尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」
三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」
尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」
三蔵「しかし無駄に毛深いな」
尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」
三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」
尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」
三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」
尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」
三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」
尻「おい」
三蔵「下の毛とか意味わかんない」
尻「おいこら」
617: 名無しさん@読者の声:2014/2/23(日) 21:59:47 ID:2gpOsOdCJk
八戒ちゃん可愛いけど悪の親玉みたいww
618: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 06:42:52 ID:4TidOYto2A
沙悟浄「こぉゆぅほんの小さな出来事から、愛は傷つくんだよねぇ」
小龍「…そして雪のように流れて消えてゆくワケですね」
木叉「……ぬ、ぬぐぐぐ……………わぁったわい!!何とかすればエエんやろ何とかすれば!!くぅぅ、着任早々裏に手ぇ回したり黒いコトせなアカンとは……!!」
八戒「ほほ、不正くらい慣れておくべきじゃて、上に立つ者ならばのう」
木叉「……どこまで悪人やこの幼女……!そいでもココで釈放は無理やで!上で少し説教かましてからやな……追放って事で処理したるわ!それがボクの精一杯や!クソッ!」
六耳獼猴「………なんで……オマエらまで……」
八戒「うむ?姉者の妹御とあらば、ワシ等の姉妹も同じじゃ。のう?」
沙悟浄「そうさ。アンタも乳なんか気にするんじゃないよ、女は度胸さね」
小龍「…いや自分も気にして……なんでもありません」
六耳獼猴「………姉妹……ワプッ!?」
ごくう「よかったぁ!よかったよぉろくちゃんっ!えへへへ……!」
六耳獼猴「………ソンゴクウ……」
三蔵「他はともかく、悟空に対して女のコンプレックスとか無意味だぜ?見ろよ普段より今の方が色気があるくらいだし」
ごくう「それはおししょーさまがロリコンだからですよ……」
六耳獼猴「………は、ハハハハ……!」
木叉「……じゃあそろそろ行くで。あー気分悪いわ……!」
八戒「睨むな睨むな。男前が台無しじゃぞ?ほっほっほ」
三蔵「……あ。で、お前どーすんだ?上で色々済んだら、一緒に来るか?」
ごくう「そーだよろくちゃん!たのしいよ!」
619: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 06:44:40 ID:4TidOYto2A
沙悟浄「良いねぇ、来なよ。旅は道連れ、ってね?」
小龍「…悟浄さんは、女性が加わるのは反対するかと思いましたが」
沙悟浄「……アタイ、双子用のベビーカーに憧れるんだよねぇ……!」
八戒「此奴まで縮ませるつもりじゃったか……どうする六耳よ、ワシは無い乳も大好物じゃし、歓迎するぞ?」
六耳獼猴「……イヤ、山に戻る。あんなデカ乳と並んでナド歩けるか」
ごくう「ろくちゃん……」
六耳獼猴「……でも……ソノ………だな……」
ごくう「?」
六耳獼猴「………タマには……遊びに……キテくれると……嬉しい……かも。…………お、おねえちゃん…」
ごくう「……うんっ!いくよ!ぜったいいく!……えへへ…!」
620: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 07:05:12 ID:75kB6ULjKA
……むかしむかし、大陸を行脚する一行が居たそうな。
小龍「……よい、しょ」
八戒「なんじゃ小龍、その荷物は」
小龍「…はい、今さっき宿の店主に呼び止められまして。いつもの郵便だと思ったのですが」
沙悟浄「なんだい八戒姐さん、今度はナタの奴に金でもタカったのかい?」
八戒「んなことしとらんわい。そもそもワシまだ今回は返事出しとらんのじゃが……」
……その一行、各地にて妖魔を滅し、弱きを助け、強きを挫く。さながら正義の使者と謳われたそうな。
小龍「……ええと、いえ、悟空さん宛ですね。手紙も付いてます」
悟空「えっ私?貸して貸してっ!……誰からだろ………わっ、わっ、ろくちゃんだ!」
三蔵「しかし天界ってすげえよな、何処に居ても居場所バレて……悟浄、そろそろ腕の感覚が恋しいかなぁ師匠は」
沙悟浄「姐さんを亡くした悲しみを癒せるのは、旦那様の温もりだけなんだよぅ!すりすりっ!」
……一行の主は、世にも名高き高僧、玄奘三蔵法師。供に連れるは武勇に優れた、妖の弟子たち。
悟空「いや私生きてるよ!良いじゃん今回はリクエストに応えて『おかあさん』って呼んだじゃん!」
三蔵「むしろそれで悪化したんじゃねぇかな」
悟空「まったくもう………えっと……」
『おねえちゃんへ。許サレタ。山に帰れタ。気がムイタら、ネグラへ来い。マッテる』
悟空「よかった……えへへ………字ぃ下手だなぁ、えへへ……」
……曰く、猪八戒、沙和尚、玉龍。そして孫行者。
八戒「で、このダンボールは何なんじゃ?ん、結構重いのう……開けても良いか?」
621: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 07:07:42 ID:75kB6ULjKA
悟空「え、うん。なんだろ……山の果物とか送ってくれたのかな………えっと」
『追伸・ネグラのベッドの下にアッタ書物だガ、おねえちゃんのダロウ?捨てるニモ売るニモ恥ずかしクテ困ってイタ。引き取レ。』
悟空「……花果山の家の……ベッドの下………」
……師を守らんと闘う姿、その忠誠。それは物語となり、空を駆ける。
八戒「…『ボクの身体は彼の玩具』『背中に触れるカタイモノ』『その長槍で貫いて』………」
小龍「………漫画……ですか。随分と年期の入った」
沙悟浄「悟空姐さん………」
三蔵「お前エロ漫画を妹に送らせるとか、どんな姉ちゃんだよ」
……人々は敬意をもって、彼等を『五聖』と呼び崇めたそうな。
悟空「ちっ、違うのっ!私が頼んだワケじゃ、あ、あうう、恥ずかしいから中身広げないでぇっ!」
八戒「全般的にハードなタイプが好みなんじゃのう、姉者」
悟空「やめてー!特にシャオくんそんな目で見ないでぇぇぇぇえっっ!」
……今宵の御話は、これにておしまい。
622: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/24(月) 07:11:21 ID:W43xDnLuTo
『孫悟空 対 孫悟空』
脚本 ヨシュア
主題歌『GO WEST!』歌/三蔵一行
挿入歌『コイスルドクロ』歌/沙悟浄
店員「お待たせしましたぁ、こちらカシスオレンジと、ジントニックでございまぁす」
虎力大仙「あ、カシオレ私。追加は……良いや、あんがと」
店員「ごゆっくりどうぞぉ」
虎力大仙「……いつまでメソメソしてんのよアンタ。ほら、おかわり来たわよ」
紅孩児「だって……放置って……いくらなんでも放置って……!」
虎力大仙「そのハナシ何回目よ。飽きた」
紅孩児「虎力さぁぁん……冷たいぃぃ………慰めのキスくらいしてくれてもぉぉ……!」
虎力大仙「酔いすぎよバカ。……ゲ、もう朝方?ヤバい私そろそろ帰んないと」
紅孩児「えええ!?こんな状態の僕を置いて!?」
虎力大仙「いや、鹿力がさ、カレー作ってたから。一晩おいた鹿力のカレーやばいから。食べ逃すワケにはいかない」
紅孩児「僕よりカレーを取るのぉ!?ひどいよ虎力さぁん!ううう……ひどいよぉ………悟空ーっっ!!!」
劇了!
623: 名無しさん@読者の声:2014/2/24(月) 08:13:39 ID:mCU9rSPiNc
テーマソング聴きたいwww
624: 名無しさん@読者の声:2014/2/24(月) 12:55:46 ID:zL1WLCW5ps
悟空も変態ww
625: 名無しさん@読者の声:2014/2/25(火) 18:33:11 ID:6KdyPMHBok
乙!
626: 名無しさん@読者の声:2014/2/26(水) 21:22:30 ID:O0RYAJ0eU2
終わりなのか(´;ω;`)
お疲れ様でした!
627: ヨシュア【OVAみたいなそんな】 ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:50:49 ID:tii46iCmxk
「おおおお……田畑が甦って行くだ……!」
「流石は仏の御遣い様だぁ、ありがてぇ、ありがてぇ……!」
「なんとお礼を言ったら良いだか……!」
三蔵「いえいえ、僧侶として当たり前の事をしたまでですよ。皆さんのお役に立てた、それだけで満足です」
「おお、なんて欲の無い……!」
「そんなわけにはいかねぇだ、なんかお礼を……!」
八戒「ふむ。これで今夜の飯と宿はゲット出来たかの」
悟空「だねー。でも営業スマイルのお師匠さま、いつ見ても気味が悪いね」
小龍「…田畑に呪いがかけられて居たのは事実ですし、それを助けたワケですから……多少のドヤ顔は我慢しましょう」
悟空「あはは、まあコレしか能が無いもんね、お師匠さしっぽっ!!?」
三蔵「だーれが能無しだ毛玉め」
八戒「御苦労じゃった、師匠殿。しかし本当に水神様とやらの呪いじゃったのか?」
三蔵「んにゃ、そんな大層なもんじゃ無いんじゃね?呪った、ってより、化かした、くらいのレベルだったし……ん?悟浄は?」
小龍「…悟浄さんは、『旦那様のカッコいい所を他の女に見せたら大変な事に』とかで、近くの広場に村の女性を集めて、なにやら護身術を教えています。男性も結構参加してましたが」
八戒「大方悟浄目当ての助平じゃろうな。ま、この辺りの治安も微妙じゃし、悪い事では無かろ。しかし気になるのう……何故こんな田舎の村の田畑になぞ……」
悟空「頭締め付けられなくなったと思ったら、最近しっぽばっかもう………で、お師匠さま。ゴハンとかは?」
三蔵「ん、オッケーだ。村の酒家の2階が宿になってるらしい、もちろんタダ飯タダ宿だ!」
悟空「わーい!」
小龍「…では荷物を……あ、悟浄さん」
628: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:52:22 ID:tii46iCmxk
沙悟浄「居た居た。旦那様、終わったみたいだね。……ほら、八戒姐さんならそこのメイド服だよ」
悟空「……そのオジサン、誰?」
沙悟浄「えっとだね……」
八戒「普通こういった場合、金やら食料やら、貢物を要求されとるモノじゃが……むう……ほ?」
男「悟能っ!」
ガバッ!!
八戒「……っ!!?」
小龍「…なっ……!」
沙悟浄「ば、馬鹿アンタっ!」
悟空「は、は、八戒ちゃんに抱きついた……!」
三蔵「みんな周りの人を逃がせ!そして俺らも逃げようまだキレんなよ八戒!」
八戒「………マ……」
男「あっはっは!悟能だ!あっはっはっは!」
八戒「…………マオ……!」
八戒後伝 〜A Midsummer Night's Dream〜
629: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:53:22 ID:tii46iCmxk
八戒「え、ええい離せ!マ、卯(マオ)、お主どうして……コラ抱き上げるでないっ!」
卯「あっはっはっはっは!」
悟空「し、知り合い……?」
三蔵「おい悟浄、この人何なんだ」
沙悟浄「いや……講義の最中、子供でも使える護身術を教えた時に、八戒姐さんの事をちょろっと話したら食い付いてきて……」
小龍「…ご、悟能様……」
卯「やー、良いんですかね、オレまで晩御飯ご馳走になっちゃって!」
八戒「……マオじゃ。小龍を拾うより前、下界に落とされた直後に………まあ、ワシが少し世話になった男じゃ」
卯「自己紹介が遅れました!マオと言います!女みたいな名前でしょ、あっはっは!」
悟空「…もぐもぐ……あれ?オジサン妖怪?」
卯「おお、鋭いな!まあ弱いけどね!あとオジサンはやめてくれ、まだまだ若いつもりだぜ、オッパイちゃん!」
悟空「オッパイちゃん……」
八戒「…血のうっすい半々妖じゃ。人間と殆んど変わらんわい、ザコじゃザコ」
卯「変わらず口が悪いなぁコイツめ!」
八戒「…ぬう、頭をポンポンと叩くで無い……!」
小龍「……………」
沙悟浄「おーいシャオ〜?……ダメだ、見た事の無い御主人様を目の当たりにして固まっちゃってるよ」
三蔵「しかしあの八戒を……ああ、ソイツの事です。妹……いや娘みたいに扱いますねアンタ。すげえな」
卯「あ、そう見えます?嫌だなぁ、そんなんじゃ無くて……」
八戒「ま、待てマオ!」
卯「コイツはオレの嫁ですよ!」
三蔵「……よめ?」
沙悟浄「………ヨメ……って………」
悟空「嫁ぇぇぇぇええええっっ!!?むぐっ!!?……ちょ、み、水、詰まっ……!!」
630: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:54:59 ID:tii46iCmxk
八戒「それはお主が勝手に言うとったダケじゃろが!」
卯「でも別に嫌だとも止めろとも言わなかったじゃんかよ、悟能も」
八戒「あ、あの時はじゃな、誤解されて面倒な者も居らんかったしじゃな………なんじゃ皆、ヒソヒソと」
悟空「……結婚詐欺に一票」
沙悟浄「…それだね。アタイも
も結婚詐欺に賭けるよ」
三蔵「おいおいみんな結婚詐欺にしたら賭けが成立しねぇじゃんよ」
八戒「うぉい」
卯「あっはっは、詐欺られてなんてないですよ。むしろ悟能の助言のお陰で、商売が上手くいって助かってたくらいなんですから!それに嫁とは言いましたが、オレはコイツが大きくなるまで待ってから夫婦になろうと」
八戒「じゃからワシは成長しきってコレじゃと何度も……」
沙悟浄「あ、そーいやそうだね、八戒姐さん見た目幼女だもんね」
悟空「お師匠さまに慣れてるせいで、ロリコンに違和感を覚えなくなっちゃってたね」
三蔵「……ん?つまり何か?卯さんはロリコンでも無いのに八戒を……?え、コイツの何処に女として惚れる要素が」
悟空「中身は脂ぎった中年オヤジだもんねぇ……」
悟空「しかも意地悪でドがつくスケベで変態さん」
八戒「うぉい!フォローが無いと思うたら、いつまで固まっとるんじゃ小龍!」
631: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:57:54 ID:ld1lzIwMT6
八戒『皆は先に部屋に戻っておけい!ちょっと此奴と話があるだけじゃ!ええい姉者、何をニヨニヨしとるか、しっしっ!』
沙悟浄「くくく……なんか可愛かったねぇ、八戒姐さん」
三蔵「女の子みたいだったな」
悟空「女の子ですけどね。てゆーか………良いの?シャオくん」
小龍「……はい?」
悟空「あのオジサンと二人で飲んでるんだよ八戒ちゃん。良いの?」
小龍「…良いの、の意味がよくわからないのですが……」
悟空「だぁかぁらぁ〜!二人っきりなんだよ?なんかあるかも知れないんだよ?」
小龍「…悟能様なら、万の軍勢が襲ってきても平気ですよ?それは悟空さんも知って…」
悟空「そぉじゃなくてぇ〜!昔の恋人さんっぽいんだよ?焼けぼっくいに火がついちゃうかもなんだよ?空白の時間を埋める濃厚なベッドインかもなんだよ?」
小龍「……閨事でしたら、屋敷に居らした頃から毎日のように相手を取っ替え引っ替えされてましたし」
悟空「そぉじゃないじゃぁぁぁんっ!ソレとは全然違うよ男の人だよ!?あの八戒ちゃんがだよ!?心配じゃ無いのシャオくぅん!」
小龍「…一体悟空さんは何をそんな興奮して……」
三蔵「悟空は何気にこーゆーの好きだからな。露骨なノロケじゃなくこーゆー大人の恋愛小説っぽい感じ」
沙悟浄「気持ちは解らないでもないけどねぇ……しかし完全な女色だと思ってた八戒姐さんが……男ねぇ?なんか変なカンジだよ」
悟空「お師匠さまぁ〜、シャオくんが全く理解してくれないぃぃ」
三蔵「そんなに気になるなら八戒んトコ行けば良いだろ。下の酒家に居るんだから」
悟空「いや、それは野暮ってゆーか、大人げないかなぁって……」
三蔵「大人毛の塊だもんなお前」
悟空「それぜったい字が違うよね!」
小龍「………………」
632: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 15:59:10 ID:ld1lzIwMT6
卯「と、と、と………サンキュー!………んはぁ!やっぱ悟能に注いで貰う酒は格別だな!」
八戒「はん。どぉ贔屓目に見ても安物じゃろが。料理は悪くないが、まあこの田舎では酒は期待出来ぬわな」
卯「お、おいおい……店の人に聞かれるぞ……相変わらず失礼だなお前は」
八戒「お主こそ、相も変わらずガタイに似合わん小心者じゃの」
卯「それを言うなって、あはは」
八戒「じゃから頭を撫でるでない」
卯「しかし悟能がまさか、天下の三蔵法師様の御一行とはなぁ。噂じゃ猪八戒って言やあ、黒豚の巨怪って聞いてたんだが」
八戒「しかもマヌケでスケベとなっとるの。まったく。……ま、色々あったんじゃ。……マオ、お主は何をしておった」
卯「マヌケじゃあないけど、スケベは否定出来んな、あっはっは!……ん、まあオレも、色々だ」
八戒「……そうか。………って誰がスケベじゃ。お主に言われたくないわい、このエロ本マニアが」
卯「いやいや、むしろどんだけ隠し場所を変えても探し出すお前こそエロ嗅覚が凄いだろ!」
八戒「あれは隠し場所がズサンなダケじゃ。だいたい豚小屋に隠す時点で……なんじゃ、ワシの顔になんぞ付いとるか?」
卯「いや。……オレの嫁さんは、変わらず可愛いな、と思ってさ」
八戒「……お主に嫁いだ覚えなぞ無いと言うておるじゃろ、この阿呆が」
卯「しっかし大きくならんなお前。オレ巨乳好きなんだけどなー」
八戒「ほほほ、では永遠に好みの女にはなれんわい残念じゃったのぉ!」
卯「あっはっは!」
八戒「……ぷっ………ほほほほ……!」
633: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:01:29 ID:ld1lzIwMT6
八戒「んんん、夜風が心地好いのぅ………♪」
卯「酒が入ってっから良いが、じゃなかったら肌寒いくらいかもな」
八戒「砂漠が近いのじゃ。昼間と夜の温度差が、この季節ならばまだ良いが、冬になれば更に酷くなるぞい」
卯「へええ。悟能はなんでも知ってるな」
八戒「関心するだけで、何故そうなるかを訊かんのがお主のダメな所じゃの」
卯「あっはっは、難しい話になりそうなもんで。で、どこまで歩くんだよ、悟能」
八戒「…………………」
卯「……悟能?」
八戒「…………夢が、覚めるまで………かの?」
シュルッ……
卯「お、お前なに脱いでんだ外だぞ!?風邪引くぞ!」
八戒「………乳は無いし、何より幼子の体躯じゃが…………」
卯「おい悟能っ!」
八戒「…………抱いて、くれるか?………マオ…………」
卯「悟能…………………」
八戒「…………………………………………ほ、ほほほほほ……!黙ってしまったのう。いや、喋れぬ、動けぬ筈よ」
卯「………………………」
八戒「ワシがこの様に迫り、そしてお主がどんな反応をするか……………ワシには見当がつかぬのじゃから」
卯「………………………」
八戒「………のう?ワシのマオよ」
卯「………………………」
八戒「………のう?…………死んだ男よ……」
634: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:03:33 ID:ld1lzIwMT6
ズズズズズズズ…………
狐面の男「術が解けて居たか」
八戒「……ワシが思う、ワシが考える………ワシの中のマオ、そのものであった………そりゃそうじゃの、『ソレ』を具現化されて居ったのじゃから」
狐面の男「確実に化かした自信があったのだが。流石は天蓬元帥」
八戒「化かす………成程、田畑の悪戯も貴様じゃな。ワシらを留まらせる為と言うた所か………ほほ、いや見事に化かされておったよ。はじめ、マオが生きとる事に疑問を抱かんかった………」
狐面の男「惜しかったと言うわけか。この狐阿七(こあしち)、詰めが甘かったようだ。名を上げるチャンスだったのだが」
八戒「狐………ほほ、まったく、狐の妖にはロクな奴が居らんのう………」
狐阿七「さて、真正面から闘り合うつもりは無い」
八戒「……なんじゃ、つれない。………懐かしき夢を見させてもろうた礼じゃ……楽に逝かせてやるぞい」
狐阿七「怖いな。悪いが逃げさせて貰おう」
ズズズズ………
八戒「………そうか。好きにせい」
狐阿七「天蓬元帥、次こそ」
ドスッ
狐阿七「………がぁぷ……!?」
ズシャッ……
小龍「………………」
八戒「…次は、無さそうじゃの」
小龍「…余計な手出し、お許しを」
八戒「……いや。ようやった、小龍。不殺の約束、お主のお陰で守れたわい」
小龍「……悟能様」
八戒「………奴は……マオはの。お主と出会う前に………と、これは話したか。………一年程度じゃが、共に暮らしておったんじゃ」
小龍「…………はい」
635: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:09:37 ID:eo8hmY6MeU
『じゃーかーらっ!豚小屋に捨てられとったワケでは無い!ワシは天蓬元帥じゃ!貴様如き虫ケラ、一瞬で塵と出来るのじゃぞ!?』
『そうか……親に捨てられたショックでそんなワケわかんない事言ってるんだな……かわいそうに………』
『違うと言うておろーがぁっ!!』
八戒「………ワシの妖力も見てとれぬ程に弱くての。まあ殺すのは何時でも出来ると思い、当面の宿として、奴の所に転がり込んだのじゃ」
小龍「……………はい」
『お主アホじゃのう、ほれこの店じゃ。ここはいつもお主の豚を買うてくれるじゃろ?他に無理して売り捌くより、この店に安く卸してやれい』
『え、でも安くしたら儲けが……』
『それが阿呆じゃと言うんじゃ。定期的な収入がじゃな……ええい、もう良いワシが仕切るっ!』
『任せたよ奥さん』
『言うとれ』
八戒「勝手に嫁だのと呼びよって、そのくせ扱いは娘同然じゃったわい。何がしたかったのか……今もようわからん」
小龍「………………」
『おーい帰ったぞ悟能!見ろ、今日は熊肉を買ってきた!お前これ好きだもんな、あっはっは!』
『…………………』
『ん?なんだ?生で食うなよ?』
『阿呆。………何故マオは、それほどワシに良くする?嫁じゃとかそーゆーいつもの馬鹿話ではなく、じゃ』
『いや馬鹿話のつもりじゃあ…………そうだなぁ………………拾ったから、かな』
『………なんじゃそら』
『あっはっは、なんだろな?よくわからん!』
『………可笑しな奴め』
636: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/27(木) 16:12:03 ID:eo8hmY6MeU
八戒「……………そして、ある日、死んだ。殺された。………ワシの留守中、金目当ての賊に押し入られて、の。特に珍しくも無い話じゃ」
小龍「………………」
八戒「商売が成功してなんだら、狙われんかったやも知れん。ワシが殺したとも言えるのう」
小龍「…そんなこと……!」
八戒「………ほほほ、良い。……ほほ、今宵は……冷えるのう………」
小龍「…悟能様、御召し物を……お身体に障ります」
八戒「………後ろを向け、小龍」
小龍「………はい…?」
………トッ
小龍「……っ」
八戒「………少し……少しの間………背中を借りる………」
小龍「……借りるも、何も。………私の全ては、悟能様のモノです……」
八戒「…………ふ…ふぐっ………え、う、ぐぅぅ………!!!」
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