書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10
基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984
注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。
803: 1:2012/11/10(土) 23:44:36 ID:7RuR6mIcnA
大臣「王様、勇者になりたいという者が訪れてますが」
王「おお、それは助かる!魔王に連戦連敗の現状、自分までもがやられるのを恐れて志望者が激減しておるからの」
王「早急に次なる勇者を定めなければ、魔王達に攻め込まれるかもしれん。それでは人間界は終わりじゃ」
王「大臣よ、その者を通すのじゃ。勇者の素質があるか、至急調べ上げるのじゃ!」
大臣「王様、本当にその者を通し、勇者選定を受けさせていいのですか?」
王「当たり前じゃ。何を渋ることがある?」
大臣「それが……今回の志望者は女性が一人でして」
王「女性!?女性が勇者を志望して来ておるのか!?」
大臣「果たして女性に勇者が務まるのかどうか……」
王「……とりあえず通してみようではないか」
804: 1:2012/11/10(土) 23:45:54 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「え、えっと……勇者を目指しています、女勇者です!この世界を救えるような偉大な勇者になりたいと思ってます!」
王「な、なんと美しい……容姿は当然のように整い、肌は珠の如し、髪は優雅に舞い、体型も実に艶めかしい……」
女王「……あなた?」
王「ごほんごほんっ!……娘よ、その心意気は買うが、勇者は誰もがなれる職ではない」
王「悪しき暴力に立ち向かう力、力や地位に溺れぬ清らかな心、困難を前にしても決して折れぬ心身の強さが必要じゃ」
王「王家にはそういった勇者の素質を持つ者を選定する術がある。これを突破しないことには勇者の道は開けぬぞ」
王「仮に勇者として認められても、その道は長く険しい。そして何より魔王を倒さねばその先はない」
王「お主のような可憐な娘であれば、幸せの形など無数に存在するじゃろう。それでもこの道を選ぶか?」
女勇者「お心遣い感謝致します。ですが、私には描きたい世界の姿がございます」
女勇者「その理想の世界を目指して前進するだけです。選定を受けさせてください」
王「その目は世界の未来を映すか。大きな志をお持ちのようじゃの。しかし、それがお主に実現できると思うか?」
女勇者「試みのないところに、成功のあったためしはありません。私は、私が歩める一歩一歩を確実に踏みしめていくだけです」
王「……よかろう。しかし、選定の結果が芳しい物ではなかった場合は諦めてもらうぞ。人間界の未来がかかっておるからの」
女勇者「わかりました」
805: 1:2012/11/10(土) 23:46:47 ID:7RuR6mIcnA
大臣「……王様!この者には確かな勇者の素質がございます!」
王「何と!本当か!?」
女勇者「わ、私……勇者になれるんですか?」
王「……お主がその気であればな」
女勇者「や……やったー!私、勇者になれたんだ!」
女勇者「……あっ!す、すみません!はしたないところをお見せしてしまって!」
王「構わぬ。大きな目標を達成出来たんじゃ。喜ぶのは当然じゃろう」
王「……本当に可愛いのう」ボソッ
女王「あなた?」
王「ごほんごほんっ!げほっ、おえっ!……とにかく、新しい勇者の誕生じゃ!」
王「女勇者よ、知っての通り、人間界は今魔王に敗北を繰り返しておる」
王「何人もの、何十人もの勇者の力を封じられ、戦力は落ちるばかりじゃ」
王「そうして民は絶望に染まり、人間界の未来は緩やかにでも漆黒へと向かおうとしておる」
王「この負の連鎖を断てるかはお主の双肩にかかっておる!そなたの力で、人間界を蘇らせてくれ!」
女勇者「わかりました!私にできる全てを発揮して、世界に輝きを取り戻してみせます!」
806: 1:2012/11/10(土) 23:47:33 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「そうときまれば早速旅に……」
王「待つが良い、女勇者よ。いくらそなたが希望に満ちた勇者と言えど、一人で生き抜けるほど甘い世界ではない」
王「我が城が誇る兵を何人かつかせよう。魔王討伐に存分に役立ててほしい」
大臣「王様!王様!」
王「なんじゃ?そんな大声を出して」
大臣「今回の勇者は女性です。加えて、かなり美しい」
王「それがどうしたと言うのじゃ?」
大臣「……我が城の兵士が女勇者に恋でもしたら、ややこしいことになるのでは?」
王「……」
大臣「あんな美しい女性と長らく苦楽を共にするのです。恋愛感情が芽生えても不思議ではありません」
大臣「そうしてメンバー内で女勇者の取り合いのような展開にでもなれば、亀裂は免れないかと……」
王「……我が城に女性の兵士はおらんのか?」
大臣「残念ながら一人も……」
王「……どうすればいいんじゃ?」
807: 1:2012/11/10(土) 23:48:08 ID:7RuR6mIcnA
王「ええい、それでは兵を駆使して戦える女性を探してくるのじゃ!同性との旅なら問題あるまい!」
大臣「し、しかし強い女性がそう簡単に見つかるとはとても……」
王「そんな悠長なことを言う暇はないのじゃ!無茶は理解しておるが、それでも行動せねばならんのじゃ!」
大臣「わ、わかりました。とりあえず兵を使って探させてみます」
女勇者「あの……何か問題がありましたか?私はどうすれば……」
王「すまぬな。もう少しだけ出発は待ってほしいのじゃ」
女勇者「わ、わかりました」
こうして急遽女勇者の仲間が務まる強い女性探しが始まった。
808: 1:2012/11/10(土) 23:49:23 ID:7RuR6mIcnA
王都のとある酒場。
兵「情報によれば、この酒場でよく飲んでると……あの女性か?」
女戦士「あ〜あ、もっと飲みてえなあ、くそったれ……」
兵「言葉は荒いが、かなりの美女じゃないか!本当に強いのか?……ちょっといいか?」
女戦士「ああ?誰だよ、おめえはよ」
兵「強い女性がいると聞いて来たんだが……女戦士っていうのはお前で間違いないか?」
女戦士「ああ、そうだよ!女戦士さんその人だよ!仕事もなくって平日の昼間からこれだよ、くっそー!」
兵「戦士として護衛等をしていると聞いてるが、そういった仕事は?」
女戦士「駄目駄目、てんで駄目でやんの。私が女だからよ、護衛とか出来るんかどうか信用ならねえんだとよ!」
兵「そうなのか……え、じゃあ酒代とかはどうしてるんだ?」
女戦士「マスターが私好きみたいで奢ってくれんだよ。私みたいなデブの男女が好きとか、物好きもいたもんだよwww」
兵(いや……スタイル抜群の美女だから普通に納得なんだが)
女戦士「まあそんな状況だからよ、たくさんは飲めないんだよな。あーあ、世知辛い世の中だぜ……」
女戦士「で、おたくは何者なんだよ?奢ってくれんの?」
兵「……王様より直々の依頼があって来たんだ。新しい勇者様の魔王討伐の旅に参加してほしい」
809: 1:2012/11/10(土) 23:50:33 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「王様直々!?勇者の仲間!?何それ、儲け話っぽいじゃん!乗る乗る!」
兵「その前にお前の実力を計らせてほしい。戦士業もままならないのに、どうして強いと噂になってるのか、確かめんことには依頼もできん」
女戦士「いいぜ。こっちも生活がかかってるしな。安心しろ、強いのはお酒っていうオチはねえよ」
兵「しかしどう強さを証明する?実際に戦ってでもして女性に怪我を負わせたくはない」
女戦士「紳士だねえ、お兄さん。私的に言わせてもらえばカルーアミルクのように甘いだけだけどよ」
女戦士「……こいつなら問題ねえだろ?」スッ
兵「……腕相撲か。言っておくが、俺も城の兵士の中では上位だぞ?」
女戦士「御託はいいんだよ。これから先は力で語るとしようぜ」
兵「ぐうっ!はあ……はあ……!」
女戦士「わりい、加減出来なかったわ!折れちゃいねえよな?」
女戦士「で、仕事の話だが……これなら文句ねえよな?」ニヤリ
兵(この力なら……新しい勇者様の支えとなるかもしれん!)
810: 1:2012/11/10(土) 23:51:28 ID:7RuR6mIcnA
時同じくして王都のとある教会。
兵2「こちらに補助・回復魔法に長けた女性がいると聞いて来たんだが……」
女僧侶「あ、恐らくそれは私のことだと思います」
兵2「……」
女僧侶「自慢できるほど長けているわけではありませんが、基本的な魔法学は修めましたので、僅かでも助力はできると思います」
兵2「……」
女僧侶「……あの、どうされましたか?お具合悪いのですか?」
兵2「あっ、いや、すまない……あまりにも綺麗で、つい見とれてしまって……」
女僧侶「え?そ、そんな、私はそんな褒められるような容姿ではないですよ」
女僧侶「でも……お世辞でも嬉しかったです。ありがとうございます」
兵2「い、いやお世辞なんかじゃないって……やばい、好みすぎて俺がやばい……」
兵2「違う違う!とにかく、お前で合ってるんだな!?王様からの直々の依頼があるんだ」
女僧侶「王様から直々にですか!?どうして私なんかに……」
兵2「我々は今、戦闘で力となれる女性を探している。補助・回復魔法に長けているのであれば、新しい勇者様の力になれるだろう」
女僧侶「勇者様?依頼ってもしかして……」
兵2「ああ。勇者様と同行し、魔王討伐を成し遂げてほしい」
女僧侶「そのような大役を私に……」
811: 1:2012/11/10(土) 23:52:35 ID:7RuR6mIcnA
兵2「だからこそ、実力が本物か計らねばならない。お前が勇者様と同行するに値するか……調べさせてもらう」
女僧侶「魔界の悪意に蝕まれ、混乱に染まりつつある人間界……」
女僧侶「そんな人間界を救う力に私がなれるのであれば、断る道理はありません。是非とも調べてみてください」
兵2「では……ぐっ!」ザクッ
女僧侶「えっ!?ご自身を斬りつけるなんて、一体何を!?」
兵2「くっ……お前の回復魔法が本物なら、これくらい回復できるだろう!」
女僧侶「回復魔法の性能を試すのであれば、私を斬ればよかったのに、どうして!」
兵2「俺が嫌なんだよ!こんな綺麗な女性を斬るとか……とにかく、回復してみせろ!これが出来なきゃ依頼は無しだと思え!」
女僧侶「わかりました……人間界のために、そしてあなたを救うためにも頑張ります!」
女僧侶「よかった……完全に治りましたね」
兵2「……」
兵2(正直この人が好きで仕方なかったから……魔王討伐の旅で危険な目に遭ってほしくなかったから、完全回復しないように深く斬ったんだが……)
兵2(ある程度回復してもらったら後は自然に治るのを待つつもりだったが……これは凄い魔法の才能だな)
兵2(個人的には危険な目に遭ってほしくないけど、正直この魔法は魔王討伐に必要不可欠かもしれない……)
812: 1:2012/11/10(土) 23:53:43 ID:7RuR6mIcnA
更に時同じくして王都のとある家。
兵3「この家か……すみませーん」
女魔法使い母「はいはーい。あら、お城の兵士さん?どうされました?」
兵3「えっと、今我々は戦闘できる女性を探してるのだが」
兵3「こちらに魔法学に長けた女性がいるという噂を聞いてやってきた。お前がそうか?」
女魔母「ああ、いやそれは娘のことですねー」
兵3「娘!?え、お前、母親なのか!?何歳だよ!?」
女魔母「もう、女性に歳を聞くのは駄目ですよ!でも、四捨五入したら四十とだけ言っておきますね、うふふ」
兵3「全然見えない……普通に若くて綺麗だが……」
女魔母「あら、お城の兵士さんはレディの扱いはちゃんとしてますね。私嬉しい!」
女魔母「娘に用があるんでしたね。どうぞ入ってください」
兵3「はあ、失礼する」
兵3(母親がこれか……娘も相当綺麗なんじゃないだろうか)
813: 1:2012/11/10(土) 23:54:50 ID:7RuR6mIcnA
女魔母「入るわよー。お城の兵士さんがあんたに用事あるんだって」
女魔法使い「……」
兵3「……」
女魔母「どうです?うちの娘は可愛いでしょう?」
兵3(かわええええええ!!何だこの可愛い生き物!?今すぐ抱きしめてえええええ!!)
女魔母「……兵士さん?どうしました?」
兵3「っ!すまない、ボーっとしてた。……お前の魔法が凄いという噂を聞いてきた」
兵3「我々は今強い女性を探している。新しい勇者様の仲間として旅に同伴してほしんだ」
兵3「これは王様直々の依頼であり、お前が本当に凄い魔法使いであるなら是非とも依頼を受けてほしい。いいか?」
女魔法使い「……」
兵3「ど、どうした?いいのか?悪いのか?」
女魔母「ああ、すみませんね。この子、誰かと話すのが苦手なんですよ」
女魔母「ちょっと通訳いれるんで待っててもらえます?」
兵3「はあ……わかった」
女魔母「……」ゴニョゴニョ
女魔法使い「……」ゴニョゴニョ
女魔母「えっとですね、本当に私なんかでいいんですかって言ってます。いいですよねえ?」
兵3「いや、できれば実力を示してほしいとは思ってる。誰かれ構わず依頼できるほど余裕ある状況ではないんでな」
女魔母「あれま、そうなんですか」
814: 1:2012/11/10(土) 23:55:39 ID:7RuR6mIcnA
女魔母「でも大丈夫ですよ!うちの子凄いんですから!」
女魔母「お金がなくって魔法学の街の学校には入れなかったんですけど」
女魔母「独学でちゃんといろんな魔法を覚えたんですよ!」
女魔母「そんな魔法で皆の力になりたいと願っているんです!絶対に王様の期待に応えられますよ!」
女魔母「ねっ!大丈夫よね!」
女魔法使い「……」
女魔母「大丈夫だって!今まで凄い頑張ってきたじゃない!」
女魔母「これだけたくさんの魔道書をしっかりと勉強したんでしょ?いけるって!」
女魔母「旅に出ても大丈夫!えっと……この、ゼーくん?の世話も私がちゃんとしてあげるから!」
女魔母「いけるいける!大丈夫!自信を持って!ほら、レッツゴー!」
女魔母「大丈夫みたいです。この子が力になれるかどうか、試してみてください!」
兵3「本当か!?お前が一人で喋ってただけのような気がするが!?」
女魔母「本当ですって!とりあえず家の中で魔法出されたら困るので、外に出ましょう」
815: 1:2012/11/10(土) 23:56:32 ID:7RuR6mIcnA
兵3「外に出て、王都の外まで出た。これなら攻撃魔法に民を巻き込んでしまう恐れもないな」
兵3「さあ、お前の力が魔王討伐に役立つものかどうか、示してみせろ!」
女魔母「いきなさい!れいとうビームよ!」
兵3「いや、ポケモンバトルじゃないんだから……」
女魔法使い「……」フブキビュービュー
兵3「っ!」
女魔法使い「……」ファイヤーグワー
女魔法使い「……」オミズドビャビャー
女魔法使い「……」サンダーバリバリ
女魔法使い「……」ドウデスカ?
女魔母「ね?ね?うちの子は凄いでしょ!?」
兵3「……ああ、そうだな」
兵3(攻撃魔法の種類は豊富で、いずれも質が高い!独学でここまで強い魔法を繰り出すか!)
兵3(この魔法があれば、魔王を打ち破る大いなる力になるかもしれない……!)
816: 1:2012/11/10(土) 23:57:40 ID:7RuR6mIcnA
大臣「王様、報告致します!勇者の仲間が務まるような強い女性が三人ほど見つかったようです!」
王「そうか。それでは女勇者はその三人と組んで、魔王討伐の旅に出るのじゃ!」
女勇者「わかりました。必ずや人間界に……世界に平和をもたらしてみせます!」
大臣「それでは三人をここに連れてきます」
女勇者「え、えっと、よろしく……」
女戦士「お、おおう……こっちこそよろしく……」
女僧侶「よ、よろしくお願いします……」
女魔法使い「……」
四人(ど、どうしよう……私以外皆美人だ!)
女勇者(えええ!?何これ!?何で皆綺麗なの!?私これ晒し者じゃない!)
女戦士(仲間二人もそうだけど何より勇者綺麗すぎだろ!ブス私だけって、どういう状況だ、これ!)
女僧侶(皆さん綺麗なのに私だけは……嫉妬してしまいそうです)
女魔法使い(私だけ汚くて恥ずかしい……助けて、お母さん……助けて、ゼーくん……)
大臣「……強い女性を集めたはずなのに、なぜこうも美女だらけになってるんでしょう?」
王「……絶景じゃのう」
女王「あなた?」
王「ごほんごほんっ!ごほっ!ごっほ!」
817: 1:2012/11/10(土) 23:58:54 ID:7RuR6mIcnA
王「一時はどうなるかと思ったが、これで魔王討伐の戦力は集まったと言えるじゃろう」
王「さあ、女勇者よ!魔王を打ち倒すべく旅に出るのじゃ!」
王「魔王を打ち倒すこと、そして皆が無事に帰ってくることを願っておる!」
女勇者「はい!それでは行って参ります!」
女勇者「……というわけで、これから四人で頑張ろうね!」
女戦士「今度の勇者は女かよ。しかも美女。あーあ、同じ女としてやんなっちゃうぜ」
女勇者「むっ……それ、あなたが言ったら嫌味にしかならないよ」
女戦士「いやいや、嫌味はどっちだよ。鏡見たことあんのか、お前?」
女勇者「その言葉、そっくりそのまま返すよ!田舎者だと思って馬鹿にしちゃって!」
女僧侶「まあまあ、これから仲間として旅するんですから、仲良くしましょうよ」
女僧侶「とりあえずまずは自己紹介でもしてみませんか?いつまでもお互いの名前がわからないままでは呼ぶこともできません」
女戦士「そだなー。そんじゃまあ女性勇者様からいってみよっか」
女勇者「私から?えー、緊張するよ……」
女戦士「そう言うなよ。お前は勇者なんだから、このメンバーのリーダーみたいなもんだろ?先陣切っていけよ」
女勇者「わかったよ……」
818: 1:2012/11/11(日) 00:00:41 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「私は女勇者っていいます。勇者目指して王都にやってきました」
女僧侶「王都にお住まいの方じゃないんですか」
女勇者「うん。私の故郷はド田舎だよ」
女勇者「今は人間界と魔界で争ってるけど、田舎すぎるせいか、全然争いとは関係ない毎日を過ごしててね」
女僧侶「平和なことはいいことですよね」
女勇者「本当にそれよ。皆が互いを想って、笑い合いながら生きてるんだよ」
女勇者「そんな平和を堪能する中で、私の中では悲しみもあった。この世界は今人間界と魔界が争ってて、確かに傷つく人や魔物がいる」
女勇者「言葉を交えることができるなら、想いが通じ合うなら、この村のように協力し合って笑い合って生きていくこともできるだろうにどうしてって思って」
女勇者「その想いはやがて、自分が世界を変えたいという願いに変わってった。それを決意してからは、勇者になれるよう頑張ったんだ」
女勇者「そうして今日という日を迎えることができた。私は世界平和のために頑張るよ!」
女勇者「田舎者の女が抱くにはでかい野望かもしれないけど、私は真剣だからあんまり笑わないでね」
女僧侶「笑いませんよ。すごく立派な考えじゃないですか」
女戦士「……立派な勇者なんだな。なんか変に突っかかってごめんな」
女勇者「え?い、いや、私の方こそごめんね。私もムキになっちゃったよ」
819: 1:2012/11/11(日) 00:01:59 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「さてと!そんじゃ次は私といこうかい!」
女勇者「……思ったんだけどさ。その言葉遣い直した方がいいよ」
女戦士「まあまあ、そう言うなよ。楽なんだよ、これ」
女戦士「私は女戦士っていうんだ。これまでは護衛の依頼ゼロな戦士をやってたぜ」
女戦士「好きなもんは酒と肉!自信があんのは力!そんな私だ、よろしく頼むぜ!」
女勇者「……女性に言うことじゃないかもしれないけど、すごい男らしい自己紹介だったね」
女戦士「男女とは私のことよ!あははははwww」
女僧侶「確かに性格は男性らしい部分もありますね……」
女戦士「いやいや、見た目だって男だろ?がははははwww」
女勇者(ああ、この人は自分の美貌がいまいち理解できてないんだ。勿体無い……)
女勇者(格好もお洒落じゃないし……私がコーディネートしてあげたらどれだけ綺麗になるんだろう……)
女戦士「んだよ?じろじろ見ちゃってよー。何かついてるか?」
女勇者「いや、そういうことじゃないよ。気にしないで」
女戦士「あっそう。私も女勇者と一緒で田舎の出身だよ。田舎者同士仲良くやろうぜwww」
女勇者「ああ、うん。よろしくね!」
820: 1:2012/11/11(日) 00:03:21 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「さーて、次は黒髪美人いってみようか!」
女僧侶「……え?私を指しての発言ですか?そんな、黒髪美人だなんて……女勇者さんの方が髪も容姿も綺麗で……」
女勇者「ええ!?そ、そんな、あなたの方が綺麗だよ!本当に素敵な髪……サラサラで羨ましい……」
女戦士「あーもう、美人同士の謙遜合戦はいいんだよ!自己紹介いけ!」
女僧侶「す、すみません……謙遜なんかじゃないですよ」
女戦士「自己紹介!!」
女僧侶「す、すみません!えっと、私は女僧侶と申します」
女僧侶「普段は教会で神に仕えています。今回の旅では補助魔法や回復魔法で女勇者さんの力になれればと思っています」
女勇者「……なんていうか、大人の女性だよね。憧れちゃうよ」
女戦士「野郎はこういう大和撫子にキュンキュンするんだろうな、きっと」
女僧侶「もう、おだてたって何も出ませんよ」
女勇者「何て言うか、私達とは空気が違うもんね」
女戦士「なー。めっちゃ上品だしさあ。絶対王都出身だぜ」
女僧侶「た、確かに王都出身ですけど……何かお二人仲良くなりましたね」
女戦士「田舎の繋がりなめんじゃねえよ!なあ、女勇者!」
女勇者「そうだよね。田舎の絆は半端ないよ!」
女戦士「……でも女勇者って田舎者の割にめっちゃお洒落だよな」
女勇者「え?うん。身だしなみには気を付けてるから。顔で勝負できない分は格好でカバー、なんてね」
女戦士「喧嘩売ってんのか、てめえ!どの面さげて言ってんだ、ああ!?」
女勇者「ええっ!?」
女僧侶「田舎の絆どこ行っちゃったんですか……」
821: 1:2012/11/11(日) 00:04:43 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「くそ、思わぬ裏切りにあっちまったぜ……ラストお前な」
女魔法使い「……」オドオド
女戦士「……いや、お前て。自己紹介」
女魔法使い「……」オドオド
女戦士「もしもーし!聞こえてますかー!?自己紹介お願いしまーす!」
女魔法使い「っ!」ビクゥッ!
女魔法使い「……」ポロポロ
女戦士「っ!?」
女僧侶「だ、大丈夫ですか!?」
女戦士「え、何で泣いて……え、何で……?」
女勇者「女戦士が急に怒鳴ったから怖かったんだよ!謝りなよ!」
女戦士「ええ!?ご、ごめんな。そんな責めるつもりはなくって……」
女僧侶「……私に耳打ちしてくれた情報をまとめますよ。いいですね?」
女魔法使い「……」コクコク
女僧侶「えっと……名前は女魔法使いさんというみたいです。王都出身で、独学で魔法を学んだそうです」
女僧侶「喋るのが極端に苦手で、できて耳打ちくらいだそうです。皆さんが話しかける時は、できれば、はい・いいえで応えられるように話しかけてほしいと」
女僧侶「そうすれば、首を縦や横に振ることで意思表示はできる……ということらしいです。そうですよね?」
女魔法使い「……」コクコク
822: 1:2012/11/11(日) 00:05:51 ID:7RuR6mIcnA
女戦士「めんどくせえなあ……ちょちょいと喋るくらいできるだろ……」
女勇者「文句言わないの。皆が皆あんたみたいに単純な生き物じゃないの」
女戦士「会って間もないのに単純な生き物とか言われてんだけど!?いや、合ってっけどさあ!」
女勇者「ははは、なんか女戦士ってわかりやすいもん」
女僧侶「ふふ、そうですね」
女戦士「何だよ、女僧侶まで!」
女勇者「……何だか一気に仲良くなれた気がするね」
女戦士「そうだな。なんだかんだ私達良いパーティなのかもな!」
女勇者「何だか魔王討伐もいけそうな気がしてきたよ!」
女僧侶「そうですね。お互いを仲間として認めあえたところで、そろそろ王都を発つとしますか」
女勇者「そうだね。よし、私達四人で、絶対に魔王を倒そう!」
女戦士「よっしゃあ!行くかあ!」
女魔法使い「……」ガンバロー!
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