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少年「ボクが世界を変えてみせる」
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1:🎄 名無しさん@読者の声:2012/12/23(日) 21:21:41 ID:apUuk9iOiY
むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。


368:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:45:15 ID:O5X0CHOlqg
ルーボイ「みんな!!犯人はこのおっさんだ!!」

村長「わしは悪くない…わしは悪くない…」ブツブツ

テパ「」アヒャヒャ

村のおばさん「あ〜そう〜」ニンマリ

村娘「」グッタリ

村の大人5「」ブツブツ

村のお婆さん「」フガフガ

村長の妻「甘い…」スパー

ルーボイ「みんな…?なにやってんだよ?親父を殺したのはこいつだぞ!
なにタバコなんか吸ってんだよ!?」

ワルド「無駄だよ。みんな魔法のラズベリーの虜だ?」

ルーボイ「そんな…」

ワルド「…たかだか巻いた草程度でここまで堕ちるとは思わなかったがね。
これじゃ証拠の隠滅どころか違法薬物に手を出したって事で、どのみちこの村は破滅するだろう」
369:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:50:49 ID:iuXlfLsjlI
ルーボイ「何がしたいんだよ!?」

ワルド「別に?ただあのホビットの親子が欲しいだけだよ」

ルーボイ「欲しい?」

ワルド「おじさんの組織は特殊でね。ホビットを使った商売をしてるんだ」

ルーボイ「商売って…」

ワルド「ヘマトバザールって組織でね。主にホビットの拷問をお客様にショーとしてお届けしてるのさ」

ルーボイ「ご、ごうもん?」

ワルド「本当はホビットじゃなくてもいいんだが、王国の目もあるからねぇ。
合法的に徹底差別を許されるホビットでやるしかない」

ルーボイ「……」

ワルド「元は拷問愛好者の集いに過ぎなかったんだがね」

ワルド「人数も増えて、いろいろ試すと外野の評価も欲しくなるもんだ。
最初は動物なんかでやってたんだが、ウケがイマイチだった」

ワルド「試しにホビットを捕まえてやってみたとこ、普段は寂れたショーに大歓声と黄金が舞いやがった」

ワルド「ホビットほど人間に疎まれて、それでいて人間に近いものは無いからなぁ」

ワルド「憎い奴が自分たちと変わらない反応で泣き喚く姿にある種の中毒性があるんだろう」

ワルド「おかげでがっぽり頂いてるよ」ニヤリ

ルーボイ「(このおっさん…クズだ…)」ブルブル
370:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:58:13 ID:iuXlfLsjlI
ワルド「でも困ったよ。悲劇の町の一件(>>220-222)があってから、王国を恐れてホビットへの差別が過激化しちまってね。
今じゃすっかり数も減って姿を表さない」ヤレヤレ

ワルド「だから少しでもホビットが欲しいのさ?
その為だけにおじさんは世界中を歩き回ってるんだ」

ワルド「この旅の間に2、3匹捕まえはしたが、足りない。足りないんだよ」ワナワナ

ワルド「たかだか数匹程度の血飛沫じゃ、もう客は満足しないんだ」

ワルド「内臓をえぐり出すくらいじゃ前座にもならない」

ワルド「兄妹にスプーンを持たせて先に目をくり抜いた方が生き延びるショーは今も満員さ。
だがそうそう都合よく兄妹なんかいない」

ワルド「飢えた親に我が子を食べさせるショーも、本当の親子じゃなきゃダメなんだ。
フェイクを客はすぐ見抜くし、何より血の繋がりがそそるんだ」

ワルド「客に振る舞う食肉バイキングをやるにも10匹以上はいないとフルコースが揃わない」

ワルド「おじさん、とても困ってるんだよ?
現実は思ったよりずっとシビアだ」

ワルド「なぁ、ルーボイ君?君もそう思わないか?」

ルーボイ「(こいつあたまおかしい)」ジョォォ
371:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 20:03:10 ID:O5X0CHOlqg
ワルド「お漏らしかね?だらしない。そういうとこまで親に似るんだな?」

ルーボイ「わ…わけ…わかん……」プルプル

ワルド「まぁいい。ルーボイ君、パッチ君が行きそうな所に心当たりはないかね?」

ルーボイ「ぱ……パッチ…死んだんじゃ…?」

ワルド「おいおい、冗談を真に受けるんじゃないよ。
ちゃんと生きてるさ。ただ逃げられただけでね」

ルーボイ「えっ」パァァ

ワルド「おっと、希望に浸るのはまだ早いなぁ。
君に頼みたいのはパッチ君のいそうな場所を教えてもらう事なんだからねぇ」

ルーボイ「教えるわけ…ないだろ」キッ

ワルド「それは困ったなぁ。村人は使い物にならんし、君しか頼れないんだよ」

ルーボイ「知るかよ」プイッ
372:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 20:06:23 ID:O5X0CHOlqg
ワルド「……状況を分かってないのー?」

ルーボイ「どうせ…殺すんだろ。いいよ。殺ればいいだろ?」ブルッ

ワルド「簡単に言うねぇ?死ぬってどういう事か分かる?
痛いよ?苦しいよ?なーんにも無くなっちゃうよ?」

ルーボイ「…こ、怖くねーし」ブルッ

ワルド「無理しないで吐いちゃいなよ?
そしたらなんにも痛い思いしないんだよーん?」

ルーボイ「いやだ…」ブルブル

ワルド「強情だなぁ。そんなに震えてるのに?」

ルーボイ「友達を…悪い奴に渡せるかよ…。
父ちゃんを殺して、みんなをめちゃくちゃにしたお前なんかに…教えねぇ!」ブルブル

ワルド「おとぎ話の世界なら、ここでなんらかの力に目覚めて悪いおじさんをやっつけちゃうんだろうなぁ?
だが無情にも、この世界は現実さ。ほのぼのとした救いの無い素敵な世界だ?」ギロッ

ルーボイ「はは…は…!そんな事言ったって怖くねーぞ…!」カタカタ

ワルド「安心しなよ?すぐに怖くなる」

ルーボイ「怖く…ねーもん。怖くなんか…」ブワッ

ワルド「(ん〜!たまらないねぇ?そそる反応をしてくれる子だ…)」

ルーボイ「ひっ…ひっ…。カロル…。パッチ…。うぅ…えぐ…!」グスッ

ワルド「(あぁ。友達の名を縋るように呼んでいる…。
なんてかわいいんだ。これだから子供はたまらない…!)」ハァハァ

ワルド「今、痛めつけてあげるからね…?」ハァハァ
373:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:32:08 ID:9IAOdG2/VE
ワルド「」ドカッ

ルーボイ「う…!」ダンッ

ワルド「どうしたね?さっきまでの威勢の良さが嘘のようじゃないか?」

ルーボイ「っ…!」ズキズキ

ワルド「ははは。みぞおちにくれてやった蹴りが効きすぎたか?」

ルーボイ「うる…せぇよ」ハッハッ

ワルド「一応聞くがパッチ君はどこにいると思う?」

ルーボイ「知ら……」

ワルド「」バキッ

ルーボイ「あぐっ……」ポタポタ

ワルド「血は初めてか?」

ルーボイ「……」ポタポタ

ワルド「早く言わないと、真っ赤っかになっちゃうぞ?」

ルーボイ「ペッ!」

ワルド「」ビチャッ

ワルド「……なるほど。優しいおじさんは嫌いか」

ルーボイ「お前なんか、大嫌いだ!」
374:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:34:58 ID:svXBI68Hng
ワルド「悲しいなぁ?」シュッ

ルーボイ「……!?」ピッ プシュッ

ルーボイ「いってぇぇぇぇ!!」ジタバタ

ワルド「ははは。いい顔になったな?
相変わらずこいつは心地のよい切れ味を発揮してくれる」ヒラヒラ

ルーボイ「大人のクセに…子供に武器使うなんて、ダセー…」ドクドク

ワルド「泣きべそかいてたかと思えば強がって、忙しい奴だなぁ?」

ルーボイ「(いてぇ…いてぇ…。ほっぺたが熱い…)」ドクドク
375:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:36:25 ID:9IAOdG2/VE
ワルド「とりあえず」グイッ

ルーボイ「っ…!持ち…上げんな…!」

ワルド「」バキッ

ルーボイ「ぶふっ!」

ワルド「」ゴッ

ルーボイ「ぎゃ…」

ワルド「」ドゴッ

ルーボイ「いだっ!」

ワルド「」ガスッ

ルーボイ「ごふっ」

ワルド「」ガンッ

ルーボイ「……!」

ワルド「こんなモンかな?」

ルーボイ「ゴホッゴホッ!ぐ…うぅ」ボロッ

ワルド「喋る気になったかね?」

ルーボイ「」ブンブン

ワルド「強情だねぇ?お子さまなのに立派だよ」ブンッ

ルーボイ「う!」ドサッ
376:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:38:04 ID:9IAOdG2/VE
ワルド「だが素直じゃない子供は可愛げがないな?」

ルーボイ「あぐ…。はが…ふぁが…」ダラァ

ワルド「クックッ!前歯が無くなってしまったね。かわいそうに」

ルーボイ「うぅ…!」ギロッ

ワルド「これはね。拷問の基本中の基本なんだが、必ず最初に歯を抜くか叩き割るかするんだよ」

ルーボイ「あぅ…?」

ワルド「そうすれば舌を噛み切れないだろ?」ニヤリ

ルーボイ「ぁ…ぁあ…?」

ワルド「ここからはいくら苦しくても死ねないし、死なせない。お互いじっくり楽しもう」

ルーボイ「は…はぁぁ…!」ブルブル
377:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:41:02 ID:9IAOdG2/VE
ルーボイ「わああああ!!」フラフラ

ワルド「なんだ?鬼ごっこがしたいのか?」

ルーボイ「はぁっ…!はぁっ…!」フラフラ

ワルド「おいおい、そんなんじゃすぐに追い付いちゃうよ?」スタスタ

ルーボイ「(いやだ。こわい。こわい!)」タタタッ

ワルド「おや、頑張るねぇ?ならおじさんも少し頑張っちゃおう!」ダッ

ルーボイ「(なんで俺、こんなことしてんだろ…)」タタタッ

ワルド「」ガシッ

ルーボイ「」ビクッ

ワルド「捕まえたよ?」ニヤリ
378:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:43:07 ID:svXBI68Hng
ルーボイ「やら…!やへろぉ!」ジタバタ

ワルド「はっはっは!元気でなによりだ!」

ルーボイ「はなへ…!はなへよ!」ジタバタ

ワルド「ダメだよ。まだ準備しただけで始まってもいないんだからねぇ」

ルーボイ「うぅ!うわあ!」ビシッ

ワルド「痛いじゃないか?」パシッ

ルーボイ「手ぇ…はなへ!」グッ

ワルド「……こうやってねじると」グキッ

ルーボイ「ひっ…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」ブランブラン

ワルド「あらふしぎ。お手手が曲がってしまったねぇ?」ニヤニヤ

ルーボイ「いぎゃぁぁぁあああ!!!あぅぁうぅぅううぅぅ!!!」ゴロゴロ

ワルド「ん〜。イイ調べだ。声変わり前の甲高い悲鳴は耳に心地よい刺激を与えてくれる」

ルーボイ「(もう、やだ。もう、だめだ)」ハッハッ
379:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:46:10 ID:9IAOdG2/VE
ワルド「さぁ。続けようか」グイッ

ルーボイ「もう、やめ……」

ワルド「何を言ってるんだ?始まったばっかりだろ?」

ルーボイ「」キョロキョロ

ワルド「周りを見ても無駄さ。村人たちはラズベリーの煙にヤられて、とっくに飛んでるよ」

ルーボイ「へ…」ガクガク

ワルド「ここには俺と君しかいない。助けは来ないよん?」

ルーボイ「うぅ……」

ルーボイ「……」グッ

ワルド「おや?黙りこくってどうしたんだい?
安心しなよ。優しく手ほどきしてあげるから。君は鳴いていればいい」

ルーボイ「はなすよ…」

ワルド「ん〜?」

ルーボイ「パッチのいるとこ…言うから…」ギュッ

ワルド「…チッ…つまらない」
380:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:48:48 ID:svXBI68Hng
ルーボイ「もう、痛いのはいやだ…」

ワルド「あーそうかい。んで、どこだ?」

ルーボイ「たぶん教会にいる…と思う」

ワルド「ふーん。そうか」

ルーボイ「言ったんだから、もう…」

ワルド「あぁ。もういいよ。どうせこの村は枯れる運命だ。
精々ひび割れた苗の中で萎んで腐ればいいさ」

ルーボイ「」ホッ

ワルド「ともだちを裏切るなんて、最低な奴だよ。君は」

ルーボイ「」ズキッ

ワルド「どうしようもなく卑怯で、傲慢で、欲深なクズだ」

ルーボイ「」プルプル

ワルド「楽しい人生にするといい。ともだちを犠牲にしてね」スタスタ

ルーボイ「……」ズキズキ

ワルド「(せっかく楽しめると思ったのに。興醒めだ…!)」スタスタ
381:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/9(土) 21:52:38 ID:svXBI68Hng
ルーボイ「いてぇ…いてぇよ」ギュッ

ルーボイ「血…とまんねぇ…」ダラダラ

ルーボイ「(しょうがねーじゃん…)」

ルーボイ「(だって、怖いし、痛いし、それに)」

ルーボイ「それに…」ブワッ

ルーボイ「」ポロポロ

ルーボイ「パッチ……」

ルーボイ「うぅ…ごめん…。ごめんな…」グシッ

ルーボイ「ヒック…グズッ…!最低だ……」シクシク
382:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/10(日) 13:48:17 ID:MD.Og/oBiw
―――――

せんきょうしさまへ

おげんきですか
ぼくも おかあさまも げんきです

まるくに あえたんですね
よかったです
まるく はしって つかれてるかな?
よかったら なでてあげてくださいね

せんきょうしさまが かえってこなくて しんぱいです
ぼくも おかあさまも せんきょうしさまに あいたいです

でも きょうかいに かえったら だめです
ぼくと おかあさまは いま たびびとに おわれてます
せんきょうしさまも あぶないです
きをつけてください

ぼくと おかあさまは もりの おおきな かれきの したに います

はやく せんきょうしさまに あいたいです
えほん よんで くれるって やくそく
たのしみにしてます

まってます
ずっと まってます


カロル

―――――
383:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/10(日) 13:50:50 ID:qf2Xyjydl2
――大聖堂――

司祭「……ふむ」

神父「…いかがでしょうか?」

マルク「…くぅん」

司祭「間違いあるまい。これはホビットが書いたものじゃろう」

神父「やはり…!」

司祭「おそらくそやつはホビットが飼っとる犬じゃな」

マルク「わぅ?」

神父「しかし、何故この犬は宣教師に宛てた手紙を私に託したのでしょう…」

司祭「簡単な事じゃよ。お前が着とる修道服は宣教師の物じゃからな。
同じ匂いのするお前を宣教師と勘違いしたのじゃろうて」

神父「えっ」
384:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/10(日) 13:52:38 ID:qf2Xyjydl2
司祭「どうした?」

神父「使い回し…なのですか?」

司祭「当然じゃろうが。経費削減というやつじゃ」

神父「は、はぁ…?それにしては随分キレイに手入れされてますな?
てっきり新しく修道服を支給して頂けたのかと」

司祭「几帳面な奴じゃからな。欠かさず清潔を保っていたようじゃ」

神父「なるほど。前任の布教者は確か女性でしたな?」

司祭「そうじゃが?」

神父「」クンクン

司祭「おい、なぜ匂いを嗅ぐ?」

マルク「ぅぅ〜……」ウトウト
385:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/10(日) 13:55:34 ID:MD.Og/oBiw
マルク「」スヤスヤ

神父「な、何も叩かなくてもよいではありませんか…?」イテテ

司祭「やかましい。貴様も牢に叩き込むぞ」

神父「そ、それにしても…この手紙はどうしましょう?」

司祭「手紙に奴らの居場所が書いてある以上、出回ると厄介な代物である事は確かじゃな」

神父「ふむ…。混乱を招くでしょうな。手紙の中に書いてある旅人というのも気になります」

司祭「それはおそらく問題ないじゃろ。ホビットを罪深いと認識する正義感の強い人間じゃ」

神父「しかし手紙の内容には宣教師にも害が及ぶような事が書いてありますが…。
これはすなわち人間も構わず襲う凶悪な輩と暗示しているのでは…」

司祭「ふん。何を根拠に…」

神父「旅人の中には罪を犯し、各地へ逃げ延びる危険な者もおります」

司祭「……そんな輩にはそうそう出くわすものではないわい」

神父「ですがもし本当に危険な輩だとすれば……」

司祭「ホビットだけでなく村の人間にも害が及ぶと言いたいのか?」

神父「は、はい」
386:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/10(日) 13:57:31 ID:MD.Og/oBiw
司祭「心配性じゃな。その可能性はあるまいよ」

神父「なぜ、そのように言い切れるので?」

司祭「そもそもが、じゃ。手紙の主は誰じゃ?」

神父「ホビットですが…」

司祭「なれば、もう答えは決まっておろう。稚拙な虚言じゃよ」

神父「虚言…ですか?」

司祭「ホビットを狙う旅人の存在は真実じゃろうが、それ以外は虚言じゃ」

神父「……」

司祭「宣教師を呼び戻そうとするのは身を守る手段に最適と考えたのじゃな。
人間と共に在れば危険にさらされる可能性は大いに削られよう。
もしかすれば宣教師を囮に、まんまと逃げようという算段かも分からん」

神父「しかし…もしも真実であれば村人の身が…」

司祭「」ギロッ

神父「は…?」

司祭「貴様はホビットと司祭であるこのわし、どちらの言葉が重いと思っておる?」

神父「そ、それはもちろん司祭様のお言葉にございます」アセアセ
387:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/10(日) 14:00:50 ID:MD.Og/oBiw
司祭「分かっておればよい。奴らは狡猾な種族。
奴らの言葉に信用を向ければ、たちまちの内に利用され、喰い物にされるだけじゃ」

神父「はっ!申し訳ありません。あまりに浅はかな思慮でございました」フカブカ

司祭「じゃが、貴様の考えも一理ある。村の人間への配慮も必要じゃろうて」

神父「と、言いますと?」

司祭「…一度わしが奴らに会ってみよう。野放しにしておけば、害が及ぶとも限らん」

神父「なっ…。い、いけません!司祭様が不浄の者と接するなど…!」

司祭「無論、直接わしが出向く訳ではないわい。お前が捕まえてくるんじゃ」

神父「は…?」キョトン

司祭「明日、村に行くついでに奴らを捕らえてこい」
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名前:
sage:


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