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カロル「ボクが世界を変えてみせる」
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1: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/24(日) 19:26:09 ID:j5u3Ryt06o
前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-50


―――あらすじ―――

人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。

母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。

しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。

幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。


549: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/8(日) 00:26:51 ID:cj4.h9Yvsk
カロル「おかしいよ…!そんなの絶対に間違ってる…!」

オーオーオーオー

母「…坊や」

カロル「お母さま…?ねぇ、教えてよ…!どうしたらいいの!このままじゃ…!」

母「」ダキッ

カロル「えっ」ギュッ

母「…あなたがどんな選択をしてもお母さんは坊やの味方よ?」ニコッ

カロル「…やだよ。決めたくない」グッ

母「ツラいわよね…。ごめんなさい」ナデナデ

カロル「わからないよ…。戦っても戦わなくても…」

母「うん。そうね…。優しい坊やには難しいでしょうね…」

母「…でも決めないと?何もせずに全てを失うことになるわ?」

カロル「…やだ。お母さまと離れたくない」ウルッ

母「あたしもよ?あなたを失いたくない…」

ラム「…早くしてくれる?」

カロル「……」ギュッ

母「焦らなくていいの?大事なことだから、ゆっくり決めなさい?」ポンポン
550: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/8(日) 21:47:29 ID:52sGqmWho2
―――大樹の根元―――

司祭「のう?宣教師や?」

宣教師「……」

アリアス「」ズシッ

宣教師「っ…」ズシャッ

アリアス「返事は?」グリグリ

宣教師「……!」ギリッ

司祭「よい、よい?そう厳しくしてやるな?」

アリアス「躾は大事ですことよ?」

司祭「躾か…。あの犬は躾がなっとらんかったのう?」

アリアス「腕に噛み跡が付いてしまいましたわ?入念に手入れしてるお肌が…あのバカ犬のせいで?」ギロッ

マルク「くぅ……」ボロッ

宣教師「くっ…!」ジャリッ
551: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/8(日) 21:48:38 ID:.alfrJVIvQ
司祭「冥土の土産に聞かせてやろうか?この果実がなんなのか?」チョイチョイ

アリアス「お話してくださるそうよ?あなたが知りたがってた真実を?」グリグリ

宣教師「うっ…」ジャリジャリ

司祭「この真っ青に色付く大きな果実はアピシナの実と言ってなぁ?
命の結晶と言っても差し支えない程に豊潤な生命力を含んでおるのじゃよ?」

宣教師「だから…なんです?」キッ

司祭「古文書には…この実を食せば身体は最盛期まで若返り、永遠の命をもたらすとまで書かれておった」

宣教師「あり…えませんね。自然の摂理に反しています…」

司祭「ほう?」

宣教師「生命の理は…生まれ、育み、宿し、死ぬ。その4つに集約されています…。永遠なんて…あってはならない」

司祭「愚かじゃのう?生命の行き着くべき終着点こそが死の克服ではないか?」

宣教師「そんなの…あなた方のような…寿命では使いきれない欲望を抱えた人間が唱える絵空事です!」ムクッ

アリアス「はい、頭を上げない」ガンッ

宣教師「はぐっ」ドッ

アリアス「ウフフ…クセになりそう?」ニヤニヤ

司祭「これこれ?乱暴にしてはならんぞ?」

アリアス「失礼しました」パッ
552: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/8(日) 21:50:22 ID:52sGqmWho2
司祭「わしらの悲願はな。永遠の命を手に入れ、アピシナの実を栽培することなのじゃよ」

宣教師「ざい…あい?」ズルッ

アリアス「さ・い・ば・い、よ?」

司祭「古文書を解読し、発表した後にわしは考えた。永遠の命を手に入れるなら…利用する手があるんじゃないかと?」

司祭「アントリアに持ち掛けてみたところ、奴はもっと恐ろしい提案をしてきおったわ?」

宣教師「……?」

司祭「今ある王国を滅ぼし、わしらの国を造り上げるという計画じゃ?」

宣教師「……!」

司祭「わしらの国を…まぁ仮に神国とでもしようかの」ポリポリ

司祭「神国でアピシナの実を栽培し、今ある教団に席を置く教団員や信者を選別する」

司祭「この選別は清らかな心を持ち、美しい見た目をした人間を審査するものじゃ」

司祭「わしらの眼鏡に叶わぬ人間は排除し、切り捨てる。見事選ばれた者は神国の民となり永遠の命を授かるといった寸法じゃ?」

宣教師「…サイテーな国作りですね」

司祭「分からんかのう?この偉業が…?」

宣教師「分かりたくもありません…!」

司祭「わしは人でありながら神へと昇華される。人は永遠の命を求め、わしを敬い、平伏するじゃろうて?」

宣教師「…アントリア神官は?」

司祭「あやつはやはり生粋の学者肌じゃな。永遠を綴り、謎も未解決もなく歴史を伝えられればそれでいいと言っておる?」

司祭「わしが神として全人間の上に立った時からを初めの歴史として、独自に唯一無二の歴史書を創るのだと息巻いておったぞ?」

宣教師「あなたが神…やめておいた方がいいんじゃないですか?」

司祭「む?」

宣教師「さんざん人を騙してきたウソつきには荷が重いかと?」

ガスッ

宣教師「!」ドシャッ

アリアス「足が滑ったわ?」ガスッガスッ
553: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/8(日) 21:52:50 ID:.alfrJVIvQ
宣教師「う……うぁ……」ポタポタ

司祭「アントリアは巡礼が終わるまで怪しまれぬよう、向こうに出席しておる。わしらがアピシナの実をしっかりと見ておかんとな」

アリアス「はっ!」

司祭「宣教師や?お前さんも神国に住まんか?お前ならわしの条件を全て満たしておるぞ?」

宣教師「えんりょ…します」ズルッ

司祭「ふむ…残念じゃの。お前はわしのお気に入りだったんじゃが…やはりホビットに毒された影響か」

宣教師「…どうやって王国を滅ぼす気ですか?」

司祭「む?」

宣教師「王国の武力に…敵う見込みがあるとは思えません」

司祭「ほっほっ!いや、実はなぁ?もう滅ぼしとる真っ最中なんじゃよ?」

宣教師「えっ」

司祭「アントリアは顔が広くてのう?
他国の高官を信者に抱き込み、国内外を操作して今日の巡礼も執りなしてくれたんじゃが…」

司祭「今日の巡礼で王都はがら空きじゃろう?その隙に手を回しておいた他国の役人が兵を差し向けとる筈じゃ?」

司祭「王国の台頭を快く思わん国は腐るほどある」

宣教師「そ、そんな……」

司祭「ちなみに今日来ている他国の役人は…全員が今、王都を攻めてる国の人間じゃ?」ニタァ

宣教師「なにを…考えてるんですか!?都には関係のない民がいるんですよ!?」ガバッ

司祭「みたいじゃのう?」

宣教師「今すぐやめさせなさい!無益に血を流しているとお気付きにならないのですか!?」
554: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/8(日) 21:57:36 ID:.alfrJVIvQ
司祭「遅い遅い?もう止められんよ?ここから王都までどれだけの距離があるか?」

宣教師「……!」ググッ

司祭「それにな…わしの生まれた国もそうじゃったんじゃぞ?」

宣教師「え?」

司祭「他国に兵を差し向けとる隙を狙って王国の兵が手薄な城下周辺の町を攻めた…」

司祭「血を流したのは…関係のないわしら民じゃ…!」ギリッ

宣教師「……!」

司祭「なんとか生き延びて偶然アントリアの屋敷に拾われ、この国に潜り込んで…いったいどれほど、この時を待ちわびたか!?」

司祭「わしのもう一つの悲願はな…。復讐じゃよ?」ニタニタ

宣教師「……」

司祭「王国に祖国を侵略され、逃げた先でホビットに襲われて死にかけた…」

司祭「ホビットへの差別を徹底し、王国を滅ぼし、ようやっとわしの復讐は遂げられたのじゃよ!」

司祭「残すは神となり、永遠の幸福を手に入れる!全てを奪われ、失われた人生を取り戻して謳歌するんじゃ!」

司祭「ほーっほっほっほ!!」ゲラゲラ

宣教師「(こんな人に仕えて…本気で尊敬していたなんて…)」

宣教師「(…長い人生の中で復讐を忘れる機会はあったはず、なのに何故こんなにも歪んでしまったのでしょうか)」

宣教師「(哀れです…あまりにも…)」
555: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:12:44 ID:qvysZCTdTY
―――平原(荷車の仮置場)―――

バンッバンッ バンッバンッ

手下3「ちっ…まぁだ薬が効かないのか?」

手下4「ああも内側から叩かれちゃ扉が壊されちゃうかもな?」

手下5「ないない」フリフリ

バンッバンッ バンッバンッ バンッバンッ バンッバンッ

手下3「」ビクッ

手下4「お、おい」

手下5「明らかに大人数で叩いてるぞ?他のは薬が効いてたんじゃないのか?」

バンッバンッ バンバンバンッ バンッバンッ バンッバンッ バンバンバンッ

手下3「た、確かめた方が……」スクッ

手下4「や、やめとけって!」

手下3「でもお前…どうすんだよ?こんなんじゃ舞台に運んだ時に一斉に飛び出すかもしれねぇぞ?」アセアセ

ドォンッ

手下3&4&5「」ビクゥッ

ドォンッ

手下3「あ、お…おお…まさか大人数で体当たりしてんのか!」ビクビク

ダダダッ

手下6「どした!なんだ、このでっけぇ音は!?」タタタッ

手下7「周辺を見張ってたこっちにまで届いてるぞ!」

手下4「ほ、他の連中も全員集めてくれ!あの荷車だけ、なんかおかしいんだ!」

バッカァン!

ゾロゾロ ゾロゾロ

手下3「で、出やがったぞ!?」

手下5「や、やべ!」

ウオオオオ ドドドドドッ
556: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:15:29 ID:ckmSCZfrhU
ドカッ バシッ ズサァッ

ウワーッ オーッ ヒエエエー


ラム「やあっ!」ドカッ

手下3「ごっ!?」ドサァァ

手下4「と、飛び蹴りだとぉ!?ホビットの分際でナメたマネしやがって!?」チャキッ

ラム「……」ジッ

手下4「こ、こっちはなぁ…武器持ってんだ!おめぇらタダじゃおかねぇぞ!」

ガッ ガシッ

手下4「うおっ?な、なにしやがる?てめぇら、離せコラ!」ジタバタ

ラム「そのまま押さえてて」スッ

手下4「は、離しやがれ!このチビ共!」ジタバタ
557: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:16:29 ID:ckmSCZfrhU
手下3「う、うう…」ムクッ

手下3「あ…?あれ?俺のナイフは?」キョロキョロ

ラム「」ダッ

手下4「や、やめろ!やめろぉ!?」ジタバタ

ズンッ

手下4「がっ…うぐっ」タラー

ラム「痛いよね」グリグリ

手下4「あっうっ!あぎゃぁぁぁぁ!!!」ブシュッ

ラム「もっと上手に…鳴けよ!?」グリィッ

手下4「ギャアアアアア!?」ズチュッグチュッ

ラム「…離していいよ?」ブフッ

パッ スッ

手下4「あがっ…うぅぅ……」ズシャッ

ラム「身体から刃を抜かれても痛みは無くならないだろ?」

手下4「あうぅぅ……」ゴロゴロ

ラム「僕たちも同じさ?お前らに突き刺された刃の痛みが…全身に残ってるんだ!」ドスッ

手下4「ぎゃあっ!?」ビクンッ

ラム「差別して!なにもかも奪った!」ドスッドスッ

手下4「」ブシュッ ブバァッ

ラム「お前ら人間の非情な刃が!ずっと僕らに突き刺さってたんだ!」ドスッドスッ

ラム「死ね!死ね!死ね!死ね!死ねぇっ!!」ドスッドスッ
558: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:17:51 ID:ckmSCZfrhU
ラム「まず一匹…」スッ

ウオオオオオオオ!

「勝てる!勝てるぞぉ!」

「あの少年に続け!」

「思い知らせてやる!俺たちの恨みを!」

ラム「……?」キョロキョロ

ラム「カロルくん…?」
559: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:18:43 ID:ckmSCZfrhU
手下5「クッソォ!ちょこまかとぉ!?」ブンッブンッ

手下6「すばしこい!チビだからか!」タタタッ

手下7「か、数が多すぎる!俺たちだけで30匹も相手するのは無理だ!」

手下8「ぐわっ!やめっ!」ズダァン

手下9「まずい!あいつら、また武器を奪うつもりだぞ!?」

手下10「クソォッ!誰か!誰かウォルターさんに…ぐはっ!」ザシュッ

手下11「報告してもショーの途中じゃウォルターさんだって動けねぇよ!持ちこたえろ!」

手下12「ここで食い止めるんだ!じゃなきゃウォルターさんに殺られちまうぞ!?」

ドカスカ ギャーギャー
560: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:20:54 ID:ckmSCZfrhU
―――荷車の中―――

カロル「」ブルブル

母「坊や…始まってる」

カロル「ボクのせいだ…」ブルブル

カロル「ボクが…戦うって決めたから…!」ブルブル

母「…行きましょ?仲間が頑張ってるのにこんな場所で膝を抱えてもしかたないわ?」

カロル「やだ…!」

母「あたしも本当は…ううん。みんなそうよ」

カロル「……」ブルブル

母「誰も戦いたくなんかない。でも…戦うことでしか生きる道はないの」

母「坊やがいないと傷を負った仲間は戦えなくなる。それが続くと…みんな倒されて死んでしまうわ?」

母「…坊やの言うように人間の全てを嫌いにはなれないけど」

カロル「……?」

母「約束を破った教団とヘマトバザールは許せない…!」キッ

母「あの人間たちには正しいやり方は通じないのよ…!」

カロル「め、目が…こわいよ?」ビクッ

母「……」

カロル「そんなの…間違ってる。お母さまも言ってたじゃない?憎しみに呑まれたらいけないって…」

母「そうね…」

カロル「」ホッ
561: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:22:15 ID:ckmSCZfrhU
母「…でも我慢の限界よ。いつまで我慢したらいいの?
あたしたちホビットは絶滅するまで我慢を続けなくちゃならないの?」

カロル「!?」

母「夫も両親も大切な物は全て人間が奪ってきたんじゃない」

母「もしあたしが人間だったなら得られる筈だった幸せはいくつあったの?」

母「誰にも反対されずに結婚して子供ができた…。
転々とする必要もないから一つの家を建てて暮らせた…。
病に倒れた両親も医者に掛かれて元気になったかもしれないじゃない…」

母「夫と坊やと3人で…同じ食卓を囲んでお喋りできたんじゃない…!」

カロル「……」ポロポロ

母「泣けてくるわよね…。少し想像しただけでこんなに幸せがあったなんて…」

母「泣けて…くる…わよ、ね……あぁぁ!」ブワッ

カロル「ぅ…」ポロポロ
562: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:23:38 ID:qvysZCTdTY
ピシャッ ビチャッ

ラム「ふぅ…疲れた。あとはお前だけ?」スタスタ

手下3「お、おち…おつけよ…お漬け物?じゃなくて!落ち着けよ?」ハァッハァッ

ザッザッ ザッザッ

「キャハハ!こいつビビってる!」

「どうしてくれようか…?」ニヤニヤ

手下3「…た、助けてくれよぉ〜〜!俺はやらされただけなんだってぇ〜〜…!」ガタガタ

ラム「鍵は誰が持ってるの?」

手下3「え?」

ラム「鍵だよ。あと4台、荷車に同族がいるだろ?」

手下3「あ、あぁ…!あれなら今2台目の荷車を運んでる奴が持ってる!」

ザワザワ ザワザワ

手下3「さっき出てったばっかだ!今ならまだ追い付くぜ!」

ラム「……」チラッ

手下3「な、なんなら俺が案内……」

ラム「ありがと。気持ちだけもらっておくよ」ニコッ

手下3「そ、そう?じゃあ俺はおいとま……」

ラム「」ヒュンッ

ビシャッ シャシャッ

ラム「ホント最低の生き物だよね、人間って?」

手下3「え……」ガクッ

ラム「平気で仲間を裏切るんだから?」クスッ

手下3「」バタッ

ラム「汚いなぁ…。人間の血でびしょびしょ」パッパッ
563: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:26:28 ID:qvysZCTdTY
スタスタ スタスタ

ラム「…遅かったね。みんな必死で戦ってたのに何してたの?」ジロッ

カロル「……」

ラム「ま、泣き腫らした目を見れば分かるけどさ?お母さんに甘えてたんだろ?」

カロル「…かうよ」ボソッ

ラム「え?なに?聞こえないよ?」

カロル「ボクも戦う…」

ラム「へぇ…?」クスッ

カロル「そうしないと…お母さまの涙が止まらないもの…」

カロル「みんなの幸せも…奪われるんだもの」

カロル「戦うよ…」

ラム「」ニコリ

カロル「……?」

ラム「戦ってみたらいいよ。それが間違いなら全てが終わった後に僕らは思い知る」

カロル「……」
564: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/9(月) 21:27:23 ID:qvysZCTdTY
ラム「でもね、僕は後悔しない自信がある?
こうして同族と結束して憎い人間に仕返しできるのが楽しくてしょうがないんだ?」ニコニコ

カロル「……」

ラム「いい子の君には分からないだろうね?僕は悪者でいいさ?」

カロル「ボクはいい子なんかじゃないよ…」

ラム「君はいい子だよ?本当さ?こんな世界じゃなかったら誰よりもまず君と友達になりたかったかも?」

カロル「今、言うことじゃないと思うな…」

ラム「そうだね?仲間を取り戻さなきゃ?」

カロル「うん…」

ラム「あの車輪の跡を辿れば舞台に向かってる荷車に追い付けるよ」ビッ

カロル「…みんな無傷みたいだね?行く?」

ラム「うん、行こう」

オオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ダッ ダダダダダダッ
565: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/10(火) 22:06:49 ID:RvsogzPv8w
―――平原―――

ガタッ ガタタッ ズルズル

手下13「いや〜助かりましたよ。ここに持ってくるまで長かったもんで馬もヘバっちまって運ぶのに往生してたんですわ」

ダガ「戻る途中でたまたま見かけたんでな…。まぁ物のついでってやつだ」ズルズル

手下13「それにしても半端ないっすね。俺ら10人がかりでも重たい荷車を楽々動かしちまうなんて」

ダガ「ふ…まぁな。鍛え方が違うからよ」ニヤリ

ダダダダダダダッ

手下13「うわっ!なんだ、ありゃ!?」ビクゥッ

ダガ「あ…?」

手下13「な、なんか大群がこっちに向かってきます!」

ダガ「……」

手下13「あ、あぁ!?ホビットじゃねぇか!?なんで出てきてんだ!?」

ダガ「」パッ

ズゥン!

手下13「あ、ちょっ!なに離してんすか!?奴らが追い付く前に運んじまわねぇと!?」アタフタ

ダガ「ふ…おもしれぇ?」ニヤリ

手下13「はぁ!?なにが!?」

ダガ「どういうつもりか知らねぇが…要はねじ伏せてやりゃいいんだろ…?」コキッコキッ

手下13「む、むちゃくちゃ言わんでください!こっちは10人かそこらしかいないんすよ!?」

ダガ「ふ……来るぜ…!」

ドドドドドッ
566: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/10(火) 22:08:04 ID:w4WKmrgy6I
手下13「て、てめぇらなんのつもりだ!?自分が何してっか分かってんのか!?」チャキッ

ゾロゾロ ゾロゾロ

ダガ「パッと見30ってとこか…。楽勝だな…」ニヤニヤ

ザワザワ ザワザワ

ラム「大丈夫…怯えなくていいんだよ」

ダガ「よう、ガキ…?てめぇが先導したのか?」

ラム「この先はもっと辛い戦いになる…。こんな所で躓いてられない!」

オオオオオオ オオオオオオ

ダガ「し、シカトか、コノヤロウ…!?」ビキビキ

カロル「……」スッ

ダガ「……!」ハッ

カロル「」ジッ

ダガ「なるほどな…?てめぇの仕業か…!」ギリッ
567: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/10(火) 22:09:08 ID:w4WKmrgy6I
カロル「荷車の鍵をボクたちにください?」

ダガ「鍵…?」

手下13「やるわきゃねーだろ!?これはショーに使う時にしか開けねぇんだよ!」ジャラッ

ラム「持ってるのはあいつだ。奪おう」スッ

カロル「待って?」バッ

ラム「…カロルくん」ジロッ

カロル「少しだけ…時間をちょうだい」

ダガ「おい、ドブネズミ…。こりゃ一体なんのマネだ?」

カロル「鍵をください。ボクたちは無駄な争いを避けたいだけなんです」

ダガ「ふ……やなこった?」ニヤリ

カロル「お願いします。どうしてもそれが必要なんです」ペコリ

ダガ「おいおい?頭の下げ方が違うんじゃねぇか…?」ニヤニヤ

カロル「……」ジャリ

カロル「」スッ

カロル「」バッ

ダガ「そうだな?人間様に物を頼むんなら地面に頭擦り付けて土下座くらいしなきゃなぁ?」ニヤニヤ

カロル「…お願いします」ジャリィッ

ダガ「ふ…どうすっかな」フムフム

手下13「ち、ちょっと…!」

ラム「……」ジッ
568: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/10(火) 22:10:12 ID:RvsogzPv8w
ダガ「おい、寄越せ…?」バッ

手下13「は?」

ダガ「」ガシッ グイッ

手下13「あぁっ!?ちょっなにすっ……」ジタバタ

ダガ「寄越せってんだよ…?あ…?」ズイッ

手下13「く、苦し……」ギュゥゥ

ダガ「……へし折るぞ?」ギシッ

手下13「」ゾォッ

ザワザワ ザワザワ

手下13「わ、わか……た」ゴソゴソ

手下13「」ジャラッ

ダガ「ふ……」パシッ

手下13「はなひ…て……さい」プルプル

ダガ「」パッ

手下13「」ゲホッゲホッ

ダガ「」スタスタ

手下13「あっ…」
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名前:
sage:


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うpろだ
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