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少年「ボクが世界を変えてみせる」
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1:🎄 名無しさん@読者の声:2012/12/23(日) 21:21:41 ID:apUuk9iOiY
むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。


422:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/19(火) 19:38:00 ID:oXJpTUulPQ
カロル「ボクと一緒に行こう?
ラムくんと友達になったって、お母さまに教えたい!」

ラム「いいの…?」

カロル「うん!」

ラム「……君って不思議だなー。
会ったばっかりなのに自然と信頼できる…」

カロル「そ、そうかなー?」テレテレ

ラム「うん。ふしぎ…」

カロル「えへへ…。なんか恥ずかしいや…」テレテレ

ラム「今日、君に出会えて良かった」

カロル「え?」

ラム「君となら変えられそうな気がするんだ。
イビツで腐りかけた、この世界を…」

カロル「う、うん…?」

ラム「ふふ。君のお母さんに会いに行こう?」

カロル「うん…?」

カロル「(世界を変える…。どういうことだろ…?)」
423:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:22:49 ID:KqTJbdQyF2
――森(枯れた大木)――

母「……坊や?」

母「どこに行ったのかしら…。こんな早い時間に…」

母「坊や?坊やー?」

ガサッ

母「きゃっ!」ビクッ

カロル「おはよう!」

母「ぼ、坊や?もう…。驚かさないで?」

カロル「ふふ。ごめんなさい」ニコニコ

母「…あら、えらくご機嫌ね」ジト

カロル「うん。ちょっとね…」ニコニコ

母「何があったか知らないけど、勝手に出掛けたりしたらダメでしょ?」

カロル「えへへ…。ごめんなさい」

母「……へらへらしながら謝らないの。行儀が悪いわよ?
こんな朝早くからどこに行ってたの?」

カロル「その前に…ちょっといい?」

母「?」キョトン

ガサッ

ラム「」ペコリ

母「……え?」
424:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:25:08 ID:NrNVsrSms6
カロル「紹介するね。友達のラムくんだよ!」

母「(え…?なに?どういうことなの?)」アセアセ

ラム「はじめまして」ペコリ

母「は、はじめまして」オロオロ

ラム「ラムって言います」

母「ど、どうも。礼儀正しいのね?」ニコッ

ラム「いえ、そんな…」テレッ

母「ご、ごめんなさい。ちょっといい?」

ラム「あ、はい…?」

母「坊や…」コショコショ

カロル「?」キョトン

母「……何があったの?ちゃんと説明してちょうだい!」コショコショ

カロル「えっと…起きたら人間に捕まってて…」

母「なんですって!?」ビックリ

カロル「けど平気だよ。助けてもらったんだ!」

母「平気ってあなた…」

カロル「ラムくんが助けてくれたの」

母「あの子が…?」チラッ

ラム「……」
425:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:41:09 ID:KqTJbdQyF2
カロル「それでね。ラムくんもホビットなんだ」コショコショ

母「そうみたいね…」コショコショ

カロル「お話したら知ってる人間を追って旅をしてるって言ってたんだけど…」

母「旅?あの子、親御さんはいないの?
しっかりしてるみたいだけど、まだ一人で旅なんてできる年齢じゃないでしょう?」

カロル「いないんだって…。そう言ってた…」

母「……!そう…そうなの…」

カロル「人間が嫌いなんだって。
だからボク、友達になって人間もホビットも仲良くなれるって教えてあげたいんだ」

母「そうね。坊やは人間と友達になれたものね。
あの子も…ふれ合う喜びを知った方がいいと思う…」

カロル「うん…。あ、それでね。お母さまにお願いが…」
426:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:43:05 ID:NrNVsrSms6
ラム「あの…」

母「あ、ごめんなさい。こっちで話し込んじゃって…」

ラム「いえ、大丈夫です…」

母「坊やを助けてくれたのよね。ありがとう?
お礼が遅くなってしまったけど、気を悪くしないでね?」ナデリ

ラム「……!い、いえ…」ポッ

母「? どうしたの?顔が赤いみたいだけど、熱があるんじゃ…」

ラム「…な、なんでもないです」プイッ

母「あ…。ひょっとして触られるのは嫌いだったかしら?」

ラム「そ、そんなこと…ないです!」

母「そう…?」


ラム「(母さんにも、よく撫でてもらったっけ…)」
427:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:45:40 ID:NrNVsrSms6
カロル「えと…お母さま」

母「坊やもちゃんとお礼言ったの?」

ラム「はい。助けた時に言われました」

母「そう。それならよかった」ニコリ

カロル「ねぇ。お母さま、お願いがあるんだけど…」

母「なに?」

カロル「向こうにケガをしてる人間がいるんだ。助けてあげたい…」

母「…人間が?」

カロル「お母さましか頼れないんだ。ダメかな?」ジーッ

母「……困ってる人を放っておく訳にはいかないわね」ニコリ

カロル「……!ありがとう!」パァァ

ラム「ちょ、ちょっと待ってよ!?」

カロル「どうしたの?」

ラム「もしかして…さっきの人間を助けるの?」

カロル「うん。あのままにしておけないもの」

ラム「それじゃ僕が君を助けた意味がないじゃないか!
あの人間は君を浚おうとしたんだよ!?」

カロル「そうだけど…」
428:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:51:45 ID:KqTJbdQyF2
母「…人間のケガはあなたが負わせたの?」

ラム「え?だって…相手は人間ですから…」

母「他にも解決する方法はあったんじゃないかしら…」

ラム「そんなの…どうやって…」

母「…話せば分かるかもしれないし、隙を見て逃げてもよかったと思うの」

ラム「…僕を責めてるんですか?」

母「あ、いえ…そんなつもりじゃないのよ…。ごめんなさい」

ラム「……」

カロル「えと、ボクは助かったし、感謝してるよ…?」

ラム「そういう問題じゃないよ…」

カロル「じゃあ…何がいけないの?」

ラム「…もしかしたらあの人間は君を拐って、別の人間に売ったかもしれない。
そうなったらどんな目に合っていたか分からないんだよ?」

カロル「でもそうはならなかったでしょ?」

ラム「君が言ってるのは結果だろ!?」

カロル「……」

ラム「君は人間に抵抗が無いかもしれないけど、僕は違う!
僕は…人間なんて助けたくない…!」
429:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:56:44 ID:KqTJbdQyF2
カロル「…そっか。じゃあボクとお母さまで行くからラムくんはここで待ってていいよ」

ラム「どうしても行くのかい?助けたって…また連れ去ろうとするかもしれないよ?」

カロル「心配ないよ。そしたら逃げるから。こう見えて足は早いんだ?」ニコッ

ラム「……」

母「ラムくん。あなたの気持ちはとてもよく分かるのよ」

ラム「……」

母「今まで辛い事も多かったと思うわ?
でもね、許す事も必要よ?
たとえ傷付けられた相手でも、傷付けてしまった相手でも、どちらかが許してあげないと傷は癒されないもの」

母「その傷は一生残したままになるかもしれない。」

ラム「……」

母「傷付け合う関係なんて、お互いに悲しいでしょう?」

ラム「…僕たちは傷付けたりしないのに、人間は僕たちを傷付けた…」

母「そうね…。それでも許す心を否定しないであげて?」

ラム「……」

母「ね?」ニコリ

ラム「分かりました…」

母「…ありがとう?」イイコイイコ

ラム「いえ…」

カロル「……」ニコッ
430:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 08:58:39 ID:KqTJbdQyF2
カロル「行ってくるね!」

ラム「うん…。待ってる」

母「心配しないでね。すぐに戻ってくるから…?」

ラム「は、はい…」ドキッ

カロル「こっちだよ、お母さま!」タタタッ

母「えぇ…!」タタタッ

ラム「……」

タタタッ・・・

ラム「…ふしぎだな。なんで…簡単に許せるんだろ」

ラム「……」

ラム「…許したって人間はつけあがるだけなのに…」

ラム「………」
431:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:32:58 ID:2f6ATVrpfk
神父「うっ…ぐぐぎぎ…!」コヒューコヒュー

神父「ぁ…がぁぁ…!」ギュッ

グッ ズブブ ギュポッ

神父「うぁぁぁ…!」ブシャァァ

神父「枝…抜け……た…いてぇ…。いてぇよぉぉ…」ジタバタ

神父「あぅぅぅ…!」ゴロンゴロン

神父「(なぜ…私がこんな目に…)」ゼーゼー
432:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:34:47 ID:Ou70Vp7aU.
タタタッ

カロル「はぁっ…。ふぅ…。い、いたよ!」

母「はぁっ…はぁっ…。この人…教団の人間ね」

神父「」ビクッ

カロル「…お母さま!」ジーッ

母「分かってる。教団の人間にも宣教師様のような優しい方もいるもの。区別したりしないわ?」

神父「(こ、子供の声…さっきのホビットか!?
まさかトドメを刺しに来たのか…!)」ビクビク

カロル「…うん。ボクらも宣教師様に助けてもらったから、少しでも恩返ししなくちゃ」

母「えぇ。まずはこの人を村まで運んであげましょう?」

カロル「そうだね!」
433:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:38:04 ID:2f6ATVrpfk
神父「うぅ…ぐぐ…」

母「これは…酷いケガね。本当にあの子が?」

カロル「うん…。おじさま。大丈夫ですか?」スッ

神父「ぐぁっ…!」ズキンッ

母「何をしてるの!むやみに傷の近くに触れたらダメよ!?」

カロル「ご、ごめんなさい」オロオロ

神父「ぐぬぬ…!」ズキズキ

母「大丈夫ですか?あたし達が村まで送りますから、もう少し辛抱なさってくださいね?」

神父「だ、黙れ!薄汚いホビットめ!
そうして目の前に甘言を滴らせ、私が蜜を舐めるのを待っているのだろう?」

母「落ち着いてください。大きなケガをなさっているのですから、興奮してはいけません」

神父「だ、だま…うぐぐ!」ズキズキ

母「ほら、だから言ったじゃありませんか?」

カロル「起き上がれますか…?」スッ

神父「うぅ…。え、ええいっ!触れるな、汚らわしい!」バシッ

カロル「っ……!」

神父「元はと言えば貴様の仲間がやった事だろうが!?」

カロル「ごめ…なさ…」ションボリ

神父「己の罪も自覚せずにのこのこやって来おって!」

カロル「」ウルッ
434:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:40:25 ID:Ou70Vp7aU.
母「待ってください。それはあなたにも言えるんじゃありませんか?」

神父「何をっ!貴様、ホビットの分際で…!」

母「元を正せば寝ている坊やを連れ去ろうとしたのはあなたよ?」

神父「はっ!笑わせるな!ホビットをどうしようが人間の自由だ!」

母「自由ですって?それならあたし達の自由はどうなるの!」

神父「貴様らは神に仇なし、我々人間から癒しの力を奪った罪深き種族だぞ!
なぜお前達に自由があると考える!?
その腐りきった性根こそが罪なのだ!」

母「あなた達の身勝手な理屈に従う謂れはありません!」

母「あたし達にはあなた達と心を開いて接する気持ちがあるわ!」

母「なぜ、そんな迷信を広めるの!?
あなた達のために苦しんでいるホビットが何人いると思っているのよ!?」

神父「や、やかましい!あたかも己が正しいように振る舞うな!
正しいのは我々……!ぐっ…!」ズキッ

母「はぁっ…。はぁっ…」

カロル「……」
435:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:43:12 ID:Ou70Vp7aU.
母「坊や…。やっぱり戻りましょう?」

カロル「ううん。ダメ」フルフル

母「この人は宣教師様とは違うわ…。助けても、あたし達への見方は変わらない」

カロル「いいんだ。見返りを望んだ訳じゃないもの。
嫌がってても、助けなきゃ。見捨てる方がよっぽど嫌われるよ?」

神父「うっ…くっ!」ズキズキ

母「……なんでそこまでして…人間と関わりたいの?
お友達も出来たし、十分願いは叶ったはずよ?」

カロル「人間だからじゃないよ。ホビットでも、獣でも、苦しんでいる命の痛みは同じだから…」

母「けれど前にも言ったはずよ?
人間とホビットはとても難しいって…」

カロル「うん。ボクなりに分かってるつもり。
でもね。ボクらまで人間を拒んじゃったら、分かり合える日は来ないと思うんだ」

母「……」
436:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:46:00 ID:Ou70Vp7aU.
カロル「誰かが水をあげないと花は枯れてしまうでしょ?
キレイなカリアムの花も萎れちゃったら色褪せるじゃない」

母「水をあげても…枯れる花は枯れるのよ?」

カロル「それなら枯れるまで水をあげようよ?
諦めて枯らせたら、花がかわいそうだもん」

母「……!」

母「……そうね。あなたのお父様もきっと…同じ事を言うわ。
あたしが信じてあげなきゃいけないわよね…」

カロル「えへへ…。今までのお花はみんなキレイに咲いたもの。
素敵な出会いがいっぱいあったから、こうやって言えるんだ」ニコッ

母「ごめんね。あたし…」

カロル「謝らないで。誰も悪くないでしょ?」ニコニコ

母「(…本当に優しい子…。まるでフィズスの生き写しのよう…)」ホロリ

神父「ケガ人の前でごちゃごちゃとよく喋る口だ。
そうやって言葉を紡ぎ、人間を欺くのであろうが…」ヨロヨロ

母「…起き上がって平気なのですか?」

神父「貴様らの助けなど借りぬ!どこへなりと消え失せろ!」ヨタヨタ

母「あ、そっちは木が……」

ゴンッ!

神父「」フラフラ

母「だから言ったのに…」

神父「遅いわ!!……いっ…!」ズキズキ
437:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:49:35 ID:2f6ATVrpfk
神父「ぐっ…!くそ…。今ので収まりかけた痛みが…!」ズキンズキン

カロル「」タッタッ

神父「ひっ!く、来るな!」ビクッ

カロル「怒鳴ると傷に障るよ?ボクらが案内するから村まで歩こう?」

神父「だ、だから…薄汚い種族の助けは借りんと…」

カロル「でも一人で帰れないでしょ?」

神父「やかましい!お前のような者に付いていくよりマシだ!」

カロル「無理しないで?こんなに血が出てる」スッ

神父「だからっ!触るなと何度言えば…!」

カロル「ご、ごめんなさい…」シュン

神父「たく…!不浄の手で触れおってからに。修道服が汚れ……」ハッ

神父「(痛みが…和らいでる?)」スリスリ

神父「っ…!や、やはり触ると痛いな…」ズキズキ

神父「(だが確実に和らいでいる。先ほどまでの刺すような激痛がこない…)」

―――――

カロル「うん…。おじさま。大丈夫ですか?」スッ

神父「ぐぁっ…!」ズキンッ

母「何をしてるの!むやみに傷の近くに触れたらダメよ!?」

カロル「ご、ごめんなさい」オロオロ

―――――
438:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:54:12 ID:Ou70Vp7aU.
神父「(そういえば、先ほど触れられた時も…。言葉を出せなかった程の激痛が和らいだ…)」ジロジロ

カロル「な、なに?」

神父「(これが癒しの…力、なのか?)」ジロジロ

カロル「ぼ、ボクの顔に…何か付いてるかな?」

神父「くっ…。片目ではよく見えんが…どうやら目に映る方法だった訳ではなさそうだな」

カロル「なにが?」キョトン

母「そういえば…目は大丈夫なのですか?
安静にした方がいいのでは…」

神父「……だいぶ和らいだ。貴様らが我々から奪った術でな」

カロル「すべ…?」

母「なんのことですか?」

神父「とぼけるな。奪った力をぬけぬけと披露しおって。
それで恩を売ったつもりか!?」

カロル「え…?」

母「はい?」

神父「しかし奪った力など、所詮は盗みの垢にまみれた代物だ。
使役し、他者に施したところで罪の清算になると思うなよ!」ビシィッ

カロル「う、うん…。そうだね。あはは」ヒクヒク

母「お、おほほ…」ヒクヒク

神父「待て!なぜわざとらしく愛想笑いする!?」
439:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:59:04 ID:Ou70Vp7aU.
カロル「だ、だって…ね?」チラッ

母「えぇ。よく分からない事をおっしゃるものだから…」

神父「しらばっくれるな!この子供が癒しの力を用いて私の傷を癒したのであろうが!?」

母「……あぁ。なるほど。宣教師様も勘違いしていたわね」

神父「宣教師だと!?ふん…。やはりたぶらかしたのはお前達か」

カロル「おじさまは宣教師さまを知ってるの!?」バッ

神父「知らいでか!?
私は教団の人間だぞ!そのうえ奴より位の高い神父だ!」ドヤァ

母「別に位は聞いてませんけど…」シラー

カロル「教えて!今宣教師さまはどこにいるの!?」

神父「くっくっく…!奴なら今は大聖堂にいる!
罪を犯し、牢に入れられているそうだ!」

カロル「え…?」

母「なんですって!?」

神父「聞いた話では司祭様に刃向かったらしいがな。
たしか教団のホビットに対する見方を変えるべきだなどと」

母「なんで…そんな事を……」

カロル「宣教師さま…ボクたちの為に…」
440:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:02:34 ID:Ou70Vp7aU.
神父「おそらく牢を出る事はないだろう。目を覚まさない限りはな」

カロル「じ、じゃあボク…起こしに行く!」

神父「その目を覚ますじゃないわ!」

カロル「なら…どうしたらいいの?」

神父「奴がお前たちとの悪しき関係を清算し、悔い改めた上で司祭様に謝罪すれば、司祭様も寛大なお心を以てして許されるだろう。
そうすれば以前のように教団員として教えを従事し、布教活動をまっとうできるはずだ」

カロル「それって…」

神父「つまりはお前たちを見捨てるという事だな」

カロル「ボクたちを…見捨てる?
もう友達ではいられないの…?」

母「……」
441:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:08:18 ID:U0P6p.FErc
神父「当たり前だ!そもそもお前たちと関わらなければ奴が堕ちる事もなかったんだぞ!?」

カロル「ボクの…せい?」

神父「そうだ!奴は若干20歳にして村一つを任された。位の低い宣教師としては異例の待遇だったんだぞ!
いずれは教団の幹部になるだろうと間違いなく期待されていた!」

神父「奴はこの先も栄光を約束されていたんだ!
それをお前たちが全て崩した!紛れもなく、お前たちのせいだろう!?」

神父「(まぁそのおかげで奴が失墜し、私が村を任された訳だがな…)」ニヤリ

カロル「……」

――回想(>>111-123)――

カロル「やめろ!やめろよ!?」

アッ イヤッ ギャハハハハ パンッパンッ
イヤァァァァァァ!!!

カロル「お願い…だよ…」

カロル「(ボクが…友達なんて欲しがったから……)」

――――
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