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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
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1:🎏 :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


503:🎏 :2012/10/23(火) 21:44:46 ID:6xWpg1Pyas
それからは順調だった。
あれから戦争派の目立った襲撃はなく、作業は何ら問題なく進んだ。
魔王に眠ってもらう立派な墓は完成間近で、異世界とこの世界を結ぶ魔法は女僧侶が発見し習得した。
女魔法使いとウィッチの魔法陣解明及び改善も着々と進んでいるようだし、タンクはゴーレムさん達の協力のおかげで、その計画が頓挫することはなくなった。
人と魔物が手を取り合うことで、私達の計画は成功に向かっていた。

女勇者「ふー……肉体労働はやっぱり堪えますねえ」

ゴーレム「すみませんねえ、女勇者さん。お墓作りの作業を手伝ってもらって」

女勇者「いえいえ、魔法の方に関しては女魔法使いとウィッチが凄くてとても手伝えそうにありませんしね」

女勇者「私が今できることと言えばこうして体動かすくらいですから。むしろこれくらいしか出来なくて申し訳ないですよ」

ハーピー「私なんて人間の賛同者の方を呼ぶ仕事が終わっちゃって……応援しかできないです」

ゴーレム「いやいや、それでいいんですよ。お二人のような美しい女性が一緒にいるだけで、男は元気出るんですから」

魔物♂「そうですよ!」

人間♂「最高っす!」

ハーピー「ほ、本当ですか?非力で役に立てない私を励まそうとしているだけでは?」

ゴーレム「本当なんです。ハーピーさんが思っている以上に、男ってやつは単純な生き物なんですよ」
504:🎏 :2012/10/23(火) 21:45:57 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「さて、そろそろ休憩にしましょうか」

女勇者「あ、私まだ頑張れますよ!」

魔物♂「女勇者さん、無理は禁物ですよ。あなたに何かあったら俺達が嫌ですよ」

人間♂「それに俺達も普通にきついんでwwしっかり休んで次の作業に備えましょう」

女勇者「そ、そっか……じゃあ休憩にします?」

ゴーレム「休憩にしましょう」

ハーピー「休憩ですか……あの、おにぎり作ってるんで、皆さんよかったら……」

魔物♂「ハーピーさんのおにぎり!?食べたいっす!」

人間♂「ヒャッハー!ハーピーさんのおにぎりだー!」

ハーピー「作る際には羽に注意して、接触しないようにしました。なので汚いことはないと思いますが……」

魔物♂「汚いなんてとんでもない!」

人間♂「むしろハーピーさんの羽なら食べてみたい!」

魔物♂「むしろハーピーさん食べたい!」

ハーピー「え?え?」

魔物♂「ハーピーさん、好きだあああ!」

側近「こらあ!俺のハーピーに何する気だぁ!」

魔物♂「側近様だあああ!逃げろおおお!」

側近「くだらんことしてないで、ちゃんと休憩しろよ!……全く」

側近「本当に男って生物は単純だし馬鹿だな……」

女勇者「側近も男でしょ……」
505:🎏 1「いや、美味しい人はマジで美味しい」:2012/10/23(火) 21:48:58 ID:6xWpg1Pyas
ハーピー「側近、共存の街に戻ってたんだ?」

側近「ああ。ちょっと前にな」

女勇者「今は魔界各地の戦力の振り分けしてるんだよね」

側近「ゴーレム族が俺達の計画に協力してくれた結果、自衛能力を失ったからな。各種族が戦争派を退けることができるように戦力を振り分けねばならん」

側近「共存の街を皆で協力して蘇らせたことで共存派の士気が高まってるのを感じてか、最近は大人しいけどな。念のためってことだな」

女勇者「側近も休憩?」

側近「ああ。ハーピーを見て癒されようと思ってな」

ハーピー「も、もう///からかわないでよ///」

側近「真面目に言ったんだけどな……」

女勇者「ハーピーさんのおにぎり、おいしいよ。何でこんなおいしいんだろ?」

側近「水分や塩分の加減が抜群だからな。あとはハーピーの溢れる愛情がこもってるからだろ」

女勇者「あー、なんか納得」

ハーピー「何で私を持ち上げるんですか///おにぎりなんて誰が作っても一緒ですよ///」
506:🎏 :2012/10/23(火) 21:50:15 ID:6xWpg1Pyas
側近「ハーピー、俺も貰っていいか?」

ハーピー「うん。頑張る皆のためにいっぱい作ったから」

女勇者「応援しかできないって言っておきながら、すごい支えてくれてるじゃない」

ハーピー「いえいえ、私はこれくらいしか出来ないですから」

側近「……」モグモグ

女勇者「あー、疲れた体に塩分が沁み渡るねー」モグモグ

側近「……何か来るとこまで来たって感じだな」

女勇者「計画も順調に進んでるもんね」

側近「魔王様が亡くなった時はどうなることかと思ったけど」

側近「皆それを乗り越えて、こうして協力して平和に向かっている」

側近「魔物も人も一緒になって、平和に向かって頑張ってんだよな」

側近「魔王様のいないこの世界で、俺達だけで築き上げようとしてるんだよな」

側近「女勇者、お前の言った通りだったな」

側近「過程が違っても、時間がかかっても、一人じゃ出来なくても、協力し合うことで魔王様が描いた理想に近づける」

側近「それらは全て、魔王様の死を乗り越え、俺達に協力の道を示したお前のおかげだ」

側近「改めて礼を言わせてくれ。ありがとう、女勇者」
507:🎏 :2012/10/23(火) 21:51:32 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……魔王の死を乗り越えた、か……」

側近「そうだろう?こうして遺志を引き継ぎ、平和に向けて尽力してるじゃないか」

女勇者「確かに……魔王のやりたかったことを私は今代わりにやってるよ」

女勇者「魔王ならどうしただろう。そう考えて、魔王が出来なくなったことをやってる」

女勇者「ただ……私は本当に魔王の死を乗り越えられたのか……今でも疑問に思うよ」

女勇者「最初は塞ぎ込んでたこともあってか、魔王の死を乗り越えたからこそこうして進んでいけてるって思われてるのかもしれないけど」

女勇者「魔王がいない恐怖をこうやって活動していくことで誤魔化そうとしているだけかもしれない」

女勇者「側近は、魔王とは関係なく自分のやり方で世界を正そうとしてる」

女勇者「ゴーレムさんのように大勢の方が、今と未来を見据えて自ら決断をして進んでいる」

女勇者「私だけが……魔王に依存して魔王の真似事をして魔王の面影を求めているのかもしれない」

側近「……そんなことはないだろ。お前は立派にこうして活動してる。乗り越えられたんだよ」

女勇者「そうかなあ……確かに私は立ち直ったよ。でも……でも……」
508:🎏 :2012/10/23(火) 21:52:59 ID:6xWpg1Pyas
今でも思ってしまう。
この場に魔王がいたら。
人と魔物が共にいるこの景色を並んで見ることが出来たら。
きっと魔王は笑うんだろう。かっこよく、かわいく、素敵な笑顔できっと。
皆が前を向いて頑張ってる中、そんな笑顔が見たくて横を見て、あなたがいないことに気付くんだ。
皆がそうして前へと進む中で、私はそんなことでいちいち落胆するんだ。その場に留まりそうになる。
どうしてもあなたを乗り越えることが出来ない。どうしてもあなたを過去に出来ない。
きっとあなたはそう望むからと、そういう行動を起こしても、気持ちだけは一向に前に進めない。
頑張ることはできても、どうしても乗り越えられないんだよ。

ただ、一緒にいたかった。
ただ、いてくれるだけでよかった。
出来れば想いも告げたかった。
振られてもいいから、この気持ちを伝えたかった。
そうした後悔の念が今も渦巻いている。
魔王……何であなたは今ここにいないんだろう……魔王……
509:🎏 :2012/10/23(火) 21:53:54 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……ごめん」ポロポロ

側近「……」

女勇者「魔王は女の子が泣くの嫌だから、もう泣かないって決めてたんだけどな」グシグシ

女勇者「……はは、魔王が嫌だからか。やっぱり私は乗り越えられてないよ」

女勇者「私は乗り越えて前に進んでるんじゃない。魔王の幻影に縛られて頑張ってるだけなんだよ」

側近「……そういう解釈もあるかもしれないな」

側近「だけど、俺の考えは違う」

女勇者「え?」

側近「愛する相手を失ってなお、頑張ることは凄いことだ。俺がハーピーを失ったらと思うと……正直怖くて仕方ねえよ」

側近「失った誰かの命、その存在が自分にとって大きければ大きいほど、自分に重くのしかかるんだ」

側近「失った命は二度と戻らない。そして、それが記憶から消えることもない」

側近「乗り越えるということは、忘れて進むことじゃない。それを背負って頑張ることだと思う」

側近「だから女勇者はちゃんと乗り越えてるよ。俺が保証してやるよ」
510:🎏 :2012/10/23(火) 21:55:39 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「でも……」

側近「でもじゃねえよ。実際、女勇者には皆が感謝してる」

側近「俺も、計画に参加してくれた皆も、女勇者が行動してくれたおかげで前向きになれたんだ」

側近「この結果は立派だよ。そんな立派な結果に辿り着いたのは、女勇者が頑張ってくれたからだ」

側近「魔王様に依存したから?今でも魔王様を引きずってる?それでもいいじゃないか。女勇者は確かに頑張ってるんだ」

側近「むしろ、もう少し弱くなってもいいんじゃないか?無理して頑張りすぎるから、いろいろ考えてしまって悩んじまうんだよ」

側近「泣けよ。弱音吐けよ。んでもって、先に逝っちまったあのバカ魔王に悪口の一つや二つくらい言ってやれ」

側近「ここにいる皆は全員が味方だ。弱さをさらけ出して楽になっちまえよ」

側近「魔王様は確かに女が泣くのを嫌がるが、自分を理由に苦しむのはもっと嫌がると思うぞ」

女勇者「……魔王の思い出に縛られるのは、許されることなのかな?」ウルウル

女勇者「前へ進んでる時に、度々過去に立ち止まるのは良いことなのかなあ……?」ウルウル

側近「最後には前へ進んでるんだ。過程がどうあれ、それは良いことだと思うぞ」

側近「今まで悩みながらそれを出さずに俺達を引っ張ってくれてありがとな。でも、何もかも押し殺す必要はない」

側近「最後には皆で平和に進むために、今くらいは弱くなっていいだろ」

女勇者「うぅ……ううぅ……うああぁ……!」ポロポロ
511:🎏 :2012/10/23(火) 21:56:50 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王……私は……!」ポロポロ

側近「……」

ハーピー「女勇者さん……」

魔物♂「あー!側近様が女勇者さん泣かしてるぞ!」

人間♂「よくも女勇者様を!いくら側近様と言えど許さんぞ!」

側近「お前ら空気読めよ!ていうか、俺が泣かしたわけじゃ……いや、悪い意味では泣かしてねえよ!」

女勇者「あ、えっと!本当に私は大丈夫だから!」グシグシ

女勇者「……側近」

側近「何だよ?」

女勇者「楽になれたよ。ありがとう!」

側近「お互い様だ、気にするな」

女勇者「じゃあ皆、そろそろ作業に戻ろう。休憩はちゃんとできた?」

魔物♂「ハーピーさんのおにぎりのおかげでバッチリっすよ!」

人間♂「ほんと嫁に欲しいっす!」

ハーピー「ちょっと皆さん……///」

側近「それは俺がいる限り諦めるんだな。ハーピーは俺の嫁だからな」

ハーピー「そ、側近!!//////」

側近「いや、まあ……たぶんそう遠くない未来にはそうなるんじゃねえの?///」

女勇者「自分で言って照れてるよwww」

側近「うっせえな!お前はさっさと作業戻れよ!」

女勇者「言われなくてもそうするよ!……さあ皆!計画達成はもうすぐだよ!頑張ろう!」
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