書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10
基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984
注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。
894:🎏 1:2012/11/15(木) 23:32:39 ID:7RuR6mIcnA
翌日。
龍人「……まさかここに帰ってくる日が来るなんてなあ」バッサバッサ
龍人「よう。久しぶりだなぁ、お前ら」
モブ龍「……っ!お、お前……」
龍人「あー、大丈夫大丈夫。暴れたりはしねぇよ」
龍人「うーわ、俺が出てった頃と全然変わってねぇな。進歩しねぇな、おめぇら」
モブ龍「……何をしに来た?」
龍人「冷てぇな、ほんと。おふくろと親父に会いに来ただけだろが」
龍人「家とか変わってねぇんなら、勝手に会いに行かせてもらうわ。んじゃな」スタスタ
モブ龍「……」
895:🎏 1:2012/11/15(木) 23:33:16 ID:7RuR6mIcnA
龍人「ただいまぁ。元気にしてたか?」
龍人母「えっ……」
龍人父「お前……どうして!?」
龍人「どうしてって、ずいぶんな挨拶だな。そりゃお前、俺子どもなんだから、帰りもするわな」
龍人父「……お前は里の仲間を殺して、追放となったはずだ」
龍人「覚えてるよ。だから一時的に帰っただけで、またすぐ魔王城に戻るさ」
龍人父「魔王城……噂で聞いてるが、一年半前からずっと魔王に仕えているそうだな」
龍人「そうだよ。糞ほど馬鹿な奴なんだけどよ、糞ほど優しくて良い奴なんだ」
龍人「恥ずかしいから直接は言わねぇが、俺はこれからもあいつを支えてやりてぇって思ってる」
龍人「魔王だけじゃねぇ。今の俺には、すげぇ良い仲間がいっぱいいるんだ」
龍人「俺の人生はな、いろいろあったけど……今は本当に生まれてこれてよかったって思ってる」
龍人「おふくろ、親父、ありがとう。俺、今が楽しいんだ。今日まで生きてこれてよかった」
896:🎏 1:2012/11/15(木) 23:34:29 ID:7RuR6mIcnA
龍人母「やめて!」
龍人「お、おふくろ?」
龍人母「私達は……赤子の頃から異常な強さを誇ったあなたを恐れて、見捨てたのよ!」
龍人母「私達夫婦だけじゃない、里の皆であなたを拒絶したのよ!私に親の資格なんてない!」
龍人母「恨まれることはあっても、感謝されることなんてない!なのに……」ポロッ
龍人母「何で……ありがとう、なんて言ってくれるの?」ポロポロ
龍人「……何でだろう。正直、俺も恨んでた気持ちだってあったし、文句の一つ二つは言ってやろうと思ってたのにな」
龍人「正直昔の俺だったら、暴力まで振るってたかもしれねぇ」
龍人「でも、二人の顔見たら、何か嬉しくなって……今が幸せだからかな、産んでくれた感謝がすげえしたくなった」
龍人「それに……俺、里の仲間殺してしまったこと後悔してたけど……」
龍人「皆も……おふくろも親父も、俺のことで後悔してくれてたってわかったら、何か救われた」
龍人「おふくろ達にありがとうと言えるなんて、俺は変わったんだなって実感できたし」
龍人「今、おふくろ達は俺を拒絶しようとはしてない。それがなんか嬉しいんだ」
龍人「俺にも、皆にも温もりはあったんだってわかって、なんか嬉しいんだよ」ポロッ
龍人「あれ?なんか涙出てきた……おかしいな、はは」ポロポロ
897:🎏 1:2012/11/15(木) 23:35:49 ID:7RuR6mIcnA
龍人母「ごめん!」ガバッ
龍人母「争いの渦中にあった魔界で、あなたの力が怖かった!何の罪もないあなたを見捨てた自分が許せなかった!」ポロポロ
龍人母「龍人族の皆と一緒になって、あなたを言葉で傷つけて追い出した!親を放棄したのは私の方なのに、あなたのことが心配になって……!」ポロポロ
龍人母「私に親の資格はないのはわかってる……だけど、私はあなたのお母さんでいていいのかなあ?」ポロポロ
龍人「大丈夫だよ、おふくろ。俺も、おふくろ達も、過去は悪かった」ポロポロ
龍人「でも、俺達は変われるんだ。今ならわかる。俺、ちゃんと変われたんだ。おふくろ達だって、絶対に変われる」ポロポロ
龍人「やりなおそう。俺も力になるから、皆で生まれ変わろう」ポロポロ
龍人母「ごめんね……ごめんね……!」ポロポロ
龍人「おふくろ、大丈夫だよ……俺は大丈夫だから……」ポロポロ
898:🎏 1:2012/11/15(木) 23:36:53 ID:7RuR6mIcnA
龍人母「……今日はもう城に帰るの?」
龍人「ああ、仕事もあるしな」
龍人「まあ俺の仕事って雑用って感じだからよ、ドラゴン共に押し付けてもいいけど……」
龍人「ちゃんと城の一員として頑張りたいからよ。大丈夫、これからはちょくちょく帰ることにすっから」
龍人父「……龍人」
龍人「おう、何だよ親父」
龍人父「俺は……龍人族の皆に、お前の追放処分を取り消してもらえないか相談してみる」
龍人父「お前は確かに仲間を殺めたが、そこまでお前を追い詰めたのは我々の方だ」
龍人父「その過去から逃げずに更生したお前を見て……龍人族も変わるべきだと思った。そのためにできることなら俺もしようと思う」
龍人父「今まですまなかった。遅くなって悪かったが……ここだって城と同じようにお前の帰れる場所にしたい」
龍人父「お前がそうしたように、我々も罪と向き合い、変わっていく」
龍人「……ああ、期待してるよ。それじゃ行くわ」バッサバッサ
龍人母「いつでも、いつでも帰って来ていいからね!」
龍人「ああ!俺、家族の温もりってやつに餓えてっからよ!覚悟しといてくれ!」バッサバッサ
899:🎏 1:2012/11/15(木) 23:38:33 ID:7RuR6mIcnA
龍人「ただいまぁ」
魔王「おかえりー!今日どこ行ってたのー?」
龍人「うっせぇな。どこだっていいだろ」
側近「どうだ、自分は確かに変われたって、温かな魔物になれてるって自覚できたか?」
龍人「そうだな。俺、ちゃんと変われてたんだな。そして皆も変わってくれるみたいだ」
龍人「こんな俺にも今は温もりってやつがあるみたいだ。確かに変われたみたいだ」
龍人「子゙ーレムが望んでるようなヒーローに近づけてるってわかって、安心できたよ」
龍人「それに、俺にも家族はいたんだってわかった。これから家族の幸せってやつを堪能していくことにするよ」
龍人「ありがとな、側近。お前に相談してよかった」
魔王「何々?何の話?」
龍人「お前には関係ない話だよ。お前は変わらず輝いてろ」
魔王「輝いて……はあ?何言ってんの?龍人がなんか詩人っぽくなってるーwww」
龍人「……側近、何かオススメの関節技ってあるか?」
側近「ドラゴンスリーパーでも伝授してやろうか?」
魔王「何か俺を虐げる流れになってる!?やばい、逃げよう!」ダダダ
龍人「まったく、糞馬鹿野郎が……」
龍人「さてと、これからも頑張っていこうかね!」
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