書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10
基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984
注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。
462:🎏 1:2012/10/20(土) 21:54:18 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「魔王が死んでからどれだけの時間が流れただろう。とりあえず数ヶ月は経ったよね」
女勇者「その間、共存の街の復興にも人間魔物両方からどんどん協力者が来てくれて」
女勇者「ついに今日!完全復活を果たしました!」
「やったー!」「いえーい!」「ばんざーい!」「うっ!……ふぅ」
ゴーレム「戦争派の方々の攻撃を退けながら、無事に達成できたのは大きいですよね」
側近「そうだな。魔王様は亡くなられたが……残った俺達だけでも、手を取り合えば大きなことをやり遂げられると証明できた」
側近「この事実を世界が知るのは、とても大きな意味合いを持つだろう」
女勇者「そういうこと!世界中の皆で力を合わせれば、魔王がいなくても私達は希望に向かっていけるのよ!」
女勇者「ありがとう、皆。私だけじゃどうしようもなかった復興をやり遂げられたのは皆のおかげよ」
ゴーレム「よしてくださいよー。女勇者さんが中心となって動いてくれたからですよー」
女勇者「……その皆に引き続きお願いがあるんだけど、いいかな?」
ゴーレム「……え?」
463:🎏 1:2012/10/20(土) 21:55:43 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「共存の街は皆のおかげで蘇ったわ」
女勇者「だけど、街として機能するのはまだ難しいと思う」
女勇者「元々は魔道師が戦争派を集める場所として造られた街だしね」
女勇者「これから移住者を募集するとしても、今の居住を捨ててまで移り住むのは難しいと思うの」
女勇者「思想に賛成するのと、実際に自分がそれをやるのは別問題になるからね」
女勇者「でも、私はせっかく皆が蘇らせてくれた共存の街を人のいない街で終わらせたくはないの」
女勇者「だからここを世界平和のシンボルにしたいと思ってるの」
側近「その方法は?」
女勇者「……ここに魔王の墓を建てようと思うの」
ゴーレム「お墓……ですか?」
女勇者「うん。立派なお墓を造ってあげて、魔王をこの街で……この世界で眠らせてあげさせたいの」
女勇者「平和を確たるものにしてくれた魔王に、この世界を愛した魔王に、この世界で眠れる場所を造ってあげたい」
女勇者「私達としても、この世界に平和のきっかけをもたらせた魔王と言う存在を忘れず、いつまでも称えるためにも必要だと思う」
女勇者「魔王が確かにこの世界に在って、世界の平和のために頑張ってくれたことを形として残すの。だから立派なお墓を造りたいなって思って」
女勇者「そのために、引き続き協力してほしいなって思ってるの。駄目かな?」
側近「駄目ではないが、一つ訊ねておきたいことがある」
464:🎏 軽く後付け設定:2012/10/20(土) 21:58:01 ID:6xWpg1Pyas
側近「魔王様にこの世界で眠ってほしい……そう言ったな?」
女勇者「うん」
側近「それは、異世界にあるであろう魔王様の遺体を回収するということだよな?」
女勇者「……うん」
側近「どうやってだ?それを可能とする魔道師は既に死んだ。それに、その方法は多くの命を犠牲にする。とてもじゃないが認められない」
女勇者「……今はまだわからないし、最後までわからないかもしれない」
側近「……どういうことだ?」
女勇者「悲劇を起こした魔道師のあの魔法陣……あれをどうにか利用できないかなって」
女勇者「あれはさ、対象者の魔力を全て吸い取り、集まった魔力を一つにまとめるっていう発動系魔法陣だったじゃない」
女勇者「その魔力を一つにまとめるってとこだけうまく利用したいんだよね」
側近「他者の魔力をまとめて一つにするのは魔法学の中でも高等技術に入るからな」
側近「でも、女勇者はメンバーの魔力を自らの剣にまとめてなかったか?魔王様と初対面の時に」
女勇者「あー、あれね……女戦士が、合体技みたいなの作ろうぜ!って言い出したのが始まりでね。三人分だけでも凄い苦労したもん」
女勇者「ましてや、あれだけ大きな魔力をまとめるなんて無理よ。魔道師の魔法陣を頼らなくっちゃ」
465:🎏 1:2012/10/20(土) 22:00:32 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「とにかく、魔道師のあの魔法陣を研究して、魔力を集めて一つにする効能だけ用いた持続系魔法陣にしたいわけよ」
女勇者「魔法学の街の住人や魔界の魔女さん達に協力してもらって、魔法学の街にある魔道師の家から資料とか探して研究したいのよ」
女勇者「それがうまくできたら、工学の街の人に協力してもらって、魔力を貯めるタンクみたいなのを造ってもらって、それに改良版の魔法陣を施す」
女勇者「膨大な魔力を安全に維持するために、それが必要だと思うの」
女勇者「それがうまくいったら、少しずつでいいから皆で魔力をそのタンクに注ぐの。これでいつかは大量の魔力が溜まるわ」
女勇者「行きと帰りの分の魔力が確保できたら、その魔力を使って異世界に繋ぐ穴を発生させる魔法を使う」
女勇者「こっちは魔道師の魔法をそのまま使うわけだからね。資料さえ見つかればどうにかなると思う」
側近「……そうして異世界に渡り、魔王様の遺体を回収し、戻って閉じておしまいってわけか」
女勇者「そういうことね。……不確定要素の多い作戦だけど、協力してくれる?」
側近「……不確定要素も多いし、何より危険だ。異世界に渡ったとして、もしあの男が生きてたらどうなる?」
女勇者「異界王……」
側近「ゼロ距離で魔王様の全魔力を浴びたんだ。重傷か死んでるかのどっちかだろう。死んでたら大丈夫だが、生きてたら……」
女勇者「私達じゃ太刀打ちできないね……」
側近「あれから長い時間が経ってる。怪我も完治して全力を出せる状態だろう。その場合を考えると、あまりにも危険すぎる」
466:🎏 1:2012/10/20(土) 22:02:11 ID:6xWpg1Pyas
側近「魔王様が生きてたら、きっとこう言う。俺なんかのために、手に入れた平和を脅かす必要はないよってな」
女勇者「……」
側近「……でも、そんなの知るかってんだよ」
女勇者「え?」
側近「俺は元々良い部下をやってるつもりはない。あいつに嫌がらせするのが俺の趣味だったんだぞ」
側近「今更イエスマンになり下がる気は毛頭ねえよ。あいつが死んだ今でも、こっちの都合で困らせてやる」
側近「女勇者も困らせてやれ。大丈夫、魔王様は女性からのいじわるが大好きだからな」
側近「やろうぜ、女勇者。魔王様を異世界より奪回するんだ」
女勇者「えっと……皆もそれでいいですか?」
ゴーレム「もちろんですよ。前魔王様のために頑張りますよ!」
「頑張ります!」「前魔王様のために!」「前魔王様万歳!」「うっ!……ふぅ」
側近「決まりだな。これからもよろしく頼むぞ、女勇者」
女勇者「……うん!頑張ろうね!」
467:🎏 1:2012/10/20(土) 22:03:35 ID:6xWpg1Pyas
側近「さて……まずは魔法陣の解明だな。移動魔法で魔力の森にでも行くか」
女勇者「魔女さん達に協力してもらうためだよね!」
側近「そういうことだ。女勇者は一足先に魔法学の街に行って魔道師の家を調べてこい」
女勇者「そうだね。魔法陣の改良が成功しないと、この作戦いきなり破綻するもんね」
ゴーレム「魔法学の知識がない我々はどうすればいいですか?」
女勇者「共存の街復興の時と同じように、工学の街の人に指示受けて動いて!」
工学人「墓の形や規模等はどうしたらいいです?」
女勇者「形は任せるよ!でかくて立派なお墓にしてあげてね!」
工学人「わかりました!偉大なる前魔王様にお眠りいただけるよう立派なお墓を建ててみせます!魔物の皆さん、よろしくお願いしますね!」
ゴーレム「こちらこそ。力仕事を頑張りますので、街の復興の時と同様に指示をお願いしますね!」
女勇者「よかった……計画はちゃんと始動したみたいだね。私も頑張らなくっちゃ!」
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