書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10
基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984
注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。
909:🎏 1:2012/11/17(土) 23:37:21 ID:7RuR6mIcnA
家族のお話・側近編
龍人「それに、俺にも家族はいたんだってわかった。これから家族の幸せってやつを堪能していくことにするよ」
側近(家族の幸せか……)
側近(俺の家族は、俺が幼いころに魔界の悪意にのまれて死んでしまった)
側近(だから俺は、家族ってやつを知らない)
側近(家族の幸せって、どんなのだろうな……)
910:🎏 1:2012/11/17(土) 23:38:06 ID:7RuR6mIcnA
魔王「側近、ゲームしよー。……あれ?側近?いないのー?」
ドラゴン「側近様ならハーピーの家に行きましたよ。今日の分の仕事が終わったみたいで」
魔王「何だと!?あいつめ、俺を無視してイチャイチャしに行ったのか!」
魔王「……俺も女勇者ちゃんとイチャイチャしに行こうっと///」
ドラゴン「ちっ!……帰るのはいつごろになりますか?夕食は用意した方がいいですか?」
魔王「今舌打ちしたよね?」
ドラゴン「してません。で、どうするんですか?」
魔王「女勇者ちゃん、ご飯作ってくんないかなあ?その可能性を信じて、晩御飯無しでいいよ!」
ドラゴン「わかりました。……ちっ!」
魔王「舌打ちしてるよね!?絶対してるって!」
ドラゴン「してませんってば。それより行かなくていいんですか?」
魔王「ああ、そうだ!一分一秒が惜しい!一秒でも長く一緒にいたい!じゃあ行ってくる!」シュンッ
ドラゴン「……行ったか。リア充爆発しろよ、マジで」
911:🎏 1:2012/11/17(土) 23:38:58 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「ごめんね、側近。薬草摘みを手伝わせちゃって」
側近「いいんだよ、気にするな。二人でやった方が早く済むだろ」
ハーピー「お仕事が終わったばっかりで疲れてるのに、また大変なことさせちゃってごめんね」
側近「ハーピーと一緒にいられるんなら何の苦にもならないさ」
ハーピー「……ありがとう」
側近「俺の台詞だ、それは」
ハーピー「え、どうして?」
側近「ハーピーと一緒にいられる時間が俺にとってどれだけ幸せなのかってことだよ」
ハーピー「……私も、側近と一緒にいられて幸せだよ」
側近「ハーピー……」
ハーピー「まあでも薬草摘みは早く終わらせよう!仕事はさっさと終わらせて、家でゆっくりしよう!」
側近「ああ、そうだな」
912:🎏 1:2012/11/17(土) 23:39:56 ID:7RuR6mIcnA
ハーピー「薬草、いっぱい採れたね!」
側近「ハーピー族って本当に薬草確保するの好きだよな」
ハーピー「好きでやってるんじゃないよ!回復魔法も低級くらいしか使えない弱い魔物なんだから、回復手段はしっかりと確保しとかないと」
側近「魔王様が平和な魔界を造り上げたが、それでも必要なのか?」
ハーピー「回復効果の他にも、栄養もあって健康にいいから」
側近「茶とかにして飲んだらすごい苦いけどな」
ハーピー「でも、そこが健康に良さそうな感じしない?」
側近「毎日続けようって気にはならないかな」
ハーピー「駄目だよ。側近は魔界のためにも健康でいなくちゃ。だから頑張って飲んでみようよ」
側近「ハーピーが口移ししてくれたら毎日でも頑張れそうだな」
ハーピー「もう、何言ってるの!……あ、村が見えてきたよ」
側近「採った薬草は長老に一旦預けるんだったっけ?」
ハーピー「そうだよ。皆で集めた薬草を、平等に振り分けるの」
側近「じゃあ長老に薬草渡して、今日の仕事は終わりだな」
ハーピー「うん!」
913:🎏 1:2012/11/17(土) 23:40:53 ID:7RuR6mIcnA
長老「これほどあれば安心じゃな。ハーピーよ、御苦労であった」
長老「側近殿も手伝ってくれて、ありがたいことじゃ」
側近「構いませんよ。好きでハーピーを手伝っているんですから」
長老「そうか……ハーピー、今日はもうよい。ゆっくりするがいい」
ハーピー「わかりました。それでは失礼します」
長老「ああ、側近殿に少し話がある。側近殿は残ってくれんか?」
側近「私に話ですか?わかりました」
ハーピー「側近、外で待ってるね」
側近「先に帰ってていいよ」
ハーピー「ううん、待ってる」
側近「そっか。わかった」
側近「……それで、話とは何なんでしょうか?」
914:🎏 1:2012/11/17(土) 23:42:16 ID:7RuR6mIcnA
長老「側近殿はいつごろハーピーと結婚するんじゃ?」
側近「ちょっ!?な、何を言い出すんですか、いきなり!?」
長老「側近殿も知っての通り、ハーピー族は女性種じゃ。その理由もわかるな?」
側近「……魔界が争いの渦中だった頃、男性は集落の防衛のため戦闘に参加し、そして全滅したからですね」
長老「そうじゃ。村には女だけが残った。それでは子も残せんで、滅亡を待つだけじゃった」
側近「しかし、女性単体でも子孫を残せるよう進化し、単為生殖が可能となったんですよね」
長老「厳しい魔界で、弱い魔物が命を繋いでいくには必要な進化だったんじゃろうな」
側近「たとえばスライム族は分裂して仲間を増やすなど、単体で新しい命を産むような進化は弱く殺されることが多い魔物に多く見られますよね」
長老「でもな、ハーピー族は元々がそうだったから、有性生殖だって出来るんじゃ。恋愛感情だってある」
側近「時々他種族との子をつくったっていうハーピー族の話を聞いたりしますからね」
長老「他種族との関わりを持つのは、危険なことでもあるからの。今までの村の掟では他種族の子をつくった娘は追放処分じゃったの」
長老「魔界に潜む凶悪な魔物から身を守るために、わしらハーピー族は他種族を拒絶し、恋愛を知らんで生きてきた。でも、今の魔界は平和じゃ」
長老「女には女の幸せがあるのだと思う。男を愛し、その男との子を授かり、温かな家庭を築く。そんな幸せな人生を若いのに送ってほしいのじゃ」
長老「家族の幸せの中で生きてほしいと願っておるのじゃ」
側近「家族の幸せ……」
915:🎏 1:2012/11/17(土) 23:43:19 ID:7RuR6mIcnA
長老「そしてあの娘を幸せにできるのは間違いなく側近殿じゃ。あの娘は厳しい魔界の中でも、優しく在ることを諦めんかった」
長老「幸せを得る権利は、あの娘には確実にあるじゃろう。どうかあの娘を幸せにしてやってくれんか?」
側近「……幸せにはしたいと思います。しかし、結婚はそう簡単には決められません」
長老「まあそうじゃの。すまんな、二人の問題にわしみたいな老いぼれが絡んでしもうて」
側近「いえ、気になさらないでください。ハーピーを想っての提案は嬉しく思っています」
長老「そうか。どのような結果になろうとも、わしは今は二人の幸せを祈っとる。どんな形でも幸せになってくれ」
側近「任せてください。どんなことがあっても、必ずハーピーを幸せにしてみせます」
長老「……わしは二人のって言ったんじゃがな。まあよい。すまんな、時間をとらせて」
側近「いえ、構いませんよ。それでは私も失礼いたします」
長老「うむ。ハーピーも待ってるようじゃからな。行ってあげなさい」
916:🎏 1:2012/11/17(土) 23:44:28 ID:7RuR6mIcnA
側近「ハーピーは……いた。村の仲間と話してら」
「あ、側近様!」「側近様、やっぱりかっこいいですね!」「ハーピーより私を選んでみませんか!?」
ハーピー「ちょ、ちょっと皆さんやめてくださいよ!側近が私の彼氏じゃなくなったら、私は……」
側近「安心しろ、俺がハーピーを見捨てるなんてあり得ねえよ。皆もあんまりからかうなよ。俺のハーピーは生真面目なんだからよ」
ハーピー「お、俺のって///」
「わかってますって」「やっぱり二人の仲には敵わないなー」「かっこいいって思うのは本当ですからね!」
側近「待たせたな、ハーピー。さあ、一緒に帰ろう」
ハーピー「う、うん。あの、お話って何だったの?」
側近「ん、いや、ちょっとな」
側近(家族の幸せか……)
側近(家族を知らない俺が、ハーピーにそんな幸せを届けてあげることができるのだろうか)
側近(……有性生殖、子をつくる……)
ハーピー「ねえ、どうしたの?何か顔赤いよ?」
側近「っ!な、何でもないよ!///」
ハーピー「嘘だよ。側近、珍しくうろたえてるもん。何かあったでしょ?」
側近「何でもないって!///いいから帰ろう、はやく!///」
ハーピー「もう、変な側近……」
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