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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
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1: :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


475: :2012/10/21(日) 22:50:50 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「……それで、私達にも協力してほしいということですか」

女勇者「魔法陣の解明と言ったら、二人の協力は必要でしょ」

女僧侶「そうですね……私も魔法学の知識については自信がありますし、女魔法使いさんは今なお勉強する真面目な御方ですからね」

女魔法使い「……」ピース

女僧侶「ただ……異世界の住人である魔道師さんのオリジナル魔法陣ですからね……解明し、改良できるかは未知数ですよね」

女勇者「やってみるだけやってみようよ!駄目ならその時に次なる手を考えよう!」

女僧侶「……そうですね。じゃあとりあえず資料があるかどうか、魔道師さんの家を確認してみましょう」

女勇者「そうだね。家の場所は……街の人に訊けばわかるよね。早速行ってみよう!」
476: :2012/10/21(日) 22:52:29 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「ここが魔道師の家か。何か普通だね」

女勇者「何かこう……カラスが一斉にカーッみたいな、そういうの想像してたよ」

女僧侶「要領は得ませんけど、何となくわかります。私もそんな想像してました」

女勇者「さてと……入ってもいいんだよね?」

女僧侶「この家の主である魔道師さんは既に死亡し、この街の代表者にも許可を得ました。問題ないでしょう」

女勇者「そっか……よし!お邪魔しまーす!」ギイィ

女勇者「うっわ!何この資料や本の山!?生活感ゼロじゃない!」

女僧侶「これら全部がオリジナル魔法に関する資料なのでしょうか?」

女勇者「え?この中からあの魔法陣の資料を探し当てろっていうの?うっわ〜……」

女僧侶「これは……骨の折れる作業になりそうですね。今から気落ちしてしまいますね……」

女勇者「女戦士がいたら速攻酒場に逃げ込んでるとこだよ……」

女魔法使い「……」キラキラ

女僧侶「……あれ?女魔法使いさん、どうしました?」

女勇者「何か目が輝いてるけど……」

女魔法使い「魔法の資料があんなに……」キラキラ

女勇者「女魔法使いさんがやる気になってらっしゃる……!」

女僧侶「女魔法使いさん、魔法学の勉強好きですからねえ……」
477: :2012/10/21(日) 22:55:02 ID:6xWpg1Pyas
女魔法使い「……」メラメラ

女勇者「燃えてる……資料を読むのに燃えてる……!」

女僧侶「やる気になってるのは助かりますけど、それでも目的の魔法陣に関する情報が集まるかどうか……」

女勇者「もうちょっと人手が欲しいのが本音だよね。さすがにこれを私達三人で捌くのはちょっと……」

側近「苦戦してるみたいだな」

女勇者「あ、側近」

側近「そんなお前らに助っ人だ。ほら、入ってこい」

ウィッチ「え、えっと……はじめまして」

女勇者「わー、綺麗な魔女さんだね!彼女も協力してくれるの?」

ウィッチ「側近様から話を伺いました。魔法学の知識でなら私でも貢献できると思います」

ウィッチ「私は以前、魔王様にご迷惑をおかけしてしまいました……」

ウィッチ「死後ではあまりにも遅いかもしれませんが、それでも魔王様への償いをしたいと思ってます」

ウィッチ「なので、女勇者さんの計画に協力したいと思ってます。よろしいでしょうか?」

女勇者「当たり前ですよ!魔法陣の解明、よろしくお願いしますね!」
478: :2012/10/21(日) 22:55:57 ID:6xWpg1Pyas
ウィッチ「それで、今は何をしているんでしょうか?」

女勇者「目的の魔法陣に関する情報を探しているんです。一緒に探してもらえますか?」

ウィッチ「もちろんです!一生懸命探します!」

女勇者「ご丁寧に受け答えしてもらって、ありがとうございます」

女僧侶「ウィッチさんは見た目同様に心も美しい方ですね」

ウィッチ「美しいだなんて、そんな……私は一年前には戦争派だった女ですよ」

女勇者「あ、そうなんですか……でも今は改心して、優しい御方になられてるじゃないですか」

女勇者「過去を悔いて改めることが出来る方は、立派で素敵だと思いますよ」

ウィッチ「ありがとうございます……そう言ってもらえると救われます」

側近「……」

側近(魔王様が生きてたら、この光景を見て喜んでただろうな)

側近(魔物と人の和解的な意味でも、綺麗な女性がたくさんいる的な意味でも)
479: :2012/10/21(日) 22:59:17 ID:6xWpg1Pyas
こうして女勇者パーティ三人にウィッチを加えて、魔法陣解明を目指す日々が始まった。
とはいえ、魔道師が残した魔法学の資料の数は尋常ではなく、目的の資料を探すだけでも数日が経過してしまった。
その間に女勇者達とウィッチは仲良くなり、敬語もいつしか消えて親しく喋れる間柄となっていた。

女勇者「ウィッチー、一つの資料に時間かけ過ぎだってー」

ウィッチ「待ってよー。この資料とか、本当に興味深いんだよ。ねー、女魔法使い」

女魔法使い「……」コクコク

女勇者「魔法馬鹿が二人……」

女僧侶「しかし本当に資料が多いですね。異世界の魔法学はかなり進んでるんですね」

女勇者「いや、ほとんどが魔道師のオリジナルらしいからさ、魔道師だけが凄かったんじゃないの?」

ウィッチ「これらを学んで活かせば魔女族のレベルもうんと上がるよね……」

女勇者「ウィッチー、私達の目的は魔法陣の解明だからねー」

ウィッチ「わ、わかってるって!やだなーあははは……」
480: :2012/10/21(日) 23:00:23 ID:6xWpg1Pyas
女魔法使い「……」クイクイ

ウィッチ「ん、どうしたの?服なんか引っ張って」

女勇者「服を引っ張るのは聞いてほしいことがある時だね」

ウィッチ「そうなんだ。何かあったの?」

女魔法使い「魔法陣の情報……これじゃない?」ピラッ

ウィッチ「この紙?……この魔法陣は確かに見たことのない型ね」

女勇者「見せて。……あー、何か見覚えあるような。文章は……一族秘伝の魔法陣としか書かれてないわね」

女僧侶「あの時、魔法陣の全景を確認できたのは魔王さんと側近さんだけでしたね。側近さんに確認してもらった方がいいのではないでしょうか?」

女勇者「そうね。ちょっとあいつ呼んでくるね」
481: :2012/10/21(日) 23:02:08 ID:6xWpg1Pyas
側近「……間違いないな。これはあの時魔道師が使用した魔法陣だ」

女勇者「やっぱり……これが戦争派の多くの命を奪った……」

側近「そして、異世界へ行くための最重要魔法だ」

女僧侶「これを解明し、改良しなければならないわけだが……出来そうか?」

女勇者「うーん……資料にもこれ以上詳しいことは書いてないっぽいしなあ」

女勇者「ああもう!何で一族秘伝の魔法なのに、こうも情報が書いてないの!?」

側近「一族秘伝の魔法だからこそだろ。無駄に情報を残すと他の奴に技術が盗まれるかもしれない。今俺達がそうしようとしてるしな」

側近「それを防ぐために最低限のことしか記されてないんだろう。魔法陣の詳しい構造などは魔道師の頭の中に保管されたんだろうな」

女勇者「くっ……陣の形しか記されてなくて、解明なんか出来るのかなあ?」

ウィッチ「出来るよ!」

女勇者「うわっ!……ウィッチ、やけにやる気だね?」

ウィッチ「魔女族は魔力と魔法学に長けた一族だもん。私は覚えてる魔法は少なく弱いけど、魔法の知識では負けない!」

ウィッチ「世界のために、前魔王様のために、過ちを犯した罪を償うためにも全力で解明してみせるわ!」

女魔法使い「私も頑張る……」

女僧侶「お二方はやる気ですね。魔法陣解明の方はお二人に任していいのではないでしょうか?」

女勇者「そうだね。正直私は魔法陣の形だけでどう解明するの?って状態だし……」
482: :2012/10/21(日) 23:03:31 ID:6xWpg1Pyas
女僧侶「それでは私達は異世界とこの世界を繋げる魔法に関する資料を探しましょう。こちらも重要な魔法ですから」

女勇者「そうだね。私達は引き続き捜索を……」

側近「いや、女勇者には用事がある。ちょっと共存の街まで来てくれ」

女勇者「え?魔法探しは?」

側近「女僧侶に任せればいいだろう」

女僧侶「えっ」

側近「女勇者は共存の街の件に関しては発案者で代表みたいなもんだろ。そんな代表者の意見を仰ぎたいことがあるんだ」

女勇者「代表なんて気はないけど……まあいいや。わかった、すぐに行くよ。女僧侶、任せたよ」

女僧侶「え、あ、はい……」

女僧侶「……」

女僧侶「この資料の山を一人で探すんですか……」
483: :2012/10/21(日) 23:06:07 ID:6xWpg1Pyas
魔王「今日はここまでだよ!」

魔王「殺戮とか撲殺とかって言葉、何だか怖いよね」
魔王「飢え死にとか過労死って言葉は何だか悲しい雰囲気をまとってるよね」
魔王「おまけに出木杉って奴は勉強出来てしずかちゃんと仲良くしてて爆発してほしいよね」
魔王「こういうネガティブな雰囲気を払拭できる、それがひらがな四文字&!の魔法だよ!」
魔王「さつりく!とかぼくさつ!だとそんな怖くないしさ」
魔王「うえじに!とかかろうし!だとむしろ楽しげな雰囲気さえあるし」
魔王「できすぎ!だったら友達になってあげてもいいかなって感じするよね!」
魔王「こうして人々は過酷な現実に向かい合って生きる希望を手に入れるんだね!」
魔王「こんな素敵な魔法はそうそうないよ!本当に人類は進化してるんだなあって感心するよね!」
側近「魔王様の頭はどれだけ退化してるんだって不安になりますよ」

魔王「今回の更新のまとめです。うぃっしゅ!>>475-482
484: 名無しさん@読者の声:2012/10/21(日) 23:42:13 ID:hVOWHfyEMI
魔王サマ…私ついて行けませぬ…すみませんほんとにタヒてお詫び…

1さんの文章力に脱帽
ちょっとイカ臭いけどww
つCCCCC
485: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 01:54:06 ID:5DhxIxj3Ng
いかくさ!
あっホントだ。
>>1のイカ臭さがちょっと和らいだ気がするよ!

このSS一番好きです
体にはお気をつけて下さい
つティッシュ
486: 名無しさん@読者の声:2012/10/22(月) 05:43:42 ID:AbeZYtaf4o
っ支援×100000000
っイカくさいティッシュ
っ支援900000000
487: たくさんの支援やレスをありがとうございます:2012/10/22(月) 21:46:35 ID:6xWpg1Pyas
ちょっと待ってくださいよ。皆してそこに触れなくてもいいじゃないですかwww
ネタ的に言ってるだけでそんなイカの臭いとかしませんよーww
……たぶん、しませんよ……。

>>484
そんな文章を褒められる部分あったかな?と真面目に考え込んでしまいました。
返レスですか?本編ですか?マジで該当部分に心当たりがないです。
どういう文章を書けば、人にどういう印象が残るのか……そういうのって把握したいと思う性質なんですよね。

魔王「ついてこれないのは悲しいけど、死ななくていいよー。死ぬのは悲しいよー?」

>>485
魔王様の例はどうかと思いますが、ひらがな四文字は本当に和む感じはあると思います。
だから、いかくさ!とすれば、嗅覚にも効能が働き、臭いを抑える効果が生まれても不思議ではありません。
いや、不思議ですね。不思議っていうか、気のせいですね。あと、ティッシュありがとうございます。

>>486
支援こんなにもらえるんですか!ティッシュももらえるんですか!
やったー!

ティッシュ使用済みじゃないすかー!
やだー!
488: :2012/10/22(月) 21:47:26 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「それで、訊きたいことって何よ?」

側近「まあまずは共存の街に行くぞ。それで本人から直接訊いてくれ」

女勇者「本人?」

側近「行けばわかるよ。移動魔法かけるぞ」シュンッ



側近「着いたな」

女勇者「本当に一瞬だよね、移動魔法って……」

工学人「あ、来てもらえたんですね!」

側近「おう、連れてきたぞ」

女勇者「……訊きたいことがあるのって工学の街の人なの?」

工学人「はい」

女勇者「ということは……訊きたいことってお墓について?」

工学人「いえ……魔力を貯めるというタンクについてです」
489: :2012/10/22(月) 21:49:02 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……ああ、魔法陣の解明がうまくいった際に、その魔力を溜めとくタンクね」

工学人「それなんですけど、一応設計図を作っていろいろ計算してみたんですよ」

女勇者「うん」

工学人「でも、人間界のどの部品を使おうと、溜める魔力に耐えきれず暴発するような計算になってしまうのです」

女勇者「暴発!?それは困るよ!」

女勇者「そもそもタンクを造ろうっていうのは、魔力を安全に保存するためだもん」

女勇者「異世界への穴の開閉には膨大な魔力がいるらしいって話だよね」

女勇者「魔道師の魔法陣をそのまま用いたり、魔王クラスの魔力があればすぐ用意できるけど……」

女勇者「私達では少しずつ溜めていくしかないよね」

女勇者「でも、むき出しのまま長らく置いてたら維持も難しいかもしれないし、何より危険よ」

側近「何かの拍子で浴びたりしたら……俺達の実力なら死亡は確実だろうな」

女勇者「だからこそタンク案を出したのよ。それが暴発するって話じゃ困るよ!」

工学人「しかし人間界の部品では、膨大な魔力の圧や熱に耐えれず、最終的には壊れて漏らし、悲惨な事故に繋がりますよ」

女勇者「……」
490: :2012/10/22(月) 21:50:07 ID:6xWpg1Pyas
工学人「女勇者様にはある決断をしていただきたく思い、来てもらったのです」

女勇者「決断……」

工学人「安全のためにタンク案を諦めるか、危険を冒してタンクを造って魔力を溜めるか、どちらかを選んでいただきたいのです」

女勇者「そんな……」

側近「代表はお前だから全てを委ねるが、意見していいなら諦めるべきだと思う」

側近「専門家が計算して壊れると言ってるんだ。魔力を溜めて壊れでもしたら、被害を被るのは共存の街の計画に参加してくれてる民だ」

側近「民の命は何より優先する物……魔王様ならきっとこう言う。もちろん俺達だって同意見のはずだ」

女勇者「……」

側近「……委ねると言ったが、ほとんど強要してるようなもんだな。まあいいか」

側近「女勇者、お前の答えを聞かせてくれ」
491: :2012/10/22(月) 21:50:55 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……人間界に耐え得るだけの部品がないのなら、魔界ならどうなの?」

側近「魔界……」

女勇者「工学人さんの言い分では人間界の部品類しか考慮してないじゃない」

女勇者「だったら魔界を考慮してみたらどう?突破口があるかもしれないよ」

女勇者「膨大な魔力に耐え得る部品や、それが出来る素材があるかもしれないじゃない!」

工学人「女勇者様……側近様がいるので言いにくいのですが、魔界の文化レベルは正直人間界と比べて大きく劣ります」

工学人「そんな魔界にそのような部品や素材があるとはとても……」

側近「いや、あるにはある……」

工学人「え、あるのですか!?」

女勇者「ほら!決めつけて諦めるんじゃなくて、無駄かもしれなくてもやることが大切なのよ!」

工学人「いや……言ってみるもんですね、ほんと」

女勇者「それで!?その耐え得る部品や素材って何なの!?」

側近「……少し昔話に付き合ってもらう。まだ争いの渦にあった魔界の話だ」
492: :2012/10/22(月) 21:52:03 ID:6xWpg1Pyas
側近「遠い昔の話だから、俺も聞いただけで詳しくは知らん」

女勇者「いいからいいから。早く話してみてよ!」

側近「……当時はまだ魔界と人間界とで争っている時代だった」

側近「加えて、魔界だけに限っても種族間の争いが頻繁に起こり、魔界に血の流れない日などなかった」

側近「そんな危険な魔界を支配するのは困難を極める。当時の魔王もそれは苦労していたようだ」

側近「実力が全てだった魔界で、いつ自分の栄光を奪われるかわからない……」

側近「そこで当時の魔王は強固な武具を造ることで戦力アップを図った」

女勇者「その武具の素材がそうなんだね!何なの、それは?」

側近「……ゴーレム族の固い体を用いるんだ」

女勇者「……え?」

側近「ゴーレム族を殺し、その体を覆う固い部分を用いて鋼鉄を作製する要領で加工していく」

側近「そうして出来あがった鋼鉄は、通常の物とは比べ物にならない耐久力を誇る」

側近「当時はまだ推測でしかなかったが、当時の魔王は実践して証明してみせた。ゴーレム族の体は頑丈な鋼鉄を造り上げる素材になるとな」
493: 完全なる後付け設定:2012/10/22(月) 21:52:52 ID:6xWpg1Pyas
側近「ゴーレム族は強い種族だが、当時は群れずに個々で過ごしていた。そこを狙われた」

側近「当時の魔王軍は数で押し切り、個々のゴーレム達を次々に狩っていった」

側近「命の危険を感じたゴーレム達は、とある岩山を掘り進め、坑道のような住処を造り上げ、そこに集団で住むようになった」

側近「そうして魔王軍も簡単に手出しは出来なくなったが、十分に殺したから強力な武具の補強は達成でき、それからしばらく権威を守ることとなった」

側近「……あの山には多くのゴーレム達の無念が渦巻いていると言われる」

側近「そんなゴーレム達の無念が渦巻く、ゴーレム族の住処の坑道があるあの岩山をいつしかこう呼ぶようになった」

側近「死霊鉱山ってな」

側近「以上が魔界の誇る強固な素材に関する昔話だ」

側近「どうだ?これでもまだお前はこれに縋って作戦を続けようと言うか?」

女勇者「……いや、言わないよ。ゴーレムさん達を犠牲にするなんて、出来るわけないじゃない」

側近「だろ。悪いがタンクの件は諦めてくれ」

女勇者「でも、それだと魔力を安全に溜めることが出来ない……民に危険が及ぶかもしれない……」

側近「だから、魔王様の遺体を回収する計画から中止する必要がある……」
494: :2012/10/22(月) 21:53:33 ID:6xWpg1Pyas
ゴーレム「……その必要はありませんよ」

女勇者「ゴーレムさん!?今の聞いてたんですか!?」

ゴーレム「すみません……盗み聞きするつもりはなかったのですが、聞こえてしまったもので」

側近「ゴーレム族の悲しい過去を勝手にばらすような真似をして申し訳ない……」

ゴーレム「いえ、気にしないでください。事実ですから」

側近「……ゴーレム、その必要はないとはどういうことだ?」

ゴーレム「そのままの意味です。ゴーレム族を使って、魔力に耐え得るタンクの部品を製造してください」

側近「ふざけるな!お前達の命を犠牲にして何の意味がある!?」

ゴーレム「側近様、我々の命を使う必要はありません」

側近「……何だと?」

女勇者「え?え?どういうこと?」

ゴーレム「必要なのはこの固い部分です。これを殻とでも言いましょうか。この殻には痛覚神経は通ってません。我々の体を覆って守っているんです」

ゴーレム「この殻を削り落すだけなら、命に別状なく素材だけを取り出せます」
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