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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
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1:🎏 :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


801:🎏 :2012/11/10(土) 23:42:37 ID:7RuR6mIcnA
四人の出会い

一年半前。魔界と人間界が絶賛戦争中だった頃のお話。
魔王討伐に向かった勇者達は、魔王の奇術の前に次々と戦闘力を封じられ、全員が命からがら王都に戻ってきた。
ただやられるだけでなく、力も封じられる。勇者達もその詳細を詳しく話そうとはしない。
続く敗北に謎の弱体化も重なり、民の不安は日に日に増していった。
対照的に勇者を志す者は日に日に減っていったが、歴代勇者達の末路を思えばそれも止む無しと言えよう。
戦う力を、これまでの努力の形を無かったことにされるとあっては、その座に就くのを恐れるのも仕方ないだろう。
そんな中で、厳しい現状に立ち向かって勇者を目指す女性がいた。
802:🎏 :2012/11/10(土) 23:43:20 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「勇者を目指して王都に来たのはいいけど……」

女勇者「やっぱり王都って都会だなあ!田舎とはわけが違うよ!」

(何だ、あの美女……)(あの人が彼女だったら……)「うっ!……ふぅ」

女勇者「……何か皆の視線が突き刺さってる。そんなに田舎者っぽいかなあ……」

女勇者「まあいいや。田舎者が勇者目指してもいいじゃない!女が勇者目指してもいいじゃない!」

女勇者「私がこの世界を変えていくのよ!行こう!」
803:🎏 :2012/11/10(土) 23:44:36 ID:7RuR6mIcnA
大臣「王様、勇者になりたいという者が訪れてますが」

王「おお、それは助かる!魔王に連戦連敗の現状、自分までもがやられるのを恐れて志望者が激減しておるからの」

王「早急に次なる勇者を定めなければ、魔王達に攻め込まれるかもしれん。それでは人間界は終わりじゃ」

王「大臣よ、その者を通すのじゃ。勇者の素質があるか、至急調べ上げるのじゃ!」

大臣「王様、本当にその者を通し、勇者選定を受けさせていいのですか?」

王「当たり前じゃ。何を渋ることがある?」

大臣「それが……今回の志望者は女性が一人でして」

王「女性!?女性が勇者を志望して来ておるのか!?」

大臣「果たして女性に勇者が務まるのかどうか……」

王「……とりあえず通してみようではないか」
804:🎏 :2012/11/10(土) 23:45:54 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「え、えっと……勇者を目指しています、女勇者です!この世界を救えるような偉大な勇者になりたいと思ってます!」

王「な、なんと美しい……容姿は当然のように整い、肌は珠の如し、髪は優雅に舞い、体型も実に艶めかしい……」

女王「……あなた?」

王「ごほんごほんっ!……娘よ、その心意気は買うが、勇者は誰もがなれる職ではない」

王「悪しき暴力に立ち向かう力、力や地位に溺れぬ清らかな心、困難を前にしても決して折れぬ心身の強さが必要じゃ」

王「王家にはそういった勇者の素質を持つ者を選定する術がある。これを突破しないことには勇者の道は開けぬぞ」

王「仮に勇者として認められても、その道は長く険しい。そして何より魔王を倒さねばその先はない」

王「お主のような可憐な娘であれば、幸せの形など無数に存在するじゃろう。それでもこの道を選ぶか?」

女勇者「お心遣い感謝致します。ですが、私には描きたい世界の姿がございます」

女勇者「その理想の世界を目指して前進するだけです。選定を受けさせてください」

王「その目は世界の未来を映すか。大きな志をお持ちのようじゃの。しかし、それがお主に実現できると思うか?」

女勇者「試みのないところに、成功のあったためしはありません。私は、私が歩める一歩一歩を確実に踏みしめていくだけです」

王「……よかろう。しかし、選定の結果が芳しい物ではなかった場合は諦めてもらうぞ。人間界の未来がかかっておるからの」

女勇者「わかりました」
805:🎏 :2012/11/10(土) 23:46:47 ID:7RuR6mIcnA
大臣「……王様!この者には確かな勇者の素質がございます!」

王「何と!本当か!?」

女勇者「わ、私……勇者になれるんですか?」

王「……お主がその気であればな」

女勇者「や……やったー!私、勇者になれたんだ!」

女勇者「……あっ!す、すみません!はしたないところをお見せしてしまって!」

王「構わぬ。大きな目標を達成出来たんじゃ。喜ぶのは当然じゃろう」

王「……本当に可愛いのう」ボソッ

女王「あなた?」

王「ごほんごほんっ!げほっ、おえっ!……とにかく、新しい勇者の誕生じゃ!」

王「女勇者よ、知っての通り、人間界は今魔王に敗北を繰り返しておる」

王「何人もの、何十人もの勇者の力を封じられ、戦力は落ちるばかりじゃ」

王「そうして民は絶望に染まり、人間界の未来は緩やかにでも漆黒へと向かおうとしておる」

王「この負の連鎖を断てるかはお主の双肩にかかっておる!そなたの力で、人間界を蘇らせてくれ!」

女勇者「わかりました!私にできる全てを発揮して、世界に輝きを取り戻してみせます!」
806:🎏 :2012/11/10(土) 23:47:33 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「そうときまれば早速旅に……」

王「待つが良い、女勇者よ。いくらそなたが希望に満ちた勇者と言えど、一人で生き抜けるほど甘い世界ではない」

王「我が城が誇る兵を何人かつかせよう。魔王討伐に存分に役立ててほしい」

大臣「王様!王様!」

王「なんじゃ?そんな大声を出して」

大臣「今回の勇者は女性です。加えて、かなり美しい」

王「それがどうしたと言うのじゃ?」

大臣「……我が城の兵士が女勇者に恋でもしたら、ややこしいことになるのでは?」

王「……」

大臣「あんな美しい女性と長らく苦楽を共にするのです。恋愛感情が芽生えても不思議ではありません」

大臣「そうしてメンバー内で女勇者の取り合いのような展開にでもなれば、亀裂は免れないかと……」

王「……我が城に女性の兵士はおらんのか?」

大臣「残念ながら一人も……」

王「……どうすればいいんじゃ?」
807:🎏 :2012/11/10(土) 23:48:08 ID:7RuR6mIcnA
王「ええい、それでは兵を駆使して戦える女性を探してくるのじゃ!同性との旅なら問題あるまい!」

大臣「し、しかし強い女性がそう簡単に見つかるとはとても……」

王「そんな悠長なことを言う暇はないのじゃ!無茶は理解しておるが、それでも行動せねばならんのじゃ!」

大臣「わ、わかりました。とりあえず兵を使って探させてみます」

女勇者「あの……何か問題がありましたか?私はどうすれば……」

王「すまぬな。もう少しだけ出発は待ってほしいのじゃ」

女勇者「わ、わかりました」

こうして急遽女勇者の仲間が務まる強い女性探しが始まった。
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