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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
[8] -25 -50 

1:🎏 :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


584:🎏 語りは魔王目線:2012/10/28(日) 22:31:18 ID:6xWpg1Pyas
俺が異世界に渡った日のこと、話すね。
魔力を使いきった俺は激しく消耗して弱り切ってた。
あと、異界王も俺の魔力浴びてかなり深手を負ってたんだよね。
二人とも弱り切ってて、異世界に着くと、城の床に倒れ込むしかなかったんよ。

魔王「……うぐっ!」ドサッ

異界王「がはあっ!!」ドサッ

魔王「はあ……はあ……!」

魔王(ここ、知らない……城?異世界の城なのかな?)

魔王(俺、本当に異世界に来たんだなあ……)

魔王(異界王の腕、抜けちゃった……血、止まんないや……)

魔王(魔力ももうない……体が動かない……何か寒いし熱いし不思議な感じだ……)

魔王(覚悟してたけど……俺、本当に死ぬんだな……)
585:🎏 :2012/10/28(日) 22:32:50 ID:6xWpg1Pyas
死ぬんだと思った。後悔がないといえば嘘になるよね。
もっとこう世界中の可愛い女の子からいじめられたかったし、特に女勇者ちゃんに踏まれたいとか思ったし。
あとね、ゲームもまだやってないのあるなーって。RPGとかのさ、まだ途中の奴とか話がすごく気になっちゃって……

側近「……魔王様、さっさと本題入ってください。チキンウィングフェイスロックかけますよ?」

魔王「久々の側近の関節技の恐怖!やだやだ、話進めるからかけないで!」

とにかく、俺はもう死ぬんだなって思って、目を閉じたの。
そしたらね、その時魔力が俺の中で湧き上がったの!
えー何これーって思いながら、目を開けたんだけどね。

魔王(ど、どういうこと?何で魔力が……)

魔王「……うわっ!やばっ!」

魔王「呪いの兜が壊れてる……」

俺さー、魔力を全部放出したじゃんか。呪いの兜がその負荷に耐えられなかったみたいで、バッキバキのボッコボコになっちゃったんだ。
兜は壊れて細かい欠片になって床に落ちてったんだ。焦ったよねー、女勇者ちゃんがくれた兜を壊しちゃってさ。
586:🎏 :2012/10/28(日) 22:33:43 ID:6xWpg1Pyas
側近「兜が壊れた?……そうか!」

側近「呪いの兜は対象者の力や魔力を封じる!それが壊れて外れたことで、魔王様の体に封じられてた分の魔力が戻ったんだ!」

魔王「その戻った魔力で回復魔法をかけて、お腹に開いた穴を修復したんだよ」

魔王「まあ出血もひどかったし、即座に全回復とはいかなかったけど、一命は取り留められたんだよね」

魔王「でも、そのせいで女勇者ちゃんがプレゼントしてくれた兜壊れちゃった……ごめんね、女勇者ちゃん」

女勇者「ううん、全然いいよ!魔王が無事で本当によかった!本当にあの兜あげててよかったよ!」

魔王「許してくれるの?」

女勇者「魔王が生きててくれただけで十分だよ!本当にありがとう!」

魔王「久々の女勇者ちゃんの優しさが俺の心に沁み渡るでえ……」ポロポロ

龍人「泣いてる暇なんかねえよ、馬鹿魔王。てめえが生きてる理由はわかった。で、あの糞野郎はどうなったんだよ?」

魔王「……異界王のことだね」
587:🎏 :2012/10/28(日) 22:34:59 ID:6xWpg1Pyas
自分を回復して、まだ弱ってるとはいえ少しは余裕も出来た俺は、異界王も回復して上げることにしたんだ。

側近「異界王も回復したんですか!?」

魔王「うん。あ、でもその前に力は封印させてもらったけど」

龍人「歴代勇者や俺にかけたあの魔法か……」

そうして力を封印したんよね。でも、異界王すっごい強いから、全部は封印出来んかったんよ。
まあでもだいぶ力はなくなったから、もう大丈夫かなーって、異界王を回復して上げたんだよ。

魔王「待っててね、今回復してあげるから……!」ホワーン

異界王「うっ……んん、ここは……?」

魔王「あ、気がついた?大丈夫?何か痛いとことかない?」

異界王「イケメン弟!てめえ、生きてやがったのか!?」

魔王「うん。そのせいで兜壊れちゃったけど……」

異界王「ていうか、何で俺まで無事なんだよ?」

魔王「何でって、今回復魔法かけたからね」

異界王「はあ!?お前、俺を回復したのか!?」

魔王「うん。だって、誰だって痛いのはいやでしょ?女の子からいじめられるなら話は別だけどね!」

異界王「いや、それ別の話じゃねえよ、絶対……」
588:🎏 :2012/10/28(日) 22:36:33 ID:6xWpg1Pyas
魔王「あ、ごめんね。意識ない時に力を封印させてもらったよ」

異界王「……本当だな。ものっそい弱体化してやがる。てめえ、何で戦闘中にこれ使わなかったんだよ?」

魔王「かけるまで時間かかるんだよ。とても戦闘中に繰り出す余裕はなかったよ」

魔王「まあでも今こうしてかけられたからよかったよ!」

魔王「……ねえ、一方的に叩かれるのって痛いでしょ?怖いでしょ?嫌でしょ?」

魔王「だからさあ、異界王もう誰かをいじめて楽しむのをやめてほしいんだよ」

魔王「楽しみたいと思うことは普通のことだよ。それは悪いことじゃないよ」

魔王「でも、自分が楽しむために誰かを悲しませるのはNGだよ」

魔王「これから一緒に探してみようよ!皆で一緒に楽しめる方法!」

魔王「異界王だって変われるよ!大丈夫、変われるまで俺も協力するよ!」

魔王「……穴、閉じちゃったからもう戻れないしね」

異界王「……自分を殺しかけた相手を救って味方となるか。どんだけお人好しなんだよ、イケメン弟」

魔王「異界王が誰かをむやみに傷つけるような真似をしなくなったら力は返すから。だから、それまでは我慢してね!」

異界王「……もう俺には世界を支配する力もねえんだな」

魔王「力封じたって言っても、元が強力過ぎて全部は無理だったから、今でも側近クラスの実力はあるけどね」

魔王「でも、俺がいる限りはこの世界の人達をいじめさせはしないよ!」

異界王「……負けだなあ。俺の負けだ、参ったよ」
589:🎏 :2012/10/28(日) 22:39:43 ID:6xWpg1Pyas
魔王「さてと……この城、誰かいないの?」

異界王「俺しかいねえよ。雑魚にうろちょろされても目障りだからな」

魔王「えええ!?何それ、寂しくないの!?」

異界王「そんな感情は持ち合わせてねえよ。支配者たる俺様に、雑魚を引き連れる必要はねえ」

魔王「……まずはその考え方からどうにかしないとね」

魔王「じゃあとりあえず外に出よっか。俺が改心させるから異界王を許してあげてねって民に教えてあげないと!」テクテク

異界王「……」

魔王「……どしたの?何で動かないの?まだ体痛い?」ピタッ

異界王「忘れたのかよ、イケメン弟」

魔王「……何を?」

異界王「お前がいる限り、俺は支配者にはなれねえ」

異界王「支配者たる俺様には、そんなもんは受け入れられねえ。でも、もはや受け入れるしかねえ状況だ」

異界王「死んでしまったんだよ、支配者たる異界王はな。そんな状況で生きながらえて何になるんだ?」

異界王「忘れたのかよ、イケメン弟。俺の負ける時ってのは、俺が死ぬ時だけだぜ」スッ

魔王「お前……何を!?」

何かを企んでるのに気付いた時にはもう遅かった。
異界王は自分の首を右手で掴むと、そのまま握力で握りつぶした。
赤色が舞って、頭部が踊って、間もなく異界王の体は倒れてしまった。
俺もすぐ駆け寄ったんだけどね。もう回復魔法も無駄だった。……死んでたんだよ。
590:🎏 :2012/10/28(日) 22:41:40 ID:6xWpg1Pyas
側近「最期は自殺ですか……」

女勇者「自ら首を握り潰すって……壮絶だね」

魔王「……俺さ、おじいちゃんや戦争派の皆に続いて、異界王まで救えなくってへこんだんだけどさ」

魔王「でもさ、側近や女勇者ちゃんが前に言ってくれたじゃない」

側近「言った?俺達、何か言いましたか?」

魔王「……側近さ、異界王との再戦の前にこう言ってくれたよね」

魔王「魔王様の優しさは間違いじゃない、魔王様のままでいていいって」

魔王「その言葉があったから、異界王を救えなかった時、自分を見失わずに済んだんだよ」

魔王「そして俺を後押ししてくれたのが女勇者ちゃん」

魔王「俺が最初は異界王に無様にやられて、女勇者ちゃんを守れず怖い思いさせちゃったのにさ」

魔王「それなのに、女勇者ちゃんは信じてるからって言ってくれて、俺に託してくれた」

魔王「異界王を救えなくて、もう元の世界にも戻れないって思って、一瞬だけでも凄い絶望したんだけど」

魔王「側近の優しい言葉が、俺を立ち直らせてくれたんだよ!」

魔王「そして駄目な俺でも女勇者ちゃんが信じてくれたから、失敗しても頑張り続ければ誰かの期待に応えられると信じることができたんだよ!」

魔王「二人の言葉が、異世界に取り残された俺の力になってくれて、この世界を救うきっかけになってくれたんだよ!本当にありがとう!」
591:🎏 :2012/10/28(日) 22:42:55 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王……」ウルウル

側近「あの日……その言葉を投げかけた俺達が、どれだけ後悔したと……」ウルウル

女勇者「なのに何で、そんなに好意的に言ってくれるの……?」ウルウル

魔王「え?何でって言われても……本当に感謝してるんだもん」

側近「魔王様、ありがとうございます……!あなたの発言で……ようやく救われた気がします……!」ポロポロ

女勇者「ありがとう……!魔王……!」ポロポロ

魔王「な、何で泣いてるの!?ごめん!泣かないで、女勇者ちゃん!」オロオロ

龍人「バーカ、嬉しくて泣いてんだよ。謝る必要ねえよ」

龍人「それよか気になることがある。この世界を救うきっかけとか言ってたけど……お前、救ったんか?」

魔王「え?あ、うん。結果的に異界王死なせちゃったし。じゃあ誰がこの世界導くんよって話じゃん」

魔王「それに異界王から、この世界の皆をいじめてやったぜ〜?みたいな話は聞いてたからさ」

魔王「側近と女勇者ちゃんの言葉のおかげで前向きにもなってたからさ。俺がやるっきゃない!ってなってさ」
592:🎏 :2012/10/28(日) 22:44:19 ID:6xWpg1Pyas
異界王の死体をそのままにしとくのはかわいそうだからとりあえず布とかをかぶせてあげてね。
俺は一人で城の外に出てみたの。
……すっごい荒れてた。ああ、本当に異界王はこの世界を自由気ままに荒してたんだなあって思って。
城の近辺の集落の人達は俺を見てすっごい警戒してた。
高い実力で権力を振り回して自分達を苦しめる異界王、その城から出てきた見知らぬ誰かを警戒するのは、まあ当然だよね。

村人1「な、何者だ!?異界王様……異界王の手下の者か!?」

村人1「もう今月の献上物は出したはずだ!これ以上は無理だ!」

村人1「過労や餓えで村の多くの者が死んでいる!なのに、まだ俺達から絞り取ろうっていうのか!」

村人1「これ以上の無茶で村の皆を殺されてたまるか!刺し違えてでもお前を殺す!」

村人2「馬鹿!やめろ!この村全員を犠牲にする気か!」

村人2「申し訳ありません!これからも異界王様に尽くしますので、どうか村を滅ぼすのは考えなおしてください!」

魔王「……」プルプル

魔王「」ブチッ

魔王「皆ー聞いてー!異界王は死んじゃったから、俺が王位を継ぐよ!」

魔王「俺が皆を幸せにしてみせるから!だから信じてついてきてよ!!」

村人1「……は?」
593:🎏 :2012/10/28(日) 22:46:08 ID:6xWpg1Pyas
兵1「ありましたねー、懐かしい話です。恥ずかしながら、その時はとても信じることが出来なかったんですが」

兵1「魔王様は自ら世界各地を回り、苦しんでいる民の力になってくれました」

兵1「自ら働き、食料も確保してくれて、民のために尽くしてくれました」

兵1「魔道師一族や異界王によって長年苦しめられた我々を助けて下さったんです。本当に感謝してます」

兵2「こんなこと言ってますけど、こいつ魔王様に喧嘩売った村人ですからねwww」

兵1「いや、あの時は異界王の手下だと思ってたから!魔王様、今は微塵も反逆の意はありませんからね!」

魔王「わかってるってー」

側近「元村人で正式な兵士じゃなかったんですか。だから実戦慣れしてなかったんですね」

兵1「魔王様のおかげで平和になりましたからね。戦う機会ってないんですよ」

兵2「一生懸命攻撃魔法とか覚えたんですけど……駄目でした?」

龍人「正直、糞しょぼかったな」

兵2「……平和や魔王様を守れるよう、精進致します」

女勇者「……何で元々村人だったのに、城の警備に就いたの?」

兵1「魔王様が王位に就かれてから数日が経過した頃だったんですが。我々の警戒心もなくなってた時期ですね」

兵1「城で一人ぼっちは寂しいって泣きつかれまして。誰か一緒に住もうよ〜って」

側近「……変わってませんね、魔王様は」

魔王「側近が支えてくれた俺を、女勇者ちゃんが信じて託してくれた俺を変える気はないよ!」
594:🎏 :2012/10/28(日) 22:47:38 ID:6xWpg1Pyas
魔王「……それからはずっと平和に向けて頑張って、今に至るって感じかな」

龍人「そんな感じで生きてたんだなぁ、お前……」

側近「世界は変わっても、魔王様は変わらず魔王様だったんですね。本当に尊敬しますよ」

魔王「……」

側近「……何ですか。苦虫を噛み潰したような顔して」

魔王「側近が真っすぐに褒めるとか、何か裏がありそうで怖い……」

側近「俺だって手放しで褒めることくらいありますよ……」

兵1「しかし、感動の再会を果たせてよかったですね」

兵2「ところで、皆さんは何故やってきたんですか?ていうか、魔道師亡き今どうやって来たんですか?」

女勇者「あっ……その、私達は……」

側近「……俺達は魔王様が亡くなったと考えて遺体を奪還しに来た。生まれ育った世界で眠ってほしくてな」

側近「しかし、魔王様は生きていた。だから俺達は魔王様に戻ってきてほしいと思ってる」

側近「魔王様がいなくなったことで、戦争派も活発になり、世界が荒れている。今一度魔王様に俺達の世界を救ってほしい」

魔王「え!?今そんなことになってんの!?そりゃ行かなきゃ!」

魔王「あ、でも……俺が向こう行っちゃったら、こっちの皆は……」

兵1「……」
595:🎏 :2012/10/28(日) 22:49:00 ID:6xWpg1Pyas
兵1「……行ってください、魔王様」

魔王「……いいの?」

兵2「確かに魔王様が戻られるのは、我々の世界には大きな痛手となります」

兵1「でも、我々の存在が、この世界が魔王様の足枷になるのは嫌ですよ」

兵2「我々は魔王様を慕っております。魔王様の進む道を全力で応援しますよ」

兵1「それに魔王様の希望は皆が必要とする物でしょう。我々だけで独占したら罰が当たりますよ」

兵1「行ってください。こっちは大丈夫です。魔王様から頂いた平和な世界と希望がありますから!」

魔王「皆……」

魔王「ねえ、側近。異世界へと通じる穴はもう自由に開けたりできるの?」

側近「魔力さえあれば可能ですよ」

魔王「わかった。皆、俺またこっちにも戻ってくるから!」

魔王「俺の世界も助けて、皆の力にもなるためにまた戻るから!」

魔王「だから今はごめんね!俺、帰るとするよ!」

龍人「決まりだな。凱旋パレードといくかい」

女勇者「魔王、帰ろう!」

魔王「うん!帰ろう!」
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