1スレ
少年「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/l10
2スレ
カロル「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1385288769/l10
―――あらすじ―――
それは遠い昔のお話
人と人は長い長い争いに身を投じ、互いを許せないまま30年もの月日を互いの血を流すことに費やしました
しかし長い争いはいつまでもいつまでも終わる気配もなく
人を傷付け、愛を蝕み、心は枯れて、命は絶えて、いつしか疲れ果てて……やがては目的さえ見失ってしまいました
そんな終わらない争いの果てに一つのきっかけが巡るのです
それは人と人との争いに無関心だったホビット族に原因があると唱える迷信でした
その迷信はあまりにも唐突で、あまりにも不自然な内容でしたが痩せ細って震える人々、争いに疲れきった国々はホビットに全てを擦り付けて争いを終わらせようと決めたのです
戦争が鎮まった後、各国に迷信を掲げた王国は大規模な宗教団体を立ち上げました
その団体は教団と呼ばれ、戦争を納めた功労者であるノワール・バントン司祭を筆頭に教徒達による布教活動が開始されました
布教の内容はホビット族が人間から゙癒しの力゙と呼ばれる特別な能力を奪ったというもので……
これを軸に様々な悪評を並べ立てて人々の心にホビット族への憎しみを焼き付けます
ありもしない神の作り話にいざなわれ、人々は信者へと洗脳されていきました
それから約40年の間、教団による布教活動は続き、思惑通り人々は順調にホビット族を差別していました
人間はことごとくホビット族の住み処を侵略し、奴隷にしてみたり、愛玩用に飼い慣らしてみたり、時には残酷な拷問を加えて見世物にしたり、罪深き種族と罵って横暴の限りを尽くします
343: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:22:21 ID:8Hk72Pbgdw
ファルージャ「……」
宝石商「(あぁ…なんて美しいお顔立ち……醜い私とは大違い……同じ人間と思えない……。
でも……私の肌はこんなにも美しい女性に認められている……。醜い私が……美女に求められている……。
おぞましく異常な空間……皇帝を殺害した女の誘い……迷うべきなのに……まるで答えが決まっているかのように……。
彼女に視線を奪われた時から……自然と言葉が紡ぎ出されている……)」グワングワン
宝石商「お仕え…いたし…ます」ボーッ
ファルージャ「…さようか。名はなんと申す?」
宝石商「シャルウィン…です」
ファルージャ「ほう…シャルウィンか。なんとも愛らしい名よ?」クスクス
宝石商「……ありがたき、しあわせ」ボーッ
ファルージャ「そなたの美しさから学びたい。妾を最高級の女にしておくれな、シャルウィンよ?」
宝石商「私が…美しい?」
ファルージャ「うむ。そなたは美しい。妾の知る誰よりも美しい肌をしておる」
宝石商「……!」
ファルージャ「……?」
宝石商「醜いと言われ続けた私が…このような讚美を受けて……ただただ光栄にございます…!」ウルッ
ファルージャ「…世の中、価値の分からぬ愚者ばかりじゃ。誰も本質を見ようとはせぬ。
美しく生まれようとも家柄や身分に左右され、不当にも愛人の一人にさせられてしまう悔しみ…まことに嘆かわしい…。」
ファルージャ「そなたの気持ちは妾も知るところじゃ。シャルウィンよ」
宝石商「お、おぉ…!」ワナワナ
ファルージャ「…目を綴じるがいい?」
宝石商「は…!?」
ファルージャ「妾に仕えると決意を示したそなたに褒美をとらせよう?」スッ
チュッ
宝石商「っ……」
ファルージャ「クスス……」ニヤニヤ
宝石商「は、ははは…あはぁ〜ん」クラァッ ドタッ
………………
344: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:25:54 ID:8Hk72Pbgdw
―――辺境の孤児院(居間)―――
ミシング「粗茶になります」コトンッ
女装家「どーも…(粗茶ならいらねーわよ、ブスが!高級な茶葉で淹れろや!)」
ミシング「他国のお客様ということで、まずご説明からさせていただきたいのですが…。
その前に一つ、教団についてはどのような認識を持たれていますか?」
女装家「ま、まぁいろいろぉ〜…?」
ミシング「いろいろ、ですか?」
女装家「えー…あ、アンタなんとか言いなさいよ!」
官吏3「…過去はホビット族の罪深さを世界中に広く知らしめておられましたが、ここ最近でまた見方が変わったとか」
ミシング「はい。私達は間違いを伝え、ホビット族への差別を促してまいりました。
それは何故かと言いますと前司祭様と高官の陰謀が関係しておりまして……」ペラペラ
女装家「(なんの話よ?どうでもいいわねぃ……)」
ミシング「現在では新たな司祭が真実を伝え、こうした貧困救済、みなしごの育成といった活動に向き合って正しく導こうとしております」
女装家「そぉ〜う?素晴らしい活動でいらっしゃいますのネェン?」ニタニタ
ミシング「そこでお伺いしたいのが…この活動への支援をなさる皆様の意思が本物であるか、ということなんです」
女装家「本物、本物ぉ〜?ガチリアルですことよぉ〜?」ニタニタ
ミシング「では簡単な質問をさせていただいてもよろしいですか?」
女装家「……?」
ミシング「貧富の差について、どうお考えになられていますか?」
女装家「それはそのぉ〜…アレよぉ?もうやんなっちゃうわよ?ネェン?」
官吏3「…これから先も抱えていく重要な問題でしょう」
女装家「そうよ、そうよ!もうヤバいんだから!」
ミシング「……」ジーッ
女装家「な、なに?」アセアセ
ミシング「失礼ですけど…本気で考えてくださってますか?」
女装家「(考えてる訳ないじゃないのよ、バカチンが。どうでもいいってのよ)」
345: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:29:15 ID:5dajqmm1tg
―――2階(子供部屋)―――
ルーボイ「ナラ…さっき、ごめんな」シュン
ナラ「いいの。わたしもわるいから」
ラム「ナラは全然悪くないよ?ルーボイがすぐムキになるからさ?」
ルーボイ「お、お前には関係ねーだろ!俺とナラの話なんだから!」
ラム「僕にまで悪態付いといてよく言うよ?」ジトッ
ルーボイ「なんだよ、コノヤロー!お前がいっつも生意気だからだろ!?」
ラム「生意気ってなに?君より5つ年上なんだけど?」
ルーボイ「うっせー!年上のクセにチビじゃんかよ!」
ラム「うん、そうだね?ホビットの僕じゃ身長も伸びないから君に見下されるかもね?
でも精神的には君なんかよりずっと成長してる自信があるし、君に負ける要素なんか一つもないと思ってるよ?」
ルーボイ「なんだと!」
ナラ「ふたりともやめて!」
ルーボイ&ラム「……」
ナラ「もうなかなおりしたから…」
ルーボイ&ラム「ふん!」
ナラ「あ、そうだ…。ルーボイ、おかしもらったんでしょ?」
ルーボイ「おう!これ!高級なお菓子なんだってよ!」
ナラ「へぇ…!あしたがたのしみだね?」ニコッ
ルーボイ「今、食っちゃおうぜ?」
ラム「ダメだよ?明日のお昼にみんなで分けるんだから?」
ルーボイ「うるせーな!俺がもらったんだからいいだろ?」
ラム「そういうことじゃないだろ?君が受け取っただけで相手はみんなにあげてるんだから?」
ルーボイ「あーもう!いちいち突っかかんなよ!そんなんだからお前、町でしょっちゅう絡まれんだよ!?」
ラム「…じゃあ好きにすれば?明日のお昼にみんなから言われるのは君だしさ?」
ナラ「ルーボイ?ラムのいうとおりだよ?あした、みんなでなかよくたべよ?」
ルーボイ「分かったよ!」プンスカ
346: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:30:52 ID:5dajqmm1tg
ナラ「ところで、あのひとたち…だれなの?」
ルーボイ「ん?あぁ、あの変態親父か?知らねー?」
ラム「知らねーって…君が連れてきたんだろ?」
ルーボイ「ちげーよ!」
ラム「…慈善活動家って言ってたけど、なんか全然そんな感じじゃなかったよね」
ナラ「うん…。ちょっとこわい」
ルーボイ「そーいや、あのおっさんさ!カロルのこと知ってたぜ?」
ラム&ナラ「えっ」
ルーボイ「癒しの力がどうとか言ってたからカロルを知ってんのかっつったら急に優しくなってよ」
ラム&ナラ「……」
ルーボイ「なんだよ?二人して黙って?」
ラム「おかしいと思わないの?」
ルーボイ「なにが?」
ナラ「いやしのちから…きょうだんと、おうこくのナイショだよ?」
ルーボイ「そうだっけ?」
ラム「…他の国から来た人間がなんで今さら癒しの力に興味を持つのさ?」
ルーボイ「知らねー」ホジホジ
ナラ「せめて…ちりがみ、つかって?」ドンビキ
ラム「…なーんかイヤな感じがするなぁ。気のせいだといいけど」
ナラ「うん…」
ルーボイ「考えすぎだっつの」ピンッ
ラム&ナラ「きたないっ!!」
ルーボイ「」ビクッ
347: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:32:13 ID:5dajqmm1tg
―――居間―――
ミシング「……では質問は以上になります」
女装家「(あぁ〜疲れた。質問多すぎなんですけどぉ……)」ゲッソリ
ミシング「最初に断っておきますが当院での里親募集は行っておりません。
資金援助といった形でしたら協賛金に組み込み、出資者のお名前を大聖堂の礼拝堂にある掲示板に記入させていただきます。
そうする事で活動家の皆様の多大なる貢献を世間一般の皆々様にもお伝えできる運びとなっております」
女装家「…そうですか」ゲッソリ
ミシング「いかがしますか?」
女装家「じゃあそれで……」
ミシング「いや、それでじゃなくてですね?
資金援助か、もしくは他の院を見ていただくかという事になるんですけども?」
女装家「……」イラッ
官吏3「では資金援助でお願いします」
ミシング「ありがとうございます。では書類をお持ちしますので、どうぞおくつろぎになってお待ちください」ガタッ
スタスタ ガチャッ バタンッ
女装家「なんなの、あいつ……ちょぉ〜ウザいんですけど?」イライラ
官吏3「とりあえず出資者という立場で恩を売って円滑に話を切り出しましょう」
女装家「兵隊ちゃん、連れ戻して脅した方が早くなぁ〜い?」
官吏3「一応、貿易の名目で来ていますから、あまり派手には動けませんよ」
女装家「ちっ…いいじゃない。こんな森の中にある孤児院が無くなったって誰も気付きゃしないわよ?」
官吏3「司祭が直接運営しているのですからまずいですよ」
女装家「じゃあ戦争よ?戦争?文句言うなら国ごと潰しゃいいのよ?」
官吏3「ですから王国は平和協定を結んでおりまして…戦争となれば6国の軍から総攻撃を受けてしまうのですよ」
女装家「…分かってるわよ、そんなの!ジョークに決まってんでしょ!?」
348: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:34:56 ID:5dajqmm1tg
ガチャッ
ミシング「お待たせしました。こちらが契約書になりますのでご記入お願いします」スッ
女装家「はいはい…」サラサラ
ミシング「ありがとうございます」
女装家「で、さぁ〜?ちょっと聞きたいんですけどぉ〜?」
ミシング「はい?」
女装家「このホビットってどこにいるか知ってますぅ〜?」つ【人相書き】
ミシング「ホビット……あぁ、救い主様ですね!」
女装家「心当たりがあったら話してほしいんですけどぉ〜?」
ミシング「……?なぜ宝石商のシャルウィン様が?」
女装家「アレよ、アレアレぇ〜?癒しの力に興味があってぇ?」
ミシング「え?」
女装家「持ってんでしょ?そのホビットが?」
ミシング「……あなた何者ですか?」
女装家「は?アタシはチャーミング&ビューティーなシャルウィンちゃんだけど?」
ミシング「癒しの力なんてありません」
女装家「は?は?」
ミシング「以前にも同じような噂が流れて救い主様が狙われていました。
癒しの力という幻に踊らされて多くの人間とホビットが犠牲になったんです」
女装家「……」
ミシング「救い主様に癒しの力なんてありませんし、そんな力自体、存在しません。
前司祭様が考えたありもしない作り話です。諦めてください」
女装家「ちょ、ちょっと待ちなさいよぉ〜?」アセアセ
ミシング「最初から、それが目的だったんですね。どうりでおかしいと思った?」キッ
349: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:38:15 ID:5dajqmm1tg
女装家「……アタシはねぃ?たしかな情報を掴んでるのよぅ?
実際に見たっていう人物にも会ってんだからぁ〜!」
ミシング「じゃあその人が嘘付いてたんでしょうね?」
女装家「あ、アンタねぇ〜!しらばっくれんじゃないわよぉ〜!!」ガタッ
ミシング「癒しの力なんてありません。お帰りください」
女装家「はぁぁ…!?」プルプル
官吏3「シャルウィン様…一度、町へ戻りましょう」
女装家「なぁにいっちゃってんのぉ〜う?
このブス、八つ裂きにしなきゃ気が済まないわぁ〜ん!?」ビキビキ
ミシング「本性表したね。あんた、どこの詐欺師?」
女装家「アタシ〜?アタシは西の国の女帝、魔性のファルージャ様に仕える誇り高き三銃士の一人、女装家シャルウィン様よぉん?」
ミシング「……!?」
女装家「オネェ様に永遠の命をプレゼントする為に派遣されたってワケ?」
ミシング「(ファルージャって確か……悪の魔女っていうおとぎ話の元にもなった暴君女帝……)」
女装家「テンテンパーのツルツルリンなオツムでも事の重大さが分かったよぉネェン?」
官吏3「シャルウィン様…!陛下の名前を出しては……」アセアセ
女装家「問題ナッシング・ガナ・ストップ・マイ・シャインよ!?どうせ今んとこ王国は強く出らんないんだから!?
さぁ吐きなさい!癒しの力はどこ!?どこにいんの!?」ダンッ
ミシング「し、知らないよ!癒しの力なんてないって言ってるでしょ!?」アセアセ
女装家「あぁ〜そ!?あくまでしらばっくれちゃう?じゃあこっちにも考えがあるわよん?」
ミシング「な、なによ、考えって!?」
女装家「兵隊ちゃん達呼び戻して全員ぶっ殺したげる!?」ギンッ
ミシング「は…!?そんなことしてタダで……」
女装家「済むわよぉ〜ん?だって誰が殺ったかなんて分かんないじゃない?」ヘラヘラ
350: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:40:12 ID:5dajqmm1tg
ミシング「ここには子供たちもいるんだよ!?なんとも思わないの!?」
女装家「かわいそぉ〜って思うけど…ま、いっか!って思っちゃう?」キャピッ
ミシング「サイッテー!!」
女装家「じゃあ優しいシャルウィンちゃんから最後のチャンスあげちゃうわぁん?」
ミシング「……!」
女装家「癒しの力は…どこ!?」
ミシング「し、知らないって言ってるでしょ!?」
女装家「往生際が悪いわネェン?」
ミシング「救い主様のことはみんな探してるけど…本当に見つからないの!」
女装家「あ〜やだやだ?平気でウソつくなんて最低?」
ミシング「あの子はずっと行方知れずになってるの!!」
女装家「……?」
ミシング「巡礼でホビットと王国の争いが収まった直後に姿を消したんだから!?」
女装家「ウソ…?」
ミシング「こんなこと言いたくないけど…生きてるかどうかも分からない…!」
女装家「なに…それ?」
ミシング「分かったでしょう!もう諦めてよ!?」
女装家「ウソじゃ〜なさそうネェン?」
ミシング「ウソなんか付かないよ!
むしろあたし達だって、どこにいるのか知りたいよ!?」
女装家「はぁ〜…めんどくさっ!それじゃしらみ潰しに当たるしかないワケぇ〜?」ゲンナリ
官吏3「そうなりますね」
ミシング「……!」
351: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:42:10 ID:8Hk72Pbgdw
女装家「じゃあもうアンタに用なんかないわよ!?戻りましょっ!?」
官吏3「はっ!」ガタッ
ミシング「自分の国に帰ってよ!?」
女装家「はぁ〜?帰らないわよ、おバカ?」
ミシング「あんた達みたいに欲の皮突っ張らした人がいるから…なんにも悪くないカロルくんが苦しむのよ!?」
女装家「なにそれ?よく分かんないんだけど?」
ミシング「永遠の命なんてないし癒しの力もない!
あんた達の欲にあの子は関係ない!もうこれ以上巻き込まないで!?」
女装家「……なにこいつ」イライラ
官吏3「……」
女装家「…お仕置きしちゃおっかしら」ビキビキ
ミシング「……!」キッ
女装家「アンタは兵隊ちゃん、呼び戻して?」
官吏3「はっ!」スタスタ
バァンッ!
女装家&官吏3&ミシング「」ビクッ
ルーボイ「そうはいかねぇぜ!」
ナラ「ねーぜ…!」
ラム「話は聞いたよ?」
女装家「あら、かわいいみなしごちゃん達?」
ミシング「み、みんな…!危ないから部屋にいて!?」
ルーボイ「やだ!悪い奴はぶっ飛ばす!」
ナラ「とばす…!」
ラム「……ここはみんなの居場所。僕たちも一緒に守るよ」
ミシング「……!」
352: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:43:57 ID:5dajqmm1tg
女装家「どうしましょん?ちょぉ〜泣けちゃうんですけどぉ〜!?」シクシク
官吏3「では町から兵を呼んでまいります」スタスタ
トトトッ
ルーボイ「行かせねぇよ!」バッ
ラム「」バッ
ナラ「」バッ
官吏3「どけ!クソガキ!?」ブンッ
ルーボイ「おっ!あぶねっ!」サッ
ラム「」ダッ
官吏3「っ!?」ハッ
ラム「」シュッ
キーン!!
官吏3「あっ…はぐぅ…!?」バタッ
ルーボイ「お、おぉ…!き、金蹴り…!」
ラム「これが一番、楽に仕止められるからね」
官吏3「おっ…おうっおうっ」モゾモゾ
ルーボイ「ひぃ〜…!俺だったら絶対やだ!」
ラム「」パシッ
ナラ「まだ…なにかするの?」
ラム「うん。トドメ刺さなきゃ?」ブンッ
ヒュッ ガツンッ!
官吏3「ぐげっ!?」バタンキュー
ルーボイ「蹲ってるおっさんの頭にガラスのコップぶん投げやがった……」ドンビキ
ナラ「や、やりすぎ…じゃない?」
ラム「どこが?やる時は徹底的にやらなきゃ意味ないでしょ?」
ルーボイ&ナラ「……」
353: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:45:26 ID:8Hk72Pbgdw
女装家「あらーん?たいしたお坊っちゃん達だこと?」
ミシング「あ、あんたも痛い目に遇いたくなかったら降参しちゃえば?ウチの院の子達は強いんだから!」
女装家「やーよ?こんな恥欠かされて帰れるワケないじゃなぁーい?」
ラム「ナラ!ルーボイ!僕がなんとかするから町の憲兵に知らせてきて!」
ナラ「…え?でも……」
ルーボイ「お前、一人で平気かよ!?」
ラム「平気だよ。このくらいの場面なら、たくさん経験してきてるから」
ナラ「」ゴクッ
ルーボイ「……!」
ラム「ここで子供3人で大人一人を倒すより、食い止めて憲兵を呼んだ方が確実だよ!」
ナラ「わかった…!ラム、きをつけてね!」ガチャッ
ルーボイ「ミシング姉ちゃんを守ってやれよ!」
ラム「うん。ナラは君が守ってあげてね。ルーボイ?」
ルーボイ「任しとけ!」
ナラ「すぐよぶね!」タタタッ
ルーボイ「」タタタッ
ラム「……」ジッ
女装家「…友情ネェン?青春ネェン?」
ラム「カロルくんもここも…お前なんかに奪わせない!」
女装家「…うーん、ハンサム?将来が楽しみネェン?」
ミシング「あ、あたしだっているんだから!」
女装家「うっさいわね?ブスは引っ込んでなさいよ?」
ミシング「あ、あんたに言われたくないもん!」
女装家「ふん…。ま、いいわ。アンタらを片付けて、さっさと町へ戻るとしましょっ?」
354: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:28:00 ID:ybRiD2Xm4Q
女装家「さぁ〜?どこからでもいらっしゃい?おチビちゃん?」クイックイッ
ラム「ミシングさん!」
ミシング「う、うん!お姉さんにまっかせなさい!こんな変態おじさん、ちょちょいのちょい……」ドキドキ
ラム「下がってて!」
ミシング「え?」
女装家「あらん!ブスの心配してあげるなんて勇敢なナイトちゃんね?」ニタニタ
ミシング「い、イヤよ!あたしだって……」
ラム「…いいから僕に任せて!」
女装家「そういうことなら…まずはブスから痛め付けちゃおうかしらぁん?」クルッ
ミシング「え…?そ、そうなっちゃいます?」ビクッ
女装家「アタシ華奢に見られるんだけど結構、怪力だったりするのよネェン」ゴキッゴキィッ
ミシング「(いや、見た目からして怪力じゃん…。ドレスがパッツンパッツンじゃん……)」
女装家「顔面ぶち砕いたげる!」ダッ
ミシング「きゃあっ!」ダダダッ
グルグル グルグル
ラム「(うんうん、作戦通り。この間になにか使えそうなのを……)」キョロキョロ
女装家「お待ち!?」ダダダッ
ミシング「ムリムリムリムリ!!」ダダダッ
ラム「(ミシングさんには悪いけど…どう考えたってまともにやり合ったら勝てないし?)」
355: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:31:32 ID:/baStbYdKk
女装家「うらぁ!?捕まえたぁっ!?」ガシッ
ミシング「キャー!うら若き乙女になにすんのよぅ!?変態!オカマ!ホモ!?」バタバタ
女装家「えぇ、変態でもオカマでもケッコーよ!アンタはそんなアタシにグシャグシャにされちゃうんですもの!
あと言っとくけどホモじゃないから!?根っからの女好きだから!?」
ミシング「キャーキャー……え?ホモじゃないの?」ピタッ
女装家「なんでホモなのよ。気色悪い?」
ミシング「いや、だって…見た目とか言動が……」
女装家「…これは憧れよぉ?あの女性(ひと)と同じくらいキレイになりたかっただけ……」キラキラ
ミシング「女性への憧れ…?」
女装家「…アンタにこんな話してもしょうがないけどアタシってば、こう見えて昔は醜い醜いとよく罵られてたのよ」
ミシング「ふーん。ひどいね…?普通そんなこと言う?」
女装家「やれ顔がでかい、ケツアゴだ、エラ張ってる、キツネ目だ、下がり眉だ…どうでもいい事ばっかりつつかれたわぁん…」
ミシング「(そ、それはかなり大事なポイントだと思うんだけどにゃー…)」
女装家「でもあの女性(ひと)だけはこう言ってくれたの…『そなたの肌は誰よりも美しい』と」パチッ
ミシング「へー…いい人だねー…」
女装家「その方は世界一美しい女性(ひと)……そんな相手に美しいと褒められた。アタシにとって…あの言葉だけがすべてなの」ウットリ
ミシング「へぇ〜」
356: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:33:02 ID:/baStbYdKk
ミシング「」ツンツン
女装家「ん!な、なにすんの!
人のお腹ツンツンするなんてお行儀の悪い小娘ね!」ピクンッ
ミシング「わーお!バッキバキなのかと思ったら意外にもぷるぷる卵肌!」
女装家「と、当然じゃなぁい?アタシを誰だと思ってんのぉ〜う?」ニヘラヘラ
ミシング「いいなぁ…?あたしもこんな潤いがあったらモテ期が止まらないのに……」イジイジ
女装家「ま、まぁねぇ〜?ふ、普段から摂生してお肌の健康維持には気を使ってるしぃ〜?」
ミシング「ねぇ、ねぇ、あたしにも教えてよー。
水仕事ばっかりしてて手とかガサガサなんだよね〜!」グイグイ
女装家「だ、ダメよ!アタシの美容術はオネェ様だけのモノなんだから!?」
ミシング「ケチケチしないでさ〜?いいじゃないの〜?」グイグイ
女装家「ダメよ〜ダメダメ!」
ミシング「なんでよ〜!いいじゃん、ちょっとくらい?」
女装家「そ・れ・に……」ゴキッゴキィッ
ミシング「」ビクッ
女装家「…これから死ぬアンタに教えてもしょうがないでしょん?」ギンッ
ミシング「…あ、やっぱりその流れに戻しちゃいます?」
357: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:36:34 ID:/baStbYdKk
女装家「死になっさぁ〜い!」ブンッ
ミシング「ひゃあっ!?」
ボグシャッ!!
女装家「あべしっ!?」ドサァッ
ミシング「はへっ!?」ササッ
ラム「ミシングさん、引き付けてくれてありがとう」カチャッ
ミシング「な、なに?なにしたのって…あぁっ!?それ!?明日の朝、切って出そうと思ってた西瓜じゃない!?」
ラム「だ、だって包丁とか食器割ったら怒られると思ったから…」アセアセ
ミシング「食べ物を粗末にしたら、もっとダメじゃん!あーん!塩振って食べるの美味しいって、みんなに教えたかったのに!?」
女装家「……」ムクッ
ラム「あ、起きるよ」
ミシング「ぃやっ!?」
女装家「やってくれちゃったわねぇ…アンタ」ギンッ
ラム「…頭、変じゃない?」キョトン
ミシング「ぷっ」ニヤッ
女装家「へ?へ?」パッパッ
女装家「あぁ〜ん!か、髪型が崩れちゃった!髪、アタシの髪どこ?」キョロキョロ
ミシング「ぷぷぷっ…こ、これ…?」ヒョイッ
女装家「か、返しなさいよっ!この泥棒猫!?」パシッ
女装家「こ、これでよし」カブリッ
ミシング「あ、あの…抜けた髪の毛くっつけちゃうのもなんか特別な美容法なんですか〜?」ニヤニヤ
女装家「」ビキッ
ミシング「すっごい若返りましたね〜?」ニヤニヤ
女装家「」ビキビキッ
ミシング「ていうかぁ〜髪が抜けた時ぃ〜なんか網のバンダナが見えたんですけどぉ〜もしかしてぇ〜あれで括ってるとかぁ〜?」ニヤニヤ
女装家「……!」ビキビキビキィッ
358: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:39:46 ID:/baStbYdKk
ラム「」トクトク
ミシング「ん?お茶淹れてんの?」
ラム「興奮してるし喉渇いたかなーって」パラパラ
ミシング「砂糖入れるんだ。優しいと思うけど…そんなことしてる場合かにゃ?」
女装家「ぐらぁぁあああ!!!」ブンッ
ミシング「キャーッ!?」サッ
ラム「」サッ
バカンッ!!
ミシング「あっちゃ〜…テーブルがバラバラ…!?」
ラム「こぼれたらどうすんの?」カラカラッ
女装家「ぶ…ブォホホホホ!!てめぇら全員まぼろし〜!にしてやらぁっ!?」ダッ
ラム「」ブンッ
女装家「あつっ!」バシャッ
ミシング「あ…お茶が……」
女装家「…なぁ〜にすんのよぅ…。せっかくおめかししたのに台無し……」ゴシゴシ
女装家「んがっ!?いだっ!いだだっ!?め、目が目が目がいたたたいっ!?」ゴシゴシ
ミシング「…なに混ぜたの?」
ラム「鷹の爪の粉末。ホビットの3人が好きでよく買ってくるんだよね」
女装家「いぎゃあああああ!?いたいたいたい!?」ゴシゴシ
359: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:41:49 ID:ybRiD2Xm4Q
女装家「あ、アンタいい加減にしなさいよぉぉ……!
どんだけ卑怯なのよ…!ほんと、どんだけぇ〜!?」ゴシゴシ
ラム「はぁ?武装した兵隊使って、かよわい女子供を皆殺しにしようとしてる奴に言われたくないんだけど?」ジロッ
ミシング「目が据わってるね、ラムくん?」
女装家「ぐぬっ!あ、揚げ足取ってんじゃないわよぉ!?あーいたい!?」ゴシゴシ
ラム「ふふ…これでいいかな」クスクス
ミシング「さっきからすっごい楽しそうなんだよね、この子」
女装家「(ん…み、見えてきたわぁん。よしよし…これでクソガキを…!?)」ギンッ
ブォンッ
女装家「(え…なんか迫ってくる?か、霞んで見え……)」
カッパンッ!!
女装家「ぶぉはんっ!?」ゴシャッ
ミシング「うわぁ〜…フルスイング……フライパンがへこんじゃってるじゃん」
ラム「次はどれにしようかな?」スタスタ
ミシング「まだやんの!?」
ラム「もちろん!徹底的にやるよ?」ニコッ
ミシング「いい笑顔…出来れば普段の生活で見してほしいにゃー」
ラム「トドメは何にしよっかなー」キョロキョロ
ミシング「……」
ラム「あ、そうだ!おじさんのお尻に鷹の爪の粉末を……」ポンッ
ガシッ
ラム「えっ」グイッ
女装家「その作戦…背負い投げぇぇぇえぃぃぃいい!!!!」ブォンッ
ボゴキャッ!!
ラム「」ビクンビクン
360: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:44:42 ID:/baStbYdKk
ミシング「……」ポカーン
女装家「ナメんじゃねぇよぉ…クソガキがぁ…?」ハァッハァッ
ミシング「ラム…くん?く、首……ゴキッ…て………」ボソッ
女装家「あんなモンでアタシをKO出来ると思ったら大間違いよぉ〜…!さぁ次はアンタの番ネェン?」ゴキッゴキィッ
ミシング「(あ…ダメだ…。足がすくんで……)」ガクガク
ガチャッ
孤児1「んぅ〜…うるさくてねれないよぉ…」ムニャムニャ
ホビット1「なにをしてるんで…す……?」ピクッ
女装家「あぁ〜らぁ〜ん?またまたかわいいみなしごちゃん?」ニヤァン
ラム「」ビクンビクン
ミシング「きちゃ…だ……めよ…」ガクンッ
ホビット1「ミシングさん!?」ダッ
孤児1「……?ラム兄ちゃん、へんなねかたしてるよ?」ムニャムニャ
女装家「ブォホホホホ!!!」ゲラゲラ
ミシング「……」ボーッ
孤児1「」ビクッ
ホビット1「なっ…なんだ、あんたは!?」
女装家「きーめた!アタシ一人で十分ネェン?」
ホビット1「は…?」
女装家「まずはアンタから」バッ
ホビット1「うっ…!?」グイッ
ミシング「やめてっ!?おねがいっ!?」ガッ
女装家「どらっしゃあ!!」ブンッ
ドカァ!!
ミシング「っ…あぅぅ」ヨロッ
女装家「アンタは最後にしたげるわ?そこで見てなさい?」ニタニタ
361: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:46:24 ID:/baStbYdKk
ホビット1「みし…ぐさんっ?」ググッ
孤児1「う…わぁぁん…!」ビエー
女装家「神に祈ってあげたらぁ〜?みんな天国に行けますようにって……」ガッ
ホビット1「あ、あわわ!うわあああ!?」ジタバタ
ミシング「やめてぇぇええええ!!!」ダッ
ゴキュッ!!
ホビット1「っ……!」カクンッ
女装家「はい、2匹目〜」ポイッ
ホビット1「」ドサッ
ミシング「そんな…そん…なぁ……」ヘナヘナ
孤児1「うわぁぁぁん…あぁぁぁん!!」メソメソ
女装家「うるさい子ねぇ…。次はアンタよ?」ズイッ
ミシング「ああああああ!!!」ドッ
女装家「んふん!なによ、抱き付くんじゃないわよ!気持ち悪いわねっ!?」ペイッ
ドカァッ!!
ミシング「ぐっ…!あ……っ」フッ
女装家「あらまぁ気ぃ失っちゃった?残念ねぇ〜?一人ずつ引きずり出して首を折るところを見せたげたのにぃ〜?」
孤児1「えっ…えぅ…ひぐっ……」メソメソ
女装家「あぁ〜サイアク!アンタらのせいでドレスは汚れるし髪は濡れるしお化粧も落ちるし、ふざけんじゃねぇわよ!?」ガシッ
孤児1「うわぁぁぁん!こわいよぉ…いんちょー!!」グイッ
女装家「いっくわよぉ〜?」ニタニタ
ブンッ
キーン!!
女装家「がっぺ…!?」プルプル
孤児1「?」ドサッ
362: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:48:58 ID:/baStbYdKk
女装家「お、おぉひょっ…おひょっおひょっ!」ピョンピョン
ラム「やっぱり男には…これが一番効くね…!」ヨロッ
女装家「ひゅっひゅっ!んぅぅ……あ、アンタ…死んだんじゃ…!?」ワナワナ
ラム「…死なないよ。そういう体だから」ガシッ
女装家「…んぐぅ!な、に…っちゃってんの?そんなワケ…ないじゃない!?」ハァッハァッ
ホビット1「」
ラム「(…ごめん。助けてあげられなくて)」
女装家「ま、まぁいいわぁん…!ありえない奇跡だけど…もっかい首を折ってあげちゃう!?」ゴキッゴキィッ
ラム「こっちのセリフだよ…!薄汚い人間…めっ!!」ブンッ
バリンッ
女装家「あらあら、どっから持ってきたか知らないけど瓶に八つ当たり?これだからお子ちゃまは…?」フフン
ラム「かかってこい、化け物親父!!」カッ
女装家「だ、誰が化け物ですってぇ…!?」
孤児1「こわいよぉ…」ブルブル
女装家「!」ピコーン
女装家「そうだ…?この子から……」
ヒュッ ビシッ
女装家「っ…た!び、瓶の破片…?」ピッ
ラム「」ヒュッ
女装家「いっ…!」ビシッ
ラム「」クスッ
女装家「上等じゃオラァッ!?」ダッ
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