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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


228: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:31:16 ID:kFMVoMRQpc
兵士長1「トライド軍長!ご無事ですか!?」タタタッ

トライド「っ…な、ぜ?」ゼェゼェ

兵士長1「一騎討ちを汚した罰は後でいくらでも受けます!?」ガバッ

トライド「うっ…ぐ!」ズキンッ

兵士長1「こ、これは…脇腹を見事に貫通しておりますな…!」

トライド「……敵は…!?」ボタボタ

兵士長1「今はなんとか凌いでおります…。とにかくお身体を休め、後方の医療班の手当てを受けましょう!!」

トライド「いい…!」

兵士長1「は…!?」

トライド「もう…ごほっ!たす…からん」ゴホゴホ

兵士長1「な、何を弱気になっているのですか…!?」

トライド「…のろ、しを……」

兵士長1「喋らなくていい!安静に……」

トライド「狼煙を上げろぉ!!」

兵士長1「」ビクッ
229: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:34:39 ID:87duYR6vE.
トライド「今なら…ここに引き付けている今なら…本隊は断崖地を突破できる…!」

兵士長1「……!」

トライド「我々は…敵を一時でも長く…ここに留めるんだ…!」ゼェゼェ

兵士長1「……」

トライド「共に…死んでくれるか…?」ジッ

兵士長1「分かりました。用意します」コクッ

トライド「…すまんな…。頼り…ない、指揮官で…?」

兵士長1「…いえ、必ず良い報せを持って、そちらに参ります!」

トライド「たの…しみ、だ」フッ

兵士長1「後は我々にお任せください…」グッ

東兵6「兵士長!敵に押し込まれております!!」タタタッ

兵士長1「…歩兵を出して守備陣を分厚く固めろ!それから狼煙を上げて本隊に交戦を知らせるんだ!」

東兵6「ははっ!!」

兵士長1「ただではやられないぞ…!蛮人共め…!?」ギリッ

兵士長1「踏ん張れぇ!!東国人の意地を西の蛮人共に見せつけてやるんだぁ!!」

オォォォオオォオオオ!!!
230: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:35:37 ID:87duYR6vE.
〜〜〜夜明け前〜〜〜

東国軍長2「宰相閣下、出撃準備が整いました」

宰相「うむ、私はいつでも大丈夫だ…」

東国軍長3「ふん…背後の敵陣から早速、突撃の狼煙が上がりましたな」

宰相「すまん…」

東国軍長3「何をおっしゃる?東の国に殉じて死ねるのなら本望ですとも?」

東国軍長2「頼んだぞ…!」

東国軍長3「おう、任せ……ん…?」ピクッ

東国軍長2「どうした?」

東国軍長3「おい…向こうからも狼煙が上がってるぞ?」

宰相「なに…!?」

東国軍長2「…断崖地から我が軍の狼煙が?」

宰相「ま、まさかトライド軍長の部隊が生きていたのか!?」

東国軍長3「もしそうだとしたら、この機をむざむざ逃す手はないな…!」

東国軍長2「だ、だが罠かもしれんぞ!?」

宰相「いや、最初から罠に飛び込む気構えで臨んでいたんだ。やる事は何も変わらん」

東国軍長3「これで心置きなく逝けるというものよ…!」

東国軍長2「っ…!?」

東国軍長3「宰相閣下!御武運をお祈りしておりますぞ!」クルッ

宰相「うむ!勝利を約束する!!」

東国軍長3「…行くぞ!!我と共に死ぬ覚悟あらば全身全霊を持ってして突撃せよ!!」パシンッ

ヒヒーン!

ドドドドドドドッ

宰相「我々も行くぞ!!」

東国軍長2「はっ!何がなんでも断崖地を突破し、本土へ入るぞ!宰相閣下に続けぇっ!!」パシンッ

オオォォオォオオオオ!!!
231: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:36:46 ID:87duYR6vE.
〜〜〜昼〜〜〜

―――西の国・東側防衛拠点―――

王国兵隊長「兵は出払ってがら空きだ!門をこじ開けてやれ!!」

ガガッ ガガッ

バリーンッ ガシャッ ガラガラ ドゴォッ

バッカァァン

パカラッパカラッ パカラッパカラッ

ドドドドドドドッ

ヒィィィィイイイイイ!!!

王国兵隊長「よぅし!!住民共を殺して回れ!?」

ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ

ドスドス ドスドス

ギャアアアアアアアアアア!!!

王国兵隊長「家屋に火を放てぇ!?西国民の財産は一つ残らず焼き尽くすんだぁ!!」

バッ ボォオオオオオ

ワァーワァーギャーギャー

ダダダダダダダッ

ザシュッ ドバッ ズブッ ゴシャッ

ギャアアアアアアアアアア
232: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:40:13 ID:kFMVoMRQpc
―――西の国・北側防衛拠点―――

王国兵1「報告致します!東側防衛拠点、陥落とのこと!!」ザッ

副官「よしよしよし、うん。じゃあ報告がてら勝利の狼煙をね、上げてきちゃってちょうだいよ」

王国兵1「はっ!!」ダッ

副官「さ、て、と…こうして砦も落としたし君らの処遇を決めようか?」

西の捕虜's「」ブルブル

副官「や、まぁそんなね、怯えなくともさ?国王様から略奪や殺戮は許さないとのお達しだからね?」カッカッ

西の捕虜's「」ホッ

副官「や、でもね…。もしも君らがこちらの寛大な処置に感謝して財貨や兵糧を譲ってくれたりなんかしたら…多少の厚遇もやぶさかではないかもなぁ〜?」カッカッ

西の捕虜's「」ビクッ

副官「まぁしかし誇り高き西国民であるからには敵に大事な大事な財産を差し出すくらいなら死を選んだとしても…うん、不思議じゃない?」ピタッ

副官「例えば…我々の目を盗んでバルコニーから飛び降りてみたり…隠し持っていた武器で自害してみたり?」ニヤリ

王国兵's「」ジャキッ

ヒィィィィイイイイイ!!!

副官「賢い人は頭を床に付けなさい」

ガンッガンッ ガンッガンッ ガンッガンッ

副官「そんな勢いよく打ち付けんでも…?怪我するよ?」

西の捕虜1「お許しを…!命ばかりは…!」ズリズリ

西の捕虜2「私達は関係ないです!国に強制されて奴隷のように働かされているだけなんです!」ズリズリ

西の捕虜3「お願いします!助けて!殺さないで!」ズリズリ

西の捕虜4「なんでも差し上げますからぁ…!」ズリズリ

副官「うんうん、いいですよ。じゃあ誰か一人、内部に詳しい人を解放してあげなさい?」

西の捕虜1「わ、私が案内します!」

王国兵2「よし!妙なマネはするなよ?」スパッ

西の捕虜1「はい…!」シュルリ
233: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:41:43 ID:kFMVoMRQpc
〜〜〜夜〜〜〜

―――王都(王宮)―――

伝者4「報告!!オドアイル副官が1万の隊を二つに分け、主力の出払った東、北側両拠点を陥落せしめたとの事です!!」

政務官「なっ…本当なのか!?」

伝者3「それにより断崖地で東国、第3軍・1万と交戦していた防衛拠点の主力が踵を返していったそうです!!」

ヒメ「…宰相殿の軍は無事に断崖地を通過出来たのか?」

伝者3「はっ!トライド軍長率いる第1軍の生き残りが僅かな隙を狙って敵本陣を奪い、東国軍の断崖地突破を助けたそうです!」

政務官「よし!これで戦況は我らへと大いに傾いた…!」グッ

ヒメ「東国軍の被害は?」

伝者3「戦死したトライド軍長を含め、第1軍は全滅。
背後から迫ってきた軍と交戦していた第3軍もほぼ同様の被害に遭っておりますので全体でおよそ3万ほどかと!」

ヒメ「……」

政務官「? お喜びになられないのですか…?」

ヒメ「気に入らない…」

政務官「は?」

ヒメ「副官の動きが迅速すぎる」

政務官「それが何か…?」

ヒメ「こうなる事を見越して…というより東国軍を囮に使ったようにしか見えない戦局だ」

政務官「……」
234: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:45:05 ID:87duYR6vE.
政務官「偶然では…?」

ヒメ「偶然?じゃあおまえはそれぞれ3万の兵が配置されてる砦に5000ずつで攻撃を仕掛けたりするのか?」

政務官「……!」

ヒメ「フィクサーは東国軍が壊滅寸前まで追い込まれると読んでいて、敢えて黙ってたんだ」

政務官「…そうでしょうか?」

ヒメ「事前に宰相殿に伝えておけば同じ状況でも犠牲は押さえられた筈だ…!」

政務官「やむを得ず…という場合も?」

ヒメ「理由があっても…平気で味方を殺せる男を信用していいのか!」

政務官「……」

ヒメ「どうなんだ!」

政務官「…陛下には申し訳ないが私は納得しております」

ヒメ「!?」

政務官「必要とあらば利用出来るものは利用するべきです」

ヒメ「本気で言ってるのか!?」

政務官「むしろ…犠牲を少なくしようと考えるのは虫が良すぎます」

ヒメ「…だとしても宰相殿には知らせるべきだったんじゃないか!?」

政務官「それを分かった上で宰相殿が同様の作戦を選んだと思いますか?」

ヒメ「っ…!」

政務官「東国軍の動きが変わればフィクサー総指揮の思い描く戦略とは異なってしまう…となれば当然、地力で劣る連合軍全体の盤面が窮地に落とされます」

ヒメ「そう…だけど!」ググッ

政務官「…犠牲の数よりも一つの勝利に拘るのは軍を仕切る者として全うな判断です」

ヒメ「……!」
235: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:45:54 ID:87duYR6vE.
政務官「どうか受け入れてください。戦争とはそういうものであると?」

ヒメ「分かってるよ!分かってるけど…!」

政務官「…割り切れていないのは負い目に感じているからですか?」

ヒメ「え…?」

政務官「ご友人に秘密にしたまま戦争に踏み切った事を?」

ヒメ「あ、あいつは関係ないだろ…!」

政務官「彼には何も知らせず辺境地で今までと変わらない生活を送らせていますが…現状を知ったらなんと言われるかとお考えか…?」

ヒメ「……」

政務官「私個人と致しましてはすぐにでも王都へ避難させるのがよろしいかと」

ヒメ「…あいつはやっと普通の幸せに落ち着いたんだ。それを壊してやりたくない」

政務官「ならばなおのことフィクサー総指揮の判断は最良であったと言えましょう」

ヒメ「……」

政務官「何事も起きない内に終わらせるには素早い判断と巧妙な策を要します。そして同時に多大な犠牲も伴うでしょうな…」

ヒメ「……」

政務官「全てを理解した上で決定を下された筈…今になって躊躇されましても、もう遅いのですよ。陛下?」

ヒメ「…外の空気を吸ってくる」スクッ

政務官「はっ…」

スタスタ スタスタ………

政務官「……」
236: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/4(日) 22:54:10 ID:kFMVoMRQpc
オーキド博士のポケモン講座という番組(スレ)で、とても素敵なCMを書いてもらえました!
素敵な紹介、本当にありがとうございました!
あんな簡潔に綺麗にまとめられる文才が欲しくてたまりません…!

スポンサー延長していただけるということで、ただただ舞い上がっております!
全然構わないので遠慮なく、むしろお願い致しますw
ここを見ておられるか分かりませんが、あまりコテ付きでお邪魔するのは出しゃばっているようで忍びないので、こちらでお礼させていただきます!

もちろんラジオもいつも楽しく聴かせていただいてます!
これからも毒舌博士と健気なクルミさんの愉快な掛け合いを楽しみにしておりますw
乱文、失礼しました!
237: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:42:23 ID:7fMdibXDzA
―――西の国・南西部(平野の丘)―――

ウォオオオオリャアアアアアア!!!

ドドドドドドドッ

ガガッ ガガンッ ガギンッ ズガァァァッ

ローレン「……」

騎士長「中央の被害が甚大だ!!左右の部隊を寄せて敵軍の勢いを食い止めろ!?」

南兵1「ははぁっ!!」ダッ

騎士長「くそっ…!やはり危うい戦況となりましたな!」

ローレン「真っ向からぶつかれば数の差がモロに出る。特に分厚く固まる中央はなおさらだ」

騎士長「だが中央を突破されれば隊型の瓦解を意味する…!
最も削られる場所だと分かっていても兵の補充は欠かせませんぞ!」

ローレン「そう慌てるな。被害は大きいが士気は保たれている」

騎士長「しかし士気のみで戦力差を埋めきれるものではありませんぞ…!」

ローレン「分かっている。だからこそ、ここは慎重に行くべきだ」

騎士長「……!」

ローレン「数で劣る我々は1兵でも多く敵を削らなければならない。
だが現実的に考えれば体力勝負を仕掛けて先に崩れ落ちるのはこちらだ」

騎士長「敵兵力は推定で22万…15万の我が軍で、まともに戦い続ければ勝ち目はない…!」

ローレン「しかし戦力とは必ずしも数で測れるものではない。重要なのは質量だ…」

騎士長「おっしゃる通りですが…その質でさえも敵は我が軍を大きく上回ります」

ローレン「そこを覆し、戦力差を埋める為に俺達が狙うのは指揮官の首だ…」

騎士長「……!」
238: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:46:12 ID:7fMdibXDzA
ローレン「調査結果を速やかに報告しろ」

騎士長「はっ!現在、確認出来ている敵将は右軍6万ジルレイ陸曹、左軍6万バグダッド中将、そして中央軍8万を率いる元帥エレファンの3名です!」

ローレン「……」

騎士長「対して我が軍の布陣は右軍4万、左軍4万、中央6万と明らかに劣っております…!」ググッ

ローレン「…各将、個々の特性を分かりやすく説明しろ」

騎士長「事前調査では…ジルレイは攻撃主体の戦術を好む猛将であると」

ローレン「なるほど…敵右軍と交戦中の左軍の動きが活発化しているのは戦意に当てられて血が昇っているからか」

騎士長「はっ…そして左軍を務めるバグダッドは守備重視の戦法を取る極めて慎重な男です」

ローレン「たしかに…こちらの右軍に目立った動きはないな。攻めあぐねているようだ」

騎士長「エレファンはカカドゥーラの配下では最古参の将校で、かつての"終わらない争い"にも出陣していた戦歴があると…」

ローレン「ハッタリはいらん。特性は?」

騎士長「分かりません…」

ローレン「は…?」

騎士長「地形戦術の猛者であるとも攻撃特化の猛将であるとも囁かれてますが…ここ30年ほど戦場には立っていないとの噂で?」

ローレン「…そんな隠し球が満を持しての登場か。敵も必死だな」

騎士長「残りの軍師は他の戦場に配置されているものと思われますが…」

ローレン「聞き及んでいる限りでは東国軍が北東防衛線を突破したそうだな」

騎士長「はっ…」

ローレン「ならばここで我々が東国軍に続き、3つの頭脳を削れれば敵戦力は大いに揺らぐというもの」

騎士長「か、可能なのですか…!?」

ローレン「勝算を導き出すのが軍師の役目…俺も、そのはしくれだ」

騎士長「しょ…承知しました!」
239: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:48:31 ID:7fMdibXDzA
ローレン「初戦、狙い目となる首は……あそこだな」ビッ

騎士長「っ…」ゴクリ

ローレン「派手な被害が出ない内に左軍4万を退却させ、半数は中央の援護に回せ。残り2万を本陣まで下がらせるんだ」

騎士長「はっ!?し、しかし、それではここまでの道中、がら空きになってしまいますぞ!?」

ローレン「それでいい。この本陣に誘い込むんだからな…」

騎士長「で、ですが左軍が後退したのを見計らって中央軍の左端を攻め込まれる可能性も…」

ローレン「それは万一にもない」

騎士長「なぜ!?」

ローレン「扱う戦術によって軍師の性格が読み取れる…。
右軍のジルレイが噂通りの男なら真っ先にここへ来るはずだ」

騎士長「……?」

ローレン「安心しろ。俺に任せておけ?」

騎士長「わ、分かりました…!」ザッ
240: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:50:52 ID:7fMdibXDzA
―――南西部(西軍中央)―――

バラバラ バラバラ

西兵1「報告!!敵左軍が後退しております!!」

元帥(エレファン)「……」

西兵2「中央に合流させているようですが…」

西兵3「被害が拡大している中央の守備を強化する気か?」

西兵4「バカめ!それで左を疎かにしては意味があるまい!?」

西兵5「元帥!!ここはジルレイ陸曹に伝達し、敵中央軍を横側から攻め破っていただきましょう!」

エレファン「…んぅ。無理じゃにゃ」

西兵's「え!?」

エレファン「見ぃ?回り込んで本陣に向かっちょる?」ビッ

西兵6「なぁぁ!?」

西兵7「ちゅ、中央軍を落とせば勝利は確実なのに…!?」

エレファン「ありゃ落ち着きっちゅうか詫び錆びがないんじゃよ。にゃぁんでも急いで…自分の手柄にしたがる?」

西兵8「くそっ!共闘する気はないのか!」

エレファン「ま、えーがの。ここは王都侵略の足掛かり、言うたら前哨戦じゃ?
気張ったとて南国王の細い首一つじゃ大した成果にもにゃらん?」

エレファン「さっさと本陣を落として次に進めるにゃら…それでもよかろ」

西兵8「さ、さすが余裕に満ち溢れてますな?」

エレファン「おーい…誰ぞあつーい茶ぁをくれ」

西兵9「は、ははっ!ただいま!」タタタッ

エレファン「(はてさて…将軍閣下の出番は来るかの…?)」ニヤリ
241: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:52:35 ID:7fMdibXDzA
〜〜〜夜〜〜〜

―――南西部(平野の丘)―――

ガガガッ ガガガッ

南兵1「来ました…!」ジッ

騎士長「やはり一直線に本陣を目指してきたな…!ローレン陛下の読み通りだ!」

騎士長「弓隊、射撃開始!!」

ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュン

ドスッドスッ ドスッドスッ

ワァァアアアアアアアア!!!

ガガガガガガッ

南兵1「ジルレイの騎馬隊が守備隊を蹴散らして坂道を上がってきます!?」

騎士長「予定通りだな…?」ニヤリ

騎士長「中腹まで上がってきたところで合図を出せ!?」

南兵1「ははぁっ!!」
242: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:54:44 ID:2uHj0k8hi.
ガガガガガガッ

陸曹(ジルレイ)「!? 全隊、止まれ!?」

ピタッ ピタッ ピタッ ピタッ

ジルレイ「………」

ヒュールルルル

ジルレイ「誰も…いない?丘の本陣を捨てたのか…!?」

西兵10「我々の位置とは逆方向から丘を下って退却したようですな」

ジルレイ「下の守備も妙に手薄だとは思ったが…小賢しい!南国王は逃げ腰の腑抜け野郎か!?」

西兵10「追いますか?」

ジルレイ「森林地帯に入られたんじゃやりにくいが…それしかないな!2万の兵を置いてくから、この丘を占拠しとけ!」

西兵10「はっ!」

ジルレイ「行くぞぉ!!俺様の隊でドカンと手柄を頂くんだぁ!?」パシンッ

ガガガガガガッ
243: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:56:43 ID:7fMdibXDzA
〜〜〜朝〜〜〜

―――南西部(山中)―――

パカラッパカラッ パカラッパカラッ

騎士長「ローレン陛下…!ただいま到着しました…!」パカラッパカラッ

ローレン「うむ。追手は?」

騎士長「来ておりません!山中で完全に我々を見失っています…!」

ローレン「そうか…」

騎士長「それにしてもまさか…こんな作戦は前代未聞だ」

ローレン「ほう…それはいい。前例が無いのなら敵も予測しにくいだろう」

騎士長「普通なら総指揮が本陣を捨てて敵将を討ちに行くなど誰も考えますまい?」

ローレン「…最初の首はアレだ?」ビッ

騎士長「敵左軍中将バグダッドですな…!しかしここから届きますか!?」

ローレン「…出来れば、もっと奥まで踏み込みたかったが山中を抜ければ遮蔽物のない荒原地帯だ。これ以上の接近は無理だろうな」

騎士長「では…?」

ローレン「強行突破だ」

騎士長「」ゴクリ

ローレン「心配するな。こちらの右軍に気を取られてバグダッドの本陣は兵が少ない」

騎士長「い、行きますか!」

ローレン「あぁ、突撃だ」パシンッ

騎士長「はっ…!全軍、続けぇ!!」パシンッ

ドドドドドッ
244: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 21:58:36 ID:7fMdibXDzA
―――西国左軍(野営地)―――

ドドドドドドドッ

ゴシャアッ バキィンッ ガッ ガガッ

ザシュッ ズバッ ドシュッ

ワァーワァーギャーギャー

ローレン「ふんっ…!」ブンッ シュバッ

西兵11「ぐぎゃっ!」ズバッ

西兵12「ぎえっ!?」バシュッ

バタバタッ

ザッザッ ザッザッ

ゾロゾロ ゾロゾロ

騎士長「お、奥まで入れましたが…予測より遥かに早く敵兵が集まってきましたな!」ギンッ

ローレン「対応が速いのは認めてやるが、ほとんどが歩兵だ!騎馬の突進で蹴散らしながら進むぞ!」

騎士長「ははっ!!」パシンッ

ガガガガガガッ

ゴシャアッ ボキュッ ゴリィッ メキィッ
245: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 22:01:45 ID:7fMdibXDzA
西兵13「バグダッド中将!!敵がこちらまで迫っております!一度、下がりますか?」

中将(バグダッド)「あれはどこの部隊だ…?」トントン

西兵13「分かりません!突然、向こうの山岳方面から出現し、襲撃されました!?」

バグダッド「規模は?」

西兵13「2万5000…いや、3万ほどかと!」

バグダッド「…右軍の侵攻経路を塞いでる守備陣に召集をかけろ。奇策頼りの素人集団を磨り潰すとな?」

西兵15「ははっ!知らせて参ります!」ダッ
246: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 22:03:12 ID:2uHj0k8hi.
バシュッ ドバッ ザンッ プシャアアアアアアアアア

ワラワラ ワラワラ

南兵1「ちくしょっ…倒しても倒してもワラワラ群がってきやがって…!」ギャリンッ

ローレン「踏ん張れ!敵陣まで後僅かな距離だ!?」ブンッ ガシュッ

南兵2「ローレン陛下!守備陣から敵の騎馬隊が押し寄せてきました!囲まれています!」

騎士長「まずいな…!敵の増援に割って入られ、隊を分断された…!
乱戦の中、兵力を割かれるのは非常に厳しい…!?」

ローレン「……!構うな!このまま突っ切るぞ!」ザウッ

騎士長「ははぁっ!!者共!!ローレン陛下に続けぇ!!」

バシュッ ズドッ

ドドドドドドドッ

ローレン「(バグダッドめ…!大国の守備を担う軍師だけあって隙はない、か…)」パカラッパカラッ

騎士長「邪魔だぁあああ!!」シュバッ

西兵14「ぐぼぉぉ!?」ドシュッ

ローレン「(だが…一度、後手に回った代償は高く付くぞ…!一気に間合いを詰め、その首をもらう!!)」

ズガガガガガガガッ
247: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/11(日) 22:04:39 ID:2uHj0k8hi.
ワァーワァーギャーギャー

ガガガッ ドゴォォオッ!

西兵15「て、敵の勢いが一向に収まりません!?」

西兵16「中将!!やはりここは一度、陣を下げて距離を取りましょう!?」

バグダッド「…主戦場の方はどうなってる?」トントン

西兵17「兵をこちらに寄せた分、苦戦していますが戦況は依然として変わりなく!敵の攻撃を防いでおります!」

バグダッド「(……連携してる訳じゃなさそうだな。いや、奇襲を悟らせぬ為に敢えて伏せていたのか)」ピタッ

西兵18「も、もうそこまで迫ってます!!」

バグダッド「重装歩兵隊、10列に並び、防御体勢に入れ。弓隊は広く構えて敵襲に備えろ」

西兵19「ははぁっ!!」

ザザザッ バラバラ

西兵18「中将…!どうか安全な場所までお下がりください!?」

バグダッド「…運任せの特攻で戦局を塗り替えられるほど俺の守備は容易くない」

西兵18「で、ですが万が一という事も…!」

バグダッド「来れるものなら来てみろ?俺に奇策は効かん?」

西兵18「……!」
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名前:
sage:


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