前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-50
―――あらすじ―――
人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。
母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。
しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。
幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。
2: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/24(日) 19:31:11 ID:ss79KI2Bic
あまり世間を知らない彼は密かに人間への憧れを募らせていました。
大勢で同じ場所に住み、同じ種族同士で助け合い、仲睦まじく暮らす姿が輝いて見えたのです。
友達を作ると決心した彼は好奇心の赴くままに積極的に人間と関わっていきました。
その中でたくさんの悲しみが生まれましたが良き理解者(宣教師)や同年代の友達(ルーボイとパッチ)に出会い、希望に沿った道を拓きます。
しかしそれも束の間の幸せでした。
ホビットと人間の関係は幼い考えには収まらない程に難しいもので。
ホビットを狙う組織(ヘマトバザール)、差別を促す教団、利用する王国、疑問に思わない人々
すでに出来上がっている仕組みは隔たりとなり、一時の繋がりはあっけなく引き剥がされてしまったのです。
失った繋がりを取り戻す為に教団の思惑を受け入れた親子は司祭の企みによって一つの真実を暴かれました。
それは息子のカロルが癒しの力を持っていた事です。
癒しの力とは教団の伝える伝承にも書かれており、ホビットが人間から奪ったとされる力
カロルが持っていた力は司祭の陰謀を加速させ、愛する母とも離ればなれにしてしまいました。
目に映らない所で崩れる友情。
一部の非情な人間の魔の手。
自分に向けられた野心と憎悪。
そして遠ざかる幸せな日々。
今、カロルは司祭にそそのかされ、王国へと連れられています。
はたしてホビットの親子に本当の幸せは訪れるのでしょうか?
小さな身体に宿る希望は未だ微かに残っています。
………………
3: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 11:23:33 ID:RCXCl5If6k
―――王国領(正門前)―――
馭者1「着きましたぞー!各々方!」ピシャリッ
馬「ひひーん!」ズザザッ
司祭「腰が痛いのう…。ようやっと着いたか…」スッ
アリアス「ダガの方の馬車がまだ着いていないようですが…」スッ
司祭「行き先は決まっておるのじゃから追ってくるじゃろうよ。わしらは先に行こう」
馭者1「あのーお連れさんが降りてくれないんですが…」
司祭「む?おい、はよう降りてこんか!」
シーン
アリアス「…ちょっと見てみます」スタスタ
カロル「くぅ…くぅ…」スヤスヤ
マルク「」グースカピー
アリアス「…寝ていますね」
司祭「叩き起こせ!!」
4: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 11:27:50 ID:RCXCl5If6k
―――城下町―――
カロル「わぁ……!」パチクリ
マルク「わふーん?」キョトン
カロル「ねぇ、見て!マルク!地面が石で出来てるよ!?」タタタン
マルク「うぅ~」ムスッ
カロル「あ、硬くて歩きにくいの?」
マルク「くぅん…」ションボリ
カロル「大丈夫!ボクが抱っこしてあげるから!」エッヘン
マルク「わう!?」ビックリ
カロル「え?平気だよ。前はよくしてあげたじゃない?」
マルク「わっわんっ!?」ムリムリムリムリ!
カロル「ほら、おいで?足が痛くなっちゃうでしょ?」バッ
マルク「……」ハラハラドキドキ
カロル「う…!」ググッ
マルク「」ビクビク
カロル「あ…わ…わわっ!…あぁ!?」フラフラ
ドッスン!
マルク「きゃいんっ!」ドサッ
5: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 11:32:16 ID:RCXCl5If6k
アリアス「入国手続きが済んだのだけれど…あなた何をしてるの?」
司祭「そこは寝そべる場所ではないぞ」
カロル「あ…あはは」テレテレ
マルク「クゥーン…」ムギュ
6: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 11:34:37 ID:RCXCl5If6k
アリアス「あ、そうそう。大事なことを言い忘れてたわ?」
カロル「? どうしたの?」キョトン
マルク「?」キョトン
アリアス「あなた、靴を脱ぎなさい」
カロル「えっ」
7: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 11:49:26 ID:Zn..IGjcXM
―――城下町(大通り)―――
ワイワイガヤガヤ
アリアス「相変わらずの賑わいですね」スタスタ
司祭「ほっほっほ。さすが都は華やいでおる。田舎暮らしが長い年寄りの耳にはよく響くわい」スタスタ
カロル「うぅ…あ、足が痛いよー…」ペタペタ
司祭「我慢せい。王国本土に靴を履いて歩くホビットなぞおらん」
カロル「なんで靴を履いたらダメなんですか?」
司祭「ふむ…それはじゃな」
商人「ほら、どいたどいた!」ドンッ
カロル「わっ」ドサッ
商人「ちょいと!そこの神父様!」
司祭「む?わしのことかえ?」
商人「そうですとも!あなたですよ!まさしくあなた!」
アリアス「このお方は神父では……」
司祭「よいよい、気にするな」
アリアス「で、ですが仮にも司祭様に対して神父などと…」
商人「おっと、これは失礼!お付きの美人シスターさんにもご挨拶し忘れてましたね!」タハハ
アリアス「そ、そう?まぁ神父と司祭の違いなんて些細なことですわね。ふふふ!」
司祭「こやつ……」
8: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:00:47 ID:RCXCl5If6k
商人「ここで会えたのも神様のお導きによるものでしょう!いろいろ見てってくださいな!?」
司祭「悪いが先を急いでるんでな。またここを通った折にでもいくつか見せてもらうとしよう」
商人「そんなー!?ちょっとくらい、いいじゃないですか!?」
アリアス「あなたしつこいわね?司祭様は忙しいと……」
商人「そこをなんとか頼みますよぉ!ぴっちぴちなシスターのお姉さん!」ゴマスリスリスリ
アリアス「どうします?ここまで言ってますし何か見ていきますか?」
司祭「見ないと言っとろうが!口車に乗せられるな!」
9: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:03:09 ID:Zn..IGjcXM
商人「いいじゃないですか!いいじゃないですかー!」
司祭「いいかどうかはわしが決めるんじゃ!客に指図するな!?」
アリアス「あの…司祭様」オズオズ
司祭「なんじゃ!?」クルッ
アリアス「…い、いなくなってます」
司祭「何がじゃ!」
アリアス「癒しの力がいなくなってます…。ついでに犬も…」
司祭「なんじゃとぉ!?」
商人「探し物でしたらこちらの金属探知機などいかがでしょう?
砂鉄にも反応する優れものですよ!今なら負けに負けて銀貨たったの50枚!」
司祭「やっかましいぃぃぃぃぃぃ!!!!」
商人「ひえっ」
司祭「探せ!何がなんでも見つけ出すんじゃ!!」
アリアス「か、かしこまりました!」ダッ
10: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:05:06 ID:Zn..IGjcXM
ワイワイガヤガヤ
カロル「結局、裸足でお揃いになっちゃったね?」ペタペタ
マルク「あんっ!」ニコニコ
カロル「司祭のおじいさまったらお話の途中ではぐれちゃうんだもん。どこにいるんだろ?」キョロキョロ
マルク「……わふんっ」ヤレヤレ
カロル「わぁーっ!あっちに大きい建物がいっぱいあるよ?それに道がたくさん分かれてて迷路みたい!」ペタペタ
マルク「ハッ!ハッ!」キョロキョロ
ザワザワ ザワザワ
「ちょっと…あれホビットじゃないの…?」ヒソヒソ
「犬と歩いてるぜ…?どっかの貴族に捨てられたのか…?」
カロル「?」
「お、おい!こっち見たぞ!」
「気味が悪いわね…!ホビットのクセにどういうつもりよ!」
カロル「ご、ごめんなさい…」
「うわっ!喋った!」
「な、なんで話しかけてくんだよ!仲間だと思われんだろうが!?」
マルク「ばうっ!ばうっ!」フシュー
カロル「あっ…マルク、吠えちゃダメでしょ!」アセアセ
「きゃあっ!威嚇してるわ!?」
「憲兵に報告して取っ捕まえてもらおう!あんなのにうろつかれちゃ迷惑だ!」
マルク「ばうっ!ばうっ!」
カロル「もう!ダメって言ってるでしょ!行くよ!」
11: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:07:00 ID:Zn..IGjcXM
カロル「…ありがとう。ボクを守ってくれようとしたんだもんね?」ペタペタ
マルク「わんっ!わんっ!」プンプン
カロル「けど…何か言われても吠えたりしたらダメだよ?」
マルク「クゥン」シュン
カロル「ボクは慣れっこだから。マルクも気にしなくていいよ」ナデリ
マルク「……」コクリ
12: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:08:20 ID:RCXCl5If6k
―――城下町(広場)―――
カロル「王国って広いねー?」
マルク「うぅ~?」クンクン
カロル「うん。いい匂い。向こうのテントみたいな所で何か焼いてるのかな?」
マルク「」ジュルリ
カロル「マルク、よだれ出てるよ?」クスッ
マルク「……」グゥー
カロル「お腹空いちゃった?」
マルク「あんっ!」コクコク
カロル「ふふ。司祭のおじいさまを見つけたら頼んでみるよ」
マルク「きゃん!」シッポフリフリ
13: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:13:31 ID:Zn..IGjcXM
カロル「石のお家なんて見たことなかった!あっちには温泉があるよ!」
マルク「わんっ!」
「あれは温泉じゃないよ。噴水って言うんだ」
カロル「え?」クルッ
小太りの男「やあ?やっぱりそうだったんだね?」
カロル「おじさまは…?」
小太りの男「おいらかい?おいらはゴイルってんだ?」
カロル「…ボクになにか用ですか?」
ゴイル「お近づきの印だ。お菓子をお食べ?」つ【キャンディ】
カロル「え…でも…」モジモジ
ゴイル「人の好意は素直に受け取るものだよ?華やぐ都では必要なたしなみだ」ニコニコ
カロル「じゃ、じゃあ…ありがとうございます」パシッ
カロル「」パクッ
ゴイル「…そうそう。よーく味わってね?」
カロル「は、はい…」コロコロ
ゴイル「おいしいかい?」
カロル「はい!おいしいです!」ニコッ
ゴイル「そうか。それは良かった」
カロル「都の人間って優しいんですね!」コロコロ
ゴイル「うん、まぁね…」
ゴイル「(あ、あれ?おかしいな…。そろそろ薬が効いてもいい頃なんだが…?)」
14: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:18:33 ID:Zn..IGjcXM
カロル「ありがとうございました!」
ゴイル「ど、どういたしまして」
カロル「それじゃ行こっか?」
マルク「あんっ!」
ゴイル「あっ…いや…あの…ちょっと待って!」アセアセ
カロル「?」クルッ
ゴイル「(こ、こうなっちゃしょうがねぇ…)」
カロル「おじさま?」
ゴイル「…ふんっ!」ドフッ
カロル「ぐっ…!うぇっ……!?」ガクン
ゴイル「痺れ薬を混ぜたアメを食ってなんともねぇとは…どうなってんだ、こいつ?」グイッ
マルク「うぅ~…わんっ!」グルルルルル
ゴイル「ヒヒヒ!なんにしろ思わぬ収穫だ!こいつは高く売れるぞぉ!」グッ
マルク「わぐぅっ!!」ガブッ
ゴイル「いたっ!イタタタタタ!な、なにしやがんだ、このクソ犬!?」ブンッ
マルク「ぎゃんっ!」バタッ
ゴイル「この!この!この!」ゲシゲシッ
マルク「きゃっ!きゃいんっ!」
ゴイル「はぁっ…はぁっ…」ゼーゼー
マルク「」ピクッピクッ
ゴイル「ペッ」ペッ ビチャッ
ゴイル「胸くそ悪い!」ズカズカ
カロル「う…うぅ…まる…く……」キゼツ
15: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:19:57 ID:Zn..IGjcXM
―――城下町(広場)―――
アリアス「どこに行ったのよ…!勝手に歩き回るなんて何考えてるの!?」タタタッ
花売り「お花。お花。かわいいお花。赤いお花に真っ白な花。幸運を呼ぶ桃色の花~」ラララー
アリアス「あなた!!」ガシッ
花売り「ひゃっ!?」ビクンッ
アリアス「大きい犬と歩いてる子供のホビットを見かけなかった!?」
花売り「い、いえ」ビクビク
アリアス「そう…ありがとう」
花売り「あ、お花いかがです?色とりどりのかわいいお花!」
アリアス「…遠慮しておく。邪魔してごめんなさいね」ダッ
花売り「…なんだったのかしら」ボーゼン
16: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:23:38 ID:RCXCl5If6k
町人「あぁ!それならさっき見ましたよ。主人の手を離れて歩くホビットなんて目立ちますからね」
アリアス「どこ?どこに行ったの!?」グワシッ
町人「え、えーと…奴隷商人のゴイルがさらってきましたよ」
アリアス「奴隷商人ですって!?」
町人「えぇ。胡散臭い奴でしてね。あまりいい噂は聞かない男ですよ」
アリアス「…ゴイルの店はどこにあるの?」
町人「確か…繁華街にひっそりとある路地から階段を通って地下に行くと奴の店があるとか」
アリアス「なんでそんな奴が普通に市街を闊歩出来るのよ…」
町人「ご存知ありませんか?人身売買はホビットに限り、王国公認の商いなんですよ」
アリアス「…つまり犬や猫を売るのと同じ感覚って訳ね」
町人「はい。ここ2、3年で流行りだした商売です。
といってもゴイルのようなごろつき紛いの人間がやるんですから健全とは言えませんがね」
17: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:31:09 ID:Zn..IGjcXM
―――城下町(正門前)―――
司祭「なにぃ!?奴隷商人に捕まったじゃとぉ!?」
アリアス「も、申し訳ございません。一足違いでした…」
ダガ「いつもすかしてやがる割に…とんだ間抜けだぜ。やっぱり俺が付いていきゃよかった」
アリアス「…黙りなさい」
司祭「ともかく行くしかあるまい…。アレを失えば今までの努力が水の泡になる…!」
ダガ「お任せください。俺が力付くで奪い返してやりますよ」
司祭「たわけがっ!」
ダガ「は…?な、なんで…?」
アリアス「はぁ…あなたってどうしようもないバカね?」
ダガ「な、なにを…!」ピクッ
アリアス「ここは大聖堂じゃないのよ?私たちの管理下にない場所で好き勝手に出来ると思う…?」
ダガ「どういう事だ?」チンプンカンプン
アリアス「見知らぬ土地で客として来た店で暴れたり店主を脅して品物を奪ったらどうなる?」
ダガ「…品物が根こそぎタダになるな。万々歳じゃねぇか?」
アリアス「……」
司祭「もうよい。その馬鹿はほっておけ」
ダガ「なっ!?」
18: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 12:38:58 ID:Zn..IGjcXM
アリアス「なんでも裏通りはバックヤードと呼ばれていて入るには特別な証が無ければならないようです」
司祭「ふむ、今から手にいれるのは面倒じゃな。そんな事をしている間に売られでもしたらとんでもないぞ」
ダガ「それもこれもてめぇが目を離しやがったからだ…」ジロッ
アリアス「…あなたに言われる筋合いはない」
司祭「ダガよ。お前の馬車のアレはどうなっとる?」
ダガ「アレですか?ひどい熱を出したまま寝込んでましたんで馭者に任せてありますが?」
司祭「小僧が渋り出した時に人質として使おうと思っていたが…今、使ってしまうか」
ダガ「は?」
司祭「奴ら奴隷商人は稀少なホビットを喉から手が出るほど欲しがっとる筈じゃ。
アレを持って行けば証を立てずとも通れるじゃろうて」
アリアス「そうですね。早く持ってきなさい」
ダガ「ちっ…命令すんじゃねぇよ。では持って参ります」スタスタ
アリアス「…大丈夫でしょうか」
司祭「なんとかするしかなかろうが…?あの小僧の存在はもはやわしらだけの問題ではないんじゃぞ?」
アリアス「……」
19: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 20:40:08 ID:34aMYRyu/2
―――バックヤード(城下町裏通り)―――
ジロジロ ジロジロ
司祭「ふん…。煩わしいのう。群れたハイエナの視線が付きまとう…」スタスタ
アリアス「絶対に面倒を起こすんじゃないわよ?」スタスタ
ダガ「分かってるさ。それにしてもこいつを見せただけであんなにあっさり通れるたぁな?」ググッ
母「」ハァ…ハァ…
司祭「所詮はならず者の巣窟じゃからな。それよりも絶対に落とすでないぞ?」
ダガ「ちっ…こんなの担いで歩かなきゃなんねぇのか…」ブツブツ
ダガ「(やらけぇ乳が当たるわやらしい吐息が当たるわ役得だらけじゃねぇか…)」ニヤニヤ
アリアス「だらしない顔で歩かないでくれる?一緒にいて恥ずかしいのだけれど?」
ダガ「う、うるせぇよ…」
20: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 20:42:14 ID:2ys.Ih6noA
アリアス「…大通りのように周りから声を掛けてくる様子はないですが」
司祭「ふむ…そのようじゃな。ダガ!」
ダガ「かしこまりました…。おい!ちょっといいか?」スッ
薬剤師「」ジロッ
ダガ「奴隷商人のゴイルって男を知らねぇか?」
薬剤師「知らんね…。他当たんな」プイッ
ダガ「あぁ…?同じ所で商売しといて知らねぇはねぇだろ?」
薬剤師「ふん…」
ダガ「てめぇ…」ズイッ
司祭「ダガ!」
ダガ「ちっ…」
21: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/27(水) 20:44:32 ID:2ys.Ih6noA
薬剤師「なんなんだい、あんたら?冷やかしなら余所に行ってくれよ?」
司祭「すまんすまん。そう言わずに話だけでも聞いとくれ?
実はこやつが担いどるメスのホビットを売りに出したいんじゃが…」
薬剤師「…それならウチで買い取ってやろうかい?」
司祭「ほう?いくらじゃね?」
薬剤師「金貨7枚でどうだ?病持ちのホビットには破格の値だ」
司祭「ほっほっほ。年寄りをからかうもんではない?」
薬剤師「ふんっ…」
司祭「…ゴイルの店に案内してくれれば駄賃は弾むぞ?」
薬剤師「…身なりから察するに教団の人間だろう?それもかなりのお偉いさん…おそらく司教か?」
司祭「それを聞いてなんとする?ヘタな詮索は控えるのが裏世界の作法じゃろうて?」
薬剤師「別に…。ここのところよく見かけると思っただけさ」
司祭「…わしらの他にもいるのか?」
薬剤師「…ヘタな詮索は控えるのが裏世界の作法だろ?」
司祭「くっ…」イラッ
1002.46 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】