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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】
[8] -25 -50 

1:🎏 ゆったりペースになりますが! ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:09:52 ID:N4jwCkModw
1スレ

少年「ボクが世界を変えてみせる」

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/l10

2スレ

カロル「ボクが世界を変えてみせる」

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1385288769/l10

―――あらすじ―――

それは遠い昔のお話
人と人は長い長い争いに身を投じ、互いを許せないまま30年もの月日を互いの血を流すことに費やしました

しかし長い争いはいつまでもいつまでも終わる気配もなく
人を傷付け、愛を蝕み、心は枯れて、命は絶えて、いつしか疲れ果てて……やがては目的さえ見失ってしまいました

そんな終わらない争いの果てに一つのきっかけが巡るのです
それは人と人との争いに無関心だったホビット族に原因があると唱える迷信でした
その迷信はあまりにも唐突で、あまりにも不自然な内容でしたが痩せ細って震える人々、争いに疲れきった国々はホビットに全てを擦り付けて争いを終わらせようと決めたのです

戦争が鎮まった後、各国に迷信を掲げた王国は大規模な宗教団体を立ち上げました
その団体は教団と呼ばれ、戦争を納めた功労者であるノワール・バントン司祭を筆頭に教徒達による布教活動が開始されました

布教の内容はホビット族が人間から゙癒しの力゙と呼ばれる特別な能力を奪ったというもので……
これを軸に様々な悪評を並べ立てて人々の心にホビット族への憎しみを焼き付けます
ありもしない神の作り話にいざなわれ、人々は信者へと洗脳されていきました

それから約40年の間、教団による布教活動は続き、思惑通り人々は順調にホビット族を差別していました
人間はことごとくホビット族の住み処を侵略し、奴隷にしてみたり、愛玩用に飼い慣らしてみたり、時には残酷な拷問を加えて見世物にしたり、罪深き種族と罵って横暴の限りを尽くします


31:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/17(月) 21:53:34 ID:4HN.k5LX7c
宣教師「ずび…ずいまぜん…!わらひ……ひぐっ」ポロポロ

ミシング「……」ニコッ

孤児1「いんちょ?イタイタイなの?」

孤児2「いたいのいたいの飛んでけー!」ナデナデ

宣教師「っ…!へぇ…きでずよ…?」ニコッ

ルーボイ「なっきむっし!なっきむっし!」ワイワイ

ナラ「ふふ!なきむしー!」ワイワイ

宣教師「き、キミたちが…泣かせ……あぅぅ!」ポロポロ

ラム「あはは!いつまで泣いてるのさ?ご馳走が冷めるよ?」クスクス

宣教師「こんな…こんな嬉しくて…泣き止めなんて……ひどい仕打ちにも程があります!」

ミシング「じゃあ泣き虫はほっといて席に着いちゃおっか!」

ガタッ ガタッ ガタッ ガタッ

宣教師「ぞんなぁ…!ひどすぎます…!」ポロポロ
32:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/17(月) 21:58:15 ID:Y7BaV1vgDU
宣教師「うぅ…ひんっ…!」グズグズ

ラム「泣きすぎ……」シラー

宣教師「止まらないんですもん!しょうがないでしょう!?」ポロポロ

ミシング「はーい!サプライズの特製ケーキだよー!」トンッ

ホビット1「ささ!火を吹き消して!」

ホビット2「蝋燭は一本しかないですが…22本あると思って!」

宣教師「……!ふぅーっ!」

シュッ

ワーワー! オメデトー!

宣教師「うあああん…!!」ブワァッ

ルーボイ「まだ泣くのかよ!?」

ナラ「ルーボイ…あれ!」チョンチョン

ルーボイ「あ、そうだ!」ゴソゴソ

宣教師「まだ…なにか?」グズグズ

ルーボイ「へへっ!この為に森に行ったんだぜ!」ゴソゴソ
33:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/17(月) 22:02:44 ID:Y7BaV1vgDU
ルーボイ「くらえ!」バッ

宣教師「ひっ…!……は、花?」キョトン

孤児1「ルーボイおにいちゃんとみんなでとってきたのー!」

孤児2「カリアムのお花!」

宣教師「……!」ハッ

ナラ「ここにかえってきたとき…かびんにいけてたカリアムのはな、かれてておちこんでたよね?」

ルーボイ「へへーん!プレゼントなんだぜ!」

宣教師「(出会った当初にカロル君がくださった花……留守にしてる間に枯れてしまったんですよね…)」ズーン

ミシング「黙っちゃってどうしたのー?」ウリウリ

宣教師「あ、いえ…嬉しいです!ありがとうございます!」

ラム「ふふ…喜んでもらえて良かったね?みんな?」

ホビット3「うんうん!こっちまで嬉しくなりますよ!」

ルーボイ「じゃあ食おうぜ!」

ミシング「はいはい!いっぱいおかわりしちゃっていいからねー!」

孤児1「ジュース!ジュース!」

ラム「はいはい、入れてあげるからグラス貸して?」

ナラ「ミシングさん…ケーキじょうず!」

ミシング「でしょでしょー!?」

ワイワイ ワイワイ

宣教師「(どうしましょう…今日は人生最高の日です…!)」ジーン
34:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/17(月) 22:06:03 ID:4HN.k5LX7c
〜〜〜〜〜〜

ミシング「みんな寝ちゃったねー!がんばって準備したから疲れたのかにゃー?」ジャブジャブ

宣教師「そうですね…。私なんてまだちょっと泣きそうです…」カチャカチャ

ミシング「あはは!洗い物やっとくから宣教師も寝ていいよー?疲れ溜まってんでしょー?」ジャブジャブ

宣教師「…あんなに活力を頂いてしまったら疲れなんて吹っ飛びますよ」

ミシング「だねー!あの子たちがやりたいって言い出したんだよ?」

宣教師「そうなんですか?」

ミシング「うん、3ヶ月くらい前かなー。ルーボイくんのお誕生日会したでしょ?
終わった後にルーボイくんとナラちゃんとラムくんがわたしのとこ来て宣教師様の誕生日はいつ?って聞いてきたの」ジャブジャブ

宣教師「…そんなに前から?」

ミシング「なんだかんだ忙しい合間を縫って子供たちの誕生日会開いてるじゃん?
恩返ししたかったんだと思うよ?」キュッキュッ

宣教師「恩返しなんて…むしろ感謝するのは私の方ですよ」

ミシング「ラムくんの時なんか祝ってもらった本人がびっくりしててリアクション取れなくてさ!
代わりにホビットの3人が『誕生日を祝ってもらえるなんて初めてだー』って大喜びしてたじゃん?」

宣教師「そうでしたね…。あの後、共用の寝室で普段はクールなラム君が枕に顔を埋めて泣いていたとナラから聞きました」

ミシング「ナラちゃんもだけどねー!『今まで祝ってくれる人なんていなかった』って大泣きしてたもんねー」カチャカチャ

宣教師「あの子もまた…実の親に捨てられ、教団でも仲間はずれにされ…苦労してきましたからね」

ミシング「昔はどもっちゃって人と喋れなかったんだっけ?わたしが初めて会った時もたどたどしく聞こえたし?」

宣教師「今ではハキハキと喋るようになって成長が感じられます…。みんな大きくなっていきますよね」

ミシング「うんうん!ルーボイくんも成長したよー?最近はチビちゃん達を泣かせなくなったし!」

宣教師「そうですね…。彼が一番、成長したかもしれません」

ミシング「みーんな順調に育って…嬉しいけどさびしいなーなんて」

宣教師「えぇ…ですが寂しさを上回る喜びを感じられます」

ミシング「ねー…」ジャブジャブ
35:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/17(月) 22:09:34 ID:Y7BaV1vgDU
ミシング「あのさ…」

宣教師「はい?」

ミシング「こないだの慈善活動家の訪問でさ、孤児1くんを家族に迎えたいっていう夫婦がいたんだけど」

宣教師「……里親が現れましたか!」パァァ

ミシング「本人にはまだ言ってないんだよね」

宣教師「? なぜです?」

ミシング「いいのかな」

宣教師「喜ばしい知らせではありませんか?」

ミシング「…たぶん嫌がるよ?」

宣教師「え?」

ミシング「あの子だけじゃなくて…みんな。これから先、里親が現れても受け入れられないんじゃないかな」

宣教師「ど、どうして…?自分だけの家族が出来ますし…」

ミシング「里親を欲しがる子ってさ、あんまり今の環境に満足してない子だと思うんだよね」

宣教師「は、はぁ…」

ミシング「宣教師は優しいもん。みんな知らない人と暮らすより…ここに残りたがるよ。絶対に?」

宣教師「……ですが今の私は身動きが取れませんし、ほとんど留守にしてますし」

ミシング「…あの夫婦には他の孤児院、紹介しといたから」

宣教師「……!?」

ミシング「ここは幸せすぎるんだよ。すごくいい事だけど…孤児院としては良くないかもね」

宣教師「ミシング…」

ミシング「だからさ、無理に別れさせて悲しませるより、わたし達で面倒見よ?」

宣教師「……で、ですが」オロオロ
36:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/17(月) 22:11:18 ID:4HN.k5LX7c
ミシング「みんな集めて話してた孤児院問題さ。確かに良くないよ?
でもね、ああいう孤児院の方が里親に引き渡しやすいと思う」

宣教師「…何が言いたいんです?」

ミシング「あれはやりすぎだけど…ちょっと不自由な形での運営も視野に入れないと、いつか里親を拒む孤児で溢れるよ?」

宣教師「はぁ…」

ミシング「王国の圧政で田舎町とか村の生活水準が低下してた頃に盗賊と孤児が溢れたでしょう?
あの頃からまだ1年しか経ってないんだよ?」

宣教師「…なんと言われようと虐待や差別を認める気はありません」

ミシング「……そっかー。聖職者の鑑だね、宣教師は」

宣教師「あなたの口から、そんな言葉が出たのは意外でしたよ…」

ミシング「ミシングちゃんも色々考えてんだよー?」

宣教師「……」

ミシング「軽蔑しちゃった?」ニコッ

宣教師「……いえ、私の留守中に子供たちを見てきたあなただからこそ…心配になるのでしょう?」

ミシング「まぁ、ね…。ゴメンね、ハッピーな日に変な話しちゃって」キュッキュッ

宣教師「…いつもありがとうございます」

ミシング「?」カチャッ

宣教師「今日の幸福があったのはあなたがここを守ってくれているから…感謝せずにはいられませんよ?」ニコッ

ミシング「…ここはわたしに任せて宣教師はやりたい事しなよ?
あんたの理想は…わたし達の理想でもあるんだから?」ニコッ

宣教師「…全ての方に幸福を…必ず実現してみせます」
37:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/17(月) 22:18:11 ID:Y7BaV1vgDU
>>23
な、なんということでしょう!?
最初の頃といえばもう2年前ですよ!?
そんなに前から読んでいただけていたなんてもう言葉に出来ない嬉しさです!!
むしろ自分の方が励まされました!
これで辛いリアルも乗り越えていけそうです!!
ありがとうございます!
38:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:17:49 ID:YSi2nOfsJM
―――西の国(王宮)―――

モクモク モクモク

女王「ふぁ〜………」トロォン

側近「お楽しみの最中、恐縮です」スッ

女王「アハァン……そなたに取り寄せてもらった神の草……悪くはないぞよ?」フゥゥゥ

側近「それは良うございました。王国産のハニーベリー…お気に召していただけましたか?」

女王「〜〜…たまらぬ香りよなぁ…?
ハニーベリーなる煙に満たされておれば…妾を潤す数多の快楽が霞むわ、霞む?」トロォン

側近「(あぁ…!あぁ…!陛下が……陛下が私を…私だけに労いの言葉をかけてくださっている…!)」ゾクゾク

女王「この王宮をハニーベリーの甘美に満たしたい?
このファルージャの為に再度、取り寄せておくれな?」ニヤァァァ

側近「ははぁっ!!陛下の為とあらば身命をも賭す所存!!」ザッ

ファルージャ「はんっ…?大げさじゃのう…?して、何用かしら?」

側近「はっ!本日のスイーツを御用意致しました。入れ!」サッ

ザッザッ

美男's「」ズラァァァ

ファルージャ「フゥ〜…!」キラキラ

側近「どれでも好きにお召し上がりくださいませ」スッ

ファルージャ「はぁん?これは迷わせる品揃えじゃな?どうしたものやら…?」ジロジロ
39:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:19:41 ID:YSi2nOfsJM
ファルージャ「では……そなた?」ビッ

美男1「はっ!」スッ

側近「名と階級を!」

美男1「名はウィキッド!階級は平民にございます!」

ファルージャ「ウィキッドか…良い名よ?」

美男1「ありがとうございます!」

ファルージャ「はぁぁ…側近?」

側近「はっ!衛兵共よ!そやつを取り押さえよ!」

ザザッ ガシッ ガシッ

美男1「え!?な、なにを!?」ジタバタ

ファルージャ「妾は階級を申せと命じたな?」

美男1「で、ですから…」

ファルージャ「平民は階級ではあるまいに?
花の名を申せと言われ、゙雑草゙と答える愚者がおるのかえ?」クスクス

美男1「そん…な……」

ファルージャ「処刑せよ?妾の口には合わぬ?」

ズルズル

美男1「い、イヤだぁぁ!!命ばかりはぁぁ!?」ズルズル

バタンッ

ファルージャ「クスス……次?」ニコリ
40:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:21:20 ID:7ZmvR.FKR.
美男2「私は名門騎士族の出。フィライクと申します」

ファルージャ「ほう?騎士を名乗るだけの事はある?精悍な顔付きではないか?」

美男2「恐悦至極にござる」

ファルージャ「妾の正面に立つ事を許しましょう?おいでなさい?」

美男2「はっ!」スッ

ファルージャ「…口を開いてごらんな」

美男2「」カパッ

ファルージャ「そぉうそう……舌を伸ばして?」

美男2「」ベーッ

ファルージャ「まずは味見……んちゅっ」パクッ

美男2「」ビクビクッ

ジュルッ ニュチッ ジリュリュ クチャッ ジュルルル

ファルージャ「…フゥ。まずまずの味」タラーン

美男2「」ピクピク

ファルージャ「なんと……意識が飛んでしもうたわ?側近?」

側近「はっ!」

ファルージャ「惰弱は要らぬ?」

側近「衛兵共!」

ザザッ ガシッ ズルズル

ファルージャ「次はそなたにしましょうか?」ビッ

美男3「」ビクッ
41:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:24:07 ID:7ZmvR.FKR.
〜〜〜〜〜〜

ファルージャ「フゥ〜…」ツヤツヤ

側近「ご満足なされましたか」

ファルージャ「……何ゆえ妾の渇きは癒されぬ?」

側近「は?」

ファルージャ「…惰弱な性では事足りぬと言うのじゃ?」

側近「さ、左様で……」

ファルージャ「この憂いを晴らすような愉快な話が舞い込んではこないものか…?」

ガチャッ

官吏「失礼致します」

側近「…何か?」

官吏「陛下にお目通し願いたいと申す者が城を訪ねて参りました」

側近「…何者だ?」

官吏「東の王国よりの使者と……」

側近「王国だと?巡礼で起こった内乱の詫びか?」

官吏「はてさて…お付きも連れず一人でしたし、みすぼらしいが恰幅のよい殿方で」

側近「…怪しいな。追い返せ」

官吏「ではそのように」

ファルージャ「お待ちなさいな?」

官吏「は?」

ファルージャ「お招きしなさい?客人として丁重にネェ?」ニコッ

官吏&側近「」ドッキュン

側近&官吏「(陛下が私に微笑みかけてくださった…!)」ドキドキ

ファルージャ「」ニヤニヤ

側近「は、はようお招きせんかい!?」

官吏「はいよろこんで!!」ダッ
42:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:27:49 ID:7ZmvR.FKR.
ファルージャ「よくぞ参られた?
そなたが神の教えを尊ぶ穢れなき民、王国の使者かえ?」

大臣「とうに失脚させられた身ですがねぇ〜。
それにしても世にも名高い美の化身と謳われる女王陛下の御前に立てるなど身に余る光栄……ぐふふ、ふひひ、ブヒヒヒヒ」

側近「貴様……」イラッ

ファルージャ「クスス…王国の殿方は世辞がうまくていらっしゃいますのネェ?」

大臣「ぶほほほ!いやはや世辞などではございませんぞ!実にお美しい!
その豊満な胸に顔を埋め、艶めかしく滴る汗をべろんべろん舐めて差し上げたい…!」ハァハァ

側近「貴様ぁぁ!!」ブチィッ

ファルージャ「クスス!左様か、それはそれは……」クツクツ

側近「へ、陛下!ご命令を!」

ファルージャ「よいではないか?愉快、愉快!」クツクツ

側近「し、しかし!」

大臣「まぁまぁまぁ?そう邪険にしないでくださいよぉ?
わたくしもねぇ、何も土産物を持たずに来た訳じゃございませんから?」

ファルージャ「ほぉ?土産物とな?」

大臣「ぐふふ!えぇ、女王陛下には何よりの手土産を持参致しましたぞぉ?」ニシシ

ファルージャ「フゥン?それは楽しみじゃな?」
43:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:33:16 ID:7ZmvR.FKR.
大臣「〜〜〜という訳ですよ?」

ファルージャ「それは…まことかえ…!」

大臣「まこともまこと!わたくしの口から偽りは出てきませんよぉ〜!」

ファルージャ「癒しの力……永遠の命……王国にかような秘宝が眠っておったとは……!」

側近「…馬鹿馬鹿しい。そんな話が信じられるか」

大臣「では貴方は信じなければよろしい?
わたくしは陛下に信じていただければ、それでよいのですからねぇ?」ニタニタ

側近「き、貴様…やはり処刑台に…!」

ファルージャ「キャハハハハ!!!」ケラケラ

側近「」ビクッ

大臣「」ニヤリ
44:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:35:04 ID:7ZmvR.FKR.
ファルージャ「なんともはや……これ以上に妾を魅了する土産は他にあるまいぞ!!」キラキラ

側近「陛下!?」

ファルージャ「気に入ったぞ、そなた!望みを言うがいい!いかなる要求も認めようではないか!?」キラキラ

大臣「ぐふふ!よろしければ一晩を共に……」

側近「なにぃ!?」

大臣「と、言いたいところですが……何よりの望みは滅びいく王国を我が目に焼き付けたい……それだけです」

ファルージャ「フゥ〜!王国を攻め滅ぼせと言うのか?」

側近「しかし…王国は各国との平和協定を結ぶ架け橋となった国……こちらが兵を差し向ければ6国の軍と争わなければなりません」

ファルージャ「フゥン……我が西の国が世界最大の武力国家とはいえ、あまり現実的な話ではないのう?」

大臣「ぶほほほ!なにをおっしゃる?簡単ではございませんか!」

側近「はぁ?」

大臣「先に永遠の命を手に入れたらよろしい!
不死の力を持ってすれば100国の軍も恐るるに足らず!そうでしょう!?」

側近「そのような事が可能なのか!?」

大臣「ブヒヒヒヒ!これを陛下に差し上げましょう」つ【地図】【人相描き】

ファルージャ「それは?」

大臣「大樹の地図と癒しの力を持つホビットの人相描きにございます」

ファルージャ「…手際のよいこと?側近、持って参れ?」ニヤリ

側近「はっ!」パシッ タタタッ
45:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:45:41 ID:YSi2nOfsJM
ファルージャ「はぁん…?これが癒しの力を…?」ピラッ

大臣「元はわたくしの買い付けた奴隷だったのですがねぇ…。小賢しい事に王子と手を組み、反乱を起こしたのですよ」

ファルージャ「…フゥ!なんと愛らしい顔立ち…?
妾のそばに仕えさせ、昼夜の境も無く愛でてやりたくなる?」

側近「へ、陛下……」

ファルージャ「妾の美には劣るが…クスス?」ニヤニヤ

大臣「言っておきますが癒しの力を持つホビットはオスですぞぉ?」

ファルージャ「なんと…!男に生まれながら、これ程に愛らしいのか…!?」

大臣「えぇ、わたくしも最初はメスだと思って買ったんですがねぇ…。とんだ詐欺ですよぉ…」ブツクサ

ファルージャ「…クスス!一度でよいから…こういう愛らしい男を嬲ってみたかったんじゃ…?」

側近「陛下…?」オロオロ

ファルージャ「側近よ、三銃士を呼べ?」

側近「はっ…」
46:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:49:40 ID:YSi2nOfsJM
ザザッ

将軍「」ザッ

魔導師「」ザッ

女装家「」ザッ

ファルージャ「よくぞ揃ってくれた?妾の愛しき従者たちよ?」

将軍「我ら三銃士!陛下のお望みとあらば何処へなりと推参致す所存!」

魔導師「ご機嫌麗しゅう、陛下?本日も誠にお美しい?」

女装家「我らは陛下のご命令にのみ従う駒。なんなりとご命令ください」

ファルージャ「良い心構えネェ?」スラリ

将軍「(ナマ足…!女王陛下のナマ足ぃ…!)」ジュルリ

魔導師「……!」ジーッ

女装家「(オネェ様ぁぁ)」ハァハァ
47:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:51:43 ID:7ZmvR.FKR.
大臣「あのお三方は?」ボソボソ

側近「あの方々は陛下に忠誠を誓いし我が国の英雄、三銃士だ」ボソボソ

大臣「はぁ…銀製の甲冑に身を包む武人と物々しく全身を覆うローブの方はなんとなく分かりまするが……。
あの寸法の合わないフリルドレスを身に纏い、明らかな金髪のカツラを被った厳つい御仁はなんなんですかぁ?」シゲシゲ

側近「あのお方は女装家のシャルウィン様だ。元は名だたる宝石商だったのだが……陛下の美しさに憧れるあまり、女装家に転職したらしい。
主に美容顧問官として健康管理と体型維持、肌のケアを担当しており、陛下の御身に全身マッサージを施すなど羨ましすぎる権限の持ち主なのだ」ボソボソ

大臣「それって英雄…なんですかねぇ〜?」

側近「甲冑を装備しているお方はカカドゥーラ将軍、我が国の軍事を指揮する最強の武人だ」ボソボソ

大臣「んぅ〜…なるほど」

側近「不気味なローブのお方は大魔導師パカラゥロ様だ」ボソボソ

大臣「魔導師…?」

側近「あぁ、黒魔術に精通しており、両の掌から摩訶不思議な術を繰り出す…なんとも信じがたいお方だ」ボソボソ

大臣「なんだかインチキ臭いですねぇ〜?ホントにできるんですかぁ?」ジロジロ

魔導師「」ギロッ

大臣「おや?聞こえてしまったかな?」ニタニタ

魔導師「…なんなら体験してみるかい?」

大臣「ぐふふ…いいんですか?赤っ恥かいても知りませんぞ?」ニタニタ

魔導師「陛下……許可を頂けますかな」

ファルージャ「…好きにするがいい?」ニヤリ

魔導師「んふふ…んふ……許可が降りたぞ?」モミモミ

大臣「ぶほほほ!どうぞお好きに?」ニタニタ

側近「お、おい…あまりパカラゥロ様を刺激するな…!殺されるぞ…!?」

大臣「癒しの力のような術がこの世に二つとあるのなら見てみたいものですなぁ?
ま、どうせインチキでしょうから…そのからくりを暴いてやりますかねぇ?」ニタニタ

魔導師「んふふふふ…」モミモミ
48:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:56:36 ID:7ZmvR.FKR.
魔導師「さて、これからその身に起こる不幸……受け入れる覚悟は出来たかい?」モミモミ

大臣「気色悪いですなぁ…」

側近「揉み手を作って丹念に掌を擦り合わせているだろう?」

大臣「はい?あぁ、そういえば?」

側近「…あの手が開かれた時、恐ろしい魔術を放たれるんだ」

大臣「はぁ〜いぃ〜?」

魔導師「さてさて、さてさて、さてさてと」パッ

大臣「」ドキッ

魔導師「……」スッ

大臣「(両手を眼前に…?だ、だが何も……)」

魔導師「」グワシッ

大臣「なっ…ぶぐっ!ふおお!ぶぁぁ!」モガモガ

魔導師「口から直接、邪悪な念を流し込み…卑しく欲深な豚の魂を食い尽くす…」ガッ

大臣「ぶぐっ!むが!ふごぉぉ………っ」クラッ

大臣「」バタッ

魔導師「もがき苦しむサマもいい…?
だが憎らしい相手には…もがく事すら許されぬ苦しみを与えたいものだねぇ……」クックッ

大臣「(体が…言うことを……)」バクンバクン

大臣「っ……!っ……!」バクンバクン

大臣「ぶほあぁっ!?」ブバァッ

側近「ひっ」

大臣「」ピクピク

魔導師「これが世にも恐ろしい黒魔術の真髄……味わっていただけたかな?」
49:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 22:58:50 ID:7ZmvR.FKR.
大臣「」ピクピク

ファルージャ「フゥ〜…いつ見ても惚れ惚れするのう?そなたの摩訶不思議な術は?」

魔導師「お誉めに預かり光栄にございます。
この豚は助かりませんがよろしいか?」

ファルージャ「構わぬ。もう用はない」

将軍「陛下!そろそろ我らを呼び寄せた理由を伺わせていただけませぬか!」

女装家「アタシ達、三銃士が揃い踏みだなんてただ事じゃなさそうよねぇ?」

ファルージャ「おぉ、そうじゃった、そうじゃった?
貴殿らに頼みたい重要な話があるのだった?」ニヤリ

女装家「はっ!」

将軍「なんなりと!」

魔導師「……」

ファルージャ「はぁん…可愛い奴らよ…?では言うぞ…?」
50:🎏 ◆WEmWDvOgzo:2014/11/18(火) 23:01:26 ID:7ZmvR.FKR.
ファルージャ「〜〜〜という訳じゃ?」

将軍「永遠の命…?」

女装家「……」ポカーン

魔導師「んふふふ……」ニヤニヤ

ファルージャ「そなたらは妾に必要な物がなにか分かるかえ?」

将軍「そ、それは…やはりお世継ぎかと」

女装家「いいや!オネェ様に必要なのは完成された美を超えた更なる美よぉ!」

魔導師「……」ニヤニヤ

ファルージャ「いずれも正しい?確かに妾は美を手放せぬあまり、子を孕むという大事を拒んでおった?」

女装家「あーん!妊娠などなされては体型が崩れてしまいますものぉん!」

ファルージャ「しかし…永遠の命を手に入れたらば世継ぎなど不要じゃ?
妾は不朽の美を手に入れ、西の国の女帝として君臨出来る?」

将軍「おぉ!それはめでたい!」

女装家「陛下の美が永久に保たれるなんて……ステキ!」キラキラ

魔導師「……」ニヤニヤ

ファルージャ「クスス……誰でも構わぬ?妾の前に永遠の命と癒しの力を持って参れ?」

将軍「ヌハハハハ!たやすいこと!このカカドゥーラが成し遂げましょうぞ!」

女装家「いいや!アタシが陛下に永遠の美を約束してみせる!」

魔導師「……」

ファルージャ「フゥ〜…頼もしき子らよ?成功した暁にはそなたらの望む褒美を取らせようぞ?」

三銃士「」ピクッ

ファルージャ「では…しかと頼んだぞ?」

将軍「ははぁっ!」ザッ

女装家「はっ!」ザッ

魔導師「」ザッ
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名前:
sage:


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