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三蔵「…岩から尻が生えている」
[8] -25 -50 

1: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 01:13:20 ID:clfaSnFbdM
尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」

三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」

尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」

三蔵「しかし無駄に毛深いな」

尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」

三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」

尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」

三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」

尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

尻「おい」

三蔵「下の毛とか意味わかんない」

尻「おいこら」


630: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:54:59 ID:tii46iCmxk
八戒「それはお主が勝手に言うとったダケじゃろが!」

卯「でも別に嫌だとも止めろとも言わなかったじゃんかよ、悟能も」

八戒「あ、あの時はじゃな、誤解されて面倒な者も居らんかったしじゃな………なんじゃ皆、ヒソヒソと」

悟空「……結婚詐欺に一票」

沙悟浄「…それだね。アタイも
も結婚詐欺に賭けるよ」

三蔵「おいおいみんな結婚詐欺にしたら賭けが成立しねぇじゃんよ」

八戒「うぉい」

卯「あっはっは、詐欺られてなんてないですよ。むしろ悟能の助言のお陰で、商売が上手くいって助かってたくらいなんですから!それに嫁とは言いましたが、オレはコイツが大きくなるまで待ってから夫婦になろうと」

八戒「じゃからワシは成長しきってコレじゃと何度も……」

沙悟浄「あ、そーいやそうだね、八戒姐さん見た目幼女だもんね」

悟空「お師匠さまに慣れてるせいで、ロリコンに違和感を覚えなくなっちゃってたね」

三蔵「……ん?つまり何か?卯さんはロリコンでも無いのに八戒を……?え、コイツの何処に女として惚れる要素が」

悟空「中身は脂ぎった中年オヤジだもんねぇ……」

悟空「しかも意地悪でドがつくスケベで変態さん」

八戒「うぉい!フォローが無いと思うたら、いつまで固まっとるんじゃ小龍!」
631: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:57:54 ID:ld1lzIwMT6


八戒『皆は先に部屋に戻っておけい!ちょっと此奴と話があるだけじゃ!ええい姉者、何をニヨニヨしとるか、しっしっ!』



沙悟浄「くくく……なんか可愛かったねぇ、八戒姐さん」

三蔵「女の子みたいだったな」

悟空「女の子ですけどね。てゆーか………良いの?シャオくん」

小龍「……はい?」

悟空「あのオジサンと二人で飲んでるんだよ八戒ちゃん。良いの?」

小龍「…良いの、の意味がよくわからないのですが……」

悟空「だぁかぁらぁ〜!二人っきりなんだよ?なんかあるかも知れないんだよ?」

小龍「…悟能様なら、万の軍勢が襲ってきても平気ですよ?それは悟空さんも知って…」

悟空「そぉじゃなくてぇ〜!昔の恋人さんっぽいんだよ?焼けぼっくいに火がついちゃうかもなんだよ?空白の時間を埋める濃厚なベッドインかもなんだよ?」

小龍「……閨事でしたら、屋敷に居らした頃から毎日のように相手を取っ替え引っ替えされてましたし」

悟空「そぉじゃないじゃぁぁぁんっ!ソレとは全然違うよ男の人だよ!?あの八戒ちゃんがだよ!?心配じゃ無いのシャオくぅん!」

小龍「…一体悟空さんは何をそんな興奮して……」

三蔵「悟空は何気にこーゆーの好きだからな。露骨なノロケじゃなくこーゆー大人の恋愛小説っぽい感じ」

沙悟浄「気持ちは解らないでもないけどねぇ……しかし完全な女色だと思ってた八戒姐さんが……男ねぇ?なんか変なカンジだよ」

悟空「お師匠さまぁ〜、シャオくんが全く理解してくれないぃぃ」

三蔵「そんなに気になるなら八戒んトコ行けば良いだろ。下の酒家に居るんだから」

悟空「いや、それは野暮ってゆーか、大人げないかなぁって……」

三蔵「大人毛の塊だもんなお前」

悟空「それぜったい字が違うよね!」

小龍「………………」
632: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:59:10 ID:ld1lzIwMT6



卯「と、と、と………サンキュー!………んはぁ!やっぱ悟能に注いで貰う酒は格別だな!」

八戒「はん。どぉ贔屓目に見ても安物じゃろが。料理は悪くないが、まあこの田舎では酒は期待出来ぬわな」

卯「お、おいおい……店の人に聞かれるぞ……相変わらず失礼だなお前は」

八戒「お主こそ、相も変わらずガタイに似合わん小心者じゃの」

卯「それを言うなって、あはは」

八戒「じゃから頭を撫でるでない」

卯「しかし悟能がまさか、天下の三蔵法師様の御一行とはなぁ。噂じゃ猪八戒って言やあ、黒豚の巨怪って聞いてたんだが」

八戒「しかもマヌケでスケベとなっとるの。まったく。……ま、色々あったんじゃ。……マオ、お主は何をしておった」

卯「マヌケじゃあないけど、スケベは否定出来んな、あっはっは!……ん、まあオレも、色々だ」

八戒「……そうか。………って誰がスケベじゃ。お主に言われたくないわい、このエロ本マニアが」

卯「いやいや、むしろどんだけ隠し場所を変えても探し出すお前こそエロ嗅覚が凄いだろ!」

八戒「あれは隠し場所がズサンなダケじゃ。だいたい豚小屋に隠す時点で……なんじゃ、ワシの顔になんぞ付いとるか?」

卯「いや。……オレの嫁さんは、変わらず可愛いな、と思ってさ」

八戒「……お主に嫁いだ覚えなぞ無いと言うておるじゃろ、この阿呆が」

卯「しっかし大きくならんなお前。オレ巨乳好きなんだけどなー」

八戒「ほほほ、では永遠に好みの女にはなれんわい残念じゃったのぉ!」

卯「あっはっは!」

八戒「……ぷっ………ほほほほ……!」
633: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:01:29 ID:ld1lzIwMT6




八戒「んんん、夜風が心地好いのぅ………♪」

卯「酒が入ってっから良いが、じゃなかったら肌寒いくらいかもな」

八戒「砂漠が近いのじゃ。昼間と夜の温度差が、この季節ならばまだ良いが、冬になれば更に酷くなるぞい」

卯「へええ。悟能はなんでも知ってるな」

八戒「関心するだけで、何故そうなるかを訊かんのがお主のダメな所じゃの」

卯「あっはっは、難しい話になりそうなもんで。で、どこまで歩くんだよ、悟能」

八戒「…………………」

卯「……悟能?」

八戒「…………夢が、覚めるまで………かの?」

シュルッ……

卯「お、お前なに脱いでんだ外だぞ!?風邪引くぞ!」

八戒「………乳は無いし、何より幼子の体躯じゃが…………」

卯「おい悟能っ!」

八戒「…………抱いて、くれるか?………マオ…………」

卯「悟能…………………」

八戒「…………………………………………ほ、ほほほほほ……!黙ってしまったのう。いや、喋れぬ、動けぬ筈よ」

卯「………………………」

八戒「ワシがこの様に迫り、そしてお主がどんな反応をするか……………ワシには見当がつかぬのじゃから」

卯「………………………」

八戒「………のう?ワシのマオよ」

卯「………………………」

八戒「………のう?…………死んだ男よ……」
634: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:03:33 ID:ld1lzIwMT6

ズズズズズズズ…………


狐面の男「術が解けて居たか」

八戒「……ワシが思う、ワシが考える………ワシの中のマオ、そのものであった………そりゃそうじゃの、『ソレ』を具現化されて居ったのじゃから」

狐面の男「確実に化かした自信があったのだが。流石は天蓬元帥」

八戒「化かす………成程、田畑の悪戯も貴様じゃな。ワシらを留まらせる為と言うた所か………ほほ、いや見事に化かされておったよ。はじめ、マオが生きとる事に疑問を抱かんかった………」

狐面の男「惜しかったと言うわけか。この狐阿七(こあしち)、詰めが甘かったようだ。名を上げるチャンスだったのだが」

八戒「狐………ほほ、まったく、狐の妖にはロクな奴が居らんのう………」

狐阿七「さて、真正面から闘り合うつもりは無い」

八戒「……なんじゃ、つれない。………懐かしき夢を見させてもろうた礼じゃ……楽に逝かせてやるぞい」

狐阿七「怖いな。悪いが逃げさせて貰おう」

ズズズズ………

八戒「………そうか。好きにせい」

狐阿七「天蓬元帥、次こそ」

ドスッ

狐阿七「………がぁぷ……!?」

ズシャッ……

小龍「………………」

八戒「…次は、無さそうじゃの」

小龍「…余計な手出し、お許しを」

八戒「……いや。ようやった、小龍。不殺の約束、お主のお陰で守れたわい」

小龍「……悟能様」

八戒「………奴は……マオはの。お主と出会う前に………と、これは話したか。………一年程度じゃが、共に暮らしておったんじゃ」

小龍「…………はい」
635: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:09:37 ID:eo8hmY6MeU


『じゃーかーらっ!豚小屋に捨てられとったワケでは無い!ワシは天蓬元帥じゃ!貴様如き虫ケラ、一瞬で塵と出来るのじゃぞ!?』

『そうか……親に捨てられたショックでそんなワケわかんない事言ってるんだな……かわいそうに………』

『違うと言うておろーがぁっ!!』



八戒「………ワシの妖力も見てとれぬ程に弱くての。まあ殺すのは何時でも出来ると思い、当面の宿として、奴の所に転がり込んだのじゃ」

小龍「……………はい」



『お主アホじゃのう、ほれこの店じゃ。ここはいつもお主の豚を買うてくれるじゃろ?他に無理して売り捌くより、この店に安く卸してやれい』

『え、でも安くしたら儲けが……』

『それが阿呆じゃと言うんじゃ。定期的な収入がじゃな……ええい、もう良いワシが仕切るっ!』

『任せたよ奥さん』

『言うとれ』



八戒「勝手に嫁だのと呼びよって、そのくせ扱いは娘同然じゃったわい。何がしたかったのか……今もようわからん」

小龍「………………」



『おーい帰ったぞ悟能!見ろ、今日は熊肉を買ってきた!お前これ好きだもんな、あっはっは!』

『…………………』

『ん?なんだ?生で食うなよ?』

『阿呆。………何故マオは、それほどワシに良くする?嫁じゃとかそーゆーいつもの馬鹿話ではなく、じゃ』

『いや馬鹿話のつもりじゃあ…………そうだなぁ………………拾ったから、かな』

『………なんじゃそら』

『あっはっは、なんだろな?よくわからん!』

『………可笑しな奴め』
636: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:12:03 ID:eo8hmY6MeU

八戒「……………そして、ある日、死んだ。殺された。………ワシの留守中、金目当ての賊に押し入られて、の。特に珍しくも無い話じゃ」

小龍「………………」

八戒「商売が成功してなんだら、狙われんかったやも知れん。ワシが殺したとも言えるのう」

小龍「…そんなこと……!」

八戒「………ほほほ、良い。……ほほ、今宵は……冷えるのう………」

小龍「…悟能様、御召し物を……お身体に障ります」

八戒「………後ろを向け、小龍」

小龍「………はい…?」


………トッ


小龍「……っ」

八戒「………少し……少しの間………背中を借りる………」

小龍「……借りるも、何も。………私の全ては、悟能様のモノです……」

八戒「…………ふ…ふぐっ………え、う、ぐぅぅ………!!!」





637: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:19:11 ID:2twRS1Q.AA








悟空「………ねぇねぇってばぁ!あの後どーなったの?どーなったの?」

八戒「昔話をして、それで終わりじゃと言うたろうが。なんじゃウザいぞ姉者」

悟空「違うもん私にはわかるもん!今日の八戒ちゃんオトナっぽいもん!姉妹弟子間で隠し事は良くないと思います!」

八戒「ええい、しつっこい……!」

悟空「ほらシャオくんだって気になるでしょ?澄ました顔で八戒ちゃん運んでないで、一緒に質問攻めに」

三蔵「よし、八戒ちょっと小龍から降りろ」

八戒「うお?なんじゃコリャ、引っ張るで無いっ!」

沙悟浄「で、悟空姐さんがシャオに乗りな。ほらとっとと!」

悟空「ふえ?え?なになに?」

小龍「…悟浄さんも、良ければどうぞ」

沙悟浄「お、二人乗りかい、良いねぇ。………っと、よっし飛ばしなシャオっ!」

小龍「…しっかり掴まってて下さいね」

悟空「な、なに?走るの?なんでっ?うわっ…………そういえば馬のシャオくんの背中初めてかも!」
638: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:28:08 ID:fI31rUQC0k

八戒「………助け船のつもりか?」

三蔵「あん?舟なんか無くても空飛べるじゃんお前」

八戒「…どっから見ておった、この出歯亀め」

三蔵「いや君のヌードなんて見てないよ?」

八戒「この……まず一人で出歩くで無……まああの様子では、悟浄も一緒か」

三蔵「あいつ寝ないで人の寝顔見てやがった怖い」

八戒「ほほほほ、では置いてきぼりは姉者のみか、ほっほっほっほっ」

三蔵「………平気そうだな」

八戒「誰に物を言うとるか、師匠殿よ。………それより小龍、どこまで走る気じゃ?もう見えなくなるぞ」

三蔵「おお?おい置いてくなっ!人数比的にこっちが迷子っぽくなるだろが!おーい!待てって!」



悟空「うわぁぁあすごいすごい!これ気持ちいいっ!」

沙悟浄「へえ、アンタ結構スピード出るんだねシャオ、そんじょそこらの名馬顔負けだよ!」

小龍「…まだまだ、後半の伸びが私の持ち味ですから」

悟空「……なにそれ競馬?」

沙悟浄「八戒姐さん……ほんと教育に良くないねぇあの人は……」

三蔵「待てっつーのお前らーっ!」





八戒「ほほほ………………マオよ。ワシはもう二度と失わん。じゃから安心せい。……安心して、ワシの中で眠っておれ」


ヒュオオオオオッ……


八戒「………さらばじゃ、我が夫殿」




〜劇了〜
639: 名無しさん@読者の声:2014/2/27(木) 20:19:49 ID:q1gq9EEtOQ
ヨシュアさん乙です!!面白かった!

ろくちゃんが悟空の妹ということは、牛魔王の妹にもなるってことですかね?

個人的には牛魔王と奥様方の馴れ初めや、ほかの兄姉の話など読みたいです…チラッチラッ
640: 名無しさん@読者の声:2014/2/28(金) 08:31:42 ID:mOxADzsLmI
くそぅ…八戒ちゃんの最後の一言で泣いてしまった!
641: 名無しさん@読者の声:2014/3/5(水) 22:36:36 ID:.Y.RrahXfA
番外編もっと欲しいなあ
642: ヨシュア【TVスペシャル・前編】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:38:13 ID:DYTtg.AA2o
ヒュオオオオオ………

沙悟浄「………まさかアンタと戦り合う日が来るとはねぇ………シャオ」

小龍「…悟浄さん………御覚悟を」



西遊閑話 〜西天は紅く萌えているか〜



八戒「………………」

小龍「………………」


ごくう「ちょ、しっぽ!しっぽひっぱんないでぇ!」

金角「そんごくー、ちっちゃーい!」

銀角「ねーたん、わたち、わたちよりちっちゃいこ、はじめて!」

沙悟浄「あああん姐さん可愛い……!お友達と遊ぶ我が子……公園デビューって、こんな感覚なのかねぇ……♪」

三蔵「色不異空、空不異色、色即是空、空即是色……」


八戒「ちと賭……買い物から帰ったら、なんじゃこのカオスは」

小龍「……平頂山で会った双子ですね。何故ここに」

ごくう「いたたた……あ、八戒ちゃんとシャオくん、おかえりなさい!」

金角「ぶたのおねーしゃん」

銀角「りゅーのおにいたん」

八戒「おうおう、久しいのう。して何用か………や、その前に姉者よ。まあ悟浄がトリップしとるのは良いとして、アレはどうしたんじゃ?」

ごくう「あれ?」

小龍「…ベッドの隅で壁に向かって般若心経を唱えてる、アレです」

ごくう「ああ……なんか『光景が素晴らし過ぎて、このままじゃ俺はダメになってしまう』とかで、さっきからあんなんなってる」

八戒「下手に徳がある変態は難儀じゃの」

小龍「…とっくにダメになってるでしょうに」

三蔵「究境涅槃三世諸仏!」
643: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:40:32 ID:DYTtg.AA2o
金角「なんでそんごくー、ちっちゃいの?」

沙悟浄「アタイの娘だからだようっ♪」

ごくう「ちがうよ!れいのごとくにょいぼーにムリさせたら、この体たらくなだけだよ!」

小龍「…朝、寝ボケて……と言うのが恐ろしいですね」

ごくう「はんせいしてます」

八戒「ワシ等がとっさに気付いたから屋根だけの被害で済んだが、まったく。ハタ迷惑な朝勃ちじゃの」

ごくう「いやべつにせいりげんしょーじゃ。あとサラッとそーゆーの口にしちゃダメ!ちっさい子がいるんだから!」

三蔵「お前が一番小せぇけどな」

ごくう「あ、おちつきましたか、おししょーさま」

三蔵「や、未だ身体の一部分は落ち着いてないけど」

ごくう「だからやめなさいそーゆーの!」

八戒「して、金角銀角よ、今日は何しに来た?」

金角「……えと、じーしゃまから、おてがみ」

銀角「わたちたち、おつかい」

八戒「ふむ、太上老君殿からか。どれ、貸してみい」

金角「だめ」

銀角「ぶたのおねーたんには、みせちゃだめって、じーたまが」
644: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:41:42 ID:DYTtg.AA2o
八戒「なんじゃそら。良いから渡せい。………ふむ、確かに太上殿の字じゃな」

三蔵「また厄介事か?何が書いてあんだ?」

八戒「…………………!」

ごくう「……八戒ちゃん?」

八戒「……ふへ?あ?なんじゃ?」

三蔵「いや、だから何が書いてあんのかって」

八戒「あ〜………いや、別に大した事は書いてないのう。と言うか……うむ。これワシ宛じゃな、うむ。ほれ、九歯馬鍬のメンテナンスについてとか、色々と」

三蔵「……いやそれならなんでお前には渡すなって」

八戒「それは……ワシに渡さないとダメ、と言われたのを、此奴等が聞き違えたんじゃろ、幼子じゃしのう。あ、そうじゃ師匠殿、まだ数日はこの町に居るじゃろ?宝具のメンテは集中力がいるからの、ワシちょっと近くの山にでも籠ってやってくるわい。………じゃあの!」

バタンッ

三蔵「……小龍」

小龍「…はい、後を追います」

ごくう「……シャオくんでだいじょーぶ?」

三蔵「お前らがそんなだから仕方ないだろ」

沙悟浄「そうだ姐さんお弁当持って公園行こう!デビューしちゃおう!」

ごくう「うんわかってたけど訊いてみただけー。あつくるしいから離れてごじょーちゃん」
645: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:45:42 ID:DYTtg.AA2o







沙悟浄「親子三人でお出かけ………んふふふぅ……♪」

ごくう「くやしいけど肩車はちょっと楽しい」

三蔵「お前ら気楽だな………っと……此処だ」

沙悟浄「なになに、『領主主催、比武大会』………ふぅん、そこそこデカい催しなんだねぇ」

ごくう「拳法のたいかいなんだね。わたしも出たかったなあ………」

三蔵「ええと、コレだ。優勝賞品、世にも珍しい赤水晶。賞金もまあまあ出るのに副賞までか、儲かってんだな、ここの領主」

ごくう「それをねらってるの?八戒ちゃん」

沙悟浄「アタイらに嘘吐いてまで、あの人は……」

三蔵「ん。怪しかったから観世音様呼び出して正解だったぜ、あの幼女め」

受付嬢「あら、参加希望者さん?」

三蔵「え、あ、はい。いや俺じゃなくて」

沙悟浄「アタイが出るよ。名前は沙悟………じゃなくて、流沙、で登録頼むよ」

ごくう「るさ?」

三蔵「……俺らそこそこ有名人だろ。本名はマズイ」

受付嬢「あらあら、奥さんに闘わせるだなんて、良い御身分ねぇ旦那さん。うふふ」

沙悟浄「お、奥さん………んふ、んふふふふぅ……♪」

三蔵「……もうそれで良いです。あ、つかぬコトを訊きますが、ココにナース服の幼女が来ませんでした?」

受付嬢「ええ、お昼過ぎだったかしら。ふふ、参加希望だなんて言うから、笑っちゃったわ。この辺りは武術が盛んで、若い武道家も多いから年齢制限も13歳以上、ってしてるんだけど……どう見ても8、9歳なんだもの」

三蔵「なるほど。これはザマアミロだな」

受付嬢「で、諦めて、なんかボーイフレンドが登録してったわよ。ええと……ロン選手ね。あの子も13歳にしては幼く見えたけど、まあ男の子だしね、許してあげたわ」

ごくう「ほら予想どーり、ミイラとりがミイラになってるよ……」
646: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/6(木) 12:47:02 ID:DYTtg.AA2o
沙悟浄「……相手はシャオかい」

三蔵「いいか悟浄、その赤水晶………いや、宝具『紅珠(こうしゅ)』。絶対に八戒の手に渡しちゃいけない。悪いが頼む」

沙悟浄「そうだねぇ……旦那様の頼みだし、まあ………でもシャオだけなら良いけど、他の選手は武道家とは言え人間だからねぇ………手加減が難しいね」

ごくう「う、それがあるね。やっぱわたし出なくてよかったかも……あ」

八戒「………ち、嗅ぎ付けたか」

小龍「………………」

三蔵「………八戒」

八戒「処罰は後で幾らでも。それこそレオタードでもブラジル水着でも着てやるわい。………じゃが今回は、譲れん」

三蔵「……観世音様から聞いたぞ。人間が使っても大した事無いから領主が持っている分には構わないが、世に出るのならば阻止しなくちゃ、だそうだ。だからその紅珠を壊して欲しい、ってのが今回の上の要望らしいぜ。悪用されん為にな」

八戒「………ある程度使ったら、考えてやるわい」

三蔵「お前…!おい小龍、お前もなにアッサリと寝返ってやがる」

小龍「………私も、お叱りは後ほど」

ごくう「…………なんかシリアスしてるけど、ようはアレでしょ?その道具って」

沙悟浄「……観世音さんが言うには、『対象者の精神に作用して、その気分や身体の状態を好きに操る』……まあ、エゲツないっちゃエゲツない道具だねぇ」

三蔵「………お前、そんなモノ手に入れて、どうするつもりだ……!」

八戒「………ふ、知れた事…………」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

八戒「あの娘もこの娘もエッチな気分でヌレヌレにしてウハウハに決まっとろうが!!ふほほほほほほほほほ!!」

三蔵「こんにゃろ開き直りやがった!」

ごくう「八戒ちゃん………」

沙悟浄「禁欲が祟ったかねぇ………目がイッちゃってるよ……」

八戒「今回はワシ止まらんからな!こんなチャンスを見逃すワシではないわ!行くぞ小龍、悟浄なぞケッチョンケチョンにしてやるのじゃ!」

小龍「…………はい」

三蔵「お前はそれで良いのか小龍」

ごくう「イヤならイヤって言おうよシャオくん……」
647: 名無しさん@読者の声:2014/3/6(木) 15:50:24 ID:iluM/Oud42
ヨシュアさんありがとうおおおおおお!!!!
そして安定の変態ご一行様
648: ヨシュア【TVスペシャル・中編】 ◆.frSdr10QQ:2014/3/7(金) 17:10:55 ID:07CqOQjenA






太上老君「いやはや、申し訳無い!まさか元帥の嬢ちゃんが、ここまで暴走するとは」

三蔵「まったくだぞジーサン。鋼の絆の三蔵一行が、見事に真っ二つだ」

ごくう「もぐもぐ……エロでこわれるとか、プリンなみの強度でしたねぇ」

太上老君「しかしあの娘、もそっと理性的かと思うとったんぢゃが」

三蔵「ウチの八戒を嘗めるなよ。遊園地では強姦未遂、ギャンブルに熱くなれば全財産を注ぎ込み、己が欲の為なら師匠すら欺く。気持ちいいくらいのダメ幼女だぞ?」

太上老君「ほっとんど大魔王ぢゃのう、ひょひょ」

ごくう「かわいいとこもあるんだけどねぇ……」

三蔵「見た目以外、どこに………おう、お疲れ」

沙悟浄「ん、予選終わらせて来たよ。あぁ手加減疲れた………で、拾って来たよ。予選会場は選手しか入れないからねぇ」

小龍「…………逃げませんから、あの、離して………」

三蔵「よぉぉ裏切り者」

小龍「………裏切るもなにも……私は悟能様の従者で………」

ごくう「でもわるいことなんだよ!シャオくん、めっ!」

小龍「………こ、この程度………悟能様的に悪事の範疇では………」

太上老君「あの紅珠は、古の戦争……その血塗られた戦いが残した、負の遺産ぢゃ。壊さねばならぬ。御主ならばそれが解ろう?」

小龍「………て、天部の言など、私は信用しませ……」

沙悟浄「で?アタイをケチョンケチョンにするってぇ?言うようになってきたのは良いけど……ちょいと吹き過ぎてやしないかい?ねぇシャオ……?」

小龍「…………私が………言った……訳じゃ………」

三蔵「なあ小龍、俺も男だから八戒の野望は解らんではないが、ある意味今回は全女性の危機だ無視できん。暴走してるアイツに付き合う必要無いぞ?」
649: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/3/7(金) 17:13:47 ID:wEh.JxV2So
小龍「………………」

ごくう「…ね、ねえ、そろそろかわいそうになってきたんだけど」

小龍「…………れ、でも……!」

沙悟浄「あん?」

小龍「…それでも!私は悟能様の味方ですっ!」

三蔵「ぐぬ」

沙悟浄「………忠義、かい」

ごくう「おおう、なんかカッコいい…!」

太上老君「……主君の過ちを正してやるも、臣下の務めぞ、玉龍よ」

小龍「……………い…」

ごくう「い?」

小龍「…良いじゃないですか!あんなに欲しがってるんですから、ソレあげましょうよ悟能様に!だって悟能様が欲しがってるんですよ!?きっと手に入れたら悟能様、喜びますよ!?」

ごくう「甘ぁぁぁっっ!!?」

三蔵「忠義どころかタダの溺愛じゃねーか甘やかしMAXじゃねーか!」

小龍「…なんとでも言ってくださいっ!……てあっ!」

沙悟浄「おわっ!?」

小龍「………幸か不幸か、最後までぶつかりませんが………決勝で会いましょう、悟浄さん……!」

ヒュンッ

沙悟浄「ちょ、待ちなシャオ………うわあ、本気だよあの子……」

太上老君「………国を亡ぼすタイプの王と側近じゃの」

ごくう「……うん……八戒ちゃんをダメにしてるのはシャオくんだ、とはおもってたけど………」

三蔵「アイツも輪をかけてダメダメだったな!」
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名前:
sage:


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