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魔王「何でイチャイチャちゅっちゅできないんだよ!」
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1:🎏 :2012/9/14(金) 23:05:11 ID:4.MWSg5KoU
書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10

基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984

注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。


404:🎏 :2012/10/16(火) 22:30:35 ID:6xWpg1Pyas
女勇者「……威勢良く行ってきますとは言ったものの」

女勇者「具体的に何をすればいいのかわかんなくて、未だに王都にいたりして。ははは……」

女勇者「でも本当にどうしよう……私には魔王の移動魔法みたいに一瞬で世界を行き来することはできない」

女勇者「魔王みたいなカリスマもなければ、戦闘力もない。行動力もなければメンタルも弱い……なんか泣けてきた」

女勇者「身の程をわきまえて、出来ることから地道にするしかないか。仲間がいないと駄目だなあ、私……」

女勇者「仲間……」

女勇者「そうだ!ファンクラブの皆を頼ってみたらどうだろ?」

女勇者「今や魔王ファンクラブの会員は世界中にいるからね!さすが魔王!」

女勇者「……皆も今頃絶望してるんだろうな。元気づける意味でも向かわなくっちゃ」
405:🎏 :2012/10/16(火) 22:32:03 ID:6xWpg1Pyas
会長「あ、女勇者様……」

女勇者「想像してたけど……見事なまでの堕落っぷりだね」

会長「女勇者様は強かですね……私には無理です」

女勇者「いや、私も少し前までは堕落しまくってたよ。全然強かじゃないよ」

会長「それでも、今はこうして立ち直っているではないですか。立派なことですよ」

会長「それで、今日はどうしたんですか?ファンクラブの活動は……たぶんもうないと思いますよ」

女勇者「……魔王が死んじゃったから?」

会長「……そうです。正直、何を希望に生きていけばいいんだろうって気持ちですよ」

女勇者「それなんだけどね……私達で今の世界の混乱を鎮めるってのはどう?」

会長「私達がですか?」

女勇者「魔王が生きてたら、きっと皆を助けるために動いてるよ」

女勇者「死んじゃったからそれももう出来ないけど……だったら私達が代わりにやればいいんだよ!」

女勇者「魔王ファンクラブは魔王のために活動すべきよ!あいつは死んじゃったけど……志は消えない!志は私達で支えられる!」

女勇者「だから、今こそ世界中の会員が一つになって、魔王の愛したこの世界を守るの!」
406:🎏 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 22:42:20 ID:txrjupYDzQ
やっと出てきた会長ちゃん!!!!!!
つCCC
407:🎏 1「電話やらなんやらで中断してました、すみません」:2012/10/16(火) 23:31:23 ID:6xWpg1Pyas
会長「……私達にそんな大層なことが出来ますか?」

会長「確かに女勇者様は英雄ですが……他の会員は皆一般人ですよ?そのようなことができるとはとても……」

女勇者「一年前には、魔物と人間が手を取り合える世界なんてあり得なかったわ。でも、魔王は実現した」

女勇者「可能性が僅かでもあれば、魔王は諦めたりしなかった!諦めなければ、出来ることもあるわ!」

女勇者「大好きな魔王を支える私達も、強くあろうよ!優しくあろうよ!笑顔であろうよ!」

女勇者「天国の魔王に喜んでもらえるよう、可愛く笑ってやろうよ!今の会長を魔王が見たら、美貌が台無しだよって励ますよ!」

会長「……ふふ、そうですね。魔王様、私なんかの容姿でも褒めてくださいましたからね」

女勇者「魔王が死んじゃっても、私達ファンクラブは魔王のためにやれることがたくさんあるよ!」

女勇者「今、世界は魔王の死で混乱してる!その隙を突いて戦争派が暴動を起こす始末よ!」

女勇者「戦争派の暴動自体は各地の勇者やその仲間達が抑えてくれてるけど……こんなのが続いてたら皆笑顔でいられなくなるよ!」

女勇者「そんな混乱を収めて、皆の笑顔を取り戻して、天国の魔王に安心してもらおう!」

女勇者「そのために立ち上がれるのは、私達だよ!」

会長「……ありがとうございます。何だか元気が出ました」

会長「そうですね……今の世界や私達を見たら、魔王様はきっと悲しみますよね」

会長「私達ファンクラブは、魔王様のために活動しましょう!」
408:🎏 :2012/10/16(火) 23:32:54 ID:6xWpg1Pyas
会長「私、何だかやる気になってきました!さっそく世界中の会員に連絡します!」

会長「……あ、でも、具体的に何すればいいんでしょう?」

女勇者「そこなんだよねー。この混乱をどうにかするには……」

女勇者「……いや、案外訴えかけたらどうにかなるかも」

会長「訴えかける?」

女勇者「私ね、魔王が死んだショックでね、しばらく引き籠ってたんだけど、女戦士の言葉をきっかけにして立ち上がることが出来たの」

女勇者「魔王の残してくれた世界で、私達は何をすべきか……そう考えて、気付けたの」

女勇者「世界中の人や魔物も、今はショックで絶望したり錯乱してる……」

女勇者「そんな人達に、今私達が何をしていくべきかを説いて、生きる気力を取り戻してほしい」

女勇者「民が前向きになって秩序を取り戻せば、戦争派も活動しにくいだろうし、各地の勇者達の負担を和らげることもできるよ」

女勇者「直接的な解決にはならないかもしれないけど……平穏を取り戻す大きな一歩にはなると思うよ!」

会長「……確かにそうかもしれませんね。真摯な言葉は私達の心に響きます」

女勇者「だから会員が各地で呼びかけよう!魔王のためにも、自分達のためにも、この世界で前を向こうって!」
409:🎏 :2012/10/16(火) 23:34:44 ID:6xWpg1Pyas
会長「……わかりました!さっそく各地の会員達に連絡して見ます!」

会長「ただ、通達が各会員に届くのに時間はかかりますから、全員がすぐに活動開始というわけにはいきませんけど……」

女勇者「側近や女魔法使いがいてくれたら移動魔法ですぐなんだけどね……」

女勇者「まあできないものはしょうがないよ!地道にでも続けていこう!」

会長「とりあえず王都ではすぐに活動できますね。私や王都在住の会員で呼び掛けるとします」

会長「女勇者様はどうしますか?」

女勇者「私は……各地を転々として呼び掛けてみることにするよ」

女勇者「私も一応は世間的に見知った存在だし、ある程度影響あると思う。だからなるべく多くの場所で呼び掛けてみようと思うの」

会長「女勇者様の影響は大きいと思います。女勇者様の前向きな力強い言葉は、絶望に浸る人々を救い出す大きな希望になりますよ!」

女勇者「ははは、本当にそうなるといいね……よーし、やることは決まったね!魔王ファンクラブの名にかけて、魔王みたいに世界を救おう!」

会長「はい!」
410:🎏 :2012/10/16(火) 23:36:43 ID:6xWpg1Pyas
魔王様ファンクラブ始動から数日。

女戦士「王様ーまた馬鹿倒して来ましたぜー」

王「うむ、女戦士よ、御苦労であった」

王「しかし……ここまで戦争派の襲撃が多いのは予想外であったな」

女戦士「王都を落とせば実質人間界の制圧みたいなもんっすからねー。戦争派の標的にはなりやすいっすよね」

女戦士「おまけに、今は民が混乱してて、それに乗じやすいとか言ってる魔物もいました。仕方のないことかもしれないっすねー」

王「魔王の遺志を尊重して反逆者を殺すような真似はせずに捕らえて保護しておるが、このペースでは牢獄が足りなくなる恐れすらあるのう……」

女戦士「でも最近、暴動の数が減ってると思いません?」

王「……言われてみればそうじゃの。しかし、それは何故じゃろうな?」

女戦士「何でも、各地で民が落ち着きを取り戻して秩序が戻りつつあるって話っすよ」

女戦士「実際、王都でも人々の目に希望が灯ったっつーか……前向きに頑張ろうって感じがするんすよね」

王「それは喜ばしいことじゃの。国は民から成り立つものである。国の活力とは民の活力であるからの」

王「巨星墜つその悲しみは個々で乗り越えるしかなく、わしらがしてやれることは暴動の鎮静くらいじゃったが……わしは民の一人一人を誇りに思おう」
411:🎏 :2012/10/16(火) 23:38:00 ID:6xWpg1Pyas
女戦士「それなんすけど、前向きに生きようと呼び掛けてる連中がいるみたいっすよ」

王「呼び掛けている、とな?」

女戦士「魔王のファンクラブの面々が、魔王の残してくれた世界で魔王が安心できるように頑張ろーって感じみたいっす」

王「ファンクラブ……そのようなものがあったのか」

女戦士「あれ?王様知らなかったんすか?」

王「うむ。しかし、魔王は容姿の整った優しい男じゃからな。そりゃあ慕う女性がおっても不思議ではない」

王「そして彼女らは、今なお魔王を慕い続け、その想いを次に繋げようとしておるのか。立派なことじゃ」

王「そんな立派な行いのおかげで民は落ち着き、緩やかにでも平穏を取り戻しつつあるのか。彼女らに感謝せねばな」

女戦士「そうっすねー」

女戦士(女勇者も頑張ってるみたいだな……私も私に出来ることを頑張んなくちゃな!)
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