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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
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1:🎏 :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


41:🎏 :2012/9/17(月) 10:15:48 ID:4.MWSg5KoU
魔王「というわけで野宿です!」

魔王「うっわ!怖いねー!めっちゃ暗いよ!ゲームしたいな!なんかワクワクドキドキ……」

側近「うるさいですよ!普通に寝れないんですか、あなたは!?」

魔王「だってさー、森ん中でテント張って野宿とか、超興奮しない!?ねえねえ、好きな女子をお互いに明かそうぜ!」

側近「中学の修学旅行ですか!?ていうか、お互いに好きな女性が誰か知ってるでしょ!」

魔王「じゃあ何で好きになったか理由言ってこうよ!」

側近「何故そんなことしなきゃならないんですか?明日も早いんですから俺は寝ますよ」

魔王「俺はねー、こんな駄目な俺でも慕ってくれる女勇者ちゃんの優しさが好きだねー」

側近「……俺はどんな時も支えてくれるハーピーの優しさが好きです」

魔王「んふふーwwwなんだかんだ付き合ってくれるんだねwww」

側近「はぶてられても後が面倒臭いだけですからね」
42:🎏 :2012/9/17(月) 10:16:35 ID:4.MWSg5KoU
修学旅行的トーク中

側近「……魔王様、本当に好きな女性がいるのなら、誰にでも盛るのはやめた方がいいですって」

魔王「ええ〜?可愛い子、美しい女性を純粋に褒めて何がいけないの?」

側近「……ニブチンですよね、本当に」

魔王「何でそこまで言われないといけないんだよ……」

側近「ニブチン。ニブチン。ニブチン」

魔王「連呼しないで!なんか……ゲシュタルト崩壊するから!」

側近「ニブチン○ニブチン○」

魔王「。をでっかくしないで!なんか見た目すっごい卑猥な感じになるから!」

側近「誰にでも盛る魔王様にはお似合いのニックネームでしょう」

魔王「……!」

側近「……!」

魔女っ娘3「魔王、覚悟おぉ!!」ファイヤーグワー
43:🎏 :2012/9/17(月) 10:17:44 ID:4.MWSg5KoU
側近「ふんっ!」バリヤー

魔女っ娘3「!」

魔王「ちょ、せっかくのご褒美が!」

側近「はあっ!」クビスジチョップ

魔女っ娘3「ぐぁっ!」

魔王「ちょっとぉ!!側近、お前何してんだよぉ!?」

側近「童貞王者ニブチン○が襲われたので守っただけです」

魔王「ムシキングの亜種みたいに呼ばないで!かわいこちゃん、大丈夫!?」

魔女っ娘3「ぐっ、魔王……殺してやる!!」

魔王「おおう、殺気が溢れ出てる……君になら半殺しにされたいな」

側近「深夜に強襲とは、なかなか汚い真似してくれたな」
44:🎏 :2012/9/17(月) 10:18:52 ID:4.MWSg5KoU
魔王「えっと、何この展開?魔力の森の可愛い魔女ちゃん達は、実はまだ戦争派、みたいな?」

側近「それはないでしょう。魔女達全員が戦争派なら、今頃総力あげての大攻撃が始まってますよ」

側近「つまり今回のこれはこいつの単独犯ですよ。そうだな、娘?」

魔女っ娘3「……」

側近「答えろ!!」シャキンッ

魔王「ちょっと!!剣は危ないって!!何してんの!?」

側近「魔王様……こいつは魔王様を殺そうとしたんですよ?」

魔王「それがその子を殺していい理由にはならない!」

側近「……理由になると思うんですけどねえ。まあわかりましたよ」スチャッ

側近「娘、本来魔王様に逆らうことは死刑を処す大罪だ。お許しくださる魔王様に感謝するんだな」

魔王「それ、前魔王の時のしきたりだから無視していいよ」

側近「本当にあなたって方は……」

魔女っ娘3「……」
45:🎏 :2012/9/17(月) 10:20:02 ID:4.MWSg5KoU
側近「とりあえず殺しはしないと決めましたが、この女の行動が悪意に満ちてることに変わりはありません」

側近「然るべき対処を取らないのはさすがにまずいでしょう」

魔王「ええ〜、何する気?」

側近「俺は魔王様から手出しを禁じられた身ですからね。彼女を罰するのは同族に任せますよ」

魔王「ああ、森の魔女ちゃん達に任せるんだね。今日もう夜遅いけど、どうすんの?」

側近「とりあえずこいつは縛っておきましょう。で、朝にでも突き出すとしましょう」

魔王「待って。側近、待って」

側近「何ですか?」

魔王「それって……縛った女の子と、狭いテントの中で一夜を共にするってこと?」

側近「なんか語弊を招きそうな言い方ですけど……まあそうですね」

魔王「駄目だって!縛るのかわいそうだし!そ、それに、こんな可愛い女の子と一緒の空間で寝るとか!!」

側近「行動を制限しておかないとまた襲われますよ?戦闘力に差があるので、彼女の攻撃で死にはしないと思いますが、ゆっくりと休みたいでしょう?」

魔王「……マジですか」ドキドキ

魔女っ娘3「……」
46:🎏 :2012/9/17(月) 10:21:26 ID:4.MWSg5KoU
側近「いやあ、清々しい朝ですね」

側近「……魔王様、目の下にくまができてますけど?」

魔王「……寝れなかったんだよ」

側近「何故ですか?」

魔王「リア充にはわかんないよ、ちくしょう!」

側近「……?まあいいでしょう。とりあえずこいつを突き出すとしましょう」



側近「……ということがあったんだが」

魔女っ娘1「す、すみません、魔王様!私達の仲間が大変なご迷惑を!」

魔王「いやあ、全っ然気にしてないから大丈夫だよ!」

魔女っ娘2「勝手に私達魔女が誤解されかねない行動をしたんだから……わかってるよね?」

魔女っ娘3「……わかってる」

魔王「あ、その!俺、あんまり気にしてないから!だからあんまり酷いことは……」

ウィッチ「魔王様、私達には私達の決まりごとがあります。魔王様の優しさを無下に扱うのは心苦しいですが、ここは私達に任せてください」

魔王「ウィッチちゃん……」
47:🎏 :2012/9/17(月) 10:22:46 ID:4.MWSg5KoU
側近「……彼女、連れてかれちゃいましたね」

魔王「ウィッチちゃん。俺、あの子から著しく嫌われてたけど、何でだろう?」

ウィッチ「……あの子は幼いころ、まだ魔物と人間が手を取り合ってない世界の時に、家族全員を人間に殺されました」

魔王「あっ……」

ウィッチ「あの子は魔物と人間の共存に進む現在も、そんな現在を作った魔王様も未だ許せない心境にあるのです」

側近「戦争の傷跡……土地や肉体の損傷は長い時間をかけて治ることもあるだろうが」

側近「失った命は二度と戻らない。そして、それが記憶から消えることもない」

魔王「……」

ウィッチ「魔王様を殺害しようとしたことを許容する理由にはなりえませんが、それでも彼女が戦争の被害者だということは忘れないでください」

魔王「……あの子がその過去を心に宿して、それでも笑顔でいられるような優しい今を目指して頑張るよ」

ウィッチ「私からもお願いします。魔王様の作られた優しい世界で、あの子の憎しみは悲しすぎますから……」
48:🎏 :2012/9/17(月) 10:25:33 ID:4.MWSg5KoU
側近「……魔王様、そろそろ出発しますよ」

魔王「あっ……う、うん。わかったよ」

魔王「ウィッチちゃん、情報くれたり泊まらせてくれたりしてありがとう!」

ウィッチ「いえ、大した情報も提供できませんでしたし、何より魔王様方は野宿されたじゃないですか」

魔王「ううん!すっごい助かったし、何よりウィッチちゃんや森のかわいこちゃん達に会えて嬉しかったよ!」

ウィッチ「……魔王様って本当に女性が好きなんですね」

側近「……何?それって有名になってんの?」

ウィッチ「けっこう噂になってますね。こんな森にも情報が来るくらいですから」

側近「だそうですよ、魔王様」

魔王「いや〜それほどでも〜」

側近「あの、俺は反省を促したつもりなんですけど」
49:🎏 :2012/9/17(月) 10:26:44 ID:4.MWSg5KoU
魔王「馬車なう!」

側近「なうなう言われてむかつくんですけど」

魔王「そんなに言ってなくない!?」

側近「量じゃなくて質の問題です」

魔王「質って何!?なうって呟くのに質の良し悪しがあるの!?」

側近「ていうか、魔王様の口から発せられると、あらゆる単語がうざくなります」

魔王「発言すること自体を否定しないでよ!そんなのもう黙るしかなくなるじゃん!」

側近「そうですよ、黙れっつってんですよ。ようやく理解しましたか」

魔王「ああ、ひっでー!こうなったら絶対黙ってやんねえもんね!」

側近「ガキですか……まあいいです。黙らないんなら一つお訊ねします」

魔王「いいよー。何ー?」

側近「攻撃してきた魔女、そして彼女の過去……どう思いましたか?」
50:🎏 :2012/9/17(月) 10:28:12 ID:4.MWSg5KoU
魔王「ああ……誰かの命を奪おうとして現状を変えようとするのはあんまり認めたくないけど、でも彼女の気持ちも無視できないよね」

側近「俺も魔王様も、争いの悪意に家族を奪われてますからね」

魔王「気持ちはわかるよね。気持ちは」

魔王「……今や共存派は多数派と呼べるほどに増えたよ」

魔王「世界中で意見を交わす時、戦争派は少数派になるよね」

魔王「そして少数派だからか、その意見は間違ってるって言われるようになったけど……」

魔王「確かに戦争派のしようとしてることを俺は認めたくない。争わないで済むなら、それを目指していきたいよ」

魔王「でも、戦争派の気持ちは蔑ろにはしたくないな」

魔王「嫌いな物があるのは自然なことだよ。それが悪いこととは言いたくない」

魔王「そしてそれを嫌うのも自然なことだよ。それが間違いだとも言いたくない」

魔王「そいつらが間違ってると決めつけてこの世界を強制するんじゃなくて、この世界でもそいつらの納得できる部分を一緒に探していきたい」

魔王「少数派だからとか、自分と考えが違うからって、見放したくはないなあ」

魔王「それに、それが実現したらあの子の笑顔も見れるかもしれないしね!」
51:🎏 今回はここまで:2012/9/17(月) 10:29:45 ID:4.MWSg5KoU
側近「魔王様らしいお答えですね」

側近「自分を憎む相手にでも優しくできるのはさすがとしか言いようがありません」

側近「俺も魔王様の作られたこの世界が好きですからね」

側近「それが骨の折れる作業だとわかってても、最後まで従うとしますよ」

側近「……魔王様?」

魔王「すぅ……すぅ……」

側近「寝てんのかよ!せっかく珍しく褒めてやったのに……」

側近「……そういや一睡もしてなかったんだっけか。仕方ない、寝かしといてやるか……」

側近「ったく、俺に馬車走らせといて、良い御身分だな」

側近「さっさと魔道湿原を目指すとするか……」
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