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少年「ボクが世界を変えてみせる」
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1:🎄 名無しさん@読者の声:2012/12/23(日) 21:21:41 ID:apUuk9iOiY
むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。


353:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/2(土) 22:16:29 ID:bd.VSVzfCA
ダン「へへっ…へへへ」ポロポロ

ワルド「泣きながら笑うなんて大した芸当ですなぁ?教えてほしいくらいだ」

村長「泣きたいのはこっちだ…!失うものがあまりにも多すぎる…!」

ワルド「まぁまぁ。元気を出してください。人間、辛い時こそ元気がなによりですから」ポン

テパ「あんた、不謹慎だぞ?」ジト

村長「こんな状況で元気を出せなど…」

ワルド「大丈夫。解決策は別に用意してあります」

村長「え?ほ、本当ですか!?」バッ

村のおばさん「どうせあてになんないよ。あたしらはもうおしまいさ」フッ

ワルド「えぇ、もちろんです。村長には一宿一飯の恩がある。指をくわえて見てるほど私は腐っちゃいない」

村長「わ、ワルドさん…!あなたって人は…!」

テパ「てっきり腐ってるモンだとばっかり…」

ワルド「放浪者ってのは一っところにとどまらないから自分勝手に思われがちだがね。
憩える場所がないからこそ、それなりに情に脆いのさ?」

村長「ありがとうございます…。藁にも縋りたい気持ちとは、こういうことなのですなぁ…」ウルウル

ワルド「人を藁扱いすんじゃないよ。失敬な奴だね。
てかお前らみんな失礼だね」
354:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/2(土) 22:18:10 ID:Ck6no1fVS2
ワルド「そんじゃまぁ、肝心の解決策だが…」

村長「は、はい!」

テパ「」ドキドキ

村のおばさん「」ドキドキ

ワルド「どうすればいいと思う?」

ズルッ バタバタッ

テパ「それをあんたが教えんだろ!?」ムクリ

ワルド「ん〜。実にいい反応だ。村人やらしとくにゃ惜しいね?」

村長「本当に大丈夫なんだろうか…」ヒクヒク

村のおばさん「やっぱりあてになんないね…」ヒクヒク
355:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/2(土) 22:22:37 ID:bd.VSVzfCA
ワルド「時に村長、あんたは血を見るのは平気かね?」

村長「と言いますと?」

ワルド「ここからは少しダーティな相談になるってことさ」ニヤ

テパ「もったいぶらずに言えよ!!」

ワルド「キャンキャン吠えなさんな。今から言うさ」ヒラヒラ

テパ「くそっ…!」

ワルド「分かりやすく言おうか。あなたは村の為に血を流すのも惜しまない覚悟はあるかね?」

村長「そ、それはもちろん…」

ワルド「よろしい。なら話は簡単だ。あの親子を消せばいい」ニンマリ

村長「親子を消す…?」

ワルド「パッチ君たち親子のことさ。村に害を成す存在がいるのなら、その存在ごと消してしまえばいいハナシだ」

村長「ご冗談を…。それでは人殺しではありませんか?」

ワルド「そうさ。人殺しだよ。それですべて片が付く」クスクス

テパ「あんた、本気で言ってるのか?」

ワルド「悪いがジョークはおしまいだ」ヘラヘラ

村長「出来ません!村の為とは言え…!」
356:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/2(土) 22:24:46 ID:Ck6no1fVS2
ワルド「何を躊躇う事がある?
村長、あなたはこの村の長じゃないですか?」

村長「長として皆の上に立つからこそ、人としての尊厳は破れません!
悪しき歴史を残せば、今は良くてもいずれ枯渇してしまう…!」

ワルド「しかしこのままではあなたの決断が鈍る事によって、村は崩壊するでしょうなぁ?」

村長「くっ…!」

テパ「村長、もうそれしかないですよ!」

村のおばさん「そうさ。ダンの奴にしたってホビットと関わった人間は始末しようって言ってたんだ。
それとまったく同じことじゃないか?」

村長「ぐぬぬ……」

ワルド「さぁ村長、どうかご英断を…?
あなたには村を守る使命がある…」

ワルド「なぁに…。あなたに罪はありませんよ?
やむを得ず、望まぬ犠牲を強いられているのです。罪深きホビットによって…」

村長「」グッ

村長「分かり…ました…」ガクッ
357:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 15:42:07 ID:1.PrppOx/o
――大聖堂へ続く道――

マルク「」タタタッ

マルク「」ハァッハァッ

神父「」スタスタ

マルク「わぅ…?」

神父「む?」

マルク「」タッタッ

神父「なんだ、この犬は…。随分くたびれてるようだが…」マジマジ

マルク「」クンクン

神父「な、なんだ…?」

マルク「……!」キラキラ

神父「……?」

マルク「」ハッハッ

神父「…む?首に何か下げてるな…」

マルク「」グイッ

神父「な、なんだ?引っ張るんじゃない!神聖な修道服に噛みつくなど、なんと罰当たりな…!」グッ

マルク「」グイッグイッ

神父「離せ!私は司祭様に村の布教を任されているのだ!
こんな所で足を止める訳にはいかん!」

マルク「」グイッグイッ

神父「ええいっ離せ!獣ごときが神の意向を曲げようなど片腹痛いわ!」グンッ

マルク「くぅん…」ションボリ
358:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 15:43:42 ID:1.PrppOx/o
神父「はぁっ…はぁっ…。せっかく司祭様に頂いた修道服が汚れてしまったではないか…」

マルク「わんっ!」ズイッ

神父「む?首にかかっている物を見ろと言うのか?」

マルク「わんっ!」コクコク

神父「仕方あるまい…。これ以上邪魔をされてはかなわんからな」ヒョイッ

マルク「」パァァ

神父「これは手紙か…?なぜ犬がこんな物を…」ガサ

マルク「」ハッハッ

神父「む…。こ、これは…!」

神父「おい、この手紙は誰から受け取った!?」

マルク「わおんっ!」

神父「くっ…。犬に分かる訳がないか」

マルク「くぅん?」キョトン

神父「村に行っている場合ではないな。司祭様にお伝えしなければ…。
犬よ。お前も付いてくるのだ」

マルク「?」

神父「…とにかく来い!」ヒョイッ

マルク「わうっ!?」ジタバタ

神父「暴れるな!」ダッ
359:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:21:08 ID:O5X0CHOlqg
――村(ルーボイの家)――

ルーボイ「……」ガラッ

ルーボイ「(もう夕方か…)」ゴロン

ルーボイ「父ちゃん…」ウルッ

コンコン

大人2の妻「ルーボイ。起きてるかい?」

ルーボイ「母ちゃん…?」ムクッ

大人2の妻「ごめんね。まだ寝てたかい?」

ルーボイ「ううん…。寝てないけど」

大人2の妻「そうかい…。ちょっといい?」

ルーボイ「うん…。なに?」

大人2の妻「テパ君が訪ねてきてね。聞きたい事があるから来てほしいとさ」

ルーボイ「テパ兄ちゃんが…?」
360:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:22:20 ID:O5X0CHOlqg
テパ「よう、ルーボイ。昨日の今日で悪いんだがちょっといいか?」

ルーボイ「用ってなんだよ、兄ちゃん…」

テパ「まぁそれは付いてくりゃ分かる」ヘラヘラ

ルーボイ「…なんなんだよ、兄ちゃんヘンだぞ?」

テパ「そうか?」プーン

ルーボイ「くっせ!?」ギョッ

テパ「ん?どうした?」ニヘラ

ルーボイ「(なんだ、この匂い?油くせぇ…!)」ツーン

テパ「へへ」ニンマリ

ルーボイ「…兄ちゃん、目ぇ赤くない?」

テパ「はは。寝不足かもな。そろそろ行こうか」スタスタ

ルーボイ「……?」スタスタ
361:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:24:09 ID:O5X0CHOlqg
――広場――

テパ「」スタスタ

ルーボイ「広場…?」

テパ「ワルドさん、連れてきましたよ」ニヤリ

ワルド「はいはい。ご苦労さん」

ルーボイ「(誰だ、このおっさん?)」

村長「」スパスパ

村のおばさん「」ニンマリ

ルーボイ「(みんな集まって…タバコ吸ってる?)」

プーン

ルーボイ「うっ」ツーン

ルーボイ「(さっきの匂いだ…!しかもみんなも目が赤い…?)」キョロキョロ

村娘「」ニヤニヤ

村の大人5「」ブツブツ

村のお婆さん「」フガフガ

ルーボイ「なんか、おかしい…?」

ワルド「はじめまして。ルーボイ君。早速だが見てもらいたい物があるんだ?」

ルーボイ「……?」
362:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:26:35 ID:O5X0CHOlqg
ワルド「そこに転がってる安そうなお肉に見覚えがあるだろ?」

ルーボイ「えっ」

肉塊「」ベチャ

ワルド「これだよ、これ。よく見なさい」

肉塊「」ベチャ

ルーボイ「グロ…」ウプッ

ワルド「分からないか?まぁぐちゃぐちゃだもんねぇ?」

ルーボイ「(なんだ、これ?気持ちわりぃ…)」

ワルド「おじさんはここまでする事ないって止めたんだが、みんな聞かなくてね」

テパ「へへ。ワルドさんから貰った異国の葉巻を吸ったらアガッちゃってさ」ニヘラ

ワルド「はは。そいつは良かった。気に入ったようだねぇ?」

テパ「へへ…へへ…。最初は油臭いしクラクラして気持ち悪かったけど、慣れると甘い匂いがするんだ…」

ルーボイ「」プルプル

テパ「ルーボイ…お前もワルドさんに貰えよ?気持ちいいぞ?」アヘアヘ

ルーボイ「なんだよ…。さっきから、みんなおかしいよ…」ブルブル
363:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:30:22 ID:O5X0CHOlqg
ワルド「本当はこんな手段まで使うつもりは無かったが、思った以上にヘタレた奴らでな。
こうでもしないと人の一人や二人も殺せないときたもんだ?」

ルーボイ「こ、殺っ…!?
お、おっさん…。みみ、みんなに…何した、んだよ?」ガクガク

ワルド「ちょいとキツめのベリーを太く巻いてプレゼントしただけさ」ニヤリ

ルーボイ「な、なんだよ…。訳わかんねーよ!」ガタガタ

ワルド「まぁそう震えるなよ?みんな幸せそうだろ?」

テパ「そうだよ。ルーボイ。幸せだぞ。幸せ〜?」ニヤニヤ

ルーボイ「……」チラッ

村娘「うっ」ゲロゲロ

村のおばさん「あぁ。何してんだよ。汚いねぇ?」ニンマリ

村の大人5「」ブツブツ

村長「わしは何も悪くない…わしは何も悪くない…」スパスパ

村のお婆さん「」フガフガ

ルーボイ「(頭が…おかしくなりそうだ…!)」

ワルド「ん〜。素晴らしい…。まるで桃源郷だ」ヘラヘラ
364:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:32:44 ID:iuXlfLsjlI
ルーボイ「あの肉はなんなんだよ…?」ゼーゼー

ワルド「あぁ、そうだ。忘れてた。あれはね…」

テパ「パッチの親父さんとお袋さんだよ」グシャッ

肉塊「」ブシッ

ルーボイ「」ゾクッ

ルーボイ「パッ…パッ…パッ…!?」ズルッ

ワルド「おいおい、死人を踏みつけちゃいかんよ」

テパ「いいじゃないッスかー。死体をさんざん鍬や鋤でグシャグシャにしたんだから今さら今さら〜」グシャッグシャッ

ワルド「ま、それもそうだねぇ?」ヤレヤレ

ルーボイ「あうっ…わっわっ。あふ…!」ダラダラ

ワルド「くくく。いい反応じゃないの?これだから、この村は好きだよ」ニヤリ

ルーボイ「パッチは…パッ…うぷっ!」グッ

ワルド「ん〜?パッチ君が気になるかね?」

ルーボイ「おぇっ…げほっげほっ」ゲロゲロ

ワルド「うわ。きったね」アトズサリ

テパ「へへ!ルーボイ。ごきげんだな!」ヒューヒュー

ワルド「なに言ってんだ?」
365:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:35:14 ID:iuXlfLsjlI
ルーボイ「ふぅ…ふぅ…。パッチは…どうしたんだよ?」ウルウル

ワルド「さぁな?両親のお肉に混ざってんじゃないか?」

ルーボイ「うぷっ!おぇぇぇ…!」ゲロゲロ

ワルド「ぎゃはははははは!!」ゲラゲラ

テパ「なんだ、ルーボイ!ごきげんだな!」ヒューヒュー

ワルド「ひぃっ!ひぃっ!お子さまながら…いい反応をするもんだ!」プププ

ルーボイ「あぁ…あぅ…」ブワッ

ワルド「あ〜堪能したよ。最高に晴れ晴れとした気分だ!」クスクス

ルーボイ「ひっ…ひっ…えぐ…うぇ…」ポロポロ

テパ「なんだ、ルーボイ!さっきからごきげんじゃんか!」ヒューヒュー

ワルド「もう一本やるから黙ってろ」つ【※※】

テパ「Hey!!Inna di mean time!!」キャッホー
366:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:38:44 ID:iuXlfLsjlI
ワルド「さて?」グイッ

ルーボイ「……!」グッ

ワルド「ん〜?いい表情だ?もっといじめたくなるよ…!」ゾクゾク

ルーボイ「」キッ

ワルド「はぁ〜。ダメだ。ダメだ。我慢しなきゃな?
今はまだまだまだまだまだまだまだまだ…」ハァハァ

ルーボイ「死ね、変態親父」ボソッ

ワルド「…元気でなによりだ?」ニコッ

ワルド「(ダメだ。ダメだ。仕事中…仕事中…)」ブツブツ

ルーボイ「なんで…こんな……」

ワルド「簡単なハナシさ。君のお父さんを殺したのはホビットで、あの親子はホビットと関わりがあった」
367:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:41:05 ID:O5X0CHOlqg
ルーボイ「カロルが…?」

ワルド「もしかしたらパッチ君も協力してたかもな?
あの子はホビットの仲間だから」ニヤニヤ

ルーボイ「パッチもカロルも…そんな事しねぇよ…!」キッ

ワルド「…君がしてないと言っても、しちゃっんだからしょうがないさ」

ルーボイ「お前だろ…?おっさんがやったんだろ!?」

ワルド「わおっ!鋭いねぇ?でも証拠がな〜い!」ヘラヘラ

ルーボイ「殺してやる…!」ギリッ

ワルド「吐瀉物まみれのお顔で吠えても怖くないなぁ?」

ルーボイ「」ガシッ

ワルド「」バキッ

ルーボイ「うっ…」ドサツ

ワルド「汚い手で掴まないでくれないか?あいにく俺の服は上等な絹でね」

ルーボイ「ちくしょう…!」

ワルド「思い出すなぁ?君のお父さんも掴みかかってきたよ」

ルーボイ「は…?」

ワルド「君の反応には楽しませてもらったからね。
礼と言っちゃなんだが、教えてあげよう」

ルーボイ「……」

ワルド「そう、俺だよ。ぜーんぶ俺が仕組んだんだ(※>>246-252)」ボソリ

ルーボイ「……」
368:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:45:15 ID:O5X0CHOlqg
ルーボイ「みんな!!犯人はこのおっさんだ!!」

村長「わしは悪くない…わしは悪くない…」ブツブツ

テパ「」アヒャヒャ

村のおばさん「あ〜そう〜」ニンマリ

村娘「」グッタリ

村の大人5「」ブツブツ

村のお婆さん「」フガフガ

村長の妻「甘い…」スパー

ルーボイ「みんな…?なにやってんだよ?親父を殺したのはこいつだぞ!
なにタバコなんか吸ってんだよ!?」

ワルド「無駄だよ。みんな魔法のラズベリーの虜だ?」

ルーボイ「そんな…」

ワルド「…たかだか巻いた草程度でここまで堕ちるとは思わなかったがね。
これじゃ証拠の隠滅どころか違法薬物に手を出したって事で、どのみちこの村は破滅するだろう」
369:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:50:49 ID:iuXlfLsjlI
ルーボイ「何がしたいんだよ!?」

ワルド「別に?ただあのホビットの親子が欲しいだけだよ」

ルーボイ「欲しい?」

ワルド「おじさんの組織は特殊でね。ホビットを使った商売をしてるんだ」

ルーボイ「商売って…」

ワルド「ヘマトバザールって組織でね。主にホビットの拷問をお客様にショーとしてお届けしてるのさ」

ルーボイ「ご、ごうもん?」

ワルド「本当はホビットじゃなくてもいいんだが、王国の目もあるからねぇ。
合法的に徹底差別を許されるホビットでやるしかない」

ルーボイ「……」

ワルド「元は拷問愛好者の集いに過ぎなかったんだがね」

ワルド「人数も増えて、いろいろ試すと外野の評価も欲しくなるもんだ。
最初は動物なんかでやってたんだが、ウケがイマイチだった」

ワルド「試しにホビットを捕まえてやってみたとこ、普段は寂れたショーに大歓声と黄金が舞いやがった」

ワルド「ホビットほど人間に疎まれて、それでいて人間に近いものは無いからなぁ」

ワルド「憎い奴が自分たちと変わらない反応で泣き喚く姿にある種の中毒性があるんだろう」

ワルド「おかげでがっぽり頂いてるよ」ニヤリ

ルーボイ「(このおっさん…クズだ…)」ブルブル
370:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 19:58:13 ID:iuXlfLsjlI
ワルド「でも困ったよ。悲劇の町の一件(>>220-222)があってから、王国を恐れてホビットへの差別が過激化しちまってね。
今じゃすっかり数も減って姿を表さない」ヤレヤレ

ワルド「だから少しでもホビットが欲しいのさ?
その為だけにおじさんは世界中を歩き回ってるんだ」

ワルド「この旅の間に2、3匹捕まえはしたが、足りない。足りないんだよ」ワナワナ

ワルド「たかだか数匹程度の血飛沫じゃ、もう客は満足しないんだ」

ワルド「内臓をえぐり出すくらいじゃ前座にもならない」

ワルド「兄妹にスプーンを持たせて先に目をくり抜いた方が生き延びるショーは今も満員さ。
だがそうそう都合よく兄妹なんかいない」

ワルド「飢えた親に我が子を食べさせるショーも、本当の親子じゃなきゃダメなんだ。
フェイクを客はすぐ見抜くし、何より血の繋がりがそそるんだ」

ワルド「客に振る舞う食肉バイキングをやるにも10匹以上はいないとフルコースが揃わない」

ワルド「おじさん、とても困ってるんだよ?
現実は思ったよりずっとシビアだ」

ワルド「なぁ、ルーボイ君?君もそう思わないか?」

ルーボイ「(こいつあたまおかしい)」ジョォォ
371:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 20:03:10 ID:O5X0CHOlqg
ワルド「お漏らしかね?だらしない。そういうとこまで親に似るんだな?」

ルーボイ「わ…わけ…わかん……」プルプル

ワルド「まぁいい。ルーボイ君、パッチ君が行きそうな所に心当たりはないかね?」

ルーボイ「ぱ……パッチ…死んだんじゃ…?」

ワルド「おいおい、冗談を真に受けるんじゃないよ。
ちゃんと生きてるさ。ただ逃げられただけでね」

ルーボイ「えっ」パァァ

ワルド「おっと、希望に浸るのはまだ早いなぁ。
君に頼みたいのはパッチ君のいそうな場所を教えてもらう事なんだからねぇ」

ルーボイ「教えるわけ…ないだろ」キッ

ワルド「それは困ったなぁ。村人は使い物にならんし、君しか頼れないんだよ」

ルーボイ「知るかよ」プイッ
372:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/3(日) 20:06:23 ID:O5X0CHOlqg
ワルド「……状況を分かってないのー?」

ルーボイ「どうせ…殺すんだろ。いいよ。殺ればいいだろ?」ブルッ

ワルド「簡単に言うねぇ?死ぬってどういう事か分かる?
痛いよ?苦しいよ?なーんにも無くなっちゃうよ?」

ルーボイ「…こ、怖くねーし」ブルッ

ワルド「無理しないで吐いちゃいなよ?
そしたらなんにも痛い思いしないんだよーん?」

ルーボイ「いやだ…」ブルブル

ワルド「強情だなぁ。そんなに震えてるのに?」

ルーボイ「友達を…悪い奴に渡せるかよ…。
父ちゃんを殺して、みんなをめちゃくちゃにしたお前なんかに…教えねぇ!」ブルブル

ワルド「おとぎ話の世界なら、ここでなんらかの力に目覚めて悪いおじさんをやっつけちゃうんだろうなぁ?
だが無情にも、この世界は現実さ。ほのぼのとした救いの無い素敵な世界だ?」ギロッ

ルーボイ「はは…は…!そんな事言ったって怖くねーぞ…!」カタカタ

ワルド「安心しなよ?すぐに怖くなる」

ルーボイ「怖く…ねーもん。怖くなんか…」ブワッ

ワルド「(ん〜!たまらないねぇ?そそる反応をしてくれる子だ…)」

ルーボイ「ひっ…ひっ…。カロル…。パッチ…。うぅ…えぐ…!」グスッ

ワルド「(あぁ。友達の名を縋るように呼んでいる…。
なんてかわいいんだ。これだから子供はたまらない…!)」ハァハァ

ワルド「今、痛めつけてあげるからね…?」ハァハァ
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名前:
sage:


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うpろだ
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