恩師である貴方には…少なからず信頼を寄せていたつもりだったんですがね?」
軍師「知りませんな」
参謀「貴方も所詮は下品な男だった訳ですか…。なら、もういいです。ここでお別れと参りましょう」
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