1スレ
少年「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/l10
2スレ
カロル「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1385288769/l10
―――あらすじ―――
それは遠い昔のお話
人と人は長い長い争いに身を投じ、互いを許せないまま30年もの月日を互いの血を流すことに費やしました
しかし長い争いはいつまでもいつまでも終わる気配もなく
人を傷付け、愛を蝕み、心は枯れて、命は絶えて、いつしか疲れ果てて……やがては目的さえ見失ってしまいました
そんな終わらない争いの果てに一つのきっかけが巡るのです
それは人と人との争いに無関心だったホビット族に原因があると唱える迷信でした
その迷信はあまりにも唐突で、あまりにも不自然な内容でしたが痩せ細って震える人々、争いに疲れきった国々はホビットに全てを擦り付けて争いを終わらせようと決めたのです
戦争が鎮まった後、各国に迷信を掲げた王国は大規模な宗教団体を立ち上げました
その団体は教団と呼ばれ、戦争を納めた功労者であるノワール・バントン司祭を筆頭に教徒達による布教活動が開始されました
布教の内容はホビット族が人間から゙癒しの力゙と呼ばれる特別な能力を奪ったというもので……
これを軸に様々な悪評を並べ立てて人々の心にホビット族への憎しみを焼き付けます
ありもしない神の作り話にいざなわれ、人々は信者へと洗脳されていきました
それから約40年の間、教団による布教活動は続き、思惑通り人々は順調にホビット族を差別していました
人間はことごとくホビット族の住み処を侵略し、奴隷にしてみたり、愛玩用に飼い慣らしてみたり、時には残酷な拷問を加えて見世物にしたり、罪深き種族と罵って横暴の限りを尽くします
582: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/17(火) 23:51:37 ID:JWS0.T.mIE
―――聖堂(中庭)―――
イフィート「んにゃろうめっ!?」ブンッ
団長「そんな大振りが…当たるかっ!?」サッ シュバッ
ビュンッ
団長「っ…!」バッ
シヴァ「……」ジャッ
団長「(やりにくい連携だな…。片方に攻撃を仕掛ければもう片方に死角から狙われる…!)」
イフィート「らぁっ!?」ブンッ
団長「(だが…その程度の小細工に翻弄される程、この腕は安くないぞ…!)」ビュバッ
ガインッ!!
イフィート「おったったっ!?」スカッ トットッ
シヴァ「っ……」サッ
谷のホビット1「ぎえっ!?」ゴカッ
バタッ
イフィート「お、俺のこん棒を弾きやがっただと…!?」ビリビリッ
団長「はぁぁぁ!!」ダダダッ ブォンッ
シヴァ「なんっ…!?」ハッ
ザシュッ!!
シヴァ「くっ…!」ポタポタ
団長「ぬっ…うぅ……」ブシュッ
583: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/17(火) 23:52:45 ID:t4n1WC4cYA
カロル「団長さん、だいじょうぶ…!?」ハラハラ
団長「あ、あぁ…傷口が開いたようだが…も、んだいない…!」ニヤリ
カロル「い、癒してあげるね…!痛いかもしれないけど…肩の矢も抜いていい?」オロオロ
団長「いや、自分で抜こう…。君は不器用だから心配だ」グッ
カロル「」ガーン
団長「っ……ぬぅぅ…くっ!」ググッ ギュポッ ブシャアアアアア
カロル「はい…」ピトッ
フワッ
団長「おぉ…!久々だが…やはり効くな!?」ピンピン
カロル「……」シュン
団長「む?」
カロル「あ、ううん!どういたしまして!」ニコッ
団長「ハッハッハ!いや助かったぞ!」
カロル「(…ヤだなぁ、ボク)」ハァッ
カロル「(あんなに血が出てたのに…もうなんとも思わなくなってる。慣れちゃったのかな…)」ズーン
584: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/17(火) 23:54:32 ID:t4n1WC4cYA
イフィート「し、シヴァ!?大丈夫かよ、おい!?」オロオロ
シヴァ「く…く、く、くぁっ…!うぅっ…!」ボタボタ
カロル「あっ…」
イフィート「て、てめぇら…よくもやりやがったな…!?」ワナワナ
シヴァ「案ず…るな…!儂はまだ…戦える……」ヨロッ
イフィート「ば、バカ言ってんじゃねぇよ!?んな深い傷…くたばってもおかしかねぇぞ!?」
シヴァ「…この身尽きぬ限り…終わらぬ……。うぶぉっ…!ぶふっ」ボチャボチャ
カロル「……」スタスタ
団長「…小童」
カロル「」ビクッ
団長「ふん…そう強張るな?止めはせん?」ニヤッ
カロル「……」
団長「そいつは何度でも続けるだろうが…任せておけ?
争いなど懲り懲りだと言うまでワシが何度でも切り伏せてやる?」
カロル「あはは…痛いのはダメだよ…?」ヒクヒク
団長「ふふっ…信じた甲斐があった。まさかこんな場に現れるとは思わなかったがな」
カロル「へ?」
団長「ヒメ様の友人である君を悲しませまいと…ワシも色々と考えていたのだ?」
カロル「そうなの…?」
団長「この場に倒れているホビットは皆、死んではおらん?
刃を当てんよう最大限に注意を払っておいたからな?」
カロル「……!」ビックリ
団長「気絶にとどめておいたが…骨折くらいはしておるかもな。全てが終わったら、ついでに癒してやれ?」
カロル「…うん、ありがとう!そうするね?」ニコッ
585: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/17(火) 23:57:57 ID:JWS0.T.mIE
カロル「シヴァさん」スッ
シヴァ「しょ…ねん…」ゼェゼェ
イフィート「こ、この裏切りモンが…なんだ、その手は!?」
カロル「指切りしよ?」ニコッ
シヴァ「……?」ボタボタ
イフィート「…なにノンキこいてんだ?このクソガキがぁっ!?」ブンッ
パシッ!!
イフィート「うっ…!て、てめぇ…!」ググッ
団長「邪魔立ては許さん…!」ググッ
カロル「知ってる?小指と小指をね……」
シヴァ「なにが…したい…?」ゼェゼェ
カロル「…約束してほしいの。もう復讐なんてしないって?」
ビュンッ
カロル「わっ…!?」サッ
シヴァ「…フゥーッ!フゥーッ!」ビキビキィッ
カロル「……」ジッ
シヴァ「軽々しく口に…するな…!うっぶふっ」ボチャボチャ
カロル「……!?」
シヴァ「」バタッ
カロル「…いいよ。何回だって説得するから」ピトッ
フワッ
586: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/18(水) 00:01:02 ID:JWS0.T.mIE
シヴァ「…………なっ!?」ガバッ
カロル「ねぇ、シヴァさん」
シヴァ「こ、れが…いや…し?」マジマジ
カロル「ボクの力がそんなに欲しい?」
シヴァ「っ……!当然だ!」
カロル「ホント?」
シヴァ「感じて分かった…!その力は渇れた砂漠に雨を降らせ、荒れ果てた野に草木を育み、闇夜に陽光をもたらす……不可能を取り払う至上の力だ!!」
カロル「えと…よく分かんないけどちがうと思うよ?」アセッ
シヴァ「違うものか!?その力を寄越せ!?儂に戦う力を……」ガシッ
カロル「…ボクはこんな力、ホントはいらないんだ?」
シヴァ「は……!?」
カロル「あげれるならあげちゃいたいかも?ふふふ?」クスッ
シヴァ「……!!」イラァッ
ガシッ グイッ
カロル「えっ…?」グンッ
シヴァ「…儂は真剣だぞ!?」ギロッ
カロル「……く、苦しいよ。はなして?」ケホッ
587: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/18(水) 00:04:51 ID:t4n1WC4cYA
シヴァ「こんな儂でもな…掟に縛られず娘を一心に愛した時期があった…!」ググッ
カロル「……」
シヴァ「あの子を初めて抱えた時に…自然と頬が緩んだ。小さな両手で力強く儂の指を握る姿に…涙を流した…!」プルプル
シヴァ「非情な差別と理不尽な抑圧が当たり前にある世界で……儂はこの子に何をしてやれるだろうか?
そう考えただけで…止めどない感情が湧いては溢れた…!」
カロル「…うん」
シヴァ「娘はプレーンナッツが大の好物でな…。狩りに出れば欠かさず採って帰ったものだ」
シヴァ「そんな事でしか満足させてやれないが…屈託のない笑顔を向けてもらえる。それだけが儂の生き甲斐だった」
シヴァ「……いつしか物心付いた頃には儂の言うことなど聞かなくなってしまったが…それでも娘は娘だ。
たった一人の……何にも代えられぬ……」ボソッ
カロル「すてきだね?」
シヴァ「…許せぬ。人間を…娘を奪った人間を…!?」ギリッ
カロル「…思い出ならボクにもあるよ?」
シヴァ「……?」
カロル「お母さまとの思い出、マルクとの思い出、宣教師さまとの思い出……」
シヴァ「…なにが言いたい?」
カロル「思い出すと恥ずかしいことも…笑っちゃうこともたくさんあるんだ?」ニコッ
シヴァ「知ったことか…」フンッ
カロル「でもね、悲しいことも…忘れたいこともたくさんあるの」
シヴァ「それがなんだ…?普通の事だろう…?」
カロル「うん。普通だよね…?」ニコニコ
588: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/18(水) 00:09:41 ID:JWS0.T.mIE
カロル「…」チラッ
シヴァ「?」スッ
ワァーワァーギャーギャー
ガガッ ビシッ バシッ グサッ
カロル「これも…ここにいるみんなの思い出になるんだね?」
シヴァ「……」
カロル「争ったりしなかったら、もっと楽しい思い出を作れたのに…」
シヴァ「勝てば、この上なく誇らしい記憶となる…」
ドカスカギャーギャー
谷のホビット25「いてぇっ!!?う、腕が…腕が折れ…たぁぁ…!!」ドタバタ
谷のホビット26「うわあああ!!あああぁぁ!!!来るな!来るなぁぁ!!?」ブンッブンッ
憲兵12「おらっ!おらっ!死ね!おらぁっ!!」ガンッガンッ
谷のホビット27「ぐばっ!ぶっ!あ、あぐぅぅ…た、たのむ…!もう…ゆるしっ…ぶへっ!?」ボスッボスッ
谷のホビット's「やめろぉっ!!」バッ
憲兵14「今だ!!両脇から大網を広げて畳め!!」
憲兵15「っさぁ!!」バッ
憲兵16「来い来い、ほら!?」バッ
谷のホビット's「うわぁぁっ!!!?」バウンッ
バサッ ジタバタ ワァーワァー!!
憲兵14「よーし!網の四方に杭を打って閉じ込めろ!!」
カンッカンッ カンッカンッ
ジタバタ ワァーワァー!!
憲兵14「これでこいつらは身動き取れないぞ!?このまま網の上から踏んづけてくたばるまでぶん殴れ!!」ズシッ
ズシッズシッ ガスッ ボカッ バキッ
ギャアアアアアアアアア!!!
589: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/18(水) 00:14:43 ID:JWS0.T.mIE
カロル「っ…!」ギュッ
カロル「(ダメダメ…今はシヴァさんを説得しなくちゃ)」ズキンッ
カロル「シヴァさんたちも誰かにあんなことしてたんだもんね?あれっていい思い出になるの?」
シヴァ「…勝てばいい。確実に勝てるのだ。今は外壁に行く手を阻まれ、邸内に同胞を入れられず苦戦しているが…だとしても数の差は圧倒的だ」
カロル「外に仲間がいても…ここで戦ってる仲間はどうするの?あのままにしたら……」
シヴァ「しかたないだろう。そういうものだ。誰しも覚悟していた筈だ。今を耐えしのげばどうにでもなる」
カロル「なにがどうにでもなるの?」キッ
シヴァ「は…?」
カロル「もうっ!はなしてよっ!!」バッ
シヴァ「っ…な、なんだ?急に?」タジッ
カロル「シヴァさんはこんなことがしたかったの!?」
シヴァ「……?」
カロル「あんなにぶたれて、ツラくて泣いて謝ってるホビットもいるじゃない!?
あのホビットたちはもう戦いたいなんて思ってないよ!?」カッ
シヴァ「ふむ…」
カロル「傷の痛みはボクが癒してあげられるけど心の傷は癒せないんだよ!?」
シヴァ「……」
カロル「みんながしてきた覚悟なんて、こんなのじゃなかったはずだよ!」
シヴァ「なんだと…?」ピクッ
カロル「みんな自分が傷付くなんて思ってない!
人間を倒して自分たちが幸せになれるって…それしか考えてないよ!」
カロル「だからツラくなるんでしょう!?
ツラい想いをするのも…相手を傷付ける痛みも想像してなかったから…!」
シヴァ「……!」
カロル「人間を滅ぼすって言ってたよね…。あと何回、戦わなくちゃいけないの…?
こんなことがずっと続いてもホントに戦い続けていられるの…!?」
シヴァ「続けられる…!すべての戦いが終われば希望が…」
カロル「こんな戦いに勝ったってホントに笑える日なんか絶対に来ないよ!!」
590: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/18(水) 00:17:39 ID:JWS0.T.mIE
シヴァ「っ……儂は娘の為に…」
バタッ
シヴァ「!?」クルッ
イフィート「ぐ…へっ…ちくしょ……」ピクピク
団長「ふん…」パッパッ
シヴァ「イフィート…!」
団長「悪いがこちらも必死だ?情けや容赦はかけられんぞ?」ジロッ
シヴァ「おのれぇ…!!」ワナワナ
カロル「…」ピトッ
フワッ
イフィート「っ……お!?お!?おぉぉ!?」ガバッ
シヴァ「なっ…」
カロル「娘さんも…シヴァさんの気持ちはすごく嬉しいと思うよ」ジッ
シヴァ「お前は…いったいなにがしたい…!?」
カロル「でも争いに傷付くお父さんなんて見たくないはずだよ…」
シヴァ「……!?」ズキンッ
カロル「ちょっぴり頑固だけど頼もしくて…一緒に暮らしてたみんなを大事にしてた。娘さんはそんなシヴァさんが大好きだったんじゃないかな…」
シヴァ「……フゥーッ」グッ
イフィート「へへっ…なんか知らねぇがガキも味方に付いたみたいだな?癒しの力でやり放題だぜ!」スクッ
シヴァ「フゥーッ…!フゥーッ…!」プルプル
カロル「シヴァさん…!」
シヴァ「ダァァマレェェエエ!!!」ブンッ
カロル「っ……!」バキッ
ズサッ ゴロゴロ
団長「小童!?」ギョッ
カロル「はっ…はぁ…ど……して」ヨロッ
591: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/18(水) 00:20:49 ID:JWS0.T.mIE
シヴァ「アァァアグゥイイイアアアア!!!」ワシャワシャ
イフィート「お、おう!どうした、おい!?」
弓使い's「」ビクビク
シヴァ「考えさせるな!!悩ませるなぁぁ!!?」ジダンダ
シヴァ「儂がっ!間違っている!!そんな事は初めから分かっていた!!」ブルンブルン
シヴァ「忘れたいと言った筈だ!!この悲しみを!!悔しさを!!すべて忘れ去りたいだけだぁ!!!」ガリガリガリガリ
団長「(氷のように冷たい雰囲気を醸していた奴が…豹変した!?)」
シヴァ「ふんなぁっ!!」ビュンッ
団長「む…!?」サッ
シヴァ「ハァァあああぁ!!」ビュンッ
団長「(つ、突きが鋭くっ…!?)」ガキンッ ズリリリ
イフィート「っしゃあ!!もらったぁああ!!」ブンッ
団長「し、しまっ…!?」ハッ
ボコンッ!!
団長「がふっ…」ドタッ
カロル「だんっ…ちょうさん…!」ムクッ
シヴァ「何をボーッとしている…!?」ギロッ
弓使い's「」ビクッ
シヴァ「射て!!敵目掛けて矢を放たぬか!?」
弓を使うホビット1「で、でも仲間が……」オロオロ
シヴァ「……!」ビキビキィッ
弓を使うホビット1「あ、やっ…やっややや……す、すいません!射ちます!射ちます!?」アタフタ
イフィート「お、おい!!なに言ってんだ!?」アセアセ
シヴァ「勝つのだ…!勝てばいい!!」
イフィート「仲間だぞ!?巻き添えにすんのかよ!?」アセアセ
592: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/18(水) 00:26:38 ID:t4n1WC4cYA
シヴァ「さぁ射てぇぇい!!?」
イフィート「」オロオロ
団長「っ…?」ゴロッ
弓使い's「」グググッ
カロル「やめっ……」タタタッ
「やめなさい!!」
弓使い's「」ビクッ
カロル「え…?」ピタッ
「この場に立つ全ての者に告げます!!武器を捨て、争いを中止しなさい!!」
ザワザワ ザワザワ
憲兵's「」オロオロ
谷のホビット's「」ザワザワ
イフィート「な、なんだぁ…!?」
シヴァ「……」ギロォッ
カロル「こ、この声って…!」ドキドキ
カロル「!」バッ
宣教師「ここは人とホビットの融和を叶えるサダメの地、聖堂です!
希望をもたらすべき場において一切の争いを赦しません!!」ザッ
カロル「あっ…あ……」ドキドキ
カロル「っ…」ウルッ
カロル「……!」タタタッ
593: 名無しさん@読者の声:2015/3/22(日) 10:31:42 ID:xO6A91O4tk
キャラの絵描いてもいいですか?
594: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/22(日) 12:18:32 ID:GsOJlfxRj6
>>593
本当ですか!?描いてくださるんですか!?
ものすごく嬉しいです!
是非是非お願い致します!m(__)m
595: 名無しさん@読者の声:2015/3/22(日) 20:37:51 ID:j3oMAjvoZo
描いたんですが通信速度規制やらフィルタリングやらの関係で上手く貼れないんです….
申し訳ない…
うpできる場所が見つかり次第どうにかします…
596: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/22(日) 21:50:22 ID:HR7UqS6rQg
イフィート「おいおいおい?なんだぁ、なんだなんだなんだぁ!?教団のボスか、ありゃ!?」
シヴァ「知ったことかぁ!!邪魔する者は皆殺しだ!?あの女から射ってしまえぇ!!」
弓使いのホビット1「わ、分かりました!」グググッ
名もなき村のホビット1「よせっ!!」ガシッ
弓使いのホビット1「わっ」ヒュンッ
憲兵22「あんっぐ!?」ズドッ バタッ
弓使いのホビット1「あ、危ないな!!なにすんだよ!?」オロオロ
名もなき村のホビット2「し、司祭様は僕達の恩人だ!?」ザッ
名もなき村のホビット3「司祭様に手を出すな!!」
シヴァ「なにをしてるぅ!!?さっさと殺れぇ!!!」
イフィート「あ、あいつら…外にいた筈じゃ……げっ!?」
ドドドドドドドッ
イフィート「お、おう!?てめぇら何やってんだ!?んな雪崩れ込んだら狭くて戦えねぇだろうが!?」モミクチャ
シヴァ「いや…これでいい」ニヤリ
イフィート「な、なんでだよ!これじゃロクに動けねぇぞ!?」モミクチャ
シヴァ「敵の主力は倒したが邸内全体の戦況は少々押されている…。数で押し切り、決着を付けるなら今だ!!」
イフィート「おお!!なるほどな!?」
名もなき村のホビット4「残念ですけどそうはなりませんよ!」ザッ
シヴァ「なにっ!?」ギロッ
名もなき村のホビット4「僕達は屋上にいた司祭様を見て中に来たんです!!」
名もなき村のホビット5「司祭様を守る為にね!?」
シヴァ「なんだ…とぉぉっ!!」ブチィッ
597: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/22(日) 21:56:39 ID:QPpqian0i6
弓使い's「うわっちょっなにす…や、やめっ!?」ギャーギャー
名もなき村のホビット's「武器を奪ってやる!!」ガシッグイッ
イフィート「お、おめぇらなぁ!!このバカ野郎のスットコドッコイのトンチキチンのハナタレ、クソカス、ブリブリちゃんこがっ!?」プンスカ
名もなき村のホビット's「」ジーッ
イフィート「うっ…な、なんだ、その目!?や、やんのかぁ!?」タジッ
名もなき村のホビット1「ここにいるのは僕達だけじゃない。
あんたらが襲って無理やり戦わせたホビット全員が集まってる!」ザッ
イフィート「お、おぉコラァ!?じゃなにか!?おめぇら全員ハナッから裏切る気で……」
名もなき村のホビット1「そうじゃないさ。戦う気持ちはちゃんとあった」
イフィート「だったらなんでこーなんだよ!?おかしいだろうがよ!?バカなのかよ!?」イライラ
憲兵's「う、うわああ!!また大量に来たぞ!?」ヒエー
ドタバタ ギャーギャー
イフィート「お!へへへ!なんだよ、脅かしやがって!?きっちり戦ってる奴らもい……」
名もなき村のホビット1「勘違いしないでくれるか?あんた達の為じゃないよ?」
イフィート「ちっ…ごちゃごちゃ……うるせぇっ!!」ブンッ
名もなき村のホビット1「あぐっ」バコォッ
名もなき村のホビット2「大丈夫!?」ガシッ
イフィート「てめぇら、それでもホビットか!甘ったれんじゃねぇぞ!?」コキッコキッ
名もなき村のホビット1「そうやって…恐怖で縛り付けて僕達を利用するのがホビット族の為か?」
イフィート「なにぃ…?」
名もなき村のホビット1「はっきりと言えるよ!!あんた達は僕達を差別してきた人間と何一つ変わらない!!」
イフィート「っだとぉ…!?」ギリッ
名もなき村のホビット2「そうだよ!僕達はあのままでよかった!」
名もなき村のホビット3「司祭様や教団の人達が親身になって人間との接し方を教えてくれた…!
僕達はもう…普通に生きていいんだって…そう思えたのに……」
名もなき村のホビット4「恨み辛みなんかたくさんだっ!僕達の生き方を…お前たちの感情で左右するなっ!!」
イフィート「うっ……」タジッ
598: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/22(日) 21:58:35 ID:QPpqian0i6
〜〜〜回想(イフィート)〜〜〜
イフィート「あいつらを逃がしただとぉ!?どういうこった!?」ガッ
谷のホビット17「ぐっ…!お、お前らが戦うとか言い出すからだろ?」ググッ
イフィート「あんだとぉ!?」ユサユサ
谷のホビット20「乱暴はよさぬか、イフィートよ!シヴァ!お前もじゃ?黙っとらんで止めぬか?」
シヴァ「……」
谷のホビット20「お前達の悲しみはよく分かる。悔しいじゃろうよ?」
イフィート「だったらなんで逃がしたぁ!?」
谷のホビット20「あんな力に頼るべきではない。そう教えた筈じゃ」
イフィート「まぁたアピシナ様か!?昔話は聞き飽きたぜ!?」
谷のホビット20「冷静になれぃ!それでなくともお前達のやり方は強引すぎる!」
シヴァ「…先代よ。儂は教訓を忘れてはいない。族長として集落に住まう皆を想い、辿り着いた答えこそが人間の駆逐だ」
谷のホビット20「抜かせ!衝動に駈られての行動は明白!
皆それぞれの暮らしがあるのじゃ!争いに加えようなど言語道断!長という立場を利用するのは許さんぞ!?」
イフィート「くっ…!?」
シヴァ「……なにが暮らしだ」
谷のホビット20「はぁ!?なんじゃ?なにか言いたい事でもあるのか?」
谷のホビット18「俺達だってなぁ!妻や子供がいるんだよ!」
谷のホビット19「ここでの暮らしを豊かにする為に環境作りして農作だって増やしてきたんだ!積み上げた努力を無駄にする気か!?」
シヴァ「……分かった。明日の晩、集会所で改めて話そう」
谷のホビット20「…いいじゃろう。お前達の気が済むまで話し合ってやる」
599: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/22(日) 22:01:57 ID:QPpqian0i6
ワラワラ ワラワラ
谷のホビット20「ウンウン!よく集まってくれたのう?」
谷のホビット19「反対派をめいっぱい募ってやりましたよ!こんだけの人数がいれば十分、族長達を押し切れます!」
谷のホビット20「これでよい。復讐など虚しいだけじゃ」
谷のホビット17「それにしても族長たち…おっそいなぁ」
谷のホビット20「はて…とうに日も暮れておるのじゃが?」
モクモク モクモク
谷のホビット18「け、煙!?」
谷のホビット19「えっ!?ひ、火なんかどこに!?」アセアセ
ワァァァァアアアア!!!
ボォォォォォオオオ
谷のホビット17「や、やばっ!?屋内にまで火の手が…!?」
谷のホビット20「い、いったん出るんじゃ!?」
ガララッ
谷のホビット18「」ハッ
ズドッ ズドッ ズドッ
谷のホビット18「ぶっ…ぐはぁ!?」ドシャッ
谷のホビット's「」ビクビクゥッ
600: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/22(日) 22:10:53 ID:HR7UqS6rQg
谷のホビット20「な、なにが……お、お前達!?」
イフィート「そぅら!出てくる奴らは長槍で突き殺せ!?」
オォォォォォオオオ!!!
谷のホビット17「あっ…あぁ……」ガクッ
谷のホビット19「な、なんでみんな武器なんか…話し合いは…!?」
シヴァ「…賛成派を募り、出した結論だ」ザッ
谷のホビット20「し、シヴァ…!」
シヴァ「焼け死ぬか、刺殺されるかは好きにしていい。同胞の死を見過ごすような薄情者はいらぬ」
谷のホビット20「考え直せ…!まだ間に合う…!アピシナ様にした過ちを繰り返す前にっ…!」
シヴァ「たしかに許されぬ過ちだ。アピシナ様は人間に情を傾けてしまった」
谷のホビット20「…そうではない!アピシナ様を利用しようとした先人達が愚かだったのだ!」
シヴァ「儂に任せて安らかに眠れ。ホビット族の未来はここから始まる」
谷のホビット20「お、お前を族長に据えてしまったことが最大の過ちじゃった…!」ギリッ
ゴォォォォォオオオ ガラガラッ ドーン ガシャッ
メラメラ メラメラ
シヴァ「……」
イフィート「……もう後戻り出来ねぇな」
シヴァ「これでいい。あとは前進あるのみだ」
イフィート「…だな!」
……………………
601: ◆WEmWDvOgzo:2015/3/22(日) 22:13:40 ID:HR7UqS6rQg
名もなき村のホビット1「あんた達に何があったかなんて知ったこっちゃないけどさ。
その恨みに僕達や司祭様を巻き込むのはやめてくれよ?」
イフィート「……」
ビュンッ
名もなき村のホビット1「っ…!?」ドスッ
シヴァ「くっ…クク!ハハハハハハ!!!」グンッ
名もなき村のホビット1「あっ…がっ!がっあぁぁぁ!!」ズブズブ
シヴァ「ふんっ!!」ズボッ
名もなき村のホビット1「お゙え゙ぇぇっ……」バタッ
名もなき村のホビット2「わっ…!?」
名もなき村のホビット3「な、な、なに…をっ」ガクガク
シヴァ「」ビュンッ
ズドッ ギャアアアアアアアア
イフィート「シヴァ……」
イフィート「(…立ち止まれねぇよな。俺もお前も…?)」ニヤッ
名もなき村のホビット3「や、やめろよっ!まだ分かんないのか!?」ビクビク
イフィート「知るかよぉぉ!!」ブンッ
名もなき村のホビット3「おごっ!?」グシャッ
イフィート「俺達の戦いに腰抜けはいらねぇ!!どこまでもやってやんぜぇ!!」ブンッ
ズドッ バキッ ゴンッ
ウワアアアアアアアア!!!
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【うpろだ】
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