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少年「ボクが世界を変えてみせる」
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1:🎄 名無しさん@読者の声:2012/12/23(日) 21:21:41 ID:apUuk9iOiY
むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。


206:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/4(金) 22:46:44 ID:iqCPsQL3wQ
ガチャッ

宣教師「皆さん、そろそろ日も暮れる頃ですからお開きにしましょう」

村の子供2「えー!」

宣教師「えーじゃありません。よい子は帰る時間です」

村の子供2「ちぇっ」

村の子供3「お父さん、怒ってるかなぁ…」

少年「みんな、帰っちゃうんだ。寂しいなぁ…」

村の子供2「別に明日も会えるだろ?」

村の子供3「そうだよ!ボクたち遊びに来るからさ!」

少年「…うん!」ニッコリ

宣教師「ふふ。さ、私が送りますから行きましょう」

村の子供2&3「はーい」

少年「ボクも見送るよ!」
207:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/4(金) 22:50:39 ID:zpo9dpEiuU
村の子供2「またな!」

村の子供3「明日も遊ぼうね!」

少年「うん!また明日!」

宣教師「」ガチャッ

「ワンッ!!」

村の子供2「うわああぁぁぁ!!?」ビクビクッ

宣教師「」ビクッ

村の子供3「あ、さっきの犬だ!まだいたんだね」

犬「ワンッ!ワンッ!」タタタッ

村の子供2「ひっ…」ビクッ

少年「マルク!」ダキッ

マルク「ハッ!ハッ!」ハッハッ

村の子供2「えっ」

少年「よしよし。そっか、マルクも来てたんだね?」ナデナデ

マルク「クーン…」スリスリ

少年「あはは!マルクは甘えん坊だなぁ!」ギュッ

宣教師「その犬はキミのだったんですか…」

少年「はい!森で一緒に遊ぶ友達です!」

宣教師「なるほど、それなら入れてあげるべきでしたね」

村の子供3「ボクらに付いてきたんじゃなくて飼い主の匂いに反応してたんだ」

村の子供2「(よくあんなでかい犬とじゃれられるな…)」ビクビク
208:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/4(金) 22:52:55 ID:iqCPsQL3wQ
宣教師「おっと、暗くならない内に帰りましょうか?」

少年「あ、ちょっと待って。二人の名前、おしえて?」

村の子供2「あれ、言ってなかったっけ?」

村の子供3「そういえば3人とも自己紹介してなかったね」

宣教師「それでよくあんなに話せましたね…」ガクッ

宣教師「……ん?そういえば、私も皆さんの名前を知りませんね」ハッ

マルク「わぅ…?」

宣教師「(今まで名前も知らないまま話してたなんて…フィーリングってスゴいです…)」
209:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/4(金) 22:54:25 ID:iqCPsQL3wQ
少年「ボクはカロル!改めてよろしくね?」

村の子供2「おう!俺はルーボイ!かっこいい名前だろー?」

カロル「うん。かっこいい!」ニコッ

村の子供3「そうかなぁ?」

宣教師「これが噂に聞くDQNネームというやつですか…」

ルーボイ「なんだよ、二人して!?」
210:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/4(金) 22:58:20 ID:zpo9dpEiuU
村の子供3「ボクはパッチ。よろしくね、カロルくん」

カロル「うん、よろしく。パッチくん…えへへ!」

パッチ「どうしたの?」パチクリ

カロル「今まで友達がマルクだけだったから嬉しくって…」

パッチ「そっか」ニコッ

宣教師「」ニコニコ

ルーボイ「ヘンなやつ…」

マルク「ワンッ!」

ルーボイ「」ビクッ

宣教師「コホン!私の名前は……」

パッチ「あっ!暗くなってきたし帰らなきゃ」

ルーボイ「そうだな、カロル!また明日な!」

カロル「うん!また明日!」

宣教師「……」

マルク「クーン…」スリスリ

宣教師「ありがとうございます…」ナデリ

マルク「わぅん…」

ルーボイ「宣教師様、早く行こうぜ!」

宣教師「…分かりました」

宣教師「(どうせ私は宣教師ですよ…)」ムスッ
211:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 17:54:53 ID:bQ3wFvPoik
――村長の家――
村長「……」

村の大人3「とにかくあんな宣教師は追い出すべきだ!
村にホビットと関わりのある人間がいるなんて王国にバレれば問題だぞ!」

村のおばさん「そうさ!この村にだって税の回収に兵士が来るんだ。
いつ見つかるとも分かったもんじゃない!」

村長「しかし代わりの人間を出そうにも教団が許すかどうか…」

村の青年「許すも何もホビットを匿ってるのは分かってるじゃないですか?
教団だって無視するわけには…」

村長「名誉の問題だよ。我々の村から教えに背く人間が現れたとなればただでは済まない。
どうしても責任を問われるだろう」

村の青年「でも野放しにする方が問題じゃないですか?」

村長「確かにその通りだが…」

村の大人3「司祭様は俺たち村人の話も真摯に受け止めて聞いてくれるお方だ。
悪いようにはしないだろう?」

村長「……しかしあの宣教師は司祭様のお気に入りだしな。
下手をすれば村の環境や我々の対応を問われる可能性だってある」

村の大人3「村長は考え過ぎですよ。
教えを破る人間を司祭様が許すはずはないだろ?」

村長「それもそうだが…」
212:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 17:57:32 ID:bQ3wFvPoik
村の青年「まさか村長までホビットに肩入れしてるんじゃ…」

村のおばさん「なんだって!?
そりゃどういう事だい!あんな薄汚い種族を哀れむなんて気が狂ってるとしか思えないよ!」

村の大人3「村長、あんた……」

村長「待て待て!勝手な事を言うな!
わしはただ、その先の事を考えてだな…」

村の大人3「それならなぜ結論を出さないんですか?
ホビットが村に入り込んでもいいと言うんじゃないでしょうね?」

村長「無論ホビットは追い出す!
しかし司祭様に知られれば、この村にはホビットを受け入れた汚名が残るだろう!」

村の大人3「それならいっそ…殺しちまえばいいんじゃないか?」

村長「なに?それはどういう意味だ?」

村の大人3「司祭様に知らせず闇に葬るのが最善じゃないかって言ってんのさ。
あの宣教師もホビットもな」

村長「なっ…!しかし司祭様はたとえホビットであろうと殺生はならんと…」

村の大人3「だがどのみちほったらかしておけば村に害が及ぶのに変わりはないだろう?」

村長「し、しかしだな…」
213:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 18:00:25 ID:mB1el9yyaE
村の青年「俺はいいと思うな。どうせバレなきゃ問題ないんだからさ」

村のおばさん「そうさねぇ。害虫を駆除したって文句言われる筋合いはないんだ。
殺っちまっていいんじゃないかい?」

村長「バカな!少なくともあの宣教師は人間だぞ!
ホビットだけならともかく…いくらなんでもそれはまずい!」

村の大人3「何を弱腰になってんですか。
たとえ人間でもホビットと関われば罰が下る。
それは"悲劇の町"の一件で証明されたはずだ」

村のおばさん「そうさ、司祭様には不慮の事故で死んだとでも言っておけばいいじゃないか?」

村長「みんな落ち着け!早まった考えはやめるんだ!」

村の大人3「だったら村長には考えがあるんでしょうね?」

村の青年「そうですよ、そんなに言うなら村長が案を出してくださいよ」

村長「……今は隠しておくしかないだろう。
とりあえず結論を急いでも仕方ない、少し時間をくれ」

村の大人3「……」

村長「それまでは決して早まったマネはしないでくれ。
わしもなるべく村の為になるよう最善の方法を考えておく」

村の大人3「…分かりましたよ」

村の青年「俺はいい案だと思ったけどなぁ?」

村のおばさん「ま、村長が言うんだから待つしかないね」

村の大人3「(こっちは息子まで毒されかけてるんだ…のうのうと待ってられるか…!)」ギリッ

村長「(困った事になったもんだ…)」ハァ
214:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 18:07:13 ID:bQ3wFvPoik
――教会――
カロル「…ふふ!マルク…ごめんね、ひとりぼっちで寂しかったでしょ?」

マルク「はっ!はっ!」ペロペロ

カロル「あはは!マルクったらくすぐったいよ!」ニコニコ

マルク「わんっ!」

カロル「マルクもおっきくなったね。出会った頃はまだこんなに小さかったのに」

マルク「くぅん…」スリスリ

カロル「…ねえ。マルク。本当はホビットのぼくより人間のお友達が欲しかった?」

マルク「……?」キョトン

カロル「ボクね、今日は人間の友達といっぱい遊んだんだ。すごく楽しかったよ?」

マルク「わん!」

カロル「けどね、一回だけ『ホビットのクセに』って言われちゃった…はは」ニコニコ

カロル「すごく楽しかったのに、急に穴が空いたみたいに空っぽになって…怖かった」

マルク「……」
215:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 18:08:57 ID:mB1el9yyaE
カロル「二人とも無理してたのかな、なんて…今になって思うんだ」

カロル「マルクも…無理してるのかなって思ったら怖くて…」

マルク「ワンッ!!」

カロル「」ビクッ

マルク「わんっ!!うぅ…わんっ!!」

カロル「マルク…怒ってるの?」オロオロ

マルク「わうぅ…!」

カロル「…そうだよね。ごめん。
ボク、考えすぎだった…。お母さまにも何があっても友達を信じなさいって言われたのに…」

マルク「くぅん…」

カロル「ごめんね、マルク…キミを信じてないわけじゃないんだよ?
ただ、ボクは少し…弱いから、心配になっちゃうんだ」

マルク「……」スリスリ

カロル「マルクにならなんでも言える気がして頼っちゃうのかも。
ふしぎと安心してあったかくなれるから…」ナデナデ

マルク「わぅ?」

カロル「ねえ、マルク。また辛くなったらキミに頼ってもいいかな?」

マルク「わんっ!!」

カロル「はは。頼もしいや!」パァァ

マルク「わんっ!わんっ!」ガバッ

カロル「あはは!どうしたの?重たいじゃないか!」クスクス
216:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 18:10:13 ID:mB1el9yyaE
ガチャッ

母「坊や。もう遅いから中に入りなさい?」

カロル「あっお母さま…」

マルク「くぅん?」

母「あら、マルクも来てたの?」

カロル「うん、宣教師さまたちに付いてきてたんだって」

母「そう。よかったわね」ニコニコ

カロル「うん!」

マルク「わんっ!!」

母「さ、二人とも中に入りましょう?
ご飯が出来てるわよ?」

カロル「行こうか、マルク!」

マルク「うぅ……」クーン

カロル「あれ?どうしたのかな、マルクの元気がないよ?」

母「あら…きっとお腹が空いてるのね。大丈夫よ?
多めに作ったからあなたの分もあるわ?」

カロル「だってさ、よかったね!」ニコッ

マルク「……」

母「宣教師様もそろそろ子供たちを送って帰る頃かしら?」

カロル「そうだね、きっとお腹ペコペコだよ」

母「そうね、自信作だからお腹いっぱい食べてもらいたいわ?」ニコニコ

宣教師「(出るに出られませんね…)」ガクガクブルブル
217:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 18:11:08 ID:bQ3wFvPoik
カロル「あっ!宣教師さま!おかえりなさい!」

母「宣教師様、いらしてたのね。ご飯が出来てますわよ?」

宣教師「い、いえ…私は…」

カロル「えっ」

宣教師「」ビクッ

カロル「宣教師さま…お母さまのご飯、食べてくれないの…?」ウルウル

宣教師「あ、その…そういう訳では…」アセアセ

母「お昼もあまり召し上がらなかったみたいですし、御加減が悪いのかしら…?」

宣教師「え、えと…あの…」アワアワ

カロル「」ジーッ

宣教師「」キュンッ

宣教師「(久しぶりに来た、この感覚)」
218:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 18:12:19 ID:bQ3wFvPoik
カロル「宣教師さま?」ジーッ

宣教師「うぅ…」アタフタ

母「無理をなさらず、お気に召さなければ…」

宣教師「い、いえ!いただきます!」

母「そ、そう?なんなら作り直しますけど…」

宣教師「あ、いや。大丈夫です…」

宣教師「(根本的な解決になってませんし…)」
219:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/6(日) 18:13:33 ID:bQ3wFvPoik
ズーン

宣教師「(山盛りの石炭…)」

母「おかわりはたくさんありますからね?」ニコニコ

宣教師「……それはそれは…」

カロル「ボクいっぱいおかわりするね!」

宣教師「(主よ…私に一握りの勇気を与えたまえ…)」

マルク「くぅーん…」

カロル「いただきまーす!」

母「はい、召し上がれ!」

宣教師「ええいっままよっ!いただきます!!」ガッ

マルク「ワンッ!!」モグ

ギャアァァァアアァァ!!

ワオーーーン!!

チーン
220:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/8(火) 20:01:14 ID:whq.aZ6wWc

ここは湖の上の町
透き通るほどキレイな水に囲まれて育った種が、
連日のように笑顔の花を咲かせています。

『こんな日には出かけよう。
今日は幸せが落ちている気がする』

毎日のように出る言葉は希望という名の肥料
笑顔の花は明るい陽射しに照らされて、
きらめきに満ちた夢を見ています。
この町に誰かを疑うような人間はいません。

争いが無いのだから、争いは起こらない。
町の人々は今日も笑顔の花を咲かせます。
221:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/8(火) 20:07:02 ID:1rWYGP2MtE
『こんな日には出かけましょう。
今日はとても大きな幸せが落ちている気がするの』

一人の少女がこぼした言葉、毎日自然と出てくる言葉が今日だけは違う意味を持つことになります。

不幸にも少女はこっそりと町に入り込んだ悪いホビットと出会ってしまうのです。
ホビットはずる賢い種族。
甘い言葉を紡いでまんまと彼女を騙し、少女の心に毒を忍ばせます。

ホビットによって毒された花々は枯れてしまいます。
それはすでに決まっていることであり、覆ることはないのです。

争いがひょっこりと顔を覗かせました。
町の人々は今日も笑顔の花を咲かせます。
222:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/8(火) 20:16:22 ID:whq.aZ6wWc
次の日の朝も町は眩しい陽射しに照らされます。
しかし笑顔の花が見当たりません?
ひとりぼっちの萎れた花がしくしくと泣いています。

取り囲むのは茶褐色に色褪せたお花畑
キレイだったはずの水は赤く濁っています。

灰色の世界にまどろむ少女はきらめきに満ちた夢を見ます。

それはいつもの町の景色

それはいつもの町の声

深く眠る彼女は怖い怖い悪夢を見ます。

それは変わり果てた町の景色

聞こえなくなった町の声

彼女は過ちを胸に残して泣いています。
彼女の傷を癒せるものは枯れた町への贖い
神への無償の奉仕、すなわち神の意思に沿うこと
ホビットに騙されたかわいそうな少女は外れることのない重い枷を背負うのです。
枯れた町へ想いを馳せて………

〜悲劇の町の少女〜
聖典・神の声より
著者:ノワール・バントン
223:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/8(火) 20:28:53 ID:whq.aZ6wWc
パタン

宣教師「……司祭様…。断りも無く勝手にこんなモノを…」

宣教師「(こんな物が広まれば、ホビットへの差別は更に激化してしまいます…。
それにしても、これってやっぱり印税が入るんですかね…。
私の体験なのに…なんだかずるいです)」ハァ

カロル「宣教師さま!なに読んでるの?」ヒョコッ

宣教師「うわぁっ!?」ビックリ

カロル「あ、ごめんなさい…」

宣教師「あ、いえ…」

カロル「お母さまがお風呂の用意出来たから呼んで来てって」

宣教師「それはありがたいですね。早速入らせていただきます」ニコッ

カロル「ねえ!一緒に入ってもいい?」

宣教師「え?一緒に…ですか?」

カロル「はい!」キラキラ

宣教師「(この子、無垢な笑顔で何をとんでもない事を…)」

カロル「だめ…ですか?」シュン

宣教師「」キュンッ
224:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/8(火) 20:30:02 ID:1rWYGP2MtE
宣教師「(断れない自分が悲しいです…)」

カロル「ふんふふ〜ん!」ルンルン

宣教師「ご機嫌ですね?」

カロル「だってお母さま以外で一緒に入るの初めてなんだもん!」

宣教師「(ま、男女と言えど子供ですから問題ないでしょう)」ニコニコ

母「あら、坊や。呼んでくれたの?」

カロル「うん。今から一緒に入るんだ」ニコニコ

母「あら、仲がいいわねぇ?
でもいいんですか、宣教師様?」

宣教師「はい。私もいつも一人でこの教会をもて余していたので、たまにはこういう触れ合いもいいかと」

母「そうですか。坊や、体も頭もちゃんと洗うのよ?」

カロル「はーい!」
225:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/1/8(火) 20:44:18 ID:1rWYGP2MtE
――――
宣教師「ふぅ…」ヌクヌク

カロル「」シャワシャワ

カロル「宣教師さま、桶取ってください!」

宣教師「はい、どうぞ」つ【湯桶】

カロル「…ん、ありがとうございます」ザバー

カロル「」チャポッ

宣教師「狭い湯船で申し訳ありません…」

カロル「ううん、大丈夫!」

宣教師「…キミは普段、お母様とお風呂に入っているのですか?」ヌクヌク

カロル「ううん、いつもは一人で入ってます」ヌクヌク

宣教師「おや、それは意外ですね?」

カロル「えー。そうかな?だってボク、もう子供じゃないですよ?」

宣教師「なるほど…」クスクス

宣教師「(子供って総じてこう言うんですよね。ルーボイくんなんかもそうでしたが…)」シミジミ


カロル「お風呂って安心しますね」ヌクヌク

宣教師「そうですねぇ。これに勝る癒しはなかなかありません」ヌクヌク

カロル「ボク、友達と一緒にお風呂に入るのが夢だったんです」

宣教師「では一つ夢が叶いましたね?」

カロル「えへへ。宣教師さまにそう言ってもらえると嬉しいや」ニコニコ

宣教師「私で良ければいつでも入りますよ?」

カロル「うん!また入ろうね!」

宣教師「(この子にとって、友人との触れ合いは私たちでは感じ得ない幸福なのでしょう…。
私も日々のささやかな恵みに感謝しなければ…)」
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名前:
sage:


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